JPH1135392A - 紡錘形をしたシリコン製品の反転昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送台車上に水平に載せられたワークを階上
へ運んだり、階上から階下へ下ろし水平に反転させて搬
送台車上に水平に載せる搬送及び載置の動作を全て機械
によって行うことが出来る装置を提供する。 【解決手段】 鉛直に起立した支柱１に沿って昇降手段
により上下されるスライドベース部２と、そのスライド
ベース部の下側を支点として水平位置と垂直位置の２個
所に反転動作する反転部３と、その反転部に所定の間隔
をおいて取付けた一対のチャック部４，４’で構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は紡錘形をしたシリコ
ン製品の反転昇降装置に関し、詳しくは半導体インゴッ
トを引き上げ機から取り出して搬送台車上に水平に移載
したり、搬送台車上に水平に支持された光ファイバー用
母材を掴んで垂直に反転させるための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】成形装置によって製造される紡錘形状の
半導体インゴットや光ファイバー用母材は、成形装置や
加工装置から取り出して次の加工工程に運ぶのに搬送台
車が使用される。例えば、半導体インゴットであれば引
き上げ装置から取り出して搬送台車上に水平に支持した
り、搬送台車上に水平に載置された光ファイバー用母材
を掴んで階上（２階）へ持ち上げて焼結設備の搬送用ク
レーンにセツトしたりするが、その成形装置や加工装置
から成形又は加工されたワークを取り出し、これを所定
の台車上に水平に載置したり、搬送台車上のワークを掴
んで階上へ持ち上げて所定の設備にセットしたりする作
業は人間の手作業によって行われているのが実情であ
る。

【０００３】しかし乍ら、上記したワークは近年大形化
し、例えば光ファイバー用母材では直径３７０ｍｍ、全
長３０００ｍｍ、重量２００ｋｇといったワークも存在
し、しかもそれらワークは高温であるものもあり、人間
が手で持って作業を行うことは非常に重労働で、作業環
境は決して良いとは言えない。又、上記したワークは大
形化に伴いその価格も高額なものとなり、そうしたワー
クを手作業で取り扱うには危険性も大で、その為改善が
望まれている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その課
題とするところは、搬送台車上に水平に載せられたワー
クを鉛直に立てて階上へ運んだり、階上から垂直に立て
て階下へ下ろし水平に反転させて搬送台車上に水平に載
せる反転昇降の動作を全て機械によって行うことが出来
る装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成する為に
本発明が講じた技術的手段は、円柱状で少なくとも一方
端が紡錘形をしたワークを、搬送台車上に水平に載置さ
れた状態から該ワークを鉛直に反転させて鉛直方向に上
昇させたり、成形されたワークを鉛直状態で垂直下方に
下降し搬送台車上に水平に載せる装置で、鉛直に起立し
た支柱に沿って昇降手段により上下されるスライドベー
ス部と、そのスライドベース部の下側を支点として水平
位置と垂直位置の２個所に反転動作する反転部と、その
反転部に所定の間隔をおいて取付けた上下一対のチャッ
ク部とで構成されている。

【０００６】上記支柱は鉛直方向に移送しようとするワ
ークに応じて複数階に亘って鉛直状に起立固定する。例
えば、１階の床面に下端を固定して２階、３階へ突き抜
けて起立固定し、その支柱の表面に沿って直線ガイド
（ＬＭガイド）が設置され、この直線ガイド（ＬＭガイ
ド）に沿ってスライドベース部が上下される。スライド
ベース部は金属製の角パイプ等で構成され、そのスライ
ドベース部の下部に反転部の下側が回動可能に取付けら
れ、反転部の上部は前記スライドベース部との間隔が接
近／離間可能に連結されている。そして、その反転部に
は長さ方向に間隔をおいてワークを保持する一対のチャ
ック部が取付けられている。

【０００７】支柱に沿ってスライドベース部を上下させ
る昇降手段としては、その昇降のストロークが短い構造
の場合はボールネジ機構を、ストロークが長い構造の場
合は電動チェーンブロックが好適である。尚、他にラッ
クとピニオン、或いは無端回動するチェーン等が挙げら
れる。又、スライドベース部の下部を支点として反転部
を水平位置と垂直位置に反転させる反転手段としては、
ボールネジ機構とリンク機構との組み合わせ、或いは電
動チェーンブロック等が挙げられる。

