JP3088894B2 - データ受信装置 - Google Patents

データ受信装置

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JP3088894B2
JP3088894B2 JP06015710A JP1571094A JP3088894B2 JP 3088894 B2 JP3088894 B2 JP 3088894B2 JP 06015710 A JP06015710 A JP 06015710A JP 1571094 A JP1571094 A JP 1571094A JP 3088894 B2 JP3088894 B2 JP 3088894B2
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相変調方式のディジ
タル無線通信に用いられるデータ受信装置に関し、特
に、同期検波した受信信号の位相誤差を幅広く自動修正
できるように構成したものである。
【0002】
【従来の技術】4値の位相変調方式であるπ/4シフト
QPSKでは、送信側は、I軸およびQ軸上に信号点配
置された4つのシンボルの内のいずれかを送信し、次に
I軸およびQ軸から45°回転した軸上に信号点配置さ
れた4つのシンボルの内のいずれかを送信し、次に再び
I軸およびQ軸上のシンボルの内のいずれかを送信する
という動作を順次繰返す。伝送すべき情報は、シンボル
と次に送信されるシンボルとの間の位相差によって表わ
される。この位相差としては、±π/4および±3π/
4を取ることができ、各位相差の余弦と正弦とがそれぞ
れ0または1の2値情報を表わす。従って、1つの位相
差により、(0,0)(1,0)(0,1)または
(1,1)のいずれかの情報を伝えることができる。
【0003】この位相差△φの信号点は、I軸を横軸、
Q軸を縦軸に表示した位相ダイヤグラムにおいて、図6
の黒丸と重なる位置に表示される。各信号点に付された
矢印は、次の信号の遷移方向を示している。つまり、現
在の位相差△φがπ/4であるときは、次の位相差△φ
として、より大きい3π/4を取ることもできれば、よ
り小さい−π/4または−3π/4を取ることもでき
る。これに対して、現在の位相差△φが3π/4のとき
は、次の位相差△φとして、π/4、−π/4または−
3π/4に取ることはできるが、より大きい位相差を取
ることはできず、また、現在の位相差△φが−3π/4
のときは、次の位相差△φとして、−π/4、π/4ま
たは3π/4を取ることはできるが、さらに小さい位相
差を取ることはできない。
【0004】一方、受信側は、同期検波により受信信号
の変調位相を求め、その変調位相のシンボル間における
位相差△φを検出して、送られた情報を取出す。このと
き、受信した変調信号の中心周波数と同期検波に用いる
局部発振器の発振周波数との間に周波数誤差△fが存在
する場合には、検出した位相差に位相誤差θeが含まれ
る。そのため、データ受信装置には、この位相誤差θe
を補償する手段が設けられており、この補償により、復
号における誤り率の改善が図られている。
【0005】この種の従来のデータ受信装置は、図5に
示すように、π/4シフトQPSK変調波信号を受信す
るアンテナ1と、受信信号を波形整形する受信用ルート
ナイキスト・バンドパス・フィルタ2と、ルートナイキ
スト・バンドパス・フィルタ2の出力の振幅を制限する
リミタアンプ3と、リミタアンプ3の出力からベースバ
ンドの同相成分および直交成分を検出するための直交検
波部を構成する局部発振器4、π/2移相器5および乗
算器6、7と、直交検波部の同相および直交出力に含ま
れる2倍の搬送波成分を除去するローパスフィルタ8、
9と、ローパスフィルタ8、9の出力をディジタル信号
に変換するA/D変換器10、11と、A/D変換器10、11
の出力を基に受信信号のシンボル間の変調位相差の余弦
と正弦とを求め、各々同相成分Iおよび直交成分Qとし
て出力するベースバンド遅延検波回路12と、ベースバン
ド遅延検波回路12の出力からビット・タイミングを再生
するタイミング再生回路14と、ベースバンド遅延検波回
路12から出力された変調位相差の同相成分Iおよび直交
成分Qに含まれている位相誤差θeの成分を除く自動周
波数制御回路15と、自動周波数制御回路15から出力され
た同相出力Ieまたは直交出力Qeに基づいて2値情報
