JPH11351765A - プレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付構造及びヘッダ取付方法 - Google Patents

プレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付構造及びヘッダ取付方法

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JPH11351765A
JPH11351765A JP10167177A JP16717798A JPH11351765A JP H11351765 A JPH11351765 A JP H11351765A JP 10167177 A JP10167177 A JP 10167177A JP 16717798 A JP16717798 A JP 16717798A JP H11351765 A JPH11351765 A JP H11351765A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレート・フィン型熱交換器のヘッダの取り
付け作業を簡略化でき、且つ積層組立体の高い支持強度
を保持できるようにする。 【解決手段】 低温流体流路と高温流体流路とが隔離板
を挟んで交互に積層され且つその両外側に側板16,1
7が備えられ、更に側板16,17の外側にヘッダ取付
穴23,24を有するステー29が備えられた積層体
を、ロウ付けにて一体に組み立てることにより積層組立
体27を構成し、積層組立体27のヘッダ取付穴23,
24にヘッダ1,2を挿入して溶接30により固定する
ようにしているプレート・フィン型熱交換器のヘッダ取
付構造であって、側板16,17とステー29との対向
面に、環状のロウ材貯留溝38a,38bを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレート・フィン
型熱交換器のヘッダ取付構造及びヘッダ取付方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のプレート・フィン型熱交換器は、
図5及び図6に示すように低温流体流入用ヘッダ1と加
熱された低温流体流出用ヘッダ2、流入側及び流出側に
設けた斜交流部3a及び斜交流部3bと、斜交流部3b
に設けた高温流体入口5と、斜交流部3aに設けた高温
流体出口6と、斜交流部3aと斜交流部3b間に設けら
れ、低温流体7と高温流体8とが熱交換をする対向流部
4とからなる矩形型のものである。
【0003】その内部の構造は、図6のA−A断面図で
ある図7、図6のB−B断面図である図8、及び各部材
の斜視図である図9に示すように、周囲に縁25aを設
けると共に2つのヘッダ1,2を挿入する2つの穴23
a,24aを設けた第一隔離板9a(図9の(a))
と、2つのヘッダ1,2を挿入する2つの穴23a,2
4aの周囲にエンボス部22e,22fを設けた第二隔
離板10a(図9の(c))と、低温流体流路12a用
の伝熱促進体14a及び2個の斜流路部材18a,19
a(図9の(b))と、高温流体流路13a用の伝熱促
進体15a及び2個の斜流路部材20a,21a(図9
の(d))と、を繰り返して2段以上、多いものでは8
0段以上に積み重ね、その上に上記第一隔離板9a並び
に低温流体流路12a用の上記伝熱促進体14a及び2
個の斜流路部材18a,19aを重ね、最上部にヘッダ
1,2を挿入する穴23a,24aを設けた平板状の第
三隔離板11a(図9の(e))を重ね、さらにこの時
各隔離板9a,10a間には補強部材26を入れ、さら
に上下に2つのヘッダ取付穴23,24を有する側板1
6,17を重ねるようにしている。
【0004】また、前記図7では、側板16,17が厚
板で構成されていて、該側板16,17にヘッダ取付穴
23,24を設けるようにしているが、図10、図11
に示すように、隔離板9a,10aより厚いが比較的薄
い板材から構成された側板16,17の外側に、ヘッダ
取付穴23,24を備えたリング状のステー29を重ね
て設け、該ステー29によりヘッダ1,2の取付部の強
度を高めるようにしたものも考えられている。
【0005】前記隔離板9a,10aと、伝熱促進体1
4a,15aと、側板16,17及びステー29とは、
夫々の間にロウ付けのためのロウ材(アモルファス等)
を予め挟み込みながら積層し、このようにして製作され
た積層体は、クランプ等によりロウ付けに必要な圧力を
積層方向に掛けた状態で高温真空炉内においてロウ材を
溶融させて部材同士を一体に接着することにより積層組
