JPH11352304A - 反射防止光学部材および防汚層の形成方法 - Google Patents

反射防止光学部材および防汚層の形成方法

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JPH11352304A
JPH11352304A JP10163239A JP16323998A JPH11352304A JP H11352304 A JPH11352304 A JP H11352304A JP 10163239 A JP10163239 A JP 10163239A JP 16323998 A JP16323998 A JP 16323998A JP H11352304 A JPH11352304 A JP H11352304A
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JP10163239A
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English (en)
Inventor
Koichi Ohata
浩一 大畑
Noritoshi Tomikawa
典俊 富川
Jiro Watanabe
二郎 渡辺
Mitsuo Asai
光雄 浅井
Hitoshi Uehara
仁 上原
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Toppan Inc
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に、指紋、皮脂などの汚れの付着を防止
し、付着しても容易に拭き取れる防汚層を高い耐久性で
形成した反射防止光学部材およびこの防汚層を形成する
方法を提供する。 【解決手段】 透明基材上の少なくとも片面に反射防止
層を有する反射防止光学部材において、最表面上に特定
の有機ケイ素化合物(一般式1)、および他の特定の有
機ケイ素化合物(一般式2、3)を含有する防汚剤から
なる防汚層を形成した反射防止光学部材。前記防汚層を
ウェットコーティンク法(ディップコーティング法、ス
ピンコーティング法など)により前記反射防止層上に塗
布し、必要ならば加熱、加湿、紫外線照射、又は電子線
照射などを行う。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ(液
晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクショ
ンテレビ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイな
ど)の表示画面表面に適用される反射防止光学部材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】多くのディスプレイは、室内外を問わ
ず、外光などが入射するような環境下で使用される。こ
の外光などの入射光は、ディスプレイ表面などにおいて
正反射され、反射像が表示光と混合し表示品質を低下さ
せ、表示画像を見にくくしている。特に、最近のオフィ
スのOA化に伴いコンピューターを使用する頻度が増
し、ディスプレイと相対していることが長時間化した。
これにより反射像などによる表示品質の低下は、目の疲
労など健康障害などを引き起こす要因とも考えられてい
る。更には、近年ではアウトドアライフの普及に伴い、
各種ディスプレイを室外で使用する機会が益々増える傾
向にあり、表示品質をより向上して表示画像を明確に認
識できるような要求が出てきている。これらの要求を満
たす為の例として、透明基材の表面に、金属酸化物など
から成る高屈折率層と低屈折率層を積層した、或いは無
機や有機フッ素化合物などの低屈折率層を単層で形成し
た可視光の広範囲にわたり反射防止効果を有する反射防
止光学部材をディスプレイ表面に張り合わせるなどして
利用することが知られている。
【0003】これとは別に、透明プラスチックフィルム
基材の表面に透明な微粒子を含むコーティング層を形成
し、凹凸状の表面により外光を乱反射させるなどして
も、同様の効果を得られることが知られている。一方、
上記反射防止光学部材には、人が使用することによっ
て、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着する場合
が多い。そのような汚れは、一度付着すると除去するこ
とは容易ではなく、付着した汚れが目立つため問題があ
った。
【0004】そこで、これら汚れの問題を解決する手段
として、汚れが付着しにくく、付着しても拭き取りやす
い性能を持つ防汚層を反射防止光学部材の表面に設ける
工夫が考案されている。例えば、特開昭64−8610
1号公報には、基材の表面に、主として二酸化珪素から
なる反射防止膜を設け、更にその表面に有機珪素置換基
を含む化合物で処理した耐汚染性、耐擦傷性の反射防止
膜物品が提案されている。特開平4−338901号公
報には、同様に基材表面に末端シラノール有機ポリシロ
キサンを皮膜した耐汚染性、耐擦傷性のCRTフィルタ
ーが提案されている。また、特公平6−29332号公
