JPH1142086A - 耐塩性グルタミナーゼ - Google Patents

耐塩性グルタミナーゼ

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JPH1142086A
JPH1142086A JP20036797A JP20036797A JPH1142086A JP H1142086 A JPH1142086 A JP H1142086A JP 20036797 A JP20036797 A JP 20036797A JP 20036797 A JP20036797 A JP 20036797A JP H1142086 A JPH1142086 A JP H1142086A
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glutamine
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Akira Ozaki
彰 尾崎
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Daiwa Kasei KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】夾雑酵素を含まず、液状で優れた保存安定性を
有する耐塩性グルタミナーゼを提供。 【解決手段】下記性質を有する耐塩性グルタミナーゼ: (1)作用:L−グルタミンを加水分解してL−グルタ
ミン酸とアンモニアを生成する、(2)至適pH及び安
定pH:至適pHはL−グルタミンを基質として7.5
であり、安定pH域は4.5〜10.5である、(3)
耐塩性:37℃、pH5.5の条件において、18%
(W/V)食塩存在下で、非存在の場合と同等の相対活
性と残存活性を示す、及び(4)液状での保存安定性:
18%(W/V)食塩存在下、40℃下で、少なくとも
6ヶ月間安定である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐塩性グルタミナー
ゼ、より詳しくは夾雑酵素を含まず保存安定性に優れた
耐塩性グルタミナーゼに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に新規な耐塩性グルタ
ミナーゼを開発(特開平2−261379号公報参照)
し、これを商品名「グルタミナーゼダイワC−100」
(大和化成株式会社製)として発売した。これはその高
耐塩性より、醤油業界等で好評の中に利用されてきた
が、該グルタミナーゼダイワC−100中には、比較的
多量のプロテアーゼやα−アミラーゼが含まれており、
これを例えば殺菌工程の無い味噌等の製造に利用する
と、着色褐変が生じ、得られる味噌等の商品価値が低下
することがわかってきた。また、上記耐塩性グルタミナ
ーゼは、之等プロテアーゼやα−アミラーゼの混在によ
って、チーズや肉製品への応用も当然できない不利があ
った。
【0003】しかして、従来より、夾雑酵素の除去は、
クロマトグラフィー操作等による高度精製によって行な
い得ることが知られているが、かかる操作自体煩雑であ
り、しかもこれによる製品コストの上昇は避けられな
い。
【0004】更に、グルタミナーゼ剤に限らず、一般
に、酵素剤は使用の簡便さより液状品が要望される場合
があるが、本発明者らの研究によれば、上記「グルタミ
ナーゼダイワC−100」は、これを液状化すると、2
0℃、1ヶ月間の保存で50%以下の活性に低下し、4
0℃、1ヶ月間では完全に失活することが認められ、こ
のように液状における保存安定性が悪いものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、夾雑酵素を実質的に含まず且つ液状で優れた保存安
定性を有する耐塩性グルタミナーゼを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的よ
り鋭意研究を重ねた結果、上記「グルタミナーゼダイワ
C−100」とは異なるある種の市販酵素剤の内にグル
タミナーゼ活性を認めると共に、該グルタミナーゼ活性
は液状でアルカリ域で安定であり、従って、上記酵素剤
をかかるアルカリ域で処理するときには、夾雑酵素が失