立体27を構成するようにしている。隔離板9a,10
a同士は、周囲部及びヘッダ1,2挿入のための穴部の
内周部を溶接にて接合し、各流路が隔離板9a,10a
によって仕切られ、流体7,8が互に混合しない構造と
なっている。
【0006】前記したようにロウ付けにて構成された積
層組立体27の側板16,17或いはステー29に形成
されたヘッダ取付穴23,24には、前記積層組立体2
7とは別個に製作されて一端が閉塞された構造の低温流
体流入用ヘッダ1及び低温流体流出用ヘッダ2を上下一
側から挿入し、該ヘッダ1,2を、前記側板16,17
(図7)或いはステー29(図10)のヘッダ取付穴2
3,24に夫々溶接30にて気密に固定することによ
り、プレート・フィン型熱交換器を構成するようにして
いる。
【0007】前記ヘッダ1,2は、図10、図11に示
すように前記各低温流体流路12aに対して流体を分配
するために、全周側面に窓状の流体出入口流路28を備
えている。このとき、ヘッダ1,2は流体を満遍なく分
配するためには流体出入口流路28は大きく形成する必
要があるが、プレート・フィン型熱交換器の膨張・変形
防止のための十分な強度を備えている必要上から、前記
流体出入口流路28は最適な大きさに決定するようにし
ている。
【0008】また、図12に示したものは、プレート・
フィン型熱交換器の形状を左右対称形状としたものであ
る。このように左右対称な形状とすると、前記隔離板9
a,10aを反転させて設けることで、隔離板9a,1
0aの種類を減らすことができる利点があり、また、加
熱した際に、単純な左右対称形状であるために、局所的
な熱応力の発生を防止できる利点がある。また、他のプ
レートフィン型熱交換器としては、前記したように低温
流体用のヘッダ1,2を設ける以外に、高温流体側にも
ヘッダを設けるようにしたものも考えられている。
【0009】上記した従来のプレート・フィン型熱交換
器は、図7を参照して説明すると、ヘッダ1から低温流
体流路12aの斜流路部材18aに入った低温流体7
が、対向流部4で高温流体流路13aの斜流路部材20
aの入口5から入った高温流体8によって加熱されて、
低温流体流路12aの斜流路部材19aを通ってヘッダ
2から流出し、熱交換が終わった高温流体8は高温流体
流路13aの斜流路部材21aの出口6(図5、図9の
(d))から流出するようになっているものである。
【0010】上記したような積層組立体27に備えられ
るヘッダ1,2は、熱膨張等による両側板16,17間
の変位量を制限し、変形を抑制するための強度部材とし
て作用するものであり、上記ヘッダ1,2の取付部の構
造には、従来から種々方式のものが考えられている。た
だし、前記側板16,17の厚さは、隔離板9a,10
aより厚くするが、余り厚くすると、熱容量が大き過ぎ
て、加熱及び冷却時の伸縮が肉厚の薄い隔離板9a,1
0aに追従せず、側板16,17に近い隔離板9a,1
0aを潰してしまう等の変形を生じさせる可能性があ
り、そのために側板16,17の厚さは適正に設定する
必要がある。
【0011】図13は、厚板から削り出すことにより、
側板16,17と、ヘッダ取付穴23,24を備えた溶
接部31とを形成するようにしたものである。
【0012】図13の削り出し方式は、熱交換器の投影
面積が比較的小さい場合には適用されることが多いが、
大型の熱交換器になると、削り出しのために多大の時間
と手間を要してコストが増加する問題があり、更に、側
板16,17を均一な厚みでしかも比較的薄く削り出す
ことは技術的に大変難しく、よって上記削り出し方式の
側板16,17は大型プレート・フィン型熱交換器のヘ
ッダ取付構造としては不適である。
【0013】また、図14は、ヘッダ取付穴23,24
を内周上部に突出して備え、且つ下部内周に側板固定部
32を備えるように凹み33を形成したステー29を設
け、該ステー29の外周部と内周部とを、溶接34にて
側板16,17に固定するようにしたものである。
【0014】図14のようにステー29を溶接34にて
側板16,17に固定する方式は、隔離板9a,10a
と、伝熱促進体14a,15aと、側板16,17とを
ロウ材を挟んで積層し、その積層体を高温真空炉内でロ
ウ付けして一体化した後、側板16,17に溶接34に
よってステー29を固定することができるために、製作
が比較的容易であり、積層組立体の強度も比較的高いも
のとすることができる。
【0015】しかし、上記図14の方式において、ステ
ー29と側板16,17とを強固に固定するためには、
ある程度大きい入熱で溶接34を行う必要があり、この
