JPH1138538A - ハロゲン化銀写真乳剤、ハロゲン化銀写真感光材料、その処理方法及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤、ハロゲン化銀写真感光材料、その処理方法及びそれを用いた画像形成方法

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JPH1138538A
JPH1138538A JP19390697A JP19390697A JPH1138538A JP H1138538 A JPH1138538 A JP H1138538A JP 19390697 A JP19390697 A JP 19390697A JP 19390697 A JP19390697 A JP 19390697A JP H1138538 A JPH1138538 A JP H1138538A
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silver halide
group
silver
processing
halide photographic
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JP19390697A
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Kiyotoshi Yamashita
清俊 山下
Tetsuo Shima
徹男 嶋
Keiko Iwasaki
景子 岩崎
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速処理適性及び低補充処理適性に優れた、
低カブリで高感度なハロゲン化銀写真乳剤及び感光材
料、このような性能を有したハロゲン化銀写真感光材料
を、迅速にかつ安全であり環境適性のある方法で処理す
る処理方法及び画像形成方法の提供。 【解決手段】 最表面に少なくとも2種類のハロゲン化
物を有するハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀写
真乳剤であって、該乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の
最表面のハロゲン組成の粒子間の分布が15%以下であ
ることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀粒子を
含むハロゲン化銀写真乳剤、ハロゲン化銀写真感光材
料、その処理方法及びそれを用いた画像形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料(以
下、単に感光材料ともいう)の現像処理に関して、処理
時間の迅速化が益々望まれている。
【0003】例えば医用分野では定期健康診断、人間ド
ックなどの普及、一般診療における診断を含めた検査の
増加等により、X線フィルムの撮影枚数が増加する一方
で、受診者には出来るだけ早急に結果を知らせる必要が
ある。更に最近では、血管造影撮影、術中撮影等も増加
の一途をたどっているが、これらは本質的に少しでも短
時間で写真を見る必要がある。これらの要望を満たすに
は、診断の自動化(撮影、搬送など)を促進すると共
に、X線フィルムを一層迅速に処理することが望まれて
いる。
【0004】また、現像処理液の低補充化も、強く求め
られている。従来からも環境保全の観点から現像処理廃
液量の低減は求められていたが、1995年末に産業廃
棄物の海洋投棄が禁止されたのを受けて、益々その要求
は強まっている。
【0005】これらの迅速処理、低補充処理への要求に
対しては、感光材料、処理液、処理機を含むシステム全
体として取り組む必要があるが、特に処理される感光材
料の開発は重要である。
【0006】従来の感光材料は、迅速処理や低補充処理
を行うと、カブリの増加や感度の低下が顕著であり、実
用に供することができなかった。
【0007】低カブリ、高感度化といった課題に対し
て、ハロゲン化銀粒子表面の状態は重要であり、これま
でも多くの研究が行われている。
【0008】特開平3−237451号では、ハロゲン
化銀粒子表面を内部よりも高沃度とすることで、増感色
素の吸着が均一となり、高感度で、保存性に優れたハロ
ゲン化銀乳剤が得られるとしているが、粒子間のハロゲ
ン組成については言及していない。
【0009】また、粒子間の均一性についても重要であ
り、多くの研究がなされている。
【0010】特開昭60−254032号では沃化銀を
5モル%以上含むコアとそれより低沃度のシェルを持つ
粒子において、個々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏
差を20%以下とした乳剤により、高感度、高γ、優れ
た粒状性を達成したとしているが、個々の粒子の最表面
のハロゲン組成については何ら示唆されていない。
【0011】このように、これまで、個々の粒子の最表
面のハロゲン組成の粒子間のばらつきを論じた例はな
く、また、それらをコントロールする方法も知られてお
らず、更にはその効果も明らかにされていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の第1の
目的は、迅速処理適性及び低補充処理適性に優れた、低
カブリで高感度なハロゲン化銀写真乳剤及び感光材料を
提供することにある。
【0013】第2の目的は、このような性能を有したハ
ロゲン化銀写真感光材料を、迅速にかつ安全であり環境
適性のある方法で処理する処理方法及び画像形成方法を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の構
成により達成された。
【0015】(1)最表面に少なくとも2種類のハロゲ
ン化物を有するハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化
銀写真乳剤であって、該乳剤に含まれるハロゲン化銀粒
子の最表面のハロゲン組成の粒子間の分布が15%以下
であることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
【0016】(2)乳剤中に含まれるハロゲン化銀粒子
の全投影面積の50%以上がアスペクト比2以上の平板
状ハロゲン化銀粒子であることを特徴とする前記(1)
記載のハロゲン化銀写真乳剤。
【0017】(3)ハロゲン化銀が塩臭化銀であること
を特徴とする前記(1)または(2)記載のハロゲン化
銀写真乳剤。
【0018】(4)ハロゲン化銀が沃臭化銀であること
を特徴とする前記(1)または(2)記載のハロゲン化
銀写真乳剤。
【0019】(5)ハロゲン化銀が沃塩化銀であること
を特徴とする前記(1)または(2)記載のハロゲン化
銀写真乳剤。
【0020】(6)ハロゲン化銀が沃臭塩化銀であるこ
とを特徴とする前記(1)または(2)に記載のハロゲ
ン化銀写真乳剤。
【0021】(7)ハロゲン化銀粒子の粒径の分布が2
5%以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)の
いずれか1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
【0022】(8)前記(1)〜(7)のいずれか1項
に記載のハロゲン化銀写真乳剤を含有するハロゲン化銀
写真乳剤層を支持体上に設けたことを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0023】(9)前記(8)に記載のハロゲン化銀写
真感光材料を現像処理を含む処理方法で処理することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0024】(10)現像処理時間が12秒以下である
ことを特徴とする前記(9)に記載のハロゲン化銀写真
感光材料の処理方法。
【0025】(11)処理されるハロゲン化銀写真感光
材料の処理量に応じて処理液を補充しながら処理する方
法であって、その現像液の補充量が処理される感光材料
1m2当たり100cc未満であることを特徴とする前
記(9)又は(10)に記載のハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法。
【0026】(12)下記一般式(A)で表される化合
物を含有する現像液および/または現像補充液を用いる
ことを特徴とする前記(9)〜(11)のいずれか1項
に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0027】
【化2】
【0028】式中、R1、R2はそれぞれヒドロキシ基、
アミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ
基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニ
ルアミノ基、メルカプト基またはアルキルチオ基を表
す。P、Qはヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ
基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、ス
ルホ基、スルホアルキル基、アミノ基、アミノアルキル
基、メチルカプト基、アルキル基またはアリール基を表
すか、または、PとQは結合して、R1、R2が置換して
いる二つのビニル炭素原子とYが置換している炭素原子
と共に5〜8員環を形成する原子群を表す。Yは=O、
または=N−R3を表す。R3は水素原子、ヒドロキシ
基、アルキル基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、ス
ルホアルキル基、カルボキシアルキル基を表す。
【0029】(13)自動現像機の処理槽に固体処理剤
を供給する機構を有する自動現像機で処理することを特
徴とする前記(9)〜(12)のいずれか1項に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0030】(14)前記(8)に記載のハロゲン化銀
写真感光材料を放射線増感紙を用いてX線撮影し、前記
(9)〜(13)のいずれか1項に記載の処理方法で処
理することを特徴とする画像形成方法。
【0031】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0032】本発明において、ハロゲン化銀粒子の最表
面のハロゲン組成の粒子間の分布とは、粒子最表面が含
有する複数のハロゲン化物のうち、ハロゲン化銀含有率
(モル分率)が最大のものを除いて定義される。具体的
には、例えば、最表面が塩化銀=60%、臭化銀=30
%、沃化銀=10%の割合で構成されるハロゲン化銀粒
子に対しては、最表面臭素含有率の粒子間分布および最
表面沃素含有率の粒子間分布のことをいう。本発明にお
いて、同一乳剤に対して複数の最表面ハロゲン組成が定
義される場合には、そのなかの少なくとも1種類の最表
面ハロゲン組成の粒子間分布が15%以下を満たす必要
があるが、好ましくは、2種類以上の最表面ハロゲン組
成の粒子間分布が15%以下を満たす場合である。
【0033】また、該粒子間分布は、好ましくは12%
以下、更に好ましくは10%以下であり、最も好ましく
は1〜5%以下である。
【0034】本発明においてハロゲン化銀粒子は、粒子
の最表面に臭化銀及び/または沃化銀が存在することが
好ましい。最表面の臭化銀含有率は20モル%以上が好
ましく、50モル%以上が更に好ましい。また、最表面
の沃化銀含有率は、0.1モル%以上10モル%以下が
好ましく、0.5モル%以上5モル%以下が更に好まし
く、1.0モル%以上5モル%以下が最も好ましい。
【0035】本発明において、ハロゲン化銀粒子は表面
近傍及び/または頂点近傍に臭化銀及び/または沃化銀
局在相を有することが好ましい。ここでいう表面近傍と
は、粒子の最表面から測って、粒子サイズの1/5以内
好ましくは1/7以内の位置のことである。またここで
いう頂点近傍とは、投影された本発明中のハロゲン化銀
粒子の面積と同一面積の円の直径の約1/3の長さを一
辺とし、粒子の頂点を一つの角とする粒子の面積内のこ
とを言う。
【0036】表面近傍及び/または頂点近傍の臭化銀局
在相の臭化銀含有率は20モル%以上が好ましく、50
モル%以上が更に好ましい。また、沃化銀局在相の沃化
銀含有率は0.1モル%以上5モル%以下が好ましい。
【0037】最表面のハロゲン組成は一般に表面電子分
光法と呼ばれるオージェ電子分光法、X線光電子分光法
またはイオン散乱分光法または二次イオン質量分析法
(以下SIMSと略す)によって検出することができる
が、本発明においては粒子間のハロゲン組成の分布を求
めるために個々のハロゲン化銀粒子を識別できる程度の
空間分解能を有している必要がある。個々のハロゲン化
銀粒子を識別できる程度とは、検出手段が有する空間分
解能が測定対象となるハロゲン化銀粒子の平均粒子直径
の好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.2以
下、最も好ましくは0.1以下である場合をいう。空間
分解能は検出プローブが電子、イオンなど荷電粒子の場
合にはレンズによって収束し向上させることが可能であ
り、X線の場合にはB.M.Gordon and
B.Manowitz,US DOERep.BNL−
46377(1991)などを参考としてシンクロトロ
ン放射光を使用することができる。表面電子分光法につ
いてはD.ブリッグス、M.P.シーア編「表面分析−
基礎と応用−」(アグネ承風社)を、イオン散乱分光法
についてはL.M.Niedzwiecki and
Y.T.Tan,J.Photogr.Sci.35,
155(1987)を参考にすることができる。また、
ハロゲン化銀粒子は不安定であるため、オージェ電子分
光法、X線光電子分光法、イオン散乱分光法を用いる場
合にはH.Okusa et al.“Surface
Analysis of Silver Halid
e Microcrystals by Photoe
lectron Spectroscopy”(Pro
ceedings of IS&T’S 47th A
nnual Conference/May1994/
Rochester NewYork)を参考として測
定対象を冷却し、測定中におけるハロゲン化銀粒子の変
質を防止することが必要である。
【0038】一方、SIMSは破壊分析法に属する手法
であるため測定対象の冷却は必ずしも必要としないが、
最表面を測定する際には測定に使用する単位面積当たり
の全一次イオンドープ量を2×1013個/cm2以下に
することが必要である。さらに、“Secondary
Ion Mass Spectrometry SI
MS VII”,p.821,1990(John W
iley & Sons)によって開示されているよう
な、一次イオンによって破壊された箇所から放出される
種々の二次イオンのうち複数の種類を同時に計測するこ
とが可能なマルチチャンネル検出系を備えていることが
必要であり、T.J.Maternaghan et
al.,J.of Imag.Sci.34,58(1
990)に示されているようなシングルチャンネル検出
系を用いるのは好ましくない。上記観点から本発明にお
いて用いることができる最も好ましい方式のSIMSは
飛行時間型二次イオン質量分析法(以下TOF−SIM
Sと略す)である。
【0039】本発明において、ハロゲン化銀粒子の最表
面のハロゲン組成をTOF−SIMSを用いて測定する
場合の具体的手順は以下のとおりである。
【0040】測定に用いるハロゲン化銀写真乳剤からハ
ロゲン化銀粒子を取り出すためには、セーフライト下に
おいて分散媒であるゼラチンを蛋白質分解酵素により分
解し、遠心分離による上澄み除去と蒸留水による洗浄を
おこなう方法が一般に用いられる。ハロゲン化銀粒子が
ゼラチンを主バインダとする塗膜中に存在する際には同
様にしてゼラチンを蛋白質分解酵素により分解して粒子
を取り出せば良く、ゼラチン以外の高分子ポリマが含有
される場合には適当な有機溶媒を用いてポリマを溶解除
去すればよい。また、染料、増感色素等が粒子表面に吸
着している場合にはアルカリ水溶液、アルコールなどを
適宜使用してこれらを除去せしめ、清浄なハロゲン化銀
粒子表面を得ることができる。水中に分散された粒子は
導電性基板上に塗布し乾燥させて測定に使用するが、粒
子同士を凝集せずに基板上に配置させることが好まし
く、光学顕微鏡、または走査電子顕微鏡を用いて一連の
手順で得られた試料を観察し確認することが好ましい。
粒子の凝集を防止するため分散助剤を用いてもよい。
【0041】この場合、一般に用いられる陰イオン界面
活性剤、陽イオン界面活性剤などはSIMS測定の際の
二次イオン強度を不安定にするため好ましくなく、0.