を判定する判定器16、17と、判定器16、17の出力をシリ
アルデータに変換する並列直列変換器19と、並列直列変
換器19の出力を受信データとして出力する受信データ出
力端子20とを備えている。
【0006】A/D変換器10、11は、ローパスフィルタ
8、9の出力をディジタル信号に変換するため、シンボ
ルレートのM倍(M:正整数)のサンプリング周波数で
動作する。
【0007】また、自動周波数制御回路15は、タイミン
グ再生回路14の出力するビット・タイミング信号に同期
してベースバンド遅延検波回路12の同相成分出力Iおよ
び直交成分出力Qを取込み、判定器18の出力を参照しな
がら、受信した被変調信号の中心周波数と局部発振器4
の発振周波数との周波数誤差△fに起因してベースバン
ド遅延検波回路12の各出力に生じている位相誤差θeを
補償する。
【0008】図6は、受信したπ/4シフトQPSK変
調波信号から求めたシンボル間における変調位相差△φ
を表わす位相ダイアグラムであり、位相誤差θeがゼロ
の場合を示している。また、図7の位相ダイアグラム
は、受信した被変調信号の中心周波数と直交検波部の局
部発振器4の発振周波数との間に周波数誤差△fがある
ために位相誤差θeが生じているときの変調位相差を表
わしている。
【0009】このデータ受信装置は、次のように動作す
る。直交検波部は、受信したπ/4シフトQPSK変調
波信号をベースバンド信号に周波数変換する。この時、
変調波信号のシンボルレートをfR =1/T、A/D変
換器10、11のサンプリング周波数をfS =1/TS =M
R (M:正整数)とすると、A/D変換器10、11の出
力X(kTS)、Y(kTS)は次の式(1)、(2)のよ
うになる。 X(kTS)=cos(φ(kTS)−2πΔfkTS) (1) Y(kTS)=sin(φ(kTS)−2πΔfkTS) (2) 式(1)、(2)において、φ(kTS)は受信したπ/
4シフトQPSK変調波信号の変調位相であり、Δfは
この変調信号の中心周波数と局部発振器4の発振周波数
との間の周波数誤差である。
【0010】ベースバンド遅延検波回路12は、A/D変
換器10、11の出力X(kTS)、Y(kTS)と、その1シ
ンボル前の出力X((k−M)TS)、Y((k−M)TS)と
を用いて、次の式(3)、(4)の演算を行なう。 I(kTS)=X(kTS)X((k−M)TS) +Y(kTS)Y((k−M)TS) (3) Q(kTS)=Y(kTS)X((k−M)TS) −X(kTS)Y((k−M)TS) (4) この式(3)は、変調位相を表わす位相ダイアグラムの
同一円周上に位置する2点、つまり、点(X(kTS),
Y(kTS))および点(X((k−M)TS),Y((k−M)
S))、の間の位相差の余弦を演算しており、また、
式(4)は、その位相差の正弦を演算している。
【0011】この演算の結果、ベースバンド遅延検波回
路12は、次の式(5)、(6)で示すように、受信した
π/4シフトQPSK変調波信号の変調位相差の余弦お
よび正弦を、それぞれ同相出力I(kTS)および直交出
力Q(kTS)として出力することになる。
【0012】 I(kTS)=cos(Δφ(kTS)+θe) (5) Q(kTS)=sin(Δφ(kTS)+θe) (6) このΔφ(kTS)は、式(7)で表される本来の変調位
相差であり、θeは、式(8)で表されるΔfに起因す
る位相誤差である。 Δφ(kTS)=φ(kTS)−φ((k−M)TS) (7) θe=2πΔfMTS=2πΔfT (8)
【0013】なお、π/4シフトQPSK変調では、送
信側は変調位相差Δφとして±π/4または±3π/4
を送信するので、受信信号の識別時点での変調位相差Δ
φ(kTS)は、式(5)(6)より、θe=0(Δf=
0)の時には、位相ダイヤグラムのI,Q平面上で図6
の黒丸の信号点によって表わされる。また、θe≠0
(Δf≠0)の時は、図7に示すように、位相ダイアグ
ラム上で変調位相差に対して一定の位相誤差θeが生じ
る。その結果、判定境界(I軸、Q軸)との間のノイズ
マージンが減少し、ノイズによっては判定境界を乗越え
る場合が生じるため、受信データの誤り率特性が劣化し
てしまう。
【0014】自動周波数制御回路15は、このΔfに起因
する位相誤差θeを補償し、ベースバンド遅延検波回路
12の出力を各象限の判定点である(2n+1)・π/4
