JP2007195772A - 滅菌システム - Google Patents

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Abstract

【課題】処理室(2)に対して給気と排気が可能な給排気機構(60)と、処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給して処理室(2)の滅菌を行う滅菌システムにおいて、滅菌性能の低下を抑えるとともに、滅菌運転の前処理作業が繁雑になるのも防止する。
【解決手段】過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行って、処理室(2)内を処理室(2)外の気圧に対して陽圧に維持し、処理室(2)の目張りをしなくても外気が処理室(2)に吸引されるのを防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、処理室を過酸化水素で滅菌処理する滅菌システムに関するものである。
従来より、この種の滅菌システムとしては、密閉可能な処理室(例えば医薬品製造室)に、該処理室の気体を吸引する真空ポンプが設けられた気体吸引通路と、過酸化水素蒸気を発生させる過酸化水素蒸気発生器が設けられた過酸化水素供給通路と、処理室内に無菌空気を供給する空気供給通路と、処理室内の気体を循環させながら触媒で過酸化水素を分解する気体循環通路とが接続されたシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の滅菌システムでは、まず真空ポンプを起動して処理室を真空状態にした後、過酸化水素を処理室内に供給して滅菌処理を行う。次に、空気供給通路から処理室に無菌空気を導入し、過酸化水素を処理室内に分散させる。そして、真空ポンプによる吸引工程、過酸化水素の供給工程、及び無菌空気の導入工程を数回繰り返して処理室の滅菌が終了すると、処理室から過酸化水素を除去する工程を行う。この過酸化水素除去工程では、気体循環通路の触媒により過酸化水素を分解しながら処理室の気体を循環させる。こうすることにより、処理室内の過酸化水素濃度を下げるようにしている。
特開平10−328276号公報
ところで、上記の滅菌システムでは、滅菌処理前に処理室を真空吸引しているため、滅菌運転中には、処理室内が処理室外の空間よりも低圧になる。このため、処理室に隙間などがあるとそこから処理室内に外気が吸引されてしまい、菌も室内へ一緒に吸引されることで滅菌性能が落ちるおそれがある。
また、処理室への外気の吸引を防止しようとすると、処理室の隙間を完全に目張りする必要があり、滅菌運転の前処理の作業が繁雑になってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、過酸化水素を用いて処理室の滅菌を行うシステムにおいて、滅菌性能の低下を抑えるとともに、滅菌運転の前処理作業が繁雑になるのも防止することである。
第1の発明は、処理室(2)に対して給気と排気が可能な給排気機構(60)と、該処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する過酸化水素供給機構(70)とを備えた滅菌システムを前提としている。
そして、この滅菌システムは、上記過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を該処理室(2)外の気圧に対して陽圧に維持する制御手段(50)を備えていることを特徴としている。
この第1の発明では、滅菌運転中には、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる。このため、処理室(2)内は、処理室(2)外の気圧に対して陽圧となる。具体的には、ゲージ圧で約5〜10Pa程度の微陽圧になるように制御するとよい。
第2の発明は、第1の発明において、給排気機構(60)が、処理室(2)に空気を供給する空気供給通路(62)に設けられた給気装置(61)と、処理室(2)の圧力を検出する圧力検知手段(63)と、処理室(2)から空気を排出する空気排出通路(64)に設けられた開閉機構(66)を備えた排気装置(65)と、圧力検知手段(63)の検出値に基づいて該開閉機構(66)を調節することにより処理室(2)からの空気の排出量を制御する排気制御手段(51)とを備えていることを特徴としている。
この第2の発明では、給気装置(61)を用いて処理室(2)に対して空気供給通路(62)から空気を供給する一方、排気装置(65)を用いて空気排出通路(64)から空気を排出する。その際、処理室(2)の圧力を圧力検知手段(63)で検知しながら、その検出値に基づいて排気制御手段(51)により開閉機構(66)の開度を調節し、処理室(2)の圧力が微陽圧になるように制御する。
第3の発明は、第2の発明において、給気装置(61)が、処理室(2)への給気圧力を調整する給気圧力調整機構(67)と、処理室(2)への給気風量を調整する給気風量調整機構(68)とを備えていることを特徴としている。
この第3の発明では、排気制御手段(51)により開閉機構(66)の開度を調節することにより排気側で処理室(2)の圧力を調整するのに加えて、給気圧力調整機構(67)と給気風量調整機構(68)とを用いて給気側でも処理室(2)の圧力を調整することができる。
第4の発明は、第2または第3の発明において、排気装置(65)が、過酸化水素蒸気を含む室内の空気を排出する空気排出通路(64)の経路上に設けられた過酸化水素分解器(36)を備えていることを特徴としている。
この第4の発明では、排気装置(65)により過酸化水素蒸気を含む処理室(2)内の空気を空気排出通路(64)から室外へ排出する際に、過酸化水素分解器(36)によって過酸化水素を分解し、無害化できる。
第5の発明は、第1から第4の発明のいずれか1つにおいて、給気装置(61)が、温湿度を調整した空調空気を室内へ供給する空調装置(13,17)(53)を備えていることを特徴としている。
この第5の発明では、処理室(2)の室内へ給気する空気を、空調装置(13,17)(53)により温度と湿度を調整した空気とすることができる。
第6の発明は、第5の発明において、処理室(2)に対して空調空気を供給する第1の空気流通経路である空調系統側回路(10)と、処理室(2)に対して過酸化水素蒸気を供給する第2の空気流通経路である滅菌系統側回路(30)とを備え、空調系統側回路(10)に空調装置(13,17)を含む給排気機構(60)が設けられていることを特徴としている。
この第6の発明では、第1の空気流通経路である空調系統側回路(10)の給排気機構(60)により処理室(2)内を陽圧(微陽圧)となるように調整しながら、それとは別の第2の空気流通経路である滅菌系統側回路(30)において、過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)に過酸化水素蒸気が供給される。
第7の発明は、第5の発明において、処理室(2)に対して過酸化水素蒸気を供給する空気流通経路である滅菌系統側回路(30)を備え、滅菌系統側回路(30)に空調装置(53)を含む給排気機構(60)が設けられていることを特徴としている。
この第7の発明では、滅菌系統側回路(30)の給排気機構(60)により処理室(2)内を陽圧(微陽圧)となるように調整しながら、同時に過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)に過酸化水素蒸気が供給される。
本発明によれば、過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を処理室(2)外の気圧に対して陽圧(微陽圧)に維持するようにしている。したがって、処理室(2)の隙間を完全に目張りしなくても、処理室(2)外の空気が処理室(2)内に吸引されることがないので、滅菌運転の前処理作業が繁雑になるのを防止できる。
また、滅菌運転中には処理室(2)内の圧力が処理室(2)外の圧力よりも高い値に設定されるが、処理室(2)を微陽圧に制御することにより、処理室(2)から流出する滅菌ガスの量も抑えられる。したがって、室外への過酸化水素の漏洩も最小限度に抑えられる。
上記第2の発明によれば、処理室(2)に対して給気装置(61)を用いて空気供給通路(62)から空気を供給する一方、排気装置(65)を用いて空気排出通路(64)から空気を排出する際に、処理室(2)の圧力を圧力検知手段(63)で検知しながら、その検出値に基づいて排気制御手段(51)により開閉機構(66)の開度を調節することで、処理室(2)の圧力が微陽圧になるように確実に制御できる。
上記第3の発明によれば、排気制御手段(51)により開閉機構(66)の開度を調節することにより排気側で処理室(2)の圧力を調整するのに加えて、給気圧力調整機構(67)と給気風量調整機構(68)とを用いて給気側でも処理室(2)の圧力を調整することができるので、処理室(2)の圧力が微陽圧になるようにより確実に制御できる。