2重量%以下のゼラチンを含有する水溶液を分散助剤と
して用いることが好ましい。導電性基板上としては平滑
であり、表面にアルカリ金属など二次イオン収率の高い
元素を含まないものが好ましく、抵抗率が1.0オーム
・cm以下である鏡面研磨された低抵抗シリコン単結晶
ウェハーを十分に洗浄して用いることが好ましい。さら
に、粒子が基板上に凝集せずに配置させるために、回転
塗布機、真空凍結乾燥機などを適宜使用してもよい。
【0042】TOF−SIMS測定時の一次イオンとし
て好ましいイオン種はAu+,In+,Cs+,Ga+など
液体金属イオン種であるがこのうちGa+が最も好まし
い。検出すべき好ましい二次イオンとしては、一価の負
イオンであり、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀に対してはそ
れぞれ35Cl-,37Cl-,79Br-,81Br-
127I-をそれぞれ測定すればよい。
【0043】一次イオンの加速電圧は20kV〜30k
Vが好ましく、ナイフエッジ法により測定されるビーム
直径が0.25μm以下となるように各種の調整を実施
することが好ましい。ビーム電流等照射条件および照射
時間は任意であるが、単位面積当たりの全一次イオンド
ープ量が2×1013個/cm2を越えないようにするこ
とが好ましい。一次ビーム走査領域は任意であるが、粒
子表面各点の二次イオン強度を0.2μm以下の間隔で
測定することが好ましく、例えば、20μm×20μm
の範囲を走査する時には128点×128点の値が得ら
れるようにすればよい。測定が終了したらビーム走査領
域が重複しない位置まで試料をずらし、同様にして、他
の粒子と凝集または密着せず基板上に配置された粒子の
少なくとも50個以上の測定が終了するまで繰り返し、
得られたデータは各二次イオン、各測定領域毎の配列と
してそれぞれ記録すればよい。
【0044】上記測定によって得られた配列は適当な表
計算プログラムを用いて目的とする処理を施される。
【0045】ひとつの測定領域で得られた、35C
-,37Cl-,79Br-,81Br-,127I-
る二次イオン個数を表す配列A A(35Cl-)、A(37Cl-)、A(79B
-)、A(81Br-)、A(127I-)は B(Cl)=A(35Cl-)+A(37Cl-)、 B(Br)=A(79Br-)+A(81Br-)、 B(I)=A(127I-)、 のそれぞれ一価の二次イオン強度の総和Cl-、Br-
-の強度を表す配列Bに変換する。次に C(AgCl%)= 100×B(Cl)/(B(C
l)+B(Br)+B(I)) C(AgBr%)= 100×B(Br)/(B(C
l)+B(Br)+B(I)) C(AgI%)= 100×B(I)/(B(Cl)+
B(Br)+B(I)) によって最表面塩化銀含有率、最表面臭化銀含有率、最
表面沃化銀含有率の2次元分布をそれぞれ表す配列Cを
得る。配列の各要素での値はグレースケールまたはカラ
ーに変換して二次元的に表示することができる。
【0046】次に、一次イオンビームが空間的に強度分
布を有し粒子の周辺で二次イオン収率が低下する現象、
および粒子表面の汚染による二次イオン収率低下を補正
するために、配列Bのうち配列要素の総和が最大となる
ものに50カウントないし100カウントのしきい値を
定め、配列要素のうちしきい値に満たないものを選び、
それと対応する配列Cの要素を0とする操作を行い新た
に配列C’を求めることができる。配列C’はしきい値
により補正された最表面ハロゲン含有率の2次元分布を
表す配列であり、このなかで0以外の値を持ち隣接して
六角形、三角形、円形、正方形、長方形などの一群を形
成する要素をひとつにまとめて平均値を求めることによ
って一つのハロゲン化銀粒子の最表面ハロゲン含有率が
得られる。同様にして少なくとも50個のハロゲン化銀
粒子の最表面ハロゲン含有率を求め、それらの平均値お
よび標準偏差から変動係数(C.V.値)を得、ハロゲ
ン組成の粒子間の分布が得られる。
【0047】本発明のハロゲン化銀写真乳剤にはハロゲ
ン化銀として、沃臭化銀、沃塩化銀、塩沃臭化銀、塩臭
化銀等を用いることができる。
【0048】本発明において、ハロゲン化銀粒子が沃化
銀を含有する場合、その沃化銀の含有量は、ハロゲン化
銀粒子全体での平均沃化銀含有率として0.8モル%以
下が好ましいが、0.5モル%以下が好ましく、更には
0.01モル%以上0.4モル%以下が好ましい。
【0049】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
が(111)面を主平面とする場合、臭化銀含有率が5
0モル%以上であることが好ましい。また、(100)
面を主平面とする場合、塩化銀含有率が30モル%以上
であることが好ましい。
【0050】本発明において、個々のハロゲン化銀粒子
のハロゲン組成及び平均のハロゲン組成はEPMA法
(Electron Probe Micro Ana
lyzer法)を用いることにより求めることができ
る。この方法は乳剤粒子を互いに接触しないようによく
分散したサンプルを作製し、電子ビームを照射し、電子
線励起によるX線分析を行うもので極微小な部分の元素
分析を行える。この方法により、各粒子から放射される
銀及びハロゲンの特性X線強度を求めることにより、個
々の粒子のハロゲン化銀組成を決定できる。少なくとも
50個の粒子についてEPMA法によりハロゲン組成を
求めれば、それらの平均から平均ハロゲン組成が求めら
れる。
【0051】本発明のハロゲン化銀写真乳剤に含まれる
ハロゲン化銀粒子は粒子間のハロゲン組成がより均一に
なっていることが好ましい。EPMA法により粒子間の
ハロゲン組成の分布を測定したとき、特に沃素の粒子間
の組成の相対標準偏差が35%以下、更に20%以下で
あることが好ましい。
【0052】本発明において、ハロゲン化銀粒子が沃化
銀を含有する場合、含有する位置は表面及び/または内
部であるが、少なくとも表面に含有することが好まし
い。表面の場合、特に最表面に含有することが好まし
い。
【0053】また、本発明において、ハロゲン化銀粒子
は内部に沃化銀を含有することが好ましく、少なくとも
中心部に存在することが更に好ましい。この場合、内部
の組成は沃化銀を0.1モル%以上5モル%以下含有す
ることが好ましい。ここで、ハロゲン化銀粒子内部のハ
ロゲン組成分布は粒子を超薄切片に前処理した後、冷却
しながら透過電子顕微鏡で観察、分析を行うことにより
求められる。具体的には乳剤からハロゲン化銀粒子を取
り出した後、樹脂中に包埋し、これをダイヤモンドナイ
フで切削することにより厚さ60nmの切片を作製す
る。この切片を液体窒素で冷却しながら、エネルギー分
散型X線分析装置を装着した透過電子顕微鏡により観察
と点分析を行い、定量計算することにより求められる
(井上、長澤:写真学会昭和62年年次大会講演要旨集
62頁)。
【0054】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、該乳剤
中のハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上が平板
状ハロゲン化銀粒子からなることが好ましく、より好ま
しくは70%以上、更に好ましくは80%以上100%
以下、特に好ましくは90%以上100%以下が平板状
ハロゲン化銀粒子からなる場合である。
【0055】平板状ハロゲン化銀粒子とは、二つの対向
する平行な主平面を有する粒子をいい、粒子厚さに対す
る粒径の比(以下アスペクト比と称す)の平均値が2よ
り大きいものをいう。ここで粒径とは、投影面積径(以
下粒径と記す)のことで、該平板状ハロゲン化銀粒子の
投影面積の円相当直径(該ハロゲン化銀粒子と同じ投影
面積を有する円の直径)で示され、厚さとは平板状ハロ
ゲン化銀粒子を形成する2つの平行な主平面間の距離を
示す。
【0056】本発明のハロゲン化銀写真乳剤に含まれる
平板状ハロゲン化銀粒子(以下、本発明の平板状ハロゲ
ン化銀粒子と略すこともある。)のアスペクト比は2〜
20が好ましいが、より好ましくは2〜15であり、更
に好ましくは2〜12であり、最も好ましくは2〜8で
ある。
【0057】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の主平面
は(111)面であっても、(100)面であってもよ
い。
【0058】主平面が(111)面からなる場合、該平
板状ハロゲン化銀粒子は六角形であることが好ましい。
六角形の平板状粒子(以下六角平板粒子と略す場合もあ
る。)とは、その主平面((111)面)の形状が六角
形であり、その、最大隣接比率が1.0〜2.0である
ことを言う。ここで最大隣接辺比率とは六角形を形成す
る最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有
する辺の長さの比である。本発明において、六角平板粒
子は最大隣接辺比率が1.0〜2.0であればその角が
丸みを帯びていることも好ましい。角が丸味をおびてい
る場合の辺の長さは、その辺の直線部分を延長し、隣接
する辺の直線部分を延長した線との交点との間の距離で
表される。また、更に角がとれ、ほぼ、円形の平板粒子
となっていることも好ましい。
【0059】本発明において、六角平板粒子の六角形を
形成する各辺はその1/2以上が直線からなることが好
ましい。本発明においては隣接辺比率が1.0〜1.5
であることがより好ましい。
【0060】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、主平
面が(111)面からなる場合、主平面に平行な2枚以
上の双晶面を有する。双晶面は透過型電子顕微鏡により
観察することができる。具体的な方法は次の通りであ
る。まず、含有される平板状ハロゲン化銀粒子の主平面
が支持体上にほぼ平行に配向するように感光性ハロゲン
化銀写真乳剤を塗布し、試料を作製する。これをダイヤ
モンド・カッターを用いて切削し、厚さ0.1μm程度
の薄切片を得る。この切片を透過型電子顕微鏡で観察す
ることにより、双晶面の存在を確認することができる。
【0061】本発明の双晶面間距離とは双晶面が2枚の
場合、該双晶面の間の距離を表し、双晶面が3枚以上の
場合、双晶面間の距離のうち最も長い距離をいう。
【0062】本発明において、双晶面間距離は以下のよ
うに求めることができる。すなわち、上記の透過型電子
顕微鏡を用いた切片の観察を行い、主平面に対しほぼ垂
直に切断された断面を示す平板状ハロゲン化銀粒子を任
意に100個以上選び、それぞれの粒子について双晶面
間距離を測定し、その加算平均により求めることができ
る。
【0063】本発明においては、双晶面間距離の平均値
が0.008μm以上が好ましいが、より好ましくは
0.010μm以上であり、更に好ましくは0.012
μm以上0.05μm以下である。
【0064】主平面が(100)面からなる場合、該平
板状ハロゲン化銀粒子の主平面の形状は直角平行四辺形
または直角平行四辺形の角が丸まった形状である。該直
角平行四辺形の隣接辺比は10未満であることが好まし
く、より好ましくは5未満、更に好ましくは2未満であ
る。尚、角が丸みを帯びている場合の辺の長さは、直角
平行四辺形の辺の直線部分を延長し、隣接する辺の直線
部分を延長した線との交点までの長さで表す。
【0065】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
の結晶面の測定方法については、Journal of
Imaging Science,vol.29,N
o5,Sept.1985,SPRINGFIELD
US,165−171において谷らによって報告されて
いる方法を用いることが出来る。
【0066】本発明のハロゲン化銀粒子は転位を有して
いてもよい。転位は例えばJ.F.Hamilton,
Phot.Sci.Eng,57(1967)や、T.
Shiozawa,J.Soc.Phot.Sci.J
apan,35,213(1972)に記載の低温での
透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察する
ことができる。即ち、乳剤から粒子に転位が発生する程
の圧力をかけないよう注意して取りだしたハロゲン化銀
粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュに載せ、電子線によ
る損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料を冷却し
た状態で透過法により観察を行う。このとき、粒子の厚
みが厚いほど電子線が透過しにくくなるので、高圧型
(0.25μmの厚さの粒子に対して200KV以上)
の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察することがで
きる。
【0067】本発明のハロゲン化銀粒子の平均粒径は
0.15〜5.0μmであることが好ましく、0.4〜
3.0μmであることが更に好ましく、最も好ましくは
0.4〜2.0μmである。
【0068】本発明のハロゲン化銀粒子の平均厚さは
0.01〜1.0μmであることが好ましく、より好ま
しくは0.02〜0.40μm、更に好ましくは0.0
2〜0.30μmである。
【0069】本発明において、ハロゲン化銀粒子は粒径
分布の狭い単分散粒子であることが好ましい。
【0070】具体的には (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき、25%以下が好ま
しく、20%以下がより好ましく、17%以下が更に好
ましく、15%以下が最も好ましい。
【0071】本発明のハロゲン化銀粒子は厚さの分布が
狭いことが好ましい。具体的には、 (厚さの標準偏差/平均厚さ)×100=厚さ分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき30%以下のものが
好ましく、更に好ましくは25%以下のものであり、特
に好ましくは20%以下である。
【0072】粒径及び厚さは、感度、その他写真特性を
最良にするように最適化することができる。感度、その
他写真特性に影響する感光材料を構成する他の因子(親
水性コロイド層の厚さ、硬膜度、化学熟成条件、感光材
料の設定感度、銀付量等)によって最適粒径、最適厚さ
は異なる。
【0073】本発明のハロゲン化銀写真乳剤を得るため
には、ハロゲン化銀粒子最表面のハロゲン組成の粒子間
の均一性を高める必要がある。
【0074】ハロゲン化銀粒子最表面のハロゲン組成の
粒子間の均一性を高める工程として、ハロゲン化銀写真
感光材料の製造工程のうち、ハロゲン化銀粒子の結晶成
長〜化学熟成〜塗布液調液〜塗布までの任意の工程で行
うことができるが、結晶成長の終了直前の段階から、化
学熟成終了直後までの段階で行うことが好ましい。
【0075】結晶成長の段階では、例えば、種粒子乳剤
に微粒子ハロゲン化銀乳剤を添加し、該微粒子ハロゲン
化銀が溶解、種粒子表面上に再結晶することにより成長
させる方法は好ましく用いられる。微粒子ハロゲン化銀
乳剤としては微粒子沃化銀、微粒子臭化銀、微粒子塩化
銀、微粒子沃臭化銀、微粒子沃塩化銀、微粒子塩臭化
銀、微粒子沃塩臭化銀のうち少なくとも一つを用いるこ
とができる。また、ハロゲンイオン放出剤の存在下で結
晶成長を行うことも好ましい。
【0076】本発明において、結晶成長の段階で最表面
のハロゲン組成を粒子間で均一とするためには、遅くと
も結晶成長の終了直前の段階から、微粒子ハロゲン化銀
乳剤を添加し、該微粒子ハロゲン化銀乳剤を添加しつつ
結晶成長を終了させることが好ましい。また、この結晶
成長の終了直前〜終了までの段階は微粒子ハロゲン化銀
乳剤の添加のみで行うことは好ましい。即ち、銀イオン
の供給源としての水溶性銀塩溶液の添加、ハロゲンイオ
ンの供給源としてのハライド水溶液の添加を併用し、結
晶成長させることは、最表面のハロゲン組成の粒子間均
一性を損なわない範囲で行ってもよいが、好ましくな
い。ここで結晶成長の終了直前の段階とは、その後の該
微粒子乳剤の添加での結晶成長により、最終的に得られ
る全ハロゲン化銀粒子の全表面が1格子分被覆される段
階をいう。
【0077】また、本発明において、結晶成長の段階で
最表面のハロゲン組成を粒子間で均一とするためには、
遅くとも結晶成長の終了直前の段階から、ハロゲンイオ
ン放出剤を添加し、及び/又は該ハロゲンイオン放出剤
を添加しつつ結晶成長を終了させることが好ましい。
【0078】本発明において、結晶成長後、ハロゲン化
銀粒子最表面のハロゲン組成の粒子間均一性を高めるこ
とは好ましい。その方法としては、結晶成長が終了した
基盤となるハロゲン化銀粒子を含有する乳剤に、微粒子
沃化銀、微粒子臭化銀、微粒子塩化銀、微粒子沃臭化
銀、微粒子沃塩化銀、微粒子塩臭化銀、微粒子沃塩臭化
銀のうち少なくとも一つの微粒子ハロゲン化銀乳剤を添
加する方法、沃化アルカリ、臭化アルカリ、塩化アルカ
リ等のうち少なくとも一つの塩の水溶液を添加する方
法、ハロゲンイオン放出剤を用いる方法、などが適用で
きる。これらのうち好ましいのは微粒子ハロゲン化銀乳
剤を添加する方法、ハロゲンイオン放出剤を用いる方法
がある。
【0079】本発明において微粒子ハロゲン化銀乳剤を
添加する方法を用いる場合、微粒子ハロゲン化銀粒子の
直径は0.15μm以下が好ましく、0.1μm以下が
更に好ましく、最も好ましくは0.06μm以下であ
る。また、微粒子ハロゲン化銀乳剤を添加する際の温度
は、30〜80℃の範囲が好ましく、更には40〜65
℃の範囲が特に好ましい。
【0080】本発明において、ハロゲンイオン放出剤を
添加する方法を用いる場合、ハロゲンイオン放出剤は例
えば下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【0081】一般式(1) R−X 式中、Rは塩基及び/又は求核試薬との反応によりハロ
ゲンイオンを放出する1価の有機酸残基を表す。
【0082】Rは例えば、炭素数1〜30のアルキル
基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30の
アリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、複素環
基、炭素数2〜30のアシル基、カルバモイル基、炭素
数2〜30のアルキル又はアリールスルホニル基、スル
ファモイル基が好ましい。Rの炭素数としては12以下
が特に好ましい。また、Rは置換されていることが好ま
しく、好ましい置換基としては以下のものが挙げられ
る。
【0083】ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭
素、沃素)、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピル、t−ブチル、n−オクチル、
シクロベンチル、シクロヘキシル)、アルケニル基(例
えばアリル、2−ブテニル、3−ペンテニル)、アルキ
ニル基(例えばプロパルギル、3−ペンチニル)、アラ
ルキル基(例えばベンジル、フェネチル)、アリール基
(例えばフェニル、ナフチル、4−メチルフェニル)、
複素環基(例えばピリジル、フリル、イミダゾリル、ピ
ペリジル、モルホリル)、アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基(例えば
フェノキシ、ナフトキシ)、アミノ基(例えば無置換ア
ミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、アニリノ)、ア
シルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ)、ウレイド基(例えば無置換ウレイド、N−メチル
ウレイド、N−フェニルウレイド)、ウレタン基(例え
ばメトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルア
ミノ)、スルホニルアミノ基(例えばメチルスルホニル
アミノ、フェニルスルホニルアミノ)、スルファモイル
基(例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイ
