JPH11353625A - ヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

ヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッド

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JPH11353625A
JPH11353625A JP15946098A JP15946098A JPH11353625A JP H11353625 A JPH11353625 A JP H11353625A JP 15946098 A JP15946098 A JP 15946098A JP 15946098 A JP15946098 A JP 15946098A JP H11353625 A JPH11353625 A JP H11353625A
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Japan
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yoke
gap
magnetic
magnetic field
field induction
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JP15946098A
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Hideo Oura
秀男 大浦
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果素子の静電気破壊を防止しつ
つ、高再生出力が得られるヨークタイプ磁気抵抗効果型
磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 ヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッド
において、磁界誘導ヨーク4に配設された磁気ギャップ
3に比べて、磁界誘導ヨーク4と磁気抵抗効果素子(MR
素子又はGMR素子)5との間の絶縁ギャップ6を大きく
設定する。すなわち、絶縁ギャップ5の膜厚Liは磁気
ギャップ3の膜厚Lmに比べて厚くなる。さらに、磁界
誘導ヨーク4に信号磁界収束部4Aa、4Baを配設す
る。また、磁気ギャップは5×10-5Ω・cm〜1×104Ω
・cmの範囲内で比抵抗値を有する導電性膜で形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヨークタイプ磁気抵
抗効果型磁気ヘッドに関する。特に本発明は、磁気記録
媒体に対向する磁気ギャップ及びヨークギャップが配設
された磁界誘導ヨーク(磁性体コア)と、ヨークギャッ
プ部分に配設された磁気抵抗効果素子(MR素子又はGMR
素子)とを備えたヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】データストレージ、磁気ディスク装置、
ビデオテープレコーダ(VTR)等に組み込まれた再生専
用磁気ヘッドとして、ヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気
ヘッドが知られている。図4はヨークタイプ磁気抵抗効
果型磁気ヘッドの概略断面構成図である。
【0003】ヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッド
は、基板101上に磁界誘導ヨーク(磁性体コア)10
4及び磁気抵抗効果素子102を備え構築される。磁界
誘導ヨーク104は、フロント側下層ヨーク104A、
リア側下層ヨーク104B、中間層ヨーク104C及び
上層ヨーク104Dで形成される。フロント側下層ヨー
ク104Aとリア側下層ヨーク104Bとの間は離間さ
れており、この間はヨークギャップ104Gとして使用
される。図示しない磁気記録媒体との対向面となるフロ
ント側下層ヨーク104Aと上層ヨーク104Dとの間
には磁気ギャップ103が配設される。リア側下層ヨー
ク104Bと上層ヨーク104Dとの間は中間層ヨーク
104Cを介して磁気的に接続される。
【0004】磁気抵抗効果素子102はMR素子又はGMR
素子で形成される。磁気抵抗効果素子102は磁界誘導
ヨーク104のヨークギャップ104G部分に絶縁ギャ
ップ105を介して配設される。前述の磁気ギャップ1
03、絶縁ギャップ105は、通常、無機絶縁体、詳細