上記第4の発明によれば、排気装置(65)に、過酸化水素蒸気を含む室内の空気を排出する空気排出通路(64)の経路上に位置する過酸化水素分解器(36)を設けたことにより、過酸化水素蒸気を含む処理室(2)内の空気を、空気排出通路(64)の過酸化水素分解器(36)によって無害化してから室外へ排出できる。
上記第5の発明によれば、給気装置(61)に、温湿度を調整した空調空気を室内へ供給する空調装置(13,17)(53)を設けたことにより、処理室(2)の室内へ給気する空気を空調装置(13,17)(53)で温度と湿度を調整した空気とすることができる。ここで、一般に、過酸化水素による滅菌を行う場合、処理室(2)内が低湿度である方が高い滅菌効果を得ることができるため、空調装置(13,17)(53)を用いると処理室(2)内を低湿度にして滅菌効果を高められる。
上記第6の発明によれば、処理室(2)に対して空調空気を供給する第1の空気流通経路である空調系統側回路(10)と、処理室(2)に対して過酸化水素蒸気を供給する第2の空気流通経路である滅菌系統側回路(30)とを設け、空調系統側回路(10)に空調装置(13,17)を含む給排気機構(60)を設けているので、処理室(2)内を陽圧(微陽圧)となるように調整する制御と、処理室(2)に過酸化水素蒸気を供給する制御とを、別々の空気流通経路を用いて行うことができる。
上記第7の発明によれば、処理室(2)に対して過酸化水素蒸気を供給する空気流通経路である滅菌系統側回路(30)を設け、この滅菌系統側回路(30)に空調装置(53)を含む給排気機構(60)を設けているので、処理室(2)内を陽圧(微陽圧)に調整する制御と、処理室(2)に過酸化水素蒸気を供給する制御とを、一つの空気流通経路で行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
−全体の構成−
この実施形態は、医薬品等の製造室を処理室として、該処理室内の空調と滅菌処理とを行う滅菌システムに関するものである。この実施形態の配管系統図である図1に示すように、この滅菌システム(1)は、第1の空気流通経路である空調系統側回路(10)と第2の空気流通経路である滅菌系統側回路(30)とを備えている。
この滅菌システム(1)の空調系統側回路(10)は、外気の温度と湿度を調節するとともに、処理室(2)に給気通路(11)と還気通路(12)を介して接続された外気処理空調機(13)を備えている。給気通路(11)から処理室(2)への空気の入口と、処理室(2)から還気通路(12)への空気の出口には、フィルタ機構としてHEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)(14)が設けられている。
還気通路(12)と給気通路(11)との間には戻し通路(15)が接続されており、給気通路(11)の一部と還気通路(12)の一部と戻し通路(15)とにより、処理室(2)の空気が循環する空調側循環通路(16)が構成されている。この空調側循環通路(16)には、給気側に空気の温度調節のみを行う顕熱空調機(17)が設けられ、排気側に空気を循環させる循環ファン(18)が設けられている。また、戻し通路(15)と給気通路(11)の合流箇所にはミキシングチャンバ(19)が設けられている。
滅菌系統側回路(30)では、過酸化水素蒸気発生器(31)を備えた滅菌側循環通路(32)が上記処理室(2)に接続されている。過酸化水素蒸気発生器(31)は過酸化水素発生流路(33)に設けられ、過酸化水素発生流路(33)が滅菌側循環通路(32)の主流路(34)に対して並列に設けられている。主流路(34)側の風量と過酸化水素発生流路(33)側の風量の比率は、10:1程度になるように定められている。なお、過酸化水素蒸気発生器(31)とは、過酸化水素の水溶液を霧化等することによって過酸化水素蒸気を発生させる装置である。
滅菌側循環通路(32)には、過酸化水素発生流路(33)の上流側で分岐する過酸化水素分解流路(35)が設けられ、この過酸化水素分解流路(35)には過酸化水素分解器(36)が設けられている。過酸化水素分解流路(35)における過酸化水素分解器(36)の下流側は、滅菌側循環通路(32)に合流する循環側通路(37)と、外気処理空調機(13)の還気通路(12)に合流する還気側通路(還気側連通路)(38)とに分岐している。
上記滅菌側循環通路(32)における処理室(2)への入口側は給気通路(11)側のHEPAフィルタ(14)に接続され、該滅菌側循環通路(32)における処理室(2)からの出口側は還気通路(12)側のHEPAフィルタ(14)に接続されている。
この滅菌システム(1)では、外気処理空調機(13)から滅菌側循環通路(32)に外気を導入する給気側連通路(39)と、過酸化水素分解器(36)を外気処理空調機(13)の還気通路(12)に接続する上述の還気側連通路(38)とが設けられている。
−詳細な構成−
次に、滅菌システム(1)の構成の詳細について説明する。
<空調系統側回路>
まず、空調系統側回路(10)の構成について説明する。
上記外気処理空調機(13)は、ケーシング内が隔壁(13a)により第1通路(13b)と第2通路(13c)に分離されており、空気中の水分を吸脱着可能な吸着剤を担持したハニカム状の吸着ロータ(13d)が、上記隔壁(13a)に沿って設けられた回転軸(図示せず)を中心として回転可能に設けられている。第1通路(13b)には、上流側から順に、第1外気取り入れ口(13e)、第1冷却コイル(13f)、上記吸着ロータ(13d)、第2冷却コイル(13g)、第1加熱コイル(13h)、加湿器(13i)、ファン(13j)、及び給気口(13k)が設けられている。第2通路(13c)には、第2外気取り入れ口(13l)、第2加熱コイル(13m)、吸着ロータ(13d)、及び排気口(13n)が設けられている。排気口(13n)は、図示しない排気ファンに接続されている。
第1通路(13b)では、第1冷却コイル(13f)により冷却された外気(第1空気)中の水分が吸着ロータ(13d)に吸着され、該第1空気が減湿される。第1空気はその後に第2冷却コイル(13g)、第1加熱コイル(13h)、及び加湿器(13i)により温度と湿度が調節され、給気口(13k)より吹き出される。吸着ロータ(13d)は連続的または断続的に回転しており、水分を吸着した部分がやがて第2通路(13c)内へ移動する。第2通路(13c)では、外気(第2空気)が第2加熱コイル(13m)で加熱されてから吸着ロータ(13d)を通過することにより、該吸着ロータ(13d)が再生される。吸着ロータ(13d)の再生された部分は、さらに回転して第1通路(13b)側へ移動することにより、再び第1空気を減湿することができるようになる。
外気処理空調機(13)とミキシングチャンバ(19)との間の給気通路(11)には、中性能フィルタ(20)と、第1給気切換ダンパ(21a)とが設けられている。上記顕熱空調機(17)は、給気通路(11)におけるミキシングチャンバ(19)の下流側に設けられている。この顕熱空調機(17)は、上流側から順に、空気流入口(17a)、冷却コイル(17b)、ファン(17c)、及び空気流出口(17d)を有している。
処理室(2)は、3部屋の医薬品製造室(2a,2b,2c)から構成され、各医薬品製造室(2a,2b,2c)に対する給気通路(11)の接続部分に給気側のHEPAフィルタ(14)が設けられている。給気通路(11)は各HEPAフィルタ(14)に対応して3本の給気管(11a,11b,11c)に分岐し、各給気管(11a,11b,11c)には、上流側から定風量装置(22a,22b,22c)と給気側気密ダンパ(23a,23b,23c)とが設けられている。
各医薬品製造室(2a,2b,2c)に対する還気通路(12)の接続部分には、還気側のHEPAフィルタ(14)が設けられている。還気通路(12)は各HEPAフィルタ(14)に対応して3本の還気管(12a,12b,12c)に分岐し、各還気管(12a,12b,12c)には、上流側から還気側気密ダンパ(24a,24b,24c)と室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)とが設けられている。この室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)により、処理室(2)内の圧力を調整する圧力調整機構(25)が構成されている。
還気通路(12)には、各還気管(12a,12b,12c)の合流箇所の下流側に上記循環ファン(18)が設けられている。また、還気通路(12)における循環ファン(18)と戻し通路(15)の間には還気調節ダンパ(26)が設けられ、該還気通路(12)における戻し通路(15)と外気処理空調機(13)の間には還気切換ダンパ(27)が設けられている。
外気処理空調機(13)の還気通路(12)は、循環ファン(18)と還気調節ダンパ(26)の間で分岐した排気通路(28)が設けられている。この排気通路(28)には、排気調節ダンパ(29)が設けられている。この排気調節ダンパ(29)を開くことにより、外気処理空調機(13)の運転中に処理室(2)内の圧力が上昇しすぎるのを防止できる。
<滅菌系統側回路>
次に滅菌系統側回路(30)の構成について説明する。
