JPH1139605A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH1139605A
JPH1139605A JP18703797A JP18703797A JPH1139605A JP H1139605 A JPH1139605 A JP H1139605A JP 18703797 A JP18703797 A JP 18703797A JP 18703797 A JP18703797 A JP 18703797A JP H1139605 A JPH1139605 A JP H1139605A
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JP
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magnetic
metal
film
layer
thin film
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JP18703797A
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English (en)
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Fusashige Tokutake
房重 徳竹
Junichi Honda
順一 本多
Yoshihiko Inoue
喜彦 井上
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 本発明に係る磁気ヘッドは、一対の磁気
コア半体1,2が非磁性材料を介して磁気ギャップ形成
面1a,2aを突き合わせて接合一体化され、これら一
対の磁気コア半体1,2のうち少なくとも一方の磁気ギ
ャップ形成面に金属磁性膜6が成膜されてなり、上記金
属磁性膜6がFeaTabCrcd(ただし、a,b,
c,dは原子パーセントを示し、これらがそれぞれ、7
1≦a≦85,6≦b≦15,0.5≦c≦10,9≦
d≦16である。)なる組成からなる磁性薄膜層と金属
層とが積層された積層磁性膜からなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる析出型微
結晶軟磁性薄膜等の積層磁性膜を用いた磁気ヘッドに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、記録
信号の高密度化が進行しており、高い抗磁力と高い残留
磁束密度を有する磁気記録媒体、例えば強磁性金属材料
を非磁性支持体上に直接被着せしめてなるメタルテープ
等が使用されるようになっている。これに伴って磁気ヘ
ッドに対しては、コア材料が高飽和磁束密度、高透磁率
を有することが要求されている。
【0003】このような要求を満たすために、従来か
ら、補助コア材にフェライトを用い、そのフェライト上
に高飽和磁束密度を有する金属磁性膜を主コア材として
形成し、磁気ギャップを上記金属磁性膜により形成する
ようにしたメタル・イン・ギャップ(Metal in
Gap)型の磁気ヘッド(以下、MIGヘッドと称す
る。)が提案されており、メタルテープ等の記録・再生
に好適なものとなっている。
【0004】ところで、この種の磁気ヘッドにおいて
は、最近の高記録密度化の著しい進展に伴い、上記メタ
ルテープ等のように高抗磁力の磁気記録媒体に対してよ
り良好に記録・再生を行うべく、記録磁界を十分とるた
めのより高い飽和磁束密度を持ち、かつ優れた軟磁気特
性を有する金属磁性材料の使用が求められている。
【0005】また、近年、Feを主成分とする、いわゆ
る析出型の微結晶金属磁性膜が高い飽和磁束密度を持
ち、面内方向において優れた軟磁気特性を示すことか
ら、従来の磁気ヘッド用金属磁性材料を置き換える形で
実用化され始めている。
【0006】この析出型の微結晶金属磁性膜は、一般
に、非結晶として成膜された後に熱処理が施されること
によって、Feを基とする微小な結晶粒が分散・析出す
ることにより形成される。このような析出型の微結晶金
属磁性膜としては、例えば、Fe−Ta−N等が挙げら
れる。このFe−Ta−Nからなる析出型の微結晶金属
磁性膜は、特に、非晶質軟磁性膜に匹敵する高い透磁率
とFeに匹敵する高飽和磁束密度とを有しており、上述
したような磁気ヘッドに適した金属磁性材料といえる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した析
出型の微結晶金属磁性膜は、熱処理により結晶粒が膜中
に分散して析出する。しかしながら、析出型の微結晶金
属磁性膜では、析出する微結晶粒の結晶配向を制御する
ことは困難であった。すなわち、この析出型の微結晶金
属磁性膜では、析出する微結晶粒がランダムな結晶配向
を有していた。
【0008】このため、このような析出型の微結晶金属
磁性膜を上述した磁気ヘッドにおいて金属磁性材料とし
て用いた場合、金属磁性膜は、優れた面内方向の軟磁気
特性を有するが、一方で膜厚方向の軟磁気特性が優れた
ものとならない。したがって、磁気ヘッドは、このよう
な析出型の微結晶金属磁性膜を用いても、期待されるほ
どヘッド効率は改善されておらず、再生出力もさほど向
上していない。
【0009】また、上述した析出型の微結晶金属磁性膜
は、耐食性の点で優れたものではないない。このため、
この析出型の微結晶金属磁性膜を磁気ヘッドに用いた場
合、磁気ヘッドでは、金属磁性膜の劣化により再生出力
が低下してしまう。すなわち、この磁気ヘッドは、耐久
性が悪いといった問題点があった。
【0010】そこで、本発明は、上述した従来の実状を
