JPH1139772A - データ記憶装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生準備処理を高速に実行可能なデータ記憶
装置を提供すること。 【解決手段】 チャネルに割り当てられたタイムスロッ
トにおいてデータ記憶手段にアクセスを行う時分割多重
処理によって、該データ記憶手段から複数のチャネルの
データをそれぞれ連続的に読み出す再生機能を備えたデ
ータ記憶装置において、再生を行っていない期間におい
ては、任意のチャネルのデータ記憶手段へのアクセス要
求を先着順に処理する。本発明においては、再生準備期
間中はデータを実時間で読み出す必要が無いので、ディ
スク装置へのアクセスを時分割多重処理せず、アクセス
要求を先着順に処理するので、データを一括してアクセ
ス可能であり、ディスク装置の使用効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はデータ記憶装置に関
し、特に、再生準備処理を高速に実行可能なデータ記憶
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、データ記憶手段としてハードディ
スクを使用し、複数チャネルのビデオデータやオーディ
オデータをそれぞれ独立して記憶／再生するＡＶサーバ
装置が提案されている。このようなＡＶサーバ装置にお
いては、各チャネルに割り当てられたタイムスロット内
において各チャネルのディスクへのアクセスを行う時分
割多重処理が行われていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したような、従来
のＡＶサーバ装置においては、再生データが途切れてし
まわないように、各チャネルに割り当てられたタイムス
ロット内において、読み出し周期分の再生データを確実
に読み出す必要がある。従って、各タイムスロットはデ
ィスク装置のデータ読み出し時間の最悪値に近い値を想
定して、余裕を持たせてある。ところが、実際のアクセ
ス平均値は最悪値より短いので、各タイムスロットには
常に空きが生じ、ディスク装置の使用効率は低くなる。

【０００４】一方、再生動作を行っていない再生準備期
間においては、再生すべき複数のチャネルの先頭のデー
タをそれぞれ所定量だけ先読みして再生バッファ内に記
憶しておく、いわゆるキューアップ（Cue up）処理を実
行する必要があった。ところが、再生準備期間において
各チャネルのアクセスを時分割多重処理すると、ディス
ク装置の使用効率が低く、かつ時分割処理によってアク
セスが寸断されるので処理に時間がかかるという問題点
があった。本発明の目的は、前記のような従来技術の問
題点を解決し、再生準備処理を高速に実行可能なデータ
記憶装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、チャネルに割
り当てられたタイムスロットにおいてデータ記憶手段に
アクセスを行う時分割多重処理によって、該データ記憶
手段から複数のチャネルのデータをそれぞれ連続的に読
み出す再生機能を備えたデータ記憶装置において、再生
を行っていない期間においては、任意のチャネルのデー
タ記憶手段へのアクセス要求を先着順に処理することを
特徴とする。

【０００６】本発明においては、再生準備期間中はデー
タを実時間で読み出す必要が無いので、ディスク装置へ
のアクセスを時分割多重処理せず、アクセス要求を先着
順に一括処理する。従って、データを一括してアクセス
可能であり、ディスク装置の使用効率は１００％に近く
なる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図１は、本発明を適用した
データ記憶装置であるＡＶサーバ装置１の回路構成を示
すブロック図である。例えば任意の型式で時分割多重化
されたビデオおよびオーディオのデジタルデータが入力
される記録処理回路２は、入力データを一旦記録用バッ
ファメモリ３に記憶し、ディスクインターフェイス回路
４へ出力する。

【０００８】ディスクインターフェイス回路４は、例え
ばＳＣＳＩインターフェイス機能を備え、ハードディス
ク装置５へのデータの書き込み／読み出しを制御する。
ハードディスク装置５は例えばＳＣＳＩインターフェイ
スを有するハードディスクドライブ装置である。再生処
理回路６は、ディスクインターフェイス回路４を介して
読み出されたデータを一旦再生用バッファメモリ７の所
定の領域に格納し、実時間で外部に出力する。再生用バ
ッファメモリ７は出力チャネル毎に、少なくとも１読み
出し周期分の再生データを格納できる領域が割り当てら
れている。

【０００９】制御回路８はＣＰＵ、制御プログラムを格
納したＲＯＭ、ＲＡＭ、タイマ等を備え、外部からの制
御情報に基づき、ディスク装置５に対する書き込み、読
み出しの時分割多重処理の制御を行う。

【００１０】図２は、ＡＶサーバ装置１における時分割
多重アクセス処理例を示す説明図である。ＡＶサーバ装
置１においては、読み出し周期を例えば百ミリ秒〜１秒
程度に設定し、該１周期を複数のタイムスロットに分割
して、複数のチャネル（データ）に割り当てる。図２に
おいては、例えばタイムスロット番号１の期間において
は、ディスク装置５からビデオデータの読み出しを行
い、タイムスロット番号２の期間においては、ディスク
装置５からオーディオ１チャネルデータの読み出しを行
う。

【００１１】ＡＶサーバ装置１において、データの再生
を行う場合には、各チャネルに割り当てられたタイムス
ロット内において、１読み出し周期分の再生データを読
み出す必要がある。従って、各タイムスロットは、ディ
スクのアクセス時間が最悪値である場合においても必要
量のデータの読み出しがタイムスロット内で完了するよ
うに余裕を持たせてある。

