JPH1091922A - 記録再生分離型ヘッド、その製造方法及び磁気ディスク装置 - Google Patents
記録再生分離型ヘッド、その製造方法及び磁気ディスク装置Info
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- JPH1091922A JPH1091922A JP24507096A JP24507096A JPH1091922A JP H1091922 A JPH1091922 A JP H1091922A JP 24507096 A JP24507096 A JP 24507096A JP 24507096 A JP24507096 A JP 24507096A JP H1091922 A JPH1091922 A JP H1091922A
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Abstract
短絡する可能性を減らし、素子破壊を防止した記録再生
分離型ヘッドを提供すること。 【解決手段】上部磁気シールド膜6と下部磁気シールド
膜2を有する再生用の磁気抵抗効果ヘッド及びこの上部
磁気シールド膜6を下部の磁極として用いる記録用の誘
導型ヘッドからなる記録再生分離型ヘッドであり、磁気
抵抗効果ヘッドの電極5が上記の磁気シールド膜の大き
い方(上部及び下部磁気シールド膜の面積が同じときは
所望の一方)と平面的に重なる部分の面積をその磁気シ
ールド膜の面積の50%以下とした記録再生分離型ヘッ
ド。
Description
に用いられる記録再生分離型ヘッド、その製造方法及び
磁気ディスク装置に関する。
型ヘッドを、再生用に磁気抵抗効果(以下、MRとい
う)素子を用いたものが主である。MR素子は、抵抗値
が磁界の強さに依存して変化する特性を利用した素子
で、再生出力が磁気記録媒体走行速度に依存せず磁気信
号の磁束量のみによって決るため低速でも十分な再生出
力が得られ、磁気記録装置の高密度化、小型化に対して
有利である。
として、例えばIEEE Trans.Magn.,v
ol.26,pp.1689(1990)(アイイーイ
ーイー トランザクション オン マグネチックス、第
26巻、1689頁(1990年))が挙げられる。
記録密度向上のために今後トラック密度の増加に加えて
線記録密度も大幅に向上させていくことが必要であり、
そのためにMRヘッドのギャップ長はますます詰まって
いくことになり、絶縁性の確保が重要な課題となってく
る。MRヘッドの絶縁破壊は主として電極と上部及び下
部の磁気シールド間が短絡することで起こるため、上記
のようにギャップ長が狭まるにつれてこの確率は増加す
る傾向にある。上記従来技術は、この短絡の解決策につ
いては何ら検討していないという問題があった。
と磁気シールド間が短絡する可能性を減らし、素子破壊
を防止した記録再生分離型ヘッドを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、そのような記録再生分離型
ヘッドを有する磁気ディスク装置を提供することにあ
る。本発明の第3の目的は、記録再生分離型ヘッドを歩
留まりよく製造することのできる記録再生分離型ヘッド
の製造方法を提供することにある。
るために、本発明の記録再生分離型ヘッドは、再生用の
磁気抵抗効果ヘッドに上部磁気シールド膜と下部磁気シ
ールド膜を有し、記録用の誘導型ヘッドの下部の磁極と
して上記の上部磁気シールド膜を用い、上部及び下部磁
気シールド膜の面積が同じときは、上記磁気抵抗効果ヘ
ッドの電極が磁気シールド膜の所望の一方と平面的に重
なる部分の面積を、この所望の一方の磁気シールド膜の
面積の50%以下とし、上部及び下部磁気シールド膜の
面積が異なるときは、上記磁気抵抗効果ヘッドの電極が
磁気シールド膜の大きい方と平面的に重なる部分の面積
を、その大きい方の磁気シールド膜の面積の50%以下
としたものである。