(n:整数)の信号点に変換する動作を行なう。自動周
波数制御回路15は、先ず、タイミング再生回路14で再生
されたビット・タイミング信号に同期して、識別時点で
のベースバンド遅延検波回路12の出力I(nT)およびQ
(nT)を取込み、自動周波数制御回路15の出力Ie(n
T)、Qe(nT)と判定器16、17の出力Id(nT)、Q
d(nT)との間の平均2乗誤差を最小にするための演算
を次式によって行なう。
【0015】 WX(nT) =E[Id(nT)I(nT)+Qd(nT)Q(nT)]/E[I(nT)2+Q(nT)2] (9) WY(nT) =E[Id(nT)Q(nT)−Qd(nT)I(nT)]/E[I(nT)2+Q(nT)2] (10) Ie(nT)=I(nT)WX(nT)+Q(nT)WY(nT) (11) Qe(nT)=Q(nT)WX(nT)−I(nT)WY(nT) (12) 但し、式(9)、(10)におけるE[・]は平均値演
算を示す。これらの式におけるWX(nT)は位相誤差θ
eの余弦に、また、WY(nT)は位相誤差θeの正弦に
相当しており、式(11)(12)では、位相ダイアグ
ラム上の点(I(nT),Q(nT))を位相誤差θeと逆
方向にθeだけ回転したときの同相成分および直交成分
を求めていることになる。
【0016】この時、受信した変調信号の中心周波数と
局部発振器4の周波数との間の周波数誤差Δfが|Δf
|<fR /8であるならば、位相誤差θeは式(8)よ
り|θe|<π/4となるので、判定器16、17は、図7
のI軸およびQ軸を判定閾値として、当初から定常的な
判定誤りを侵すことなくId(nT)またはQd(nT)を
出力することができる。そのため、式(9)および(1
0)から、適切なWX(nT)およびWY(nT)を求める
ことができ、自動周波数制御回路15は、式(11)およ
び(12)を用いて、位相誤差θeを補償した同相成分
Ie(nT)および直交成分Qe(nT)を出力することが
できる。また、判定器18は、それを受けて、さらに誤り
を含まない判定結果を出力することができる。
【0017】このように、自動周波数制御回路15を備え
る従来のデータ受信装置は、受信した変調信号の中心周
波数と局部発振器4の周波数との間の周波数誤差Δfが
|Δf|<fR /8であるならば、このΔfの影響を補
償し、受信データの誤り率特性の劣化を改善することが
できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のデータ
受信装置では、受信した変調信号の中心周波数と局部発
振器4の周波数との間の周波数誤差ΔfがfR/8≦|
Δf|<fR/4(fR:シンボルレート)である場合に
は、ベースバンド遅延検波回路12の出力における位相誤
差θeがπ/4≦|θe|<π/2となるので、図7の
I,Q平面上において、識別時点の信号点の存在する象
限が、本来の信号点のある象限から移ってしまい、I軸
およびQ軸を判定閾値とする判定器16、17は、当初から
定常的な判定誤りを生じることになる。そのため、自動
周波数制御回路15は、位相誤差θeの余弦に相当するW
X(nT)や正弦に相当するWY(nT)を正しく得ること
ができず、誤った方向への位相補償を行なってしまう。
その結果、受信データの誤り率特性が著しく劣化すると
いう問題点がある。
【0019】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、変調信号の中心周波数と局部発振器4の
周波数との間の周波数誤差Δfに起因して、ベースバン
ド遅延検波回路の出力にπ/4≦|θe|の位相誤差θ
eが生じる場合でも、それを補償することができる、広
い自動周波数制御範囲を備えたデータ受信装置を提供す
ることを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、受
信した被変調信号の直交検波に使用する局部発振器と、
被変調信号の変調位相差における余弦および正弦を同相
成分および直交成分として出力するベースバンド遅延検
波回路と、被変調信号の中心周波数と局部発振器の発振
周波数との間の周波数差に起因して前記同相成分および
直交成分に生じる位相誤差θeを補償する自動周波数制
御回路と、自動周波数制御回路の出力を判定する判定器
とを備えるπ/4シフトQPSK変調方式のデータ受信
