JPH1135378A - 複合組織材料 - Google Patents

複合組織材料

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JPH1135378A
JPH1135378A JP9208623A JP20862397A JPH1135378A JP H1135378 A JPH1135378 A JP H1135378A JP 9208623 A JP9208623 A JP 9208623A JP 20862397 A JP20862397 A JP 20862397A JP H1135378 A JPH1135378 A JP H1135378A
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crystal
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phase
grains
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JP9208623A
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Katsunori Yamada
勝則 山田
Yuko Matsubara
由布子 松原
Nobuo Kamiya
信雄 神谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温強度,破壊靱性,耐衝撃性,耐熱衝撃
性,耐クリープ性といった機械的特性と,室温強度,耐
繰り返し疲労特性,超塑性変形性といった機械的特性,
更には熱伝導性とが並立した,複合組織材料を提供する
こと。 【解決手段】 結晶粒110が結合した第一結晶相11
と,該第一結晶相11の結晶粒110の粒子径より小さ
い粒子径を有する結晶粒120が結合した第二結晶相1
2とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,セラミック材料,金属材料より
なる複合組織材料に関する。
【0002】
【従来技術】金属材料,セラミック材料よりなる多結晶
材料として,材料粉末を成形,焼成するか,又は溶融し
た材料を鋳造して所望の形状となした多結晶の材料が一
般的に知られている。
【0003】このような多結晶材料の組織は大小の結晶
粒がランダムに集合することにより構成されており,焼
成(溶融)温度,時間が同一の場合,該結晶粒の大きさ
は原料として利用した材料粉末の粒径に対応した大きさ
となる。即ち,材料粉末として微細な粉末を用いた場合
には平均的に結晶粒の小さな多結晶材料を得る。粗大な
材料粉末を使用した場合には平均的に結晶粒の大きな多
結晶材料を得る。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記多結晶材
料において,結晶粒が小さなものは室温強度,耐熱衝撃
性,耐衝撃性,耐繰り返し疲労特性,超塑性変形性とい
った機械的特性に優れているが,高温強度,耐磨耗性,
破壊靱性,耐クリープ性といった機械的特性や熱伝導性
は低下する。結晶粒が大きなものは,これと反対の状態
となる。
【0005】本発明は,かかる問題点に鑑み,高温強
度,破壊靱性,耐衝撃性,耐熱衝撃性,耐クリープ性と
いった機械的特性と,室温強度,耐繰り返し疲労特性,
超塑性変形性といった機械的特性,更には熱伝導性とが
並立した,複合組織材料を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,結晶粒が結合し
た第一結晶相と,該第一結晶相の結晶粒の粒子径より小
さい粒子径を有する結晶粒が結合した第二結晶相とから
なる複合組織材料にある。
【0007】上記第一結晶相及び第二結晶相としては,
例えば,金属,セラミックよりなる組織を挙げることが
できる。上記第一結晶相及び第二結晶相のセラミック材
料としては,金属及び希土類元素から選択される元素の
窒化物,珪化物,炭化物,硼化物,酸化物,硫化物及び
それらの複合化合物を挙げることができる。
【0008】具体的には,例えば,窒化珪素,炭化珪
素,炭化チタン,窒化チタン,酸化チタン,硼化チタ
ン,アルミナ,窒化アルミ,スピネル,窒化硼素,酸化
亜鉛,ムライト,ジルコニア,サイアロン,ガラス,ホ
ウケイ酸ガラス,チタン酸ジルコン酸鉛,チタン酸鉛,
チタン酸バリウム,コーディエライトを挙げることがで
きる。
【0009】また,金属材料としては,元素周期表にお
ける金属,半金属,半導体,希土類元素からなる純金属