鑑みて提案されたものであり、金属磁性薄膜の磁気特性
が改善されることにより再生出力の向上が図られるとと
もに、金属磁性薄膜の耐食性が向上されることにより耐
久性が向上した磁気ヘッドを提供することを特徴とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成した本
発明に係る磁気ヘッドは、一対の磁気コア半体が非磁性
材料を介して磁気ギャップ形成面を突き合わせて接合一
体化され、これら一対の磁気コア半体のうち少なくとも
一方の磁気コア半体の磁気ギャップ形成面に金属磁性膜
が成膜されてなる磁気ヘッドであって、上記金属磁性膜
がFeaTabCrcd(ただし、a,b,c,dは原子
パーセントを示し、これらがそれぞれ、71≦a≦8
5,6≦b≦15,0.5≦c≦10,9≦d≦16で
ある。)なる組成からなる磁性薄膜層と金属層とが積層
された積層磁性膜からなることを特徴とする。
【0012】以上のように構成された本発明に係る磁気
ヘッドでは、積層磁性膜が金属層と磁性薄膜層とが接す
るように構成されている。このため、積層磁性膜では、
金属層が磁性薄膜層の下地となり、磁性薄膜層に対して
下地効果を発生する。また、この積層磁性膜では、熱処
理により金属層を構成する金属原子が磁性薄膜層中に拡
散することができる。そして、この積層磁性膜において
は、拡散した金属原子により結晶方向が制御されたα−
Feの微結晶粒を含有することとなる。
【0013】このように、この積層磁性膜は、金属層の
下地効果及び拡散効果により、膜厚方向にも優れた軟磁
気特性を有するものとなる。このため、磁気ヘッドは、
膜厚方向で磁気特性が改善された金属磁性膜を有するこ
ととなり、記録再生特性が向上したものとなる。
【0014】また、この積層磁性膜では、Crを含有す
る磁性層を有するため、磁性層の耐食性が向上する。こ
のため、積層磁性膜は、上述したような優れた軟磁気特
性を維持することができる。したがって、この磁気ヘッ
ドは、良好な再生出力を維持することができる。
【0015】この磁気ヘッドにおいて、Crの含有量
は、0.5原子%〜10原子%とされる。Crの含有量
がこの範囲であると、金属磁性膜の耐食性が向上し、且
つ、金属磁性膜の磁気特性が劣化することもない。言い
換えると、Crの含有量が0.5原子%未満であると、
金属磁性膜の耐食性を改善することができない。また、
Crの含有量が10原子%より多いと、金属磁性膜の飽
和磁束密度が低下してしまい、磁気ヘッドに用いる金属
磁性膜としては適したものとならない。
【0016】また、上述した磁気ヘッドでは、金属層に
主としてAg,Pt,Auから選ばれる一種が用いられ
ればよく、特に、金属層がPt層からなるものであるこ
とが好ましい。
【0017】さらに、この磁気ヘッドにおいては、金属
磁性膜を構成する金属層としてPtが用いられた場合、
該金属層の拡散効果を十分なものとするために、該金属
層の1層当たりの平均膜厚を0.3nm〜5nmとする
ことが好ましい。
【0018】上記金属層の1層当たりの平均膜厚が0.
3nm未満であると、十分な下地効果及び十分な拡散効
果が得られない場合がある。逆に5nmを越えると、金
属磁性膜中の非磁性部分の膜厚が厚くなるため、厚膜化
による形状効果によって該金属層が疑似ギャップとして
動作し再生出力特性でのうねりの発生を招く虞れがる。
【0019】さらに、この磁気ヘッドにおいて、磁性薄
膜層は、1層当たりの膜厚が0.05〜0.5μmであ
ることが好ましい。
【0020】磁性薄膜層の膜厚が0.05μm未満であ
る場合、積層数が増加することとなり、磁性薄膜層を形
成する成膜工程が増加して生産性が劣化してしまう。ま
た、この場合、金属層も増加することとなり、金属磁性
膜全体としての飽和磁束密度が低下してしまう。逆に、
磁性薄膜層の膜厚が0.5μmを越えると、金属層の下
地効果及び拡散効果が薄れてしまう。
【0021】さらにまた、この磁気ヘッドにおいては、
金属層としてPtを用いた場合、金属磁性膜中の金属層
の膜厚の合計が上記金属磁性膜の全厚に対して4%以下
の割合とされるか、又は、金属磁性膜を構成する金属元
素(Fe、Ta、Cr及びPt)中に占めるPtの組成
比が3.5原子%以下であることが好ましい。
【0022】Ptからなる金属層の膜厚の合計が金属磁
性膜の全厚に対して4%より大きい場合には、熱処理に
よって生じるFe−Pt化合物が多くなってしまい、そ
の結果、金属磁性膜の保磁力が増加するだけでなく、金
属磁性膜の磁歪が大きくプラス側にシフトし、好ましく
ない。
【0023】さらにまた、この磁気ヘッドにおいては、
Ptの組成比を、金属磁性膜を構成する金属元素(F
e,Ta,Cr及びPt)中において3.5原子%以下
とすることが好ましい。
【0024】金属磁性膜を構成する金属元素中のPtの
組成比が3.5原子%より多い場合には、上述したよう
に、熱処理によって生じるFe−Pt化合物が多くなっ
てしまい、その結果、金属磁性膜の保磁力が増加するだ
けでなく、金属磁性膜の磁歪が大きくプラス側にシフト
し、好ましくない。
【0025】また、本発明の磁気ヘッドにおいては、金
属磁性膜をFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層と金属層を
積層した積層磁性膜としていることから、金属磁性膜内
においてFe−金属化合物が生じ、磁気的にハードな部
分が生じる。この部分は、磁区の移動を防止する働きを
するため、回転磁化が促進され、金属磁性膜における高
周波領域の透磁率が高まる。
【0026】なお、本発明の磁気ヘッドにおいて、金属
磁性膜を構成する金属層の1層当たりの平均膜厚を0.