【０００８】更に、反転部に設けられる一対のチャック
部は、予め一定の間隔をおいて固定してもよいが、搬送
に供されるワークの寸法（長さ）が変わるような場合は
一対のチャック部の一方又は両方を反転部の長さ方向に
沿って移動可能とし、ワークに応じてチャック部の間隔
を広狭調節し得るようにすると便利である。又、反転部
に設けられる一対のチャック部はワークの両側部を把持
するためのチャックで、水平状態から鉛直状態に反転す
る為、反転部の支点側に近いチャック部はワークの紡錘
形をした傾斜部を把持して落下しないようにしてある。
そして、チャック部を構成する左右のチャックは開閉可
能とし、トルクリミッタにより該チャックの閉動作が制
限されるようになっている。

【０００９】上記の手段によれば、鉛直に起立固定され
た支柱に沿って上下するスライドベース部を昇降手段に
よって下限位置又は上限位置に移動させ、その位置で反
転手段を作動させれば一対のチャック部を備えた反転部
はスライドベース部の下部を支点として水平状態に反転
する。そして、その位置で反転部に取付けられた一対の
チャック部を夫々開いてワークの所定箇所にセットし、
チャックを閉じてワークを把持する。ワークを把持した
後反転手段を作動してワークを保持した反転部を水平状
態から鉛直状態に反転し、反転完了後、スライドベース
部を昇降手段によって上昇又は下降させれば、ワークを
１階から２階へ、或いは２階から１階へ移送できると共
に、水平状態に載置でき、しかもその一連の動作を機械
によって行うことが出来る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１乃至図４はスライドベース部
を上下させる昇降手段が電動チェーンブロックで、反転
部を反転させる反転手段がボールネジ機構とリンクとの
組み合わせで構成された反転昇降装置で、図中、１は床
面に鉛直に起立固定した支柱、２は支柱１に沿って上下
昇降可能に取付けられたスライドベース部、３は前記ス
ライドベース部２の下部に起伏回動可能に取付けられた
反転部、４，４’は前記反転部３に取付けられた一対の
チャック部でワークＷの両側部を把持するものである。

【００１１】支柱１はベースプレート１０１の上面に断
面角形の金属製角パイプ１０２を鉛直に起立固定して構
成され、その高さは図示するように１階の天井を突き抜
けて２階に突出する長さとし、それにより１階から２階
へ、或いは２階から１階へワークＷを移送し得るように
してある。そして、その支柱１の角パイプ１０２の外周
面にはスライドベース部２を該支柱１に沿って上下方向
に案内する直線ガイド（ＬＭガイド）５が固定されると
共に、該支柱１の上部には前記スライドベース部２を直
線ガイド５に沿って上下昇降させる駆動源の電動チェー
ンブロック６が吊下げ取付けられ、その電動チェーンブ
ロック６のチェーン６０１にスライドベース部２の上部
が連結されている。支柱１に取付ける直線ガイド（ＬＭ
ガイド）５の長さは、後述するスライドベース部２の鉛
直方向への移動距離に応じて設定する。

【００１２】スライドベース部２はチャック部により掴
まれているワークＷを鉛直状態で上下に移動させる為の
機構部で、断面角形の金属パイプの長手方向に沿った外
周面に前記直線ガイド（ＬＭガイド）５と係合する係合
体１６が所定の間隔をおいて上下２箇所に固定され、そ
のスライドベース部２の下部に、スライドベース部２と
同様細長棒状をなした反転部３の一側端が連結片７、及
び軸７’を介して上下回動可能に連結され、更にその反
転部３を水平状態から鉛直状態に、又はその逆の状態に
反転動作させる反転機構９がスライドベース部２と反転
部３とに亘って架設されている。