装置において、ベースバンド遅延検波回路の出力に生じ
ている位相誤差θeの大きさの範囲とその向きとを、ゼ
ロクロスの情報を用いて判定するゼロクロス判定手段
と、前記ゼロクロス判定手段が位相誤差θeの大きさを
π/4≦|θe|と判定したときに判定器の出力データ
を位相誤差θeの向きと逆方向にπK/4(Kは整数)
シフトしたデータに置換するデータ置換手段とを設けて
いる。
【0021】また、前記ゼロクロス判定手段が、位相ダ
イアグラムのI軸またはQ軸を横切る(即ち、ゼロクロ
スする)信号の数に基づいて、位相誤差θeの大きさの
範囲とその向きとを判定するように構成している。
【0022】
【作用】そのため、位相誤差θeがπ/4以上のときに
は、自動周波数制御回路は、従来の装置と同様の位相補
償を行ない、そのために判定器は、誤った判定データを
出力するが、この誤りは、データ置換手段が、ゼロクロ
ス判定手段の判定結果を使って訂正する。
【0023】ゼロクロス判定手段は、π/4シフトQP
SK変調方式の信号点の遷移方向における性質を利用し
て、位相誤差の大きさや向きを判定する。つまり、位相
誤差が生じたことによって、位相ダイアグラムの正また
は負のI軸やQ軸を横切る信号の頻度が変化するので、
それを検出することにより、位相誤差の大きさや向きを
判定する。
【0024】
【実施例】本発明の実施例におけるデータ受信装置は、
図1に示すように、ベースバンド遅延検波回路12から出
力された同相成分Iおよび直交成分Qを取込み、それら
の成分で表わされる変調位相差に含まれている位相誤差
θeの大きさおよびその正負を判定し、判定結果に従っ
て判定信号を出力するゼロクロス判定回路13と、判定信
号に応じて判定器16、17の出力データを置換するデータ
置換回路18とを備えている。その他の構成は、従来の装
置(図5)と変わりがない。
【0025】ゼロクロス判定回路13は、位相ダイアグラ
ムのI,Q平面上においてベースバンド遅延検波回路12
から出力された変調位相差を表わす信号点が負のI軸を
横切る回数、正のQ軸を横切る回数および負のQ軸を横
切る回数をそれぞれカウントすることにより、位相誤差
θeの大きさとその正負とを判定する。
【0026】このデータ受信装置は、次のように動作す
る。直交検波部およびベースバンド遅延検波回路12の動
作は従来の装置と同じである。いま、受信したπ/4シ
フトQPSK変調波信号のシンボルレートをfR =1/
T、A/D変換器10、11のサンプリング周波数をfS
1/TS =MfR (M:正整数)、A/D変換器10、11
の出力をそれぞれX(kTS)、Y(kTS)とすると、 X(kTS)=cos(φ(kTS)−2πΔfkTS) (1) Y(kTS)=sin(φ(kTS)−2πΔfkTS) (2) となる。ここで、φ(kTS)は受信されたπ/4シフト
QPSK変調波信号の変調位相、Δfはこの変調信号の
中心周波数と局部発振器4の周波数との間の周波数誤差
を表わす。
【0027】ベースバンド遅延検波回路12は、A/D変
換器10、11の出力から、 I(kTS)=X(kTS)X((k−M)TS) +Y(kTS)Y((k−M)TS) (3) Q(kTS)=Y(kTS)X((k−M)TS) −X(kTS)Y((k−M)TS) (4) を演算し、同相出力I(kTS)および直交出力Q(k
S)として出力する。このI(kTS)およびQ(k
S)は、式(5)、(6)に示すように、受信したπ
/4シフトQPSK変調波信号の変調位相差の余弦およ
び正弦を表わしている。
【0028】 I(kTS)=cos(Δφ(kTS)+θe) (5) Q(kTS)=sin(Δφ(kTS)+θe) (6) このΔφ(kTS)は、式(7)で表される送信された変
調位相差であり、θeは、式(8)で表されるΔfに起
因する位相誤差である。 Δφ(kTS)=φ(kTS)−φ((k−M)TS) (7) θe=2πΔfMTS=2πΔfT (8)
【0029】さて、π/4シフトQPSK変調における
受信信号の識別時点での変調位相差Δφ(kTS)は、θ
e=0(Δf=0)の時には、位相ダイヤグラムのI,
Q平面上で図6の黒丸の信号点によって表わされる。こ
の図6から明らかなように、θe=0(Δf=0)の場
合では、位相ダイアグラムの第2象限および第3象限に
おける信号点の遷移方向は、負のI軸から離れる方向だ
