JP2006092612A - 磁気記録再生システム、磁気抵抗型磁気ヘッド素子、及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録再生システム、磁気抵抗型磁気ヘッド素子、及び磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気記録媒体を除電路とせず、再生用磁気ヘッドの静電荷(静電気)を除去可能とし、優れた電磁変換特性と良好なシステム安定性の両立を図る。
【解決手段】フラックスガイド20を具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置と、磁気記録媒体とで構成される磁気記録再生システムにおいて、磁気抵抗型再生ヘッド素子は、静電荷を能率的に除去する、静電荷除去手段(12、29)を具備しているものとし、磁気記録媒体の磁性層形成面側の表面電気抵抗率は、1×108 Ω/sq〜1×1013Ω/sqであるものとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、高い電磁変換特性と優れたシステム安定性を両立可能な磁気記録再生システム、これを構成する磁気抵抗型磁気ヘッド素子、及び磁気記録媒体に関する。
近年、デジタル記録等により、記録媒体の情報量は増大化しており、今後更なる高密度化、短波長記録化が進められていくと考えられている。
これに伴い、磁気記録再生装置に適用される磁気記録媒体においては、短波長出力、及びC/N特性の向上を図るべく、磁気特性を改善させ、記録再生信号を劣化させるスページングロスやモジュレーションノイズを低減化させるべく、磁性層の薄層化と表面の平滑化が図られている。このために、薄層の磁性層を設けた磁気記録媒体が開発、商品化されてきた。
そして、今後更なる短波長記録化に対応するべく、誘導型再生ヘッドよりも高感度な磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)を搭載した記録再生システムが主流になると考えられている。
しかし、磁気抵抗型ヘッドのような高感度型の磁気ヘッドを適用する際には、従来の誘導型再生ヘッドでは起こらなかった素子の静電破壊(ESD)についての問題が顕在化する。
これは、磁気記録媒体と磁気ヘッドとが摺動する時に発生する静電荷、いわゆる静電気が、磁気ヘッドから除電される際、素子の内部を通過すること等によって発生するジュール熱であり、素子破壊の原因になるものである。そしてこれは、磁気ヘッドを搭載した磁気記録再生システムの動作そのものを破壊、停止させるおそれがある。
このような素子の静電破壊を防止するために、従来においては、種々の技術的手段が提案されてきた。
例えば、MR素子を、磁気ヘッドとの摺動面に露出させず、ヘッドの内部構造とした技術が挙げられる。これにより素子の静電破壊を効果的に回避でき、さらには素子の摩耗による特性変化や、摺動ノイズ等に起因する信頼性の低下をも防止することができる。
MR素子をヘッドの内部構造とする場合における、磁気記録媒体から信号磁束を誘導する手法としては、例えば、軟磁性薄膜よりなるフラックスガイド素子を磁気記録媒体側に設け、その一端部を、磁気記録媒体側に露出するようにし、このフラックスガイド素子を通じ、磁気記録媒体に記録された磁化パターンから発生する磁束、いわゆるフラックスを、MR素子へ誘導する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
従来の一般的なフラックスガイド型MRヘッドについて、以下、図を参照して説明する。
図49に示すフラックスガイド型MRヘッド10は、上下一対の磁気シールド層15、28間に設けられたシールド間ギャップ18a〜18c中に、MR素子22とフラックスガイド素子20とがそれぞれ配設された構造となっている。
フラックスガイド素子20は、その一端部が、MRヘッドの磁気記録媒体と対向する媒体対向面α1から外部に露出するように、媒体対向面α1に近接した位置に配設されている。そして、フラックスガイド素子20から離間した位置に、MR素子22が配設されており、MR素子22が媒体対向面α1から露出しないようになされている。
このフラックスガイド型MRヘッド10では、磁気記録媒体からの信号磁界が、フラックスガイド素子20を介してMR素子22に伝達される。
そして、MR素子22に伝達された信号磁界に応じてMR素子22の抵抗値が変化し、このMR素子22の抵抗変化が電圧変化として検出されることで、磁気記録媒体に書き込まれた磁気信号の読み取りが行われる。
このとき、上記のような構造のフラックスガイド型MRヘッド10では、MR素子22が媒体対向面α1から露出していないので、例えばテープ系の記録再生装置のように、磁気ヘッドが磁気記録媒体と接触することになる記録再生装置の再生用ヘッドとして用いられた場合でも、媒体対向面α1が摺動することで発生した静電荷が、媒体対向面α1に露出したMR素子22に直接流入し、MR素子22を破壊する可能性を大いに減少させる。
同時に、磨耗による特性変化や、摺動ノイズ等に起因する信頼性の低下等の問題を生じさせることなく、適切に磁気信号の読み取りを行うことができる。
このMRヘッド10の構成について、以下に説明する。
下部磁気シールド層15は、例えば、Ni−Fe系合金(パーマロイ)やFe−Si−Al系合金(センダスト)等の軟磁性材料が、第1の基板11上に、非磁性非導電下地層14を介して、例えば3μm程度の膜厚で成膜され、所定の形状に成形されてなるものである。
この下部磁気シールド層15は、上部磁気シールド層28と共に、磁気テープからの信号磁界以外の外乱磁界を遮断する機能を有している。
シールド間ギャップ18は、例えば、Al23等の非磁性非導電性材料が下部磁気シールド層15上に成膜されてなるものであり、本発明を適用したMRヘッドにおいては、このシールド間ギャップ18が、下部磁気シールド層15上に成膜された第1のギャップ膜18aと、この第1のギャップ膜18a上に成膜された第2のギャップ膜18bと、この第2のギャップ膜18b上に成膜された第3のギャップ膜18cとから構成されている。
一例として示すMR素子では、第1のギャップ膜18a上に、第2のギャップ膜18bに覆われるようにしてフラックスガイド素子20が形成され、第2のギャップ膜18b上に、第3のギャップ膜18cに覆われるようにMR素子22が形成されている。
フラックスガイド素子20は、磁気テープからの信号磁界を吸収して、吸収した信号磁界をMR素子22へと効率よく誘導するためのものであり、例えば、Ni−Fe系合金等の軟磁性材料が、シールド間ギャップ18を構成する第1のギャップ膜18a上に成膜され、その一端がMRヘッドの媒体接触面α1から外部に露出するように所定の形状に成形されてなるものである。
このフラックスガイド素子20は、下部磁気シールド層15までの距離と上部磁気シールド層28までの距離とが等しくなるシールド間ギャップ18の中間位置に設けられていることが望ましい。
すなわち、このMRヘッドにおいては、フラックスガイド素子20の下方に位置する第1のギャップ膜18aと、フラックスガイド素子20の上方に位置する第2のギャップ膜18bの膜厚、及び第3のギャップ膜18cの膜厚の和とが等しくされていることが望ましい。
このフラックスガイド素子20は、磁化容易軸がMRヘッドの媒体接触面α1に対して平行となるように、磁気異方性の制御がなされることが望ましい。
このようなフラックスガイド素子20の磁気異方性の制御は、例えば、フラックスガイド素子20となるNi−Fe系合金等の軟磁性材料を磁界中スパッタにより成膜すること、あるいはフラックスガイド素子20となるNi−Fe系合金等の軟磁性材料を成膜した後に、固定磁場中アニール(SFA:Static Field Anneal)処理を施すことによって行われる。
上述したように、フラックスガイド素子20の磁気異方性の制御を行うようにすれば、フラックスガイド素子20は、信号磁界に対するダイナミックレンジを大きくすることができる。
また、このフラックスガイド素子20は、下部磁気シールド層15及び上部磁気シールド層28と電気的に接続されるように形成されてもよい。
この場合には、媒体接触面から露出するフラックスガイド素子20と下部磁気シールド層15及び上部磁気シールド層28の全てが等電位となるため、これらの間での電気的短絡を未然に防止して、磁気信号の読み取りを適切に行うことができる。
なお、MRヘッドにおいては、上記のように、フラックスガイド素子20が媒体摺動面α1から露出し、このフラックスガイド素子20によって信号磁界を吸収するようになされているので、このフラックスガイド素子20の幅によりトラック幅が決定されることになる。
フラックスガイド素子20の幅方向の両端部には、このフラックスガイド素子20にバイアス磁界を印加するための一対のバイアス層が、それぞれ設けられている。
一対のバイアス層は、例えば、CoCrPt合金等の強磁性材料が、シールド間ギャップ18を構成する第1のギャップ膜18a上に成膜され、所定の形状に成形されることにより形成される。
フラックスガイド素子20は、このように幅方向の両端部に一対のバイアス層が設けられ、これら一対のバイアス層によりバイアス磁界が印加されることによって、磁区の安定化が図られることになる。
これら一対のバイアス層は、例えばCoCrPtにより薄膜状に形成されており、MRヘッドの製造段階で所定の方向に着磁されてなる。
これにより、一対のバイアス層は、フラックスガイド素子20に対してバイアス磁界を印加するよう機能する。