つまり磁気シールド膜と電極が平面的には重ならない
で、横にずれたように配置されていてもよい。また、磁
気シールド膜の少なくとも一方は、少なくとも上記誘導
型ヘッドの絶縁膜を覆う大きさであることが好ましい。
本発明の磁気ディスク装置は、磁気ディスクと、磁気デ
ィスクに情報を記録、再生するための磁気ヘッドと、磁
気ディスクと磁気ヘッドの相対的な位置を変化させるた
めの手段と、これらを制御するための制御手段を有し、
この磁気ヘッドに上記の記録再生分離型ヘッドを用いる
ようにしたものである。
本発明の記録再生分離型ヘッドの製造方法は、基板上に
下部磁気シールド膜を形成し、磁気抵抗効果膜、バイア
ス膜、磁区制御膜、磁気抵抗効果膜に電流を供給するた
めの電極を所望の順に形成し、この電極の引出線と上部
磁気シールド膜を同一の膜で形成し、この膜を分離して
引出線と上部磁気シールド膜とするようにしたものであ
る。
ッドは、上記した記録再生分離型ヘッド、すなわち、磁
気抵抗効果ヘッドの電極が磁気抵抗効果ヘッドの磁気シ
ールド膜の大きい方(上部及び下部磁気シールド膜の面
積が同じときは所望の一方)と平面的に重なる部分の面
積をその磁気シールド膜の面積の50%以下としたヘッ
ドであることが好ましい。この磁気シールド膜の少なく
とも一方は、少なくとも誘導型ヘッドの絶縁膜を覆う大
きさであることが好ましい。
する。 〈実施例1〉図1は、本発明の記録再生分離型ヘッドの
一実施例の一部切り欠け斜視図である。図1に示すよう
に、記録再生分離型ヘッドのMRヘッドの上部磁気シー
ルド膜6は、誘導型ヘッド(コイル8、第2の層間絶縁
膜9、上部磁性膜10等により構成される)をカバーで
きるほど大きい。なお、上部磁気シールド膜6は図の右
手方向に下部磁気シールド膜2を覆うように伸びている
が(ただし後に説明するように引出線12のところには
存在しない)、その部分を切り欠いて示している。誘導
型ヘッド部分を製造するとき、その下に段差があるとコ
イル断線等を生じやすいが、このように上部磁気シール
ド膜6は誘導型ヘッド、特にその絶縁膜をカバーするよ
うに大きく、かつ、表面が平坦であるため、そのような
不良モードを考慮する必要がない。この磁気シールド膜
と重なって配置されているMRヘッドに電流を流す電極
5の面積を上記上部磁気シールド膜6の面積の50%以
下とすることにより、電極5と上部磁気シールド膜6が
ギャップ膜をはさんで短絡する可能性を減らすことがで
きる。
長がさらに詰まってきたときに特に有効である。すなわ
ち、下記式(1)に示すように、ギャップ長Dが小さく
なると電極のコンデンサー容量Cは大きくなるが、電極
5の面積Lを小さくすることで容量が押さえることがで
きる。そのため、式(2)から分かるように、MRヘッ
ドに電流を流す電極が電荷Qをため込まないので、静電
破壊による素子不良を防止することができる。 C(コンデンサー容量)=L(電極の面積)/D(ギャップ長) (1) Q(電荷)=C(コンデンサー容量)・V(電圧) (2) なお、電極5及び上部磁気シールド膜6の面積は、それ
ぞれを形成するホトマスクの形状により制御できる。
に対するMRヘッドの電極の面積とMRヘッドの耐圧不
良率の関係を示す。ここで、図3のMRヘッドのギャッ
プ長は0.2μm、電圧は10V、図4のMRヘッドの
ギャップ長は0.25μm、電圧は10Vである。ま
た、誘導型ヘッドの電圧はいずれも100Vである。こ
の場合MRヘッドの電極はすべて上部磁気シールド膜と
重なっているので、これらの図から解るように、この面
積が上部磁気シールド膜の50%を越えると不良率が増
大する。
と重なるMRヘッドの電極の面積が上部磁気シールドの
面積の90%程度であったが、本実施例に示すようにこ
の面積を上部磁気シールドの面積の50%以下とするこ
とにより短絡を防ぐ効果があり、これは特にギャップ長
が狭くなったときに有効である。なお、磁気シールド膜
に対する電極の面積を規定するときは、対象となる磁気