けに限られている。そのため、リミタアンプ3等のRF
受信部によるノイズの影響を除いては、位相差の信号点
が負のI軸を横切ることはない。
【0030】また、|Δf|<fR /8の周波数誤差Δ
fに起因して|θe|<π/4の位相誤差θeが生じて
いるときは、図7の位相ダイアグラムに示すように、受
信信号点と判定閾値(I軸、Q軸)との間のノイズマー
ジンが減少する。ただ、この場合にも、ノイズの影響を
除いては、受信信号の位相差を表わす信号点が負のI軸
を定常的に横切ることはない。
【0031】しかし、周波数誤差ΔfがfR/8≦|Δ
f|<fR/4の場合には、Δfに起因してπ/4≦|
θe|<π/2の位相誤差θeが生じるが、この時に
は、図2に示すように、信号点の遷移経路が定常的に負
のI軸を横切るようになる。また、この時には、π/4
≦θe<π/2であるならば、信号点の遷移経路が負の
Q軸を横切る回数に比べて、正のQ軸を横切る回数の方
が多くなる。一方、−π/2<θe≦−π/4の場合に
は、逆に、信号点の遷移経路が負のQ軸を横切る回数に
比べて、正のQ軸を横切る回数の方が少なくなる。
【0032】ゼロクロス判定回路13は、ベースバンド遅
延検波回路12の同相成分出力信号I(kTS)および直交
成分出力信号Q(kTS)を取込み、これらの信号によっ
て表わされる位相ダイヤグラムのI,Q平面上での信号
点が、負のI軸を横切る回数、正のQ軸を横切る回数お
よび負のQ軸を横切る回数をそれぞれカウントし、その
結果に従って3種類の判定信号DES(i)(i=1,
2,3)を出力する。
【0033】ゼロクロス判定回路13は、この処理を具体
的に次の手順で行なう。まず、I(kTS)およびQ(k
S)のサンプル値をN0個(N0:正整数)取込み、信
号点がI,Q軸を横切る場合には、各サンプル値の間で
その軸に応じた符号反転が生じることを利用して、負の
I軸を横切る回数CT1、正のQ軸を横切る回数CT2
および負のQ軸を横切る回数CT3をそれぞれ式(1
3)〜(15)によって求める。ただし、サンプリング
周波数fS =1/TSはシンボルレートfR に比べて十
分高いものとする。
【0034】 CT1=[I(kTS)<0:Q(kTS)Q((k−1)TS)<0である回数] (13) このCT1は、I(kTS)が負であり、且つ、Q(k
S)の符号が反転する回数を表わしている。同様に、 CT2=[Q(kTS)>0:I(kTS)I((k−1)TS)<0である回数] (14) CT3=[Q(kTS)<0:I(kTS)I((k−1)TS)<0である回数] (15) を求める。この時、N1<N0なる正整数N1 を閾値とし
て設定し、 CT1<N1 (16) であるならば、ゼロクロス判定回路13は、位相誤差θe
が|θe|<π/4であると判定し、判定信号DES
(1)を出力する。
【0035】また、 [CT1≧N1]∩[CT2>CT3] (17) であるならば、つまり、信号点が負のI軸を横切る回数
がN1 以上で、且つ、負のQ軸を横切る回数が正のQ軸
を横切る回数より少ないならば、ゼロクロス判定回路13
は、位相誤差θeがπ/4≦θe<π/2であると判定
し、判定信号DES(2)を出力する。
【0036】また、 [CT1≧N1]∩[CT2<CT3] (18) であるならば、つまり、信号点が負のI軸を横切る回数
がN1 以上で、かつ、負のQ軸を横切る回数が正のQ軸
を横切る回数より多いならば、ゼロクロス判定回路13
は、位相誤差θeが−π/2<θe≦−π/4であると
判定し、判定信号DES(3)を出力する。
【0037】一方、自動周波数制御回路15は、従来の装
置と同じように、ベースバンド遅延検波回路12から出力
された識別時点の信号を、その信号が存在する象限の判
定点である(2n+1)・π/4(n:整数)に変換す
る動作を行なう。従って、図3に示すように、ベースバ
ンド遅延検波回路12の出力の信号点がI,Q平面上のA
eに位置しているときは信号点Bの信号に変換し、同様
に、BeはCに、CeはDに、DeはAに変換する。
【0038】この変換の動作は、具体的に次のように行
なう。自動周波数制御回路15は、先ずタイミング再生回
路14で再生されたビット・タイミング信号に同期して、
識別時点でのベースバンド遅延検波回路12の出力I(n
T)およびQ(nT)を取込み、自動周波数制御回路15の
出力Ie(nT)、Qe(nT)と判定器16、17の出力Id