3nm〜5nmとしたり、金属磁性膜を構成する磁性薄
膜層の1層当たりの膜厚を0.05μm〜0.5μmと
することで、金属層の拡散効果による磁性薄膜層におけ
る上記のような優先配向が膜全体に亘って生じ易くな
る。また、金属層を上記のような厚さとすれば、これが
疑似ギャップとして動作することもない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0028】本発明に係る磁気ヘッドは、図1及び図2
に示すように、磁気記録媒体対接面の略中央に位置する
磁気ギャップgを境として左右別々に作成された一対の
磁気コア半体1,2が突き合わせ面である磁気ギャップ
形成面1a,2aを突き合わせて接合一体化されてなる
ものである。
【0029】上記磁気コア半体1,2は、補助コア部で
ある磁気コア基板3,4と、主コア部である金属磁性膜
5,6とから構成されている。上記磁気コア基板3,4
は、例えばMn−Zn系フェライトやNi−Zn系フェ
ライト等の軟磁性酸化物材料よりなり、上記金属磁性膜
5,6とともに閉磁路を構成する補助コア部となってい
る。上記磁気コア基板3,4の前記磁気ギャップ形成面
1a,2aと対向する主面3a,4a側には、上記磁気
ギャップgのトラック幅Twを規制するためのトラック
幅規制溝7,8,9,10が磁気ギャップgの両端縁近
傍部よりそれぞれデプス方向にわたって円弧状に形成さ
れている。なお、上記トラック幅規制溝7,8,9,1
0内には、それぞれ磁気記録媒体との当たり特性を確保
すると共に摺接による偏摩耗を防止する目的で、ガラス
等の非磁性材11が充填されている。
【0030】また、上記磁気コア基板3,4のうちの一
方の磁気コア基板4の前記磁気ギャップ形成面1aと対
向する主面4aには、前記磁気ギャップgのデプスを規
制すると共に、図示しないコイルを巻装するための断面
略コ字状の巻線溝12が形成されている。なお、上記巻
線溝は、他方の磁気コア基板3にも同様に形成されてい
ても良い。
【0031】一方、金属磁性膜5,6は、上記磁気コア
基板3,4と共に閉磁路を構成する主コア部となるもの
で、磁気ギャップ形成面1a,2aと対向し、且つ当該
磁気コア基板3,4の対向面となる主面3a,4aにそ
れぞれフロントギャップ部よりバックギャップ部にわた
って成膜されている。従って、これら金属磁性膜5,6
の対向面5a,6aが、すなわち前記磁気コア半体1,
2の磁気ギャップ形成面1a,2aとなっている。な
お、上記金属磁性膜5,6は、上記磁気コア基板3,4
の対向面となる主面3a,4aのみならず前記トラック
幅規制溝7,8,9,10内にも成膜されている。この
金属磁性膜5は巻線溝12内の全面若しくは少なくとも
その一部に亘って成膜されている。
【0032】そして、この磁気ヘッドにおいては特に、
上記金属磁性膜5,6が、図3に示すように、磁性薄膜
層15と金属層16とが積層されてなる積層磁性膜とさ
れている。
【0033】このとき、磁性薄膜層15は、FeaTab
Crcdなる組成を有するものであり、a,b,c,d
は原子パーセントを示し、これらがそれぞれ、71≦a
≦85,6≦b≦15,0.5≦c≦10,9≦d≦1
6の範囲とされている。また、金属層は、Pt,Pd,
Auのうちの一種を構成元素とするものである。この磁
気ヘッドでは、金属層16としてPt層を用いている
(以下、金属層16をPt層16と称する。)。
【0034】この磁気ヘッドでは、磁性薄膜層15を構
成するCrの組成比が0.5≦c≦10となっている。
このように、磁性薄膜層15中にCrを含有させること
により、磁性薄膜層15は耐食性に優れたものとなる。
これにより、磁性薄膜層15とPt層16とが積層され
てなる金属磁性膜5,6が耐食性に優れたものとなるた
め、磁気ヘッドは、耐久性に優れたものとなる。言い換
えると、磁気ヘッドは、常に、良好な記録再生特性を維
持することができる。
【0035】ここで、この磁気ヘッドに用いられる磁性
薄膜層15に関して、その耐食性を測定した。この耐食
性の測定では、先ず、様々な量のCrを含有するFe−
Ta−Cr−N膜を作製し、各Fe−Ta−Cr−N膜
が腐食されることにより起こす体積変化を測定した。
【0036】具体的に、Fe−Ta−Cr−N膜として
は、Crの含有量を、0原子%、0.5原子%、2.0
原子%、4.0原子%、8.0原子%、12.0原子%