ル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基
(例えばカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニ
ルカルバモイル)、スルホニル基(例えばメチルスルホ
ニル、ベンゼンスルホニル)、スルフィニル基(例えば
メチルスルフィニル、フェニルスルフィニル)、アルキ
ルオキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例
えばフェノキシカルボニル)アシル基(例えばアセチ
ル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル)、アシルオキ
シ基(例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ)、燐酸ア
ミド基(例えばN,N−ジエチル燐酸アミド)、アルキ
ルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ)、アリール
チオ基(例えばフェニルチオ)、シアノ基、スルホ基、
カルボキシル基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、ニトロ基
である。
【0084】さらに好ましい置換基は、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、酸素原子、窒素原子又は硫黄
原子の少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5員又は
6員の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
シルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリール
オキシカルボニル基、アシル基、スルホ基、カルボキシ
ル基、ヒドロキシ基及びニトロ基である。
【0085】特に好ましい置換基は、アルキレン基に置
換する場合はヒドロキシ基、カルバモイル基、低級アル
キルスルホニル基又はスルホ基(その塩を含む)であ
り、フェニレン基に置換する場合はスルホ基(その塩を
含む)である。
【0086】一般式(1)で示される化合物は、塩基又
は求核試薬との反応により、ハロゲンイオンを放出する
が、このハロゲンイオンは、ハロゲンイオンそのもので
ある場合もあるし、ハロゲン原子と他の有機基と結合し
たハロゲンイオンである場合もある。
【0087】一般式(1)で示される化合物は、例えば
J.Am.Chem.Soc.,76,3227−8
(1954)、J.Org.Chem.,16,798
(1951)、Chem.Ber.,97,390(1
964)、Org.Synth.,V.478(197
3)、J.Chem.Soc.,1951,1851、
J.Org.Chem.,19,1571,(195
4)、J.Chem.Soc.,1955,1383及
びChem.Commu.,1971,1112にも記
載があり、これらを参考にして容易に合成できる。
【0088】一般式(1)で示される化合物は、ハロゲ
ンイオン放出調整剤としての塩基又は求核試薬と反応
し、ハロゲンイオンを放出するが、この際に用いられる
塩基または求核試薬として、好ましくは以下の化学種が
挙げられる。例えば水酸イオン、亜硫酸イオン、ヒドロ
キシルアミン、チオ硫酸イオン、メルカプタン類、スル
フィン酸塩、カルボン酸塩、アルコール類、尿素類、チ
オ尿素類、フェノール類、ヒドラジン類、ヒドラジド
類、ホスフィン類、スルフィド類等が挙げられる。
【0089】本発明においては、塩基や求核試薬の濃
度、添加方法、反応液の温度をコントロールすることに
より、ハロゲンイオンの放出速度、タイミングをコント
ロールすることができる。
【0090】一般式(1)で示されるハロゲンイオン放
出剤の好ましい添加濃度範囲はハロゲン化銀1モル当た
り1×10-5〜10モル、より好ましくは1×10-4
5モルである。
【0091】ハロゲンイオン放出速度、タイミングをコ
ントロールする好ましい温度範囲は30〜80℃であ
り、より好ましくは35〜60℃である。
【0092】温度が80℃を上回る高温では一般にハロ
ゲンイオン放出速度が極めて速く、また30℃を下回る
低温ではハロゲンイオン放出速度が極めて遅いため好ま
しくない。
【0093】本発明において、ハロゲンイオンの放出の
際に塩基を用いる場合、液のpHの変化を用いても良
い。このとき、ハロゲンイオン放出速度、タイミングを
コントロールする好ましいpHの範囲は2〜12、より
好ましくは5〜10である。
【0094】また、求核試薬と塩基を併用してもよく、
このときもpHを上記の範囲でコントロールし、ハロゲ
ンイオン放出速度、タイミングをコントロールしてもよ
い。
【0095】ハロゲンイオン放出剤からハロゲンイオン
を放出させる場合、全ハロゲン原子を放出させてよい
し、一部分解せずに残っていてもよい。
【0096】本発明ではハロゲンイオンの放出速度は、
前記のように温度、pH、ハロゲンイオン放出剤、塩
基、求核試薬の濃度をコントロールすることで決定で
き、目的に応じて好ましいハロゲンイオンの放出速度を
選んでよい。
【0097】本発明におけるハロゲンイオンのコントロ
ールは、次のような方法が好ましい。すなわち、反応液
中に添加され既に均一に分布しているハロゲンイオン放
出剤からpH、求核物質の濃度、温度などを変化させる
ことにより、通常は低pHから高pHへの変化により、
ハロゲンイオンを反応液の全体で均一にコントロールし
ながら放出させる方法である。
【0098】ハロゲンイオンの放出反応速度をコントロ
ールするための塩基及び/又は求核試薬はハロゲンイオ
ン放出剤を添加する以前に反応液中に存在していてもよ
いが、ハロゲンイオン放出剤が均一に分布している状態
で添加することが好ましい。
【0099】以下に、一般式(1)で表される化合物の
具体例を挙げるが、これらの化合物に限定されるもので
はない。
【0100】
【化3】
【0101】
【化4】
【0102】
【化5】
【0103】
【化6】
【0104】
【化7】
【0105】
【化8】
【0106】
【化9】
【0107】本発明において、結晶成長後微粒子ハロゲ
ン化銀乳剤を添加する場合、ハロゲンイオンの放出剤を
用いる場合に、基盤となるハロゲン化銀粒子の溶解度を
高めることが好ましい。そのためには基盤となるハロゲ
ン化銀粒子を含む乳剤の温度を上げる、pAgを変化さ
せる、pHを変化させる、ハロゲン化銀溶剤を添加する
等の方法を用いることが好ましい。
【0108】温度を上げる場合、結晶成長温度より3〜
30℃が好ましく、7〜20℃がより好ましい。pAg
はハロゲン組成や、晶癖その他諸条件により好ましい範
囲が異なるが、ハライド水溶液添加や、水溶性銀塩添加
等により、好ましい範囲に調整する事ができる。また、
pHも適当な、酸・アルカリにより好ましい範囲に調整
することができる。ハロゲン化銀溶剤としては、アンモ
ニア、チオエーテル、チオ尿素、チオシアン酸塩等の公
知のハロゲン化銀溶剤を存在させることが好ましい。
【0109】本発明において、化学熟成工程にて、ハロ
ゲン化銀粒子最表面のハロゲン組成の粒子間均一性を高
めることは好ましい。その方法としては、基盤となるハ
ロゲン化銀粒子を含有する乳剤に、微粒子沃化銀、微粒
子臭化銀、微粒子塩化銀、微粒子沃臭化銀、微粒子沃塩
化銀、微粒子塩臭化銀、微粒子沃塩臭化銀のうち少なく
とも一つの微粒子ハロゲン化銀乳剤を添加する方法、沃
化アルカリ、臭化アルカリ、塩化アルカリ等のうち少な
くとも一つの塩の水溶液を添加する方法、ハロゲンイオ
ンの放出剤を用いる方法、などが適用できる。これらの
うち好ましいのは微粒子ハロゲン化銀乳剤を添加する方
法、ハロゲンイオン放出剤を用いる方法、である。
【0110】ここで言う化学熟成工程とは、本発明のハ
ロゲン化銀乳剤の物理熟成及び脱塩操作が終了した時点
から、化学増感剤を添加し、その後化学熟成を停止する
ための操作を施した時点までの間を指す。
【0111】又、微粒子ハロゲン化銀乳剤の添加やハロ
ゲンイオン放出剤は時間間隔をとって数回に分けて行っ
てもよいし、該微粒子、該放出剤の添加後に、更に別の
化学熟成済み乳剤を加えてもよい。
【0112】本発明において微粒子ハロゲン化銀乳剤を
添加する方法を用いる場合、微粒子ハロゲン化銀粒子の
直径は0.15μm以下が好ましく、0.1μm以下が
更に好ましく、最も好ましくは0.06μm以下であ
る。
【0113】また、微粒子ハロゲン化銀乳剤を添加する
際の温度は、30〜80℃の範囲が好ましく、更には4
0〜65℃の範囲が特に好ましい。
【0114】本発明において、ハロゲンイオン放出剤と
しては前記一般式(1)の化合物をを用いることができ
る。
【0115】一般式(1)で示されるハロゲンイオン放
出剤の好ましい添加濃度範囲はハロゲン化銀1モル当た
り1×10-5〜10モル、より好ましくは1×10-4
5モルである。
【0116】ハロゲンイオン放出剤の添加は化学熟成中
の任意の時期でして良く、化学増感、色増感との関係か
ら、最良の写性能が得られるように添加時期を選択でき
る。
【0117】ハロゲンイオン放出速度、タイミングをコ
ントロールする好ましい温度範囲は30〜80℃であ
り、より好ましくは35〜60℃である。
【0118】温度が80℃を上回る高温では一般にハロ
ゲンイオン放出速度が極めて速く、また30℃を下回る
低温ではハロゲンイオン放出速度が極めて遅いため好ま
しくない。
【0119】本発明において、ハロゲンイオンの放出の
際に塩基を用いる場合、液のpHの変化を用いても良
い。このとき、ハロゲンイオン放出速度、タイミングを
コントロールする好ましいpHの範囲は2〜12、より
好ましくは5〜10である。
【0120】また、求核試薬と塩基を併用してもよく、
このときもpHを上記の範囲でコントロールし、ハロゲ
ンイオン放出速度、タイミングをコントロールしてもよ
い。
【0121】ハロゲンイオン放出剤からハロゲンイオン
を放出させる場合、全ハロゲン原子を放出させてよい
し、一部分解せずに残っていてもよい。
【0122】本発明ではハロゲンイオンの放出速度は、
前記のように温度、pH、ハロゲンイオン放出剤、塩
基、求核試薬の濃度をコントロールすることで決定で
き、目的に応じて好ましいハロゲンイオンの放出速度を
選んでよい。
【0123】本発明において、ハロゲンイオンのコント
ロールは、次のような方法が好ましい。すなわち、反応
液中に添加され既に均一に分布しているハロゲンイオン
放出剤からpH、求核物質の濃度、温度などを変化させ
ることにより、通常は低pHから高pHへの変化によ
り、ハロゲンイオンを反応液の全体で均一にコントロー
ルしながら放出させる方法である。
【0124】ハロゲンイオンの放出反応速度をコントロ
ールするための塩基及び/又は求核試薬はハロゲンイオ
ン放出剤を添加する以前に反応液中に存在していてもよ
いが、ハロゲンイオン放出剤が均一に分布している状態
で添加することが好ましい。
【0125】本発明において、化学熟成工程にて微粒子
ハロゲン化銀乳剤を添加する場合、ハロゲンイオン放出
剤を用いる場合、基板となるハロゲン化銀粒子の溶解度
を高めることが好ましい。そのためには基盤となるハロ
ゲン化銀粒子を含む乳剤の温度を上げる、pAgを変化
させる、pHを変化させる、ハロゲン化銀溶剤を添加す
る等の方法を用いることが好ましい。
【0126】温度を上げる場合、結晶成長温度より3〜
30℃が好ましく、7〜20℃がより好ましい。pAg
はハロゲン組成や、晶癖その他化学熟成条件を含む諸条
件により好ましい範囲が異なるが、ハライド水溶液添加
や、水溶性銀塩添加等により、好ましい範囲に調整する
事ができる。また、pHも適当な、酸・アルカリにより
好ましい範囲に調整することができる。ハロゲン化銀溶
剤としては、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素、チ
オシアン酸塩等の公知のハロゲン化銀溶剤を存在させる
ことが好ましい。
【0127】(111)面を主平面とする平板状ハロゲ
ン化銀粒子を含有する、本発明のハロゲン化銀写真乳剤
の製造方法において、該製造方法が、核形成過程、熟成
過程、結晶成長過程を含んでいることが好ましい。
【0128】また、核形成過程終了後、熟成過程途中ま
たは終了後、結晶成長過程途中のいずれかの段階で、一
端製造を中断し、形成されたハロゲン化銀粒子を種粒子
として、新たに該種粒子の表面にハロゲン化銀を析出さ
せる方法にて成長させることは好ましい。
【0129】例えば、(111)面を主平面とする平板
状ハロゲン化銀粒子を含有する、本発明のハロゲン化銀
写真乳剤を得るための、水溶性銀塩溶液とハライド溶液
を分散媒溶液の存在化に供給して行うハロゲン化銀写真
乳剤の製造方法において、(イ)沃化銀含有率0〜5モ
ル%のハロゲン化銀沈澱生成の初期から1/2以上の期
間、母液のpBrを2.5〜−0.7に保つ核形成過程
を設け、(ロ)該核形成過程に続いて、母液にハロゲン
化銀溶剤をハロゲン化銀1モル当たり10-5〜2.0モ
ル含有し実質的に単分散性球形双晶であるハロゲン化銀
種粒子を形成する種粒子形成過程を設けるか、または、
該核形成過程に続いて、母液の温度を40〜80℃に昇
温し、ハロゲン化銀双晶種粒子を形成する種粒子形成過
程を設け、(ハ)次いで、水溶性銀塩溶液とハライド溶
液及び/又は微粒子ハロゲン化銀乳剤を加えて種粒子を
成長させる結晶成長過程を設ける方法が好ましく用いら
れる。
【0130】ここに母液とは、完成した写真乳剤に至る
までのハロゲン化銀写真乳剤の調合の場に供される液
(ハロゲン化銀写真乳剤も含有される)である。
【0131】前記核形成過程において形成されるハロゲ
ン化銀粒子は、0〜5モル%の沃化銀を含有する双晶粒
子である。
【0132】種粒子形成工程の期間中に熟成を調整する
目的で水溶性銀塩を加えても差し支えない。
【0133】ハロゲン化銀種粒子を成長させる結晶成長
過程は、ハロゲン化銀の沈澱中のpAg、pH,温度、
ハロゲン化銀溶剤の濃度及びハロゲン化銀組成、銀塩及
びハハライド溶液の添加速度をコントロールすることに
より達成される。
【0134】また、本発明の乳剤の製造に当たって、種
粒子形成過程及び結晶成長過程において、アンモニア、
チオエーテル、チオ尿素等の公知のハロゲン化銀溶剤を
存在させることができる。
【0135】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子を得るた
めに、製造された種粒子を結晶成長させる条件として
は、特開昭51−39027号、同55−142329
号、同58−113928号、同54−48521号及
び同58−49938号にも見られるように、水溶性銀
塩溶液とハライド溶液をダブルジェット法によって添加
し、添加速度を粒子の成長に応じて、新核形成が起こら
ず、かつオストワルド熟成によるサイズ分布の広がりが
ない速度、即ち新しい核が発生する速度の30〜100
%の範囲で徐々に変化させる方法が挙げられる。
【0136】(100)面を主平面とする平板状ハロゲ
ン化銀粒子を含有する、本発明のハロゲン化銀写真乳剤
の製造方法において、例えば、(100)面を形成しや
すい条件下で、沃度イオンの存在下、低pClで核形成
させることができる。核形成後は、オストワルド熟成及
び/または成長を行い、所望の粒径、分布を有する平板
状ハロゲン化銀粒子を得ることが出来る。
【0137】この場合、まず第1の容器に銀塩溶液、沃
素イオンを含んだハライド溶液、保護コロイド液を添加
して核形成を行い、核形成後、その混合溶液を第2の容
器にうつし、そこで成長させる方法が好ましく用いられ
る。
【0138】尚、その際、成長を途中で一旦止め、これ
を種粒子とし、種粒子上にハロゲン化銀を析出させる方
法にて成長させてもよい。
【0139】具体的には、反応容器に予め保護コロイド
を含む水溶液及び種粒子を存在させ、必要に応じて銀イ
オン、ハロゲンイオン、あるいはハロゲン化銀微粒子を
供給して種粒子を成長させることができる。
【0140】また、特開平9−5909号に記載されて
いる、少なくとも 1)沃化物の非存在下で銀塩を添加し、核形成を開始す
る過程及び、 2)引き続き沃化物存在下で銀塩を添加し、核形成及び
/または結晶成長を行わせる過程 の2つの過程を有することを特徴とする、ハロゲン化銀
写真乳剤の製造方法を用いることもできる。
【0141】具体的には、(イ)沃化物の非存在下で
核形成を開始し、引き続き沃化物存在下で核形成させ
る、(ロ)沃化物の非存在下で核形成を開始し、引
き続き沃化物存在下で結晶成長させる、(ハ)沃化物
の非存在下で核形成を開始し、引き続き沃化物存在下
で核形成と同時に結晶成長させる、のいずれかの過程を
有する製造方法であり、いずれの場合も核形成開始時に
は沃化物を存在させず、その直後に沃化物を存在させる
ことが特徴である。
【0142】更に、本発明の製造方法においては、核形
成時及び/またはその直後に沃化物を存在させない方法
も有利に用いることができる。
【0143】以下、各過程を詳説する。
【0144】(1)核形成過程 少なくとも分散媒と水とを含む分散媒溶液中に、撹拌し
ながら銀塩及び/またはハロゲン化物塩溶液を添加して
核形成を行う。核形成開始時のpClは(100)面を
形成しやすい値すなわち、0.5〜3.5、好ましくは
1.0〜3.0、更に好ましくは1.5〜2.5に調整
する。沃素を用いる場合、沃素は沃化銀と塩化銀の固溶
限界まで導入することが可能であるが、核形成開始時の
保護コロイド液中の沃素イオン濃度としては10モル%
以下が好ましく、更に好ましくは0.001モル%以上
10モル%以下であり、最も好ましくは0.05モル%
以上10モル%以下である。また、核形成時の保護コロ
イド液中の臭素イオンは塩素イオンが20モル%以上存
在する限りにおいて、存在していてもよい。pHは1.
0以上が好ましく、更に1.5以上が好ましく、更に好
ましくは2.0〜8.0である。分散媒としてはゼラチ
ン及びゼラチン誘導体が好ましく用いられるが、不純物
を除去したゼラチンがより好ましい。中でも特に、メチ
オニン含量が30μmol/ゼラチン1g未満、好まし
くは15μmol/ゼラチン1g未満のいわゆる低メチ
オニンゼラチンを用いることが好ましい。また、分子量
1000〜10×104、好ましくは、2000〜6×
104のいわゆる低分子量ゼラチン等を用いることが好
ましい。これらのゼラチンは単独で用いても、また2種
類以上を混合して用いてもよい。分散媒濃度は0.1〜
10重量%が好ましく、0.3〜5重量%がさらに好ま
しい。核形成時における銀塩溶液の添加時間は5秒以上
1分未満が好ましい。また、この間、他のハロゲン化物
塩は添加しても添加しなくともよい。すなわち銀塩のみ
を添加するいわゆるシングルジェット法でも、銀塩及び
ハロゲン化物塩溶液を添加するダブルジェット法でもよ
い。温度は30〜90℃が好ましく、35℃〜70℃が
更に好ましい。核形成時に添加される銀量は総銀量の
0.1モル%〜10モル%であることが好ましい。
【0145】(2)熟成過程 本発明のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法において、前
記核形成過程に続き、熟成過程を有することが好まし
い。熟成過程では、オストワルド熟成により核生成時に
発生した平板状粒子を更に成長させ、それ以外の粒子を
消滅させることができる。熟成時の温度は20〜90℃
が好ましく、30〜85℃が更に好ましく、最も好まし
くは40〜80℃である。熟成時の温度は一定でも変化
させてもよいが、熟成温度を変化させる方法が好まし
く、熟成温度を上昇させることがより好ましい。熟成時
のpClは0.5〜3.5が好ましく、1.0〜3.0
が更に好ましい。また、pHは1〜12が好ましく、更
に好ましくは2〜8、最も好ましくは2〜6である。ま
た、熟成はアンモニア等のいわゆるハロゲン化銀溶剤の
非存在下で行うことが好ましい。
【0146】(3)結晶成長過程 本発明の製造方法は、前記熟成過程に続いて、結晶成長
過程を有してもよい。結晶成長時のpClは0.5〜
3.5の範囲に調整するが、好ましくは1.0〜3.
