JPH11355371A - 周波数再生回路および周波数再生方法 - Google Patents

周波数再生回路および周波数再生方法

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JPH11355371A
JPH11355371A JP10155955A JP15595598A JPH11355371A JP H11355371 A JPH11355371 A JP H11355371A JP 10155955 A JP10155955 A JP 10155955A JP 15595598 A JP15595598 A JP 15595598A JP H11355371 A JPH11355371 A JP H11355371A
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Yasushi Sugita
康 杉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力されるディジタル変調波にCWM妨害など
の妨害が加わった場合でも、再生搬送波信号の周波数誤
差を精度よく検出して正確な周波数再生を可能とした周
波数再生回路を提供する。 【解決手段】複素乗算器17による周波数変換後のディ
ジタル変調波のシンボルのI−Q平面上のQ軸およびI
軸について、連続する二つの時刻間の座標値の差分を差
分器32,42でシンボル位相差として求め、これらが
閾値判定器33,43で設定された所定の検出範囲内に
あるときのみ切替器34,44により取り出し、これら
を符号判定器35,45を介してローパスフィルタ52
に供給して積分することにより周波数誤差を検出し、こ
の周波数誤差信号を数値制御発振器53に制御信号とし
て与え、サイン/コサイン変換器54を通して再生搬送
波信号18,19を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル変調波
の同期復調に際して使用される再生搬送波信号の周波数
をディジタル変調波に同期させるための周波数再生回路
に係り、特に入力のディジタル変調波に妨害が加わった
ときでも正しい動作を行うことができる周波数再生回路
および周波数再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル通信やディジタル放送におい
て、受信側でQPSK(4相位相シフトキーイング)変
調波のようなディジタル変調波を復調する際に同期復調
を行うと、非同期復調の場合よりも復調データの誤り率
を小さくできることが知られている。
【0003】この同期復調に際しては、入力のディジタ
ル変調波からこれに周波数および位相が同期した再生搬
送波信号を生成する必要がある。このように再生搬送波
信号の周波数をディジタル変調波に同期(周波数同期)
させる操作が周波数再生であり、この周波数再生は具体
的には、再生搬送波信号の周波数誤差を検出し、これに
基づいて再生搬送波信号の周波数を制御することにより
実現される。
【0004】この周波数再生のために再生搬送波信号の
周波数誤差を求める方法として、サンプリングされたデ
ィジタル変調波のシンボルの隣接サンプル間、つまり連
続する二つの時刻間の位相差から、周波数誤差を推定す
る方法が知られている(特開平7−327302)。す
なわち、図4に示すようにディジタル変調波のI−Q平
面(直交座標平面)上のシンボルのシンボル位置Xの位
相θ1と、これより1サンプル分時間的にずれたシンボ
ル位置Yの位相θ2との差(シンボル位相差)Δθ=θ
2−θ1を検出し、このシンボル位相差Δθを積分して
周波数誤差を求める方法である。
【0005】しかし、この方法では入力のディジタル変
調波に妨害が加わった場合に、周波数誤差を誤って検出
し、周波数再生を正しくできない場合がある。この問題
をディジタル変調波としてQPSK変調波を想定した場
合を例にとり、図5および図6を用いて説明する。
【0006】図5(a)はQPSK変調波の本来のコン
