JPH1138395A - 液晶表示素子および液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示素子および液晶表示装置

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JPH1138395A
JPH1138395A JP19719697A JP19719697A JPH1138395A JP H1138395 A JPH1138395 A JP H1138395A JP 19719697 A JP19719697 A JP 19719697A JP 19719697 A JP19719697 A JP 19719697A JP H1138395 A JPH1138395 A JP H1138395A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
substrate
display element
display device
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Application number
JP19719697A
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English (en)
Inventor
Sumio Ashida
純生 芦田
Hirosaku Yamada
啓作 山田
Yujiro Hara
雄二郎 原
Mitsushi Ikeda
光志 池田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂基板あるいは薄いガラス基板を用いた軽
量で信頼性が高い液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 液晶液晶表示素子10を単曲面形状を有
するように筐体40で保持する。液晶表示素子の形状を
予め定められた曲面形状に保持することで不規則なたわ
みや意図しない座屈を防止することができ、また、液晶
表示素子の背面に形成される空間に駆動ドライバICな
どを実装でき、スペース効率の良い、狭額縁のディスプ
レイを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子に関
し、特に樹脂などの可撓性材料を基板として用いた液晶
表示素子に関する。また本発明は液晶表示素子を筐体等
で保持した液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、小型・薄型・低消費電
力と高品位な表示を兼ね備えた表示素子として普及しつ
つある。液晶表示素子は、液晶層を挟持する基板として
厚さ約0.5mm程度以下の極めて薄いガラス基板を用
いたり、また樹脂基板を用いることによりさらなる軽量
化が可能であり、可搬性がより高くなる。しかしなが
ら、従来の技術にりこのような液晶表示素子を作成した
場合は、液晶表示素子の自己保持機能が十分でないた
め、液晶表示素子を機械的に支持するためのリジッドな
基体、例えば金属で作成した裏板などを用いる必要があ
った。そのため、厚いガラスのような自己保持強度が十
分ではあるが比重が大きい(重い)材料を基板に用いた
場合に比較すれば、軽量化の効果が見られるものの、形
状保持のためだけに金属等の裏板を導入するのは効果に
比べて負担が大きいといえる。もし裏板を使用しない
と、液晶表示素子に厚い基板を使用せざるを得ないか、
あるいはわずかな応力によっても撓んだり、座屈によっ
て平面性が乱れてしまう問題を覚悟しなくてはならな
い。
【0003】ここで厚いガラス板とは、従来から用いら
れてきた厚さ約0.7mm程度以上で、表示画面のサイ
ズに応じて十分な自己形状保持能力を有するものをい
い、一方本発明の趣旨である極薄ガラス板とは、厚さ約
0.5mm程度以下で、表示画面サイズに応じた自己形
状保持能力が十分でないものをいう。
【0004】撓みの原因となる応力は、液晶セル内に封
入した液晶材料のわずかな厚さむらや、薄膜トランジス
タ等を構成する薄膜の残留応力、さらに基板自体が受け
る重力などに起因する。極薄ガラス板や薄い樹脂基板を
用いると、乱れかたが不規則になりやすく、表示が見に
くくなるという問題があった。
【0005】さらに従来の技術では、基板がほぼ平面で
あるために、使用場所に照明が設置されている場合や屋
外で使用した場合、輝度の高い物体が画面内に映り込ん
でしまうという映り込みや、表示画面がギラついてしま
うという問題が避けられなかった。
【0006】さらに従来の技術では、ドライバICなど
の付加部品をパネルの外枠に配置するため、額縁が大き
くなってしまう問題があった。
【0007】近年、電子計算機をはじめとして電子情報
機器の小型化、軽量化が進んでいる。特に、ノート型パ
ーソナルコンピュータ等をはじめとする携帯用情報機器
も休息に普及しつつあり、これら機器に表示装置の占め
る重量的な割合は大きい。液晶表示装置は表示装置の中
でも軽量なものであり、携帯用情報機器、携帯電話、P
HSなどの表示装置としても幅広く用いられているが、
さらなる軽量化が求められている。しかしながら、液晶
表示装置は通常ガラス基板上に形成されている。今以上
の軽量化に対応するためには、現在のガラスから樹脂な
どのより軽量な材料で基板を形成する技術の確立が求め
られている。
【0008】しかしながら、樹脂の熱膨張係数は、ガラ
スなどに比べて遥かに大きく、液晶表示素子の製造プロ