滅菌側循環通路(32)は、上記主流路(34)と、この主流路(34)から分岐した3本の給気側流路(40a,40b,40c)と、同じくこの主流路(34)から分岐した3本の還気側流路(41a,41b,41c)とを備えている。各給気側流路(40a,40b,40c)には給気側ガスバルブ(42a,42b,42c)が設けられ、還気側流路(41a,41b,41c)には還気側ガスバルブ(43a,43b,43c)が設けられている。主流路(34)には、還気側から給気側に向かって順に、滅菌ガス循環ファン(44)と第1滅菌ガス切換バルブ(45a)が設けられている。上記過酸化水素蒸気発生器(31)を備えた過酸化水素発生流路(33)は、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)と各給気側流路(40a,40b,40c)の間において主流路(34)と並列に接続されている。
滅菌ガス循環ファン(44)と第1滅菌ガス切換バルブ(45a)の間には上記過酸化水素分解流路(35)の一端が接続され、該過酸化水素分解流路(35)の他端は、主流路(34)における過酸化水素発生流路(33)の下流端と各給気側流路(40a,40b,40c)の間に接続されている。過酸化水素分解流路(35)には、その上流側から順に、第2滅菌ガス切換バルブ(45b)、過酸化水素分解器(36)であるPt触媒、及び第3滅菌ガス切換バルブ(45c)が設けられている。また、過酸化水素分解流路(35)は、過酸化水素分解器(36)とその下流側の第3滅菌ガス切換バルブ(45c)の間から分岐した上記還気側連通路(38)が外気処理空調機(13)の還気通路(12)に合流している。この還気側連通路(38)には、第4滅菌ガス切換バルブ(45d)が設けられている。
上記外気処理空調機(13)の給気通路(11)は、中性能フィルタ(20)と第1給気切換ダンパ(21a)の間で上記給気側連通路(39)に分岐している。この給気側連通路(39)は、滅菌側循環通路(32)の主流路(34)における還気側流路(41a,41b,41c)と滅菌ガス循環ファン(44)との間に接続されている。この給気側連通路(39)には、第2給気切換ダンパ(21b)が設けられている。
<給排気機構及び過酸化水素供給機構>
この滅菌システム(1)は、処理室(2)に対して給気と排気が可能な給排気機構(60)と、この処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する過酸化水素供給機構(70)とを備えている。過酸化水素供給機構(70)は、上記滅菌系統側回路(30)の過酸化水素発生流路(33)と、この過酸化水素発生流路(33)に設けられている過酸化水素蒸気発生器(31)により構成されている。
給排気機構(60)は、処理室(2)に空気を供給する空気供給通路(62)(給気通路(11))に設けられた給気装置(61)と、処理室(2)の圧力を検出する圧力センサ(63a,63b,63c)(圧力検知手段(63))と、処理室(2)から空気を排出する空気排出通路(64)に設けられた排気装置(65)とを備えている。空気排出通路(64)は、過酸化水素分解流路(35)や還気通路(12)を含んでいる。
上記給気装置(61)は、空調系統側回路の給気側の機器(外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、定風量装置(22a,22b,22c)、給気側気密ダンパ(23a,23b,23c)等)により構成され、温湿度を調整した空調空気を処理室(2)の室内へ供給することが可能に構成されている。
上記排気装置(65)は、空調系統側回路(10)の還気通路(12)に設けられている開閉機構(66)としての室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)を含んでいる。また、この排気装置(65)は、過酸化水素蒸気を含む処理室(2)内の空気を排出するように第2の空気排出通路(64)として滅菌系統側回路(30)から空調系統側回路(10)に接続された過酸化水素分解流路(35)及び還気側通路(還気側連通路)(38)と、この過酸化水素分解流路(35)に設けられた上記過酸化水素分解器(36)も含んでいる。
上記給気装置(61)は、処理室(2)への給気圧力を調整する給気圧力調整機構(67)と、処理室(2)への給気風量を調整する給気風量調整機構(68)とを備えている。給気圧力調整機構(67)は、顕熱空調機(17)のファン(17c)の吐出圧力を調整する機構である。上記ファン(17c)はインバータ制御のファンであり、給気圧力調整機構(64)は、上記ファン(17c)と、図示していないがその吐出側に設けられている圧力センサ及びその検出値に基づいてファンモータの回転数を制御する制御器とから構成されている。また、給気風量調整機構(68)は、各給気管(11a,11b,11c)に設けられている定風量装置(22a,22b,22c)により構成されている。定風量装置(22a,22b,22c)は、内部に風速センサとバルブとを備え、バルブ開度を調整することにより通過風量を一定に保持する装置である。なお、給気圧力調整機構(64)に用いるファンは、顕熱空調機(17)のファン(17c)とは別に設けたものであってもよい。
−運転制御−
次に、この滅菌システム(1)の運転制御と具体的な運転動作に関して説明する。
この滅菌システム(1)は、空調系統側回路(10)と滅菌系統側回路(30)の運転制御を行うコントローラ(制御手段)(50)を備えている。このコントローラ(50)は、処理室(2)を低湿度にするための準備運転と、処理室(2)内の滅菌処理を行う滅菌運転と、処理室(2)の滅菌完了後に過酸化水素濃度を下げるための希釈運転(第1希釈運転及び第2希釈運転)と、希釈完了後に処理室(2)の空調を行う定常運転とを行うように構成されている。滅菌運転前に処理室(2)を低湿度にする準備運転を行うのは、過酸化水素による滅菌を行う場合、処理室(2)内が低湿度である方が高い滅菌効果が得られるためである。
また、上記コントローラ(50)は、上記過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する滅菌運転中に、処理室(2)内の圧力センサ(62a,62b,62c)の検出値に基づいて、開閉機構(66)である室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)を調節することにより、処理室(2)からの空気の排出量を制御する排気コントローラ(排気制御装置)(51)を含んでいる。そして、この排気コントローラ(51)は、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を大気圧(処理室(2)の外の気圧)に対して微陽圧に維持するように(ゲージ圧が約20Pa以下、好ましくは約5〜10Paになるように)構成されている。
<準備運転>
準備運転は、過酸化水素蒸気発生器(31)を停止した状態で、外気処理空調機(13)により処理室(2)の湿度を所定値以下に低下させる工程であり、後述の定常運転時の状態で外気導入量を約1/2とし、処理室(2)内を低湿にする運転である。なお、準備運転では、滅菌に備えて医薬品等の製造機器の開放と建具類の簡単な目張りが行われる。この準備運転の空気の流れを図2に示している。
このとき、滅菌系統側回路(30)では、滅菌ガス循環ファン(44)及び過酸化水素蒸気発生器(31)は停止した状態となる。また、滅菌系統側回路(30)の各バルブ(42a,42b,42c)(43a,43b,43c)(45a,45b,45c,45d)は閉じた状態となり、第2給気切換ダンパ(21b)も閉じた状態となる。一方、空調系統側回路(10)の第1給気切換ダンパ(21a)、還気切換ダンパ(27)、還気調節ダンパ(26)、各定風量装置(22a,22b,22c)、各室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)、各給気側気密ダンパ(23a,23b,23c)、及び各還気側気密ダンパ(24a,24b,24c)はそれぞれ開いた状態となり、排気調節ダンパ(29)は閉じた状態となる。
この状態で、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び循環ファン(18)を運転すると、外気処理空調機(13)で温度と湿度が調節された空気が給気通路(11)を流れるときにミキシングチャンバ(19)、顕熱空調機(17)を順に通過し、低湿の空気が各給気管(11a,11b,11c)から給気側のHEPAフィルタ(14)を介して処理室(2)に供給される。
処理室(2)の空気は排気側のHEPAフィルタ(14)を通って流出し、各還気管(12a,12b,12c)から還気通路(12)で合流し、循環ファン(18)により、一部がミキシングチャンバ(19)を通って顕熱空調機(17)へ、他の一部が外気処理空調機(13)へ送られる。準備運転は、空気を以上のように循環させて、処理室(2)内の室温が約25℃、相対湿度が約30%になるまで行われる。なお、処理室(2)内には、温度と湿度を検出するため、温度センサと湿度センサが設けられている。
<滅菌運転>