ステレーションであり、各象限のシンボルはそれぞれ一
点に位置する。このようなディジタル変調波に対して、
CW(搬送波)妨害が加わったことを考える。CW妨害
は、ディジタル変調波に対してアナログTV信号変調波
(FM変調波)が与える同一チャネル妨害の極端な例で
ある。このCW妨害による妨害波の一例が図5(b)で
あり、これがQPSK変調波に加わった場合には、各象
限毎に一つのシンボルに着目したとき、そのシンボルは
図5(c)に示すように円周上に分布する。各時刻のシ
ンボルは、それぞれの周上の一点に位置し、円周上を妨
害波の搬送波周波数で決まる角速度で矢印の方向に回転
する。
【0007】図6に、このようなCW妨害が大きいとき
の様子を示す。図6は、大きなCW妨害が加わったとき
の変調除去後のI−Q平面上のシンボル位置の変化を示
している。ここで、変調除去とは周波数誤差検出に際し
てディジタル変調波のシンボル分布の影響を避けるため
に、シンボル位相を求める前段階の処理として行われる
操作である。これは、QPSK変調波の場合を例にとる
と、I−Q平面上の第2〜第4象限に位置するシンボル
を位相方向に回転移動させて全て第1象限に集めること
により行われる。
【0008】ここで、再生搬送波信号の周波数ずれはな
く、位相ずれが90°存在するとして、CW妨害波のパ
ワーがQPSK変調波に対してD/U=0dBの妨害が
与えられたとする。このようなCW妨害波が加わると、
図6に示すようにQPSK変調波のシンボルの軌跡は上
記した変調除去により第1象限内に折り畳まれ、I軸よ
り下側(Q<0の方向)にはみ出た軌跡の部分は、Q軸
から右側(I<0の方向)に回転移動される。すなわ
ち、CW妨害により図6中のシンボルS1,S2は円周
上の点に移る。この円周上でCW妨害の角速度に応じ
て、シンボルS1は時刻T=t0〜t0+1の間にθ1
だけ移動し、シンボルS2は時刻T=t1〜t1+1の
間にθ2だけ移動するものとすると、シンボルS1が時
刻T=t0のときに円周上のどの点にあっても、時刻T
=t0〜t0+1の間のシンボル位相差θ1はθ1≧0
であり、同様にシンボルS2は時刻T=t1のときに円
周上のどの点にあっても、時刻T=t1〜t1+1の間
のシンボル位相差θ2はθ2≧0である。このように再
生搬送波信号の周波数ずれがなくとも、シンボル位相差
は常に正の値をとり、これを積分すると正の周波数誤差
が検出されてしまう。
【0009】すなわち、連続する二つの時刻間のシンボ
ル位相差を検出し、このシンボル位相差から再生搬送波
信号の周波数誤差を求める方法では、周波数誤差がなく
とも周波数誤差があると誤検出されてしまう。これは周
波数誤差を求めるためにシンボル位相を求める際に、直
交座標−極座標変換を行うことが原因である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、入力
のディジタル変調波の連続する二つの時刻間のシンボル
位相差を求め、これに基づいて再生搬送波信号の周波数
誤差を検出して周波数再生を行う従来の技術では、ディ
ジタル変調波に妨害が加わると周波数誤差を誤って検出
してしまい、再生搬送波信号の周波数を正しくディジタ
ル変調波に同期させて周波数再生を行うことができない
という問題点があった。
【0011】従って、本発明は入力のディジタル変調波
にCW妨害などの妨害が加わった場合でも、再生搬送波
信号の周波数誤差を精度よく検出して正確な周波数再生
を可能とした周波数再生回路および周波数再生方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は入力されるディジタル変調波を該ディジタ
ル変調波に同期した再生搬送波信号を用いて周波数変換
する際に、該再生搬送波信号の周波数誤差を検出し、こ
の周波数誤差に基づいて該再生搬送波信号の周波数を制
御してディジタル変調波に周波数同期させる周波数再生
回路において、周波数変換後のディジタル変調波のシン
ボルの直交座標平面(I−Q平面)上の少なくとも一方
の座標軸(I軸またはQ軸)について連続する二つの時