報には、プラスチック表面にポリフルオルアルキル基を
含むモノおよびジシラン化合物およびハロゲン、アルキ
ルまたはアルコキシのシラン化合物とからなる反射防止
膜を有する低反射率および防汚性のプラスチックが提案
されている。更に、特開平7−16940号公報には、
パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートとアルコキ
シシラン基を有する単量体との共重合体を二酸化珪素を
主とする光学薄膜上に形成した光学物品が提案されてい
る。
【0005】しかし、前記に示された技術においては、
この防汚性が不十分であり、特に、指紋、皮脂、汗、化
粧品などの汚れに対して拭き取りにくく、また、使用と
ともに防汚性能が大きく低下するために、防汚性と耐久
性に優れた反射防止光学部材が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
防汚層の形成技術においては、防汚性が不十分であり、
特に、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが拭き取りに
くく、また、使用とともに防汚性能が大きく低下する。
このため、防汚性と耐久性に優れた反射防止光学部材が
望まれている。
【0007】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、本発明の第1の目的は、
反射防止光学部材の表面に、指紋、皮脂、汗、化粧品な
どの汚れが付着することを防止し、また、付着しても容
易に拭き取れるようにする優れた防汚性を有する防汚層
を高い耐久性で形成した反射防止光学部材を提供するこ
とであり、本発明の第2の目的は、このような防汚層を
反射防止光学部材の反射防止層上に形成する方法を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
請求項1の発明は、透明基材上の少なくとも片面に反射
防止層を有する反射防止光学部材において、最表面上に
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物、および下記
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を含有する防
汚剤からなる防汚層が形成されたことを特徴とする反射
防止光学部材である。
【0009】
【化4】
【0010】(ここに、Rf は炭素数1〜10のパーフ
ロロアルキル基、R1 は炭素数2〜10の2価炭化水素
基である。)
【0011】
【化5】
【0012】〔式中、R2 は互いに同一又は異種の炭素
数1〜10の1価炭化水素基、R3 は下記一般式(3)
【0013】
【化6】
【0014】(ここに、R6 は炭素数2〜10の2価炭
化水素基、R7 は炭素数1〜10の1価炭化水素基、a
は0〜2の整数である。)で表される加水分解性基、R
4 はフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の1
価炭化水素基、R5 はR3 又はR4 を示すが、各R5
互いに同一であっても異なっていてもよい。kは0〜1
00、mは0〜100、nは0〜5の整数であるが、n
は0の場合、R5 の少なくとも1個はR3 である。〕
【0015】本発明の請求項2の発明は、透明基材上の
少なくとも片面に反射防止層を有する反射防止光学部材
の前記反射防止層上に請求項1記載の防汚剤からなる防
汚層を形成する際、前記防汚層をウェットコーティンク
法(ディップコーティング法、スピンコーティング法、
フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロー
ルコーティング法、グラビアコーティング法など)によ
り前記反射防止層上に塗布し、必要ならば加熱、加湿、
紫外線照射、又は電子線照射などを行うことを特徴とす
る防汚層の形成方法である。
【0016】本発明の請求項3の発明は、請求項1記載
の反射防止光学部材あるいは請求項2記載の防汚層の形
成方法において、前記透明基材が、有機基材である透明
プラスチック基材、又は無機基材であるガラス板である
ことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射防止光学部材は、透明基材上の少なくとも
片面に反射防止層を有する反射防止光学部材であって、
最表面上に形成される防汚層は、前記一般式(1)で表
される有機ケイ素化合物、および、前記一般式(2)で
表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする
防汚剤より構成される。
【0018】前記一般式(1)において、Rf は炭素数
1〜10、好ましくは炭素数4〜10のパーフロロアル
キル基であり、CF3 ―基, C49 ―基, C817
基などを例示することができる。R1 は炭素数2〜10
の2価炭化水素基であり、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基などのアルキ