ために側板16,17の厚みはあまり薄くすることはで
きず、このために側板16,17を厚くすると、隔離板
9a,10aの拘束力が大きくなって隔離板9a,10
aが熱膨張時に潰れる可能性を生じ、また前記したよう
に大きな入熱で溶接34を行った場合には高温の入熱が
内部の隔離板9a,10a等に伝わることによって隔離
板9a,10a等のロウ付け部が剥離してしまうという
危険性がある。
【0016】また、上記問題を解決するために、図15
に示すように、前記図14と同様に形成されたステー2
9を、ロウ材35によるロウ付けにて側板16,17に
一体に固定するようにした方式が考えられている。この
方式では、積層体の側板16,17とステー29とがロ
ウ付け時に位置ズレしないように内周の側板固定部32
を点溶接36してからロウ付けを行うようにしている。
【0017】また、図15のように、ロウ付けによって
構成された積層組立体27の側板16,17とステー2
9の外周部とを、小さな入力にて溶接34’を行うこと
によって固定力を更に高めることも行われている。
【0018】図15のようにロウ付けにて側板16,1
7にステー29を固定する方式は、隔離板9a,10a
と、側板16,17と、ステー29とをロウ材35を挟
んで積層し、圧力をかけた状態で積層体を真空加熱炉に
入れてロウ材35を溶融させることにより、積層組立体
27を構成することができるので、積層組立体27の製
造を容易にしかも高効率で行うことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図15の
ように、ステー29をロウ付けにて側板16,17に一
体に固定する場合、強固な接着を行わせるにはロウ材3
5を薄く均一に介在させる必要があるが、従来の方式に
おいては次のような問題を有していた。
【0020】即ち、小型の熱交換器のように、ステー2
9のロウ付け面積が小さいものは或る程度高い接着力を
得ることができるが、大型の熱交換器のようにステー2
9のロウ付け面積が大きいものは、その特性上100%
の接合を得ることは困難であり、特に側板16,17の
平面度が低かったり、或いはロウ付け時に積層方向に均
一な荷重が掛かっていない場合には、ロウ材35が付着
しない部分が生じてロウ付け効果が低下してしまう問題
を生じ易い。このために、積層体の各部材は非常に精度
良く加工し、慎重に組立てを行う必要があり、積層組立
体27の製造が大変困難である。
【0021】また、ロウ付け時に、溶融したロウ材35
が流れ出す問題があり、漏出したロウ材35はステー2
9の内外周と側板16,17との間の近傍に付着固化す
ることになる。従って、積層組立体27の製作後に、溶
接34’によってステー29を側板16,17に固定す
ることにより固定力を更に高めようとした場合、溶接部
にロウ材35が存在していると、ロウ付け部が再入熱に
よって破裂することにより溶接することができない。従
って、前記溶接34’を実施するためには、漏出して外
部に固化したロウ材35を切削することにより除去する
必要があり、このための作業が繁雑で非常に能率が悪い
という問題を有していた。
【0022】本発明は、ヘッダの取り付け作業を簡略化
でき、且つ積層組立体の高い支持強度を保持できるよう
にしたプレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付構造及
びヘッダ取付方法を提供することを目的としているもの
である。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のプレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付
構造は、低温流体流路と高温流体流路とが隔離板を挟ん
で交互に積層され且つその両外側に側板が備えられ、更
に側板の外側にヘッダ取付穴を有するステーが備えられ
た積層体を、ロウ付けにて一体に組み立てることにより
積層組立体を構成し、該積層組立体の前記ヘッダ取付穴
にヘッダを挿入して溶接により固定するようにしている
プレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付構造であっ
て、前記側板とステーとの対向面に、環状のロウ材貯留
溝を形成したことを特徴とするものである。
【0024】本発明のプレート・フィン型熱交換器のヘ
ッダ取付方法は、低温流体流路と高温流体流路とが隔離
板を挟んで交互に積層され且つその両外側に側板が備え
られ、更に側板の外側にヘッダ取付穴を有するステーが
備えられた積層体を、ロウ付けにて一体に組み立てるこ
とにより積層組立体を構成し、該積層組立体の前記ヘッ