0、更に好ましくは1.5〜2.5に調整する。また、
pHは1〜12が好ましく、更に好ましくは2〜8、最
も好ましくは2〜6である。結晶成長時の温度は40〜
90℃が好ましいが、更に好ましくは45〜80℃であ
り、最も好ましくは50〜75℃である。結晶成長時の
銀イオン及びハロゲンイオンの添加方法は、銀塩及びハ
ロゲン化物塩溶液を添加するダブルジェット法、あらか
じめ調製したAgX微粒子乳剤を添加する微粒子供給
法、及び両者の併用等、いずれの方法を用いてもよい。
これらのうち、微粒子供給法は好ましく用いられる。微
粒子供給法を用いる場合、微粒子の直径は0.15μm
以下が好ましく、0.1μm以下が更に好ましく、最も
好ましくは0.06μm以下である。
【0147】また、成長を途中で一旦止め、これを種粒
子とし種粒子上にハロゲン化銀を析出させて成長させる
方法も好ましく用いることが出来る。
【0148】具体的には、反応容器に予め分散媒溶液及
び種粒子を存在させ必要に応じて銀塩溶液、ハロゲン化
物塩溶液、或いはハロゲン化銀微粒子を供給して種粒子
を成長させることができる。
【0149】本発明のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
において、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素等の公
知のハロゲン化銀溶剤を存在させることができる。
【0150】本発明のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
において、成長時は銀塩溶液とハライド溶液をダブルジ
ェット法によって添加し、添加速度を粒子の成長に応じ
て、新核形成が起こらず、かつオストワルド熟成による
サイズ分布の広がりがない速度、即ち新しい核が発生す
る速度の30〜100%の範囲で徐々に変化させる方法
により所望の粒径、分布を有する粒子を得ることができ
る。更に成長させる別の条件として、日本写真学会昭和
58年年次大会要旨集88項に見られるように、微粒子
ハロゲン化銀乳剤を添加し溶解、再結晶することにより
成長させる方法も好ましく用いられる。特に沃化銀微粒
子、臭化銀微粒子、沃臭化銀微粒子、臭塩化銀微粒子、
塩化銀微粒子、が好ましく用いられる。
【0151】本発明のハロゲン化銀粒子は、いわゆるハ
ロゲン変換型(コンバージョン型)の粒子であっても構
わない。ハロゲン変換量は銀量に対して0.2モル%〜
0.5モル%が好ましく、変換の時期は物理熟成中でも
物理熟成終了後でも良い。ハロゲン変換の方法として
は、通常ハロゲン変換前の粒子表面のハロゲン組成より
も銀との溶解度積の小さいハロゲン水溶液またはハロゲ
ン化銀微粒子を添加する。この時の微粒子サイズとして
は0.2μm以下が好ましく、より好ましくは0.02
〜0.1μmである。
【0152】本発明のハロゲン化銀写真乳剤の製造に当
たっては、製造時の撹拌条件が極めて重要である。撹拌
装置としては特開昭62−160128号に示される、
添加液ノズルを撹拌機の母液吸入口に近く液中に設置し
た装置が特に好ましく用いられる。又、この際、撹拌回
転数は100〜1200rpmにすることが好ましい。
【0153】尚、上述の過飽和因子に関しての詳細は、
例えば特開昭63−92942号、あるいは特開平1−
213637号等の記述を参考にすることができる。
【0154】本発明のハロゲン化銀粒子は粒子形成中に
銀核を形成させてもよい。銀核形成は、ハロゲン化銀写
真乳剤又は粒子成長のための混合溶液に還元剤を添加す
ることによって行われるか、もしくはハロゲン化銀写真
乳剤又は粒子成長のための混合溶液をpAg7以下の低
pAg下で、又はpH7以上の高pH条件下で熟成又は
粒子成長させることによって行なわれる。これらの方法
を組み合わせて行なう方法は、本発明の好ましい態様で
ある。
【0155】銀核を形成する技術として還元増感につい
ては古くから知られている。例えばJournal o
f Photographic Sciense第25
巻、19〜27頁(1977年)及びPhotogra
phic Scienseand Engineeri
ng第32巻、113〜117頁(1979年)の記載
が示すとおり、還元増感により形成された銀核は、Ph
otographishe Korrespndenz
第1巻、20(1957年)及びPhotograph
ic Sciense and Engineerin
g第19巻、49〜55(1975年)の報文の中でM
ichellとLoweが述べているように露光時に以
下の式で示される反応を通し、増感に寄与すると考えら
れてきた。
【0156】 AgX+hν→ e-+h+ (1) Ag2 +h+ → Ag++Ag (2) Ag → Ag++e- (3) ここでh+及びe-は露光で生じた自由正孔及び自由電
子、hνは光子、Ag2は還元増感により形成された銀
核を示す。
【0157】還元剤として好ましいものとしては例えば
二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及びその誘導体、第1
錫塩が挙げられる。また、他の適当な還元剤としては、
ボラン化合物、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスル
フィン酸、シラン化合物、アミン及びポリアミン類及び
亜硫酸塩等が挙げられる。これら還元剤の添加量はハロ
ゲン化銀1モル当たり10-2〜10-8モルが好ましい。
【0158】低pAg熟成を行なうためには、銀塩を添
加することができるが、水溶性銀塩が好ましく水溶性銀
塩としては硝酸銀が好ましい。熟成時のpAgは7以下
が適当であり、好ましくは6以下、更に好ましくは1〜
3である(ここで、pAg=−log〔Ag+〕であ
る)。
【0159】高pH熟成は、例えばハロゲン化銀写真乳
剤あるいは粒子成長の混合溶液にアルカリ性化合物を添
加することによって行われる。アルカリ性化合物として
は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、アンモニア等を用いることが
できる。ハロゲン化銀形成にアンモニア性硝酸銀を添加
する方法においては、アンモニアの効果が低下するた
め、アンモニアを除くアルカリ性化合物が好ましく用い
られる。
【0160】銀核形成のための銀塩、アルカリ性化合物
の添加方法としては、ラッシュ添加でもよいし、あるい
は一定時間をかけて添加してもよい。この場合には、一
定流量で添加してもよいし、時間に対して流量を変化さ
せて添加してもよい。
【0161】また、何回かに分割して必要量を添加して
もよい。可溶性銀塩及び/又は可溶性ハロゲン化物の反
応容器中への添加に先立ち、反応容器中に存在せしめて
いてもよいし、あるいは可溶性ハロゲン化物溶液中に混
入し、ハロゲン化物とともに添加してもよい。更には、
可溶性銀塩、可溶性ハロゲン化物とは別個に添加を行な
ってもよい。
【0162】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は酸化剤を
用いることができる。酸化剤としては以下のものを使用
することができる。
【0163】過酸化水素(水)及びその付加物:H
22、NaBO2、H22−3H22、Na427−2
22、2Na2SO4−H22−2H2Oなど。ペルオ
キシ酸塩:K223、K223、K423、K2〔T
i(O2)C24〕−3H2Oなど。
【0164】そのほかに過酢酸、オゾン、沃素、臭素、
チオスルホン酸系化合物、クロラミンTなどが挙げられ
る。
【0165】本発明で用いる酸化剤の添加量は、還元剤
の種類、銀核形成の条件、酸化剤の添加時期、添加条件
によりその量に影響を受けるが、用いた還元剤1モル当
たり10-2〜10-5モルが好ましい。
【0166】酸化剤の添加時期は、ハロゲン化銀写真乳
剤製造工程中であればどこでもよい。還元剤の添加に先
立って添加することもできる。また、酸化剤を添加した
後に、過剰な酸化剤を中和するために新たに還元性物質
を添加することもできる。これらの還元性物質として
は、上記酸化剤を還元し得る物質であり、スルフィン酸
類、ジ及びトリヒドロキシベンゼン類、クロマン類、ヒ
ドラジン及びヒドラジド類、p−フェニレンジアミン
類、アルデヒド類、アミノフェノール類、エンジオール
類、オキシム類、還元性糖類、フェニドン類、亜硫酸
塩、アスコルビン酸誘導体などがある。これらの還元性
物質の添加量は、用いる酸化剤の量1モル当たり10-3
〜103モルが好ましい。
【0167】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は重金属イ
オンを用いることができる。重金属イオンとしては、
鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウ
ム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の周期律表第
VIII族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀等の周期律表第
II族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングス
テン、クロム等の各イオンが挙げられるが、中でも鉄、
イリジウム、白金、ルテニウム、オスミウムの遷移金属
イオンが好ましい。
【0168】これらの重金属イオンは、塩や錯塩の形で
ハロゲン化銀写真乳剤に添加することができる。中でも
錯塩の形で乳剤に添加される方がハロゲン化銀写真乳剤
中に組み込まれ易く、好ましい。
【0169】重金属イオンが錯体を形成する場合には、
その配位子としてシアン化物、チオシアン酸、イソチオ
シアン酸、シアン酸、シアン酸イオン、塩化物、臭化
物、沃化物、カルボニル、アンモニア等の各イオンを挙
げることができる。中でも、チオシアン酸、イソチオシ
アン酸、シアン酸イオンが好ましい。
【0170】以下に本発明において好ましく用いられる
重金属化合物を示すが、これらに限定されるものではな
い。
【0171】(1)FeCl2, (2)FeCl3, (3)(NH4)Fe(SO42, (4)K3〔Fe(CN)6〕, (5)K4〔Fe(CN)6〕, (6)K2〔IrCl6〕, (7)K3〔IrCl6〕, (8)K2〔PtCl6〕, (9)K2〔Pt(SCN)4〕, (10)K2〔Pt(CN)4〕, (11)K2〔PdCl6〕, (12)K3〔PdCl6〕, (13)CdCl2, (14)ZnCl2, (15)K2〔Mo(CO)4(CNO)2〕, (16)K3〔Re(CNO)6〕, (17)K3〔Mo(CNO)6〕, (18)K4〔Fe(CNO)6〕, (19)K2〔W(CO)4(CNO)2〕, (20)K2〔Cr(CO)4(CNO)2〕, (21)K4〔Ru(CNO)6〕, (22)K2〔Ni(CN)4〕, (23)PbCl2, (24)K3〔Co(NH36〕, (25)K5〔Co2(CNO)11〕, (26)K3〔Re(CNO)6〕, (27)K4〔Os(CNO)6〕, (28)K2〔Cd(CNO)4〕, (29)K2〔Pt(CNO)4〕, (30)K3〔IrBr6〕 ハロゲン化銀写真乳剤に重金属イオンを含有させるに
は、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロ
ゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子形成後の物理
熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。このた
めには、例えば重金属化合物を水溶液として置き所望の
タイミングで添加すればよい。あるいは、ハロゲン化銀
物と一緒に溶解して粒子形成工程の間に亘って連続的に
添加してもよい。
【0172】重金属イオンのハロゲン化銀写真乳剤中へ
の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1
×10-2モルが好ましく、特に1×10-8〜1×10-3
モルが好ましい。
【0173】本発明において脱塩工程前にハロゲン化銀
溶剤を添加することも好ましい。例えば、チオシアン酸
化合物(チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウム等)を銀1モル当たり1
×10-3以上3×10-2モル加えることが好ましい。
【0174】本発明において、ハロゲン化銀粒子の保護
コロイド用分散媒としてはゼラチンを用いることが好ま
しく、ゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチン、酸処理
ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子量が2万〜10
万)、フタル化ゼラチン等の修飾ゼラチンが用いられ
る。また、これ以外の親水性コロイドも使用できる。具
体的にはリサーチ・ディスクロージャー誌(Resea
rch Disclosure、以下RDと略す。)第
176巻No.17643(1978年12月)のIX項
に記載されているものが挙げられる。
【0175】本発明のハロゲン化銀写真乳剤はハロゲン
化銀粒子の成長時に不要な可溶性塩類を除去してもよい
し、あるいは含有させたままでもよい。該塩類を除去す
る場合には、RD第176巻No.17643のII項に
記載の方法に基づいて行うことができる。また、種粒子
を用いる場合、種粒子形成が終了した段階で、一旦脱塩
を施すことが好ましい。
【0176】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、メチ
ン色素類その他によって分光増感されることが好まし
い。用いられる色素は、シアニン色素、メロシアニン色
素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポ
ーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素
及びヘミオキソノール色素が包含される。特に有用な色
素はシアニン色素、メロシアニン色素及び複合メロシア
ニン色素に属する色素である。
【0177】これらの色素類は通常利用されている核の
いずれをも適用できる。即ち、ピロリン核、オキサゾリ
ン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チ
アゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラ
ゾール核、ピリジン核などで、これらの核に脂肪式炭化
水素環が融合した核、即ちインドレニン核、ベンズイン
ドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナ
フトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチア
ゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール
核、キノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原
子上に置換基を有していてもよい。
【0178】メロシアニン色素又は複合メロシアニン色
素にはケトメチン構造を有する核として、ピラゾリン−
5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリ
ジン−2,4−ジオン核、チアゾリン−2,4−ジオン
核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5〜6
員異節環核を適用することができる。
【0179】これらの増感色素は単独又は組み合わせて
用いてもよく組み合わせは特に強色増感の目的でしばし
ば用いられる。また、増感色素とともにそれ自身、分光
増感性を持たない色素或いは可視光を実質的に吸収しな
い物質であって、強色増感作用を示す物質を乳剤層中に
含有してもよい。例えば含窒素異節環核基であって置換
されたアミノスチルベン化合物(例えば米国特許2,9
33,390号、同3,635,721号記載のも
の)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(例えば米
国特許3,743,510号記載のもの)、カドミウム
塩、アザインデン化合物などを含有してもよい。
【0180】米国特許3,615,613号、同3,6
15,641号、同3,617,295号、同3,63
5,721号などに記載の組み合わせはとくに有用であ
る。なお増感色素は核形成、成長、脱塩、化学増感の各
工程中または工程の間、或いは化学増感後のいずれに添
加してもよい。
【0181】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子に
は、以下に示すシアニン又はカルボシアニン色素を単独
又は組み合わせて用いることができる。
【0182】
【化10】
【0183】
【化11】
【0184】
【化12】
【0185】
【化13】
【0186】
【化14】
【0187】
【化15】
【0188】
【化16】
【0189】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子はセレン
及び/またはテルル増感されていることが好ましい。
【0190】セレン増感の場合、使用するセレン増感剤
は広範な種類のセレン化合物を使用することができ、例
えば米国特許1,574,944号、同1,602,5
92号、同1,623,499号、特開昭60−150
046号、特開平4−25832号、同4−10924
0号、同4−147250号等に記載されている化合物
を用いることができる。有用なセレン増感剤としてはコ
ロイドセレン金属、イソセレノシアネート類(例えば、
アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例え
ば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリ
エチルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−
ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル
−N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿
素、N,N,N′−トリメチル−N′−4−ニトロフェ
ニルカルボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(例え
ば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン等)、セレ
ノアミド類(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジ
メチルセレノベンズアミド等)、セレノカルボン酸類及
びセレノエステル類(例えば、2−セレノプロピオン
酸、メチル−3−セレノブチレート等)、セレノフォス
フェート類(例えば、トリ−p−トリセレノフォスフェ
ート等)、セレナイド類(トリフェニルフォスフィンセ
レナイド、ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド
等)が挙げられる。特に、好ましいセレン増感剤は、セ
レノ尿素類、セレノアミド類、及びセレノケトン類、セ
レナイド類である。
【0191】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わ
るが一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-4
ル程度を用いる。添加方法は使用するセレン化合物の性
質に応じて水またはメタノール、エタノールなどの有機
溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添加する方法でも
よい。またゼラチン溶液と予め混合して添加する方法、
或いは特開平4−140739号に開示されている方法
で有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液の乳化分散物の
形態で添加する方法でもよい。
【0192】セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は4
0〜90℃の範囲が好ましく、より好ましくは45℃以
上、80℃以下である。またpHは4〜9、pAgは6
〜9.5の範囲が好ましい。
【0193】テルル増感剤及び増感法に関しては例えば
米国特許1,623,499号、同3,320,069
号、同3,772,031号、同3,531,289
号、同3,655,394号、英国特許235,211
号、同1,121,496号、同1,295,462
号、同1,396,696号、カナダ特許800,95
8号、特開平4−204640号、同4−333043
号等に開示されている。有用なテルル増感剤の例として
は、テルロ尿素類(例えば、N,N−ジメチルテルロ尿
素、テトラメチルテルロ尿素、N−カルボキシエチル−
N,N′−ジメチルテルロ尿素、N,N′−ジメチル−
N′−フェニルテルロ尿素)、ホスフィンテルリド類
(例えば、トリブチルホスフィンテルリド、トリシクロ
ヘキシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフ
ィンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィンテル
リド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、テルロ
アミド類(例えば、テルロアセトアミド、N,N−ジメ
チルテルロベンズアミド)、テルロケトン類、テルロエ
ステル類、イソテルロシアナート類などが挙げられる。
【0194】テルル増感剤の使用技術は、セレン増感剤
の使用技術に準じる。
【0195】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子はセレン
及び/またはテルル増感以外の化学増感を併用すること
も好ましい。化学増感の工程の条件、例えばpH、pA
g、温度、時間等については特に制限がなく、当業界で
一般に行われている条件で行うことができる。併用する
と好ましい化学増感法としては、銀イオンと反応しうる
硫黄を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、
還元性物質を用いる還元増感法、金その他、貴金属を用
いる貴金属増感法等を挙げることができる。なかでも、
硫黄増感法、金増感法、還元増感法等が好ましい。
【0196】本発明において適用できる硫黄増感剤とし
ては、米国特許1,574,944号、同2,410,
689号、同2,278,947号、同2,728,6
68号、同3,501,313号、同3,656,95
5号、西独出願公開(OLS)1422869号、特開
昭56−24937号、同55−45016号公報等に
記載されている硫黄増感剤を用いることが出来る。具体
例としては、1,3−ジフェニルチオ尿素、トリエチル
チオ尿素、1−エチル,3−(2−チアゾリル)チオ尿
素などのチオ尿素誘導体、ローダニン誘導体、ジチアカ