刻間の座標値の差分を該二つの時刻間のシンボル位相差
として検出する差分手段と、この差分手段により検出さ
れた差分を積分して再生搬送波信号の周波数誤差を検出
する周波数誤差検出手段とを具備することを特徴とす
る。
【0013】このように本発明では、周波数変換後のデ
ィジタル変調波のシンボルのI−Q平面上のI軸上の座
標値またはQ軸上の座標値、あるいはその両方をシンボ
ル位相と見做し、この連続する二つの時刻間の座標値の
差分を該二つの時刻間のシンボル位相差として検出す
る。こうして検出される差分は、搬送波周波数信号の周
波数ずれに対しては、ずれの方向に応じた一定の極性を
持つため、これを積分することにより周波数誤差が検出
される。
【0014】一方、CW妨害などによる妨害波によって
ディジタル変調波のシンボルが円周上の軌跡を持ったと
きは、シンボルが円周上を一周する際のI軸またはQ軸
上の座標値の積分結果はゼロとなる。従って、本発明の
ようにI軸またはQ軸上の座標値の差分をシンボル位相
差と見做して周波数誤差検出を行うと、CW妨害などに
よってディジタル変調波のシンボルが円周上を一周する
際の差分も積分により平均的にゼロとなるので、妨害波
の影響で誤って周波数誤差が検出されることが防止され
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係
る周波数再生回路を示す図である。同図において、入力
端子11,12には受信されたディジタル変調波のI,
Qのベースバンド信号13,14が入力される。これら
のベースバンド信号13,14は、A/Dコンバータ1
5,16によりサンプリングされて各サンプル値がディ
ジタル信号に変換された後、複素乗算器17に入力さ
れ、後述する周波数再生回路により生成されたサイン特
性およびコサイン特性の再生搬送波信号18,19とそ
れぞれ乗算されることにより、周波数変換される。この
場合、周波数再生回路により再生搬送波信号18,19
の周波数を周波数誤差に応じて制御することで、入力の
ディジタル変調波の搬送波周波数に対して周波数同期が
とられる。
【0016】複素乗算器17の出力信号は、それぞれロ
ーパスフィルタ21,22を通してI出力信号23,Q
出力信号24となり、出力端子25,26より次段の回
路に入力される。次段の回路では、例えば位相同期回路
や波形等化回路を経てデータ再生が行われる。位相同期
回路は、再生搬送波信号の位相をディジタル変調波に同
期させる回路であるが、本発明の周波数再生とは関係が
ないので、詳細な説明は省く。ローパスフィルタ21,
22は、ディジタルフィルタにより構成され、ディジタ
ルデータ伝送における符号間干渉を防止するための伝達
特性を有し、一般には送信側のフィルタ特性と組み合わ
せられたときロールオフ特性が得られるように設計され
る。
【0017】ローパスフィルタ21,22からのI出力
信号23およびQ出力信号24は、共に第1および第2
の周波数誤差検出回路30,40に入力される。第1の
周波数誤差検出回路30は、後述するローパスフィルタ
52と共働して出力信号24から再生搬送波信号18,
19の周波数誤差を検出する回路であり、正負反転回路
31、差分器32、閾値判定器33、切替器34および
符号判定器35から構成される。第2の周波数誤差検出
回路40は、後述するローパスフィルタ52と共働して
I出力信号23から再生搬送波信号18,19の周波数
誤差を検出する回路であり、第1の周波数誤差検出回路
30と同様に、正負反転回路41、差分器42、閾値判
定器43、切替器44および符号判定器45から構成さ
れる。
【0018】第1の周波数誤差検出回路30について詳
細に説明すると、正負反転回路31には入力信号として
Q出力信号24が与えられ、制御信号としてI出力信号
23が与えられる。正負反転回路31は、制御信号の正
負に応じて入力信号を正負反転して出力する回路であ
り、I出力信号23が正のときはQ出力信号24をその
まま出力し、I出力信号23が負のときはQ出力信号2
4を正負反転して出力する。
【0019】すなわち、正負判定回路31は周波数誤差