MR素子22は、外部磁界の変化に応じて抵抗値が変化するものであり、上述したように、フラックスガイド素子20よりも上層側、具体的には、シールド間ギャップ18を構成する第2のギャップ膜18b上に、媒体接触面α1から露出しないように設けられている。
そして例えば、MR素子22は、その媒体接触面α1側の一部が、シールド間ギャップ18を構成する第2のギャップ膜18b(電気的絶縁膜)を介して、フラックスガイド素子20の媒体接触面α1から離間した側の一部と、所定のオーバーラップ量をもってオーバーラップするように設けられることが望ましい。
すなわち、MRヘッドにおいては、MR素子22の媒体接触面α1側の一部とフラックスガイド素子20の媒体接触面α1から離間した側の一部とが、第2のギャップ膜18bを介して、積層方向に重なるような構造となっていることが望ましい。
MR素子22として、例えば、巨大磁気抵抗効果を示すスピンバルブ構造のGMR(Giant Magneto-Resistive)素子を用いてもよい。
スピンバルブ構造のGMR素子(MR素子22)は、例えば、図示は無いが、Pt−Mn合金等よりなる反強磁性層と、Ni−Fe系合金やCo、Co−Fe系合金、Co−Ni系合金、Ni−Fe−Co系合金等よりなる磁化固定層(ピン層)と、Cu等よりなる非磁性導電層と、Ni−Fe系合金やCo、Co−Fe系合金、Co−Ni系合金、Ni−Fe−Co系合金等よりなる磁化自由層(フリー層)とが積層されてなる積層膜として構成される場合もあり、ピン層の磁化方向が反強磁性層からのバイアス磁界によって固定され、フリー層の磁化方向が信号磁界に応じて回転するようになっている。
そして、MRヘッドのMR素子として、以上のようなスピンバルブ構造のGMR素子を用いる場合には、フラックスガイド素子に最も近い位置にフリー層が配置されるように、GMR素子を構成する各層が、順次積層形成されることになる。
MR素子の幅方向の両端部には、MR素子22のフリー層に対してバイアス磁界を印加し、このフリー層の磁区を単磁区化してバルクハウゼンノイズを抑制する機能と、MR素子22にセンス電流を供給する機能とを併せ持つ一対のバイアス兼電極層が設けられている。
これら一対のバイアス兼電極層は、例えば、CoCrPt/TiW/Ta等よりなる積層膜が、その一端部がMR素子22の両端部に磁気的及び電気的に接続されるように成膜され、所定の形状に成形されてなる。
これら一対のバイアス兼電極層の他端部上に、導電材料よりなる外部端子がそれぞれ設けられている。
これら一対のバイアス兼電極層は、CoCrPtにより形成された層が、MRヘッドの製造段階で所定の方向に着磁されることにより、いわば永久磁石層として機能し、これにより、MR素子に対してバイアス磁界を印加するよう機能する。
ここで、一対のバイアス兼電極層は、MR素子22に対してトラック幅方向にバイアス磁界を印加するように構成されていることが望ましい。これにより、MR素子22におけるフリー層は、外部からの信号磁界がない状態でトラック幅方向に磁化されることとなる。したがって、MR素子22は、外部からの信号磁界がない状態でピン層とフリー層との磁化方向を直角に配置することができ、信号磁界に対して磁気抵抗効果を最大限に発揮することができるようになる。
また、MRヘッドにおいては、一対のバイアス層が、フラックスガイド素子に対して印加するバイアス磁界の方向と、一対のバイアス兼電極層がMR素子に対して印加するバイアス磁界の方向とが同方向となるように構成されていることが望ましい。これにより、フラックスガイド素子20は、MR素子22におけるフリー層と同じ方向にバイアス磁界が印加されることとなり、外部からの信号磁界を最も効率よくMR素子22に誘導することができるようになる。
MRヘッドは、上述した支持部材に支持された状態で、この支持部材に設けられた端子部に外部端子がワイヤボンディング等によって電気的に接続されることにより、上述した記録再生装置の回路部に接続されることになる。
そして、記録再生装置の回路部から、外部端子及びバイアス兼電極層を介してMR素子22にセンス電流が供給されることで、MR素子22の信号磁界に応じた抵抗値変化が電圧変化として検出されることになる。
上部磁気シールド層28は、例えば、Ni−Fe系合金、ZrNbTa等のアモルファス、あるいはFe−Si−Al系合金等の軟磁性材料が、シールド間ギャップ18を構成する第3のギャップ膜18cの平坦化された面上に、例えば3μm程度の膜厚で成膜され、所定の形状に成形されてなるものである。
この上部磁気シールド層28は、上述したように、下部磁気シールド層15と共に、磁気テープからの信号磁界以外の外乱磁界を遮断する機能を有する。
上部磁気シールド層28上に、図示は無いが、第2の基板が接合されることで、再生に特化したいわゆるフラックスガイド型MRヘッド素子が完成する。
このような構造のフラックスガイド型MRヘッド素子は、一般的に、記録・再生を異なるヘッドチップにて分担するヘリカルスキャン型の磁気記録再生システムに使用されている。
本発明に該当するフラックスガイド型MRヘッドとは、このような形態のフラックスガイド型MRヘッド素子を使用したヘッドチップと呼ばれる形態、もしくはヘッドブロックと呼ばれる形態のヘッドをも含有ものである。
一方、上部磁気シールド層28上に磁気記録用ヘッド素子を設けることも出来る。
図49に示したフラックスガイド型MRヘッド素子は、これに該当する形態をしている。
上部磁気シールド層28上に、例えば、Al23等の非磁性非導電性材料からなるシールド間ギャップ膜(第4のギャップ膜)30を成膜し、この第4のギャップ膜30上に、例えばNi−Fe系合金、ZrNbTa等のアモルファス、あるいは、Fe−Si−Al系合金等の軟磁性材料からなる上部磁気コア35を形成し、この上部磁気コア35と、該上部磁気シールド層28を、磁気的に接続し、上部磁気コア35と上部磁気シールド層28を貫く一つの磁路を形成させる。
さらに、上部磁気コア35と上部磁気シールド28から構成される磁路と鎖交する単数のコイル、もしくは複数のコイル、もしくは単数のコイルが複数周回することにより該磁路と鎖交するコイル、例えば第一コイル33、もしくは第二コイル34、もしくはその両方を形成する。
コイル相互間は、絶縁性を確保する為に、例えばフォトレジストパターンを加熱処理等により作成した絶縁層112を配する。
このような一例に示した様な磁気記録用ヘッド素子を併設させたような構造の磁気抵抗型再生ヘッドは、一般的に、いわゆるリニアスキャン型の磁気記録再生システムに使用されている。
本発明のフラックスガイド型MRヘッドとは、このような形態のフラックスガイド型MRヘッド素子を使用したヘッドチップと呼ばれる形態、もしくはヘッドブロックと呼ばれる形態のヘッドをも含有するものである。
特開平10−222819号公報
しかし、いわゆるフラックスガイド型MRヘッドは、その再生効率が、構造上、必然的に、MR素子が磁気記録媒体との摺動面に露出した、いわゆるシールド型MRヘッドに劣ることとなる。
この再生効率の劣化を補うためには、MRヘッド素子の代用として、さらに感度の高いスピンバルブ素子等の巨大磁気抵抗効果型(GMR)素子が一般的に使用されるが、GMR素子そのものは、MR素子に比較して静電気により破壊されやすいものであるため、GMR素子をフラックスガイド型の磁気ヘッドに搭載したとすると、静電破壊に対する耐久性を図ることが一層重要となってくる。
そこで、従来においては、静電破壊を防止するべく、静電荷(静電気)を除去するために、磁気記録媒体を除電路としていた。
すなわち、磁気記録媒体を構成する磁性層、非磁性層、バックコート層等の電気抵抗率を適宜減少させて磁気記録媒体の表面電気抵抗率を低下させ、除電路として機能するようにし、MR素子の静電破壊の防止を図っていた。
表面電気抵抗率を低下させる具体的な方法としては、例えば、カーボンブラック等の導電性粒子を、磁性層、非磁性層、バックコート層の少なくともいずれかに含有させる方法が挙げられる。すなわち層中のカーボンブラック粒子同士が立体構造を形成することになり、除電路を構築するのである。
また、他の方法としては、磁性層、非磁性層、バックコート層を構成する材料である分散液中の磁性粉末や非磁性粉末を、カーボン等で被覆したカーボン被着型粒子とする方法が挙げられる。これにより、上記方法と同様に除電路が設けられる。
しかし、上記各方法のような、磁気記録媒体の構成層に除電路を設ける方法は、いずれも、層中に本来電磁変換特性に寄与しない、あるいはこれを劣化させる粒子が混入することとなり、さらにはその表面構造によって電磁変換特性の劣化を招来させたりするおそれが生じる。
すなわち、従来提案されている各種技術からは、MR素子を適用する磁気記録再生システムにおいて、優れた電磁変換特性と、素子の静電破壊を回避可能な安定した記録再生特性を両立する磁気記録再生システムが存在しなかったといえる。
上述したことから、本発明においては、特にフラックスガイド型MR素子を搭載した磁気記録再生装置と、磁気記録媒体との組み合わせにより構成される磁気記録再生システムに関し、素子に蓄積された静電荷(静電気)を、従来のように磁気記録媒体を除電路として機能させて除電を行い、フラックスガイド型MR素子の静電破壊を防止するのではなく、フラックスガイド型MR素子の構造として除電路を形成して、静電破壊を防止することとした。