にはAl2O3膜、Si02膜のいずれかで形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の磁気抵抗効果型
磁気ヘッドにおいては、以下の点について配慮がなされ
ていない。高記録密度化に対応し高出力の再生信号を得
るために、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁界誘導ヨーク
104と磁気抵抗効果素子102との間の絶縁ギャップ
105は磁気ギャップ103に比べて薄い膜厚で形成さ
れる。具体的には、絶縁ギャップ105は100〜300nm
の膜厚で形成される。更なる高記録密度化が進むにつ
れ、絶縁ギャップ105はより一層薄膜化される技術動
向にある。
【0006】しかしながら、例えばテープ状磁気記録媒
体の磁気情報を再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッドにお
いては、磁気記録媒体の高速走行で静電気が発生し、磁
界誘導ヨークに静電気が帯電する現象が多発した。特
に、フロント側下層ヨーク104Aは、周囲が無機絶縁
体で囲まれ電気的にフローティング状態であるために、
帯電しやすい。しかも、前述のように磁界誘導ヨーク1
04と磁気抵抗効果素子102との間の絶縁ギャップ1
05は薄膜化の傾向にあり、双方の間の間隙は非常に小
さい。このため、フロント側下層ヨーク104Aに帯電
した静電気が絶縁ギャップ105の絶縁耐圧を越えて磁
気抵抗効果素子102に流れ込み、静電気によるジュー
ル熱の発生で磁気抵抗効果素子102が溶けるなどの静
電気破壊が発生するおそれがあった。また、磁気抵抗効
果素子102としてGMR素子が使用される場合には、静
電気による磁場の発生で磁化特性が劣化し、GMR素子と
して動作しなくなる静電気破壊が発生するおそれがあっ
た。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものである。従って、本発明の目的は、磁気抵抗効果
素子の静電気破壊が防止できるヨークタイプ磁気抵抗効
果型磁気ヘッドを提供することである。特に、本発明の
目的は、磁界誘導ヨークに配設された磁気ギャップ、磁
界誘導ヨークと磁気抵抗効果素子との間に配設された絶
縁ギャップのそれぞれの間隙を最適化することにより、
磁気抵抗効果素子の静電気破壊が防止できるヨークタイ
プ磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することである。
【0008】さらに、本発明の目的は、磁界誘導ヨーク
に配設された磁気ギャップの材質を適正に選択すること
により、磁気抵抗効果素子の静電気破壊が防止できるヨ
ークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することで
ある。
【0009】さらに、本発明の目的は、前述の磁気抵抗
効果素子の静電気破壊を防止しつつ、磁気効率が向上で
き再生出力特性が向上できるヨークタイプ磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の第1の特徴は、ヨークタイプ磁気抵抗効
果型磁気ヘッドにおいて、磁気ギャップ及びヨークギャ
ップが配設された磁界誘導ヨークと、磁界誘導ヨークの
ヨークギャップ部分に磁気ギャップに比べて大きい絶縁
ギャップを介在して配設された磁気抵抗効果素子と、を
備えたことである。
【0011】磁気抵抗効果素子にはMR素子、GMR素子が
いずれも含まれる。磁気ギャップ、磁界誘導ヨークと磁
気抵抗効果素子との間の絶縁ギャップのそれぞれにはAl
2O3膜、SiO2膜のいずれかの無機絶縁体が実用的に使用
できる。磁界誘導ヨーク(磁気コア)には例えばCo系ア
モルファス膜が実用的に使用できる。磁界誘導ヨークは
電気的に接地されることが好ましい。特に、磁界誘導ヨ
ークはその周囲に配設されたシールド層(磁気シールド
層)に接地されることが好ましい。
【0012】このように構成されるヨークタイプ磁気抵
抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体の走行な
どで磁界誘導ヨーク、特に磁界誘導ヨークの磁気ギャッ
プとヨークギャップとの間(フロント側下層ヨーク)に
静電気による急激な帯電が生じた場合、磁気抵抗効果素
子に流れ込む静電気を阻止し、静電気は磁気ギャップを
通して磁界誘導ヨークに拡散(放出)できる。磁界誘導
ヨークと磁気抵抗効果素子との間の絶縁ギャップは磁気
ギャップに比べて大きく(膜厚が厚く)設定されている