ルバミン酸類、ポリスルフィド有機化合物、硫黄単体な
どが好ましい例として挙げられる。尚、硫黄単体として
は、斜方晶系に属するα−硫黄が好ましい。
【0197】金増感剤としては、塩化金酸、チオ硫酸
金、チオシアン酸金等の他に、チオ尿素類、ローダニン
類、その他各種化合物の金錯体を挙げることができる。
【0198】硫黄増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロ
ゲン化銀粒子の種類、使用する化合物の種類、熟成条件
などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1
モル当たり、1×10-4モル〜1×10-9モルであるこ
とが好ましい。更に、好ましくは1×10-5モル〜1×
10-8モルである。
【0199】本発明において、硫黄増感剤及び金増感剤
の添加方法は、水或いはアルコール類、その他無機或い
は有機溶媒に溶解し、溶液の形態で添加しても良く、水
に不溶性の溶媒或いは、ゼラチンのような媒体を利用し
て、乳化分散させて得られる分散物の形態で添加しても
良い。
【0200】本発明において、セレン及び/またはテル
ル増感と硫黄増感、金増感を同時に施しても良く、ま
た、別々にかつ段階的に施しても良い。
【0201】また適当な還元的雰囲気におくことによ
り、粒子表面にいわゆる還元増感を行うことも好まし
い。
【0202】還元剤の好ましい例としては、二酸化チオ
尿素およびアスコルビン酸およびそれらの誘導体が挙げ
られる。また別の好ましい還元剤としては、ヒドラジ
ン、ジエチレントリアミンのごときポリアミン類、ジメ
チルアミンボラン類、亜硫酸塩類等が挙げられる。
【0203】還元剤の添加量は、還元増感剤の種類、ハ
ロゲン化銀粒子の粒径、組成及び晶癖、反応系の温度、
pH、pAgなどの環境条件によって変化させることが
好ましいが、例えば二酸化チオ尿素の場合は、大凡の目
安としてハロゲン化銀1モル当たり約0.01〜2mg
を用いると好ましい結果が得られる。アスコルビン酸の
場合はハロゲン化銀1モル当たり約50mg〜2gの範
囲が好ましい。
【0204】還元増感の条件としては温度が約40〜7
0℃、時間は約10〜200分、pHは約5〜11、p
Agは約1〜10の範囲が好ましい(尚、ここでpAg
値はAg+イオン濃度の逆数である)。
【0205】水溶性銀塩としては硝酸銀が好ましい。水
溶性銀塩の添加により還元増感技術の1種であるいわゆ
る銀熟成が行われる。銀熟成時のpAgは1〜6が適当
であり、好ましくは2〜4である。温度、pH、時間な
どの条件は上記の還元増感条件範囲が好ましい。還元増
感を施されたハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀写真
乳剤の安定剤としては、後記する一般的な安定剤を用い
ることが出来るが特開昭57−82831に開示されて
いる酸化防止剤及び/又はV.S.Gahler著の論
文[Zeitshrift fur wissensc
haftliche Photographie B
d.63,133(1969)]および特開昭54−1
019号に記載されているチオスルフォン酸類を併用す
るとしばしば良好な結果が得られる。尚、これらの化合
物の添加は結晶成長から塗布直前の調製工程までの乳剤
製造工程のどの過程でもよい。
【0206】本発明のハロゲン化銀感光材料の構成層の
いずれか任意の少なくとも1層に現像処理中に脱色又は
/及び流出可能な染料を含有させると、高感度、高鮮鋭
度で、かつ迅速処理適性を有した感光材料が得られ、好
ましい。感光材料に用いられる染料としては、感光材料
に応じて、所望の波長を吸収して該波長の影響を除くこ
とにより、鮮鋭性を向上させ得るような染料から適宜に
選択して使用することが出来る。該染料は感光材料の現
像処理中に脱色若しくは流出し、画像完成時には着色が
視認出来ない状態となっていることが好ましい。
【0207】本発明において、染料は、pH7以下で水
に不溶性でpH8以上で実質的に水溶性である染料であ
り、具体的には下記の一般式(2)〜(7)で表される
染料から選ばれる。
【0208】
【化17】
【0209】〔式中、AおよびA′は同一でも異なって
いてもよく、それぞれ酸性核を表し、Bは塩基性核を表
し、Qはアリール基または複素環基を表し、Q′は複素
環基を表し、XおよびYは同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ電子吸引性基を表し、L1、L2およびL3
はそれぞれメチン基を表す。mは0または1を表し、n
は0、1または2を表し、pは0または1を表す。但
し、一般式(2)〜(7)で表される染料は、分子中に
カルボキシ基、スルホンアミド基およびスルファモイル
基から選ばれる基を少なくとも1つ有する。〕 一般式(2)、(3)および(4)のAおよびA′で表
される酸性核としては、好ましくは5−ピラゾロン、バ
ルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダ
ントイン、チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオキ
サゾロン、インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキ
サゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリ
ドンが挙げられる。
【0210】一般式(4)および(6)のBで表される
塩基性核としては、好ましくはピリジン、キノリン、オ
キサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾー
ル、チアゾール、ベンズチアゾール、ナフトチアゾー
ル、インドレニン、ピロール、インドールが挙げられ
る。
【0211】一般式(2)および(5)のQで表される
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、
ジュロリジル基等が挙げられる。また、一般式(2)、
(5)および(7)のQおよびQ′で表される複素環基
としては、例えばピリジル基、キノリル基、イソキノリ
ル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、イ
ンドリル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。該
アリール基および複素環基は、置換基を有するものを含
み、該置換基としは、例えばアルキル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カ
ルボキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、
アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
基、カルバモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基、ス
ルホンアミド基、スルファモイル基等が挙げられ、これ
ら置換基は2種以上組合わせて有してもよい。好ましい
置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2
−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基等)、ヒ
ドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原
子、塩素原子等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例え
ばメトキシ基、エトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ
基、メチレンジオキシ基、n−ブトキシ基等)、置換ア
ミノ基(例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
ジ(n−ブチル)アミノ基、N−エチル−N−ヒドロキ
シエチルアミノ基、N−エチル−N−メタンスルホンア
ミドエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピ
ロリジノ基等)、カルボキシ基、スルホンアミド基(例
えばメタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド
基等)、スルファモイル基(例えばスルファモイル基、
メチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基
等)であり、これら置換基を組合わせてもよい。
【0212】一般式(5)および(6)のXおよびYで
表される電子吸引性基は、同一でも異なっていてもよ
く、置換基定数Hammettのσp値(藤田稔夫編、
“化学の領域増刊122号 薬物の構造活性相関”,9
6〜103頁(1979)南江堂などに記載されてい
る。)が0.3以上の基が好ましく、例えばシアノ基、
アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、オ
クチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボ
ニル基(例えばフェノキシカルボニル基、4−ヒドロキ
シフェノキシカルボニル基)、カルバモイル基(例えば
カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバ
モイル基、ブチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイ
ル基、フェニルカルバモイル基、4−カルボキシフェニ
ルカルバモイル基等)、アシル基(例えばメチルカルボ
ニル基、エチルカルボニル基、ブチルカルボニル基、フ
ェニルカルボニル基、4−エチルスルホンアミドフェニ
ルカルボニル基等)、アルキルスルホニル基(例えばメ
チルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホ
ニル基、オクチルスルホニル基等)、アリールスルホニ
ル基(例えばフェニルスルホニル基、4−クロロスルホ
ニル基等)が挙げられる。
【0213】一般式(2)〜(6)のL1、L2およびL
3で表されるメチン基は、置換基を有するものを含み、
該置換基としては例えば炭素原子数1〜6のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、ヘキシル基等)、アリー
ル基(例えばフェニル基、トリル基、4−ヒドロキシフ
ェニル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、フェ
ネチル基等)、複素環基(例えばピリジル基、フリル
基、チエニル基等)、置換アミノ基(例えばジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基等)、アルキル
チオ基(例えばメチルチオ基等)が挙げられる。
【0214】一般式(2)〜(7)で表される染料の中
で、分子中にカルボキシ基を少なくとも1つ有する染料
が好ましく用いられ、さらに好ましくは一般式(2)で
表される染料であり、特に好ましくは一般式(2)にお
いてQがフリル基である染料である。
【0215】固体微粒子状に分散された染料は、平均粒
子径が0.01μm〜5μmとなるように分散すること
が好ましく、さらに好ましくは0.01μm〜1μmで
あり、特に好ましくは0.01μm〜0.5μmであ
る。また、粒子サイズ分布の変動係数としては、50%
以下であることが好ましく、さらに好ましくは40%以
下であり、特に好ましくは30%以下となる固体微粒子
分散物である。ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、
下記の式で表される値である。
【0216】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 染料を添加含有せしめる構成層は、ハロゲン化銀乳剤層
若しくはそれより支持体に近い層又はその両方であるこ
とが好ましく、更に好ましくは、透明支持体に隣接した
塗設層中に添加するのが効果的である。染料は支持体に
近い側でその濃度が高いことが好ましい。
【0217】上記染料の添加量は、鮮鋭性の目標に応じ
て、変えることが出来る。好ましくは、0.2〜20m
g/m2、より好ましくは、0.8〜15mg/m2であ
る。
【0218】ハロゲン化銀乳剤層を着色する場合には、
塗布前のハロゲン化銀乳剤液中に、また親水性コロイド
の水溶液に染料を加えて、これらの液を支持体上に直接
或いは他の親水性コロイド層を介して種々の方法で塗布
すれば良い。
【0219】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の表面
層には滑り剤として米国特許3,489,576号、同
4,047,958号などに記載のシリコン化合物、特
公昭56−23139号記載のコロイダルシリカなどの
他に、パラフィンワックス、高級脂肪酸エステル、澱粉
誘導体などを用いることができる。
【0220】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
トリメチロールプロパン、ペンタンジオール、ブタンジ
オール、エチレングリコール、グリセリンなどのポリオ
ール類を可塑剤として添加することができる。
【0221】さらに本発明においてはハロゲン化銀乳剤
層乃至乳剤層以外の構成層のいずれか任意の少なくとも
1層に、圧力耐性向上の目的でポリマーラテックスを含
有させることができる。ポリマーラテックスとしてはア
クリル酸のアルキルエステルのホモポリマーまたはアク
リル酸、スチレンなどとのコポリマー、スチレン−ブタ
ジエンコポリマー、活性メチレン基、水溶性基又はゼラ
チンとの架橋性基を有するモノマーからなるポリマーま
たはコポリマーを好ましく用いることができる。
【0222】特にバインダーであるゼラチンとの親和性
を高めるためにアクリル酸のアルキルエステル、スチレ
ンなど疎水性モノマーを主成分とした水溶性基又はゼラ
チンとの架橋性基を有するモノマーとのコポリマーが最
も好ましく用いられる。水溶性基を有するモノマーの望
ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸などであり、ゼラチンとの架
橋性を有するモノマーの望ましい例としては、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、N−メチロー
ルアクリルアミドなどである。
【0223】本発明に用いられるマット剤としては、例
えば米国特許2,992,101号、同2,701,2
45号、同4,142,894号、同4,396,70
6号などに記載のようなポリメチルメタクリレートのホ
モポリマー又はメチルメタクリレートとメタクリリ酸と
のポリマー、澱粉などの有機化合物、シリカ、二酸化チ
タン、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムなどの無機化
合物の微粒子を併用することができる。粒子サイズとし
ては0.6から10μm、特に1〜5μmであることが
好ましい。
【0224】本発明に用いられるマット剤としては有機
物凝集粒子も用いることができる。有機物凝集粒子とは
0.05〜0.50μmの粒子径の小さい一時粒子が複
数凝集した粒子径の1.0〜20μmの凝集粒子を言
う。凝集粒子の形状は球形、不定形のどちらでもよい。
有機物としての成分はアルキルメタクリレート、アルキ
ルアクリレートやアルキル基をフッ素やケイ素で置換し
たメタクリレート、アクリレートやスチレンから任意に
選択され、ホモポリマーであってもコポリマーであって
もよいがポリメチルメタクリレートが好ましい。具体例
としては綜研化学(株)製のGR−5、GR−5Pが挙
げられる。ヘイズを劣化せずに効果を出すための好まし
い添加量は10〜200mg/m2である。
【0225】本発明においては耐圧性向上を目的とし
て、ハロゲン化銀乳剤層に無機微粒子及び/または複合
ラテックスを含有させることが好ましい。
【0226】無機微粒子としては主成分がケイ素、アル
ミニウム、チタン、インジウム、イットリウム、スズ、
アンチモン、亜鉛、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マン
ガン、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム、バナジウ
ム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などから選ばれる
酸化物であるがその中でも透明性、硬度の点でケイ素酸
化物(コロイダルシリカ)、アルミ酸化物、錫酸化物、
バナジウム酸化物、イットリウム酸化物が好ましい。こ
れらの無機酸化物が水に分散されてゾルになった際に、
自身の水分散安定性を高めるために表面がアルミナ、イ
ットリウム、セリウムなどで処理されていてもよい。ま
たゼラチンとの親和性を高めるためにあらかじめ架橋さ
れたゼラチンによりシェリングされていてもよい。本発
明に用いられる無機微粒子の好ましい使用量は添加すべ
き層のバインダーとして用いられているゼラチンに対し
て乾燥重量比で0.05〜1.0で、好ましくは0.1
〜0.7である。また上記の無機微粒子は併用してもよ
い。なお無機微粒子の好ましい粒径は1〜300nmで
ある。
【0227】本発明に好ましく用いられる親水性コロイ
ド層には、複合ラテックスを含有する。複合ラテックス
量はゼラチンに対して0.3〜1.1の重量比で含有す
る。
【0228】本発明に好ましく用いられる複合ラテック
スは、無機微粒子及び疎水性ポリマーからなる複合高分
子微粒子の分散物、或いは無機微粒子の存在下である。
【0229】本発明に好ましく用いられる複合ラテック
スに用いられる無機微粒子としては、例えば無機酸化
物、窒化物、硫化物等が挙げられるが、好ましくは酸化
物である。具体的には、例えばSi、Na、K、Ca、
Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Sn、Ti、In、
W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Tu、Ag、B
i、B、Mo、Ce、Cd、Mg、Be、Pb等の単一
又は複合の酸化物が好ましく、特にSi、Y、Sn、T
i、Al、V、Sb、In、Mn、Ce、Bの単一又は
複合の酸化物が乳剤との混和性の点から好ましい。
【0230】これらは結晶性のものでも、非晶質のもの
でもよいが、好ましくは非晶質のものである。無機微粒
子の平均粒径は、0.5〜3000nm程度、好ましく
は3〜500nmである。無機微粒子は水及び/又は水
に可溶な溶媒に分散させて用いるのが好ましい。無機微
粒子の添加量は疎水性高分子化合物に対して1〜200
0重量%程度、好ましくは30〜1000重量%であ
る。
【0231】以下に好ましい酸化物の例を示す。
【0232】 SO−1 SiO2 SO−11 ZrSiO4 SO−2 TiO2 SO−12 CaWO4 SO−3 ZnO SO−13 CaSiO3 SO−4 SnO2 SO−14 InO2 SO−5 MnO2 SO−15 SnSbO2 SO−6 Fe23 SO−16 Sb25 SO−7 ZnSiO4 SO−17 Nb25 SO−8 Al23 SO−18 Y23 SO−9 BeSiO4 SO−19 CeO2 SO−10 Al2SiO5 SO−20 Sb23 これらのなかで好ましいのは、Siの酸化物であり、更
にはコロイダルシリカである。
【0233】また、前記疎水性ポリマーとは、現像処理
液等の水溶液中に溶出しないものを言う。疎水性高分子
化合物を形成する疎水性単量体としては、ビニルエステ
ル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル
類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル
類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル
類、フマル酸ジエステル類、アリル化合物、ビニルエー
テル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシ
ジルエステル類、不飽和ニトリル類、各種不飽和酸等を
挙げることができるが、本発明に用いる複合ラテックス
を形成するものとして好ましくはビニルエステル類、ア
クリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類から選
ばれる少なくとも1種、又はスチレン類であり、前者と
して特に好ましくはエステル基の炭素数が6以上のもの
である。又、これらの疎水性単量体にグリシジル基を持
つ疎水性単量体を併用することが好ましく、少なくとも
1重量%、更に好ましくは20重量%以上併用する。
【0234】複合ラテックスの重合方法としては、乳化
重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、放射線
重合法等が挙げられる。
【0235】(複合ラテックスL−1の製造例)100
0mlの4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴下ロー
ト、窒素導入管、還流冷却器を取り付け、窒素ガスを導
入して脱酸素を行いつつ、蒸留水360cc、30重量
%のコロイダルシリカ分散物126gを加え、内部の温
度が80℃となるまで加熱し、ヒドロキシプロピルセル
ロース4.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸1gを添
加した。開始剤として過硫酸アンモニウム0.023g
を添加し、次いで酢酸ビニル12.6gを添加して、4
時間反応させた。その後冷却し水酸化ナトリウム溶液で
pHを6に調整して複合ラテックスL−1を得た。
【0236】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には水
溶性ポリマーを含有させることが好ましい。水溶性ポリ
マーとしては米国特許3,271,158号には記載さ
れているようなポリアクリルアミド、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドンなどを有効に用いることが
できる。またデキストリン、デキストラン、サッカロー
ス、プルランなどの多糖類も有効である。なかでもポリ
アクリルアミド、デキストラン、デキストリンが好まし
く、特にデキストリンが好ましい。これらの物質の平均
分子量は好ましくは2万以下で、さらに好ましくは1万
以下である。
【0237】本発明においてハロゲン化銀乳剤層の親水
性バインダー量は、乳剤層が支持体の両側にある場合は
支持体片側当たり3.0g/m2以下が好ましく、更に
好ましくは1.0g以上2.0g/m2以下である。ま
た支持体の片側にある場合は6.0g/m2以下が好ま
しく、更に好ましくは4.0g/m2以下である。
【0238】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、黒
白ハロゲン化銀写真感光材料(例えば医療用感材、印刷