セスでの熱的負荷や実際の使用環境での温度変化に対応
するのが困難である。さらに樹脂には一般的に吸湿性が
あり、樹脂中の水分量によりその大きさが変化してしま
うという問題もある。
【0009】このことは、液晶表示素子の製造後も使用
環境の温度湿度に対して、基板の寸法が変化してしまう
ことを意味する。2枚の基板間に液晶を封入する構造で
は、この基板の寸法変化は力学的な歪みとなって現れ
る。この力学的歪みにより基板間の間隙に不均一な部分
が生じると、表示ムラを生じてしまうという問題があ
る。
【0010】また、2枚の基板のうち一方の基板に樹脂
基板を用いるなど、2枚の基板を異なった材質のものに
するのは極めて困難である。なぜなら材料の異なる2枚
の基板間で、熱膨脹係数、吸湿膨張などを整合させなく
てはならないからである。
【0011】さらに2枚の基板に同じ材料を用いる場合
でも歪みは現れる。なぜなら、温度や、湿度変化の過渡
的な状態では2枚の基板の膨張・収縮がそれぞれ異な
り、また、裏面に照明光学系を必要とする透過型液晶表
示装置では、照明光学系側の基板のほうがより大きく照
明の熱的な影響を受けるためである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものである。すなわち本
発明は、表示品質を損なうことなく軽量化することがで
きる液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0013】また本発明は、液晶層を挟持する基板とし
て樹脂基板を用いた場合でも、温度変化や湿度などの影
響を大きく低減することができ、耐久性が高く、かつ経
時変化の少ない、軽量な液晶表示素子および液晶表示装
置を提供することを目的とする。
【0014】さらに、液晶表示素子とその周辺部品を高
い空間効率で配設することができ、額縁の狭い液晶表示
装置を提供することを目的とする。また本発明は表示画
面のギラつきや映り込みの小さな視認性の高い液晶表示
素子を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明は下記のような構成を備えたものであ
る。
【0016】すなわち本発明の液晶表示素子は、第1の
電極が配設された第1の基板と、第2の電極が配設され
た第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との
間隙を実質的に均一に保持する手段と、前記第1の基板
の前記第2の基板との間隙に挟持された液晶層とを具備
し、前記第1の基板と前記第2の基板と液晶層とを含む
積層構造が単曲面形状を有することを特徴とする。液晶
表示素子とは、2枚の基板間に液晶層を挟持したパネル
のことであり、液晶表示装置とは液晶表示素子に、この
液晶表示素子の駆動回路、バックライト(透過型の場
合)、電源回路などの周辺回路を搭載したものをいう。
液晶表示素子には、アレイ基板の表示領域の周囲に走査
線駆動回路、信号線駆動回路などを一体的に形成したも
のもあるが、本発明ではこれも液晶表示素子の範疇に含
む。また、第1の電極とは例えばマトリクス状に配設さ
れた画素電極であり、第2の電極とは例えば対向電極で
あるが(アクティブマトリクス型液晶表示素子の場
合)、第1の基板に対向電極を配設し、第2の基板に画
素電極を配設するようにしてもよい。また、第1の電
極、第2の電極とも短冊状の電極にするようにしてもよ
い(単純マトリクス型液晶表示装置の場合)。また前記
第1の基板と前記第2の基板との間隙を実質的に均一に
保持する手段としては、例えばスペーサーなどをあげる
ことができる。スペーサーは基板上に散布するタイプの
ものに限らず、例えば第1の基板または第2の基板の非
画素領域に柱状に配設するようにしてもよい。また、ポ
リマーマトリクスに液晶組成物を分散させたようなタイ
プの液晶層を採用する場合には、このポリマーマトリク
スをスペーサーとしても用いるようにしてもよい。
【0017】また、単曲面形状は凹面でも凸面でもよ
く、また単一の曲率半径で形成されていなくともよい。
【0018】また、前記第1の基板または前記第2の基
板の少なくとも一方は、前記第1の基板および前記第2
の基板の長辺方向または短辺方向のいずれか1方向と実
質的に平行な母線を有する単曲面形状を有するように、
前記母線の方向と実質的に垂直な方向に沿って残留応力
分布を有するようにしてもよい。ここで母線(Gene
ratrix)とは、ある線の移動により面が形成され
たとき、この移動する線のことである。直線の母線によ
り形成される面を線織面(Ruled surfac
e)といい、ねじれていない線織面を単曲面(Sing
le−curved Surface)という。また母
線が移動するときにそれを導く線を導線という。本発明
の液晶表示素子は例えば母線が導線上を平行に移動して
形成される柱面(Cylindrical surfa
ce)のような単曲面形状を有しており、また本発明の
液晶表示装置は液晶表示素子を例えば柱面のような単曲
面形状に保持したものである。
【0019】また、前記第1の基板と前記第2の基板と
の間隙が大気圧に対して減圧状態になるように調節する
圧力調節手段をさらに具備するようにしてもよい。圧力
調節手段としては例えば液晶層が挟持された第1の基板
と第2の基板との間隙に形成された閉空間と連続して表
示領域の外側に、内部が減圧された減圧だめを配設する
ようにしてもよい。このような構成を採用することによ
り、液晶層には第1の基板と第2の基板の外側から常に
大気圧により押圧力が加わることになり、温度変化や湿