活して所望のグルタミナーゼのみが残存し、しかも該グ
ルタミナーゼは、上記目的に合致する優れた耐塩性を有
することを認め、ここに本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、下記性質を有する
ことを特徴とする耐塩性グルタミナーゼが提供される。
【0008】(1)作用:L−グルタミンを加水分解し
てL−グルタミン酸とアンモニアを生成する。
【0009】(2)至適pH及び安定pH:至適pHは
L−グルタミンを基質として7.5であり、安定pH域
は4.5〜10.5である。
【0010】(3)耐塩性:37℃、pH5.5の条件
において、18%(W/V)食塩存在下で、非存在の場
合と同等の相対活性と残存活性を示す。
【0011】(4)液状での保存安定性 18%(W/V)食塩存在下、40℃下で、少なくとも
6ヶ月間安定である。
【0012】また、本発明によれば、市販ラクターゼ剤
「ビオラクタ」(登録商標)を、pH9.8、37℃下
に16時間処理することを特徴とする上記耐塩性グルタ
ミナーゼの製造方法が提供される。
【0013】因みに、上記「グルタミナーゼダイワC−
100」は、これを酸性側及びアルカリ性側で処理し
て、夾雑するプロテアーゼやα−アミラーゼを失活させ
ると、グルタミナーゼも失活し、所望の酵素は得られな
い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明耐塩性グルタミナー
ゼにつき詳述すれば、該酵素は以下の性質を有すること
により特徴づけられる。
【0015】(1)作用 L−グルタミンを加水分解してL−グルタミン酸とアン
モニアとを生成する。
【0016】(2)至適pH及び安定pH範囲 本酵素は、0.5%(W/V)L−グルタミンを基質と
して、37℃で10分間作用させた場合、図1に示すよ
うに、pH7.5で活性が最も高い。
【0017】尚、図1は、pHを横軸にとり、各pHで
の相対酵素活性を縦軸としてプロットしたものであり、
ブリトン−ロビンソン(Britton−Robinson)広域緩衝
液を用いた。
【0018】また、本酵素の安定pH域は、本酵素を含
有する各pH緩衝液を37℃で16時間放置した後の残
存活性を測定することにより求められたものであり、図
2に示すように、4.5〜10.5の範囲であることが
判る。
【0019】(3)活性測定法 本酵素の力価は、以下の方法により求められた。
【0020】即ち、2%(W/V)L−グルタミン溶液
(pH6.0、0.1M酢酸緩衝液に溶解)1.0ml
に、0.01M酢酸緩衝液(pH6.0)で希釈した本
酵素(約0.3U)1.0mlを加えて、37℃、10
分間反応させた後、0.75N過塩素酸溶液1.0ml
を加えて氷水中で反応を停止させ、更に、0.75N水
酸化ナトリウム溶液1.0mlで中和した。次に、上記
反応液0.2mlをとり、該反応液中のL−グルタミン
酸量を、ヤマサL−グルタミン酸測定キットを用いて測
定した。本酵素の1単位(U)は、37℃で1分間当り
に1μモルのL−グルタミン酸を生成する酵素量とす
る。
【0021】(4)至適温度及び安定温度 本酵素の至適温度は、0.5%(W/V)L−グルタミ
ンを基質として、pH7.5(ブリトン−ロビンソン緩
衝液中)で、10分間反応させた場合、図3〔横軸:温
度(℃)、縦軸:相対活性(%)〕に示す通り、65℃
で最も高い活性を示した。
【0022】また、本酵素(pH7.5、ブリトン−ロ
ビンソン緩衝液)を、グルタミン非存在下及び0.5%
グルタミンの存在下に、それぞれ各温度で1時間放置し
た後、残存活性を求めた。その結果は、図4〔横軸:温
度(℃)、縦軸:残存活性(%)〕に示す通りである。
尚、図中、(1)はグルタミン非存在下の残存活性を、
(2)は0.5%グルタミン存在下の残存活性を示し、
該残存活性は、γ−グルタミル−p−ニトロアニリドの
分解力により求めた。
【0023】上記結果より、本酵素はグルタミン非存在
下で55℃まで安定であり、0.5%グルタミン存在下
では65℃まで安定であることが判る。
【0024】(5)分子量 10mMリン酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したセフ
ァデックスG−100を充填したカラム(ファルマシア