ので、絶縁ギャップにおける電気的抵抗値が高くなり、
電気的抵抗値が小さい磁気ギャップを通して静電気は磁
界誘導ヨークに流れ込む。磁界誘導ヨークが接地されて
いる場合には磁界誘導ヨークに拡散された静電気はアー
スされる。従って、静電気が磁気抵抗効果素子に流れ込
まないので、磁気抵抗効果素子の静電気破壊が防止でき
る。
【0013】この発明の第2の特徴は、ヨークタイプ磁
気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、無機絶縁膜に比べて
比抵抗値が小さい磁気ギャップと、磁気ギャップ及びヨ
ークギャップが配設された磁界誘導ヨークと、磁界誘導
ヨークのヨークギャップ部分に無機絶縁膜で形成された
絶縁ギャップを介在して配設された磁気抵抗効果素子
と、を備えたことである。
【0014】磁気ギャップは5×10-5〜1×104Ω・cm
の範囲内で比抵抗値を有する導電性膜で形成されること
が好ましい。この比抵抗値を有する導電性膜には、ダイ
ヤモンドライクカーボン膜、ITO(好ましくは、In2O3
10wt%SnO2を主組成とするITO)膜が実用的に使用でき
る。
【0015】磁界誘導ヨークは電気的に接地されること
が好ましい。特に、磁界誘導ヨークはその周囲に配設さ
れたシールド層に接地されることが好ましい。
【0016】このように構成されるヨークタイプ磁気抵
抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体の走行な
どで磁界誘導ヨーク、特に磁界誘導ヨークの磁気ギャッ
プとヨークギャップとの間に静電気による急激な帯電が
生じた場合、磁気ギャップの比抵抗値が磁界誘導ヨーク
と磁気抵抗効果素子との間の絶縁ギャップの比抵抗値に
比べて小さいので、磁気抵抗効果素子に流れ込む静電気
を阻止し、静電気は磁気ギャップを通して磁界誘導ヨー
クに拡散できる。磁界誘導ヨークが接地されている場合
には磁界誘導ヨークに拡散された静電気はアースされ
る。従って、静電気が磁気抵抗効果素子に流れ込まない
ので、磁気抵抗効果素子の静電気破壊が防止できる。
【0017】この発明の第3の特徴は、前述の第1又は
第2の特徴に係るヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドにおいて、磁界誘導ヨークのヨークギャップ部分端に
信号磁界を収束させる信号磁界収束部を配設したことで
ある。信号磁界収束部は、磁気誘導ヨークのヨークギャ
ップ部分端面にテーパを形成した鋭角形状部で形成され
る。
【0018】このように構成されるヨークタイプ磁気抵
抗効果型磁気ヘッドにおいては、前述のように静電気破
壊を防止しつつ、信号磁界収束部で信号磁界が収束でき
るので、磁気効率が向上でき、再生出力特性が向上でき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、図面
を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1
は本発明の第1の実施の形態に係るヨークタイプ磁気抵
抗効果型磁気ヘッドの概略断面構成図である。データス
トレージ、磁気ディスク装置、ビデオテープレコーダ
(VTR)等、磁気記録再生装置に組み込まれた再生専用
磁気ヘッド、又は磁気再生装置に組み込まれた再生専用
磁気ヘッドには、高速再生走行(高速スキャン)に対し
て耐磨耗性に優れ、高記録密度化に適したヨークタイプ
磁気抵抗効果型磁気ヘッドが使用される。ヨークタイプ
磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、図1に示すように、基板
1上にシールド(磁気シールド)層2を介して磁界誘導
ヨーク(磁性体コア)4及び磁気抵抗効果素子5を備え
構築される。基板1は例えば2mmの板厚を有するAl-TiC
基板で形成される。シールド層2は例えば数μmの膜厚
を有するCo系アモルファス膜(磁性体)で形成される。
【0020】磁界誘導ヨーク4は、フロント側下層ヨー
ク4A、リア側下層ヨーク4B及び上層ヨーク4Cで形
成される。フロント側下層ヨーク4Aとリア側下層ヨー
ク4Bとの間は離間されており、この間はヨークギャッ
プ4Gとして使用される。図示しないが、高速走行する
磁気記録媒体(図1中、左側において走行する)との対
向面となるフロント側下層ヨーク4Aと上層ヨーク4C
との間には磁気ギャップ3が配設される。リア側下層ヨ
ーク4Bと上層ヨーク4Cとの間は磁気的に接続され
る。磁界誘導ヨーク4のフロント側下層ヨーク4A、リ