度の影響などによらず第1の基板と第2の基板との間隙
を一定に保持することができる。
【0020】また、前記第1の基板または前記第2の基
板の少なくとも一方は、可撓性を有する樹脂材料を用い
て形成するようにしてもよい。
【0021】本発明の液晶表示装置は単曲面形状を有す
る液晶表示素子と、前記液晶表示素子をその単曲面形状
の曲率半径が大きるなるように保持する手段とを具備し
たことを特徴とする。
【0022】また本発明の液晶表示装置は、液晶表示素
子と、前記液晶表示素子を単曲面形状に保持する手段と
を具備したことを特徴とする。
【0023】また本発明の液晶表示装置は、単曲面形状
を有する液晶表示素子と、前記液晶表示素子を平面状に
保持する前記液晶表示素子よりも高い剛性を有する保持
手段とを具備したことを特徴とする。液晶表示素子より
も高剛性の筐体により液晶表示素子を所定の形状に保持
することにより、温度変化や湿度の影響などにより基板
に歪みが生じた場合でも、液晶表示素子を所望の形状
(平面、曲面)に保持し続けることができる。
【0024】すなわち、本発明の液晶表示素子はそれ自
体が単曲面形状を有するものであり、外力を加えない状
態でも自発的に曲面形状を有するように構成されてい
る。このような本発明の液晶表示素子は、例えば第1の
基板または第2の基板の少なくともいずれか一方の基板
に、単曲面形状の母線と垂直な方向に残留応力分布を持
たせるようにすることにより実現することができる。ま
た曲面形状を有する第1の基板と、積層したとき第1の
基板との間隙が一定になるような第2の基板とを積層し
て用いるようにしてもよい。
【0025】一方、本発明の液晶表示装置は液晶表示素
子を筐体などにより意図的に曲面形状に保持したもので
ある。さらに本発明の液晶表示装置は、湾曲した液晶表
示素子を、この液晶表示素子よりも高い剛性を有する保
持手段により所望の形状に保持したものである。例えば
このような本発明の液晶表示装置は、液晶層を挟持する
基板を可撓性を有するような樹脂基板あるいは極めて薄
いガラス基板などにより構成た液晶表示素子の端面を、
液晶表示素子が単曲面形状になるように筐体、フレーム
などの保持手段により保持することにより実現される。
さらに、上述したような曲面形状を有する本発明の液晶
表示素子を、その曲率半径が大きくなるように、すなわ
ち最も変位の大きな部分の変位量が小さくなるように筐
体、フレームなどの保持手段で保持するようにしてもよ
い。このようにすることにより、例えば樹脂基板などが
温度変化や湿度の影響などにより変形が生じる場合で
も、この応力を上回るような力で液晶表示素子が保持さ
れているので、液晶表示素子の変形が防止される。
【0026】また本発明の液晶表示素子または液晶表示
装置では、液晶表示素子の湾曲は凹面でも凸面でもよい
が、変位量(平面上に置いたとき変位が最も大きくなる
位置における変位量が、基板厚の約2倍以上に設定する
ようにしてもよい。
【0027】このように本発明の液晶表示素子において
は、液晶層を挟持する基板として、薄いガラス板や樹脂
基板などを採用することにより、液晶表示素子を軽量化
することができる。
【0028】また基板を薄くしたり樹脂を用いることに
より、液晶表示素子には、熱的影響や湿度の影響などに
より経時的に応力が加わるが、本発明の液晶表示素子で
は、あらかじめ曲面形状に形成することにより、液晶層
を挟持する間隙を一定に保ちやすくしている。本発明の
液晶表示装置では液晶表示素子の曲面形状を予め定めら
れた状態に規定することにより、熱的影響や湿度の影響
などにより経時的に応力が加わっても、不規則な変形が
防止される。例えば矩形の液晶表示素子の長辺にそって
曲面に沿った溝を有するようなリジッドな部材をフレー
ムとして保持するようにしてもよい。さらに、液晶表示
素子を第1の基板と第2の基板の外側から挟み込むよう
なフレームを設け、フレームの間隙を湾曲した液晶表示
素子の最大変位量よりもわずかに小さくして、液晶表示
素子の曲率半径が大きくなるようにすなわちよりフラッ
トな状態に保持するようにしてもよい。
【0029】液晶表示素子それ自体を湾曲させる別の方
法として、例えば第1の基板または第2の基板の少なく
ともいずれか一方の基板上に応力分布を持った薄膜など
を成膜するようにしてもよい。この場合、液晶表示素子
の単曲面形状の母線方向には残留応力が均一に分布する
ように、かつ単曲面形状の母線方向と垂直な方向には残
留応力が分布するように形成する必要がある。このよう
な残留応力を有する薄膜は、例えば母線方向には均一
に、かつ母線方向と直角方向には温度分布を持たせて薄
膜を成膜し、成膜終了後室温まで冷却した際に残留応力
が働くようにすることにより形成するようにしてもよ
い。
【0030】このように液晶表示素子の形状を予め定め
られた曲面形状に規定することにより、経時的に生じる
応力等による液晶表示素子の不規則的な変形を抑制する
ことができる。これは、意図的に液晶表示素子をを三次
元形状に形成することにより強度が向上するためであ
る。原理は構造部材のアングル・チャンネルなどと同
様、液晶表示素子面とほぼ垂直方向の自由度が制限され
るためである。
【0031】さらに液晶表示素子を表示面が凹面形状に
なるように湾曲させることにより、室内の照明などの光
が直接映り込むことを防ぐことができる。たとえばCR
Τでこのような形状をとるためには表示面のガラスを凹
面にしなくてはならない。これは防爆上きわめて困難で
ある。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳細