とその合金材料及び金属酸化物を挙げることができる。
具体的には,例えば,鉄,ステンレス,アルミニウム,
銅,マグネシウム,ニッケル,マンガン,クロム,チタ
ン,銀,金,アルミニウム,コバルト,ハフニア,イン
ジウム,モリブデン,ナトリウム,白金,錫,タンタ
ル,タングステン,亜鉛,ジルコン及びこれらの合金を
挙げることができる。
【0010】また,上記第一結晶相と第二結晶相とを同
じ材料より構成することが好ましい。これにより,結晶
粒径の制御による複数の特性の並立化が容易になると共
に,複合組織化に伴う特性又は焼結性の低下等の悪影響
を小さくすることができる。なお,上記「同じ材料」と
は,主要成分が同一化学式で表現されることを意味す
る。例えば,窒化珪素で考えれば,窒化珪素のα窒化珪
素とβ窒化珪素は同じ材料とみなすことができる。
【0011】また,上記第一結晶相及び第二結晶相が例
えば固溶体などの複数元素よりなる物質であってもよ
い。この場合,第一結晶相と第二結晶相の組成が厳密に
一致しなくとも,含有元素の組成割合が若干異なってい
てもよい。例えば,窒化珪素で考えれば窒化珪素にアル
ミニウム,酸素が固溶したサイアロンは同一材料とみな
す。
【0012】また,上記第一結晶相と第二結晶相との割
合は,両結晶相があわせて100体積%である場合,第
一結晶相を40〜98体積%,第二結晶相を2〜60体
積%とすることが好ましい。また,構造によってはそれ
らの割合が入れ替わってもよい。
【0013】また,上記第一結晶相が複合組織材料のマ
トリクスを形成し,上記第二結晶相が三次元ネットワー
ク又は連続的に繋がった構造を形成して,上記第一結晶
相の結晶粒界中に分散した状態となることが好ましい。
これにより,粒径がより小さい第二結晶相が担う特性が
より発現されやすくなる。また,上記第一結晶相が三次
元ネットワークを形成していてもよい。
【0014】また,上記第一結晶相及び第二結晶相が共
に三次元ネットワークを形成することもある。つまり,
双方の結晶相が共にマトリックスであり,分散材となっ
た状態である。上記三次元ネットワークは連続的に繋が
っていても,部分的に不連続であってもよい。
【0015】上記第一結晶相及び第二結晶相はそれぞれ
単結晶の第一結晶粒及び第二結晶粒が多数集積すること
により形成されている。そして,上記第一結晶粒の平均
粒径は第二結晶粒の平均粒径の1.2〜1000倍であ
ることが好ましい。1.2倍未満である場合には,第一
結晶相と第二結晶相の特性の相違が小さくなるおそれが
ある。一方,1000倍より大きい場合には,上記第二
結晶相の緻密性が低下しやすくなると共に,焼成が困難
となるおそれがあり,前記の機械的特性が並立し難くな
るおそれがある。即ち,複合組織化による機械的特性の
低下を招きやすくなるおそれがある。
【0016】尚,第一結晶相の結晶粒は平均して第二結
晶相の結晶粒より大きいのであって,個々の結晶粒につ
いていえば,時には同程度の大きさのものが第一結晶相
内に及び第二結晶相に含まれていてもよい。また,第一
結晶相の少なくとも一部が単結晶相であってもよい。ま
た,上記第一結晶粒の粒径は,0.1〜500μmであ
ることが好ましい。また,第二結晶粒の粒径は,0.0
1〜200μmであることが好ましい。
【0017】更に,耐熱性の高く,高温で安定して第二
結晶粒の粒成長を抑制する第三結晶相を上記第二結晶相
に分散させてもよい。この第三結晶相は上記第二結晶相
に対し,1〜50体積%で分散されていることが好まし
い。また,上記第三結晶相を構成する結晶粒は,第二結
晶相と同程度かそれ以下の大きさであることが好まし
い。
【0018】また,上記第三結晶相を構成する物質とし
ては,炭化珪素,IVb,Vb,VIb族の炭化物,硼
化物,窒化物,珪化物等を使用することが好ましい。ま
た,本発明にかかる複合組織材料において第二結晶相に
第三結晶相を分散させる場合,第三結晶相は第二結晶相
の粒界に存在しても,粒内に存在してもよい。
【0019】上記第三結晶相により,第二結晶相の粒成
長が抑制される。このため,製造プロセス中あるいは使
用中に第二結晶相の結晶粒が成長し,粒径が大となり,
室温強度,耐繰り返し疲労特性,超塑性変形性という特
性が失われることを防止することができる。更には,第
三結晶相による粒子強化作用も発現できる。
【0020】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明にかかる複合組織材料は,結晶粒が大きい第一結晶
相と,結晶粒が小さい第二結晶相とが混在した状態にあ
る。