シールド膜は、上部、下部磁気シールド膜の内の大きな
方をいう。
スの概要を示す。セラミック基板1上にNiFe等の磁
性膜により形成された下部磁気シールド膜2及びアルミ
ナ等の絶縁膜により形成された下部ギャップ膜(図示せ
ず)があり、その上にMRセンサ膜3がストライプ状に
形成される。MRセンサ膜3は、NiFe等の磁性材料
を使用したMR膜やMR膜にバイアスを加えるバイアス
膜等複数の膜で構成されている。さらにこれらの横に
は、MR膜の磁区を安定させるための磁区制御膜4及び
MRセンサ膜をセンサーとして働かせるための電流を供
給する役割を果たす電極5が形成される。電極5はリフ
トオフ法によって形成する。先に述べたようにこのとき
適当なホトマスクを使用することにより、電極5の面積
を上部磁気シールド膜6の面積の50%以下とする。こ
のとき電極5の形状は様々に作れるが、例えば図1に示
すように浮上面(図の左手前に当たる)に近いところに
のみ電極5が配置されている形状が素子抵抗を低くする
という意味で好ましい。その後、アルミナ等の絶縁膜か
らなる上部ギャップ膜(図示せず)を形成する。
膜6と同じNiFe等の磁性膜によりなる膜で同時に形
成し、それをホトマスクを用いてイオンミリングで分離
してそれぞれ引出線12と上部磁気シールド膜6とす
る。そのため上部磁気シールド膜6は、前述したように
引出線12のところには存在しない。また、電極上の適
当な部分(図では点線で示した部分)で上部ギャップ膜
(図示せず)をリフトオフ法により抜いて電極5と引出
線12のコンタクトをとる。また、引出線12を上部磁
気シールド膜と同じ膜で作ることにより、端子11aの
形成も簡単になる。すなわち、上部磁気シールド膜6よ
り下層の絶縁膜、例えば上部ギャップ膜等を端子11a
の構造の中にそのまま残すことができる。
する。そして、この上にレジストからなる第1の層間絶
縁膜7を形成する。第1の層間絶縁膜7の上に誘導型ヘ
ッドに電流を流すためのコイル8がめっき法にて形成さ
れる。そしてこの上に第2の層間絶縁膜9が、第1の層
間絶縁膜7と同じプロセスで形成される。さらにこの上
に上部磁性膜10がめっき法にて積層される。このと
き、上部磁気シールド膜6が絶縁膜をカバーするほど大
きく形成されているため、上記各層の形成が平坦面で可
能となり、コイルの断線等誘導型ヘッドの不良数を低減
できる。
11a及び素子を保護する保護膜を形成してウエハ作成
プロセスは完成する。なお、本実施例のMRヘッドのギ
ャップ長は、0.20μmとした。
るスライダーの斜視図である。スライダーのサイズは、
横幅が1600μm、高さが400μm、奥行き方向が
2.05mmである。図の手前上部が浮上面に当たる。
また、図2には図1に示した端子11aの他の端子11
も示した。
並んだウエハ21の概念図である。この図に示すよう
に、素子20はウエハ21上で一定の間隔をもって同じ
ものが並んでいる。
成し、それぞれのウエハから得られたMRヘッドの耐圧
を測定したところ、その歩留りは97〜99%であっ
た。比較として、MRヘッドの電極の面積が上部磁気シ
ールド膜の面積と同じ大きさで、その他は本実施例と同
じ構造の素子を複数個有するウエハを3枚作成し、得ら
れたMRヘッドの耐圧を測定したところ、その歩留りは
85〜90%であった。その際印加した電圧は、誘導型
ヘッドに100V、MRヘッドに10Vである。以上の
ことから、MRヘッドの電極の面積を上部磁気シールド
膜の面積の50%以下にしてそれらの短絡の可能性を小
さくすることで、素子の耐圧歩留りを向上できることが
分かった。また、本発明のプロセスで作った記録再生分
離型ヘッドはコイルの断線不良が全くなく、安定した素
子抵抗値を得られることも確認した。
置の一実施例の概略斜視図である。本図に示すように、
磁気ディスク装置は等間隔で一軸スピンドル上に積層さ
れた複数の磁気ディスク13と移動可能なキャリッジア
ッシイ14に保持された磁気ヘッド15、このキャリッ