に説明する。 (実施形態1)図1は本発明の液晶表示素子を概略的に
示す図であり、図2はこの液晶表示素子の断面構造を概
略的に示す図である。この液晶表示素子10は、表示領
域に画素電極がマトリクス状に配設されたアレイ基板1
1と、対向電極が配設された対向基板12と、アレイ基
板と対向基板との間に挟持された液晶層13とを具備し
ており、全体が柱面形状に湾曲している。16は表示領
域である。
【0033】アレイ基板11と対向基板12との間隙、
すなわち液晶層の厚さ13は、この間隙に配設されたプ
ラスチックからなる直径約5μmの球状のスペーサー1
4により保持されている。このスペーサー14は例えば
静電散布法により、基板上での配設密度ができるだけ均
一になるように散布されている。またアレイ基板11と
対向基板12との間隙の周囲は紫外線硬化型樹脂材料か
らなるシール材15により封止され液晶層13を液密に
封止している。
【0034】アレイ基板11は大きさ約240mm×約
170mm、厚さ約0.7mmのガラス基板上に、成膜
プロセスとフォトエッチングプロセスとを繰り返して画
素電極とこの画素電極を駆動する薄膜トランジスタを含
む駆動手段とをアレイ状に配設したものである。対向基
板は、厚さ約0.3mmのアクリル樹脂ポリマーからな
るフィルムを基材層とし、この両面に成膜された厚さ約
500nmのシリコン酸化膜(SiOx)膜と、液晶層
を挟持する面のシリコン酸化膜上に配設された厚さ約1
00nmのITO(Indium Tin Oxid
e)膜とから構成されている。なお、アレイ基板11、
対向基板12の液晶層13を挟持する面には、配向膜が
配設されている。
【0035】そして、この液晶表示素子10はアレイ基
板11および対向基板12の短辺と平行な辺を母線20
とした柱面形状に湾曲している。柱面形状の湾曲面の曲
率半径は例えば約1m〜4m程度である。本発明の液晶
表示素子の湾曲の度合いは任意であるが、少なくとも基
板厚の2倍以上の変位を有するように構成することが好
適である。
【0036】このような構成を採用することにより本発
明の液晶表示素子は、基板材料として薄いガラス基板や
樹脂基板を用いる場合でも、その強度を維持することが
できる。また比較的重たいガラス基板の厚さを削減し、
またもう一方に基板には軽量な樹脂基板を用いることに
より、液晶表示素子を軽量化することができる。さら
に、表示面が凹面形状になっているので、背景などの映
り込みが低減して視認性を向上することができる。
【0037】(実施形態2)つぎに図1、図2に例示し
た本発明の液晶表示素子10の製造方法の1例を概略的
に説明する。
【0038】まずアレイ基板11を周知の方法により作
成する。もう一方の基板である対向基板12は、厚さ約
0.3mmのアクリル樹脂ポリマーからなるフィルムを
基材層とし、この両面に厚さ約500nmのシリコン酸
化膜(SiOx)膜をプラズマCVD法などにより成膜
し、さらに液晶層13を挟持する面のシリコン酸化膜上
に配設された厚さ約100nmのITO(Indium
Tin Oxide)膜をマグネトロンDCスパッタ
法などにより成膜する。ついで、このようにそれぞれ準
備したアレイ基板11と対向基板12とを、例えば静電
散布したスペーサー14を介して対向配置し、表示領域
の周辺部を紫外線硬化型樹脂などからなるシール材で封
止する。この製造例では、アレイ基板11と対向基板1
2とを紫外線硬化型シール材15により周辺で貼り合わ
す工程で、液晶表示素子10の形状を湾曲させている。
図3はアレイ基板11と対向基板12とを張り合わせて
その周囲を封止する工程の例を説明するための図であ
る。すなわち、スペーサー14を介して対向配置したア
レイ基板11と対向基板12とを曲率半径1.5mのプ
レス型21a、21bに挟み込みながら、未硬化のシー
ル材15に紫外線を照射して硬化させた。シール材15
の硬化後、このプレス型21a、21bからとりはずし
た直後の液晶表示素子10の表示面の曲率半径は約2.
3mでやや内側に湾曲した状態となっていた。
【0039】ついで、例えばシール材15の一部を開口
して配設された液晶組成物の注入口から液晶組成物を注
入し、この注入口を封止することにより液晶表示素子1
0が完成する。なお、偏光板が必要な表示モードの液晶
表示素子10を製造する場合には、この後必要に応じて
偏光板を貼り付けるようにすればよい。
【0040】(実施形態3)実施形態2のように製造し
た本発明の液晶表示素子10を、そのままの状態で相対
湿度が約45〜60%、温度約20〜23℃の一般的な
条件に設定した室内で2週間放置したところ、表示面側
のアクリル系ポリマーからなる対向基板が膨張し、曲率
半径が約3.5mまで大きくなった。対向基板の含有水
分を製造直後と放置後で比較したところ、2週間の放置
期間中に吸湿し、含有水分量が増えていることがわかっ
た。
【0041】本発明者らは、このような液晶表示素子の
形状の経時的変形をさらに正確に実証するために、実施
形態2のように製造した液晶表示素子10を、相対湿度
を10%、20%、30%、40%、50%、60%、
70%に管理し、温度23℃に設定した恒温槽内に各1
5枚ずつ2週間にわたって保持した。2週間放置したと
きには液晶表示素子10の曲率半径はすでに安定し、ほ
とんど変動が収まった状態であった。図4は湿度と液晶
表示素子の曲率半径との関係を示すグラフである。グラ
フのエラーバーは測定したサンプル各15個ずつのばら
つき(3σ)を示している。