準備運転が完了すると、ダンパ類の設定を切り換えて滅菌運転に移行する。滅菌運転は、過酸化水素蒸気発生器(31)により発生した過酸化水素蒸気を滅菌系統側回路(30)の滅菌側循環通路(32)で循環させることにより処理室(2)に所定濃度の過酸化水素を含むガスを供給する工程であり、同時に空調系統側回路(10)を用いて各処理室(2)を微陽圧に維持する制御も行う。この滅菌運転時の滅菌ガスの流れを図3に示している。
このとき、空調系統側回路(10)では、各給気切換ダンパ(21a,21b)及び還気調節ダンパ(26)の開度が調整され、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び循環ファン(18)が低風量で運転される。還気切換ダンパ(27)及び排気調節ダンパ(29)は閉鎖される。また、各定風量装置(22a,22b,22c)、各室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)、各給気側気密ダンパ(23a,23b,23c)、各還気側気密ダンパ(24a,24b,24c)は開度が制御される。
一方、滅菌系統側回路(30)では、滅菌ガス循環ファン(44)及び過酸化水素蒸気発生器(31)が運転され、各給気側ガスバルブ(42a,42b,42c)と各還気側ガスバルブ(43a,43b,43c)が開かれる。また、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)は開放され、第2滅菌ガス切換バルブ(45b)及び第4滅菌ガス切換バルブ(45d)は所定開度に調整され、第3滅菌ガス切換バルブ(45c)は閉鎖されている。
この状態で、滅菌ガス循環ファン(44)と過酸化水素蒸気発生器(31)を運転すると、過酸化水素蒸気発生器(31)で発生した過酸化水素蒸気が主流路(34)の空気と合流して滅菌ガスとなり、給気側流路(40a,40b,40c)から給気側のHEPAフィルタ(14)を通って処理室(2)に供給される。
処理室(2)内の滅菌ガスは還気側のHEPAフィルタ(14)を通って流出し、ほとんどが各還気側流路(41a,41b,41c)から主流路(34)で合流する。合流した滅菌ガスは滅菌ガス循環ファン(44)により一部が過酸化水素発生流路(33)を流れ、残りのほとんどが主流路(34)を流れる。上述したように、主流路(34)を流れる風量と過酸化水素発生流路(33)を流れる風量の比率は、約10:1に設定されている。こうすることにより、過酸化水素を空気中で十分に拡散させ、ひいては処理室(2)内で均一に拡散させる効果を得ることができる。
滅菌運転中は、滅菌系統側回路(30)で過酸化水素蒸気を含む空気を循環させながら、処理室(2)内を大気圧に対して微陽圧(約5〜10Pa)に維持する制御が行われる。具体的には、空調系統側回路(10)において、図に太い破線で示すように空気が流れる際に、まず、顕熱空調機(17)のファン(17c)の吐出圧力が一定となるように給気圧力調整機構(67)で回転数をPID制御し、定風量装置(22a,22b,22c)で処理室(2)に供給される風量が一定となるように給気風量調整機構(68)で制御する。処理室(2)へ供給される空気は、HEPAフィルタ(14)を通過した無菌空気である。次に、処理室(2)内の圧力が一定(微陽圧)となるように、処理室(2)内の圧力センサ(63a,63b,63c)の検出値に基づいて排気装置(65)の開閉機構(66)である室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)の開度をPID制御する。処理室(2)で局所排気などの外乱が生じた場合も、室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)により処理室(2)内の圧力を微陽圧に維持するように制御を行う。
この滅菌運転中には、過酸化水素分解流路(35)の過酸化水素分解器(36)から還気側連通路(38)を通じて、処理室(2)のガスの一部を分解してから外気処理空調機(13)に還気する(空気排出通路(64)を通じて空気を排出する)ようにしている。過酸化水素分解器(36)を通して滅菌ガスを外気処理空調機に戻すのは、外気処理空調機やダクト類の腐食を防止するためである。
処理室(2)内の過酸化水素を含む空気の一部は、上述したように過酸化水素分解器(36)を通じて外気処理空調機(13)へ戻される(排気)。そして、処理室(2)からのリーク分と排気分に相当する量の外気を外気処理空調機(13)から取り入れ、温湿度を調整して処理室(2)へ供給することで、室内を微陽圧に保持する。
上記滅菌運転は、ガスを滅菌側循環通路(32)によって以上のように循環させて、処理室(2)の過酸化水素濃度が約500ppmになり、その濃度で所定時間が経過するまで行われる。なお、過酸化水素濃度を検出するため、滅菌側循環通路(32)の還気側には過酸化水素濃度センサが設けられている(図示せず)。
<希釈運転>
滅菌運転の完了後、処理室(2)内の過酸化水素濃度は約500ppmになっている。この高濃度の状態では、処理室(2)の室内に大量の過酸化水素が存在するため、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、HEPAフィルタ(14)で処理をした無菌空気を処理室(2)に導入しながら処理室(2)のガスをそのまま室外へ放出することはできないので、処理室(2)内の過酸化水素濃度が5〜10ppm程度になるまでは過酸化水素を触媒により分解する第1希釈運転を行う(図4)。その後、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、HEPAフィルタ(14)で処理をした無菌空気を処理室(2)に導入するとともに処理室(2)のガスを室外へ放出する第2希釈運転を行う(図5)。第2希釈運転時に室外へ放出される滅菌ガスの過酸化水素濃度は十分に低いので、大気中への影響はない。
(第1希釈運転)
第1希釈運転は、過酸化水素蒸気発生器(31)を停止して処理室(2)のガスを滅菌側循環通路(32)で循環させながら過酸化水素分解器(36)で過酸化水素濃度が第1の設定値(5〜10ppm)以下になるまで分解する工程であり、図4に空気の流れを示している。
このとき、空調系統側回路(10)において、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び循環ファン(18)は停止しており、各ダンパ(21a,21b)(23a,23b,23c)(24a,24b,24c)(25a,25b,25c)(26)(27)(29)や定風量装置(22a,22b,22c)などは閉鎖または停止している。一方、滅菌系統側回路(30)では、滅菌ガス循環ファン(44)は運転されるが過酸化水素蒸気発生器(31)が停止し、各給気側ガスバルブ(42a,42b,42c)と各還気側ガスバルブ(43a,43b,43c)は開かれたままである。また、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)は閉鎖され、第2滅菌ガス切換バルブ(45b)及び第3滅菌ガス切換バルブ(45c)は開放され、第4滅菌ガス切換バルブ(45d)は閉鎖される。
この状態で、滅菌ガス循環ファン(44)を運転すると、処理室(2)内の空気が滅菌側循環通路(32)を循環する際に過酸化水素分解器(36)を通過し、滅菌ガス中の過酸化水素が分解される。第1希釈運転は、過酸化水素濃度センサによる検出値(過酸化水素濃度)が5〜10ppmになるまで行われる。
なお、第1希釈運転時に各給気側気密ダンパ(23a,23b,23c)や各還気側気密ダンパ(24a,24b,24c)からの滅菌ガスの漏れ等が生じて処理室(2)の圧力が低下した場合には、図に太い破線で流れを示すように、外気処理空調機(13)を運転するとともに第2給気切換ダンパ(21b)を開き、処理室(2)内を所定圧力(例えばゲージ圧で数10Pa)に維持する操作を行う。
(第2希釈運転)
第2希釈運転は、外気処理空調機(13)からフィルタ機構である給気側のHEPAフィルタ(14)を介して空気を処理室(2)に供給しながら過酸化水素濃度が第1の設定値(5〜10ppm)よりも低い第2の設定値(1ppm)以下になるまで排気を行う換気工程である(図5)。この第2の設定値は、処理室(2)内に作業者が入室可能な濃度に設定されている。このように第2希釈運転で空調系統側回路(10)を使っているのは、滅菌系統側回路(30)での低風量の希釈運転(第1希釈運転)を続けたのでは過酸化水素濃度が第2の設定値に達するまでに相当長い時間を要するため、大風量での運転を行うこととしたものである。
このとき、空調系統側回路(10)の設定と滅菌系統側回路(30)の設定は、基本的には準備運転と同じである。ただし、準備運転では還気調節ダンパ(26)が開放され、排気調節ダンパ(29)が閉鎖されていたのに対して、この第2希釈運転では還気調節ダンパ(26)が微小開度に設定され、排気調節ダンパ(29)が全開に近い開度に設定される。