用感材、一般撮影用ネガ感材等)、カラー写真感光材料
(例えば、カラーネガ感材、カラーリバーサル感材、カ
ラープリント用感材等)、拡散転写用感光材料、熱現像
感光材料等であるが、好ましくは黒白ハロゲン化銀写真
感光材料であり、特に好ましくは医療用感材である。
【0239】尚、本発明のハロゲン化銀乳剤は乳剤層ま
たはその他の層のある層に現像薬、例えばアミノフェノ
ール、アスコルビン酸、ピロカテコール、ハイドロキノ
ン、フェニレンジアミンまたは3−ピラゾリドンなど、
及び/またはその前駆体を含んでもよい。
【0240】本発明の感光材料のハロゲン化銀乳剤層お
よび非感光性の親水性コロイド層には無機または有機の
硬膜剤を含有することが好ましい。例えばクロム塩(ク
ロムみょうばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホ
ルムアルデヒド、グリオキサール、グルタールアルデヒ
ドなど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、
メチロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘
導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビ
ニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒ
ドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチ
ルエーテル、N,N′−メチレンビス(β−(ビニルス
ルホニル)プロピオンアミド)など、活性ハロゲン化合
物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェ
ノキシクロル酸など)、イソオキサゾール類、2−クロ
ル−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンなどを単独
または組み合わせて用いることができる。なかでも特開
昭53−41221号、同53−57257号、同59
−162456号、同60−80846号などに記載の
活性ビニル化合物及び米国特許3,325,287号に
記載の活性ハロゲン化合物が好ましい。
【0241】本発明に用いられる硬膜剤として高分子硬
膜剤も有効に利用しうる。例えばジアルデヒド澱粉、ポ
リアクロレイン、米国特許3,396,029号記載の
アクロレイン共重合体のようなアルデヒド基を有するポ
リマー、米国特許3,623,878号記載のエポキシ
基を有するポリマー、米国特許3,362,827号、
RD−17333(1978)などに記載されているジ
クロロトリアジン基を有するポリマー、特開昭56−6
6841号に記載されている活性エステル基を有するポ
リマー、特開昭56−142524号、米国特許4,1
61,407号、特開昭54−65033号、RD−1
6725(1978)などに記載されている活性ビニル
基、或いはその前駆体となる基を有するポリマーなどが
好ましく、中でも特開昭56−142524号に記載さ
れているような長いスペーサーによって活性ビニル基、
或いはその前駆体となる基がポリマー主鎖に結合されて
いるようなポリマーが特に好ましい。
【0242】本発明の感光材料は迅速処理に適するよう
に、該感材の塗布工程において、予め適量の硬膜剤を添
加しておき、現像−定着−水洗工程での水膨潤率を調整
することで乾燥開始前の感光材料中の含水量を少なくし
ておくことが好ましい。
【0243】尚、本発明のハロゲン化銀感光材料は現像
処理中の膨潤率が150〜250%が好ましく、膨張後
の膜厚が70μm以下が好ましい。水膨潤率が250%
を越えると乾燥不良を生じ、例えば自動現像機処理、特
に迅速処理において搬送不良も併発する。
【0244】また、水膨潤率が150%未満では現像し
た際に現像ムラや残色が増加する悪い傾向がある。ここ
で言う水膨潤率とは、各処理液中で膨潤した後の膜厚と
現像処理前の膜厚との差を求め、これを処理前の膜厚で
除して100倍したものを言う。
【0245】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
ることのできる支持体としては、例えば前述のRD−1
7643の28頁及びRD−308119の1009頁
に記載されているものが挙げられる。
【0246】適当な支持体としてはプラスチックフィル
ムなどで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくす
るために下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射な
どを施してもよい。
【0247】本発明のハロゲン化銀写真感光材料はハロ
ゲン化銀乳剤に更に目的に応じて種々の添加剤を添加す
ることができる。使用される添加剤その他としては例え
ばRD−17643(1978年12月)、同1871
6(1979年11月)及び同308119(1989
年12月)に記載されたものが挙げられる。それらの記
載箇所を以下に掲載した。
【0248】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 次に本発明の好ましいハロゲン化銀写真感光材料の写真
処理方法(以下、処理方法と記載することもある)につ
いて述べる。
【0249】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法は、本発明のハロゲン化銀写真感光材料を現像処理
時間が12秒以下で処理することが好ましい。ここで、
現像処理時間とは感光材料が現像液に浸漬されている時
間をいうが、詳しくは、例えばローラー搬送式の自動現
像機で処理する場合、感光材料の先端が現像液に入った
瞬間から出た瞬間までの時間をいう。現像処理時間はよ
り好ましくは1秒以上10秒以下、更に好ましくは2秒
以上7秒以下である。現像処理の温度は好ましくは25
〜50℃で、より好ましくは30〜40℃である。定着
処理時間としては、1秒以上10秒以下が好ましく、よ
り好ましくは2秒以上7秒以下である。定着処理温度は
20℃〜50℃が好ましく、30℃〜40℃がより好ま
しい。水洗処理の温度と時間は0〜50℃で2秒〜15
秒が好ましく、15℃〜40℃で2秒〜8秒がより好ま
しい。
【0250】現像、定着及び水洗(又は安定化)された
感光材料は水洗水をしぼり切るスクイズローラーを経て
乾燥される。乾燥は40℃〜100℃で行われ、乾燥時
間は環境温度によって適宜変えられるが、通常は3秒〜
12秒でよく、特に好ましくは40℃〜80℃で3秒〜
8秒である。また、遠赤外線ヒーターを使用することが
好ましい。更に、全処理時間(DRY TO DRY)
は10秒以上30秒以下が好ましく、10秒以上25秒
以下がより好ましい。
【0251】また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
を現像処理する現像液としては現像主薬として例えば特
開平4−15641号、特開平4−16841号などに
記載のジヒドロキシベンゼン、例えばハイドロキノン、
パラアミノフェノール類、例えばp−アミノフェノー
ル、N−メチル−p−アミノフェノール、2,4−ジア
ミノフェノールなど、3−ピラゾリドン類としては、例
えば1−フェニル−3−ピラゾリドン類、1−フェニル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−
ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、5,5−ジメチ
ル−1−フェニル−3−ピラゾリドン等、更にはアスコ
ルビン酸類(含む塩)、エリソルビン酸類(含む塩)で
あり、これらを単独でまたは必要に応じて併用して用い
る。
【0252】上記パラアミノフェノール類、3−アミノ
ピラゾリドン類の好ましい使用量は0.004モル/リ
ットルであり、より好ましくは0.04〜0.12モル
/リットルである。
【0253】これら全現像処理液構成成分中に含まれる
ジヒドロキシベンゼン類、パラアミノフェノール類、3
−ピラゾリドン類、アスコルビン酸類(含む塩)、エリ
ソルビン酸類(含む塩)の総モル数が0.1モル/リッ
トル以下が好ましい。
【0254】特に、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法では、前記一般式(A)で表される化合物を
含有する現像液及び/又は現像補充液を用いて、本発明
のハロゲン化銀写真感光材料を自動現像機で処理するこ
とが好ましい。
【0255】本発明の前記一般式(A)で表される化合
物の式中のR1、R2はそれぞれヒドロキシ基、アミノ基
(置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、例えば
メチル、エチル、ヒドロキシエチル基などを置換基とし
て有するものを含む)、アシルアミノ基(アセチルアミ
ノ、ベンゾイルアミノ基など)、アリールスルホニルア
ミノ基(ベンゼンスルホニルアミノ、p−トルエンスス
ルホニルアミノ基など)、アルコキシスルホニルアミノ
(メトキシカルボニルアミノ基など)、メルカプト基、
アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ基など)を表
す。R1、R2の好ましい例としてはヒドロキシ基、アミ
ノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニ
ルアミノ基などが挙げられる。式中のP、Qはアルキル
基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル
基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、スルホ
基、スルホアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、
メルカプト基を表すほか、PとQが結合してR1、R2
置換している二つのビニル炭素原子と、Yが置換してい
る炭素原子と共に5〜8員環を形成するに必要な原子群
を表す。
【0256】環構造の具体例としては−O−、−C(R
3)、(R4)−、C(R5)=、−C(=O)−、−N
(R6)−、−N=を組み合わせて構成される。但しR3
〜R6は水素原子、炭素数1〜10の置換してもよいア
ルキル基(置換基としてはヒドロキシ基、カルボキシ
基、スルホ基)、炭素数6〜15の置換してもよいアル
ール基(置換基としてはアルキル基、ハロゲン原子、ヒ
ドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基)、ヒドロキシ
基、カルボキシル基を表す。さらにこの5〜8員環には
飽和または不飽和の縮合環を形成してもよい。この5〜
8員環の例としてはジヒドロフラノン、ジヒドロピロ
ン、ピラノン、シクロペンテノン、シクロヘキセノン、
ピロリノン、ピラゾリノン、ピリドン、アザシクロヘキ
セノン、ウラシル環などが挙げられ、好ましい例として
はジヒドロフラノン、シクロペンテノン、シクロヘキセ
ノン、ピロリノン、アザシクロヘキセノン、ウラシル環
などを挙げることができる。
【0257】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法においては、前記上記一般式(A)で表される化合
物が現像液1リットル当たり0.005〜0.5モル用
いるのが好ましく、より好ましくは0.02〜0.4モ
ルである。
【0258】前記一般式(A)の具体的化合物例を下記
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0259】
【化18】
【0260】
【化19】
【0261】
【化20】
【0262】
【化21】
【0263】上記の化合物は、代表的にはアスコルビン
酸或いはエリソルビン酸又はそれらの誘導体であり、市
販品として入手できるか又は公知の合成法により容易に
合成することができる。
【0264】現像液には上記化合物の補助現像主薬とし
て1−フェニル−3−ピラゾリドン系またはp−アミノ
フェノール系現像主薬を含有しているのが好ましい。
【0265】保恒剤としては亜硫酸塩類、例えば亜硫酸
カリウム、亜硫酸ナトリウム、レダクトン類、例えばピ
ペリジノヘキソースレダクトンなどを含んでもよく、こ
れらは好ましくは0.2〜1モル/リットル、より好ま
しくは0.3〜0.6モル/リットル用いるのがよい。
またアスコルビン酸類を多量に添加することも処理安定
性につながる。
【0266】アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第三燐
酸ナトリウム、第三燐酸カリウムの如きpH調整剤を含
む。
【0267】さらに特開昭61−28708号記載の硼
酸塩、特開昭60−93439号記載のサッカローズ、
アセトオキシム、5−スルホサリチル酸、燐酸塩、炭酸
塩などの緩衝剤を用いてもよい。これらの薬剤の含有量
は現像液のpHを好ましくは9.0〜13、より好まし
くはpH10〜12.5とするように選ぶ。
【0268】溶解助剤としてはポリエチレングリコール
類、及びこれらのエステルなど、増感剤としては例えば
四級アンモニウム塩など、現像促進剤、界面活性剤など
を含有させることができる。
【0269】銀スラッジ防止剤としては例えば特開昭5
6−106244号記載の銀汚れ防止剤、特開平3−5
1844号記載のスルフィド、ジスルフィド化合物、特
願平4−92947号記載のシステイン誘導体あるいは
トリアジン化合物が好ましく用いられる。
【0270】有機抑制剤としてアゾール系有機カブリ防
止剤、例えばインダゾール系、イミダゾール系、ベンツ
イミダゾール系、トリアゾール系、ベンツトリアゾール
系、テトラゾール系、チアジアゾール系化合物が用いら
れる。
【0271】無機抑制剤としては、臭化ナトリウム、臭
化カリウム、沃化カリウムなどを含有する。この他、
L.F.A.メンソン著「フォトグラフィック・プロセ
ッシング・ケミストリー」フォーカルプレス社刊(19
66年)の226〜229頁、米国特許2,193,0
15号、同2,592,364号、特開昭48−649
33号などに記載のものを用いてもよい。
【0272】処理液に用いられる水道水中に混在するカ
ルシウムイオンを隠蔽するためのキレート剤には、有機
キレート剤として特開平1−193853号記載の鉄と
のキレート安定化定数が8以上のキレート剤が好ましく
用いられる。無機キレート剤としてヘキサメタ燐酸ナト
リウム、ヘキサメタ燐酸カルシウム、ポリ燐酸塩等があ
る。
【0273】現像硬膜剤としてはジアルデヒド系化合物
を用いてもよい。この場合グルタルアルデヒドが好まし
く用いられる。但し迅速処理のためには硬膜剤は現像処
理工程で作用させるより前記のように予め感光材料の塗
布工程で硬膜剤を含有させて作用させるほうが好まし
い。
【0274】本発明において現像液の補充は、処理剤疲
労と酸化疲労相当分を補充する。補充法としては特開昭
55−126243号に記載の幅、送り速度による補
充、特開昭60−104946号記載の面積補充、特開
平1−149156号記載の連続処理枚数によりコント
ロールされた面積補充でもよい。
【0275】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法は、処理される感光材料の処理量に応じて処理液を
連続的に補充しながら処理する方法であることが好まし
く、この場合、現像液の補充量は処理される感光材料1
2当たり15〜250ccで補充されることが好まし
く、15〜100ccがより好ましい。
【0276】好ましい定着液としては当業界で一般に用
いられている定着素材を含むことができる。pHは3.
8以上、好ましくは4.2〜5.5である。
【0277】定着剤としてはチオ硫酸アンモニウム、チ
オ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸塩であり、定着速度の
点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。該チオ硫
酸アンモニウムの濃度は0.1〜5モル/リットルの範
囲が好ましく、より好ましくは0.8〜3モル/リット
ルの範囲である。定着液は酸性硬膜を行うものであって
もよい。この場合、硬膜剤としてはアルミニウムイオン
が好ましく用いられる。例えば硫酸アルミニウム、塩化
アルミニウム、カリ明礬などの形態で添加するのが好ま
しい。その他定着液には所望により亜硫酸塩、重亜硫酸
塩等の保恒剤、酢酸、硼酸等のpH緩衝剤、鉱酸(硫
酸、硝酸)や有機酸(クエン酸、蓚酸、リンゴ酸な
ど)、塩酸などの各種酸や金属水酸化物(水酸化カリウ
ム、ナトリウム)等のpH調整剤や硬水軟化能を有する
キレート剤を含むことができる。定着促進剤としては例
えば特公昭45−35754号、同58−122535
号、同58−122536号など記載のチオ尿素誘導
体、米国特許4,126,459号記載のチオエーテル
などが挙げられる。
【0278】更に、自動現像機の処理槽に現像剤及びま
たは定着剤を固体処理剤として供給する方法も好ましく
用いられる。
【0279】ここで、固体処理剤とは、粉末処理剤や錠
剤、丸薬、顆粒の如き固体処理剤などであり、必要に応
じ防湿加工を施したものである。
【0280】粉末とは、微粒結晶の集合体のことをい
う。顆粒とは、粉末に造粒工程を加えたもので、粒径5
0〜5000μmの粒状物のことをいう。錠剤とは、粉
末又は顆粒を一定の形状に圧縮成型したもののことを言
う。
【0281】写真処理剤を固形化するには、濃厚液また
は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成
型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着
剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の
手段が採用できる(特願平2−135887号、同2−
203165号、同2−203166号、同2−203
167号、同2−203168号、同2−300409
号参照)。
【0282】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0283】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、撹拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μm
のものを用いることが好ましく、より好ましくは200
〜750μmである。さらに粒度分布は造粒物粒子の6
0%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが
好ましい。次に得られた造粒物を加圧圧縮する際には公
知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロー
タリー式打錠機、ブリケッテングマシンを用いることが
出来る。加圧圧縮されて得られる固体処理剤は任意の形
状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観点
から又はユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題か
らは円筒型、いわゆる錠剤が好ましい。
【0284】さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えば
アルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによ
って更に上記効果が顕著になる。
【0285】錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭
51−61837号、同54−155038号、同52
−88025号、英国特許1,213,808号等の明
細書に記載される一般的な方法で製造でき、更に顆粒処
理剤は、例えば、特開平2−109042号、同2−1
09043号、同3−39735号及び同3−3973
9号等の明細書に記載される一般的な方法で製造でき
る。更にまた粉末処理剤は、例えば、特開昭54−13
3332号、英国特許725,892号、同729,8
62号及びドイツ特許3,733,861号等の明細書
に記載されるが如き一般的な方法で製造できる。
【0286】上記の固体処理剤の嵩密度は、1.0g/
cm3〜2.5g/cm3が好ましく、1.0g/cm3
より大きいと得られる固体物の強度の点で、2.5g/
cm3より小さいと得られる固体物の溶解性の点でより
好ましい。固体処理剤が顆粒又は粉末である場合嵩密度
は0.40〜0.95g/cm3のものが好ましい。
【0287】固体処理剤は現像剤、定着剤、リンス剤等
写真用処理剤に用いられるが、写真性能を安定化させる
効果が大きいのは現像剤である。
【0288】固体処理剤はある処理剤の1部の成分のみ
固体化してもよいが、好ましくは該処理剤の全成分が固
体化されていることである。各成分は別々の固体処理剤
として成型され、同一個装されていることが望ましい。
又別々の成分が定期的に包装でくり返し投入される順番
に包装されていることも望ましい。
【0289】処理量情報に応じて各処理槽に補充する処
理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。
補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制
御情報にもとづき補充水が補充される。この場合処理槽
に補充する液体は補充水のみとすることが出来る。つま
り、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場
合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留
するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が
図れる。補充水タンクは外部に外置きでも、自動現像機
に内蔵してもよく、内蔵するのは省スペース等の点から
も好ましい。
【0290】現像剤を固体化する場合、アルカリ剤、還
元剤全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なく
とも3剤以内最も好ましくは1剤にすることが、固体処
理剤の好ましい実施態様である。又2剤以上に分けて固
体処理剤化した場合は、これら複数の錠剤や顆粒が同一
包装されていることが好ましい。
【0291】本発明の感光材料と放射線増感紙を用いて
X線撮影し、本発明の処理方法で処理して画像を形成す
る方法である。放射線増感紙の蛍光体層中における蛍光
体の充填率は好ましくは68%以上、更に好ましくは7
0%以上、最も好ましくは72%以上である。
【0292】また、蛍光体層の厚みは150μm以上、
250μm以下が好ましい。蛍光体層の厚みが150μ
m未満であると鮮鋭性が急激に劣化するからである。
【0293】放射線増感紙は、傾斜粒径構造で蛍光体を
充填することが好ましい。特に表面保護層側に大粒径の
蛍光体粒子を塗布し、支持体側に小粒径の蛍光体粒子を
塗布することが好ましく、小粒径のものは0.5〜2.