ア側下層ヨーク4B、上層ヨーク4Cのそれぞれは例え
ば数μmの膜厚を有する磁性体、好ましくはCo系アモル
ファス膜で形成される。磁気ギャップ3は例えば200〜3
00nmの膜厚を有する無機絶縁膜、好ましくはAl2O3膜又
はSiO2膜で形成される。
【0021】磁気抵抗効果素子5は本実施の形態におい
てMR素子で形成される。MR素子は、例えば20nmの膜厚を
有するCoZrMo膜(SAL)、20nmの膜厚を有するTa膜(中
間層)、20nmの膜厚を有するNi-Fe膜(MR膜)、磁区制
御用反強磁性膜(FeMn膜)のそれぞれを順次積層した複
合膜で形成される。磁気抵抗効果素子5においては、高
速走行する磁気記録媒体に記録された磁気情報に応じて
電気抵抗値が変化する。この電気抵抗値の変化は磁気抵
抗効果素子5に供給されるセンス電流の変化で検出で
き、磁気記録媒体に記録された磁気情報が再生できる。
図示しないが、磁気抵抗効果素子5の紙面に対して垂直
方向の一端側、他端側のそれぞれには前述のセンス電流
を供給しセンス電流の変化を検出するリード配線が電気
的に接続される。このリード配線は例えばMo膜で形成さ
れる。なお、磁気抵抗効果素子5には同様の機能を有す
るGMR素子が使用できる。
【0022】磁気抵抗効果素子5は磁界誘導ヨーク4の
ヨークギャップ4G部分に絶縁ギャップ6を介して配設
される。絶縁ギャップ6は、前述の磁気ギャップ3と同
様に無機絶縁体、詳細にはAl2O3膜、Si02膜のいずれか
で形成される。この絶縁ギャップ6は、磁気抵抗効果素
子5の周囲全体を覆い、かつ磁界誘導ヨーク4の周囲全
体を覆う無機絶縁体(実際には複数層の無機絶縁体で形
成される)の一部で形成される。
【0023】この図1に示すヨークタイプ磁気抵抗効果
型磁気ヘッドにおいて、磁界誘導ヨーク4のフロント側
下層ヨーク4Aと磁気抵抗効果素子5との間の絶縁ギャ
ップ6の膜厚Li、リア側下層ヨーク4Bと磁気抵抗効
果素子5との間の絶縁ギャップ6の膜厚Liはいずれも
磁気ギャップ3の膜厚Lmに比べて大きく(厚く)設定
される。絶縁ギャップ6、磁気ギャップ3はいずれも本
実施の形態においては同一の無機絶縁膜で形成されてい
るので、絶縁ギャップ6の電気的抵抗値は磁気ギャップ
3の電気的抵抗値に比べて大きくなる。
【0024】さらに、磁界誘導ヨーク4は基本的には電
気的に接地され、若しくは磁界誘導ヨーク4には所定の
固定電位が印加される。本実施の形態に係るヨークタイ
プ磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁界誘導ヨー
ク4は、それよりも体積が大きい(電流容量が大きい)
シールド層2に電気的に接続されており、図示しない
が、シールド層2は磁気記録再生装置又は磁気再生装置
の筺体に接地されている。
【0025】さらに、ヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気
ヘッドにおいては、磁界誘導ヨーク4においてフロント
側下層ヨーク4Aのヨークギャップ4G部分端、リア側
下層ヨーク4Bのヨークギャップ4G部分端にそれぞれ
信号磁界を収束させる信号磁界収束部4Aa、4Baが
それぞれ配設される。信号磁界収束部4Aa、4Ba
は、いずれもフロント側下層ヨーク4A端面、リア側下
層ヨーク4B端面にテーパを形成した鋭角形状部で形成
される。
【0026】このように構成されるヨークタイプ磁気抵
抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体の走行な
どで磁界誘導ヨーク4、特に磁界誘導ヨーク4の磁気ギ
ャップ3とヨークギャップ4Gとの間のフロント側下層
ヨーク4Aに静電気による急激な帯電が生じた場合、磁
気抵抗効果素子5に流れ込む静電気を阻止し、静電気は
磁気ギャップ3を通して磁界誘導ヨーク4の上層ヨーク
4Cに拡散(放出)できる。フロント側下層ヨーク4A
と磁気抵抗効果素子5との間の絶縁ギャップ6は磁気ギ
ャップ3に比べて大きく(膜厚が厚く)設定されている
ので、絶縁ギャップ6における電気的抵抗値が高くな
り、電気的抵抗値が小さい磁気ギャップ3を通して静電
気は上層ヨーク4Cに流れ込む。磁界誘導ヨーク4が接
地されている場合には上層ヨーク4Cに拡散された静電
気はアースされる。従って、静電気が磁気抵抗効果素子
5に流れ込まないので、磁気抵抗効果素子5の静電気破
壊が防止できる。
【0027】さらに、ヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気
ヘッドにおいては、前述のように静電気破壊を防止しつ