社製)を用い、ゲル濾過により測定した本酵素の分子量
は、約54,000であった。
【0025】(6)等電点 ファストシステム(ファルマシア社製)による等電点電
気泳動により求めた本酵素の等電点は、約4.5であっ
た。
【0026】(7)塩存在下での活性及び耐塩性 0〜25%(W/V)となるように所定量の食塩を加え
た0.5%L−グルタミン溶液(0.1M酢酸緩衝液、
pH5.5)に本酵素を加え、37℃で10分間反応さ
せた後、L−グルタミン酸を定量することにより、本酵
素の塩存在下での活性を測定した。
【0027】その結果は図5〔横軸:食塩濃度(W/V
%)、縦軸:相対活性(%)〕に示す通りであり、本酵
素は食塩非存在下での活性を100とした場合、20%
(W/V)食塩濃度においては失活せず、25%(W/
V)食塩濃度においても約90%の活性が認められた。
【0028】また、同様にして、18%(W/V)食塩
を含む酵素液(0.1M酢酸緩衝液、pH5.5)を3
7℃、16時間放置した後、その残存活性を調べた結
果、本酵素は100%活性を維持していた。これに対し
て、「グルタミナーゼダイワC−100」を用いて同一
試験を行なった結果、該酵素の残存活性は60%であっ
た。
【0029】(8)エチルアルコール存在下における活
性及び耐アルコール性 0〜20%(V/V)となるように所定量のエチルアル
コールを加えた0.5%L−グルタミン溶液(0.1M
酢酸緩衝液、pH5.5)に本酵素を加え、37℃で3
0分間反応させた後、L−グルタミン酸を定量して、酵
素活性を調べた。
【0030】その結果は図6〔横軸:エチルアルコール
濃度(V/V%)、縦軸:相対活性(%)〕に示す通り
であり、本酵素は20%エチルアルコール存在下にあっ
ても全く失活は認められなかった。
【0031】また、15%(V/V)エチルアルコール
を含む酵素液(0.1M酢酸緩衝液、pH5.5)を3
7℃、16時間放置した後、その残存活性を測定した結
果によれば、本酵素はほぼ100%の残存活性を示し
た。
【0032】(9)L−グルタミンからL−グルタミン
酸への転換 本酵素を0.07U/mlの濃度で、18%(W/V)
食塩を含む0.5%L−グルタミン(0.1M酢酸緩衝
液、pH5.5)溶液と、食塩を含まない0.5%L−
グルタミン(0.1M酢酸緩衝液、pH5.5)溶液
とに、それぞれ37℃で作用させ、各時間におけるL−
グルタミン酸を定量して、本酵素によるL−グルタミン
酸転換率(〔L-Glu〕/〔L-Gln〕initial、%)の経時
変化を調べた。
【0033】横軸に反応時間(時間)を、縦軸にL−グ
ルタミン酸変換率(%)をとり、その結果を描いたグラ
フを図7に示す。但し、図中、(1)は食塩を含まない
場合を、(2)は18%(W/V)食塩を含む場合を、
それぞれ示す。
【0034】該図7より、本酵素は食塩存在下でもL−
グルタミンからL−グルタミン酸への転換作用を実質的
に阻害されることなく、その転換率は24時間目でほぼ
100%に達することが判る。
【0035】(10)液状酵素の長期保存安定性 「グルタミナーゼダイワC−100」と本酵素とを、1
8%食塩を含む水中にそれぞれ約20単位となるように
溶解して酵素液を作成し、之等をそれぞれ20℃と40
℃で6ヶ月間保存し、その保存安定性を調べた。
【0036】横軸に保存日数(日)を、縦軸に残存活性
(%)をとり、得られた結果をプロットしたグラフを図
8に示す。但し、図中、(1)は本酵素の20℃におけ
る保存安定性を、(2)は「グルタミナーゼダイワC−
100」の20℃における保存安定性を、(3)は本酵
素の40℃におけるそれを、(4)は「グルタミナーゼ
ダイワC−100」の40℃におけるそれを、それぞれ
示す。
【0037】該図8より、本酵素は液状酵素として20
℃及び40℃のいずれにおいても、少なくとも6ヶ月間
安定であるのに対し、「グルタミナーゼダイワC−10
0」は20℃では1ヶ月間で40%の残存活性となり、
40℃では1ヶ月間ですべて失活してしまうことが判
る。
【0038】(11)実質的に夾雑酵素を含まない耐塩
性グルタミナーゼの調整 後記実施例に詳述するとおり、本酵素はアルカリ性で極
めて安定であり、pH9.8、37℃、16時間処理す
ることによりプロテアーゼ、α−アミラーゼ等の夾雑酵