【0021】このため,本発明にかかる複合組織材料
は,結晶粒が大きい第一結晶相の特性である優れた高温
強度,破壊靱性,耐クリープ性及び熱伝導性と,結晶粒
が小さい第二結晶相の特性である優れた室温強度,耐繰
り返し疲労特性,耐衝撃性,耐熱衝撃性,超塑性変形性
とを共に有する。
【0022】この効果は,第一結晶相及び/又は第二結
晶相が三次元ネットワーク構造を形成するときに大きく
なると考えられる。これは三次元ネットワーク構造が一
種の骨格的な役割を果たすため,上記特性が発現されや
すくなるためである。また,熱伝導性と機械的特性とを
同時に発現するためには,結晶粒径の大きい相(単結晶
相でも可)が連続的な三次元ネットワーク構造を形成す
ることが好ましい。このネットワーク構造が熱伝導パス
の役目をする。
【0023】以上のように,本発明によれば,高温強
度,破壊靱性,耐衝撃性,耐熱衝撃性,耐クリープ性と
いった機械的特性と,室温強度,耐繰り返し疲労特性,
超塑性変形性といった機械的特性,更には熱伝導性とが
並立した,複合組織材料提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる複合組織材料につき,試料
1−1及び比較試料C1−1,C1−2,図1〜図5,
表1を用いて説明する。本例の複合組織材料1は,図1
〜4に示すごとく,結晶粒110が結合した第一結晶相
11と,第一結晶相11の結晶粒110の粒子径よりも
小さい粒子径を有する結晶粒120よりなる第二結晶相
12からなる。複合組織材料1は,上記第一結晶相11
と同じ材料よりなる第二結晶相12とが混在した状態に
ある。また,上記第二結晶相12には第三結晶相13が
分散されている。
【0025】即ち,図1に示すごとく,本例にかかる複
合組織材料は第一結晶相11間に第二結晶相12が入り
込んだ状態となっており,図2及び図3に示すごとく,
第一結晶相11を構成する結晶粒110は第二結晶相1
2を構成する結晶粒120よりも平均的に大きい。
【0026】尚,図2,図3はECR(Electro
n−cyclotron−resonance)により
プラズマエッチングした試料表面であり,図中において
観察される白い網目状の構造は結晶粒界相であり,この
白い網目状の構造によって取り囲まれた島状の黒色の部
位が結晶粒110,120である。
【0027】そして,図3に示す図面代用写真は細長い
形状の結晶粒と粒径が小さく円形の結晶粒(エッチング
が著しく進み穴があいたように特に黒くなった部分)と
が混在した状態を呈しているが,上記円形の結晶粒が第
三結晶相である。尚,図1〜図3に示す図面代用写真は
後述する試料1をSEMによって撮影したものである。
【0028】次に,本例にかかる複合組織材料の性能に
つき比較試料と共に説明する。本例にかかる複合組織材
料,試料1−1は,第一結晶相及び第二結晶相がSi3
4 よりなる。第一結晶相の結晶粒は粒径が0.5〜5
μm,第二結晶相の結晶粒は粒径が0.5〜1μmであ
る。そして,上記第三結晶相は粒径が0.4μm程度の
SiC組成の相である。
【0029】これと比較対照する比較試料C1−1は,
Si3 4 −5Y2 3 −5Al23 −20SiC組
成である。この比較試料C1−1は,Si3 4 ,Y2
3,Al2 3 ,SiCよりなる原料粉末を均一に混
合して焼結した材料である。また,比較試料C1−2は
試料1−1と同様の組成を有する。但し,第一結晶相と
第二結晶相とを構成する結晶粒の粒径が双方共に0.5
〜1μmである。
【0030】以上の3つの試料の超塑性変形性(160
0℃のN2 中で,4×10-51/sの歪み速度で引張り
応力を負荷して評価)を測定した。この測定の経過と結
果について図5にかかる線図に記載した。また,表1に
は,これに加えて破壊靭性,クリープ変形速度について
の測定結果についても記載した。尚,この測定について
は実施形態例2に記載した方法と同様に行った。
【0031】図5及び表1によれば,試料1−1にかか
る複合組織材料は超塑性変形性,破壊靭性が共に大き
く,クリープ変形速度が小さく,耐クリープ性について
も優れた性能を有することが分かった。しかしながら,
比較試料C1−1,2は,試料1−1に比べて超塑性変
形性と破壊靱性が共に小さく,クリープ変形速度が大き
いことが分かった。これより,試料1−1のような複合
組織材料では高い超塑性変形性と破壊靱性及び高い耐ク
リープ性とが並立できることが分かった。
【0032】以下に本例にかかる作用効果について説明
する。本例の複合組織材料1は,図1〜図4に示すごと
く,大きな結晶粒110よりなる第一結晶相11と,小