を求める際にディジタル変調波のシンボル分布が妨害と
なるのを後述する閾値判定器33と共働して避けるため
の変調除去操作の一部として、周波数変換後のディジタ
ル変調波のシンボルのQ軸の座標値をI軸の座標値の正
負に応じて正負反転して極性を揃える操作を行う。この
正負反転回路31の出力信号は、差分器32および閾値
判定器33に入力される。
【0020】差分器32では入力信号の差分ΔQ、つま
り正負反転回路31の出力信号の現在のサンプル値Qi
と、その直前のサンプル値Qi-1 との差ΔQ=Qi −Q
i-1がとられ、これが周波数変換後のディジタル変調波
のシンボルの連続する二つの時刻間の位相差(シンボル
位相差)として求められる。すなわち、周波数変換後の
ディジタル変調波のシンボル位相差がQ軸上の座標値の
連続する二つの時刻間の差分ΔQとして求められる。
【0021】閾値判定器33では、差分器32で求めら
れた差分ΔQが制御回路50によって指定される二つの
閾値TH1,TH2(但し、TH1>TH2とする)で
与えられる所定範囲(検出範囲)内にあるか否かが判定
される。この閾値判定器33の判定結果により、切替器
34が制御される。
【0022】すなわち、切替器34では差分ΔQが検出
範囲内にある場合(TH1≧ΔQ≧TH2の場合)は差
分ΔQが選択され、検出範囲内にない場合(ΔQ>TH
1、またはTH2>ΔQの場合)は“0”が選択され
る。この切替器34で選択された信号は、符号判定器3
5に供給される。符号判定器35は、切替器34から供
給される入力信号の正/負/“0”を判定し、正(ΔQ
>0)の場合は+1、負(ΔQ<0)の場合は−1、
“0”の場合は0をそれぞれ出力する。この符号判定器
35の出力が第1の周波数誤差検出回路30の出力とな
る。
【0023】一方、第2の周波数誤差検出回路40は、
後述するローパスフィルタ52と共働してI出力信号2
3から再生搬送波信号18,19の周波数誤差を検出す
る回路であり、I出力信号23に対して第1の周波数誤
差検出回路30と全く同様の動作を行う。
【0024】すなわち、正負反転回路41は入力信号と
してI出力信号23、制御信号としてQ出力信号24が
それぞれ与えられ、Q出力信号24が正のときはI出力
信号23をそのまま出力し、Q出力信号24が負のとき
はI出力信号23を正負反転して出力する。次に、差分
器42で正負反転回路41の出力信号の差分、つまり周
波数変換後のディジタル変調波のI軸上の座標値の連続
する二つの時刻間の差分ΔIがシンボル位相差として求
められる。この差分ΔIが閾値判定器43で制御回路5
0によって指定される二つの閾値TH1,TH2で与え
られる検出範囲内にあるか否かが判定される。そして、
閾値判定器43の判定結果により制御される切替器44
から、差分ΔIが検出範囲内にあるか否かにより差分Δ
Iまたは“0”が選択されて符号判定器45に供給され
る。符号判定器45からは、切替器44より供給される
入力信号の正/負/“0”に対応してそれぞれ+1/−
1/0が出力され、これが第2の周波数誤差検出回路4
0の出力となる。
【0025】こうして得られた第1および第2の周波数
誤差検出回路30,40の出力信号は加算器51で加算
された後、ローパスフィルタ52に入力される。ローパ
スフィルタ52では、加算器51からの出力信号が積分
(平滑化)されることにより高周波雑音が除去されると
共に、周波数誤差検出信号となる。このローパスフィル
タ52の出力信号は、数値制御発振器(NCO)53に
制御信号として供給される。数値制御発振器53は、制
御信号に従って出力周波数が変化する回路であり、アナ
ログ回路における電圧制御発振器(VCO)に対応す
る。この数値制御発振器53の出力信号は鋸歯状の信号
であり、サイン/コサイン変換器54によって直交座標
変換されてサインおよびコサインの再生搬送波信号1
8,19となり、複素乗算器17に供給される。
【0026】次に、本実施形態の動作を具体的に説明す
る。図2(a)(b)は、入力されるディジタル変調波
