JPH1139941A - ポリマー電解質及びリチウム電池 - Google Patents

ポリマー電解質及びリチウム電池

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JPH1139941A
JPH1139941A JP9192865A JP19286597A JPH1139941A JP H1139941 A JPH1139941 A JP H1139941A JP 9192865 A JP9192865 A JP 9192865A JP 19286597 A JP19286597 A JP 19286597A JP H1139941 A JPH1139941 A JP H1139941A
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polymer electrolyte
electrolyte
copolymer
polymer
unit based
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JP9192865A
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Toru Ishida
徹 石田
Masayuki Tamura
正之 田村
Hiroki Kamiya
浩樹 神谷
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Manabu Kazuhara
学 数原
Katsuharu Ikeda
克治 池田
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン導電性が高く、電気化学的、熱的に安定
で、各種電気化学素子の薄型化、小型化、軽量化に対応
可能な強度を有するポリマー電解質及び該ポリマー電解
質を有するリチウム電池の提供。 【解決手段】フルオロオレフィンに基づく重合単位と不
飽和結合を有する炭化水素に基づく重合単位とを含む共
重合体をマトリックスとし、電解質を非水溶媒に溶解し
た溶液を含有するポリマー電解質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池、エレクトロ
クロミック素子、コンデンサ等の電気化学素子用のポリ
マー電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一次電池、二次電池、エレク
トロクロミック素子、アルミニウム電解コンデンサ、電
気二重層キャパシタ等の各種電気化学素子の電解質とし
て、有機溶媒に電解質を溶解した液状の電解液が使用さ
れている。しかし、液状である電解液を使用する場合、
素子外部への電解液の漏れ等の発生による信頼性の低
さ、素子の収容ケース封口時の電解液の飛散及び高度な
封口技術の必要性等の課題があり、液漏れを防止し、信
頼性をより高めるために高いイオン伝導度を有するゲル
状のポリマー電解質の開発が行われている。
【0003】特に一次電池及び二次電池については、液
状である電解液を用いることによって生じる漏液の対
策、可燃性電解液の着火性低減対策、及び電池のフィル
ム状化による電子機器への組み込み性の向上とスペース
の有効利用等の見地より、各種ポリマー電解質が提案さ
れている(特表平8−507407、特表平4−506
726)。
【0004】そのなかで、ポリエチレンオキシド系ポリ
マー電解質は電気化学的には安定であるが、有機電解液
の溶媒の保持性が低い難点がある。三次元構造のポリア
クリレート系ポリマー電解質は、溶媒の保持性はよいも
のの電気化学的に不安定で高起電力の電池には適さな
い。
【0005】ポリフッ化ビニリデンからなるポリマー電
解質は電気化学的に安定であり、フッ素原子を含むので
ポリマーが耐熱性が高い特徴があるが、ポリマー電解質
の温度を上げると電解液がポリマーよりにじみ出る。こ
れに対し、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体を使用することによりこの問題を解決する試
みもある。
【0006】また、従来のポリマー電解質を、エネルギ
ー密度が高いことを特長とするリチウム二次電池に適用
した場合、液状の電解液を使用したリチウム二次電池に
比べて充放電サイクル耐久性が劣る欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高いイオン
伝導性を有し、電気化学的にも熱的にも安定であり、電
池、エレクトロクロミック素子、アルミニウム電解コン
デンサ、電気二重層キャパシタ等の各種電気化学素子の
薄型化、小型化、軽量化に対応可能なゲル強度を有する
ポリマー電解質を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、フルオロオレ