この状態で、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び循環ファン(18)を運転すると、外気処理空調機(13)と顕熱空調機(17)で温度と湿度が調節され、給気側のHEPAフィルタ(14)で浄化された無菌空気が処理室(2)に供給され、処理室(2)内で滅菌ガスと均一に混合する。希釈された滅菌ガスは、還気側のHEPAフィルタ(14)を通って処理室(2)から流出する。この滅菌ガスは、排気調節ダンパ(29)を通って大部分が排気され、一部が還気調節ダンパ(26)を通ってミキシングチャンバ(19)へ流入した後に外気処理空調機(13)からの空調空気と混合され、さらに顕熱空調機(17)へと流れていく。
第2希釈運転では、大風量の空調空気及び滅菌ガスが以上のようにして循環することにより、処理室(2)の過酸化水素濃度が約1ppm以下になるまで行われる。排気調節ダンパ(29)が全開に近い開度に設定されているのは、室内圧力を建屋漏気上の対策により、定常値よりも低い圧力(例えばゲージ圧で約15Pa)に保持するためである。
なお、還気調節ダンパ(26)と排気調節ダンパ(29)の開度は運転状態に合わせて適宜変更してもよい。例えば、本実施形態1では還気調節ダンパ(26)を微小開度に開いて滅菌ガスの一部を顕熱空調機(17)へ戻す(空調側循環通路(16)で循環させる)ようにしているが、必ずしも滅菌ガスの一部を顕熱空調機(17)へ戻さなくてもよい。
また、第1希釈運転から第2希釈運転への移行時には、室圧の急激な変化を避けるため、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)及び循環ファン(18)をスロースタートし、安定した移行を行うとよい。
<定常運転>
定常運転は、外気処理空調機(13)により処理した外気を取り入れながら空調側循環通路(16)で顕熱空調機(17)を介して空調空気を循環させる工程である。この定常運転の空気の流れを図6に示している。
このとき、空調系統側回路(10)の設定と滅菌系統側回路(30)の設定は、基本的には準備運転と同じである。ただし、準備運転では排気調節ダンパ(29)が閉鎖されていたのに対して、この定常運転では排気調節ダンパ(29)が所定開度に設定される。
この状態で、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び循環ファン(18)を運転すると、外気処理空調機(13)と顕熱空調機(17)で温度と湿度が調節され、給気側のHEPAフィルタ(14)で浄化された無菌空気が処理室(2)に供給される。処理室(2)の無菌空気は、還気側のHEPAフィルタ(14)を通って処理室(2)から流出する。この無菌空気は、一部が排気調節ダンパ(29)を通って排気され、大部分が還気調節ダンパ(26)を通ってミキシングチャンバ(19)へ流入した後に外気処理空調機(13)からの空調空気と混合され、さらに顕熱空調機(17)へと流れていく。
定常運転では、空調された無菌空気が空調系統側回路(10)で以上のようにして循環することにより、処理室(2)の温度と湿度が設定値に維持されるとともに、無菌状態が維持される。この定常運転時、処理室(2)の室内はゲージ圧が約30〜50Paになるように運転される。
−実施形態1の効果−
この実施形態1では、過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を処理室(2)外の気圧に対して陽圧(微陽圧)に維持するようにしている。したがって、処理室(2)の隙間を完全に目張りしなくても、処理室(2)外の空気が処理室(2)内に吸引されることがないので、滅菌運転の前処理作業が繁雑になるのを防止できる。
また、滅菌運転中には処理室(2)内の圧力が処理室(2)外の圧力よりも高い値に設定されるが、処理室(2)が微陽圧に制御されるため、処理室(2)から流出する滅菌ガスの量も抑えられる。したがって、室外への過酸化水素の影響も最小限度に抑えられる。特に、処理室(2)が広大な空間に存在する建造物のクリーンルームであるような場合、滅菌ガスが僅かに大気中に漏れたとしてもすぐに拡散するため、その影響を確実に抑えられる。
−実施形態1の変形例−
実施形態1では、過酸化水素分解器(36)を過酸化水素分解流路(35)に一つだけ設けた例について説明したが、図7に示すように、変形例1として、過酸化水素分解器(36)は過酸化水素分解流路(35)に複数個直列に設けてもよいし、図8に示すように、変形例2として、過酸化水素分解器(36)を有する複数の過酸化水素分解流路(35)を並列に設けてもよい。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
−全体の構成−
この実施形態2は、上記実施形態1と同様に、医薬品等の製造室を処理室として、該処理室内の空調と滅菌処理とを行う滅菌システムに関するものである。この実施形態2では、1室の処理室(2)に対して滅菌システム(1)が構成されている。この実施形態2の配管系統図である図9に示すように、この滅菌システム(1)は、空調系統側回路(10)と滅菌系統側回路(30)とを備えている。
この滅菌システム(1)の空調系統側回路(10)は、処理室(2)の入口に接続された給気通路(11)と、処理室(2)の出口に接続された還気通路(12)及び排気通路(28)とを備えている。給気通路(11)から処理室(2)への空気の入口と、処理室(2)から還気通路(12)及び排気通路(28)への出口には、フィルタ機構としてHEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)(14)が設けられている。
給気通路(11)と排気通路(28)(還気通路(12))との間には、処理室(2)内の空気を排気通路(28)(還気通路(12))から給気通路(11)へ戻すための戻し通路(15)が接続されている。そして、給気通路(11)の一部と還気通路(12)(排気通路(28))の一部と戻し通路(15)とにより、処理室(2)の空気が循環する空調側循環通路(16)が構成されている。なお、戻し通路(15)と給気通路(11)の合流箇所には、上記実施形態1と同様に、ミキシングチャンバを設けてもよい。排気通路(28)(還気通路(12))には、戻し通路(15)との接続部の上流側に循環ファン(18)が設けられている。
−詳細な構成−
<空調系統側回路>
給気通路(11)には、除湿器として構成された外気処理空調機(13)と、空気の温度調節のみを行う顕熱空調機(17)とが設けられている。外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)は、空調装置を構成している。この外気処理空調機(13)は、上記実施形態1のものと同様に、回転する吸着ロータ(13d)を用いて空気を除湿するものである。但し、本実施形態2の外気処理空調機(13)では、第2冷却コイル(13g)、第1加熱コイル(13h)、及び加湿器(13i)が省略されている。他の構成は、上記実施形態1とほぼ同じであるため説明は省略する。なお、この外気処理空調機(13)では、外気取り入れ口(13e)と排気口(13n)とにそれぞれダクトが接続されており、外気取り入れ口(13e)側のダクトに中性能フィルタ(20)が設けられている。
上記顕熱空調機(17)は、上流側から順に、空気流入口(17a)、冷却コイル(17b)、電気ヒータ(17e)、ファン(17c)、及び空気流出口(17d)を有している。この顕熱空調機(17)と外気処理空調機(13)と間には、中性能フィルタ(20)が設けられている。また、上記戻し通路(15)は、給気通路(11)における外気処理空調機(13)と中性能フィルタ(20)との間に接続されている。
空調系統側回路(10)には、3つの空調ガス切換バルブ(56)が設けられている。具体的に、給気通路(11)における顕熱空調機(17)と処理室(2)との間には、第1空調ガス切換バルブ(56a)が設けられている。排気通路(28)における処理室(2)と循環ファン(18)との間には、第2空調ガス切換バルブ(56b)が設けられている。排気通路(28)における戻し通路(15)との接続部の下流側には、第3空調ガス切換バルブ(56c)が設けられている。
<滅菌系統側回路>
滅菌系統側回路(30)は、主流路(34)と、過酸化水素発生流路(33)と、過酸化水素分解流路(35)と、循環側通路(37)と、排気側通路(54)とを備えている。主流路(34)は、一端が給気通路(11)において第1空調ガス切換バルブ(56a)の下流に接続され、他端が還気通路(12)(排気通路(28))において第2空調ガス切換バルブ(56b)の上流に接続されている。給気通路(11)の一部と還気通路(12)の一部と主流路(34)とにより、処理室(2)の空気が循環する滅菌側循環通路(32)が構成されている。
主流路(34)には、滅菌側空調機(53)が設けられている。滅菌側空調機(53)は、上記顕熱空調機(17)と同じ構成で、顕熱空調機(17)よりも処理風量が小さい空調機である。滅菌側空調機(53)は、上流側から順に、空気流入口(53a)、冷却コイル(53b)、電気ヒータ(53e)、ファン(53c)、及び空気流出口(53d)を有している。なお、この実施形態2の滅菌側空調機(53)は、その処理風量が顕熱空調機(17)よりも小さいが、顕熱空調機(17)以上であってもよい。