ジアッシイ14を駆動するボイスコイルモーター16、
これらを支持するベース17等から構成される。また、
磁気ディスク制御装置等の上位装置から送り出される信
号に従って、ボイスコイルモーター16を制御するボイ
スコイルモーター制御回路を備えており、上位装置との
信号のやりとりを行うインターフェイス部、磁気ヘッド
に流れる電流を制御するリード/ライト回路等を介して
上位装置と接続される。ここで、磁気ヘッド15に本発
明に示す十分な耐圧が確保されている薄膜ヘッドを用い
ることにより、動作時に静電破壊等を起こす可能性が極
めて小さくなった。
離型ヘッドの他の実施例の一部切り欠け斜視図である。
記録再生分離型ヘッドのMRヘッドの上部磁気シールド
膜6と下部磁気シールド2が両方とも誘導型ヘッドをカ
バーできるほど大きい。なお、上部磁気シールド膜6
は、実施例1と同様に、引出線12の部分を除いて図の
右手方向に下部磁気シールド膜2を覆うように伸びてい
る。その他の部分は実施例1と同様である。本実施例の
特徴は、誘導型ヘッドの下部の段差をほぼなくせるた
め、コイル8の断線等誘導型ヘッドに関係する不良の発
生を押さえられる。本実施例の通りの方法でウエハを1
0枚作成し、それぞれのウエハから得られたMRヘッド
の耐圧を測定したところ、その歩留りは97〜99%で
あった。
離型ヘッドのさらに他の実施例の一部切り欠け斜視図で
ある。記録再生分離型ヘッドのMRヘッドの下部磁気シ
ールド膜2が誘導型ヘッドをカバーできるほど大きく、
上部磁気シールド膜6は、実施例1、3より小さい。そ
の他の部分は実施例1と同様である。本実施例の特徴
は、構造の関係で耐圧がより厳しい上部磁気シールド膜
6と電極5が短絡する確率を低減できることである。な
お、この場合電極5の面積は、磁気シールド膜の大きい
方、つまり下部磁気シールド膜2の面積と比較する。本
実施例の通りの方法でウエハを10枚作成し、それぞれ
のウエハから得られたMRヘッドの耐圧を測定したとこ
ろ、その歩留りは98〜99%であった。
分離型ヘッドによれば、MRヘッドの電極と上部、下部
磁気シールド膜間の短絡の可能性を減少させ、素子破壊
を回避できる。また、本発明の磁気ディスク装置によれ
ば、用いた記録再生分離型ヘッドの素子破壊を減少させ
ることができる。また、本発明の記録再生分離型ヘッド
の製造方法によれば、その製造歩留まりを向上させるこ
とができる。
部切り欠け斜視図。
ダーの一例の斜視図。
電極の面積とMRヘッドの耐圧不良率の関係図。
電極の面積とMRヘッドの耐圧不良率の関係図。
一部切り欠け斜視図。
施例の一部切り欠け斜視図。
及び磁気ディスク装置
に用いられる記録再生分離型ヘッド、その製造方法及び
磁気ディスク装置に関する。
型ヘッドを、再生用に磁気抵抗効果(以下、MRとい
う)素子を用いたものが主である。MR素子は、抵抗値
が磁界の強さに依存して変化する特性を利用した素子
で、再生出力が磁気記録媒体走行速度に依存せず磁気信
号の磁束量のみによって決るため低速でも十分な再生出
力が得られ、磁気記録装置の高密度化、小型化に対して
有利である。
として、例えばIEEE Trans.Magn.,v
ol.26,pp.1689(1990)(アイイーイ
ーイー トランザクション オン マグネチックス、第
26巻、1689頁(1990年))が挙げられる。
記録密度向上のために今後トラック密度の増加に加えて
線記録密度も大幅に向上させていくことが必要であり、
そのためにMRヘッドのギャップ長はますます詰まって
いくことになり、絶縁性の確保が重要な課題となってく
る。MRヘッドの絶縁破壊は主として電極と上部及び下
部の磁気シールド間が短絡することで起こるため、上記
のようにギャップ長が狭まるにつれてこの確率は増加す
る傾向にある。上記従来技術は、この短絡の解決策につ
いては何ら検討していないという問題があった。
と磁気シールド間が短絡する可能性を減らし、素子破壊