フィンに基づく重合単位と不飽和結合を有する炭化水素
に基づく重合単位とを含む共重合体をマトリックスと
し、電解質を非水溶媒に溶解した溶液を含有することを
特徴とするポリマー電解質、及び前記ポリマー電解質を
有するリチウム電池を提供する。
【0009】本発明において、ポリマー電解質は電解質
を非水溶媒に溶解した溶液をマトリックスに含有させた
ものであり、電解質が溶媒中で解離して導電性を付与す
る機能を有する。そして、マトリックスが電解質溶液を
含有して膨潤し、ゲル状のポリマー電解質となってい
る。
【0010】本発明のポリマー電解質のマトリックス
は、フルオロオレフィンに基づく重合単位と不飽和結合
を有する炭化水素に基づく重合単位とを含む共重合体で
ある。フルオロオレフィンに基づく重合単位と不飽和結
合を有する炭化水素に基づく重合単位とのモル比、さら
には必要に応じて添加される他の成分のモル比、共重合
体の分子量等は、電解質溶液との混和性及び電解質溶液
の保持性、ポリマー電解質の集電体金属への接着性、強
度、成形性、ハンドリング性、マトリックスの入手の容
易性などにより適宜選定できる。また、ポリマー電解質
をフィルム状に成形する場合は、成形するために使用さ
れる有機溶媒へのマトリックスの溶解性又は分散性につ
いても考慮される。
【0011】本発明のポリマー電解質のマトリックスを
形成する共重合体中のフルオロオレフィンに基づく重合
単位と不飽和結合を有する炭化水素に基づく重合単位と
の含有割合は、モル比で70/30〜40/60である
ことが好ましい。フルオロオレフィンに基づく重合単位
が70%を超えると、ポリマーの結晶性が高くなって、
柔軟性が低下したり成形に使用する有機溶媒への溶解性
がなくなって加工性が低下したり、電解質溶液がポリマ
ー中に侵入しにくくなり、ポリマー電解質の電気伝導度
が低くなる。
【0012】また、40%未満であるとポリマー電解質
の柔軟性が高くなりすぎたり、強度が低下したり高分子
量の共重合体が得られなかったりするため好ましくな
い。特に強度の高いポリマー電解質を得るためには、フ
ルオロオレフィンに基づく重合単位と不飽和結合を有す
る炭化水素に基づく重合単位との含有割合がモル比で6
0/40〜45/55である共重合体が好ましい。
【0013】本発明で使用する共重合体中のフルオロオ
レフィンとしては種々の含フッ素オレフィンが使用でき
るが、不飽和結合を有する炭化水素との共重合性に優
れ、共重合体の強度が高い点から、クロロトリフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン
又はヘキサフルオロプロピレンが特に好ましい。また、
これらのフルオロオレフィンと併用してフッ化ビニル、
トリフルオロエチレン、(パーフルオロブチル)エチレ
ン、(パーフルオロオクチル)エチレン、(パーフルオ
ロオクチル)プロピレン等を使用してもよい。
【0014】本発明で使用する共重合体中の不飽和結合
を有する炭化水素としては種々のものが使用できるが、
分子中に非共役性の不飽和結合を1〜3個含有しかつ炭
素数2〜18の炭化水素が、フルオロオレフィンとの共
重合性に優れるので好ましい。さらに、電気化学的酸化
安定性を損なうアリール基等の共役性不飽和結合を有さ
ず、かつ分子中に1又は2個の不飽和結合を有しかつ炭
素数が3〜12の炭化水素が電解質溶液の保持性に優れ
るのでより好ましい。
【0015】本発明における不飽和結合を有する炭化水
素を具体的に例示すれば、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、イソブテン、シクロブテン、3−メチル−1−
ブテン、1−ペンテン、シクロペンテン、1,4−ペン
タジエン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
シクロヘキセン、1,5−ヘキサジエン、メチレンシク
ロヘキサン、1,4−ジメチレンシクロヘキサン、シク
ロへプテン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、2,5−ノルボルナジエン、1−オクテン、シクロ
オクテン、1,5−シクロオクタジエン、5−エチリデ
ン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−デ
セン、ジシクロペンタジエン、1,10−ウンデカジエ
ン、1,5−シクロドデカジエン、1,5,9−シクロ
ドデカトリエン、1−オクタデセン、1,2−ジビニル
シクロブタン、1,2−ジビニルシクロヘキサン、1,
3,5−トリビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
【0016】なかでも、フルオロオレフィンとの共重合
性、電気化学的酸化安定性及び電解質溶液の保持性に優
れる点で、イソブテン、1−ブテンが特に好ましい。ま