【００１３】上記反転部３は金属製の角パイプ等で細長
棒状に形成され、その長さ方向の両側部にワークＷを掴
む一対の開閉可能なチャック部４，４’が取付けられて
いる。その一対のチャック部４，４’は、図示するよう
に円柱状の両側部が紡錘形状をしたワークＷの傾斜部を
径方向外側から挟持するもので、略Ｖ字形をした左右一
対の挟持体４０１，４０２の開閉動作によってワークＷ
の挟持、開放が行われるようになっており、且つ一対の
チャック部４，４’は反転部３の長さ方向に沿って移動
調節可能に取付けられ、ワークＷの長さに応じて一対の
チャック部４，４’の間隔を調整できるようにしてあ
る。

【００１４】チャック部４，４’を構成する夫々左右一
対の挟持体４０１，４０２を開閉させる開閉機構は、反
転部３の軸心と直交させて外周面に配置固定した支持枠
４０３に定位置回転自在に架設した台形ネジ４０４
と、、その台形ネジ４０４を回転作動させるモータ４０
５と、前記台形ネジ４０４の左右に位置させて該台形ネ
ジ４０４と平行に配置した案内杆４０６と、前記台形ネ
ジ４０４と螺合し案内杆４０６と係合する可動体４０
７，４０７’とで構成され、その可動体４０７，４０
７’に挟持体４０１，４０２が取付けられている。上記
構成により、モータ４０５が駆動することで台形ネジ４
０４が作動して可動体４０７，４０７’を案内杆４０６
に沿って接近、離反する方向に移動させ、チャック部
４，４’の挟持体４０１，４０２が開閉される。尚、前
記台形ネジ４０４はモータ４０５による駆動の他に、手
回しハンドルを装備して手動によって操作できるように
してもよい。

【００１５】又、上記チャック部４，４’を反転部３の
長さ方向に沿って移動させる移動機構８は、図４に示す
ようにボールネジ８０１と直線ガイド（ＬＭガイド）８
０２とで構成され、そのボールネジ８０１がモータ８０
３で正逆方向に回転されることでチャック部４，４’を
取付けた支持枠４０３が反転部３の長さ方向に沿い接
近、離反する方向に移動され、チャック部４，４’相互
間の間隔が調整され、長さの異なるワークＷに対応でき
るように構成されている。

【００１６】上記一対のチャック部４，４’を備えた反
転部３を水平位置と鉛直位置の２ヶ所に反転させる反転
機構９は、前記したスライドベース部２に沿ってその外
周面に取付けたボールネジ９０１と直線ガイド（ＬＭガ
イド）９０２、そのボールネジ９０１と螺合し直線ガイ
ド（ＬＭガイド）９０２と係合して移動する可動体９０
３と前記した反転部３の長さ方向の略中間位置とを連結
する連結杆９０４とで構成され、ボールネジ９０１がモ
ータ９０５によって正逆方向に回転されることで可動体
９０３が直線ガイド（ＬＭガイド）９０２に沿って上下
され、可動体９０３に連結された連結杆９０４を介して
反転部３をスライドベース部２との連結部を支点として
起伏回動させる。それにより、図２に示すように搬送台
車Ｘに水平に載置されたワークＷは、スライドベース部
２を所定位置まで下げ、その位置で反転機構９を動作し
て反転部３を水平位置に倒し、反転部３に装備された一
対のチャック部４，４’を開いてワークＷを掴み、しか
る後反転機構９を動作させてワークＷを鉛直に支持す
る。

【００１７】図５はスライドベース部を支柱１に沿って
上下する昇降手段がボールネジ機構で構成された実施の
形態を示し、支柱１の外周面に沿ってボールネジ１０を
鉛直に取付け、そのボールネジ１０と螺合する可動体１
１を前記した実施の形態で示した支柱１の外周面に取付
けた直線ガイド（ＬＭガイド）５に係合する係合体１２
に連結固定し、ボールネジ１０をモータ１３で駆動する
ように構成してある。上記の構成により、モータ１３を
正逆回転することで可動体１１が直線ガイド（ＬＭガイ
ド）５に沿って移動され、スライドベース部２は支柱１
に沿って上下方向に昇降する。このボールネジ機構によ
る昇降手段はスライドベース部の移動ストロークが短い
ものに有効である。尚、図５において前記した実施の形
態と同じ部材については同一の符号を付し、説明を省略
する。