主流路(34)の滅菌側空調機(53)の上流部分には、上流側から順に過酸化水素分解流路(35)と循環側通路(37)と過酸化水素発生流路(33)とが接続されている。循環側通路(37)は、過酸化水素分解流路(35)から分岐している。すなわち、過酸化水素分解流路(35)及び循環側通路(37)からなる部分は、主流路(34)に対して並列になっている。
過酸化水素発生流路(33)は、滅菌ガス発生機(58)が設けられ、主流路(34)とは逆端が大気開放されている。滅菌ガス発生機(58)は、除湿器(57)と過酸化水素蒸気発生器(31)とを備えている。除湿器(57)は、室外から取り込んだ空気を除湿する。過酸化水素蒸気発生器(31)は、過酸化水素の水溶液を霧化等することにより過酸化水素蒸気を発生させる。除湿器(57)で空気を除湿するのは、低湿度の空気の方が過酸化水素が蒸発しやすいためである。この実施形態2では、主流路(34)側の風量と過酸化水素発生流路(33)側の風量の比率が、10:1程度になるように定められている。
過酸化水素分解流路(35)は、主流路(34)側から過酸化水素分解器(36)であるPt触媒と排気ファン(55)とが設けられている。この過酸化水素分解流路(35)は、主流路(34)とは逆端が循環側通路(37)と排気側通路(54)とに分岐している。排気側通路(54)は、過酸化水素分解流路(35)とは逆端が大気開放され、途中に排気調節ダンパ(29)が設けられている。
滅菌系統側回路(30)には、6つの滅菌ガス切換バルブ(45)が設けられている。具体的に、主流路(34)における過酸化水素分解流路(35)の接続部の上流側には、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)が設けられている。過酸化水素分解流路(35)における過酸化水素分解器(36)の上流側には、第2滅菌ガス切換バルブ(45b)が設けられている。主流路(34)における過酸化水素分解流路(35)の接続部と循環側通路(37)の接続部との間には、第3滅菌ガス切換バルブ(45c)が設けられている。循環側通路(37)には、第4滅菌ガス切換バルブ(45d)が設けられている。過酸化水素発生流路(33)における滅菌ガス発生機(58)の下流側には、第5滅菌ガス切換バルブ(45e)が設けられている。主流路(34)における滅菌側空調機(53)の下流側には、第6滅菌ガス切換バルブ(45f)が設けられている。
なお、本実施形態においては、過酸化水素が通過する部分には、鉄や銅を用いると酸化してしまうため、塩化ビニル、ステンレス、アルミニウムなど、酸化しにくい材料が用いられる。特に、滅菌側空調機(53)の熱交換器をプレートフィンコイル型の熱交換器にする場合など、プレートフィンとコイルの両方をアルミニウムで形成するとよい。
<給排気機構及び過酸化水素供給機構>
この滅菌システム(1)において、滅菌運転時に処理室(2)に対して給気と排気を行う給排気機構(60)は、処理室(2)に空気を供給する空気供給通路(62)(過酸化水素発生流路(33)及び主流路(34)における処理室(2)への入口側)に設けられた給気装置(61)と、処理室(2)の圧力を検出する圧力センサ(圧力検知手段)(63)と、処理室(2)から空気を排出する空気排出通路(64)に設けられた排気装置(65)とを備えている。
給気装置(61)は、過酸化水素発生流路(33)に設けられた滅菌ガス発生機(58)と、主流路(34)に設けられた滅菌側空調機(53)とを備えている。滅菌ガス発生機(58)は、過酸化水素蒸気発生器(31)を含む過酸化水素供給機構(70)を構成している。滅菌側空調機(53)にはファン(53c)の吐出圧力を調整する給気圧力調整機構(67)が設けられている。上記ファン(53c)はインバータ制御のファンであり、給気圧力調整機構(67)は、上記ファン(53c)と、図示していないがその吐出側に設けられている圧力センサ及びその検出値に基づいてファンモータの回転数を制御する制御器とから構成されている。この実施形態では、主流路(34)における処理室(2)への空気の入口側には、実施形態1の定風量装置(給気風量調整装置)は設けられていないが、実施形態1と同様に設けてもよい。
排気装置(65)は、主流路(34)に設けられた第1滅菌ガス切換バルブ(45a)と、過酸化水素分解流路(35)に設けられた第2滅菌ガス切換バルブ(45b)及び過酸化水素分解器(36)と、排気側通路(54)に設けられた排気ファン(55)とを備えている。
−運転制御−
次に、この滅菌システム(1)の運転制御と具体的な運転動作に関して説明する。
この滅菌システム(1)は、上記実施形態1と同様に、空調系統側回路(10)と滅菌系統側回路(30)の運転制御を行うコントローラ(制御手段)(50)を備えている。このコントローラ(50)は、準備運転と、滅菌運転と、希釈運転(第1希釈運転及び第2希釈運転)と、定常運転とを行うように構成され、排気コントローラ(51)を含んでいる。
<準備運転>
準備運転は、滅菌ガス発生機(58)を停止した状態で、処理室(2)の湿度が目標湿度になるように外気処理空調機(13)によって処理室(2)の湿度を低下させる工程であり、外気導入量を後述の定常運転時の状態の約1/2とし、処理室(2)内を低湿にする運転である。準備運転では、処理室(2)の目標湿度が相対湿度で20%以上で30%以下の所定値に設定される。なお、目標湿度は20%以上で30%以下の範囲に限定されるものではなく、例えば10%以上で50%以下の範囲であればよい。また、準備運転では、滅菌に備えて医薬品等の製造機器の開放と建具類の簡単な目張りが行われる。この準備運転の空気の流れを図10に示す。
このとき、空調系統側回路(10)の各バルブ(56a,56b,56c)は開いた状態となる。一方、滅菌系統側回路(30)の各バルブ(45a,45b,45c,45d,45e,45f)は閉じた状態となる。
この状態で、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び循環ファン(18)を運転すると、外気処理空調機(13)で除湿された空気が顕熱空調機(17)を通過して温度調節され、その温度調節された低湿の空気が入口側のHEPAフィルタ(14)を介して処理室(2)に供給される。
処理室(2)の空気は、出口側のHEPAフィルタ(14)を通って流出して、循環ファン(18)により排気通路(28)を流通し、その一部が給気通路(11)へ戻って顕熱空調機(17)へ送られ、残りが排気通路(28)の出口から排気される。準備運転は、処理室(2)内の室温が25℃、相対湿度が所定値(例えば30%)になるまで行われる。なお、処理室(2)内には、温度と湿度を検出するため、温度センサと湿度センサが設けられている。
<滅菌運転>
準備運転が完了すると、空調系統側回路(10)から処理室(2)への空気の供給を停止させるために、空調装置を構成する外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)と循環ファン(18)とを停止し、バルブの設定を切り換えて滅菌運転に移行する。滅菌運転は、滅菌ガス発生機(58)から処理室(2)へ過酸化水素を供給することによって、処理室(2)内の過酸化水素の濃度を所定濃度(例えば500ppm)にして、その濃度の状態を所定時間に亘って維持する工程であり、同時に滅菌側空調機(53)を用いて処理室(2)を微陽圧に維持する制御も行う。
この滅菌運転では、滅菌ガス発生機(58)の運転制御が、処理室(2)内の過酸化水素の濃度が所定濃度に到達するまでの調整モードと、所定濃度を維持するための滅菌モードとに分けられており、各モードにおいて処理室(2)への過酸化水素の供給量が調節される。なお、処理室(2)内の過酸化水素の濃度を検出するため、処理室(2)内には過酸化水素濃度センサが設けられている(図示せず)。この滅菌運転時の空気の流れを図11に示す。
このとき、空調系統側回路(10)の各バルブ(56a,56b,56c)は閉じた状態にする。一方、滅菌系統側回路(30)の各バルブは、第4滅菌ガス切換バルブ(45d)以外は開いた状態にする。
この状態で、滅菌ガス発生機(58)、滅菌側空調機(53)、及び排気ファン(55)を運転すると、室外から取り込まれた空気が滅菌ガス発生機(58)へ送り込まれる。滅菌ガス発生機(58)へ流入した空気は、除湿器(57)で除湿された後に過酸化水素蒸気発生器(31)で過酸化酸素蒸気を付与される。そして、過酸化水素を含む空気(滅菌ガス)は、主流路(34)の空気と合流し、滅菌側空調機(53)で温度調節されるとともに給気圧力調整機構(67)で圧力が調整されて、入口側のHEPAフィルタ(14)を通って処理室(2)に供給される。上述したように、主流路(34)を流れる風量と過酸化水素発生流路(33)を流れる風量の比率は、約10:1に設定されている。こうすることにより、過酸化水素を空気中で十分に拡散させ、ひいては処理室(2)内で均一に拡散させる効果を得ることができる。