素活性を除き、グルタミナーゼ活性のみを残すことがで
きる。
【0039】上記性質を有する本発明耐塩性グルタミナ
ーゼは、その生産能を有する微生物を常法に従い培養す
ることによって製造することができるが、より簡便に
は、上記微生物が産生する市販酵素製剤を原料として、
該製剤中から単離、精製することができる。
【0040】該市販酵素製剤の代表例としては、「ビオ
ラクタN5」及び「ビオラクタFN5」(いずれも大和
化成株式会社製、尚「ビオラクタ」は登録商標である)
を挙げることができる。上記「ビオラクタ」は、バチル
ス・サーキュランスが生産するラクターゼ(乳糖分解酵
素、β−galactosidase, EC 3.2.1.23)であり、至適温
度65℃、至適pH6.0、温度安定性50℃以下、p
H安定性5.0−9.5なる性質を有しており、特に
「ビオラクタN5」は、ビフィズス因子としてのガラク
トオリゴ糖製造用として開発されたものであり、また
「ビオラクタFN5」は、酵素使用上問題とならない程
度にプロテアーゼ活性を低減させて牛乳処理用としたも
のである。
【0041】かかる市販酵素製剤からの本酵素の単離、
精製は、本酵素の物理化学的性質等を利用した既知の各
種方法の単独もしくは組合わせにより実施することがで
きる。
【0042】上記単離、精製手段の具体例としては、例
えば遠心分離法、透析法、エバポレーター、限外濾過等
による濃縮法、硫安等を用いた塩析法、エタノール等に
よる有機溶媒沈澱法、各種クロマトグラフィー(陽イオ
ン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、疎水性樹脂、ゲル濾過
等)を例示でき、いずれも本発明酵素の製造に利用でき
るが、より好ましくは、本酵素は、例えばヒドロキシル
アパタイトを用いたカラムクロマトグラフィーや、セフ
ァデックスG−100を用いたカラムクロマトグラフィ
ー等の組合せにより単離、精製することができる。その
詳細は、後記実施例に示す通りである。
【0043】かくして、本発明所期の耐塩性グルタミナ
ーゼを単離することができる。
【0044】該酵素は、特に味噌、肉類、チーズ等、夾
雑酵素が作用すると本来の性質が損なわれる食品に好適
に利用することができ、かかる利用によって所望食品に
おけるグルタミン酸の増強を図ることができる。即ち、
本発明酵素は、之等食品中の遊離のL−グルタミンに作
用して、ピログルタミン酸を生じさせることなく、旨味
のもとであるL−グルタミン酸を増強させ得、之等食品
の品質を顕著に向上させ得ると共に、食品本来の風味に
は何等の悪影響をも与えない。また、本発明酵素は、液
状酵素製剤として、粉塵をたてることなく、溶解の手間
が省ける使い易い製剤として利用できる。
【0045】本発明酵素は、高濃度の食塩存在下におい
ても非常に優れた活性と安定性を具備しており、特に高
濃度食塩を含む食品の長期熟成、製造時に利用できるの
みならず、夾雑酵素が作用すると不具合な食品であって
グルタミナーゼ活性の作用のみを期待される食品にも利
用でき、また液状酵素製剤として食品製造に携わる者の
作業環境、易作業性に益するものである。
【0046】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、本
発明グルタミナーゼの単離調製例を挙げ、次いで本発明
液状酵素製剤の調製例を挙げる。
【0047】
【実施例1】 本発明精製酵素の調製 市販ラクターゼ剤「ビオラクタFN5」(大和化成株式
会社製)10gを10mMリン酸緩衝液(pH7.5)
に溶解し、10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に対
し、5℃、1日、透析して、賦形してある乳糖を除くと
共に平衡化した。得られた粗酵素液を、予め10mMリ
ン酸緩衝液(pH7.5)で平衡化しておいたヒドロキ
シルアパタイトカラム(2.5×10cm、和光純薬
製)に通液して、ラクターゼの一部を吸着させた。
【0048】次いで、素通り画分の一部(素通り画分の
うちフラクションNo.10の10mlを1.5mlにま
でエバポレーターで濃縮し、その1ml)を、10mM
リン酸緩衝液(pH7.5)で予め平衡化したセファデ
ックスG−100カラム(3×50cm、ファルマシア