レン基、シクロヘキシレン基などのシクロアルキレン
基、フェニレン基などのアリーレン基などを例示するこ
とができ、特にエチレン基、プロピレン基、フェニレン
基が好ましい。
【0019】また、前記一般式(2)で表されるR2
互いに同一又は異種炭素数1〜10の1価炭化水素基で
あり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基などのアルキル基、シ
クロヘキシル基などのシクロアルキル基、ビニル基、ア
リル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基など
のアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール
基、ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基
などが挙げられ、特にメチル基、エチル基、フェニル
基、フェニルエチル基が好ましい。
【0020】R3 は前記一般式(3)で示される加水分
解基である。R6 は炭素数2〜10の2価炭化水素基で
あり、2価炭化水素基としては、R1 で例示したと同様
のものが例示される。また、R7 は炭素数1〜10の1
価炭化水素基であり、R2 と同様のものが例示される
が、メチル基であることが好ましい。aは0、1又は
2、好ましくは0又は1である。
【0021】また、前記一般式(2)において、R4
炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R2 で例示し
たと同様のものを挙げることができるが、これはその炭
素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素原子
にて置換されていてもよく、このような置換基として、
1 と同様なものが挙げられ、トリフロロプロピル基な
どを例示することができる。
【0022】更に、R5 はR3 又はR4 を示し、各R5
は互いに同一であっても異なっていてもよいが、nが0
の場合、少なくとも1個のR5 はR3 である。kは0〜
100、好ましくは0〜60、mは0〜100、好まし
くは0〜60、nは0〜5である。上述したように、n
=0の場合、R5 の少なくとも1個はR3 であり、従っ
て前記一般式(2)の化合物は、分子中に少なくとも1
個のR3 (加水分解性基)を含み、またフロロアルキル
基を有してもよいシロキサンである。
【0023】前記一般式(1)の有機ケイ素化合物と、
前記一般式(2)の有機ケイ素化合物の混合比は、特に
制限はないが、重量比として1.0:0.1〜0.1:
1.0、特には、0.5:1.0〜1.0:0.5が望
ましい。この場合、前記一般式(1)の有機ケイ素化合
物が少ないと、特に、撥油性が劣り、前記一般式(2)
の有機ケイ素化合物が少ないと、基材表面に粘着感が出
て、それぞれ、目的とする防汚性が発揮されず、好まし
くない場合が生じる。
【0024】本発明において用いられる透明基材とは、
有機基材、あるいは無機基材の通常の光学部材用材料と
して用いられるものである。無機基材としては、主にガ
ラス板があげることができる。有機基材のうち、透明プ
ラスチック基材としては、種々の有機高分子からなる基
材をあげることができる。通常、光学部材として使用さ
れる基材は、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さ
らには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点か
ら、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン
など)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリアミド系
(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコー
ル、エチレンビニルアルコール、アクリル、セルロース
系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、
セロファンなど)など、或いはこれらの有機高分子の共
重合体などからなっているが、本発明が透明基材とする
透明プラスチック基材としてもこれらの基材をあげるこ
とができる。
【0025】これらの有機基材を構成する有機高分子
に、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤などを
含有させたものも使用することができる。
【0026】また、透明基材とする無機基材あるいは有
機基材の形状は、特に限定されるものではないが、通
常、光学部材として使用される透明プラスチック基材は
フィルム状をなしており、本発明の反射防止光学部材も
これらフィルム状又はシート状のものを透明基材とする
ことができる。このフィルム状またはシート状の基材と
しては、単層、あるいは複数の有機高分子を積層したも
のでも良い。また、その厚みは、特に限定されるもので
はないが、0.01〜5mmが好ましい。