たそれらに上記に挙げた他の不飽和結合を有する炭化水
素を組み合わせた系も好ましく採用できる。
【0017】フルオロオレフィンに基づく重合単位と不
飽和結合を有する炭化水素に基づく重合単位とを含む共
重合体は、これらと共重合体を形成できる他の単量体に
基づく重合単位を20モル%を超えない範囲で適宜含有
させた共重合体であってもよい。
【0018】他の単量体としては、上記の不飽和結合を
有する炭化水素のほかに、例えばヘキサフルオロアセト
ン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフル
オロ(プロピルビニルエーテル)、ピバリン酸ビニル、
酢酸ビニル、安息香酸ビニル、エチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、シ
クロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニルエー
テル、エチルアリルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、シクロヘキシルアリルエーテル、クロトン酸及びそ
のエステル、アクリル酸及びそのアルキルエステル、メ
タクリル酸及びそのアルキルエステル等が挙げられる。
【0019】本発明で使用する共重合体の数平均分子量
は1万〜100万が好ましい。分子量が100万を超え
ると、溶解粘度が著しく高く電解質を溶解した溶液との
均一混合が困難となったり、電解質を溶解した溶液の保
持量が少なくなってポリマー電解質の電気伝導度が低下
するので好ましくない。一方、1万未満であると、ポリ
マー電解質の機械的強度が著しく低下するので好ましく
ない。特に好ましくは1万〜30万が採用される。
【0020】本発明では、マトリックス中に前記電解質
を溶解した溶液が均一に分布したポリマー電解質を使用
するが、ポリマー電解質中の電解質溶液の含有量は30
〜90重量%が好ましい。30重量%未満であると電気
伝導度が低くなるので好ましくない。90重量%を超え
るとポリマー電解質が固体状態を保てなくなるので好ま
しくない。特に好ましくは40〜80重量%が採用され
る。
【0021】本発明のポリマー電解質を電池に適用させ
る場合、特に電解質溶液がリチウム塩の溶質と該リチウ
ム塩を溶解できる非水溶媒とからなる溶液であるリチウ
ム電池に好適に適用できる。本発明のポリマー電解質を
有するリチウム電池は、一次電池、二次電池のいずれの
電池としても使用できる。特に二次電池として使用する
場合は、負極へのリチウムの析出がなく安全であること
を考慮すると、負極にリチウムの層間化合物を用いるい
わゆるリチウムイオン二次電池が好ましい。
【0022】本発明のポリマー電解質を有するリチウム
電池において、電解質溶液の溶媒としては炭酸エステル
が好ましい。炭酸エステルは環状、鎖状いずれも使用で
きる。環状炭酸エステルとしてはプロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート等が例示される。鎖状炭酸エ
ステルとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカ
ーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が例示
される。
【0023】本発明では上記炭酸エステルを単独で又は
2種以上を混合して使用できる。他の溶媒と混合して使
用してもよい。また、負極活物質の材料によっては、鎖
状炭酸エステルと環状炭酸エステルを併用すると、放電
特性、サイクル耐久性、充放電効率が改良できる場合が
ある。
【0024】電解質としては、ClO4 -、CF3
3 -、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3
2 -、(CF3 SO22- 等をアニオンとするリチ
ウム塩のいずれか1種以上を使用することが好ましい。
【0025】上記の電解質溶液は、リチウム塩からなる
電解質を前記溶媒に0.2〜2.0mol/lの濃度で
溶解するのが好ましい。この範囲を逸脱すると、イオン
伝導度が低下し、ポリマー電解質の電気伝導度が低下す
る。より好ましくは0.5〜1.5mol/lが選定さ
れる。
【0026】本発明におけるポリマー電解質は種々の方
法で作製できる。例えば、マトリックスを形成する共重
合体を有機溶媒に溶解又は均一に分散させ、リチウム塩
を溶媒に溶解させた溶液と混合する(以下、この混合液
をポリマー電解質形成用混合液という)。この2種の溶
液を混合し、ガラス板上にバーコータ又はドクターブレ
ードによる塗布、キャスト又はスピンコートした後、乾
燥して主として前記共重合体を溶解又は分散させた有機
溶媒を除去し、ポリマー電解質フィルムを得る。乾燥時
にリチウム塩溶液に用いた溶媒が一部蒸発する場合は、