本発明においては、少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置と、非磁性支持体に磁性層が形成された磁気記録媒体とで構成される磁気記録再生システムにおいて、磁気抵抗型磁気ヘッド素子は、静電荷除去手段を具備するものとし、磁気記録媒体を構成する磁性層の膜厚を0.3μm以下とし、磁性層形成面側の表面電気抵抗率を、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであるものとする。
また、本発明においては、少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置に適用する磁気記録媒体であって、非磁性支持体に膜厚0.3μm以下の磁性層が形成された構成を有し、磁気抵抗型磁気ヘッド素子は、静電荷除去手段を具備しているものとし、磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであるものとした磁気記録媒体を提供する。
また、本発明においては、少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置と、非磁性支持体に磁性層が形成された磁気記録媒体とで構成される磁気記録再生システムであって、フラックスガイド、もしくはフラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体が、磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する静電荷除去機能を備え、磁気記録媒体を構成する磁性層の膜厚は0.3μm以下であり、磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであるものとした磁気記録再生システムを提供する。
また、本発明においては、少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置に適用する磁気記録媒体であって、非磁性支持体に膜厚0.3μm以下の磁性層が形成されてなり、フラックスガイド、もしくはフラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体は、磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する静電荷除去機能を備えているものとし、磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであるものとした磁気記録媒体を提供する。
また、本発明においては、少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子であって、フラックスガイド、もしくはフラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体が、磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する機能を有しているものとした磁気抵抗型磁気ヘッド素子を提供する。
また、本発明においては、少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置と、非磁性支持体に磁性層が形成された磁気記録媒体とで構成される磁気記録再生システムであって、フラックスガイド、もしくはフラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体には、電極もしくは導電材料が接続されてなり、電極、もしくは導電材料は、磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する機能を有しており、磁気記録媒体を構成する磁性層の膜厚が0.3μm以下であり、磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであるものとした磁気記録再生システムを提供する。
また、本発明においては、少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置に適用する磁気記録媒体であって、非磁性支持体に磁性層が形成されてなり、フラックスガイド、もしくはフラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体に、電極もしくは導電材料が接続されてなり、電極、もしくは導電材料は、磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する機能を有しており、磁性層の膜厚は0.3μm以下であり、磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであるものとした磁気記録媒体を提供する。
また、本発明においては、少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子であって、フラックスガイド、もしくはフラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体に、電極、もしくは導電材料が接続されてなり、電極、もしくは導電材料は、磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する機能を有している磁気抵抗型磁気ヘッド素子を提供する。
本発明によれば、従来、除電路としての機能を磁気記録媒体に担わせていたために生じていた電磁変換特性の劣化の問題が回避され、高密度記録特性の向上が図られた。
また、本発明によれば、蓄積された静電気を、従来のように磁気記録媒体に形成した除電路を通じてではなく、フラックスガイド型MR素子内部に設けた除電路を通じて、効率よく除去するようにしたので、素子の静電気破壊を防止でき、かつ磁気記録媒体を構成する組成と磁気記録媒体の表面形状等を、より高い電磁変換特性を得るために特化した構成とすることが可能となり、高い電磁変換特性を得ることも可能となった。
以下、本発明を適用したフラックスガイド型MRヘッド素子に関し、具体的な実施の形態について図を参照して説明する。
本発明に係るフラックスガイド型MRヘッド素子は、静電荷を効率よく除去する役割を担う構造、すなわち除電路が、フラックスガイド型MR素子内部に具備されているところに特徴を有している。
具体的には、フラックスガイド型MRヘッド素子に具備されるフラックスガイド、もしくはフラックスガイドに物理的もしくは電気的に隣接する薄膜構造体に、静電荷を効率的に除去する除電機能を具備させる。
このような除電機能を有するヘッド素子構造として、例えば、フラックスガイド型MRヘッド素子が具備するフラックスガイド、もしくはフラックスガイドに物理的もしくは電気的に隣接する薄膜構造体に、磁気記録における再生信号を取り出す目的とは異なる、静電荷を効率的に除去する電極、もしくは導電材料を少なくとも一つ以上具備させ、これを除電路とする方法等が挙げられる。
本発明に係るフラックスガイド型MR素子の一例の要部の概略図を図1(断面図)、図2(斜視図)に示す。
図1、及び図2に示すように、フラックスガイド型MRヘッド素子は、下部磁気シールド層15に隣接する金属製のアース外部端子13aを付加されており、アース外部端子13aと隣接するようにアース除電路12が設けられている。更に、アース除電路12と隣接するように、アース外部端子13bが設けられている。また、上部磁気シールド層28に隣接するように、アース除電路29が設けられている。
図1、及び図2に示した例においては、第一のシールド間ギャップとなる非磁性非導電性膜18aを形成する際に、非磁性非導電性膜18aを貫く微小な接続孔19を、フラックスガイドのバイアス層21のうちの一方21bに隣接する部位に設け、この接続孔を埋める導電性材料、例えばバイアス層21を構成する材料等を介して、下部磁気シールド層15とバイアス層21のうちの一方21bとを電気的に接続するようにしている。
一方、第二のシールド間ギャップ18b、第三のシールド間ギャップ18c、MR素子22や、フラックスガイドと上部磁気シールド28とを絶縁するために設けられたフォトレジストパターン109、の三部位を貫く微小な接続孔を、フラックスガイドのバイアス層21のうちの他の一方21aに隣接する部位に設け、この接続孔を埋める導電性材料、例えば上部磁気シールド28を構成する材料そのものを介して、上部磁気シールド層28と、バイアス層21を構成する他の一方21aとを電気的に接続するようになされている。
上部磁気シールド層28と、バイアス層21とは電気的に接続している。
なお、上述した例においては、バイアス層21と下部磁気シールド層15、及びバイアス層21と上部磁気シールド層28とを、それぞれ電気的に接続するようにしたが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。
上述したような構成のフラックスガイド型MRヘッド素子の一例においては、MRヘッドの媒体対向面α1にて発生した静電荷が、フラックスガイド20へと侵入移動する際、フラックスガイド20と接するバイアス層21b、このバイアス層21bと接する下部シールド層15、この下部シールド層15と接するアース外部端子13a、このアース外部端子13aと隣接したアース除電路12、このアース除電路12と隣接するアース外部端子13bを通じて、静電荷がスムーズにフラックスガイド型MRヘッド素子外部へと除去される(図2中の矢印に示す。)。
同様に静電荷は、フラックスガイド20へと進入する際、フラックスガイド20と接するバイアス層21a、このバイアス層21aと接する上部磁気シールド層28、上部磁気シールド層と隣接するアース除電路29を通じて静電荷はスムーズにフラックスガイド型MRヘッド素子外部へと除去される(図2中の矢印に示す。)。