ダ取付穴にヘッダを挿入して溶接により固定するように
しているプレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付方法
であって、側板とステーの対向面に環状のロウ材貯留溝
を形成し、上側のロウ材貯留溝にロウ材を装入して積層
することにより積層体を製作すると共に、前記側板とス
テーとを点溶接により位置決めした後、積層体をロウ付
けすることにより積層組立体を構成し、該積層組立体に
おけるステーのヘッダ取付穴にヘッダを挿入して溶接す
ることを特徴とするものである。
【0025】また、ロウ付けにより構成された積層組立
体の側板とステーとを溶接にて固定するようにしても良
い。
【0026】上記手段の作用を説明する。
【0027】本発明によれば、側板とステーの対向面に
環状のロウ材貯留溝を形成し、上側のロウ材貯留溝にロ
ウ材を装入して積層することにより積層体を製作すると
共に、前記側板とステーとを点溶接により位置決めした
後、積層体をロウ付けすることにより積層組立体を構成
し、該積層組立体におけるステーのヘッダ取付穴にヘッ
ダを挿入して溶接するようにしているので、積層体のロ
ウ付け時に、ロウ材貯留溝に装入されたロウ材は、溶け
出して側板とステーとの狭い隙間内に毛管現象により満
遍なく浸透し、この時余剰となったロウ材は下側のロウ
材貯留溝に流れ込んで貯留されるようになる。従って、
余剰のロウ材が側板とステーとの対向面から外部に漏出
するという問題を防止することができる。また、前記し
たように複数のロウ材貯留溝が設けられていることによ
り、側板とステーとの接合面が実質的に狭い幅寸法に分
割されることになり、よって対向面が密着し易くなり、
ロウ付けの欠点である大面積では接合不良を生じ易いと
いう問題を防止して、高い接合強度を得ることができ
る。
【0028】更に、ロウ材の漏出が防止できるので、ロ
ウ付け後において、ステーを側板に小さな入熱で溶接し
て固定する場合にも、漏出して固化したロウ材を切削除
去するといった面倒な作業を要することなしに、容易に
溶接作業を実施してステーと側板との固定強度を更に高
めることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態例につい
て図1〜図3を参照して説明する。図1は本発明を実施
する一形態例を説明するための断面図、図2は図1の拡
大図であり、図中、図15と同一のものには同一の符号
を付して詳細な説明は省略する。
【0030】図1及び図2に示すように、積層組立体2
7を構成する側板16,17の外側におけるステー29
を取り付ける位置に、ステー29が嵌合し得る浅い溝3
7を形成する。更に、前記側板16,17の浅い溝37
と、ステー29との対向面に、ヘッダ取付穴23,24
を取り囲むように環状のロウ材貯留溝38a,38bを
設ける。前記側板16,17及びステー29に設けるロ
ウ材貯留溝38a,38bは、半径方向に複数個交互に
備えるのが好ましい。
【0031】また、前記側板16,17に形成するロウ
材貯留溝38a及びステー29に形成するロウ材貯留溝
38bは、その一方にロウ材35を予め装入しておき、
ロウ付けの際に溶けたロウ材35が側板16,17とス
テー29との間の隙間(例えば50ミクロン程度以下)
に満遍なく行き渡るのに充分な量のロウ材35が装入で
きる容量としている。
【0032】次に、積層組立体27を組立てる操作につ
いて説明する。
【0033】図3に示すように隔離板9a,10a及び
側板16,17をロウ材を挟んで積層した側板16,1
7の外側に、ロウ材貯留溝38a,38bに所要量のロ
ウ材35を装入するようにしてステー29を重ね合わ
せ、この積層体をクランプ等により荷重をかけて拘束し
た状態とする。更にステー29と側板16,17とを点
溶接36することにより位置決めを行う。
【0034】この時、対向している側板16,17とス
テー29のロウ材貯留溝38a,38bにおける上側の
ロウ材貯留溝、図2ではステー29のロウ材貯留溝38
bにロウ材35を装入しておくようにする。
【0035】続いて、前記積層体を真空加熱炉に入れて
加熱しロウ材35を溶融させることにより積層組立体2
7を構成する。
【0036】上記ロウ付け時に、上側のロウ材貯留溝3
8bに装入されたロウ材35は、溶け出して図4に示す
ように前記側板16,17とステー29との狭い隙間内
に毛管現象により満遍なく浸透し、この時余剰となった
ロウ材35は下側のロウ材貯留溝38aに流れ込んで貯
留されるようになる。
【0037】従って、余剰のロウ材35が側板16,1