を防止した記録再生分離型ヘッドを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、そのような記録再生分離型
ヘッドを有する磁気ディスク装置を提供することにあ
る。本発明の第3の目的は、記録再生分離型ヘッドを歩
留まりよく製造することのできる記録再生分離型ヘッド
の製造方法を提供することにある。
るために、本発明の記録再生分離型ヘッドは、再生用の
磁気抵抗効果ヘッドに上部磁気シールド膜と下部磁気シ
ールド膜を有し、記録用の誘導型ヘッドの下部の磁極と
して上記の上部磁気シールド膜を用い、上部及び下部磁
気シールド膜の面積が同じときは、上記磁気抵抗効果ヘ
ッドの電極が磁気シールド膜の所望の一方と平面的に重
なる部分の面積を、この所望の一方の磁気シールド膜の
面積の50%以下とし、上部及び下部磁気シールド膜の
面積が異なるときは、上記磁気抵抗効果ヘッドの電極が
磁気シールド膜の大きい方と平面的に重なる部分の面積
を、その大きい方の磁気シールド膜の面積の50%以下
としたものである。
つまり磁気シールド膜と電極が平面的には重ならない
で、横にずれたように配置されていてもよい。また、磁
気シールド膜の少なくとも一方は、少なくとも上記誘導
型ヘッドの絶縁膜を覆う大きさであることが好ましい。
本発明の磁気ディスク装置は、磁気ディスクと、磁気デ
ィスクに情報を記録、再生するための磁気ヘッドと、磁
気ディスクと磁気ヘッドの相対的な位置を変化させるた
めの手段と、これらを制御するための制御手段を有し、
この磁気ヘッドに上記の記録再生分離型ヘッドを用いる
ようにしたものである。
本発明の記録再生分離型ヘッドの製造方法は、基板上に
下部磁気シールド膜を形成し、磁気抵抗効果膜、バイア
ス膜、磁区制御膜、磁気抵抗効果膜に電流を供給するた
めの電極を所望の順に形成し、この電極の引出線と上部
磁気シールド膜を同一の膜で形成し、この膜を分離して
引出線と上部磁気シールド膜とするようにしたものであ
る。
ッドは、上記した記録再生分離型ヘッド、すなわち、磁
気抵抗効果ヘッドの電極が磁気抵抗効果ヘッドの磁気シ
ールド膜の大きい方(上部及び下部磁気シールド膜の面
積が同じときは所望の一方)と平面的に重なる部分の面
積をその磁気シールド膜の面積の50%以下としたヘッ
ドであることが好ましい。この磁気シールド膜の少なく
とも一方は、少なくとも誘導型ヘッドの絶縁膜を覆う大
きさであることが好ましい。
する。 〈実施例1〉図1は、本発明の記録再生分離型ヘッドの
一実施例の一部切り欠け斜視図である。図1に示すよう
に、記録再生分離型ヘッドのMRヘッドの上部磁気シー
ルド膜6は、誘導型ヘッド(コイル8、第2の層間絶縁
膜9、上部磁性膜10等により構成される)をカバーで
きるほど大きい。なお、上部磁気シールド膜6は図の右
手方向に下部磁気シールド膜2を覆うように伸びている
が(ただし後に説明するように引出線12のところには
存在しない)、その部分を切り欠いて示している。誘導
型ヘッド部分を製造するとき、その下に段差があるとコ
イル断線等を生じやすいが、このように上部磁気シール
ド膜6は誘導型ヘッド、特にその絶縁膜をカバーするよ
うに大きく、かつ、表面が平坦であるため、そのような
不良モードを考慮する必要がない。この磁気シールド膜
と重なって配置されているMRヘッドに電流を流す電極
5の面積を上記上部磁気シールド膜6の面積の50%以
下とすることにより、電極5と上部磁気シールド膜6が
ギャップ膜をはさんで短絡する可能性を減らすことがで
きる。
長がさらに詰まってきたときに特に有効である。すなわ
ち、下記式(1)に示すように、ギャップ長Dが小さく
なると電極のコンデンサー容量Cは大きくなるが、電極
5の面積Lを小さくすることで容量が押さえることがで
きる。そのため、式(2)から分かるように、MRヘッ
ドに電流を流す電極が電荷Qをため込まないので、静電