上述した図2に示したような構成の除電路は、本発明の一例に過ぎず、この構成に全く限定されるものではない。
例えば、図3に示すように、アース除電路12が、下部磁気シールドと接触せず、直接、バイアス層21に隣接するようにし、フラックスガイド20から進入した静電荷が、バイアス層21を経由し、アース除電路12へと容易に抜ける構造としてもよい。
すなわち、アース除電路12、29が、バイアス層21と電気的に接続されていれば、どのような構造であってもよい。
なお、MR素子22としては、一例として巨大磁気抵抗効果を示すスピンバルブ構造のGMR素子を適用することができるが、異方性磁気抵抗効果を示すAMR(Anisotropic Magneto-Resistive)素子を用いた場合や、他の構造のGMR素子を用いた場合、更には強磁性トンネル磁気抵抗効果を示すTMR(Tunneling Magneto-Resistive)素子を用いた場合も、同様の効果を発揮することができる。
ここで、MR素子22としてTMR素子を用いた場合を例示すれば、MRヘッドは、TMR素子の成膜面に対して垂直な方向にセンス電流を流すことが可能な構造とされるべきである。
具体的には、図4に示すように、シールド間ギャップ18を構成する第2のギャップ膜18b上に導電材料よりなる上側電極200が設けられ、その一端部が、MR素子22の上面に接続されており、上側電極200の他端部上には、外部端子36が設けられた構造である。
また、このMRヘッドでは、シールド間ギャップ18を構成する第1のギャップ膜18a、すなわちMR素子22の直下に設けられる第1のギャップ膜18aの材料としてTa等の非磁性導電性材料が用いられ、この第1のギャップ膜18aが、下側電極として機能するようになされている。
そして、この第1のギャップ膜18aの媒体接触面α1から離間した側と接続されるように、外部端子36が設けられている。
ここで、MR素子22として、TMR素子を用いた場合には、一例として、このTMR素子の両端部に、CoCrPt/TiW/Ta等よりなるバイアス兼電極層28a,28bに変えて、例えばCo−γFe23等よりなるTMR素子安定化のための絶縁性バイアス層が設けられる場合があるが、本発明の本質には抵触するものではない。
また、TMR素子は、一例として、Fe−Mn合金等よりなる反強磁性層と、Ni−Fe系合金やCo、Co−Fe系合金、Co−Ni系合金、Ni−Fe−Co系合金等よりなる磁化固定層(ピン層)と、Al23等よりなる絶縁層と、Ni−Fe系合金やCo、Co−Fe系合金、Co−Ni系合金、Ni−Fe−Co系合金等よりなる磁化自由層(フリー層)とが積層されてなる積層膜として構成され、フラックスガイド素子20に最も近い位置にフリー層が配置されるように、上記各層が、上記順序で、非磁性導電成材料よりなる第1のギャップ膜18a上に順次積層形成されるものがあるが、これについても本発明の本質に何ら影響を与えるものではなく、TMR素子がどのような構成であっても、本発明の範囲に属する。
このように、MR素子22としてTMR素子を適用した場合にも、アース除電路12、29を設けることができる。
これらアース除電路12、29は、下部磁気シールド15や、上部磁気シールド28を中継するか否かに関わらず、バイアス層21と電気的に接続されることにより、フラックスガイド20から進入した静電荷を効率的に除去することができる。
上記においては、フラックスガイド素子20よりも上層側にMR素子22が設けられたMRヘッドを例に挙げて説明したが、これらの例に限定されず、例えば、図5に示すように、フラックスガイド素子20よりも下層側、すなわち、シールド間ギャップ18中において下部磁気シールド層15に近接する側にMR素子22を設けるようにしても、MRヘッドは上述した例と同様の効果を発揮することができる。
ところで、図5に示す感磁部α2においては、下部磁気シールド層15と、上部磁気シールド層28との間の中間位置に、フラックスガイド素子20が設けられている。
このフラックスガイド素子20よりも下層側、すなわちシールド間ギャップ18中において下部磁気シールド層15に近接する側にMR素子22が設けられた構造となっている。
このため、MR素子22と下部磁気シールド層15との間に、電気的及び磁気的に絶縁するための充分な距離が保てない場合がある。
このような場合には、下部磁気シールド層15のMR素子22に対応した位置、すなわち、成膜方向においてMR素子22と重なる位置に、MR素子22と下部磁気シールド層15との間の距離を確保するためのグルーブ(溝部)が設けられてもよい。
このように下部磁気シールド層15のMR素子22に対応した位置にグルーブを設けて、MR素子22と下部磁気シールド層15との間に充分な距離を確保するようにしておけば、フラックスガイド素子20からMR素子22へ誘導される信号磁界が下部磁気シールド層15へ漏洩することを確実に防止して、フラックスガイド素子20からMR素子22への信号磁界の伝達効率の低下を抑制できると共に、MR素子22と下部磁気シールド層15とが電気的に短絡することに起因してMR素子22に素子破壊が生じるといった不都合を有効に抑制することができる。
ところで、図49に示した従来構造のMR素子においても、図5に示した本発明構造のMR素子においても、感磁部においては、MR素子22とフラックスガイド素子20とが積層方向において異なる高さ位置にそれぞれ形成され、MR素子22は、フラックスガイド素子20とオーバーラップした構造を例示した。
これは、オーバーラップという構造をとることで、MR素子22とフラックスガイド素子20との間の距離をごく僅かな距離に精度良く設定することができ、フラックスガイド素子20からMR素子22への信号磁界の伝達効率を極めて良好なものとすることができるためである。但し、本発明はこのようなMR素子の構成にも限定されるものではない。
感磁部α2において、MR素子22とフラックスガイド素子20とが積層方向において異なる高さ位置にそれぞれ形成され、かつオーバーラップしていないものでも良い。
感磁部α2において、MR素子22とフラックスガイド素子20とが積層方向において同一の高さ位置にそれぞれ形成されていても良い。
更には、図6に示すように、MR素子22よりも更に媒体接触面α1から離間する側に第2のフラックスガイド素子20bを設けるようにしてもよい。
その際、第2のフラックスガイド素子20bは、その媒体接触面α1側の一部が、シールド間ギャップ18を構成する第2のギャップ膜18b(電気的絶縁膜)を介して、MR素子22の媒体接触面α1から離間した側の一部とオーバーラップするように、第2のギャップ膜上に設けられるような構造としてもよい。
このような構造は、本発明にて例示するフラックスガイド型MRヘッド素子の一例に過ぎず、本発明の対象となるフラックスガイド型MRヘッド素子の範囲は、フラックスガイド型MRヘッド素子に具備される、いずれの感磁部α2構造にも限定されない。
このように、本発明においては、いずれの感磁部α2構造をもつフラックスガイド型MRヘッドであっても、静電荷を効率良く除電する機能が、MRヘッド内部に具備されていることが最大の特徴であり、これにより、磁気記録媒体内部にこの除電機能を具備させる必要がなくなり、記録再生特性の劣化が回避でき、記録再生特性の向上と、静電気による装置の破壊の無い信頼の高さを、磁気記録媒体とヘッドとの総合システムとして改善、両立させることができた。
本発明の一例として挙げた図2に示す構造のフラックスガイド型MRヘッド素子の製造方法について、以下に説明する。
先ず表面に酸化膜がコーティングされた非磁性基板(第一の基板11)を用意する。
次に、図7に示すように、第一の基板11上に、フォトリソグラフティ技術によって下部磁気シールド層15のアースとなる電極パターン100形成する。
次に、図8に示すように、フォトレジストパターン100上にスパッタリング法等によって最終的に下部磁気シールド層15のアースとなる導電材料12を成膜する。
次に、フォトレジストパターン100上に成膜された導電材料12をフォトレジストパターン100と共にリフトオフによって除去することで、図9に示すように、下部磁気シールド層15のアースとなる電極12が形成された状態となる。
次に、図10に示すように、フォトリソグラフティ技術によって外部端子パターン101を形成する。
その後、図11に示すように、電極(アース電極)12上に、メッキ法等により導電材よりなる外部端子13a、13bを例えば3μm程度の膜厚に形成する。
更に、図12に示すように、アース電極12上にAl23等の非磁性非導電性膜14を、スパッタリング法等により、例えば2μm程度の膜厚で成膜する。
そして、非磁性非導電性膜14を、例えばダイヤモンド砥粒によるラッピング技術、ケミカルポリッシング技術等によりアース電極外部端子13a、13bの上面が露出するまで研磨する。これにより、図12に示すように、アース電極12が非磁性非導電性膜14で覆われて表面が平坦化されると共に外部端子13aと13bが導通された状態となる。
次に、アース外部端子13a、13bの上面が露出した状態の非磁性非導電性膜14上に、Ni−Fe系合金基板やFe−Si−Al系合金等の軟磁性薄膜15を、スパッタリング法、あるいはメッキ法等の成膜方法によって、例えば3μm程度の膜厚で成膜する。
そして、この軟磁性薄膜15を、フォトリソグラフティ技術とイオンエッチング技術によって所定の形状に加工し、図13に示すように、アース外部端子13a、13bの上面が露出した状態の非磁性非導電性膜14上に、下部磁気シールド層15が形成されると共にアース電極外部端子13aが下部磁気シールド層15と導通がなされた状態となる。