【0027】また、無機基材、あるいは有機基材上の反
射防止層となる無機化合物層を形成する無機化合物とし
ては、金属酸化物〔酸化珪素(二酸化珪素、一酸化珪素
など)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チ
タン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化トリウム、酸
化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イ
ットリウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、ITO(Indium
Tin Oxide)など〕、金属ハロゲン化物〔フッ化マグネ
シウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化
ランタン、フッ化セリウム、フッ化リチウム、フッ化ト
リウムなど〕などをあげることができる。
【0028】これら無機化合物からなる無機化合物層
は、単層または多層の薄膜などが挙げられ、これらはウ
ェットコーティング法(ディップコーティング法、スピ
ンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコ
ーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーテ
ィング法など)、PVD(Physical Vapor Deposition)
法(真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンピームアシスト
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法な
ど)、CVD(Chemical Vapor Deposition) 法などの公
知の方法により形成される。
【0029】また、透明プラスチック基材と反射防止層
となる無機化合物層との間に、ハードコート層を設けて
も良い。このハードコート層を設けることにより、基材
表面の硬度が向上すると共に、基材表面が平滑になり、
透明プラスチック基材と無機化合物層との密着が向上す
るために、鉛筆などの荷重のかかる引っ掻きによる傷を
防止し、また、透明プラスチック基材屈曲による無機化
合物層のクラック発生を抑制することができ、反射防止
光学部材の機械的強度が改善できる。ハードコート層
は、透明性と適度な硬度と機械的強度があれば、特に限
定されるものではない。電離放射線や紫外線の照射によ
る硬化樹脂や熱硬化性の樹脂が使用でき、特に、紫外線
照射硬化型アクリル系樹脂、有機ケイ素系樹脂、熱硬化
型ポリシロキサン樹脂が好ましい。これらの樹脂は透明
プラスチック基材と屈折率が同などもしくは近似してい
ることがより好ましい。膜厚は3μm以上あれば十分な
強度となるが、透明性、塗工精度、取り扱いから5〜7
μmの範囲が好ましい。
【0030】前記ハードコート層に平均粒子径0.01
〜3μmの無機或いは有機物微粒子を混合分散させる。
または表面形状を凹凸させることで一般的にアンチグレ
アと呼ばれる光拡散性処理を施すことが出来る。これら
の微粒子は透明であれば特に限定されるものではない
が、低屈折率材料が好ましく、酸化ケイ素、フッ化マグ
ネシウムが安定性、耐熱性などで好ましい。これらのハ
ードコート層は均一に塗布されるものであれば、塗布方
法はいかなる方法でも構わない。
【0031】前記防汚剤は、ウェットコーティング法
(ディップコーティング法、スピンコーティング法、フ
ローコーティング法、スプレーコーティング法、ロール
コーティング法、グラビアコーティング法など)により
反射防止層上に塗布される。必要ならば、加熱、加湿、
紫外線照射、電子線照射などを行う。
【0032】前記防汚剤は、通常、揮発性溶媒に希釈し
て塗布される。希釈溶媒として用いられるものは、特に
限定されないが、組成物の安定性、無機化合物層に対す
る濡れ性、揮発性などを考慮して、パーフルオロヘキサ
ン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ
−1, 3−ジメチルシクロヘキサンなどの通常の炭素数
5〜12のパーフルオロ脂肪族炭化水素、ビス(トリフ
ルオロメチル)ベンゼンなどの多フッ素化芳香族炭化水
素、多フッ素化脂肪族炭化水素などが挙げられる。ま
た、溶媒は1種類のみならず2種類以上の混合物として
用いることも可能である。
【0033】このウェットコーティング法は、複雑な形
状の透明基材や、面積の広い透明基材への成膜に使用す
ることが好ましい。前記防汚剤を用いて作製した防汚層
の膜厚は、特に限定されるものではないが、防汚性、耐
擦傷性、および、光学部材の光学性能の点から、10〜
500Åが好ましい。
【0034】防汚層の膜厚は、前記防汚剤中の前記一般
式(1)で表される有機ケイ素化合物、および前記一般
式(2)で表される有機ケイ素化合物を含有する防汚剤
の濃度により制御することが可能である。その濃度は特
に限定されるものではないが、0.01〜5.0wt%