破壊による素子不良を防止することができる。 C(コンデンサー容量)=L(電極の面積)/D(ギャップ長) (1) Q(電荷)=C(コンデンサー容量)・V(電圧) (2) なお、電極5及び上部磁気シールド膜6の面積は、それ
ぞれを形成するホトマスクの形状により制御できる。
に対するMRヘッドの電極の面積とMRヘッドの耐圧不
良率の関係を示す。ここで、図3のMRヘッドのギャッ
プ長は0.2μm、電圧は10V、図4のMRヘッドの
ギャップ長は0.25μm、電圧は10Vである。ま
た、誘導型ヘッドの電圧はいずれも100Vである。こ
の場合MRヘッドの電極はすべて上部磁気シールド膜と
重なっているので、これらの図から解るように、この面
積が上部磁気シールド膜の50%を越えると不良率が増
大する。
と重なるMRヘッドの電極の面積が上部磁気シールドの
面積の90%程度であったが、本実施例に示すようにこ
の面積を上部磁気シールドの面積の50%以下とするこ
とにより短絡を防ぐ効果があり、これは特にギャップ長
が狭くなったときに有効である。なお、磁気シールド膜
に対する電極の面積を規定するときは、対象となる磁気
シールド膜は、上部、下部磁気シールド膜の内の大きな
方をいう。
スの概要を示す。セラミック基板1上にNiFe等の磁
性膜により形成された下部磁気シールド膜2及びアルミ
ナ等の絶縁膜により形成された下部ギャップ膜(図示せ
ず)があり、その上にMRセンサ膜3がストライプ状に
形成される。MRセンサ膜3は、NiFe等の磁性材料
を使用したMR膜やMR膜にバイアスを加えるバイアス
膜等複数の膜で構成されている。さらにこれらの横に
は、MR膜の磁区を安定させるための磁区制御膜4及び
MRセンサ膜をセンサーとして働かせるための電流を供
給する役割を果たす電極5が形成される。電極5はリフ
トオフ法によって形成する。先に述べたようにこのとき
適当なホトマスクを使用することにより、電極5の面積
を上部磁気シールド膜6の面積の50%以下とする。こ
のとき電極5の形状は様々に作れるが、例えば図1に示
すように浮上面(図の左手前に当たる)に近いところに
のみ電極5が配置されている形状が素子抵抗を低くする
という意味で好ましい。その後、アルミナ等の絶縁膜か
らなる上部ギャップ膜(図示せず)を形成する。
膜6と同じNiFe等の磁性膜によりなる膜で同時に形
成し、それをホトマスクを用いてイオンミリングで分離
してそれぞれ引出線12と上部磁気シールド膜6とす
る。そのため上部磁気シールド膜6は、前述したように
引出線12のところには存在しない。また、電極上の適
当な部分(図では点線で示した部分)で上部ギャップ膜
(図示せず)をリフトオフ法により抜いて電極5と引出
線12のコンタクトをとる。また、引出線12を上部磁
気シールド膜と同じ膜で作ることにより、端子11aの
形成も簡単になる。すなわち、上部磁気シールド膜6よ
り下層の絶縁膜、例えば上部ギャップ膜等を端子11a
の構造の中にそのまま残すことができる。
する。そして、この上にレジストからなる第1の層間絶
縁膜7を形成する。第1の層間絶縁膜7の上に誘導型ヘ
ッドに電流を流すためのコイル8がめっき法にて形成さ
れる。そしてこの上に第2の層間絶縁膜9が、第1の層
間絶縁膜7と同じプロセスで形成される。さらにこの上
に上部磁性膜10がめっき法にて積層される。このと
き、上部磁気シールド膜6が絶縁膜をカバーするほど大
きく形成されているため、上記各層の形成が平坦面で可
能となり、コイルの断線等誘導型ヘッドの不良数を低減
できる。
11a及び素子を保護する保護膜を形成してウエハ作成
プロセスは完成する。なお、本実施例のMRヘッドのギ
ャップ長は、0.20μmとした。
るスライダーの斜視図である。スライダーのサイズは、
横幅が1600μm、高さが400μm、奥行き方向が
2.05mmである。図の手前上部が浮上面に当たる。
また、図2には図1に示した端子11aの他の端子11
も示した。
並んだウエハ21の概念図である。この図に示すよう
に、素子20はウエハ21上で一定の間隔をもって同じ