次に、図14に示すように、下部磁気シールド層15上にフォトリソグラフティ技術とイオンエチング技術によって、この下部磁気シールド層15に例えば深さ1μm程度のグルーブ16を形成する。
なお、グルーブ16を形成する際は、フォトリソグラフティ時にフォトレジストを所定の条件にて熱処理することによって、このフォトレジスト断面形状に傾斜を持たせた上で、イオンエッチング等を行うようにする。
これにより、グルーブ16は、その壁面が例えば45°程度の傾斜角度で傾斜した形状に形成する。
次に、グルーブ16が形成された下部磁気シールド層15上に、Al23等の非磁性非導電性膜17を、スパッタリング法等により、例えば2.5μm程度の膜厚に成膜する。
この非磁性非導電性膜17を、例えばダイヤモンド砥粒によるラッピング技術、及びケミカルポリッシング技術等により、下部磁気シールド層15上面が露出するまで研磨する。
これにより、グルーブ16内に非磁性非導電性膜17が充填されて表面が平坦化された状態となる。
次に、グルーブ16内に非磁性非導電性膜17が充填された状態の下部磁気シールド層15上に、再度、Al23等の非磁性非導電性膜18aをスパッタリング法等により所定の膜厚で成膜し、ケミカルポリッシング技術等により、例えば42.5nm程度の膜厚になるまで研磨する。
これにより、図15に示すように、下部磁気シールド層15上に、シールド間ギャップ18を構成する第1のギャップ膜18aが形成された状態となる。
次に、図16に示すように、フォトリソグラフティ技術によって第1のギャップ膜18a上に、下部磁気シールド15とフラックスガイド20との導通を行うためのフォトレジストパターン103を形成する。このレジストパターン103は、下部磁気シールド層15とフラックスガイドとの接続孔とされる位置に開口部103hを有しているものとする。
そして、フォトレジストパターン103をマスクとして、イオンエッチングを行い、図17に示すように下部磁気シールド層15とフラックスガイドとの接続孔19が形成される。
次に、図18に示すように、接続孔19が形成された第一のギャップ膜18a上に最終的にフラックスガイド素子20となるNi−Fe系合金等の軟磁性膜20を、スパッタリング法等により、例えば30nm程度の膜厚に成膜する。
このとき、軟磁性膜20は、最終的に得られるフラックスガイド素子20の磁化容易軸が媒体接触面1aに対して平行となるように、磁気異方性の制御を行う。
軟磁性膜20の磁気異方性の制御は、例えば、軟磁性膜20を磁界中スパッタにより成膜すること、あるいは第1ギャップ膜18a上に軟磁性膜20を成膜した後に、固定磁場中アニール処理を施すことによって行うことができる。
次に、図19に示すように、フォトリソグラフティ技術によって、軟磁性膜20上に、一対のバイアス層(21a、21b)を形成するための、フォトレジストパターン104を形成する。
このフォトレジストパターン104は、一対のバイアス層21a,21bが形成される位置に、開口部104a、104bを有しているものとする。
そして、このフォトレジストパターン104をマスクとしてイオンエッチングを行い、一対のバイアス層21a、21bが形成される位置の軟磁性膜20を除去する。
次に、図20に示すように、フォトレジストパターン104上に、最終的に一対のバイアス層21a、21bとなるCoCrPt合金等の強磁性膜21を、スパッタリング法等により、例えば50nm程度の膜厚に成膜する。
このとき、フォトレジストパターン104の開口部104a、104bが設けられた位置、すなわち一対のバイアス層の21a、21bが形成される位置では、最終的にスラックスガイド素子となる軟磁性膜20が除去されているので、一対のバイアス層21a、21bとなる強磁性膜21が、シールド間ギャップ18を構成する第1のギャップ膜18a上に成膜される。
また、このとき、下部磁気シールド層と強磁性膜21は、導通した状態となる。
次に、フォトレジストパターン104上に成膜された強磁性膜21をフォトレジストパターン104と共にリフトオフによって除去し、図21に示すように、軟磁性膜20に一対のバイアス層21a、21bが埋め込まれた状態となる。
次に、図22に示すように、フォトリソグラフティ技術によって、一対のバイアス層21a、21b上から、フラックスガイド素子が形成される位置の軟磁性膜20上に亘って、フラックスガイド素子を形成するためのフォトレジストパターン105を形成する。
そして、フォトレジストパターン105をマスクとしてイオンエッチングを行い、フラックスガイド素子20が形成される位置以外の軟磁性膜20を除去することにより、図23に示す一対のバイアス層21a、21bに接続されたフラックスガイド素子20が形成される。
上述のようにして、第1ギャップ膜上18a上、一対のバイアス層21a、21b間にフラックスガイド素子20を形成した後、再度、Al23等の非磁性非導電性膜18bがスパッタリング法等により所定の膜厚で成膜し、ケミカルポリッシング技術等によりフラックスガイド素子20上における膜厚が42.5nm程度になるまで、すなわち下部磁気シールド層15の上面から非磁性非導電性膜の上面までの距離が135nmとなるまで研磨する。
これにより、図24に示すように、第1ギャップ膜18a上にフラックスガイド素子20を覆うように第2のギャップ膜18bが形成される。
次に、図25に示すように、平坦化した第2のギャップ膜18b上に、最終的にスピンバルブ構造のGMR素子(MR素子)となる積層膜22をスパッタリング法等により、例えば50nmの膜厚に成膜する。
積層膜22は、最終的に得られるGMR素子のフリー層の磁化容易軸が無磁界の状態で媒体接触面1aに対して平行となり、ピン層の磁化容易軸が媒体接触面1aに対して垂直となるように成膜される。
また、フリー層が前の工程で成膜されたフラックスガイド素子20に最も近接するように最下層に形成される。
次に、図26に示すように、フォトリソグラフティ技術によって、積層膜22上に、一対のバイアス兼電極層23a、23bを形成するためのフォトレジストパターン106を形成する。
すなわち、フォトレジストパターン106には、一対のバイアス兼電極層23a、23bを形成するために相当する位置に開口部106a、106bを設ける。
そして、フォトレジストパターン106をマスクとしてイオンエッチングを行い、一対のバイアス層23a、23bが形成される位置の積層膜22を除去する。
次に、図27に示すように、フォトレジストパターン106上に、最終的に一対のバイアス兼電極層23a、23bとなるCoCrPt/TiW/Ta等の積層膜23を、スパッタリング法等により例えば50nm程度の膜厚に成膜する。
このとき、フォトレジストパターン106の開口部106a、106bが設けられた位置、すなわち一対のバイアス兼電極層23a、23bが形成される位置では、最終的にMR素子となる積層膜22が除去されるので、一対のバイアス兼電極層23a、23bとなる積層膜23が、第2のギャップ膜18b上に成膜される。
次に、フォトレジストパターン106上に成膜された積層膜23をフォトレジストパターン106上と共にリフトオフによって除去する。これにより、図28に示すように、積層膜22に一対のバイアス兼電極層23a、23bが埋め込まれた状態となる。
次に、図29に示すように、フォトリソグラフティ技術によって、一対のバイアス層23a、23b上からMR素子が形成される位置の積層膜に22上に亘って、MR素子を形成するためのフォトレジストパターン107を形成する。
そして、フォトレジストパターン107をマスクとしてイオンエッチングを行い、MR素子が形成される位置に相当する部分以外の積層膜を除去し、図30に示すように、一対のバイアス兼電極層23a、23bに接続されたMR素子22が形成される。
次に、一対のバイアス兼電極層23a、23bに接続されたMR素子22が形成された第2のギャップ膜18b上に、Al23等よりなる非磁性非導電性膜18cをスパッタリング法等により所定の膜厚で成膜し、ケミカルポリッシング技術等により、MR素子22上における膜厚が135nm程度になるまで研磨する。
これにより、図31に示すように、第2のギャップ膜18b上に、MR素子22を覆うように第3のギャップ膜18cが形成された状態となる。
次に、図32に示すように、フォトリソグラフティ技術によって第3のギャップ膜18c上にMR素子22と後述する電極26を接続するための接続孔24と、フラックスガイドと後述する電極27を接続する接続孔25のフォトレジストパターン108を形成する。
そして、フォトレジストパターン108をマスクとしてイオンエッチングを行い、図33に示すように、MR素子22と電極26の接続孔24h、フラックスガイド20と電極27の接続孔25hを形成する。
次に、フォトリソグラフティ技術、及びスパッタリング技術等によりMR素子22と、後述する外部端子36を結ぶための電極26を図34のように形成する。
次に、図35に示すように、フォトリソグラフティ技術によって導電材料膜からなる電極26と中間磁気シールド28とを絶縁するフォトレジストパターン109を形成する。
このとき、フォトレジストパターン109には、フラックスガイド20と中間シールド28を接続する接続孔109hも同時に形成する。
また、このフォトレジストパターン109は熱処理を行うことにより電気的に絶縁層となる。