さな結晶粒120よりなる第二結晶相12とが混在した
状態にある。このため,結晶粒110が大きい第一結晶
相11の特性である優れた破壊靱性,耐クリープ性と,
熱伝導性,結晶粒120が小さい第二結晶相12の特性
である優れた破壊強度,疲労強度,超塑性変形性とを共
に有する。
【0033】また,本例の複合組織材料1において第二
結晶相12には第三結晶相13が分散されている。上記
第三結晶相13により,第二結晶相12の粒成長が抑制
されるため,製造プロセス中に第二結晶相12の結晶粒
120が成長し,粒径が大となることを防止することが
できる。
【0034】以上のように,本例によれば,破壊靱性,
耐クリープ性といった機械的特性と,超塑性変形性とい
った機械的特性とが並立した,複合組織材料を提供する
ことができる。
【0035】この効果は第一結晶相又は第二結晶相の一
方,又は両相が連続三次元ネットワーク構造を形成して
いるほうがより強く発現する。これは,第一及び第二結
晶相が連続的に繋がった構造をとることによって,それ
ぞれの結晶相で発現する特性をより発現しやすくなると
考えられるためである。これによって高い熱伝導率との
並立も可能となる。
【0036】
【表1】
【0037】実施形態例2 次に,本例にかかる複合組織材料である試料2−1,2
について,比較試料C2−1,2と共に表2を用いて説
明する。ここに試料2−1,2は第一及び第二結晶相が
主としてSi3 4 ,第三結晶相は主としてSiCより
なる。
【0038】まず,試料2−1について説明する。粒径
0.2μm,比表面積が9m2 /gのSi3 4 を80
重量%,Y2 3を5重量%,Al2 3 を5重量%,
粒径が0.03μmのSiCを10重量%秤量し,これ
らをボールミルで湿式混合し,混合粉末を得た。上記混
合粉末を造粒して最大粒径50〜60μmの第一造粒粉
末を作製した。
【0039】また,粒径1.0μm,比表面積が6m2
/gのSi3 4 を90重量%,Y2 3 を5重量%,
Al2 3 を5重量%秤量し,これらをボールミルで湿
式混合し,混合粉末を得た。上記混合粉末を造粒して最
大粒径500μmの第二造粒粉末を作製した。
【0040】上記第二造粒粉末を40重量%,第一造粒
粉末を60重量%に秤量し,両者が壊れない条件で乾式
混合して原料粉末を調整した。尚,この乾式の混合は各
造粒粉末が壊れない緩い条件で行った。次に,この原料
粉末を金型に充填し,20MPaの押圧力で押圧し,直
径60mm,高さ10mm程度の円板状の成形体を得
た。そして,上記成形体を窒素ガス雰囲気下で1850
℃で60分間,加圧力20MPaでホットプレスして,
本例にかかる複合組織材料を得た。
【0041】また,試料2−2について以下に説明す
る。粒径0.05μm,比表面積が20m2 /gのSi
3 4 を90重量%,Y23 を5重量%,Al2 3
を5重量%に秤量し,これらをボールミルで湿式混合
し,混合粉末を得た。上記混合粉末を造粒して最大粒径
50〜60μmの第一造粒粉末を作製した。また,試料
2−1と同様にして第二造粒粉末を作製した。
【0042】上記第一造粒粉末を50重量%,第二造粒
粉末を50重量%に秤量し,両者が壊れない条件で乾式
混合して原料粉末を調整した。次に,この原料粉末を金
型に充填し,20MPaの押圧力で押圧し,直径60m
mφ,高さ10mmの円板状の成形体を得た。上記成形
体を窒素ガス雰囲気下で1750℃で240分間,雰囲
気圧9.5kg/cm2 でガス圧焼成した。以上により
本例にかかる複合組織材料を得た。
【0043】ここに,上記試料2−1,2の双方を切断
し,該切断面をECRプラズマエッチングした。この切
断面をSEM観察した。その結果,粒径が大であるSi
3 4 結晶粒からなる結晶粒団の周囲に,粒径が小さい
Si3 4 の結晶粒が三次元ネットワーク状に分布して
いる構造が確認できた。そして,上記三次元ネットワー
ク状のSi3 4 結晶粒と共に円形状の微細なSiCの
結晶粒が分散していることが確認された。
【0044】次に,比較試料C2−1について説明す
る。粒径0.2μmのSi3 4 を80重量%,Y2
3 を5重量%,Al2 3を5重量%,粒径0.3μm
のSiCを10重量%に秤量した。これらを均一にボー
ルミルで湿式混合して,造粒し,原料粉末を作製した。
上記原料粉末を用いて,試料2−1と同様に成形し,ホ
ットプレスした。以上により比較試料C2−1にかかる
材料を得た。
【0045】ここに,上記比較試料C2−1を切断し,
該切断面をECRプラズマエッチングした。この切断面