つ、信号磁界収束部4Aa、4Baで信号磁界を収束さ
せて磁気抵抗効果素子5を通過させることができるの
で、磁気効率を向上させることができ、再生出力特性を
向上させることができる。
【0028】(第2の実施の形態)本実施の形態は、前
述の第1の実施の形態に係るヨークタイプ磁気抵抗効果
型磁気ヘッドにおいて、磁気ギャップに若干の導電性を
備え、フロント側下層ヨークから上層ヨークに静電気を
放出し易くした場合を説明する。図2、図3はいずれも
本発明の第2の実施の形態に係るヨークタイプ磁気抵抗
効果型磁気ヘッドの概略断面構成図である。
【0029】図2に示すヨークタイプ磁気抵抗効果型磁
気ヘッドにおいては、磁界誘導ヨーク4、詳細にはフロ
ント側下層ヨーク4Aと上層ヨーク4Cとの間に、無機
絶縁膜に比べて比抵抗値が小さい材料で形成された磁気
ギャップ30が配設される。磁界誘導ヨーク4と磁気抵
抗効果素子5との間の絶縁ギャップ6は無機絶縁膜、詳
細には前述のようにAl2O3膜、Si02膜のいずれかで形成
される。
【0030】磁気ギャップ30は5×10-5Ω・cm〜1×
104Ω・cmの範囲内で比抵抗値を有する導電性膜で形
成されることが好ましい。この比抵抗値を有する導電性
膜にはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜、ITO(好
ましくは、In2O3−10wt%SnO2を主組成とするITO)膜の
いずれかが実用的に使用できる。
【0031】DLC膜は、例えばカーボンターゲットと、A
rガスにCH4ガスを混合したガス雰囲気とを使用する反応
性スパッタリングにより形成できる。このような方法で
成膜されたDLC膜においては1×103Ω・cm前後の比抵
抗値が容易に得られる。
【0032】また、ITO膜は、例えば酸化インジウム及
び酸化錫を主成分とするターゲットと、ArガスにO2ガス
を混合したガス雰囲気とを使用する反応性スパッタリン
グにより形成できる。このような方法で成膜されたITO
膜においては2×10-4Ω・cm〜10Ω・cm程度のDLC膜
に比べてさらに小さい比抵抗値が容易に得られる。比抵
抗値の調節は、O2ガス分圧の調節により、又酸化物添加
剤の調節とO2ガス分圧の調節とにより容易に行える。酸
化物添加剤には、Al2O3、CeO2が実用的に使用できる。
【0033】図3に示すヨークタイプ磁気抵抗効果型磁
気ヘッドにおいては、基本的には図2に示すヨークタイ
プ磁気抵抗効果型磁気ヘッドと同様に、無機絶縁膜に比
べて比抵抗値が小さい材料で形成された磁気ギャップ3
0が配設される。さらに、前述の図1、図2にそれぞれ
示すヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッドとは異な
り、フロント側下層ヨーク4A、リア側下層ヨーク4B
のそれぞれには特に信号磁界収束部4Aa、4Baが配
設されていないが、フロント側下層ヨーク4A、リア側
下層ヨーク4Bのそれぞれと重複して磁気抵抗効果素子
5が配設され、フロント側下層ヨーク4A、リア側下層
ヨーク4Bのそれぞれの角部で信号磁界が収束するよう
になっている。
【0034】このように構成されるヨークタイプ磁気抵
抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体の走行な
どで磁界誘導ヨーク4、特に磁気ギャップ30とヨーク
ギャップ4Gとの間のフロント側ヨーク4Aに静電気に
よる急激な帯電が生じた場合、磁気ギャップ30の比抵
抗値が磁界誘導ヨーク4と磁気抵抗効果素子5との間の
絶縁ギャップ6の比抵抗値に比べて小さいので、磁気抵
抗効果素子5に流れ込む静電気を阻止し、静電気は磁気
ギャップ30を通して上層ヨーク4Cに拡散できる。磁
界誘導ヨーク4が接地されている場合には上層ヨーク4
Cに拡散された静電気はアースされる。従って、静電気
が磁気抵抗効果素子5に流れ込まないので、磁気抵抗効
果素子5の静電気破壊が防止できる。
【0035】なお、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れない。例えば、本発明は、再生専用磁気ヘッドに記録
専用磁気ヘッドを備えた磁気ヘッドに適用できる。さら
に、本発明は、磁界誘導ヨーク4の上層ヨーク4C側に
ヨークギャップを配設し、このヨークギャップ部分に磁
気抵抗効果素子5を配設してもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明は、磁界誘導ヨークに配設された
磁気ギャップ、磁界誘導ヨークと磁気抵抗効果素子との