次に、熱処理されたフォトレジストパターン109上に、Ni−Fe系合金やZrNbTa等のアモルファス、あるいはFe−Si−Al系合金等の軟磁性薄膜28を、スパッタリング法、あるいはメッキ法等の成膜方法によって、例えば3μm程度の膜厚に成膜する。
そして軟磁性薄膜28をフォトリソグラフィ技術とイオンエッチング技術によって所定の形状に加工し、図36に示すように、第3のギャップ膜18c上に、中間磁気シールド28を形成する。
次に、図37に示すように、中間磁気シールド28上に、フォトリソグラフティ技術によって中間磁気シールド層28のアースとなる電極パターン110を形成する。
次に、図38に示すように、電極パターン110上に、スパッタリング法等によって最終的に中間磁気シールド層28のアース電極となる導電材料29を成膜する。
次に、フォトレジストパターン110上に、成膜された導電材料29をフォトレジストパターン110と共にリフトオフによって除去し、図39に示すように、中間磁気シールド層28のアースとなる電極29が形成される。
次に、Al23等の非磁性非導電性膜をスパッタリング法等により所定の膜厚で成膜する。これにより、図40に示すように、シールド間ギャップ30を構成する第4のギャップ膜30が形成される。
以上が、いわゆるフラックスガイド型MRヘッドの、再生に寄与する部位の作製方法である。
一般的に、記録ヘッド素子と再生ヘッド素子が、それぞれ異なるヘッドチップに形成された、いわゆるヘリカルスキャン型磁気記録再生システムの再生用ヘッド素子一個としては、上述した工程を持ってして完成する。
次に、再生ヘッド素子部に隣接する部分の作製方法について説明する。
次に、図41に示すように、フォトリソグラフティ技術、及びイオンエッチング技術によって第4のギャップ膜30に中間磁気シールド28と上部磁気コア35を接続する接続孔31と外部端子36と外部回路を接続する接続孔32を形成する。
次に、図42に示すように、第4のギャップ膜30上に、メッキ法等によって導電材料よりなる第1コイル33を形成する。
次に、図43に示すように、第1コイル33と、後述する第2コイル34の絶縁するため第一コイルを覆ったフォトレジストパターン111を形成する。
このフォトレジストパターン111は熱処理を行うことにより電気的に絶縁層となる。
次に、図44に示すように、フォトレジストパターン111上にメッキ法等によって導電材料よりなる第2コイル34を形成する。
その後、図45に示すように、第2コイル34と上部磁気コア35を絶縁するため第2コイルを覆ったフォトレジストパターン112を形成する。
このフォトレジストパターン112は熱処理を行うことにより電気的に絶縁層となる。
次に、図46に示すように、フォトレジストパターン112上にNi−Fe系合金やZrNbTa等のアモルファス、あるいはFe−Si−Al系合金等の軟磁性薄膜を、スパッタリング法、あるいはメッキ法等の成膜方法によって、例えば3μm程度の膜厚に成膜する。そしてこの軟磁性薄膜をフォトリソグラフティ技術とイオンエッチング技術によって所定の形状に加工し、フォトレジストパターン112上に上部磁気コア35を形成する。
次に、MR素子に接続された電極26上、アース電極29上、コイル電極上に、メッキ法等によって導電材料よりなる外部端子36を形成する。
再生ヘッド素子部と、記録ヘッド素子部が併設されたヘッドの一例としては、上述したような作製方法で得られる。
一般的に、記録ヘッド素子と再生ヘッド素子が、隣接した一体型ヘッド素子となり、一体型ヘッド素子が、同一のヘッドチップ、もしくはヘッドブロックに隣接して複数個存在した、いわゆるリニアスキャン型磁気記録再生システムの再生用ヘッド素子1個に関しては、上述した工程をもって完成する。
次に、従来公知の方法により、多数のヘッド素子が形成された基板を横方向にヘッド素子が並ぶように短冊状に切り分ける。
次に、短冊状に切り出された基板上に他の基板を貼り付ける。
基板の貼り付けには、例えば樹脂系の接着剤を用いて行う。その後、もう一つの基板を同様に樹脂系の接着剤にて貼り付ける。
続いて、ヘッド素子を分割するために、MR素子の切断を行う。
続いて、円筒研磨加工を施し、ヘッドチップを合体させ最終的に、MRヘッドが完成する。
上述したような工程により、本発明に係るヘリカルスキャン型磁気記録再生システム用のフラックスガイド型MRヘッド素子と、ヘッドブロック、あるいはリニアスキャン型記録再生システム用のフラックスガイド型MRヘッド素子とヘッドチップを作製することができる。
但し、本発明におけるフラックスガイド型MRヘッド素子の製造方法は、一例に過ぎず、上記製造方法に限定されるものではない。
また、本発明に係る磁気ヘッドは、その用途、及び形状の適正が、いわゆるヘリカルスキャン型磁気記録再生システム用か、あるいは、いわゆるリニア型記録再生システム用かに影響を受けるものではない。
本発明においては、静電荷を効率良く除電する機能が、フラックスガイド型MRヘッド素子内部に具備されている事が最大の特徴であり、これにより、磁気記録媒体内部にこの除電機能を具備させる必要を廃し、磁気記録媒体が通常、除電路を具備させたことによる記録再生特性の劣化を阻止し、記録再生特性の向上と、静電気による装置の破壊の無い信頼の高さを、磁気記録媒体とヘッドとの総合システムとして改善、両立させた事こそ、本発明の最大の特徴といえる。
従って、本発明におけるヘッド素子、ヘッドチップ、ヘッドブロックの製造方法、及び使用用途になんら限定されるものではない。
以下、本発明の具体的な実施例のサンプルを作製し、それぞれ特性評価を行った。
まず、実験に使用する磁気記録媒体を以下の方法により作製した。
以下の組成に従って、磁性層を形成するための磁性分散液組成物を調整した。
〔磁性層形成用分散液の組成〕
微細強磁性粉末(鉄−コバルト合金系メタル磁性粉):100重量部
結合剤:ポリエステル系ポリウレタン樹脂:8重量部
(量平均分子量41200)
結合剤:塩化ビニル系共重合体(平均重合度350):10重量部
無機粉末(研磨剤):α−アルミナ:5重量部
(粒径200nm、比表面積/BET法11.1m2/g)
潤滑剤:ステアリン酸:1重量部
:ステアリン酸ブチル:2重量部
溶剤:メチルエチルケトン:20重量部
:トルエン:20重量部
:シクロヘキサノン:10重量部
上記材料をニーダーで混練処理し、さらにメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し、サンドミル分散中の分散液を3つに分けた。
第一の分散液に対しては、さらにサンドミル分散を行い、これを分散液Aとした。
第二の分散液に対しては、カーボンブラック0.5重量部を追添加し、その後、再びサンドミル分散を行い、これを分散液Bとした。
第三の分散液は、カーボンブラック10重量部を追添加し、その後、再びサンドミル分散を行い、これを分散液Cとした。
次に、以下の組成に従い、非磁性層形成用の非磁性分散液組物を調製した。
〔非磁性層用分散液組成I〕
非磁性粉末:α−酸化鉄(ヘマタイト):100重量部
結合剤:ポリエステル系ポリウレタン樹脂:8重量部
(量平均分子量41200)
結合剤:塩化ビニル系共重合体(平均重合度350):10重量部
無機粉末(研磨剤):α−アルミナ:5重量部
(粒径200nm、比表面積/BET法11.1m2/g)
潤滑剤:ステアリン酸:1重量部
:ステアリン酸ブチル:2重量部
溶剤:メチルエチルケトン:20重量部
:トルエン:20重量部
:シクロヘキサノン:10重量部
上記材料を、ニーダーで混練処理し、さらにメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し、サンドミル分散中の分散液を3つに分けた。
第一の分散液に対しては、更にサンドミル分散を行い、これを分散液Dとした。
第二の分散液に対しては、カーボンブラック0.5重量部を追添加し、その後、再びサンドミル分散を行い、これを分散液Eとした。
第三の分散液に対しては、カーボンブラック20重量部を追添加し、その後、再びサンドミル分散を行い、これを分散液Fとした。
上記分散液D、E、Fにポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)4重量部添加し、撹拌した。
次に、以下の組成に従い、非磁性層形成用の非磁性分散液組物を調製した。
〔非磁性層用分散液組成II〕
非磁性粉末:カーボン被着型α−酸化鉄:100重量部
結合剤:ポリエステル系ポリウレタン樹脂:8重量部
(量平均分子量41200)
結合剤:塩化ビニル系共重合体(平均重合度350):10重量部
無機粉末(研磨剤):α−アルミナ:5重量部
(粒径200nm、比表面積/BET法11.1m2/g)
潤滑剤:ステアリン酸:1重量部
:ステアリン酸ブチル:2重量部
溶剤:メチルエチルケトン:20重量部
:トルエン:20重量部
:シクロヘキサノン:10重量部
上記材料を、ニーダーで混練処理し、さらにメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し、サンドミル分散中の分散液を2つに分けた。
第一の分散液は、更にサンドミル分散を行い、これを分散液Gとした。
第二の分散液には、この第二の分散液を重量1%に対し、上記分散液Aを重量99%加え、更にサンドミル分散を行い、これを分散液Hとした。
上記分散液G、Hにポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)4重量部添加し、撹拌した。
分散液D、分散液E、分散液F、分散液G、もしくは分散液Hをそれぞれ非磁性支持体上に、1μmの厚さに塗布し、未乾燥の非磁性層上に、分散液A、分散液B、分散液Cのいずれかを、下記表1に示す所定の膜厚となるように同時塗布した。