をSEMで観察した。その結果,Si3 4 と共に微細
なSiC結晶粒が均一に混在した組織を有することが分
かった。
【0046】また,比較試料C2−2について説明す
る。粒径0.2μmのSi3 4 を90重量%,Y2
3 を5重量%,Al2 3を5重量%に秤量し,これら
を造粒することなくそのまま均一にボールミルで湿式混
合して原料粉末を作製した。この原料粉末を用いて,試
料2−1と同様に成形し,ホットプレスした。以上によ
り試料C2−2にかかる材料を得た。
【0047】ここに,上記比較試料C2−2にかかる材
料を切断し,該切断面をECRプラズマエッチングし
た。この切断面をSEMで観察した。その結果,微細な
Si34 結晶粒からなる組織を有することが分かっ
た。
【0048】次に,上記試料2−1,2,比較試料C2
−1,C2の性能について評価する。まず,これらの試
料,比較試料について,破壊靭性(JlS R160
7;IF法),超塑性変形性(1600℃のN2 中で,
4×10-51/sの歪み速度で引張り応力を負荷して評
価),クリープ変形速度(JlS R1612)(14
00℃×300MPa;大気中)及び曲げ強度(JlS
R1601)を評価した。この結果を表2に記載す
る。
【0049】同表によれば,試料2−1,2にかかる複
合組織材料は破壊靭性,超塑性変形性,クリープ変形速
度,曲げ強度のいずれについても優れた性能を有するこ
とが分かった。
【0050】しかしながら,比較試料C2−1,2は試
料2−1,2に比べて室温強度が高いが,破壊靱性の値
が低く,クリープ変形速度が大きく,また,比較試料C
2−2については,超塑性変形性も小さいことが分かっ
た。このため,試料2−1,2のように粒径が小さいS
3 4 結晶粒からなる結晶粒団の周囲に,粒径が小さ
いSi3 4 の結晶粒が三次元ネットワーク状に分布す
る複合組織を形成することにより,高い超塑性変形性を
発現しながら,高い破壊靱性と耐クリープ性を発現でき
ることが分かった。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,高温強
度,破壊靱性,耐クリープ性といった機械的特性と,室
温強度,耐繰り返し疲労特性,超塑性変形性といった機
械的特性,更に熱伝導性とが並立した,複合組織材料を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1にかかる,複合組織材料の組織を
示す図面代用写真(580倍)。
【図2】実施形態例1にかかる,第一結晶相の組織を示
す図面代用写真(1150倍)。
【図3】実施形態例1にかかる,第二結晶相及び第三結
晶相の組織を示す図面代用写真(1150倍)。
【図4】実施形態例1にかかる,複合組織材料の組織の
状態を示す説明図。
【図5】実施形態例1にかかる,試料1−1,比較試料
C1−1,2の引っ張り応力と真歪みとの関係を示す線
図。
【符号の説明】
1...複合組織材料, 11...第一結晶相, 110,120...結晶粒, 12...第二結晶相, 13...第三結晶相,

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶粒が結合した第一結晶相と,該第一
    結晶相の結晶粒の粒子径より小さい粒子径を有する結晶
    粒が結合した第二結晶相とからなる複合組織材料。
JP9208623A 1997-07-16 1997-07-16 複合組織材料 Pending JPH1135378A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018123052A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 三菱電機株式会社 冶金用粉末およびその冶金用粉末を用いた成形品の製造方法

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018123052A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 三菱電機株式会社 冶金用粉末およびその冶金用粉末を用いた成形品の製造方法
US10702919B2 (en) 2016-12-28 2020-07-07 Mitsubishi Electric Corporation Method for manufacturing alloy molded product

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