としたものを作製した。そして、これら各Fe−Ta−
Cr−N膜の磁化量(emu値)を測定し、その後、こ
れらFe−Ta−Cr−N膜を0.5NのNaCl水溶
液に室温で浸漬させて96時間放置した。その後、各F
e−Ta−Cr−N膜の磁化量(emu値)を再び測定
し、浸漬前の磁化量と比較して得られた磁化の変化量を
体積変化とした。その結果を図4に示す。
【0037】この図4において、縦軸は、浸漬前の磁化
量を1としたときの浸漬後の磁化量の相対値を示す。ま
た、この図4において、横軸は、磁性薄膜層15中のC
rの含有量を示す。
【0038】この図4から分かるように、Fe−Ta−
Cr−N膜中に0.5原子%のCrを含有量させること
により、Fe−Ta−Cr−N膜の耐食性は向上する。
そして、Crの含有量が増加するに従って、Fe−Ta
−Cr−N膜の耐食性は、更に向上する。また、Crの
含有量を2.0原子%以上とすることにより、Fe−T
a−Cr−N膜の耐食性は十分なものとなる。
【0039】次に、Crを含有させることによる磁気特
性への影響に関して、磁性薄膜層15の飽和磁束密度を
測定した。この飽和磁束密度の測定では、先ず、上述し
たようなCrの添加量を変化させた各Fe−Ta−Cr
−N膜を作製し、これらFe−Ta−Cr−N膜の飽和
磁束密度をVSMにて測定した。その結果を図5に示
す。
【0040】この図5において、横軸は磁性薄膜層15
中のCrの含有量を示し、縦軸は飽和磁束密度を示す。
【0041】この図5から分かるように、Fe−Ta−
Cr−N膜中のCrの含有率が増加するとFe−Ta−
Cr−N膜の飽和磁束密度が低下し、Crの含有量が1
0原子%より大きい場合には、Fe−Ta−Cr−N膜
の飽和磁束密度が1.0T以下となってしまう。このた
め、Crの含有量は、10原子%以下である必要があ
る。また、Crの含有量は、Fe−Ta−Cr−N膜の
磁気特性を考慮すると、5.0原子%以下であることが
より好ましい。
【0042】上述したように、磁性薄膜層15におい
て、Crの含有量は、0.5原子%以上、10原子%以
下とされる。これにより、磁性薄膜層15は、耐食性に
優れるとともに良好な磁気特性を有することとなる。
【0043】さらに、この磁気ヘッドにおいては、磁気
コア基板3,4上に反応防止膜13,14を形成し、そ
の上に金属磁性膜5,6をそれぞれ形成している。これ
により、この磁気ヘッドでは、磁気コア基板3,4の構
成材料として一般的なフェライトと金属磁性膜5,6と
の間での拡散反応を防止し、疑似ギャップの発生を抑え
るようにしている。
【0044】この磁気ヘッドにおいては、前述のよう
に、金属磁性膜5,6はFe−Ta−Cr−N磁性薄膜
層15とPt層16とが多数積層されてなる積層磁性膜
とされており、これら金属磁性膜5,6は、図3に示す
ように(図3中においては一方の金属磁性膜5のみを示
す。)、反応防止膜13上に上記のような組成を有する
Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜層15、次にPt層16
の順で順次交互に積層された積層磁性膜とされている。
【0045】なお、上記Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜
層15とPt層16の形成方法としては、真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等に代表さ
れる真空薄膜形成方法がいずれも適応できる。この場
合、スパッタリング工程数の増加は、装置を多ターゲッ
ト化することで解決できる。
【0046】上記反応防止膜13は、Pt層とすること
により、下地効果及び拡散効果を合わせ持つことができ
る。また、反応防止膜13は、この種の磁気ヘッドの下
地膜として一般的なSiO2 層としても良い。この反応
防止膜13をPt層とすると、フェライトよりなる磁気
コア基板3,4と金属磁性膜5,6の界面で起こる拡散
反応を抑制し、本来の磁気ギャップgから発生する磁束
と干渉を起こす反応層の形成を防止する働きをする。
【0047】また、上記反応防止膜13は、当該反応防
止膜13における拡散反応防止機能をより確実なものと
するために、Pt以外の例えばTi,Mo,V,Cr,
W,Co,Ni等のFeの融点である1500℃以上の