その後、磁場配向処理を行い、乾燥処理を行い巻取り、更にカレンダー処理を施した。
更に、硬化処理を行った。
その後、下記組成のバックコート層用分散液へポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)10重量部を添加し、これを、磁性層とは反対側の面に塗布し、0.5μmの膜厚のバックコート層を形成した。
〔バックコート層用分散液組成〕
無機粉末:カーボンブラック:100重量部
(粒径40nm、DBP吸油量112.0ml/100g)
結合剤:ポリエステル系ポリウレタン樹脂:13重量部
(量平均分子量71200)
結合剤:フェノキシ樹脂(平均重合度100):43重量部
結合剤:ニトロセルロース樹脂(平均重合度90):10重量部
溶剤:メチルエチルケトン:500重量部
:トルエン:500重量部
上述したように、磁性層用分散液A〜C、非磁性層形成用分散液D〜Hを適宜組み合わせ、磁性層の膜厚を制御して媒体1〜28を作製し、それぞれ12mmの幅にスリットし、サンプルテープとした。
次に、フラックスガイド型MRヘッド素子を具備するヘッドチップ、ヘッドブロックを、上述したような製造工程に準じて作製し、サンプルヘッドとした。
サンプルヘッドとしては、いわゆるヘリカルスキャン型磁気記録再生システム用のフラックスガイド型MRヘッド素子を具備するヘッドブロックと、リニアスキャン型記録再生システム用のフラックスガイド型MRヘッド素子を具備するヘッドチップを用意した。
また、比較のために、従来構造のヘッド素子、すなわち、図2に示すような、アース除電路12、29を具備しない構成の、ヘリカルスキャン型磁気記録再生システム用のフラックスガイド型MRヘッド素子を具備するヘッドブロックと、リニアスキャン型記録再生システム用のフラックスガイド型MRヘッド素子を具備するヘッドチップを用意した。
上記テープサンプル、及びヘッドサンプルを、組み合わせた磁気記録システムについて、磁性層表面の表面粗度、磁性層表面の表面電気抵抗率、磁気記録媒体の静磁気特性、磁気記録再生システムのC/N特性、走行後の磁気記録再生システムの安定性を評価した。
評価方法を以下に示す。
〔表面粗度測定〕
商品名:Nano Scope IIIa / D-3000 (ディジタルインスツルメント社製)を使用して50×50μm2の範囲を測定した。
指標とする表面粗度はRaを用いた。それぞれのパラメータを表1に示す。
〔表面電気抵抗率測定〕
評価は、図48に示すような、評価装置を使用して行った。
互いに対向する1/4円弧状の金属電極301、302上に、磁気記録媒体303の評価サンプルを、磁性面側が金属電極301、302に接するように設置し、両端に150gfの錘304を吊り下げた。
但し、対向する金属電極間距離は1/2インチとした。
また、金属電極301、302の奥行き、すなわち磁気記録媒体の設置面の幅は、磁気記録媒体の幅よりも広くとり、磁気記録媒体の幅方向全体が、金属電極に充分に接するようにした。
この後、電圧印加機(兼、抵抗測定機)305により、両電極間に直流電圧を十V〜数百Vかけ、両金属電極間、すなわち磁気記録媒体を流れる電流を計測し、電気抵抗を算出した。
電気抵抗(単位Ω)から、所定の演算を行い、表面電気抵抗率(単位:Ω/sq)へと換算したものを下記表1に示した。
〔静磁気特性〕
磁気記録媒体の静磁気特性評価には振動試料型磁力計、いわゆるVSMをを用いて評価を行った。
本発明における磁気記録媒体の静磁気特性評価では、VSMによって計測される物理量である角型比(Rs)を使用し、下記表1に示した。
角型比(Rs)は、VSMによるところのM−H履歴曲線、いわゆるメジャーループを描かせた際の、Mの最大値Msと、メジャーループ第一象限と第二象限の境界H=0における残留磁化Mrとの比、すなわちMr/Msと定義し、百分率(%)で表したものを、下記表1に示した。
Figure 2006092612
〔電磁変換特性〕
各サンプルテープは、適用した2種類のヘッド形状にあわせ、それぞれに適した評価装置を用いて測定を行った。
ひとつのヘッドチップ内部に、再生ヘッド素子のみを備え、記録ヘッド素子が存在しない、いわゆるヘリカルスキャン型磁気記録再生システム用の再生ヘッドに関しては、ヘッドチップに加え、別途、記録ヘッド(MIG 、ギャップ0.15μm)を装着した回転式ドラムを具備するヘリカルスキャン型磁気記録再生装置を用い評価を行った。
一方、ひとつのヘッドブロック内部に、複数個の再生ヘッド素子と、再生ヘッド素子に隣接する複数個の記録ヘッド素子を備えた、いわゆるリニアスキャン型磁気記録再生システム用の再生ヘッドに関しては、ヘッドブロックを装着した、リニアスキャン型磁気記録再生装置を用い、評価を行った。
その際、ヘッドブロックに具備された記録ヘッドを用いて記録し、同じく、ヘッドブロックに具備された再生ヘッドを用いて再生を行った。
いわゆるヘリカルスキャン型磁気記録再生システム用ヘッド、または、いわゆるリニアスキャン型磁気記録再生システム用ヘッド、いずれの評価においても、波長0.25μmの信号を記録後、再生出力とノイズを、スペクトラムアナライザーを用いて測定した。
また、再生信号から±2MHzの周波数成分の大きさをノイズレベルと定義し、ノイズ出力の再生信号出力比をC/N特性とした。
いわゆるヘリカルスキャン型磁気記録再生システム用ヘッドでの測定結果を下記表2、3に、いわゆるリニアスキャン型磁気記録再生システム用ヘッドでの測定結果を下記表4、5に示した。
各表の比較例1おけるC/N値を基準値0.0dBとし、各表における比較例と実施例のC/N値を、相対値として、それぞれ表2〜5に示した。
〔走行後の磁気記録再生システムの安定性〕
上記電磁変換特性の評価方法記載の、それぞれの評価システムにおいて、100パス程度のシャトル試験を行い、その後、磁気記録媒体を該磁気記録再生システムから取り外し、クリーニング等の処理を行った。
その後、再び磁気記録媒体を該磁気記録再生システムへ装填し、再び100パス程度のシャトル試験を行った。
この操作を繰り返し数百回行ったのち、再び、上記、電磁変換特性を評価した。
この手法により、それぞれの磁気記録再生システム、即ち、それぞれの磁気記録媒体と再生ヘッド素子の組み合わせである比較例、実施例に関し、再生ヘッド素子が全く故障なく、再評価が可能であった場合には、システムが安定とみなし○を、そうでない場合には不安定とみなして×を記載した。
Figure 2006092612
Figure 2006092612
Figure 2006092612
Figure 2006092612
上記表2及び表3は、上記表1に記載した媒体1〜28と、ヘッド内部に除電路を有しないヘリカルスキャン型磁気記録システム用再生ヘッド素子、又はヘッド内部に除電路を有しているヘリカルスキャン型磁気記録システム用再生ヘッド素子との、各々の組み合わせ時における、C/N特性と、システム安定性の評価を示したものである。
また、上記表4及び表5は、上記表1に記載した媒体1〜28と、ヘッド内部に除電路を有しないリニアスキャン型磁気記録システム用再生ヘッド素子、又はヘッド内部に除電路を有するリニアスキャン型磁気記録システム用再生ヘッド素子との、各々の組み合わせ時における、C/N特性と、システム安定性の評価を示したものである。
表2、4に示すように、ヘッド内部に除電路を設けた構成のヘリカルスキャン型磁気記録システム用再生ヘッド、あるいはリニアスキャン型磁気記録システム再生ヘッドを適用した実施例1〜15においては、何れの場合も、優れたC/N特性と、良好なシステム安定性評価が得られた。
この実施例1〜15において使用された媒体2〜7、媒体11〜16、及び媒体26から28は、それぞれ構成が異なるものであるが、いずれも磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq以上1×1013Ω/sq以下である。
すなわち、これらにおいては、従来、磁気記録媒体の表面電気抵抗率を下げるために意図的に混入していた導電物質を除去、あるいは極めて微量としたり、あるいは含有される導電物質の形態を例えば被着型といった特殊な形態として、意図的に表面電気抵抗率を低減化させたりしなくても、再生ヘッド素子内部に除電路が設けられている磁気記録再生システムを適用したことにより、優れた電磁変換特性、及びシステム安定性の両立が図られたことが明らかになった。
また、実施例1〜15においては使用した媒体2〜7、媒体11〜16、媒体26〜28の磁性層膜厚は異なっているものであるが、本発明に係る再生ヘッド素子の特性を兼ね備えた磁気記録再生システムを適用したことによりいずれも優れた評価が得られた。
一方、表3、及び表5に示すように、比較例1〜3、7〜9、19〜21、34〜36は、ヘッド内部に除電路を有しない磁気記録システム用再生ヘッド素子を備えた記録再生システムを適用したものであるが、磁気記録媒体の磁性層の表面電気抵抗が極めて低いため、システム安定性については良好な評価が得られたが、磁気記録媒体が構成上、除電路としての機能を有しているためにC/N特性が劣化してしまった。
また、比較例4〜6、10〜12、22〜24、37〜39においては、ヘッド内部に除電路を有する磁気記録システム用再生ヘッド素子を備えた記録再生システムを適用し、かつ磁気記録媒体の磁性層の表面電気抵抗が極めて低いものとしたため、システム安定性についての評価は良好であったが、やはりC/N特性については、実用上充分な値が得られなかった。