該フィルムに新たにその溶媒を含浸させるか又はフィル
ムをその溶媒蒸気に暴露して所望の組成にする。
【0027】前記共重合体を溶解又は分散させる有機溶
媒としては、テトラヒドロフラン(以下、THFとい
う)、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
トルエン、キシレン、N−メチルピロリドン、アセト
ン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等が使用できるが、乾燥により選択的に
この有機溶媒を除去するため、THF、アセトン等の沸
点100℃以下の揮発性の有機溶媒が好ましい。
【0028】本発明における負極活物質は、一次電池の
場合はリチウムイオンを放出可能な材料であり、二次電
池の場合はリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料であ
る。これらの負極活物質を形成する材料は特に限定され
ないが、例えばリチウム金属、リチウム合金、炭素材
料、周期表14、15族の金属を主体とした酸化物、炭
素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化
チタン、炭化ホウ素化合物等が挙げられる。
【0029】炭素材料としては、様々な熱分解条件で有
機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土壌黒
鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛等を使用できる。また、酸化
物としては、酸化スズを主体とする化合物が使用でき
る。
【0030】本発明における正極活物質は一次電池の場
合はリチウムイオンを吸蔵可能な物質であり、二次電池
の場合はリチウムイオンを吸蔵、放出可能な物質であ
る。例えば、周期表4族のTi、Zr、Hf、5族の
V、Nb、Ta、6族のCr、Mo、W、7族のMn、
8族のFe、Ru、9族のCo、10族のNi、11族
のCu、12族のZn、Cd、13族のAl、Ga、I
n、14族のSn、Pb、15族のSb、Bi及び16
族のTe等の金属を主成分とする酸化物及び複合酸化
物、硫化物等のカルコゲン化物、オキシハロゲン化物、
前記金属とリチウムとの複合酸化物等が使用できる。ま
た、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリチ
オフェン誘導体、ポリアセン誘導体、ポリパラフェニレ
ン誘導体、又はそれらの共重合体等の導電性高分子材料
も使用できる。
【0031】本発明では、リチウムを吸蔵、放出可能な
物質を負極活物質に使用した二次電池とする場合、負極
及び/又は正極にリチウムを含有させる。一般的には正
極活物質の合成時にリチウム含有化合物とし、正極活物
質の固体マトリックス中にリチウムを含有させておく。
また、電池組立前に負極に化学的又は電気化学的方法で
リチウムを含有させたり、電池組立時にリチウム金属を
負極及び/又は正極に接触させて組み込むといった方法
でリチウムを含有させることもできる。
【0032】正極活物質に使用するリチウム含有化合物
としては、特にリチウムとマンガンの複合酸化物、リチ
ウムとコバルトの複合酸化物、リチウムとニッケルの複
合酸化物が好ましい。
【0033】本発明における正極及び負極は、活物質を
有機溶媒と混練してスラリとし、該スラリを金属箔集電
体に塗布、乾燥して得ることが好ましい。より好ましく
は、前記正極及び負極にポリマー電解質形成用混合液を
含浸させるか又は塗布し、電極層の内部までポリマー電
解質を浸透させる。また、ポリマー電解質形成用混合液
をスラリに混合してから金属箔集電体に塗布して電極を
形成してもよい。
【0034】また、本発明では、前記共重合体を有機溶
媒に溶解又は分散させずに多孔質フィルム状に形成し、
活物質を含むスラリを金属箔集電体に塗布、乾燥して得
た正極及び負極の間にはさみ、その後にリチウム塩溶液
を吸収せしめて電池素子を形成することもできる。
【0035】本発明のリチウム電池の形状には特に制約
はない。シート状(いわゆるフイルム状)、折り畳み
状、巻回型有底円筒形、ボタン形等が用途に応じて選択
される。
【0036】本発明のポリマー電解質をエレクトロクロ
ミック素子に使用する場合は、本発明によるポリマー電
解質のマトリックスに、有機溶媒として例えばγ−ブチ
ロラクトン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル
等を用い、電解質として例えばLiClO4 、LiBF
4 等を0.2〜1.5mol/lの濃度で溶解させた溶
液を含有させることによりポリマー電解質を得ることが
できる。
【0037】本発明のポリマー電解質をアルミニウム電
解コンデンサに使用する場合は、本発明によるポリマー