製)にのせ、20ml/時間の流速で3.0mlずつ分
取した。
【0049】上記分離結果を図9に示す。
【0050】図において、縦軸は蛋白の吸光度(OD
280、結果は線(1)として示す)及びグルタミナーゼ
活性(U/ml、結果を線(2)として示す)を、横軸
はフラクションNo.をそれぞれ示す。グルタミナーゼ活
性ピークトップのフラクション(フラクションNo.3
3)は電気泳動的に単一で、その等電点は4.5、ま
た、分子量マーカー溶出位置から、該グルタミナーゼの
分子量は54,000と計算された。
【0051】かくして2.3U/OD280の精製酵素
(本発明耐塩性グルタミナーゼ)を得た。このものの物
理化学的及び酵素的性質は、前述した通りであった。
【0052】
【実施例2】 本発明耐塩性グルタミナーゼの調製 市販酵素製剤「ビオラクタN5」(大和化成株式会社
製)100gを10mMリン酸緩衝液(pH7.5)5
00mlに溶解し、限外濾過モジュールUF−LMSII
(東ソー株式会社製)により水で透析して乳糖を除い
た。この液520mlを2規定水酸化ナトリウムにより
pH9.8とし、37℃、16時間放置した。放置後の
pHは9.3であった。得られた酵素液に対し、1%の
活性炭を加えて遠心分離(8000rpm、30分)を行
ない、上清を475ml得た。冷却した上記上清(酵素
液)を冷エタノール1660mlに加え、遠心分離(8
000rpm、30分)を行なって沈澱物を集め、これを
室温下に真空乾燥した。上記結果を下記表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】該表より、上記方法によって、夾雑酵素を
含まない本発明所期の耐塩性グルタミナーゼが得られる
ことが明らかである。また、該酵素剤は、前述した物理
化学的及び酵素的性質を有するものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明耐塩性グルタミナーゼのpHの変動によ
る相対活性を調べたグラフである。
【図2】本発明耐塩性グルタミナーゼのpHの変動によ
る残存活性を調べたグラフである。
【図3】本発明耐塩性グルタミナーゼの温度変化による
相対活性を求めたグラフである。
【図4】本発明耐塩性グルタミナーゼの温度変化による
残存活性を調べたグラフである。
【図5】本発明耐塩性グルタミナーゼの食塩存在下にお
ける相対活性を求めたグラフである。
【図6】本発明耐塩性グルタミナーゼのエタノール存在
下における相対活性を求めたグラフである。
【図7】本発明耐塩性グルタミナーゼの食塩存在下及び
食塩非存在下におけるL−グルタミンからL−グルタミ
ン酸への経時的変換率を求めたグラフである。
【図8】本発明耐塩性グルタミナーゼの液状における長
期保存安定性を調べたグラフである。
【図9】セファデックスG−100を用いて行なった本
発明耐塩性グルタミナーゼのゲル濾過の結果を示すグラ
フである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記性質を有することを特徴とする耐塩
    性グルタミナーゼ。 (1)作用:L−グルタミンを加水分解してL−グルタ
    ミン酸とアンモニアを生成する。 (2)至適pH及び安定pH:至適pHはL−グルタミ
    ンを基質として7.5であり、安定pH域は4.5〜1
    0.5である。 (3)耐塩性:37℃、pH5.5の条件において、1
    8%(W/V)食塩存在下で、非存在の場合と同等の相
    対活性と残存活性を示す。 (4)液状での保存安定性:18%(W/V)食塩存在
    下、40℃下で、少なくとも6ヶ月間安定である。
  2. 【請求項2】 市販ラクターゼ剤「ビオラクタ」(登録
    商標)を、pH9.8、37℃下に16時間処理するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の耐塩性グルタミナーゼ
    の製造方法。
JP20036797A 1997-07-25 1997-07-25 耐塩性グルタミナーゼ Pending JPH1142086A (ja)

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