【0042】図4に示したグラフからわかるように、湿
度の影響により液晶表示素子の湾曲は大きくなること、
そして湾曲の度合いは環境中の湿度が大きいほど激しい
ことがわかる。 (実施形態4)このような液晶表示素子を従来と同様の
筐体で保持したならば、液晶表示装置として組み立てた
後、液晶表示素子の中央が持ち上がることになり、表示
品質の面からも信頼性の面からも問題が大きい。このよ
うな変形を抑制するために、例えば表示面側から液晶表
示素子より剛性の高い透明な基板で押えつけるようにし
てもよいが、これではせっかく樹脂基板用いて液晶表示
素子を軽量化したのに、また重くなってしまう。
【0043】図5は本発明の液晶表示装置の構造の例を
概略的に示す図である。前述したような本発明の曲面形
状を有する液晶表示素子10はこのまま湾曲した状態で
表示装置として用いることもできるが、本発明者らは上
述の液晶表示素子10をより安定に保持するために、こ
の液晶表示素子10よりも剛性の高いフレーム22とバ
ックライト23の光散乱板と兼用された圧板24により
押えつけてフラットに保持した。
【0044】この時の平面とすることにより加えられた
歪みは温度や湿度変化による、樹脂基板の寸法変化を上
回るものである。このように筐体に保持した本発明の液
晶表示装置を前述同様の湿度を様々に変化させた恒温槽
内に2週間にわたって放置したところ、環境変化による
液晶表示素子10の湾曲は生じなかった。
【0045】(実施形態5)図6は本発明の液晶表示素
子10の構造の別の例を概略的に示す図である。この液
晶表示素子10の基本的構成は、図1に例示した本発明
の液晶表示素子10と同様であるが、アレイ基板11
b、対向基板12ともアクリル系樹脂ポリマーからなっ
たいる。
【0046】アレイ基板11bは大きさ約240mm×
約170mm、厚さ約0.7mmのアクリル系樹脂ポリ
マーからなる基板上に、成膜プロセスとフォトエッチン
グプロセスとを繰り返して画素電極とこの画素電極を駆
動する薄膜トランジスタを含む駆動手段とをアレイ状に
配設したものである。なお、薄膜トランジスタはこの樹
脂基板の耐熱温度である約150℃より低い温度プロセ
スにより形成した。
【0047】対向基板11bは、厚さ約0.3mmのア
クリル樹脂ポリマーからなるフィルムを基材層とし、こ
の両面に成膜された厚さ約500nmのシリコン酸化膜
(SiOx)膜と、液晶層13を挟持する面のシリコン
酸化膜上に配設された厚さ約100nmのITO膜とか
ら構成されている。もちろんこれら両基板を同じ厚さ、
同じ剛性に形成するようにしてもよいが、前述の例のよ
うに材質や厚さを変えることにより、両基板間の剛性を
変えた方が、環境変化に伴う歪みをより効果的に吸収で
きることから好適である。特に、表示方向から見て裏面
側により剛性の高い基板を用いることにより、環境変化
に伴う歪みをより効果的に吸収ですることができる。
【0048】なお、この例では液晶表示素子の単曲面の
曲率半径は、張り合わせた時には約1mであり、貼り合
わせ工程の後は、力を加えない状態で曲率半径約2.3
mであった。この液晶表示素子も前述同様に平面に保持
して用いるようにしてもよい。また、曲率半径がより大
きくなるように筐体で保持して用いるようにしてもよ
い。
【0049】(実施形態6)本発明の液晶表示装置は、
液晶表示素子を、その力学的な安定状態から意図的に歪
ませた状態で保持することを特徴としている。したがっ
て、例えばアレイ基板と対向基板とを張り合わせる際、
また例えば湾曲するように形成した液晶表示素子を曲率
半径が大きくなるように筐体等に保持する際などに、両
基板の距離が前述のスペーサで規定された間隙より大き
くなることは好ましくない。液晶層の厚さが表示領域に
不均一に分布すると、透過光強度が不均一になって表示
ムラを生じてしまうからである。
【0050】図7は本発明の液晶表示素子のさらに別の
例を概略的に示す図であり、表示領域の端部を拡大して
示している。
【0051】図7に例示した本発明の液晶表示素子10
は、液晶表示素子に変形が生じても液晶層の厚さを均一
に保持するために、例えば液晶層を保持するアレイ基板
と対向基板との間の圧力が大気圧に対して減圧されるよ
うに調節する圧力調節手段を備えたものである。すなわ
ちこの液晶表示素子10は、アレイ基板11と対向基板
12とシール材15とにより形成された液晶層を封入す
るための閉空間と接続して配設された圧力調節手段であ
る減圧室31を備えている。減圧室31と液晶層を封入
した封入室32との間は、液晶組成物に対しぬれ性の悪
い、例えばテフロンなどからなるキャピラリー33aを
有する隔壁33により分離されている。キャピラリー3
3aにより基板間隙32と減圧室31との間は連続して
おり、キャピラリー33aにより液晶層が封入された基
板間隙32と減圧室31の圧力は平衡状態になってい
る。減圧室31は液晶層から見ると気泡であり、これが
表示部に移動することは避けなければならない。キャピ
ラリー33aを備えた隔壁33はの部分は気泡が表示領
域に移動することを避けるために設けられている。
【0052】この隔壁33の厚さは、アレイ基板11と
対向基板12との間隙を保持するためのスペーサ14と
同じ約5μmである。
【0053】液晶層13を構成する液晶組成物をアレイ
基板11と対向基板12との間隙32に注入した後の減
圧室31内部の圧力は0.31気圧であった。このよう
に液晶層と連続して減圧された空間があると、液晶組成
物は一般に粘性が高いとはいえ液体であるから、パスカ
ルの原理により約0.7気圧、すなわち約700g/c