融点を持つ金属を使用しても良い。さらには、上述のS
iO2 の他、Si3 N,Al23 等の化合物やこれら
化合物と上記金属との積層膜も使用可能である。
【0048】なお、上記反応防止膜13の膜厚は1nm
〜10nm程度とすることが好ましい。膜厚が1nmよ
り薄いと、反応防止効果が少なくなり、逆に10nmよ
りも厚いとこの反応防止膜13が疑似ギャップとして動
作する恐れがある。ただし、反応防止膜13が非磁性の
場合、疑似ギャップとして動作しないように薄い膜とす
る必要がある。
【0049】また、この磁気ヘッドにおいては、上記金
属磁性膜5を形成する積層磁性膜の最上層膜はFe−T
a−Cr−N磁性薄膜層15であっても、Pt層16で
あっても構わない。
【0050】なお、他方の磁気コア基板4に成膜される
金属磁性膜6も上記金属磁性膜5と同様に、Fe−Ta
−Cr−N磁性薄膜層とPt層からなる多層構造とされ
ていることは言うまでもない。
【0051】そして、この磁気ヘッドにおいては、金属
磁性膜5,6を構成するFe−Ta−Cr−N磁性薄膜
層15の1層当たりの膜厚を0.05μm〜0.5μm
とし、金属磁性膜5,6を構成するPt層16の1層当
たりの平均膜厚を0.3nm〜5nmとしている。
【0052】さらに、この磁気ヘッドにおいては、金属
磁性膜5,6中のPt層16の膜厚の合計が上記金属磁
性膜5,6の全厚に対して占める割合を4%以下とし、
又は、金属磁性膜5,6を構成する金属元素(Fe,T
a,Cr及びPt)中に占めるPtの組成比を3.5原
子%以下としている。なお、この磁気ヘッドでは、金属
磁性膜5,6中のPt層16の膜厚の合計が金属磁性膜
5,6の全厚に対して占める割合が4%のとき、金属磁
性膜5,6を構成する金属元素(Fe,Ta,Cr及び
Pt)中に占めるPtの組成比が3.5原子%となって
いる。
【0053】このFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層15
は、後述の製造方法において述べるように成膜した後に
熱処理を行って非結晶な状態から微結晶を生じさせて形
成するが、この磁気ヘッドにおいては、上記Pt層16
の下地効果と拡散効果とにより、熱処理後に上記Fe−
Ta−Cr−N磁性薄膜層15に強いα−Fe(11
0)配向が起こり、金属磁性膜5,6の磁性の均一性が
高まり、軟磁気特性の向上がなされる。
【0054】また、この磁気ヘッドにおいては、金属磁
性膜5,6内においてFe−Pt化合物が生じ、磁気的
にハードな部分が生じる。この部分は、磁区の移動を防
止する働きをするため、回転磁化が促進され、金属磁性
膜5,6における高周波領域の透磁率が高まる。
【0055】さらに、この磁気ヘッドにおいては、金属
磁性膜5,6を構成するPt層16の1層当たりの平均
膜厚を0.3nm〜5nmとし、金属磁性膜5,6を構
成するFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層15の1層当た
りの膜厚を0.05μm〜0.5μmとしていることか
ら、Pt層16の下地効果と拡散効果とによるFe−T
a−Cr−N磁性薄膜層15における上記のような優先
配向が膜全体に亘って生じ易くなる。また、Pt層16
を上記のような厚さとしていることから、これが疑似ギ
ャップとして動作することもない。
【0056】さらにまた、本例の磁気ヘッドにおいて
は、金属磁性膜5,6中のPt層16の膜厚の合計が上
記金属磁性膜5,6の全厚に対して占める割合を4%以
下としており、実効的な飽和磁束密度の低下は非常に小
さくなされている。
【0057】さらにまた、本例に磁気ヘッドでは、上述
したように、磁性薄膜層15中に所定量のCrを含有し
ている。このため、磁性薄膜層15は、耐食性に優れた
ものとなり、金属磁性膜5,6の耐久性を向上させるこ
ととなる。したがって、この磁気ヘッドは、耐久性及び
磁気特性に優れた金属磁性膜5,6を有することとな
り、常に、優れた記録再生特性を示すこととなる。
【0058】ところで、この磁気ヘッドにおいて、金属
磁性膜中の積層数とα−Fe(110)面の配向強度と
の関係、金属磁性膜中のFe−M−N磁性薄膜層の層数
(膜厚)と磁気ヘッドの再生出力との関係及び金属磁性
膜中の金属層の膜厚と磁気ヘッドの再生出力との関係
を、以下のように測定した。