が好ましい。本発明の反射光学部材と偏向フィルムなど
の機能性光学部材をラミネートに代表される貼り合わせ
により貼り合わせることにより、反射防止機能を有する
光学機能性部材となる。
【0035】上記の反射防止光学部材や反射防止部材を
貼り合わせた機能性光学部材を粘着剤、接着剤などを用
いて各種ディスプレイ(液晶ディスプレイ、CRTディ
スプレイ、プロジェクションテレビ、プラズマディスプ
レイ、ELディスプレイなど)の表示画面表面の前面板
のガラス板、プラスチック板、偏光板などと貼り合わせ
ることによって、反射防止性を有し、指紋、皮脂、汗、
化粧品などの汚れが付着しにくく、付着しても拭き取り
やすい性能を持ち、その効果の耐久性に優れ、画像認識
性の高い表示装置となる。
【0036】
【作用】本発明の反射防止光学部材は、従来の技術で作
製したものより、反射防止性能を損なわせることがな
く、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着しにく
く、付着しても拭き取りやすい性能を持ち、その効果の
耐久性に優れている。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。 〈実施例1〉 〔(1)反射防止膜付きPETフィルムの作製〕PET
フィルム(厚さ:100μm)上に、単官能性アクリル
樹脂をマイクログラビア法を用いて塗布し、120Wの
メタハライドランプを20cmの距離から10sec.
照射することにより、ハードコート層を形成させた。そ
の後、ハードコート層付きPETフィルム上にプラズマ
アシスト蒸着法により、TiO2,SiO2 ,TiO
2 ,SiO2 の順序に成膜し、反射防止層を作製した。
各層の屈折率n、形状膜厚d、および光学膜厚ndは、
PETフィルム(n=1.63)、ハードコート層(n
=1.55,d=約5μm)、TiO2 (n=2.3
0,nd=60nm)、SiO2 (n=1.46,nd
=40nm)、TiO2(n=2.30,nd=110
nm)、SiO2 (n=1.46,nd=140nm)
とした。光学膜厚は、光学式膜厚モニターにより監視
し、目的光量値に達した時に成膜を止め、所定の光学膜
厚を得た。
【0038】〔(2)防汚剤の作製〕一般式(4)で表
される有機ケイ素化合物5g、および一般式(5)で示
される有機ケイ素化合物5gをパーフルオロヘキサンで
0.1wt%に希釈し、防汚剤を作製した。
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】ディップコーティンク法により、前記防汚
剤を反射防止膜付きPETフィルム上に塗布した。塗布
後、60℃、1分間加熱乾燥を行い、防汚層を作製し
た。
【0042】〈比較例1〉CF3 (CF27 (CH
22 Si(NH)3/2 〔KP801M:信越化学工業
(株)製〕をパーフルオロヘキサンで0.1wt%に希
釈し、防汚剤を作製した。その後、実施例1と同様にし
て反射防止膜付きPETフィルム上に防汚層を作製し
た。
【0043】上記の実施例1、比較例1において得られ
た反射防止光学部材を下記の各種物性評価方法により評
価した結果を表1を以下に示す。 (a)接触角測定:接触角計〔CA−X型:協和界面科
学(株)製〕を用いて、乾燥状態(20℃−65%R
H)で直径1.0mmの液滴を針先に作り、これを基材
(固体)の表面に接触させて液滴を作った。接触角と
は、固体と液体が接する点における液体表面に対する接
線と固体表面がなす角で、液体を含む方の角度で定義し
た。液体には、蒸留水とn−ヘキサデカンを使用した。
【0044】(b)転落角測定:転落角計〔CA−X
型:協和界面科学(株)製〕を用いて、乾燥状態(20
℃−65%RH)で直径1.0mmの液滴を針先に作
り、これを水平な基材(固体)表面上に接触させて液滴
を作った。次にこの固体試料を徐々に傾けていくと、液
滴は徐々に変形し、傾斜角度がある角度に達したとき、
液滴は下方へ滑り出す。このときの傾斜角度を転落角と
した。液体には、蒸留水とn−ヘキサデカンを使用し
た。
【0045】(c)油性ペンの付着性:基材表面に油性
ペン(マジックインキ:細書き用no.500)を用い
て、長さ1cmの直線を書き、その付き易さあるいは目
立ち易さを目視判定を行った。判定基準を以下に示す。 ○:油性ペンが球状にはじいている。 ×:油性ペンがはじかず、書ける。
【0046】(d)油性ペンの拭き取り性:基材表面に
付着した油性ペンをセルロース製不織布〔ベンコットM
−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目
視判定を行った。判定基準を以下に示す。 ○:油性ペンを完全に拭き取ることが出来る。 △:油性ペンの拭き取り跡が残る。 ×:油性ペンを拭き取ることが出来ない。
【0047】(e)指紋の付着性:基材表面に指を数秒
押しつけて、指紋を付着させ、その付き易さあるいは目
立ち易さを目視判定を行った。判定基準を以下に示す。 ○:指紋の付着が少なく、付いた指紋が目立たない。 ×:指紋の付着が認識できる。
【0048】(f)指紋の拭き取り性:基材表面に付着