(nT)、Qd(nT)との間の平均2乗誤差を最小にする
ための演算を次式によって行なう。
【0039】 WX(nT) =E[Id(nT)I(nT)+Qd(nT)Q(nT)]/E[I(nT)2+Q(nT)2] (9) WY(nT) =E[Id(nT)Q(nT)−Qd(nT)I(nT)]/E[I(nT)2+Q(nT)2] (10) Ie(nT)=I(nT)WX(nT)+Q(nT)WY(nT) (11) Qe(nT)=Q(nT)WX(nT)−I(nT)WY(nT) (12) 但し、式(9)、(10)におけるE[・]は平均値演
算を示す。
【0040】この結果、自動周波数制御回路15は、ベー
スバンド遅延検波回路12の出力における位相誤差θeが
|θe|<π/4のときは、受信信号の変調位相差から
誤差分を除いたデータを出力するが、ベースバンド遅延
検波回路12の出力にπ/4≦|θe|<π/2の位相誤
差θeが生じているときには、本来の変調位相差△φか
らπ/2または−π/2シフトしたデータを出力するこ
とになる。自動周波数制御回路15がこうした補償を行な
うため、自動周波数制御回路15の出力を判定する判定器
16、17は、位相誤差θeがπ/4≦|θe|<π/2の
ときには誤った判定データを出力するが、この判定器1
6、17の判定誤りは、データ置換回路18が訂正する。
【0041】データ置換回路18は、ゼロクロス判定回路
13から送られた判定信号に応じて判定データの置換を行
なう。ゼロクロス判定回路13から判定信号DES(1)
を受けたときは、ベースバンド遅延検波回路12の出力に
|θe|<π/4の位相誤差θeが生じているときであ
るから、自動周波数制御回路15により正常な位相補償が
行なうわれているので、データ置換回路18は、判定器1
6、17の出力を置換せず、そのまま出力する。
【0042】また、ゼロクロス判定回路13から判定信号
DES(2)を受けたときは、ベースバンド遅延検波回
路12の出力にπ/4≦θe<π/2の位相誤差θeが生
じているときであるから、データ置換回路18は、判定器
16、17の出力を−π/2シフトしたデータに置換する。
即ち、図4に示すように、 (判定器16、17出力Id,Qd) (データ置換回路18出力Ic,Qc) 信号点A(π/4) → 信号点D(−π/4) 信号点B(3π/4) → 信号点A(π/4) 信号点C(−3π/4) → 信号点B(3π/4) 信号点D(−π/4) → 信号点C(−3π/4) へのデータ置換を行なう。
【0043】また、ゼロクロス判定回路13から判定信号
DES(3)を受けたときは、ベースバンド遅延検波回
路12の出力に−π/2<θe≦−π/4の位相誤差θe
が生じているときであるから、データ置換回路18は、判
定器16、17の出力をπ/2シフトしたデータに置換す
る。即ち、図4に示すように、 (判定器16、17出力Id、Qd) (データ置換回路18出力Ic,Qc) 信号点A(π/4) → 信号点B(3π/4) 信号点B(3π/4) → 信号点C(−3π/4) 信号点C(−3π/4) → 信号点D(−π/4) 信号点D(−π/4) → 信号点A(π/4) へのデータ置換を行なう。
【0044】この置換の結果、位相誤差θeがπ/4≦
|θe|<π/2の場合の判定器16、17の判定誤りが訂
正され、並列直列変換器19および受信データ出力端子20
を介して正しい受信データが出力される。
【0045】このように、実施例の装置では、受信され
た変調信号の中心周波数と局部発振器4の周波数との間
にfR/8≦|Δf|<fR/4の周波数誤差Δfが存在
し、ベースバンド遅延検波回路12の出力にπ/4≦|θ
e|<π/2の位相誤差θeが生じているときでも、ゼ
ロクロス判定回路13がその誤差の大きさの範囲とその向
き(正負)とを検出し、データ置換回路18が、その検出
結果に応じて、判定器16、17の出力した判定データを、
位相誤差θeと逆方向にπ/2シフトしたデータに置換
することにより、正しいデータを得ることができる。従
って、この装置は、等価的に従来の装置の2倍の周波数
範囲において自動周波数制御を行なうことが可能とな
る。
【0046】なお、実施例では位相誤差θeがπ/4≦
|θe|<π/2の場合について詳しく説明したが、こ
の考え方を位相誤差θeがさらに大きい場合にまで拡張
することが可能である。そのときの位相誤差θeの大き