がQPSK変調波の場合の動作を説明するための図であ
る。QPSK変調波のシンボルSのQ軸上の座標値また
はI軸上の座標値は、搬送波信号の周波数誤差に伴って
I−Q平面上を移動する。
【0027】ここで、差分器32は正負反転回路31を
介して入力されたI出力信号23およびQ出力信号24
で形成されるI−Q平面上のある時刻におけるシンボル
のQ軸上の座標値Qi と、その直前の時刻におけるQ軸
上の座標値Qi-1 との差分ΔQ=Qi −Qi-1 を求め
る。Q軸上の座標値は、図2から明らかなようにシンボ
ルが再生搬送波信号の周波数誤差(位相ずれ)によって
移動した位相の余弦である。従って、Q軸の上の座標値
の大小はシンボル位相の大小に応じて奇関数的に変化す
るので、Q軸上の座標値をシンボル位相と見做し、シン
ボル位相差そのものでなく差分ΔQを求めるようにして
も、この差分ΔQによって位相ずれの正負の方向を表す
ことができる。
【0028】同様に、差分器42は正負反転回路41を
介して入力されたI出力信号23およびQ出力信号24
で形成されるI−Q平面上のある時刻におけるシンボル
のI軸上の座標値Ii と、その直前の時刻におけるQ軸
上の座標値Ii-1 との差分ΔI=Ii −Ii-1 を求める
が、I軸上の座標値はシンボルが再生搬送波信号の周波
数誤差(位相ずれ)によって移動した位相の正弦である
から、I軸の上の座標値をシンボル位相と見做して差分
ΔIを求めれば、この差分ΔIによって位相ずれの正負
の方向を表すことができる。
【0029】図1の周波数再生回路はフィードバックル
ープを構成しているので、まず制御方向、つまり再生搬
送波信号の周波数を増加させるか減少させるかが正確な
動作に重要であって、シンボル位相差の代替値として差
分ΔQ,ΔIを検出するようにしても、周波数再生動作
の上で何ら問題はない。
【0030】このように周波数変換後のディジタル変調
波のシンボル位相差をQ軸またはI軸上の座標値の連続
する二つの時刻間の差分ΔQまたはΔIから求め、これ
に基づき再生搬送波信号の周波数誤差を検出して周波数
再生を行うようにすると、入力されるディジタル変調波
に大きなCW妨害が加わっても、周波数誤差を誤って検
出することがなく、再生搬送波信号の本来の周波数誤差
を正しく検出することができる。
【0031】すなわち、CW妨害などによってディジタ
ル変調波のシンボルが例えば図6の下側に示す円周上の
軌跡に沿って半時計回りに移動する際、例えば差分ΔQ
の極性は前半では+、後半では−となるので、これをロ
ーパスフィルタ52により積分すると平均的にゼロとな
り、再生搬送波信号の周波数誤差としては検出されない
ことになる。
【0032】次に、閾値判定器33,43について説明
する。前述したように、閾値判定器33,43は正負判
定回路31,41と共に変調除去操作の目的で用いられ
る。図2(a)(b)中に、入力されたディジタル変調
がQPSK変調波の場合の閾値判定器33,43に制御
回路50により指定される二つの閾値TH1,TH2で
与えられる検出範囲A,Bをそれぞれ示す。
【0033】図2(a)(b)によると、二つの閾値T
H1,TH2はそれぞれ1/√2,−1/√2であり、
閾値判定器33,43はQ軸上の座標値の差分ΔQおよ
びI軸上の座標値の差分ΔIが1/√2〜−1/√2の
検出範囲A,B内にあるときΔQ,ΔIをそれぞれ出力
し、これ以外のときは“0”を出力することになる。こ
こで、1/√2,−1/√2はQPSK変調波のシンボ
ルが半径1(シンボル振幅)の円周上にあるものとして
正規化した値である。このように閾値TH1,TH2を
定めると、正負判定回路31,41の動作と合わせて、
常に一つのシンボルのみが範囲Aの中に存在するように
することができるので、前述した変調除去が実現される
ことになる。
【0034】さらに、図3(a)(b)には入力された
ディジタル変調波が8PSK変調波の場合の閾値判定器
33,43における検出範囲を示す。8PSK変調波の
シンボル配置に対しては、図3(a)(b)に示すよう
に閾値判定器33における検出範囲をC=sin22.