間に配設された絶縁ギャップのそれぞれの間隙を最適化
することにより、磁気抵抗効果素子の静電気破壊が防止
できるヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供で
きる。
【0037】さらに、本発明は、磁界誘導ヨークに配設
された磁気ギャップの材質を適正に選択することによ
り、磁気抵抗効果素子の静電気破壊が防止できるヨーク
タイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供できる。
【0038】さらに、本発明は、前述の磁気抵抗効果素
子の静電気破壊を防止しつつ、磁気効率を向上させるこ
とができ、再生出力特性を向上させることができるヨー
クタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るヨークタイプ
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの概略断面構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るヨークタイプ
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの概略断面構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るヨークタイプ
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの概略断面構成図である。
【図4】本発明の先行技術に係るヨークタイプ磁気抵抗
効果型磁気ヘッドの概略断面構成図である。
【符号の説明】
1 基板 2 シールド層 3、30 磁気ギャップ 4 磁界誘導ヨーク 4A フロント側下層ヨーク 4B リア側下層ヨーク 4C 上層ヨーク 4G ヨークギャップ 4Aa、4Ba 信号磁界収束部 5 磁気抵抗効果素子 6 絶縁ギャップ Li 絶縁ギャップの膜厚 Lm磁気ギャップの膜厚

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ギャップ及びヨークギャップが配設
    された磁界誘導ヨークと、 前記磁界誘導ヨークのヨークギャップ部分に前記磁気ギ
    ャップに比べて大きい絶縁ギャップを介在して配設され
    た磁気抵抗効果素子と、 を備えたことを特徴とするヨークタイプ磁気抵抗効果型
    磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 無機絶縁膜に比べて比抵抗値が小さい磁
    気ギャップと、 前記磁気ギャップ及びヨークギャップが配設された磁界
    誘導ヨークと、 前記磁界誘導ヨークのヨークギャップ部分に無機絶縁膜
    で形成された絶縁ギャップを介在して配設された磁気抵
    抗効果素子と、 を備えたことを特徴とするヨークタイプ磁気抵抗効果型
    磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁界誘導ヨークのヨークギャップ端
    部には信号磁界を収束させる信号磁界収束部が配設され
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヨー
    クタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
JP15946098A 1998-06-08 1998-06-08 ヨークタイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッド Pending JPH11353625A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6724587B2 (en) 2001-06-11 2004-04-20 International Business Machines Corporation Low temperature yoke type tunnel valve sensor
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JP2009025151A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Denso Corp 回転角度検出装置

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