さの範囲とその向きとは、位相ダイアグラムの正または
負のI軸またはQ軸のいずれかを横切る信号の数に着目
して求めることができ、この位相誤差θeの大きさの範
囲とその向きとの判定をゼロクロス判定回路13で行な
い、ゼロクロス判定回路13の判定結果に基づいて、デー
タ置換回路18が判定器16、17の判定データをπK/2
(Kは正または負の整数、Kは、位相誤差θeの大きさ
の範囲および向きに応じて設定する)シフトしたデータ
に置換することにより正しい受信データを得ることがで
きる。
【0047】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明のデータ受信装置は、受信された変調信号の
中心周波数と局部発振器4の周波数との周波数誤差Δf
により、ベースバンド遅延検波回路12の出力にπ/4≦
|θe|の位相誤差θeが生じる場合でも、的確に自動
周波数制御を行なうことができ、Δfに起因する誤り率
特性の劣化を幅広く改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ受信装置における一実施例の構
成を示すブロック図、
【図2】前記装置のベースバンド遅延検波回路の出力す
る信号の信号点を表わす位相ダイアグラム(π/4≦|
θe|<π/2の場合)
【図3】前記装置の自動周波数制御回路における信号点
の補償方向を示す位相ダイアグラム、
【図4】前記装置のデータ置換回路でのデータ置換方法
を示す位相ダイアグラム、
【図5】従来のデータ受信装置の構成を示すブロック
図、
【図6】ベースバンド遅延検波回路の出力信号の信号点
を表わす位相ダイアグラム(θe=0の場合)、
【図7】ベースバンド遅延検波回路の出力信号の信号点
を表わす位相ダイアグラム(θe<π/4の場合)であ
る。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 受信用ルートナイキスト・バンドパス・フィルタ 3 リミタアンプ 4 局部発振器 5 π/2移相器 6、7 乗算器 8、9 ローパスフィルタ 10、11 A/D変換器 12 ベースバンド遅延検波回路 13 ゼロクロス判定回路 14 タイミング再生回路 15 自動周波数制御回路 16、17 判定器 18 データ置換回路 19 並列直列変換器 20 受信データ出力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−212422(JP,A) 特開 平7−212423(JP,A) 特開 平7−212424(JP,A) 特開 平6−224960(JP,A) 特開 平3−128550(JP,A) 特表 平6−508495(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信した被変調信号の直交検波に使用す
    る局部発振器と、前記被変調信号の変調位相差における
    余弦および正弦を同相成分および直交成分として出力す
    るベースバンド遅延検波回路と、前記被変調信号の中心
    周波数と前記局部発振器の発振周波数との間の周波数差
    に起因して前記同相成分および直交成分に生じる位相誤
    差θeを補償する自動周波数制御回路と、前記自動周波
    数制御回路の出力を判定する判定器とを備えるπ/4シ
    フトQPSK変調方式のデータ受信装置において、 前記ベースバンド遅延検波回路の出力に生じている前記
    位相誤差θeの大きさの範囲とその向きとを、ゼロクロ
    スの情報を用いて判定するゼロクロス判定手段と、 前記ゼロクロス判定手段が前記位相誤差θeの大きさを
    π/4≦|θe|と判定したとき、前記判定器の出力デ
    ータを、位相誤差θeの向きと逆方向にπK/4(Kは
    整数)シフトしたデータに置換するデータ置換手段とを
    設けたことを特徴とするデータ受信装置。
  2. 【請求項2】 前記ゼロクロス判定手段が、位相ダイア
    グラムのI軸またはQ軸を横切る信号の数に基づいて、
    前記位相誤差θeの大きさの範囲とその向きとを判定す
    ることを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。
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