電解質のマトリックスに、有機溶媒として例えばγ−ブ
チロラクトン、エチレングリコール、アセトニトリル等
を用い、例えばR1234 NOH又はR567
Nの塩基と有機カルボン酸とからなる塩(ただし、R1
、R2 、R3 、R4 及びR5 、R6 、R7 はそれぞれ
独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、同じでも異な
っていてもよい)を0.2〜1.5mol%溶解させた
溶液を混合することによりポリマー電解質を得ることが
できる。
【0038】本発明のポリマー電解質を電気二重層キャ
パシタに使用する場合は、本発明によるポリマー電解質
のマトリックスに、有機溶媒として例えばγ−ブチロラ
クトン、プロピレンカーボネート、スルホラン、エチル
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート等を単独又
は混合して用い、例えば一般式R1234+
は一般式R1234+ で表されるカチオンと、
ClO4 -、CF3 SO3 -、BF4 -、PF6 -、AsF6 -
SbF6 -、CF3 CO2 -、又は(CF3 SO22-
等のアニオンを有する4級オニウム塩(ただし、R1
2 、R3 、R4 はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基
であり、同じでも異なっていてもよい)を電解質として
0.5〜1.5mol/l溶解した溶液を混合すること
によりポリマー電解質を得ることができる。
【0039】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0040】[例1]内容積1リットルの撹拌機付きス
テンレス製オートクレーブを用い、イソブテンを15.
6g、2,5−ノルボルナジエンを12.9g、イオン
交換水を608g、メチルセルロースを0.46g、炭
酸カリウムを0.4g、アゾビスイソブチロニトリルを
0.2g仕込んだ後、気相部の窒素置換を繰り返した。
次いで、クロロトリフルオロエチレンを114.2g仕
込み、60℃に昇温して、10時間重合した。未反応モ
ノマーをパージして得たポリマースラリをメタノールで
沈殿させ、洗浄、乾燥してクロロトリフルオロエチレン
に基づく重合単位とイソブテンに基づく重合単位と2,
5−ノルボルナジエンに基づく重合単位とからなる共重
合体(モル比で52/38/10)67gを得た。この
共重合体の数平均分子量は8.2万であった。
【0041】アルゴン雰囲気中で、この共重合体10重
量部をTHF32重量部に撹拌しながら60℃に加温し
て溶解させた。これを溶液1とする。次にエチレンカー
ボネートとプロピレンカーボネートを体積比で1/1に
混合した溶媒にLiPF6 を1mol/lの濃度でアル
ゴン雰囲気中で溶解した。これを溶液2とする。
【0042】21重量部の溶液1に5重量部の溶液2を
加え、60℃に加熱し撹拌した。この溶液をガラス板上
にバーコータにて塗布し、40℃で1時間乾燥してアセ
トンを除去し、厚さ100μmの透明なポリマー電解質
フィルムを得た。このフィルムの組成は、共重合体、エ
チレンカーボネート/プロピレンカーボネート混合溶
媒、LiPF6 が重量比で50/44.3/5.7であ
った。
【0043】このフィルムをガラス基板より剥離し、交
流インピーダンス法により電気伝導度を25℃、アルゴ
ン雰囲気下で測定した。電気伝導度は5×10-4S/c
mであった。
【0044】正極活物質としてLiCoO2 粉末を11
重量部、導電材としてアセチレンブラックを1.5重量
部、上記共重合体6重量部、溶液2を11重量部、及び
アセトン70重量部をアルゴン雰囲気下で混合し、撹拌
しながら加温してスラリを得た。このスラリを厚さ20
μmで表面を粗面化したアルミニウム箔にバーコータに
て塗布、乾燥し、正極を得た。
【0045】負極活物質としてメソフェーズカーボンフ
ァイバ粉末(平均直径8μm、平均長さ50μm、(0
02)面間隔0.336nm)12重量部、上記共重合
体6重量部、溶液2を11重量部、及びアセトン70重
量部をアルゴン雰囲気中で混合し、撹拌しながら加温し
てスラリを得た。このスラリを厚さ20μmで表面を粗
面化した銅箔にバーコータにて塗布、乾燥し、負極を得
た。
【0046】上記ポリマー電解質フィルムを1.5cm
角に成形し、これを介して有効電極面積1cm×1cm
の正極と負極を対向させ、厚さ1.5mmで3cm角の
2枚のポリテトラフルオロエチレン背板で挟み締め付
け、その外側を外装フィルムで覆うことによりリチウム
イオン二次電池素子を組み立てた。この操作もすべてア
ルゴン雰囲気中で行った。
【0047】充放電条件は、0.5Cの定電流で、充電
電圧は4.2Vまで、放電電圧は2.5Vまでの電位規
制で充放電サイクル試験を行った。その結果、500サ