【００１２】図３は、時分割多重処理時のディスク装置
の稼働率を示す説明図である。図において、網掛けをし
た部分が実際にディスク装置へアクセスしている期間で
あり、空白部分は次のタイムスロットの処理までの休止
期間である。図示するように、ディスク装置のアクセス
平均値は実際には最悪値より短いので、各タイムスロッ
トには休止期間が発生し、ディスク装置の使用効率は低
くなる。例えば平均値が最悪値の３０％であるとする
と、ディスク装置の使用効率は３０％になってしまう。

【００１３】図４は、再生準備期間におけるキューアッ
プ処理の実行状態を示す説明図である。前述したよう
に、キューアップ処理においては、再生すべき複数のチ
ャネルの先頭のデータをそれぞれ所定量だけ先読みし
て、それぞれのバッファ内に記憶する。図４（ａ）は、
従来の、時分割多重処理を行った場合のキューアップ処
理の状態を示しており、例えばビデオデータは割り当て
られたタイムスロット内においてのみ読み出されるの
で、１タイムスロットでは読み出しが完了せず、複数個
のタイムスロットを使用して、分割して読み出されてい
る。また、オーディオデータについても同様に複数個の
タイムスロットを使用して分割読み出しされている。

【００１４】図４（ａ）に示すような、従来の時分割多
重処理を行った場合のキューアップ処理においては、各
タイムスロットは前述したように余裕をもって設定され
ているので、各チャネルの読み出しタイムスロットの後
部には休止期間が生じる。従って、キューアップ処理完
了までに多くの時間がかかっていた。

【００１５】図４（ｂ）は、本発明によるキューアップ
処理の状態を示す説明図である。キューアップ処理は再
生処理を開始する前に実行される処理であるので、各チ
ャネルのデータを実時間で読み出す必要は無い。そこ
で、キューアップ処理の要求があった場合には、例え
ば、まずビデオデータを一括して読み出し、再生用バッ
ファメモリ７のビデオ用エリアに格納する。次に、オー
ディオ１データを一括して読み出し、再生用バッファメ
モリ７のオーディオ１用エリアに格納する。最後に、オ
ーディオ２データを一括して読み出し、再生用バッファ
メモリ７のオーディオ２用エリアに格納する。

【００１６】以上のような処理を行うことにより、ディ
スク装置へのアクセスに無駄がなくなり、ディスク使用
率はほぼ１００％に近くなる。そして、キューアップ処
理時間が従来より短縮される。

【００１７】以上、実施例について開示したが、以下に
述べるような変形例も考えられる。実施例においては、
サーバ装置が再生動作中か否かによって処理方式を変更
する例を開示したが、例えば、ビデオおよび複数個のオ
ーディオデータの組みを複数個独立して再生可能な装置
の場合、各組みに割り当てられたタイムスロット内にお
いて本発明を適用することも可能である。また、３組み
分のタイムスロットの内１組みのみ再生中であり、２組
み分が空きであった場合には、空きである２組み分の期
間において本発明を適用してもよい。

【００１８】実施例においては、キューアップ処理時に
先着順の処理を行う例を開示したが、本発明は再生準備
期間における全てのアクセス処理に適用可能である。ハ
ードディスク装置としては、複数のディスクドライブ装
置を用い、データをそれぞれのディスクドライブ装置に
分散して記憶させるＲＡＩＤ構造のディスク装置であっ
てもよい。実施例としては、データ記憶手段としてハー
ドディスク装置を使用した例を開示したが、データ記憶
手段としては、光磁気ディスク、相変化型光ディスク、
半導体メモリなど任意の装置あるいは素子を使用可能で
ある。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
再生準備期間中はデータを実時間で読み出す必要が無い
ので、ディスク装置へのアクセスを時分割多重処理せ
ず、アクセス要求を先着順に一括処理するようにしたも
で、データを一括してアクセス可能であり、ディスク装
置の使用効率は１００％に近くなる。そして、キューア
ップ処理時間が従来より短縮されるという効果がある。
また、従来のＡＶサーバ装置の制御プログラムを変更す
るのみで、容易に実施することができるという効果もあ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したデータ記憶装置であるＡＶサ
ーバ装置の回路構成を示すブロック図である。

【図２】ＡＶサーバ装置１における時分割多重アクセス
処理例を示す説明図である。

【図３】時分割多重処理時のディスク装置の稼働率を示
す説明図である。

【図４】再生準備期間におけるキューアップ処理の実行
状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１…ＡＶサーバ装置、２…記録処理回路、３…記録用バ
ッファメモリ、４…ディスクインターフェイス回路、５
…ハードディスク装置、６…再生処理回路、７…再生用
バッファメモリ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チャネルに割り当てられたタイムスロッ
   トにおいてデータ記憶手段にアクセスを行う時分割多重
   処理によって、該データ記憶手段から複数のチャネルの
   データをそれぞれ連続的に読み出す再生機能を備えたデ
   ータ記憶装置において、 再生を行っていない期間においては、任意のチャネルの
   データ記憶手段へのアクセス要求を先着順に処理するこ
   とを特徴とするデータ記憶装置。
2. 【請求項２】 前記データ記憶装置は複数チャネルのビ
   デオデータあるいはオーディオデータを記憶再生可能な
   サーバであり、 前記再生を行っていない期間において、再生すべき複数
   のチャネルの先頭のデータをそれぞれ所定量だけデータ
   記憶手段から先読みして再生バッファ内に記憶しておく
   処理を行うことを特徴とする請求項１に記載のデータ記
   憶装置。