処理室(2)内の滅菌ガスは出口側のHEPAフィルタ(14)を通って流出し、排気通路(28)から滅菌側循環通路(32)を構成する主流路(34)に流入する。主流路(34)に流入した滅菌ガスは、一部がそのまま主流路(34)を流れて滅菌側空調機(53)を通過した後に処理室(2)へ供給され、残りが過酸化水素分解流路(35)へ流入する。過酸化水素分解流路(35)へ流入した滅菌ガスは、過酸化水素分解器(36)で滅菌ガス中の過酸化水素が分解された後に排気ファン(55)によって排気側通路(54)の出口から室外へ排出される。
排気側通路(54)から滅菌側循環通路(32)の空気を排気するのは、主流路(34)からの滅菌ガスの流入に伴う処理室(2)の室内圧力をコントロールするためである。排気側通路(54)から室外へ排出される空気の量、すなわち過酸化水素分解流路(35)の滅菌ガスの流量は、処理室(2)内に設けられた圧力センサ(63)の計測値に基づいて第1滅菌ガス切換バルブ(45a)と第2滅菌ガス切換バルブ(45b)の開度を制御することにより行われるが、その際、処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行う。このことにより、室内が大気圧に対して陽圧(微陽圧)に維持される。
ここで、この滅菌システム(1)では、主流路(34)の流量に対応した分解能力を有する過酸化水素分解器(36)が用いられている。このため、滅菌運転において過酸化水素分解器(36)に流入する滅菌ガスの過酸化水素の濃度を、過酸化水素分解器(36)によって室外へ排出可能なレベルにまで低下させることができる。
<希釈運転>
滅菌運転の完了後、処理室(2)内の過酸化水素の濃度は所定濃度の約500ppmになっている。この高濃度の状態では、処理室(2)内の滅菌ガスを過酸化水素分解器(36)に通過させて過酸化水素を分解しても、過酸化水素が大量であるために、室外へ排出可能なレベルにまで過酸化水素の濃度を低下させて放出することができない。そこで、処理室(2)内の過酸化水素の濃度が所定値(例えば10ppm)以下になるまでは、処理室(2)と過酸化水素分解器(36)との間で空気を循環させてその空気中の過酸化水素を過酸化水素分解器(36)で分解する第1希釈運転(循環動作)を行う(図12)。その後、外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)を運転させてHEPAフィルタ(14)で処理をした無菌空気を処理室(2)へ供給しながら、その処理室(2)内の空気を室外へ排出する第2希釈運転(排気動作)を行う(図13)。なお、滅菌ガスの過酸化水素の濃度が10ppm(第1希釈運転の終了時点の濃度)ではそのまま室外へ排出できないが、10ppm以下になっていれば滅菌ガス中の過酸化水素を過酸化水素分解器(36)で分解することで室外へ排出可能なレベルにまで過酸化水素の濃度を低下させることができる。
(第1希釈運転)
第1希釈運転では、滅菌ガス発生機(58)を停止して、滅菌側空調機(53)を運転させる。この第1希釈運転時の空気の流れを図12に示す。
このとき、空調系統側回路(10)の設定は基本的に滅菌運転時と同じであり、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び循環ファン(18)は停止しており、各バルブ(56a,56b,56c)は閉じた状態にする。一方、滅菌系統側回路(30)の各バルブは、第3滅菌ガス切換バルブ(45c)及び第5滅菌ガス切換バルブ(45e)以外は開いた状態にし、排気調節ダンパ(29)は閉じておく。
この状態で、滅菌側空調機(53)及び排気ファン(55)を運転すると、処理室(2)と過酸化水素分解器(36)との間で空気が循環する際にその空気中の過酸化水素が過酸化水素分解器(36)で分解される。第1希釈運転は、過酸化水素濃度センサによる検出値(過酸化水素濃度)が所定値(10ppm)以下になるまで行われる。
なお、第1希釈運転時に処理室(2)の圧力が低下した場合には、滅菌ガス発生機(58)を停止した状態で第5滅菌ガス切換バルブ(45e)を開いて過酸化水素発生流路(33)から外気を導入して、処理室(2)内を所定圧力(例えばゲージ圧で数10Pa)に維持する操作を行う。
(第2希釈運転)
第2希釈運転は、外気処理空調機(13)から入口側のHEPAフィルタ(14)を介して空気を処理室(2)に供給しながら過酸化水素の濃度が所定値(10ppm)よりもさらに低い値(1ppm)以下になるまで排気を行う換気工程である(図13)。
このとき、滅菌ガス発生機(58)及び循環ファン(18)は停止させたままにしておく。空調系統側回路(10)の各バルブは、第1空調ガス切換バルブ(56a)のみを開いた状態にする。一方、滅菌系統側回路(30)の各バルブは、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)及び第2滅菌ガス切換バルブ(45b)を開いた状態にし、排気調節ダンパ(29)も開いた状態にする。また、排気ファン(55)を運転させる。
この状態で、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び排気ファン(55)を運転すると、外気処理空調機(13)と顕熱空調機(17)で温度と湿度が調節され、入口側のHEPAフィルタ(14)で浄化された無菌空気が処理室(2)に供給され、処理室(2)内で滅菌ガスと均一に混合する。希釈された滅菌ガスは、出口側のHEPAフィルタ(14)を通って処理室(2)から流出する。この滅菌ガスは、排気通路(28)から滅菌系統側回路(30)の主流路(34)を経て過酸化水素分解流路(35)に流入する。過酸化水素分解流路(35)に流入した滅菌ガスは、その滅菌ガス中の過酸化水素が過酸化水素分解器(36)で分解され、排気側通路(54)の出口から室外へ排出される。
この第2希釈運転では、第1希釈運転とは異なり、過酸化水素分解器(36)を通過した空気を処理室(2)へ戻さないので、第1希釈運転に比べて短時間で処理室(2)内の過酸化水素の濃度を下げることが可能である。また、処理室(2)への空気の供給が、空調装置を構成する外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)を用いて行われている。これらの空調装置(13,17)は、滅菌側空調機(53)よりも大風量の空気を供給可能な装置として構成されているので、単位時間当たりの処理室(2)の空気の入れ換え量が第1希釈運転よりも多くなる。この点においても、第1希釈運転に比べて短時間で処理室(2)内の過酸化水素の濃度を下げることが可能である。
第2希釈運転では、処理室(2)の過酸化水素濃度が約1ppm以下になるまで行われる。その際、室内圧力を建屋漏気上の対策により、定常値よりも低い圧力(例えばゲージ圧で約15Pa)に保持するために、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)及び第2滅菌ガス切換バルブ(45b)のそれぞれの開度を調節する。
また、第1希釈運転から第2希釈運転への移行時には、室圧の急激な変化を避けるため、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)及び排気ファン(55)をスロースタートし、安定した移行を行うとよい。
<定常運転>
定常運転は、外気処理空調機(13)により処理した外気を取り入れながら処理室(2)内の換気及び室圧保持のためにその処理室(2)内の空気を室外へ排出する工程である。この定常運転の空気の流れを図14に示す。第2希釈運転と空気の流れはほぼ同じであるが、処理室(2)内の空気を排気側通路(54)ではなく排気通路(28)から排出する点で異なっている。
このとき、空調系統側回路(10)の各バルブ(56a,56b,56c)は開いた状態にする。一方、滅菌系統側回路(30)の各バルブ(45a,45b,45c,45d,45e,45f)や排気調節ダンパ(29)は閉じた状態にする。また、排気ファン(55)を停止させ、循環ファン(18)を運転させる。
この状態で、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び循環ファン(18)を運転すると、外気処理空調機(13)と顕熱空調機(17)で温度と湿度が調節され、入口側のHEPAフィルタ(14)で浄化された無菌空気が処理室(2)に供給される。処理室(2)の無菌空気は、出口側のHEPAフィルタ(14)を通って処理室(2)から流出する。この無菌空気は、大部分が第3空調ガス切換バルブ(56c)を通って排気通路(28)の出口から排出され、一部が戻り通路(15)から給気通路(11)へ戻され、さらに顕熱空調機(17)へと流れていく。定常運転では、処理室(2)の温度と湿度が設定値に維持されるとともに、無菌状態が維持される。
−実施形態2の効果−
この実施形態2においても、過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を処理室(2)外の気圧に対して陽圧(微陽圧)に維持するようにしている。したがって、処理室(2)の隙間を完全に目張りしなくても、処理室(2)外の空気が処理室(2)内に吸引されることがないので、滅菌運転の前処理作業が繁雑になるのを防止できる。
また、滅菌運転中には処理室(2)内の圧力が処理室(2)外の圧力よりも高い値に設定されるが、処理室(2)が微陽圧に制御されるため、処理室(2)から流出する滅菌ガスの量も抑えられる。