した指紋をセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭
化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定を
行った。判定基準を以下に示す。 ○:指紋を完全に拭き取ることが出来る。 △:指紋の拭き取り跡が残る。 ×:指紋の拭き取り跡が拡がり、拭き取ることが出来な
い。
【0049】(g)耐摩耗性:基材表面をセルロース製
不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で荷重5
00gfで100回擦った後に、前記各種物性評価を行
った。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の反射防止光学部材は、従来の技
術で作製したものより、反射防止性能を損なわせること
がなく、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着しに
くく、付着しても拭き取りやすい性能を持ち、その効果
の耐久性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 二郎 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 浅井 光雄 群馬県碓井郡松井田町人見1−10 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内 (72)発明者 上原 仁 群馬県碓井郡松井田町人見1−10 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材上の少なくとも片面に反射防止
    層を有する反射防止光学部材において、最表面上に一般
    式(1)で表される有機ケイ素化合物、および下記一般
    式(2)で表される有機ケイ素化合物を含有する防汚剤
    からなる防汚層が形成されたことを特徴とする反射防止
    光学部材。 【化1】 (ここに、Rf は炭素数1〜10のパーフロロアルキル
    基、R1 は炭素数2〜10の2価炭化水素基である。) 【化2】 〔式中、R2 は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の
    1価炭化水素基、R3 は下記一般式(3) 【化3】 (ここに、R6 は炭素数2〜10の2価炭化水素基、R
    7 は炭素数1〜10の1価炭化水素基、aは0〜2の整
    数である。)で表される加水分解性基、R4 はフッ素原
    子を含んでいてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素
    基、R5 はR3 又はR4 を示すが、各R5 は互いに同一
    であっても異なっていてもよい。kは0〜100、mは
    0〜100、nは0〜5の整数であるが、nは0の場
    合、R5 の少なくとも1個はR3 である。〕
  2. 【請求項2】 透明基材上の少なくとも片面に反射防止
    層を有する反射防止光学部材の前記反射防止層上に請求
    項1記載の防汚剤からなる防汚層を形成する際、前記防
    汚層をウェットコーティンク法(ディップコーティング
    法、スピンコーティング法、フローコーティング法、ス
    プレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビ
    アコーティング法など)により前記反射防止層上に塗布
    し、必要ならば加熱、加湿、紫外線照射、又は電子線照
    射などを行うことを特徴とする防汚層の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記透明基材が、有機基材である透明プ
    ラスチック基材、又は無機基材であるガラス板であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の反射防止光学部材あるい
    は請求項2記載の防汚層の形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008197670A (ja) * 2008-03-13 2008-08-28 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルムもしくはシートの製造方法
US8088475B2 (en) 2004-03-03 2012-01-03 Hitachi, Ltd. Anti-reflecting membrane, and display apparatus, optical storage medium and solar energy converting device having the same, and production method of the membrane

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