2 の圧力で、アレイ基板11と対向基板12の外側か
ら大気により押えつけられることになる。したがって、
液晶表示素子を曲げたり変形させたり、あるいは外力を
加えない状態で湾曲した液晶表示素子10をフラットに
しても、この押圧力によりアレイ基板11と対向基板1
2との間隙はスペーサの5μmを保つことができる。
【0054】(実施形態7)ここで、樹脂材料からなる
基板の寸法に対する湿度の影響について説明する。図8
は樹脂基板の吸湿とその寸法変化との関係を示すグラフ
である。ここでは、アクリル系樹脂のポリマーからなる
厚さ約1mmの樹脂基板を、約120℃の窒素気流中で
十分に乾燥させた後、温度25℃、湿度60%に調節し
た室内に放置して吸湿させ、その寸法を変化の様子を測
定した。寸法測定はすべて室温(25℃)で行ってお
り、基板寸法に対する熱膨張の影響を除去するようにし
ている。
【0055】図8からわかるように、樹脂基板は吸湿の
度合いと比例して膨張していることがわかる。また、こ
の測定例の範囲では初期の数時間を除いて、放置時間と
寸法変化との間に線形性が認められる。
【0056】この測定結果は、アクリル系樹脂ポリマー
からなる所定厚の基板に対して行ったものであるが、多
くの樹脂は吸湿により寸法を変化(膨張・収縮)させる
ことが知られている。したがって樹脂基板を用いて液晶
表示素子を構成する場合には、製造プロセスから実際の
使用時まで、周囲の環境により基板寸法が変化して、い
わゆるバイメタル効果により、反りや、浮き上がりなど
の問題を生じやすい。
【0057】実施形態1乃至実施形態7で説明した液晶
表示装置では、予め湾曲させた液晶表示素子10を、残
留した内部応力よりも大きな力で筐体に保持することに
より、周囲の環境によらすその形態を安定に保持するこ
とができる。また、アレイ基板と対向基板との間の空間
の厚さも常に一定に保持することができるから、表示品
質を低下させることなく、表示装置の信頼性を向上する
ことができる。
【0058】(実施形態8)図9は本発明の液晶表示装
置の構成の例を概略的に示す図である。
【0059】この液晶表示装置は、液晶表示素子10
を、この液晶表示素子10が例えば柱面のような単曲面
形状になるように保持する筐体40とを有している。筐
体40の側板40a、40bには、液晶表示素子を表示
面の両面から保持するとともに、液晶表示素子10を曲
面形状にするための曲率を持った溝41a、41bとが
配設されている。この溝41a、41bに液晶表示素子
10をはめ込むように保持することができる。なお筐体
40の剛性は、液晶表示素子10のそれよりも大きくな
るように形成した。
【0060】なお、挟持する液晶表示素子10は、もと
もと平坦な形状を有するものでもよいし、上述したよう
に単曲面形状を有するようなものでもよい。後者の場合
には、筐体に保持する前の液晶表示素子の曲率半径より
も、保持した状態での曲率半径の方が大きくなるように
保持することが好適である。
【0061】このような単曲面形状に液晶表示素子を保
持することにより、基板の残留応力の不均一、温度変
化、湿度の影響などに起因する不規則な平面性の乱れの
発生を防止することができる。筐体40は従来のべゼル
と同様の役割を持たせることができる。すなわち、該筐
体内4にドライバICなどを入れ込むことができるた
め、狭額縁の液晶表示装置を提供することができる。ま
た、液晶表示素子の裏面側に形成される空間を利用して
駆動回路、照射光学系、電源などの周辺回路を配設する
ことができ、液晶表示装置をコンパクトにすることがで
きる。
【0062】図9の例では、液晶表示素子が使用者から
見て凹面形状になるように筐体40により保持してい
る。このような構成を採用することにより、背景や照明
等の映り込みを避けることができる。
【0063】図10は凹面形状を有する本発明の液晶表
示素子を、図11は凸面形状を有するCRTディスプレ
イの表示画面をそれぞれ模式的に示す図である。
【0064】図11に比較のために示したように、表示
画面が凸面形状を有している場合、背景や、照明などが
表示画面に反射し、オペレータの視点に直接入射してし
まう。すなわち背景、照明が画面に映り込んでいる。こ
れは、画面が凸面になっている以上避け難い問題であ
る。照明の位置を多少移動しても、表示画面の別な位置
で反射した光が視点に到達してしまうことがわかる。一
方本発明の液晶表示素子のように表示画面を凹面形状に
湾曲させた場合、図中上側からの入射光が凹面により図
中下側に反射され、オペレータの視点に入ることがな
い。すなわち、照明の映り込みを防止できることがわか
る。
【0065】このように、本発明の液晶表示素子によれ
ば、高表示品位でかつ軽量な液晶表示装置を提供でき、
さらに部屋の照明などの画面への映り込みを低減するこ
とができる。また、湾曲した液晶表示素子の背面と背板
との間に形成される空間に周辺回路を配設することによ
り軽量かつコンパクトな液晶表示装置を提供することが
できる。
【0066】(実施形態9)ここで、液晶表示素子を自
律的に単曲面形状を有するように製造する別な方法につ
いて説明する。本発明の液晶表示装置は、アレイ基板1
1と、対向基板12と、液晶層13とを含む積層物が自
律的に例えば柱面などの単曲面形状になるように形成さ
れたものである。
【0067】前述では、アレイ基板11と対向基板12
とをスペーサー14を介して対向配置し、シール材によ
り周辺を封止すると同時に固定する際に外力を加えなが
ら行うことにより湾曲させた例を説明した。これ以外の