5°〜sin67.5°,D=−sin67.5°〜−
sin22.5°,E=−sin22.5°〜sin2
2.5°の3段階、閾値判定器43における検出範囲を
F=cos67.5°〜cos22.5°,G=−co
s22.5°〜−cos67.5°,H=−cos6
7.5°〜cos67.5°の3段階とする。この場
合、閾値判定器33,43の閾値はそれぞれ3つとな
る。
【0035】そして、閾値判定器33,43は各検出範
囲の中に連続してシンボルが存在した場合にのみ、差分
器32,42の出力を符号判定器35,45に入力し、
それ以外の場合、つまりシンボルが検出範囲内にない
か、または連続して同じ検出範囲内になく他の検出範囲
内に移動した場合には、“0”を出力するように切替器
34,44を制御する。
【0036】閾値判定器33,43の閾値(検出範囲)
は、上述したように入力されるディジタル変調波の種
類、つまりディジタル変調方式によって決まる。入力さ
れるディジタル変調波が単一の変調方式によるものと予
め分かっているときには、閾値(検出範囲)は固定値に
設定される。
【0037】さらに、入力されるディジタル変調波の種
類がQPSK変調波、8PSK変調波…のように種々変
化する場合には、制御回路50でその種類を識別し、そ
れに基づいて閾値判定器33,43に与える閾値を制御
することにより、検出範囲を切り替えるようにすればよ
い。制御回路50でのディジタル変調波の種類の識別
は、例えばディジタル変調波の復調結果または復号結果
(原データ)、あるいは復調または復号の過程で得られ
るデータ、例えばディジタル変調波のC/N判定結果の
信号や、リセット信号を復号した結果など判定すること
により行うことができる。
【0038】なお、図1における符号判別器35,45
は、シンボル位相差の符号成分を取り出すものであり、
AFCループの誤動作防止のために設けられるものであ
る。このような誤動作が問題とならない場合は、切替器
34,44により選択された信号をそのまま周波数誤差
検出回路30,40の出力としても構わない。
【0039】また、図1の実施形態では二つの周波数誤
差検出回路30,40を設け、正負判定回路31,41
0を介して差分器32,42によりQ軸上およびI軸上
の座標値についてそれぞれ連続する二つの時刻間の差分
ΔQ,ΔIを求め、これらを切替器34,44および符
号判定器35,45をそれぞれ介した後に加算器51で
合成してローパスフィルタ52に供給するようにした
が、周波数誤差検出回路30,40のいずれか一方のみ
とし、その出力をローパスフィルタ52に供給するよう
にしてもよい。
【0040】さらに、本発明に係る周波数再生回路は一
部または全部の処理をCPUによるソフトウェア処理に
よって実現することも可能である。その他、本発明はそ
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが
できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば周
波数再生のための再生搬送波信号の周波数誤差検出の
際、周波数変換後のディジタル変調波のシンボルのI−
Q平面上のI軸上の座標値またはQ軸上の座標値、ある
いはその両方をシンボル位相と見做して、これらの連続
する二つの時刻間の座標値の差分を二つの時刻間のシン
ボル位相差として検出し、これを積分して周波数誤差検
出を行うことにより、従来の周波数再生回路に比較して
CM妨害などの妨害の影響を受けることなく精度の高い
周波数誤差検出が可能であり、入力されるディジタル変
調波に大きな妨害が加わった場合でも正確な周波数再生
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る周波数再生回路の構
成を示すブロック図
【図2】入力されるディジタル変調波がQPSK変調波
の場合の同実施形態の動作を説明するための図
【図3】入力されるディジタル変調波が8PSK変調波
の場合の同実施形態の動作を説明するための図
【図4】従来の周波数再生回路における周波数誤差検出
方法を説明するための図
【図5】ディジタル変調波に加わるCW妨害について説
明するための図
【図6】従来の周波数再生回路において入力されるディ
ジタル変調波に加わるCW妨害が加わった場合の問題点
を説明するための図
【符号の説明】
11,12…入力端子、13,14…I,Q入力信号、
15,16…A/Dコンバータ、17…複素乗算器、1
8,19…再生搬送波信号、21,22…ローパスフィ