一方、比較例13から18、及び比較例25〜33においては、ヘッド内部に除電路を有しない磁気記録システム用再生ヘッド素子を備えた記録再生システムを適用し、かつ磁気記録媒体として、磁性層の表面電気抵抗率を1×108Ω/sq以上1×1013Ω/sq以下の数値範囲とし意図的な低減化を図らなかったものを適用したが、これらにおいては、磁気ヘッドの静電荷(静電気)を効果的に除去することができず、システム安定性が悪化した。
比較例40、41においては、磁性層の膜厚が0.4μmと厚いため、上記のように、高感度型の再生ヘッドを用いると、いずれにおいてもノイズが高くなってしまい、C/N特性が劣化した。
また、ヘッド内部に除電路を有しない磁気記録システム用再生ヘッド素子を備えた記録再生システムを適用した比較例40においては、磁気ヘッドの静電荷(静電気)を効果的に除去することができず、システム安定性が悪化した。
上述したことから明らかなように、本発明によれば、磁気抵抗型ヘッドを搭載する記録再生システムと、磁気記録媒体との組み合わせに関して、磁気抵抗型ヘッドの静電気破壊防止策として蓄積された電荷、いわゆる静電気を、磁気抵抗型ヘッド内部に設けた除電路を介して除去するようにしたことにより、静電気破壊を防止でき、更には、磁気記録媒体の構成を電磁変換特性の向上に特化したものとすることが可能となり、これらの両立が図られた。
本発明のフラックスガイド型MR素子の一例の要部の概略断面図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の一例の要部の概略斜視図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の他の一例の要部の概略斜視図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の他の一例の要部の概略断面図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の他の一例の要部の概略断面図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の他の一例の要部の概略断面図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 本発明のフラックスガイド型MR素子の製造工程図を示す。 表面電気抵抗率測定器の概略図を示す。 従来のフラックスガイド型MRヘッドの概略断面図を示す。
符号の説明
10……MRヘッド、11……第1の基板、12……導電材料(電極)、13a,13b……外部端子、14……非磁性非導電性膜、15……軟磁性薄膜(磁気シールド層)、16……グルーブ、17……非磁性非導電性膜、18a……非磁性非導電性膜(第1のギャップ膜)、18b……第2のギャップ膜、18c……第3のギャップ膜、20……軟磁性膜(フラックスガイド素子)、20b……第2のフラックスガイド素子、21……強磁性膜、21a,21b……バイアス層、22……積層膜(MR素子)、23……積層膜、23a,23b……バイアス層兼電極層、24……接続孔、24h……接続孔、25……接続孔、25h……接続孔、26……電極、27……電極、28……軟磁性膜(中間磁気シールド)、29……導電材料、30……第4のギャップ膜、31……接続孔、32……接続孔、33……第1コイル、34……第2コイル、35……上部磁気コア、36……外部端子、100……電極パターン、101……外部端子パターン、103……フォトレジストパターン、103h……開口部、104a,104b……開口部、105……フォトレジストパターン、106……フォトレジストパターン、106a,106b……開口部、107……フォトレジストパターン、108……フォトレジストパターン、109……フォトレジストパターン、110……電極パターン、111……フォトレジストパターン、112……フォトレジストパターン、200……上側電極、301,302……電極、303……磁気記録媒体、304……錘、305……電圧印加機(兼、抵抗測定機)







Claims (8)

  1. 少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置と、
    非磁性支持体に磁性層が形成された磁気記録媒体とで構成される磁気記録再生システムであって、
    前記磁気抵抗型磁気ヘッド素子は、静電荷除去手段を具備してなり、
    前記磁気記録媒体を構成する磁性層の膜厚が0.3μm以下で、
    前記磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであることを特徴とする磁気記録再生システム。
  2. 少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置に適用する磁気記録媒体であって、
    非磁性支持体に磁性層が形成されてなり、
    前記磁気抵抗型再生ヘッド素子は、静電荷除去手段を具備しているものとし、
    前記磁性層の膜厚は0.3μm以下であり、
    前記磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置と、
    非磁性支持体に磁性層が形成された磁気記録媒体とで構成される磁気記録再生システムであって、
    前記フラックスガイド、もしくは当該フラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体が、前記磁気抵抗型再生ヘッド素子内部の静電荷を除去する、静電荷除去機能を備えており、
    前記磁気記録媒体を構成する磁性層の膜厚は0.3μm以下であり、
    前記磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであることを特徴とする磁気記録再生システム。
  4. 少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置に適用する磁気記録媒体であって、
    非磁性支持体に磁性層が形成されてなり、
    前記フラックスガイド、もしくは当該フラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体は、前記磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する、静電荷除去機能を備えており、
    前記磁性層の膜厚は0.3μm以下であり、
    前記磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであることを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型再生ヘッド素子であって、
    前記フラックスガイド、もしくは当該フラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体が、前記磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する機能を有していることを特徴とする磁気抵抗型磁気ヘッド素子。
  6. 少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置と、
    非磁性支持体に磁性層が形成された磁気記録媒体とで構成される磁気記録再生システムであって、
    前記フラックスガイド、もしくは当該フラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体には、電極もしくは導電材料が接続されてなり、
    前記電極、もしくは前記導電材料は、前記磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する機能を有しており、
    前記磁気記録媒体を構成する磁性層の膜厚が0.3μm以下であり、
    前記磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであることを特徴とする磁気記録再生システム。
  7. 少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子を有する磁気記録再生装置に適用する磁気記録媒体であって、
    非磁性支持体に磁性層が形成されてなり、
    前記フラックスガイド、もしくは当該フラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体に、電極もしくは導電材料が接続されてなり、
    前記電極、もしくは前記導電材料は、前記磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する機能を有しており、
    前記磁性層の膜厚は0.3μm以下であり、
    前記磁性層形成面側の表面電気抵抗率が、1×108Ω/sq〜1×1013Ω/sqであることを特徴とする磁気記録媒体。
  8. 少なくとも一以上のフラックスガイドを具備する磁気抵抗型磁気ヘッド素子であって、
    前記フラックスガイド、もしくは当該フラックスガイドに物理的、もしくは電気的に接続する薄膜構造体に、電極、もしくは導電材料が接続されてなり、
    前記電極、もしくは前記導電材料は、前記磁気抵抗型磁気ヘッド素子内部の静電荷を除去する機能を有していることを特徴とする磁気抵抗型磁気ヘッド素子。





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