方法として、例えばアレイ基板11または対向基板12
の少なくとも一方の基板を、積層されたアレイ基板11
および対向基板12の長辺方向または短辺方向のいずれ
か1方向と実質的に平行な母線を有する単曲面形状を有
するように、母線の方向と実質的に垂直な方向に沿って
残留応力分布を有するように形成するようにしてもよ
い。例えばアレイプロセス後のアレイ基板11上に、母
線と垂直な方向に応力分布を有するような例えばパッシ
ベーション膜などの薄膜を配設するようにしてもよい。
図12は単曲面の母線方向と実質的に垂直な方向に沿っ
て残留応力分布を有する本発明のアレイ基板とその製造
方法の例を説明するための図である。図12(a)は母
線の方向と実質的に垂直な方向に沿って残留応力分布を
有するように形成したアレイ基板を模式的に示す図であ
り、図12(b)はアレイ基板に応力分布を有するよう
な薄膜を成膜する様子を説明するための図である。
【0068】すなわちこのアレイ基板11は、単曲面形
状に湾曲したアレイ基板11の母線方向(x方向)と垂
直な方向(y方向)に残留応力分布を有する薄膜を配設
したものである。母線方向の応力分布は均一である。
【0069】このような残留応力を有する薄膜は、例え
ば母線方向には均一に、かつ母線方向と直角方向には温
度分布を持たせて薄膜を成膜し、成膜終了後室温まで冷
却した際に残留応力が働くようにすることにより形成す
るようにしてもよい。
【0070】樹脂基板を基材層として、この上に薄膜ト
ランジスタアレイ、画素電極アレイなどをアレイプロセ
スにより形成したアレイ基板11をホルダ50上に載置
し、図のようにアレイ基板11を部分的に加熱すること
ができるような照射光学系により加熱しながら薄膜を形
成した。すなわち、アレイ形成プロセスが終了したアレ
イ基板11の一部領域のみを遮光板52を用いてランプ
51で加熱しながらSiO2 をスパッタ法などにより成
膜した。ここでは、表示画面を凹面形状に湾曲させるた
めに薄膜トランジスタ、画素電極などをマトリクスアレ
イ状に配設した上に、SiOx あるいはSiNxなどの
パッシベーション膜を応力分布を有するように成膜して
いる。
【0071】なお、液晶表示素子10の表示面が凸面に
なるように湾曲させたい場合には、アレイ基板11の薄
膜トランジスタ、画素電極などをマトリクスアレイ状に
配設した側の裏面に、SiOx あるいはSiNx などの
パッシベーション膜を応力分布を有するように成膜する
ようにすればよい。
【0072】ここで遮光板52は、アレイ基板11の一
部領域だけが加熱されるようにするためのものである。
このようなプロセスを経て作成した液晶表示素子10
は、はじめから自律的に湾曲しているため、筐体40な
どにより強制的に外力を加えて単曲面形状に保持する必
要が少なく、反りも均一で表示ムラが少なくすることが
できる。このように液晶表示素子の形状を予め定められ
た曲面形状に規定することにより、経時的に生じる応力
等による液晶表示素子の不規則的な変形を抑制すること
ができる。
【0073】(実施形態10)図13は本発明の液晶表
示装置の構成の例を概略的に示す図である。
【0074】この液晶表示装置は、液晶表示素子10
を、この液晶表示素子10が例えば柱面のような単曲面
形状になるように保持する筐体40とを有している。こ
の例では、表示画面側が凸面になるように液晶表示素子
を湾曲させている。筐体40の側板40a、40bに
は、液晶表示素子を表示面の両面から保持するととも
に、液晶表示素子10を凸型の曲面形状にするための曲
率を持った溝41a、41bとが配設されている。この
溝41a、41bに液晶表示素子10をはめ込むように
保持することができる。なお筐体40の剛性も、液晶表
示素子10のそれよりも大きくなるように形成した。
【0075】なお、挟持する液晶表示素子10は、もと
もと平坦な形状を有するものでもよいし、上述したよう
に単曲面形状を有するようなものでもよい。後者の場合
には、筐体に保持する前の液晶表示素子の曲率半径より
も、保持した状態での曲率半径の方が大きくなるように
保持することが好適である。
【0076】このような単曲面形状に液晶表示素子を保
持することにより、基板の残留応力の不均一、温度変
化、湿度の影響などに起因する不規則な平面性の乱れの
発生を防止することができる。
【0077】さて、液晶表示素子10をオペレータ側に
凸形状に湾曲するように保持することにより、液晶表示
素子10の裏側に空間が形成される。この裏側の空間に
は、例えば液晶表示素子の駆動回路、電源回路、バック
ライトなどの照明光学系などを配設するようにすればよ
い。
【0078】図14は、液晶表示素子の裏側の空間に駆
動回路、電源回路、バックライトなどの照明光学系など
の周辺回路を配設した液晶表示装置の構造の例を概略的
に示す断面図である。液晶表示素子10の裏面には液晶
表示素子10を凸形状に保持したことで大きいスペース
が空いている。本発明の液晶表示装置ではこの空間に、
ドライバIC61、電源回路62などを実装した回路基
板60を配設している。液晶表示装置が透過型の場合に
はバックライトが必要だが、本発明の液晶表示装置では
従来の完全平面型の液晶表示装置に比較して空間に余裕
があるため、バックライト63も液晶表示素子の背面に
配設している。また、筐体40の液晶表示素子を保持し
ている側板41a、41b上にドライバIC等を実装す
ることもできる。
【0079】このように、本発明の液晶表示装置によれ
ば、高品位でかつ軽量な液晶表示装置を、ドライバIC