【００１８】図６は反転部３を反転させる反転機構９が
電動チェーンブロックで構成された実施の形態を示し、
その構成は支柱１に沿って上下方向に昇降するスライド
ベース部２の上部に電動チェーンブロック１４を垂下取
付け、その電動チェーンブロック１４のチェーン１４’
は該電動チェーンブロック１４の下方に位置してスライ
ドベース部２に固定した滑車１５を介して反転部３にお
ける回転中心と反対側端部に連結固定されている。従っ
て、電動チェーンブロック１４のチェーン１４’を繰り
出せば反転部３は軸７’を中心として下向きに反転し、
逆にチェーン１４’を巻き取れば水平状の反転部３は軸
７’を中心として上向きに引き起こされ、同図の実線で
示す鉛直状態に保持される。尚、図６において前記した
実施の形態で示したと同じ部材については同じ符号を付
し、説明を省略する。又、上述した各実施の形態におい
て一対のチャック部４，４’を接近、離反させるボール
ネジのネジ形状を台形ネジとすることで、該ボールネジ
を回転させるブレーキ付モータのブレーキが万一故障し
た場合でもチャック部が自重で落下するのを防止するこ
とが出来る。

【００１９】上述した実施の形態で反転部３に装備した
チャック部４，４’はワークＷの紡錘形をした傾斜部と
ワークＷのストレート部を掴む状態を示したが、該ワー
クＷを水平状態と鉛直状態に反転させる為、少なくとも
ワークＷの落下を防止することを考えた場合は、反転の
支点となる側に近いチャック部はワークＷの傾斜部を掴
むようにすると好適である。尚、ワークＷの傾斜部を掴
むことでワークＷへのストレスを軽減できる。

【００２０】

【発明の効果】本発明の反転昇降装置は請求項１に記載
の構成により、搬送台車上に水平に載せられたワークを
鉛直に立てて階上へ運んだり、階上から垂直に立てて階
下へ下ろし水平に反転させて搬送台車上に水平に載せる
反転昇降の動作を全て機械によって行うことが出来る。
又、請求項２に記載の構成とした場合は、スライドベー
ス部の上下方向への移動距離が短い装置に好適である。
更に、請求項３に記載の構成とした場合は、スライドベ
ース部の上下方向への移動距離が長い装置に好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る反転昇降装置の一例を示す正面図
である。

【図２】図１の反転部を水平に倒して搬送台車上のワー
クを掴む状態を示す拡大正面図である。

【図３】ワークを掴んだ反転部を鉛直に起こして鉛直方
向に上昇する状態を示す拡大正面図である。

【図４】（ａ）は図２の側面図、（ｂ）は図３の側面図
である。

【図５】スライドベース部を昇降させる手段がボールネ
ジ機構で構成された反転昇降装置の正面図である。

【図６】反転部を反転させる反転機構が電動チェーンブ
ロックで構成された反転昇降装置の正面図である。

【符号の説明】

１…支柱 ２…スライドベース部 ３…反転部 ４，４’…チャック部 ｗ…ワーク Ｘ…搬送台車

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｂ６５Ｇ 47/22 Ｎ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送台車上に水平に載置されたワークを
   掴んで階上へ持ち上げて所定の成形設備の搬送用クレー
   ンにセットしたり、成形装置で成形済のワークを階下へ
   降ろして搬送台車上に水平に載置セットするための装置
   であって、鉛直に起立した支柱に沿って昇降手段により
   上下されるスライドベース部と、そのスライドベース部
   の下側を支点として水平位置と垂直位置の２個所に反転
   動作する反転部と、その反転部に所定の間隔をおいて取
   付けられた上下一対のチャック部を備えてなることを特
   徴とする紡錘形をしたシリコン製品の反転昇降装置。
2. 【請求項２】 上記スライドベース部を支柱に沿って上
   下させる昇降手段がボールネジ機構である請求項１記載
   の紡錘形をしたシリコン製品の反転昇降装置。
3. 【請求項３】 上記スライドベース部を支柱に沿って上
   下させる昇降手段がチェーンブロックである請求項１記
   載の紡錘形をしたシリコン製品の反転昇降装置。