【0059】実験例1 本実験例においては、金属磁性膜5,6を構成するFe
−Ta−Cr−N磁性薄膜層15の層数が、上記金属磁
性膜中に生じるα−Fe(110)面の配向強度に及ぼ
す影響について測定した。
【0060】すなわち、前述したような本発明を適用し
た磁気ヘッドにおいて、金属磁性膜の総膜厚が4μm、
Pt層の平均膜厚が3nmに固定され、金属磁性膜の積
層数を6層、12層、24層、36層と変化させた4種
類の磁気ヘッド及びFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層1
5のみが形成された磁気ヘッドを用意し、各々のα−F
e(110)面の配向強度を測定した。このとき、金属
磁性膜には、約550℃の熱処理が施されている。な
お、このとき、α−Fe(110)面の配向強度は、X
線回折パターン検出装置(装置名;RAD−IIC、理
学電機社製)を用いて測定した。その結果を図6に示
す。
【0061】この図6から明らかなように、積層数が増
加すると、α−Fe(110)面を示すピークが大きく
なる。このことより、Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜層
15を金属層を介して積層することにより、α−Fe
(110)面の配向が強まり、膜厚方向の軟磁気特性が
向上することが分かった。
【0062】実験例2 本実験例においては、金属磁性膜5,6中のFe−Ta
−Cr−N磁性薄膜層15の層数(膜厚)、及び金属磁
性膜中のPt層の膜厚の合計が上記金属磁性膜の全厚に
対して占める割合が磁気ヘッドの再生出力に及ぼす影響
について調査した。
【0063】すなわち、前述したような本発明を適用し
た磁気ヘッドにおいて、金属磁性膜の総膜厚が4μm、
Pt層の平均膜厚が3nmに固定され、Fe−Ta−C
r−N磁性薄膜層15の層数を4層、8層、16層、2
4層、36層、48層、64層と変化させた積層磁性膜
である金属磁性膜を有する7種類の磁気ヘッド及び金属
磁性膜として膜厚4μmのFe−Ta−Cr−N磁性薄
膜層15のみが形成された磁気ヘッドを用意し、これら
の再生出力を測定した。
【0064】再生出力の測定にはヘッド固定式ドラムテ
スターを用い、相対速度を3.8m/sとし,周波数f
を7MHzとして測定した。また、記録ヘッドとして、
Fe−Ru−Ga−Si薄膜が磁気ギャップ面に平行に
成膜されたMIGヘッドを用いた。結果を図7に示す。
【0065】なお、図7中においては、各磁気ヘッドの
再生出力を膜厚4μmのFe−Ta−Cr−N磁性薄膜
層のみが形成された磁気ヘッドの再生出力を0dBとし
た場合の相対出力として示している。また、図7中にお
いては、相対出力を縦軸に示し、Fe−Ta−Cr−N
磁性薄膜層15である磁性層の層数(層)、1層あたり
の磁性層の膜厚、金属磁性膜中のPt層の膜厚の合計が
上記金属磁性膜の全厚に対して占める割合であるPt層
の膜厚比を横軸に併せて示している。
【0066】図7の結果から明らかなように、Pt層を
介在させた積層磁性膜とすることにより再生出力が向上
し、且つFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層15およびP
t層16の層数がある程度増えると、α−Fe(11
0)の配向が強くなり、再生出力がさらに向上してい
る。
【0067】また、磁性層の膜厚を見てみると、膜厚が
0.5μmよりも薄い範囲では再生出力が向上してお
り、Pt層の拡散効果による上記のような優先配向が膜
全体に亘って生じ易くなっていることが確認された。
【0068】一方、Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜層1
5及びPt層の層数があまり増えすぎて、Pt層の膜厚
比が約4%を越えると、再生出力が低下する。
【0069】すなわち、これらの結果から、金属磁性膜
としてFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層15とPt層の
積層磁性膜を使用すると、Pt層の下地効果及び拡散効
果によるα−Fe(110)配向が起こり、金属磁性膜
の磁性の均一性が高まり、軟磁気特性の向上がなされ、
またFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層15の厚さを0.