ルタ、23,24…I,Q出力信号、25,26…出力
端子、30,40…周波数誤差検出回路、31,41…
正負反転回路、32,42…差分器、33,43…閾値
判定器、34,44…切替器、35,45…符号判定
器、51…加算器、52…ローパスフィルタ、53…数
値制御発振器、54…サイン/コサイン変換器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力されるディジタル変調波を該ディジタ
    ル変調波に同期した再生搬送波信号を用いて周波数変換
    する際に、該再生搬送波信号の周波数誤差を検出し、こ
    の周波数誤差に基づいて該再生搬送波信号の周波数を制
    御して前記ディジタル変調波に周波数同期させる周波数
    再生回路において、 前記周波数変換後のディジタル変調波のシンボルの直交
    座標平面上の少なくとも一方の座標軸について連続する
    二つの時刻間の座標値の差分を該二つの時刻間のシンボ
    ル位相差として検出する差分手段と、 前記差分手段により検出された差分を積分して前記再生
    搬送波信号の周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段
    とを具備することを特徴とする周波数再生回路。
  2. 【請求項2】入力されるディジタル変調波を該ディジタ
    ル変調波に同期した再生搬送波信号を用いて周波数変換
    する際に、該再生搬送波信号の周波数誤差を検出し、こ
    の周波数誤差に基づいて該再生搬送波信号の周波数を制
    御して前記ディジタル変調波に周波数同期させる周波数
    再生回路において、 前記周波数変換後のディジタル変調波のシンボルの直交
    座標平面上の直交する二つの座標軸についてそれぞれ連
    続する二つの時刻間の座標値の差分を該二つの時刻間の
    シンボル位相差として検出する第1および第2の差分手
    段と、 前記第1および第2の差分手段の出力信号を合成する合
    成手段と、 前記合成手段の出力信号を積分して前記再生搬送波信号
    の周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段と、 前記周波数誤差検出手段により検出された周波数誤差に
    基づいて前記再生搬送波信号の周波数を制御する制御手
    段とを具備することを特徴とする周波数再生回路。
  3. 【請求項3】前記シンボルの一方の座標軸の座標値を他
    方の座標軸の座標値の正負に応じて正負反転して極性を
    揃える正負反転手段をさらに有し、この正負反転手段の
    出力から前記差分手段により前記差分を検出することを
    特徴とする請求項1または2記載の周波数再生回路。
  4. 【請求項4】前記差分検出手段が前記差分を検出する際
    の座標値の検出対象範囲に制限を設ける手段をさらに有
    することを特徴とする請求項1または2記載の周波数再
    生回路。
  5. 【請求項5】前記差分検出手段が前記差分を検出する際
    の座標値の検出対象範囲に制限を設ける手段と、該検出
    対象範囲の制限を前記ディジタル変調波の種類によって
    切り替える手段とをさらに有することを特徴とする請求
    項1または2記載の周波数再生回路。
  6. 【請求項6】入力されるディジタル変調波を該ディジタ
    ル変調波に同期した再生搬送波信号を用いて周波数変換
    する際に、該再生搬送波信号の周波数誤差を検出し、こ
    の周波数誤差に基づいて該再生搬送波信号の周波数を制
    御して前記ディジタル変調波に周波数同期させる周波数
    再生方法において、前記周波数変換後のディジタル変調
    波のシンボルの直交座標平面上の少なくとも一方の座標
    軸について連続する二つの時刻間の座標値の差分を該二
    つの時刻間のシンボル位相差として検出し、この差分を
    積分して前記再生搬送波信号の周波数誤差を検出するこ
    とを特徴とする周波数再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014099804A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Kddi Corp 光受信装置

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