0μmで、大粒径のものは10〜30μmの範囲が好ま
しい。
【0294】組み合わせに使用する蛍光増感紙は、蛍光
体粒子の充填率を高めることでそれぞれの増感紙のX線
吸収が蛍光体層の厚み100μm当たりX線吸収率は3
0%以上であることが好ましい。なおX線吸収量は次の
ようにして求めた。即ち、3相の電力供給で固有濾過が
アルミニウム2.2mm相当のX線発生装置から80K
VPで運転されるタングステン・ターゲットから生じた
X線を厚さ3mmの純度99%以上のアルミニウム板を
透過させ、ターゲット管のタングステンアノードから2
00cmの位置に固定した放射線増感紙に到着させ、次
いでその放射線増感紙の蛍光体層から50cm後の位置
で電離型線量計を用いて測定しX線吸収量を求めた。基
準としては増感紙を透過させないで測定した上記測定位
置でのX線量を用いた。
【0295】放射線増感紙に用いられる好ましい結合剤
としては熱可塑性エラストマーが挙げられる。具体的に
はポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸
ビニル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリ
イソプレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエ
ンゴム及びシリコンゴムからなる群より選ばれる少なく
とも1種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0296】蛍光体の充填率は、支持体上に形成された
蛍光体層の空隙率から次式により求めることができる。
【0297】
【数1】
【0298】放射線増感紙に用いられる好ましい蛍光体
としては以下に示すものが挙げられる。
【0299】タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4
MgWO4、CaWO4:Pbなど)、テルビウム賦活希
土類酸硫化物系蛍光体〔Y22S:Tb、Gd22S:
Tb、La22S:Tb、(Y、Gd)22S:Tb、
Tm等〕、テルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体(YP
4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb等)、
テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体La
OBr:Tb、LaOBr:Tb.Tm、LaOCl:
Tb、LaOCl:Tb.TmGdOBr:Tb、Gd
OCr:Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン
化物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm
等)、硫酸バリウム系蛍光体〔BaSO4:Pb、Ba
SO4:Eu2+、(Ba.Sr)SO4:Eu2+等〕、2
価のユーロビウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体
〔Ba3(PO42:Eu2+、(Ba、Sr)3(P
42:Eu2+等〕、2価のユーロビウム賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体〔BaFCl:Eu
2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+.Tb、
BaFBr:Eu2+.Tb、BaF2.BaCl2.XB
aSO4.KCl:Eu2+、(Ba.Mg)F2.BaC
2.KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CSI:
Na、CSI:Tl、NaI.KI:Tl等)硫化物系
蛍光体〔ZnS:Ag、(Zn.Cd)S:Ag、(Z
n.Cd)S:Cu、(Zn.Cd)S:Cu.Al
等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP27:Cu
等)、ただし、用いられる蛍光体はこれらに限られもの
ではなく、放射線の照射により可視または近紫外領域の
発光を示す蛍光体であれば使用できる。
【0300】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらによって限定されるものではない 実施例1 <沃臭化銀六角平板粒子の調製> Em−1の調製(本発明の乳剤) A1 オセインゼラチン 75.5g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ− ジサクシネートナトリウム塩(10%エタノール水溶液)6.78ml 臭化カリウム 64.7g 水で 10800mlにしあげる。
【0301】 B1 0.7N 硝酸銀水溶液 1340ml C1 2.0N 硝酸銀水溶液 1500ml D1 1.3N 臭化カリウム水溶液 410ml E1 2.0N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F1 オセインゼラチン 125g 水 4000ml G1 KSCN水溶液(2N) 60cc H1 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μ)から成る 微粒子乳剤(*) 0.008モル相当 *0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼ
ラチン水溶液6.64リットルに、7.06モルの硝酸
銀と、7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液それぞ
れ2リットルを、10分間かけて添加した。微粒子形成
中のpHは硝酸を用いて2.0に、温度は40℃に制御
した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶液を用いてp
Hを6.0調整した。
【0302】55℃で特公昭58−58288号、同5
8−58289号に示される混合撹拌機を用いて溶液A
1に溶液B1を400ml及び溶液D1全量を同時混合
法により40秒を要して添加し、核形成を行った。
【0303】溶液B1及び溶液D1の添加終了後、溶液
F1を添加し、70℃まで昇温し熟成を行う。さらに溶
液B1の残量を25分かけて添加した後、28%アンモ
ニア水溶液を用いて10分間熟成を行い、酢酸にてpH
を中性に戻す。溶液C1とE1をpAg=7.8に保ち
ながら臨界成長速度に見合った速度で同時添加混合し、
C1を全量添加した後にG1とH1を添加した。5分間
撹拌した後沈降法にて可溶性塩類を脱塩除去した。
【0304】引き続き、この乳剤を47℃にし、下記の
方法〔増感−1〕により分光増感及び化学増感を施し
た。
【0305】〔増感−1〕分光増感色素A、Bの所定量
を、固体微粒子状の分散物として添加後にチオシアン酸
アンモニウム、塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合
水溶液及びトリフェニルホスフィンセレナイドの分散液
を加え、総計2時間30分の熟成を施した。熟成終了時
に安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラザインデン(TAI)の適量を添加し
た。
【0306】分光増感色素及びその他の添加剤と、それ
らの添加量(ハロゲン化銀1モル当たり)を下記に示
す。
【0307】 分光増感色素(A) 5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オ キサカルボシアニンナトリウム塩の無水物 390mg 分光増感色素(B) 5,5′−ジ−(ブトキシカルボニル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ (4−スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウムの無水物 4mg アデニン 10mg チオ硫酸ナトリウム(硫黄増感剤) 3.3mg チオシアン酸アンモニウム 50mg 塩化金酸(金増感剤) 2.0mg 沃化銀微粒子 5mmol トリフェニルホスフィンセレナイド(セレン増感剤) 4.0mg 安定剤(TAI) 1000mg ここでいう沃化銀微粒子とは乳剤成長時に用いた、3重
量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μ)
から成る微粒子乳剤のことである。
【0308】分光増感色素の固体微粒子状分散物は特願
平4−99437号に記載の方法に準じた方法によって
調製した。
【0309】即ち分光増感色素の所定量を予め27℃に
調温した水に加え高速撹拌機(ディゾルバー)で3.5
00rpmにて30〜120分間にわたって撹拌するこ
とによって得た。
【0310】上記のセレン増感剤の分散液は次のように
調製した。即ち、トリフェニルフォスフィンセレナイド
120gを50℃の酢酸エチル30kg中に添加、撹拌
し、完全に溶解した。他方で写真用ゼラチン3.8kg
を純水38kgに溶解し、これにドデシルベンゼンスル
フォン酸ナトリウム25wt%水溶液93gを添加し
た。次いでこれらの2液を混合して直径10cmのディ
ゾルバーを有する高速撹拌型分散機により50℃下にお
いて分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。そ
の後速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3
wt%以下になるまで撹拌を行いつつ、酢酸エチルを除
去した。その後、この分散液を純水で希釈して80kg
に仕上げた。このようにして得られた分散液の一部を分
取して実験に使用した。
【0311】この様にして作成した乳剤Em−1は、ハ
ロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺
比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板
粒子の平均厚さは0.20μm、平均粒径(円直径換
算)は0.80μmであることを電子顕微鏡にて確認し
た。又、円相当径の分布は15%であった。
【0312】Em−2の調製(比較乳剤) Em−1の調製において、溶液H1の添加を取り止め、
増感−1における沃化銀微粒子の添加量を7mmolに
変更する以外、Em−1と同様にして、Em−2を調製
した。
【0313】Em−3の調製(比較乳剤) Em−1の調製において、溶液G1の添加を取り止める
以外、Em−1と同様にして、Em−3を調製した。
【0314】Em−4〜Em−6の調製(本発明の乳
剤) Em−1の調製において、溶液H1の添加を取り止め、
表1記載量の沃化物イオン放出剤を添加した後、沃化物
イオン放出調節剤を表1記載の如く含む水溶液36ml
を1分間定速で添加し、pH9.0で8分間保持した以
外は乳剤Em−1と全く同様にして乳剤Em−4〜Em
−6を調製した。
【0315】
【表1】
【0316】得られた乳剤Em−1〜Em−6について
以下の方法でハロゲン化銀粒子最表面のハロゲン組成の
粒子間分布を測定した。
【0317】(試料前処理)セーフライト下で以下の手
順に従い測定用試料を作成した。まず、40℃に保った
アルカリプロテアーゼ0.05%水溶液10ccに対し
て暖めた乳剤を1cc加え、撹拌しながら40℃に20
分間保持しゼラチンを分解した。次に左記に対して40
℃の蒸留水を加え50ccに仕上げた液を3000rp
mにて回転する基板上に100μl滴下させ乾燥させ
た。基板としてはSbドープされた抵抗率が0.08オ
ーム・cmである低抵抗CZシリコン(100)単結晶
ウェハーを硝酸、アセトン、エタノール、蒸留水に順に
超音波洗浄をおこない乾燥させた後、減圧した大気雰囲
気にてグロー放電処理をしたものを使用した。
【0318】試料は全く同一の手順で2点作成し、一方
は次項のTOF−SIMSに使用し、他方は日立製S5
000H型走査電子顕微鏡を用いて二次電子像を撮影し
写真に記録するために使用した。写真からハロゲン化銀
粒子が凝集または密集せず基板上に一様に分散している
点を確認した。
【0319】(測定)TOF−SIMS装置としてはP
HI社製TFS−2000型を用い、一次イオン種とし
てGa+を加速電圧25kVにてDCモード時のビーム
電流が0.45nAになるように調節して使用した。二
次イオンとしては79Br−、81Br−、127I−
を測定し、パルス化イオンガン周波数は10kHz、パ
ルス巾は10nsecにそれぞれ設定した。ビーム走査
領域は40μm×40μmとし、走査領域から放出され
る二次イオン個数を放出位置に対応させてメモリー上に
256×256のデータ配列として15分間継続して記
録した。この間にビーム走査領域に照射された全一次イ
オン個数は2.5×108個であり、単位面積当たりの
全一次イオンドーズ量は1.58×1013個/cm2
であった。測定が終了したらビーム走査領域が重複しな
い位置まで試料をずらし、同様にして、他の粒子と凝集
または密着せず基板上に配置された粒子の少なくとも5
0個以上の測定が終了するまで繰り返し、得られたデー
タ配列はそれぞれ磁気記録媒体に記録した。
【0320】上記一連の測定を終了した試料は前記走査
電子顕微鏡を用いて、TOF−SIMS測定のためにイ
オンビームが照射された箇所における二次電子像を撮影
し写真に記録した。TOF−SIMS測定前の写真との
比較では、粒子形状の変形やプリントアウト銀生成の程
度に差は認められなかった。
【0321】(データ処理)測定で得られた、79Br
-、81Br-、127I-なる二次イオン個数を表す3
種の配列 A(79Br-)、A(81Br-)、A(127I-
はB(Br)=A(79Br-)+A(81Br-)、B
(I)=A(127I-) のそれぞれ一価の二次イオン強度の総和Br−、I−の
強度を表す配列に変換しC(AgI%)= 100×B
(I)/(B(I)+B(Br))によって最表面ヨウ
化銀含有率の2次元分布を表す配列C(AgI%)を得
た。次にB(Br)における配列要素にしきい値=80
を定め、配列要素のうち80に満たないものを選び、そ
れと対応するC(AgI%)の要素を0とする操作を行
いC’(AgI%)を得た。C’(AgI%)は閾値に
より補正された最表面ヨウ化銀含有率の2次元分布を表
す配列であり、このなかで0以外の値を持ち隣接して一
群を形成する要素をひとつにまとめて平均値を求めるこ
とによって一つのハロゲン化銀粒子の最表面ヨウ化銀含
有率が得られる。同様にして少なくとも50個のハロゲ
ン化銀粒子の最表面ヨウ化銀含有率を求め、それらの平
均値および標準偏差から変動係数(C.V.値)を得
た。得られた結果を表2に記す。
【0322】
【表2】
【0323】次に、得られた乳剤に下記第2層(乳剤
層)記載の添加剤を加え、乳剤層塗布液とした。同時に
下記第1層(染料層)及び第3層(保護層)記載の添加
剤を用いて、染料層塗布液及び保護層塗布液を調製し、
これら3種の塗布液を用いて、塗布量が片面当たり銀量
が1.6g/m2、ゼラチン付き量は2.5g/m2とな
るように2台のスライドホッパー型コーターを用い毎分
80mのスピードで支持体上に両面同時塗布を行い、2
分20秒で乾燥し試料No.1〜4を得た。支持体とし
てはグリシジルメタクリレート50wt%、メチルアク
リレート10wt%、ブチルメタクリレート40wt%
の3種モノマーからなる共重合体の濃度が10wt%に
なるように希釈して得た共重合体水性分散液及びコロイ
ド状酸化スズ分散液(特願平7−231445号参照)
の混合液を下引き液とした175μmのX線フィルム用
の濃度0.15に青色着色したポリエチレンテレフタレ
ートフィルムベースを用いた。
【0324】各層に用いた添加剤は次のとおりである。
添加量は1m2当たりの量で示す。
【0325】 第1層(染料層) 固体微粒子分散体染料(AH) 20mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム 50mg/m2 第2層(乳剤層) テトラクロロパラジウム(2)酸カリウム 100mg/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ− 1,3,5−トリアジン 5mg/m2 t−ブチルカテコール 5mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 20mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 1mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 50mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 20mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 複合ラテックス(L−1) 1.0g/m2 デキストリン(平均分子量約1000) 0.2g/m2 デキストラン(平均分子量約40000) 0.2g/m2 スチレンスルホン酸ナトリウム(分子量約50万) 7mg/m2 但し、ゼラチンの塗設量が0.8g/m2になるように調整した。
【0326】 第3層(保護層下層) ゼラチン 0.2g/m2 トリクレジルホスフェイト 0.2g/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量50000) 30mg/m2 スチレンスルホン酸ナトリウム(分子量約50万) 7mg/m2 第4層(保護層上層) ゼラチン 0.28g/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤 27mg/m2 (面積平均粒径7.0μm) 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 50mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 30mg/m2 ポリシロキサン(SI) 50mg/m2 化合物(I) 30mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2 化合物(F−1) 3mg/m2 化合物(F−2) 2mg/m2 化合物(F−3) 1mg/m2 化合物(F−4) 10mg/m2 化合物(P) 50mg/m
【0327】
【化22】
【0328】
【化23】
【0329】
【化24】
【0330】<センシトメトリー評価> 得られた試料No.1〜9を用いて写真特性を評価し
た。まず試料を2枚のスクリーン(コニカ(株)製.K
O−250)で挟み、アルミウエッジを介して管電圧8
0kvp、管電流100mA、0.05秒間のX線を照
射し露光し、処理−1の写真処理を行った。
【0331】処理後、カブリ及び感度の測定を行なっ
た。カブリは最低濃度で表し、感度はカブリ+1.0の
濃度を与える露光量の逆数で表し、試料No.2の処理
での感度を100としたときの相対感度で示した。得ら
れた結果を表3に示す。
【0332】<カバーリングパワーの評価> 得られた試料No1〜9を太陽光にて1時間曝射し、そ
の後下記処理−1の写真処理を行った。処理後、単位面
積あたりの銀量(現像銀量)及び光学濃度を測定し、カ
バーリングパワー(CP)を以下の式にて求めた。
【0333】CP=(光学濃度)/(現像銀量) 値は、試料No2を100としたときの相対値で示し
た。得られた結果を表3に示す。
【0334】<銀色調の評価> 35cm×43cmの試料No.1〜9を、透過光黒化
濃度が1.0になるようにタングステン光で均一に露光
した後、下記処理−1の写真処理を行い、処理後のフィ
ルム試料を下記の5段階評価で黄色味の程度を目視評価
した。
【0335】評価ランク 1:黄色味が強く明らかに実用に耐えない 2:黄色味が幾らか認められ、実用上問題になる懸念が
ある 3:黄色味が少し認められるが、通常の条件下では実用
できる 4:黄色味が殆ど認められず実用上問題にならない 5:黄色味が全く認められず、冷黒調である。
【0336】得られた結果を表3に示す。
【0337】[処理−1] 現像液として100リットル量の調整。
【0338】〔造粒物(A)〕 現像主薬のハイドロキノン3000g、フェニドン40
0g、ホウ酸1000g、N−アセチル−D,L−ペニ
シラミン10g、グルタルアルデヒド重亜硫酸Na塩5
00gをそれぞれ市販のバンタムミル中で平均粒径10
μmになるまで粉砕する。この微粉に亜硫酸ナトリウム
700g、結合剤D−ソルビットを200gを加えミル
中で30分混合した。市販の撹拌造粒機中で室温にて約
5分間、30mlの水を添加することにより造粒した
後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去した。
【0339】〔固体現像剤Aの作製〕 このようにして得られた造粒物(A)を1−オクタンス
ルホン酸ナトリウム100gと25℃、40%RH以下
に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合
した後、得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレ
ストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠
当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行い、直径30
mmの円筒形になるようにしてハイドロキノン系現像錠
剤を作製した。
【0340】〔造粒物(B)〕 炭酸カリウムをバッファー能0.16になる様に調製し
た。バッファー能とはpH10.0調整した当該現像液
に酢酸0.1mol/l添加した時のpHの変化幅を表
す。重炭酸ナトリウム1000g、KBr200gをそ
れぞれ市販のバンタムミル中で平均粒径10μmになる
まで粉砕する。各々の微粉にLiOH・H2O、200
g、DTPA・5H、250g、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール5g、亜硫酸ナトリウム4000
g、前述した化合物(M)40g、化合物(N)8gと
結合剤マンニトール1000gを加えミル中で30分混
合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約15分間、30
mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流
動乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほ
ぼ完全に除去する。
【0341】〔固体現像剤Bの作製〕 このようにして得られた造粒物(B)を1−オクタンス
ルホン酸ナトリウム200gと25℃、40%RH以下
に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合
した後、得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレ
ストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠
当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行いアルカリ現
像錠剤を作製した。
【0342】現像剤A,B両方とも防湿のためアルミを
含有させたピロー袋に4.0リットル量ずつ封入包装し
た。
【0343】以下の操作で定着液として100リットル
量になる固体定着剤を作製した。
【0344】〔造粒物(C)〕 チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(90/1
0重量比)15000gを市販のバンタムミル中で平均
粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉に亜硫酸ナ
トリウム500g、Na225 750g、結合剤パイ
ンフロー1300gを加え水添加量を50mlにして撹
拌造粒を行い、造粒物を流動層乾燥機で40℃で乾燥し
て水分をほぼ完全に除去する。
【0345】〔造粒物(D)〕 ホウ酸400g、硫酸アルミ・8水塩1200g、琥珀
酸1200g、酒石酸300gを市販のバンタムミル中
で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉にD
−マンニット250g、D−ソルビット120g、PE
G#4000160gを加え水添加量30mlにして撹
拌造粒を行い造粒物を流動層乾燥機で40℃で乾燥して
水分を完全に除去する。
【0346】〔固体用定着剤〕 このようにして得られた造粒物(C)にβ−アラニン3
000g、酢酸ナトリウム4330g、更に1−オクタ
ンスルホン酸ナトリウムを総重量の1.5%になるよう
に添加し、更に造粒物(D)にはメタ重亜硫酸ナトウリ
ム750gと1−オクタンスルホン酸ナトリウムを総重
量の1.0%となる様に添加し、それぞれ、25℃40
%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間
均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所(株)
製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機
により1錠当たり充填量を(C)は10.2g、(D)
は11.2gにして圧縮打錠を行い、直径30mmの円
筒形の定着錠剤を作成した。これを、各々固体処理剤を
防湿のためにアルミを含有させたピロー袋に40リット
ル量分ずつ封入包装した。
【0347】〈処理方法〉 自現機はSRX−201(コニカ(株)製)を改造し使
用した。
【0348】スタート時の現像タンク内の現像液は固体
現像剤A,Bを混合した後、改造ケミカルミキサーで希
釈水で希釈溶解して調整する。尚、錠剤は完全に溶解
し、析出物は見られなかった。この現像液7.8リット
ルをSRX−201に入れ、後記載のスターターを加え
てスタート液として現像槽を満たして処理を開始した。
スターター添加量は33cc/リットルであった。定着
剤は固体定着剤(C),(D)をケミカルミキサーで希
釈水で希釈して調整する。尚、錠剤は完全に溶解し、析
出物は見られなかった。この調整した定着液5.6リッ
トルをSRX−201の定着処理タンクに入れてスター
ト液とした。
【0349】 スターター処方 KBr 5.5g HO(CH22S(CH22S(CH)2OH 0.05g N−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.10g メタ重亜硫酸ナトリウム 上記開始液pHに成る量 水仕上げ 35cc 尚、SRX−201を現像、定着ともに各々の固体処理
剤が投入できる様に改造ケミカルミキサー投入口を設け
て固体処理剤溶解用に内蔵ケミカルミキサーを改造し
た。