05μm〜0.5μmの範囲とすると、Pt層の拡散効
果によるα−Fe(110)配向が起こり易くなり、金
属磁性膜の磁性の均一性がさらに高まり、軟磁気特性の
さらなる向上がなされることが確認された。
【0070】実験例3 本実験例においては、金属磁性膜中のPt層の平均膜厚
及び膜厚の合計が金属磁性膜の全厚に対して占める割合
が磁気ヘッドの再生出力に及ぼす影響について調査し
た。
【0071】すなわち、前述したような本発明を適用し
た磁気ヘッドにおいて、金属磁性膜の総膜厚を4μm、
Fe−M−N磁性薄膜層の層数を36層とし、Pt層の
1層当たりの平均膜厚を0.2nm、1.0nm、2n
m、4nm、6nm、8nmと変化させた積層磁性膜を
有する6種類の磁気ヘッド及び金属磁性膜として膜厚4
μmのFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層15のみが形成
された磁気ヘッドを用意し、これらの再生出力を実験例
1と同様にして測定した。
【0072】結果を図8に示す。なお、図8中において
は、各磁気ヘッドの再生出力を膜厚4μmのFe−Ta
−Cr−N磁性薄膜層15のみが形成された磁気ヘッド
の再生出力を0dBとした場合の相対出力として示して
いる。また、図8中においては、相対出力を縦軸に示
し、Pt層の1層当たりの平均膜厚、金属磁性膜中のP
t層の膜厚の合計が上記金属磁性膜の全厚に対して占め
る割合であるPt層の膜厚比を横軸に併せて示す。
【0073】図8の結果から明らかなように、Pt層を
介在させた積層磁性膜とすることにより再生出力が向上
し、Pt層の1層当たりの平均膜厚が0.2nm以上の
範囲において再生出力がさらに向上している。
【0074】一方、Pt層の1層当たりの平均膜厚が6
nmよりも厚いと再び再生出力が低下してしまうことが
わかる。
【0075】すなわち、これらの結果から、Pt層の厚
さを0.3nm〜5nmの範囲とすると、Pt層の下地
効果及び拡散効果によるα−Fe(110)配向が起こ
り易くなり、金属磁性膜の磁性の均一性がさらに高ま
り、軟磁気特性のさらなる向上がなされることが確認さ
れた。
【0076】このことは、Pt層だけではなく、Ag、
Auといった他の金属のからなる金属層においても同様
である。
【0077】次に、本例の磁気ヘッドを製造する方法に
ついて工程順に説明する。
【0078】先ず、図9に示すように、例えばMn−Z
n系フェライトよりなる板状の基板20を用意する。次
に、図9中に示すように、基板20の一主面20aに断
面略半円状の複数の(図9中においては2箇所とす
る。)トラック幅規制溝21,22を形成する。上記ト
ラック幅規制溝21,22は基板20の例えば幅方向に
形成され、トラック幅規制溝21,22同士の間には所
定のトラック幅と同じ間隔が形成されることとなる。
【0079】次に、図10に示すように、上記基板20
の一主面20a上に、先のトラック幅規制溝21,22
内も含めて反応防止膜23を例えばスパッタリング等の
手法により成膜する。ここでは、反応防止効果の観点か
ら反応防止膜23として膜厚4nmのSiO2 を形成し
た。
【0080】続いて、図11に示すように、上記反応防
止膜23の上に前述のような組成を有するFe−Ta−
Cr−N磁性薄膜層24を形成する。次いで、図12に
示すように、Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜層24上に
Pt層25を形成する。さらに、図13に示すように、
上記Pt層25上に再度Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜
層24を形成し、このようにFe−Ta−Cr−N磁性
薄膜層24とPt層25を順次積層形成して、図14に
示すようにFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層24とPt
層25からなる積層磁性膜である金属磁性膜26を形成
する。ただし、この状態では、Fe−Ta−Cr−N磁
性薄膜層24は非結晶な状態をなしている。
【0081】ここでは最初の層をFe−Ta−Cr−N
磁性薄膜層24として最終層をPt層25としたが、最
初の層及び最終層はFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層2
4或いはPt層25の何れでも良く、同様な効果が得ら
れる。
【0082】そして、ここでは前述のように、反応防止
膜23のSiO2 の膜厚を3nmとし、Fe−Ta−C
r−N磁性薄膜層24とPt層25の積層磁性膜である
金属磁性膜26の全膜厚が4μmとなるようにした。
【0083】さらに、上記基板20と同様の基板を用意
し、上述の工程と同様にしてトラック幅規制溝,反応防
止膜,金属磁性膜を形成した。ただし、この基板には、
トラック幅規制溝形成面にこれと直交する方向で断面略
コ字状の巻線溝も形成した。
【0084】次いで、磁気ギャップのスペーサーとなる
SiO2 膜を各基板の金属磁性膜上にそれぞれ100n
mの厚さで成膜した。
【0085】その後、図15に示すように、捲線溝27
を有し、上記基板20と同様の基板28とをトラック幅
規制溝21,22,29,30の位置合わせを行って突
き合わせた。そして、上記巻線溝27内にガラス棒を差
し込んで加熱処理してガラス融着し、これら基板20,
28同士を接合一体化した。
【0086】上記のようなガラス融着のための加熱処理
によりFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層24において非
結晶な状態から微結晶が形成されて、Fe−Ta−Cr
−N微結晶磁性薄膜となる。
【0087】そしてこのとき、Pt層25の下地効果及
び拡散効果により、Fe−Ta−Cr−N微結晶磁性薄
膜であるFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層24には強い
α−Fe(110)配向が起こり、金属磁性膜26の磁
性の均一性が高まり、軟磁気特性の向上がなされる。
【0088】そして、最後に磁気記録媒体対接面となる
主面を円筒研削した後、図15中に示すa−a線および
b−b線で示す位置でスライシングを行い、上述したよ
うな磁気ヘッドを完成する。
【0089】また、本発明が、上述のような磁気ヘッド
のみならず、本発明の思想を逸脱することのない範囲内
で種々の磁気ヘッドに適用可能であることは言うまでも
ない。さらに、上述の例では、本発明を金属磁性薄膜が
磁気ギャップと平行に配されている磁気ヘッドに対して
適用した例について述べたが、本発明が、例えば斜めに