などの付加回路を液晶表示素子裏面側にに入れ込むこと
でコンパクトでかつ狭額縁にすることができる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明の液晶表示素
子によれば、基板材料として薄いガラス基板や樹脂基板
を用いる場合でも、その強度を維持することができる。
また比較的重たいガラス基板の厚さを削減し、またもう
一方に基板には軽量な樹脂基板を用いることにより、液
晶表示素子を軽量化することができる。さらに、表示面
が曲面形状になっているので、背景などの映り込みが低
減して視認性を向上することができる。
【0081】本発明の液晶表示素子は液晶層封入部に圧
力調節手段を配設することにより、液晶表示素子を曲げ
たり変形させたりあるいは外力を加えない状態で湾曲し
た液晶表示素子をフラットにしても、大気圧からの押圧
力によりアレイ基板と対向基板との間隙をスペーサによ
り規定される間隙に保つことができる。
【0082】また本発明の液晶表示装置によれば、自律
的に湾曲した液晶表示素子を、液晶表示素子内部の残留
応力よりも大きな力で筐体に保持することにより、周囲
の環境によらずその形態を安定に保持することができ
る。また、アレイ基板と対向基板との間の空間の厚さも
常に一定に保持することができるから、表示品質を低下
させることなく、表示装置の信頼性を向上することがで
きる。
【0083】また本発明の液晶表示装置によれば、曲面
形状を有する液晶表示素子の裏面側と筐体との間に形成
される空間を利用して、ドライバ回路、バックライトな
どの周辺回路を搭載することができ、液晶表示装置を軽
量でコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子を概略的に示す図。
【図2】図1に例示した液晶表示素子の断面構造を概略
的に示す図。
【図3】アレイ基板11と対向基板12とを張り合わせ
てその周囲を封止する工程を説明するための図。
【図4】湿度と液晶表示素子の曲率半径との関係を示す
グラフ。
【図5】本発明の液晶表示装置の構造の例を概略的に示
す図。
【図6】本発明の液晶表示素子10の構造の別の例を概
略的に示す図。
【図7】本発明の液晶表示素子のさらに別の例を概略的
に示す図。
【図8】樹脂基板の吸湿とその寸法変化との関係を示す
グラフ。
【図9】本発明の液晶表示装置の構成の例を概略的に示
す図。
【図10】凹面形状を有する本発明の液晶表示素子の表
示面を模式的に示す図。
【図11】凸面形状を有するCRTディスプレイの表示
画面を模式的に示す図。
【図12】単曲面の母線方向と実質的に垂直な方向に沿
って残留応力分布を有する本発明のアレイ基板とその製
造方法の例を説明するための図。
【図13】本発明の液晶表示装置の構成の例を概略的に
示す図。
【図14】本発明の液晶表示装置の構造の例を概略的に
示す断面図。
【符号の説明】
10………液晶表示素子 11………アレイ基板 12………対向基板 13………液晶層 14………スペーサー 15………シール材 20………母線 21a,21b……プレス型 22………フレーム 23………バックライト 24………圧板 31………減圧室 32………封入室 33………隔壁 33a……キャピラリー 40………筐体 40a、40b……側板 41a、41b……溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 光志 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33 株式会 社東芝生産技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極が配設された第1の基板と、 第2の電極が配設された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間隙を実質的に均
    一に保持する手段と、 前記第1の基板の前記第2の基板との間隙に挟持された
    液晶層とを具備し、 前記第1の基板と前記第2の基板と液晶層とを含む積層
    構造が単曲面形状を有することを特徴とする液晶表示素
    子。
  2. 【請求項2】 前記第1の基板または前記第2の基板の
    少なくとも一方は、前記第1の基板および前記第2の基
    板の長辺方向または短辺方向のいずれか1方向と実質的
    に平行な母線を有する単曲面形状を有するように、前記
    母線の方向と実質的に垂直な方向に沿って残留応力分布
    を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素
    子。
  3. 【請求項3】 前記第1の基板と前記第2の基板との間
    隙が大気圧に対して減圧されるように調節する圧力調節
    手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至2
    のいずれかに記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の基板または前記第2の基板の
    少なくとも一方は、可撓性を有する樹脂材料からなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 液晶表示素子と、 前記液晶表示素子を単曲面形状に保持する手段とを具備
    したことを特徴とする液晶表示装置。
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