ものが並んでいる。
成し、それぞれのウエハから得られたMRヘッドの耐圧
を測定したところ、その歩留りは97〜99%であっ
た。比較として、MRヘッドの電極の面積が上部磁気シ
ールド膜の面積と同じ大きさで、その他は本実施例と同
じ構造の素子を複数個有するウエハを3枚作成し、得ら
れたMRヘッドの耐圧を測定したところ、その歩留りは
85〜90%であった。その際印加した電圧は、誘導型
ヘッドに100V、MRヘッドに10Vである。以上の
ことから、MRヘッドの電極の面積を上部磁気シールド
膜の面積の50%以下にしてそれらの短絡の可能性を小
さくすることで、素子の耐圧歩留りを向上できることが
分かった。また、本発明のプロセスで作った記録再生分
離型ヘッドはコイルの断線不良が全くなく、安定した素
子抵抗値を得られることも確認した。
置の一実施例の概略斜視図である。本図に示すように、
磁気ディスク装置は等間隔で一軸スピンドル上に積層さ
れた複数の磁気ディスク13と移動可能なキャリッジア
ッシイ14に保持された磁気ヘッド15、このキャリッ
ジアッシイ14を駆動するボイスコイルモーター16、
これらを支持するベース17等から構成される。また、
磁気ディスク制御装置等の上位装置から送り出される信
号に従って、ボイスコイルモーター16を制御するボイ
スコイルモーター制御回路を備えており、上位装置との
信号のやりとりを行うインターフェイス部、磁気ヘッド
に流れる電流を制御するリード/ライト回路等を介して
上位装置と接続される。ここで、磁気ヘッド15に本発
明に示す十分な耐圧が確保されている薄膜ヘッドを用い
ることにより、動作時に静電破壊等を起こす可能性が極
めて小さくなった。
離型ヘッドの他の実施例の一部切り欠け斜視図である。
記録再生分離型ヘッドのMRヘッドの上部磁気シールド
膜6と下部磁気シールド2が両方とも誘導型ヘッドをカ
バーできるほど大きい。なお、上部磁気シールド膜6
は、実施例1と同様に、引出線12の部分を除いて図の
右手方向に下部磁気シールド膜2を覆うように伸びてい
る。その他の部分は実施例1と同様である。本実施例の
特徴は、誘導型ヘッドの下部の段差をほぼなくせるた
め、コイル8の断線等誘導型ヘッドに関係する不良の発
生を押さえられる。本実施例の通りの方法でウエハを1
0枚作成し、それぞれのウエハから得られたMRヘッド
の耐圧を測定したところ、その歩留りは97〜99%で
あった。
離型ヘッドのさらに他の実施例の一部切り欠け斜視図で
ある。記録再生分離型ヘッドのMRヘッドの下部磁気シ
ールド膜2が誘導型ヘッドをカバーできるほど大きく、
上部磁気シールド膜6は、実施例1、3より小さい。そ
の他の部分は実施例1と同様である。本実施例の特徴
は、構造の関係で耐圧がより厳しい上部磁気シールド膜
6と電極5が短絡する確率を低減できることである。な
お、この場合電極5の面積は、磁気シールド膜の大きい
方、つまり下部磁気シールド膜2の面積と比較する。本
実施例の通りの方法でウエハを10枚作成し、それぞれ
のウエハから得られたMRヘッドの耐圧を測定したとこ
ろ、その歩留りは98〜99%であった。
分離型ヘッドによれば、MRヘッドの電極と上部、下部
磁気シールド膜間の短絡の可能性を減少させ、素子破壊
を回避できる。また、本発明の磁気ディスク装置によれ
ば、用いた記録再生分離型ヘッドの素子破壊を減少させ
ることができる。また、本発明の記録再生分離型ヘッド
の製造方法によれば、その製造歩留まりを向上させるこ
とができる。
部切り欠け斜視図。
ダーの一例の斜視図。
電極の面積とMRヘッドの耐圧不良率の関係図。
電極の面積とMRヘッドの耐圧不良率の関係図。
一部切り欠け斜視図。
施例の一部切り欠け斜視図。
Claims (3)
- 【請求項1】上部磁気シールド膜及び下部磁気シールド
膜を有する再生用の磁気抵抗効果ヘッド並びに該上部磁
気シールド膜を下部の磁極として用いる記録用の誘導型
ヘッドからなる記録再生分離型ヘッドにおいて、上記上