【0350】現像、定着ともに各々の固体処理剤の投入
口にそれぞれの包装袋を手で開封したものをセットし内
蔵ケミカルミキサーに錠剤を落とすと同時に温水(25
〜30℃)を注入し撹拌溶解しながら溶解時間25分で
4.0リットルに調液する。これを現像・定着補充液と
して用いた。この調製された補充液を現像槽、定着槽に
供給して前記記載の量を満たす。
【0351】現像を溶解した時のpHが10.55にな
る様に酢酸、水酸化カリウムで微調整した。定着液の溶
解補充液のpHは4.80であった。
【0352】内蔵ケミカルミキサーは調液槽と予備タン
ク槽に分かれており調液槽容量は3.0リットル、予備
タンク容量も3.0リットルでありフィルムをランニン
グ処理中に調液槽で作製された補充液が無くなっても、
又撹拌溶解時間(約25分)中に無補充状態に成らない
様に補充液が供給されるように予備タンクを設けた。
【0353】スターターを添加した時の現像液のpHは
10.45であった。
【0354】先に作成した試料に現像処理後の光学濃度
が1.0となるように露光を施し、ランニングを行っ
た。ランニング中は現像液には感光材料1m2あたり現
像補充液を90ml添加した。定着液には感光材料1m
2あたり定着補充液を90ml添加した。
【0355】 (処理条件) 現 像 35℃ 8.2秒 定 着 33℃ 5 秒 水 洗 常 温 4.5秒 スクイズ 1.6秒 乾 燥 40℃ 5.7秒 計 25 秒 ランニング平衡に達した後、上記センシトメトリー評
価、カバーリングパワー評価、並びに銀色調評価を行っ
た。
【0356】
【表3】
【0357】本発明の試料No.1、No.4〜6は、
試料No.2、3と比較して、低カブリで高感度であ
り、CPが大幅に向上しており、かつ銀色調が良好なこ
とが分かる。
【0358】 実施例2 <塩沃臭化銀直角平行四辺形平板粒子の調製> Em−7の調製 A7 オセインゼラチン 75.0g KI 1.25g NaCl 33.0g 蒸留水で 15000mlとする B7 硝酸銀 410g 蒸留水で 684mlとする C7 硝酸銀 11590g 蒸留水で 19316mlとする D7 KI 4.0g NaCl 140g 蒸留水で 684mlとする E7 NaCl 3980g 蒸留水で 19274mlとする 40℃において、特公昭58−58288号、同58−
58289号明細書に示される混合撹拌機中の溶液A7
に、溶液B7と溶液D7の全量を1分間かけて添加し
た。EAgを149mVに調整し、20分間オストワル
ド熟成した後に溶液C7と溶液E7の全量を320分か
けて添加した。その間、EAgは143mVに制御し
た。
【0359】添加終了後、直ちに脱塩、水洗を行った。
【0360】引き続き、上記の乳剤を温度を55℃に
し、下記の方法〔増感−2〕により分光増感及び化学増
感を施した。
【0361】〔増感−2〕ハロゲン化銀に吸着する化合
物として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン(TAI)を添加した後、下記の
分光増感色素の所定量、チオシアン酸アンモニウムと塩
化金酸の混合水溶液、1−エチル−3−(2−チアゾリ
ル)チオ尿素、トリフェニルホスフィンセレナイド及び
ブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリドの固体微粒
子状分散物を加え20分間撹拌し、その後、臭化銀微粒
子乳剤を0.1mol%添加して、総計2時間の熟成を
施した。熟成終了時に安定剤として1−フェニル−5−
メルカプトテトラゾール(PMT)及び4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
(TAI)を添加した。
【0362】分光増感色素及びその他の添加剤と、それ
らの添加量(ハロゲン化銀1モル当たり)を下記に示
す。
【0363】 分光増感色素(D−31) 350mg 分光増感色素(D−32) 25mg 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7− テトラザインデン(TAI) 50mg チオシアン酸アンモニウム 145mg 塩化金酸(金増感剤) 25.5mg 1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオ尿素(硫黄増感剤)5.0mg トリフェニルホスフィンセレナイド(セレン増感剤) 3.0mg ブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリド(テルル増感剤)0.5mg 臭化銀微粒子 0.1mol% PMT(化学熟成終了時に安定剤として) 10mg TAI(化学熟成終了時に安定剤として) 100mg 尚、分光増感色素の固体微粒子状分散物は、分光増感色
素の所定量を予め27℃に調温した水に加え高速撹拌機
(ディゾルバー)で3,500rpmにて30〜120
分間にわたって撹拌することによって得た。
【0364】このようにして作成した乳剤Em−7は、
ハロゲン化銀粒子の全投影面積の66%が(100)面
を主平面とする直角平行4辺形の平板状粒子からなり、
平均厚さ0.191μm、平均粒径は0.860μm、
変動係数は26%であることが電子顕微鏡観察により判
明した。
【0365】Em−8の調製 Em−7の調製において、溶液C7と溶液E7の添加終
了後、臭化銀微粒子乳剤を0.1mol%分添加し、1
0分間撹拌し、その後、脱塩、水洗を行った。
【0366】また、増感−2において、臭化銀微粒子の
添加を行わなかった。それ以外はEm−7と同様にし
て、Em−8を調製した。
【0367】得られた乳剤Em−7〜Em−8について
実施例1におけるBrとIの替わりにClとIの最表面
組成を実施例1の方法に準じてもとめ、それらの平均値
および標準偏差から変動係数(C.V.値)を得た。
【0368】その結果、Em−7は臭素の粒子最表面の
粒子間分布の変動係数が18%であり、Em−8は1
2.5%であることが分かった。
【0369】次に、作成した乳剤を用いて、実施例1と
同様にして試料No.7〜No.8を得た。
【0370】増感紙を下記高感度増感紙S1に変更する
こと、及び写真処理を処理−1から処理−2に変更する
こと以外、実施例1と同様にして、センシトメトリー評
価、カバーリングパワーの評価、及び銀色調の評価を行
った。結果を表4に示す。尚、感度、カバーリングパワ
ーの評価は試料No.7を100としたときの相対値で
示した。
【0371】 〔高感度増感紙S1の製造〕 蛍光体 Gd2O2S:Tb(平均粒径1.8μm) 200g 結合剤 ポリウレタン系熱可塑性エラストマーデモラックTPKL−5−26 25<固形分40%>(住友バイエルウレタン(株)製) 20g ニトロセルロース(消化度11.5%) 2g にメチルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサーで
分散させて粘度が25PS(25℃)の蛍光体層形成用
塗布液を調製した。(結合剤/蛍光体比=1/22)ま
た、別途に下塗層形成用塗布液として軟質アクリル樹脂
固形分90g、ニトロセルロース50gをメチルエチル
ケトンに加え分散、混合して粘度が3〜6PS(25
℃)の分散液を調製した。
【0372】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板上
に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクターブ
レードを用いて支持体上に均一塗布した後、25℃から
100℃に徐々に上昇させて塗布膜の乾燥を行い、支持
体上に下塗層を形成した。(塗布膜の厚さ15μm)こ
の上に上記の蛍光体層形成用塗布液をドクターブレード
を用いて膜厚240μmの厚みで均一に塗布乾燥し次い
で圧縮を行った。圧縮はカレンダーロールを用いて30
0kgw/cm2の厚力、80℃の温度で行った。この
圧縮の後、特開平6−75097号の実施例1記載の方
法で厚さ3μmの透明保護膜を形成した。
【0373】得られたスクリーンの特性は蛍光体厚み1
60μm、蛍光体充填率68%、鮮鋭度(CTF)48
%であった。
【0374】[処理−2]現像液として100リットル
量の調整。
【0375】〔造粒物(A′)〕1−フェニル−3−ピ
ラゾリドンを300g、N−アセチル−D,L−ペニシ
ラミン10g、グルタルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム
500gをそれぞれ市販のバンタムミル中で平均10μ
mになるまで粉砕する。この微粉にメタ重亜硫酸ナトリ
ウム1500g、本発明の化合物1−1の6000g、
結合剤D−ソルビット600gを加えミル中で30分混
合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、30
mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流
動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分を
ほぼ完全に除去する。
【0376】〔固体現像剤A′の作製〕このようにして
得られた造粒物(A′)を1−オクタンスルホン酸ナト
リウム80gと25℃、40%RH以下に調湿された部
屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られ
た混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1
527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を
10gにして圧縮打錠を行い、レダクトン類主薬現像剤
を作製した。
【0377】〔造粒物(B′)〕炭酸カリウムをバッフ
ァー能0.16になる様に調製した。重炭酸ナトリウム
100gをそれぞれ市販のバンタムミル中で平均粒径1
0μmになるまで粉砕する。各々の微粉にDTPA,5
H 250g、化合物(M)40g、化合物(N)8g
と、KI 10g、メチル−β−シクロデキストリン2
00g、結合剤マンニトール2000g、D−ソルビッ
ト700gを加えミル中で30分混合して市販の撹拌造
粒機中で室温にて約15分間、30mlの水を添加する
ことにより造粒した後、造粒物を流動乾燥機で40℃に
て2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0378】〔固体現像剤B′の作製〕このようにして
得られた造粒物(B′)を1−オクタンスルホン酸ナト
リウム150gと25℃、40%RH以下に調湿された
部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得ら
れた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト
1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量
を10gにして圧縮打錠を行い、アルカリ現像錠剤を作
製した。
【0379】現像剤A′,B′両方とも防湿のためアル
ミを含有させたピロー袋に4.0リットル量ずつ封入包
装した。
【0380】以下の操作で定着液として100リットル
量になる固体定着剤を作製した。
【0381】〔造粒物(C′)〕チオ硫酸アンモニウム
/チオ硫酸ナトリウム(90/10重量比)15000
gを市販のバンタムミル中で平均粒径10μmになるま
で粉砕する。この微粉に亜硫酸ナトリウム500g、N
225 750g、結合剤パインフロー1300gを
加え水添加量を50mlにして撹拌造粒を行い、造粒物
を流動層乾燥機で40℃で乾燥して水分をほぼ完全に除
去する。
【0382】〔造粒物(D′)〕ホウ酸400g、硫酸
アルミ・8水塩1200g、琥珀酸1200g、酒石酸
300gを市販のバンタムミル中で平均粒径10μmに
なるまで粉砕する。この微粉にD−マンニット250
g、D−ソルビット120g、PEG#4000160
gを加え水添加量30mlにして撹拌造粒を行い造粒物
を流動層乾燥機で40℃で乾燥して水分を完全に除去す
る。
【0383】〔固体用定着剤〕このようにして得られた
造粒物(C′)にβ−アラニン3000g、酢酸ナトリ
ウム4330g、更に1−オクタンスルホン酸ナトリウ
ムを総重量の1.5%になるように添加し、更に造粒物
(D′)にはメタ重亜硫酸ナトウリム750gと1−オ
クタンスルホン酸ナトリウムを総重量の1.0%となる
様に添加し、それぞれ、25℃40%RH以下に調湿さ
れた部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、
得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレ
クト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充
填量を(C′)は10.2g、(D′)は11.2gに
して圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形の定着錠剤
を作成した。これを、各々固体処理剤を防湿のためにア
ルミを含有させたピロー袋に40リットル量分ずつ封入
包装した。
【0384】〈処理方法〉自現機はSRX−201(コ
ニカ(株)製)を改造し使用した。
【0385】スタート時の現像タンク内の現像液は固体
現像剤A′,B′を混合した後、改造ケミカルミキサー
で希釈水で希釈溶解して調整する。尚、錠剤は完全に溶
解し、析出物は見られなかった。この現像液7.8リッ
トルをSRX−201に入れ、後記載のスターターを加
えてスタート液として現像槽を満たして処理を開始し
た。スターター添加量は33cc/リットルであった。
定着剤は固体定着剤(C′),(D′)をケミカルミキ
サーで希釈水で希釈して調整する。尚、錠剤は完全に溶
解し、析出物は見られなかった。この調整した定着液
5.6リットルをSRX−201の定着処理タンクに入
れてスタート液とした。
【0386】 スターター処方 KBr 5.5g HO(CH22S(CH22S(CH)2OH 0.05g N−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.10g メタ重亜硫酸ナトリウム 上記開始液pHに成る量 水仕上げ 35cc 尚、SRX−201を現像、定着ともに各々の固体処理
剤が投入できる様に改造ケミカルミキサー投入口を設け
て固体処理剤溶解用に内蔵ケミカルミキサーを改造し
た。
【0387】現像、定着ともに各々の固体処理剤の投入
口にそれぞれの包装袋を手で開封したものをセットし内
蔵ケミカルミキサーに錠剤を落とすと同時に温水(25
〜30℃)を注入し撹拌溶解しながら溶解時間25分で
4.0リットルに調液する。これを現像・定着補充液と
して用いた。この調製された補充液を現像槽、定着槽に
供給して前記記載の量を満たす。
【0388】現像を溶解した時のpHはpH10.15
になる様に酢酸、水酸化カリウムで微調整した。定着液
の溶解補充液pHは4.80であった。
【0389】内蔵ケミカルミキサーは調液槽と予備タン
ク槽に分かれており調液槽容量は3.0リットル、予備
タンク容量も3.0リットルでありフィルムをランニン
グ処理中に調液槽で作製された補充液が無くなっても、
又撹拌溶解時間(約25分)中に無補充状態に成らない
様に補充液が供給されるように予備タンクを設けた。
【0390】スターターを添加した時の現像液のpHは
9.90であった。
【0391】先に作成した試料に現像処理後の光学濃度
が1.0となるように露光を施し、ランニングを行っ
た。ランニング中は現像液には感光材料1m2あたり現
像補充液を40ml添加した。定着液には感光材料1m
2あたり定着補充液を70ml添加した。
【0392】 (処理条件) 現 像 39℃ 5.0秒 定 着 36℃ 3.5秒 水 洗 常 温 2.5秒 スクイズ 1.5秒 乾 燥 50℃ 2.5秒 計 15 秒 ランニング平衡に達した後、上記センシトメトリー評
価、カバーリングパワー評価、並びに銀色調評価を行っ
た。
【0393】
【表4】
【0394】本発明の試料No.8は、試料No.7と
比較して、低カブリで高感度であり、カバーリングパワ
ーが高く、かつ銀色調が良好なことが分かる。
【0395】 実施例3 <沃臭化銀六角平板粒子の調製> Em−9の調製(比較の乳剤) A9 オセインゼラチン 75.5g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ− ジサクシネートナトリウム塩(10%エタノール水溶液)6.78ml 臭化カリウム 64.7g 水で 10800mlにしあげる。
【0396】 B9 0.7N 硝酸銀水溶液 1340ml C9 2.0N 硝酸銀水溶液 1500ml D9 1.3N 臭化カリウム水溶液 410ml E9 2.0N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F9 オセインゼラチン 125g 水 4000ml 55℃で特公昭58−58288号、同58−5828
9号に示される混合撹拌機を用いて溶液A9に溶液B9
を400ml及び溶液D9全量を同時混合法により38
秒を要して添加し、核形成を行った。
【0397】溶液B9及び溶液D9の添加終了後、溶液
F9を添加し、70℃まで昇温し熟成を行う。さらに溶
液B9の残量を25分かけて添加した後、28%アンモ
ニア水溶液を用いて10分間熟成を行い、酢酸にてpH
を中性に戻す。溶液C9とE9をpAg=8.0に保ち
ながら臨界成長速度に見合った速度で同時添加混合し、
C9を全量添加した後、沈降法にて可溶性塩類を脱塩除
去した。
【0398】引き続き、この乳剤を47℃にし、実施例
1と同様の方法〔増感−1〕により分光増感及び化学増
感を施した。但し、増感−1における沃化銀微粒子の添
加量は7mmolとした。
【0399】この様にして作成した乳剤Em−9は、ハ
ロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺
比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板
粒子の平均厚さは0.13μm、平均粒径(円直径換
算)は0.99μmであることを電子顕微鏡にて確認し
た。又、円相当径の分布は16%であった。
【0400】Em−10の調製(本発明の乳剤) Em−9の調製において、溶液C9とE9をpAg=
8.0に保ちながら臨界成長速度に見合った速度で同時
添加混合し、C9を全量添加した後にG10とH10を
添加した。5分間撹拌した後沈降法にて可溶性塩類を脱
塩除去した。
【0401】 G10 KSCN水溶液(2N) 60cc H10 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μ)から成る 微粒子乳剤(*) 0.014モル相当 *実施例1で用いたものと同じ。
【0402】引き続き、この乳剤を47℃にし、Em−
9と同様の方法により分光増感及び化学増感を施した。
但し、沃化銀微粒子の添加量は3.5mmolとした。
【0403】Em−11の調製(本発明の乳剤) Em−9の調製において、溶液C9とE9をpAg=
8.0に保ちながら臨界成長速度に見合った速度で同時
添加混合し、C9を全量添加した後にG11とH11を
添加した。5分間撹拌した後沈降法にて可溶性塩類を脱
塩除去した。
【0404】 G10 KSCN水溶液(2N) 60cc H10 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μ)から成る 微粒子乳剤(*) 0.28モル相当 *実施例1で用いたものと同じ。
【0405】引き続き、この乳剤を47℃にし、Em−
9と同様の方法により分光増感及び化学増感を施した。
但し、沃化銀微粒子は添加しなかった。
【0406】Em−12〜Em−14の調製(本発明の
乳剤) 実施例1のEm−4〜Em−6の調製における溶液C1
とE1の添加時のpAgを7.8から8.0に変更する
以外、Em−4〜Em−6と同様にして、Em−12〜
Em−14を調製した。
【0407】得られたEm−9〜Em−14の各乳剤に
ついて少なくとも50個のハロゲン化銀粒子の最表面ヨ
ウ化銀含有率を求め、それらの平均値および標準偏差か
ら変動係数(C.V.値)を得た。得られた結果を表5
に記す。
【0408】
【表5】
【0409】次に、作成した乳剤を用いて、実施例1と
同様にして試料No.9〜No.14を得た。
【0410】増感紙を下記高感度増感紙S1に変更する
こと、及び写真処理を処理−1から処理−2に変更する
こと以外、実施例1と同様にして、センシトメトリー評
価、カバーリングパワーの評価、及び銀色調の評価を行
った。結果を表6に示す。尚、感度、カバーリングパワ
ーの評価は試料No.9を100としたときの相対値で
示した。
【0411】
【表6】
【0412】本発明の試料10〜14は、試料9と比較
して、低カブリで高感度であり、カバーリングパワーが
高く、かつ銀色調が良好なことが分かる。
【0413】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によるハ
ロゲン化銀写真乳剤、感光材料、迅速にかつ安全であり
環境適性のある方法で処理する処理方法及び画像形成方
法は迅速処理適性及び低補充処理適性に優れ、低カブリ
で高感度であり、カバーリングパワーが高く、優れた効
果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 5/26 520 G03C 5/26 520 5/305 5/305 5/31 5/31 G21K 4/00 G21K 4/00 A

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最表面に少なくとも2種類のハロゲン化
    物を有するハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀写
    真乳剤であって、該乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の
    最表面のハロゲン組成の粒子間の分布が15%以下であ
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
  2. 【請求項2】 乳剤中に含まれるハロゲン化銀粒子の全
    投影面積の50%以上がアスペクト比2以上の平板状ハ
    ロゲン化銀粒子であることを特徴とする請求項1に記載
    のハロゲン化銀写真乳剤。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀が塩臭化銀であることを特
    徴とする請求項1、または2に記載のハロゲン化銀写真
    乳剤。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀が沃臭化銀であることを特
    徴とする請求項1、または2に記載のハロゲン化銀写真
    乳剤。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化銀が沃塩化銀であることを特
    徴とする請求項1、または2に記載のハロゲン化銀写真
    乳剤。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銀が沃臭塩化銀であることを
    特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀写真
    乳剤。
  7. 【請求項7】 ハロゲン化銀粒子の粒径の分布が25%
    以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のハ
    ロゲン化銀写真乳剤を含有するハロゲン化銀写真乳剤層
    を支持体上に設けたことを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料を現像処理を含む処理方法で処理することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  10. 【請求項10】 現像処理時間が12秒以下であること
    を特徴とする請求項9に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料の処理方法。
  11. 【請求項11】 処理されるハロゲン化銀写真感光材料
    の処理量に応じて処理液を補充しながら処理する方法で
    あって、その現像液の補充量が処理される感光材料1m
    2当たり100cc未満であることを特徴とする請求項
    9又は10に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。
  12. 【請求項12】 下記一般式(A)で表される化合物を
    含有する現像液および/または現像補充液を用いること
    を特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 【化1】 〔式中、R1、R2はそれぞれヒドロキシ基、アミノ基、
    アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリー
    ルスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ
    基、メルカプト基またはアルキルチオ基を表す。P、Q
    はヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、ヒドロ
    キシアルキル基、カルボキシアルキル基、スルホ基、ス
    ルホアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、メチル
    カプト基、アルキル基またはアリール基を表すか、また
    は、PとQは結合して、R1、R2が置換している二つの
    ビニル炭素原子とYが置換している炭素原子と共に5〜
    8員環を形成する原子群を表す。Yは=O、または=N
    −R3を表す。R3は水素原子、ヒドロキシ基、アルキル
    基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホアルキル
    基、カルボキシアルキル基を表す。〕
  13. 【請求項13】 自動現像機の処理槽に固体処理剤を供
    給する機構を有する自動現像機で処理することを特徴と
    する請求項9〜12のいずれか1項に記載のハロゲン化
    銀写真感光材料の処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項8記載のハロゲン化銀写真感光
    材料を放射線増感紙を用いてX線撮影し、請求項9〜1
    3のいずれか1項に記載の処理方法で処理することを特
    徴とする画像形成方法。
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