削り落とした磁気ギャップの形成面の斜面にそれぞれ成
膜した金属磁性膜同士の突き合わせ面に磁気ギャップが
構成される磁気ヘッドや、磁気ギャップがアジマス角を
有している磁気ヘッドに対しても適用可能であることは
言うまでもない。
【0090】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る磁気ヘッドにおいては、一対の磁気コア半体のうち
少なくとも一方の磁気コア半体の磁気ギャップ形成面
に、金属磁性膜として、Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜
層と金属層とが積層された積層磁性膜を形成しており、
この磁気ヘッドの製造工程においてFe−Ta−Cr−
N磁性薄膜層を成膜した後に熱処理を行って非結晶な状
態から微結晶を形成させる際には、Pt層の下地効果及
び拡散効果により、熱処理後のFe−Ta−Cr−N磁
性薄膜層に強いα−Fe(110)配向を起こすことと
なり、金属磁性膜の磁性の均一性が高まり、軟磁気特性
の向上がなされる。
【0091】また、本発明の磁気ヘッドにおいては、F
e−Ta−Cr−N磁性薄膜層を用いるために、金属磁
性膜が耐食性に優れたものとなる。このため、本発明に
係る磁気ヘッドは、耐久性に優れ、且つ、良好な記録再
生特性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの一構成例を示す
斜視図である。
【図2】本発明を適用した磁気ヘッドの要部平面図であ
る。
【図3】金属磁性膜を示す要部断面図である。
【図4】Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜層中のCrの含
有量と耐食性との関係を示す特性図である。
【図5】Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜層中のCrの含
有量と飽和磁束密度との関係を示す特性図である。
【図6】熱処理後の積層磁性膜のX線回折パターンを示
す特性図である。
【図7】磁性層の層数と相対出力の関係を示す特性図で
ある。
【図8】Pt層の1層当たりの平均膜厚と相対出力の関
係を示す特性図である。
【図9】磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すものであ
り、基板にトラック幅規制溝を形成する工程を示す斜視
図である。
【図10】磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、基板に反応防止膜を形成する工程を示す斜視図で
ある。
【図11】磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、反応防止膜上にFe−Ta−Cr−N磁性薄膜層
を形成する工程を拡大して示す斜視図である。
【図12】磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、Fe−Ta−Cr−N磁性薄膜層上に金属層を形
成する工程を拡大して示す斜視図である。
【図13】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法を工
程順に示すものであり、金属層上にFe−Ta−Cr−
N磁性薄膜層を形成する工程を拡大して示す斜視図であ
る。
【図14】磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、基板上に反応防止膜、金属磁性膜が形成された状
態を示す斜視図である。
【図15】磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、基板同士を接合一体化する工程を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1,2 磁気コア半体、3,4 磁気コア基板、5,6
金属磁性膜、7,8,9,10 トラック幅規制溝、
11 非磁性材、12 巻線溝、13,14 反応防止
膜、15 磁性薄膜層、16 金属層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁気コア半体が非磁性材料を介し
    て磁気ギャップ形成面を突き合わせて接合一体化され、
    これら一対の磁気コア半体のうち少なくとも一方の磁気
    コア半体の磁気ギャップ形成面に金属磁性膜が成膜され
    てなる磁気ヘッドにおいて、 上記金属磁性膜がFeaTabCrcd(ただし、a,
    b,c,dは原子パーセントを示し、これらがそれぞ
    れ、71≦a≦85,6≦b≦15,0.5≦c≦1
    0,9≦d≦16である。)なる組成からなる磁性薄膜
    層と金属層とが積層された積層磁性膜からなることを特
    徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記金属層としては、主としてAg,P
    t,Auから選ばれる1種が用いられることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記金属層は、上記磁性薄膜層上に成膜
    されることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記金属層は、N,B,O,Cから選ば
    れる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項
    1記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 上記金属層は、Ptからなり、1層当た
    りの平均膜厚が0.3nm〜5nmであることを特徴と
    する請求項1記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 上記磁性薄膜層は、1層当たりの膜厚が
    0.05μm〜0.5μmであることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 上記金属層は、Ptからなり、該金属層
    の膜厚の合計が上記金属磁性膜の全厚に対して4%以下
    の割合であるか、又は、上記金属磁性膜を構成する金属
    元素(Fe、Ta、Cr及びPt)中に占めるPtの組
    成比が3.5原子%以下であることを特徴とする請求項
    1記載の磁気ヘッド。
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