部及び下部磁気シールド膜の面積が同じときは、上記磁
気抵抗効果ヘッドの電極が上記磁気シールド膜の所望の
一方と平面的に重なる部分の面積は、該所望の一方の磁
気シールド膜の面積の50%以下であり、上記上部及び
下部磁気シールド膜の面積が異なるときは、上記磁気抵
抗効果ヘッドの電極が上記磁気シールド膜の大きい方と
平面的に重なる部分の面積は、上記磁気シールド膜の大
きい方の面積の50%以下であることを特徴とする記録
再生分離型ヘッド。 - 【請求項2】磁気ディスク、該磁気ディスクに情報を記
録、再生するための磁気ヘッド、上記磁気ディスクと上
記磁気ヘッドの相対的な位置を変化させるための手段及
びこれらを制御するための制御手段を有する磁気ディス
ク装置において、上記磁気ヘッドが請求項1記載の記録
再生分離型ヘッドであることを特徴とする磁気ディスク
装置。 - 【請求項3】基板上に下部磁気シールド膜を形成する工
程と、磁気抵抗効果膜、バイアス膜、磁区制御膜、磁気
抵抗効果膜に電流を供給するための電極を所望の順に形
成する工程と、該電極の引出線と上部磁気シールド膜を
同一の膜で形成し、該膜を引出線と上部磁気シールド膜
に分離する工程とを有することを特徴とする記録再生分
離型ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24507096A JP3366813B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 記録再生分離型ヘッド及び磁気ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24507096A JP3366813B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 記録再生分離型ヘッド及び磁気ディスク装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1091922A true JPH1091922A (ja) | 1998-04-10 |
JP3366813B2 JP3366813B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=17128155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24507096A Expired - Fee Related JP3366813B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 記録再生分離型ヘッド及び磁気ディスク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3366813B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7239488B2 (en) * | 2004-03-09 | 2007-07-03 | Sae Magnetics (H.K.), Ltd. | MR sensor on an insulating substrate and method of manufacture |
-
1996
- 1996-09-17 JP JP24507096A patent/JP3366813B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7239488B2 (en) * | 2004-03-09 | 2007-07-03 | Sae Magnetics (H.K.), Ltd. | MR sensor on an insulating substrate and method of manufacture |
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