−実施形態2の変形例1−
実施形態2の変形例1について説明する。図15に示すように、この変形例1の滅菌システム(1)は、外気処理空調機(13)を経由して滅菌ガス発生機(58)に外気が取り込まれるように構成されている。
具体的に、給気通路(11)と滅菌ガス発生機(58)とを接続する外気導入通路(59)が設けられている。外気導入通路(59)は、給気通路(11)の戻し通路(15)との接続部と外気処理空調機(13)との間において給気通路(11)から分岐している。滅菌運転において、第5滅菌ガス切換バルブ(45e)を開いて第1空調ガス切換バルブ(56a)を閉じた状態にすると、外気処理空調機(13)で除湿された空気が滅菌ガス発生機(58)に流入する。
この変形例においても、滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を大気圧に対して微陽圧に維持する制御が行われる点は、実施形態2と同様である。
−実施形態2の変形例2−
実施形態2の変形例2について説明する。図16に示すように、この変形例2の滅菌システム(1)では、滅菌系統側回路(30)の主流路(34)が、空調系統側回路(10)の給気通路(11)及び排気通路(28)ではなく直接処理室(2)に接続されている。
この変形例においても、滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を大気圧に対して微陽圧に維持する制御が行われる点は、実施形態2と同様である。
−実施形態2の変形例3−
実施形態2の変形例3について説明する。この変形例3では、図示していないが、滅菌システム(1)が複数の処理室(2)に対して構成されている。この場合、上記実施形態1と同様に、給気通路(11)や排気通路(28)から分岐して各処理室(2)に接続される経路には、それぞれダンパ(23,24,25)、定風量装置(22)を設ける。これにより、各処理室(2)の滅菌処理を個別に実行することが可能になる。滅菌処理が行われていない処理室(2)へは、定常運転によって外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)で空調された空気が流入するようにダンパ(23,24,25)、定風量装置(22)を調節する。
この変形例においても、滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を大気圧に対して微陽圧に維持する制御が行われる点は、実施形態2と同様である。
−実施形態2の変形例4−
実施形態2の変形例4について説明する。図17に示すように、この変形例4では、空調系統側回路(10)が設けられておらず、処理室(2)の空調処理と滅菌処理を滅菌系統側回路(30)のみで実行するように構成されている。
この滅菌システム(1)では、準備運転において、滅菌ガス発生機(58)が過酸化水素蒸気発生器(31)を停止させて除湿器(57)のみを運転させるように制御される。これにより、室外から取り込まれて滅菌ガス発生機(58)で除湿された空気が、滅菌側空調機(53)で温度調節されて処理室(2)へ流入し、処理室(2)が目標湿度に調節される。
この変形例においても、滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を大気圧に対して微陽圧に維持する制御が行われる点は、実施形態2と同様である。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、滅菌運転を滅菌ガス中の過酸化水素濃度が約500ppmになる高濃度の運転にしているが、滅菌をする度に必ずしも高濃度の滅菌運転をしなくてもよく、製造室を使用しない夜間などに短時間で処理するときには、準備運転、5〜10ppm程度の低濃度の滅菌運転、及び処理室(2)の換気を行う第2希釈運転を行うようにして、第1希釈運転を省略するようにしてもよい。
また、上記実施形態1では、すべての医薬品製造室(2a,2b,2c)を同時に滅菌する運転について説明したが、各製造室(2a,2b,2c)を個別に滅菌する運転を行ってもよく、その場合、滅菌を行う製造室(2a,2b,2c)に応じてバルブの開閉をするとよい。また、医薬品製造室(2a,2b,2c)は3室に限らず、3室以外の複数室であってもよいし、実施形態2のように1室であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、処理室を過酸化水素で滅菌処理する滅菌システムについて有用である。
本発明の実施形態1に係る滅菌システムの配管系統図である。 図1の滅菌システムにおいて準備運転の動作を示す図である。 図1の滅菌システムにおいて滅菌運転の動作を示す図である。 図1の滅菌システムにおいて第1希釈運転の動作を示す図である。 図1の滅菌システムにおいて第2希釈運転の動作を示す図である。 図1の滅菌システムにおいて定常運転の動作を示す図である。 本発明の実施形態1の変形例1に係る滅菌システムの配管系統図である。 本発明の実施形態1の変形例2に係る滅菌システムの配管系統図である。 本発明の実施形態2に係る滅菌システムの配管系統図である。 図9の滅菌システムにおいて準備運転の動作を示す図である。 図9の滅菌システムにおいて滅菌運転の動作を示す図である。 図9の滅菌システムにおいて第1希釈運転の動作を示す図である。 図9の滅菌システムにおいて第2希釈運転の動作を示す図である。 図9の滅菌システムにおいて定常運転の動作を示す図である。 本発明の実施形態2の変形例1に係る滅菌システムの配管系統図である。 本発明の実施形態2の変形例2に係る滅菌システムの配管系統図である。 本発明の実施形態2の変形例4に係る滅菌システムの配管系統図である。
符号の説明
1 滅菌システム
2 処理室
10 空調系統側回路
13 外気処理空調機(空調装置)
17 顕熱空調機(空調装置)
30 滅菌系統側回路
36 過酸化水素分解器
50 コントローラ(制御手段)
51 排気コントローラ(排気制御手段)
53 滅菌側空調機(空調装置)
60 給排気機構
61 給気装置
62 空気供給通路
63 圧力センサ(圧力検知手段)
64 空気排出通路
65 排気装置
66 開閉機構
67 給気圧力調整機構
68 給気風量調整機構
70 過酸化水素供給機構

Claims (7)

  1. 処理室(2)に対して給気と排気が可能な給排気機構(60)と、該処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する過酸化水素供給機構(70)とを備えた滅菌システムであって、
    上記過酸化水素供給機構(70)から処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する滅菌運転中に、給排気機構(60)による処理室(2)への給気量が処理室(2)からの排気量よりも多くなる制御を行い、処理室(2)内を該処理室(2)外の気圧に対して陽圧に維持する制御手段(50)を備えていることを特徴とする滅菌システム。
  2. 請求項1において、
    給排気機構(60)は、処理室(2)に空気を供給する空気供給通路(62)に設けられた給気装置(61)と、処理室(2)の圧力を検出する圧力検知手段(63)と、処理室(2)から空気を排出する空気排出通路(64)に設けられた開閉機構(66)を備えた排気装置(65)と、圧力検知手段(63)の検出値に基づいて該開閉機構(66)を調節することにより処理室(2)からの空気の排出量を制御する排気制御手段(51)とを備えていることを特徴とする滅菌システム。
  3. 請求項2において、
    給気装置(61)は、処理室(2)への給気圧力を調整する給気圧力調整機構(67)と、処理室(2)への給気風量を調整する給気風量調整機構(68)とを備えていることを特徴とする滅菌システム。
  4. 請求項2または3において、
    排気装置(65)は、過酸化水素蒸気を含む室内の空気を排出する空気排出通路(64)の経路上に設けられた過酸化水素分解器(36)を備えていることを特徴とする滅菌システム。
  5. 請求項1から4のいずれか1つにおいて、
    給気装置(61)は、温湿度を調整した空調空気を室内へ供給する空調装置(13,17)(53)を備えていることを特徴とする滅菌システム。
  6. 請求項5において、
    処理室(2)に対して空調空気を供給する第1の空気流通経路である空調系統側回路(10)と、処理室(2)に対して過酸化水素蒸気を供給する第2の空気流通経路である滅菌系統側回路(30)とを備え、
    空調系統側回路(10)に空調装置(13,17)を含む給排気機構(60)が設けられていることを特徴とする滅菌システム。
  7. 請求項5において、
    処理室(2)に対して過酸化水素蒸気を供給する空気流通経路である滅菌系統側回路(30)を備え、
    滅菌系統側回路(30)に空調装置(53)を含む給排気機構(60)が設けられていることを特徴とする滅菌システム。
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