イクル後の容量維持率は86%であった。
【0048】[例2]2,5−ノルボルナジエンのかわ
りにアリルグリシジルエーテル16.0gを仕込む以外
は例1と同様にして、クロロトリフルオロエチレンに基
づく重合単位とイソブテンに基づく重合単位とアリルグ
リシジルエーテルに基づく重合単位とからなる共重合体
(組成はモル比で49/45/6、数平均分子量12
万)を得た。この共重合体を用いた以外は例1と同様に
して厚さ100μmのポリマー電解質フィルムを得た。
このフィルムの電気伝導度を例1と同様にして測定した
ところ、6×10-4S/cmであった。
【0049】このポリマー電解質を用いた以外は例1と
同様にして電池素子を組み立て、例1と同様に充放電サ
イクル試験を行った。500サイクル後の容量維持率は
88%であった。
【0050】[例3]負極として厚さ100μmのリチ
ウム/アルミニウム合金箔を用いた以外は例1と同様に
してリチウム二次電池素子を組み立て、例1と同様に充
放電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維
持率は84%であった。
【0051】
【発明の効果】実施例の結果から明らかなように、本発
明により、イオン伝導性が高いポリマー電解質を得るこ
とができる。そして、本発明のポリマー電解質を有する
二次電池は、サイクル特性が優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 6/22 H01M 10/40 B 10/40 H01G 9/02 311 (72)発明者 平塚 和也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 数原 学 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 池田 克治 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィンに基づく重合単位と不
    飽和結合を有する炭化水素に基づく重合単位とを含む共
    重合体をマトリックスとし、電解質を非水溶媒に溶解し
    た溶液を含有することを特徴とするポリマー電解質。
  2. 【請求項2】不飽和結合を有する炭化水素が、分子内に
    非共役性の二重結合を1〜3個含有し、かつ炭素数が2
    〜18である請求項1記載のポリマー電解質。
  3. 【請求項3】フルオロオレフィンが、クロロトリフルオ
    ロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
    ン及びヘキサフルオロプロピレンからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1又は2記載のポリマー
    電解質。
  4. 【請求項4】マトリックスを形成する共重合体中のフル
    オロオレフィンに基づく重合単位と不飽和結合を有する
    炭化水素に基づく重合単位との含有割合がモル比で70
    /30〜40/60である請求項1、2又は3記載のポ
    リマー電解質。
  5. 【請求項5】ポリマー電解質が、電解質を溶解した溶液
    を30〜90重量%含有する請求項1、2、3又は4記
    載のポリマー電解質。
  6. 【請求項6】正極、負極及び電解質を有するリチウム電
    池において、前記電解質が、フルオロオレフィンに基づ
    く重合単位と不飽和結合を有する炭化水素に基づく重合
    単位を含む共重合体をマトリックスとし、リチウム塩の
    溶質とリチウム塩を溶解できる非水溶媒とからなる溶液
    を含有するポリマー電解質であることを特徴とするリチ
    ウム電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11260404A (ja) * 1998-03-12 1999-09-24 Yuasa Corp 非水電解質電池
US6777136B2 (en) 2000-10-11 2004-08-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Lithium polymer battery and method for producing the same
JP2007087958A (ja) * 1999-05-26 2007-04-05 Sony Corp 固体電解質電池

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JP2007087958A (ja) * 1999-05-26 2007-04-05 Sony Corp 固体電解質電池
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