7とステー29との対向面から外部に漏出するという問
題を防止することができる。また、前記したように複数
のロウ材貯留溝38a,38bが設けられていることに
より、側板16,17とステー29との接合面が実質的
に狭い幅寸法に分割されることになり、よって対向面が
密着し易くなり、ロウ付けの欠点である大面積では接合
不良を生じ易いという問題を防止して、高い接合強度を
得ることができる。
【0038】更に、前記したように、ロウ材の漏出が防
止できるので、図15に示すようにロウ付け後に、ステ
ー29を側板16,17に小さな入熱で溶接34’して
固定する場合にも、漏出して固化したロウ材35を切削
除去するといった面倒な作業を要することなしに、容易
に溶接作業を実施してステー29と側板16,17との
固定強度を更に高めることができる。
【0039】図3に示すように構成された積層組立体2
7に、ヘッダ1,2を溶接固定する際には、ステー29
のヘッダ取付穴23,24にヘッダ1,2を装入し、ス
テー29を側板16,17に溶接30により固定する。
【0040】これにより、積層組立体27に対して強固
に固定されたステー29を介して、積層組立体27とヘ
ッダ1,2とを高い強度で取り付けることができ、ヘッ
ダ1,2による積層組立体27の変形を抑制することが
できる。
【0041】なお、本発明は図示した形態例にのみ限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種
々の変更を加え得ることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、側板とステーの対向面
に環状のロウ材貯留溝を形成し、上側のロウ材貯留溝に
ロウ材を装入して積層することにより積層体を製作する
と共に、前記側板とステーとを点溶接により位置決めし
た後、積層体をロウ付けすることにより積層組立体を構
成し、該積層組立体におけるステーのヘッダ取付穴にヘ
ッダを挿入して溶接するようにしているので、積層体の
ロウ付け時に、ロウ材貯留溝に装入されたロウ材は、溶
け出して側板とステーとの狭い隙間内に毛管現象により
満遍なく浸透し、この時余剰となったロウ材は下側のロ
ウ材貯留溝に流れ込んで貯留されるようになる。従っ
て、余剰のロウ材が側板とステーとの対向面から外部に
漏出するという問題を防止することができる。また、前
記したように複数のロウ材貯留溝が設けられていること
により、側板とステーとの接合面が実質的に狭い幅寸法
に分割されることになり、よって対向面が密着し易くな
り、ロウ付けの欠点である大面積では接合不良を生じ易
いという問題を防止して、高い接合強度を得ることがで
きる効果がある。
【0043】更に、ロウ材の漏出が防止できるので、ロ
ウ付け後において、ステーを側板に小さな入熱で溶接し
て固定する場合にも、漏出して固化したロウ材を切削除
去するといった面倒な作業を要することなしに、容易に
溶接作業を実施してステーと側板との固定強度を更に高
めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する一形態例の断面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示した断面図である。
【図3】本発明によって積層組立体を構成する際の説明
用断面図である。
【図4】図1のロウ材が溶融した状態を示す断面図であ
る。
【図5】従来のプレート・フィン型熱交換器の斜視図で
ある。
【図6】図5のプレート・フィン型熱交換器の平面図で
ある。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】図6のB−B断面図である。
【図9】(a)(b)(c)(d)(e)はプレート・
フィン型熱交換器の各部材の斜視図である。
【図10】従来のプレート・フィン型熱交換器における
ヘッダ設置部の断面図である。
【図11】図10のXI−XI方向から見た断面図であ
る。
【図12】左右対称形状の熱交換器の斜視図である。
【図13】従来の側板を削り出す方式を示す断面図であ
る。
【図14】従来のステーを溶接にて側板に固定する方式
を示す断面図である。
【図15】従来のステーを側板にロウ付けにて固定する
方式を示す断面図である。
【符号の説明】
1 低温流体流入用ヘッダ(ヘッダ) 2 低温流体流出用ヘッダ(ヘッダ) 9a 第一隔離板(隔離板) 10a 第二隔離板(隔離板) 11a 第三隔離板(隔離板) 12a 低温流体流路 13a 高温流体流路 16,17 側板 23,24 ヘッダ取付穴 27 積層組立体 29 ステー 30 溶接 34’ 溶接 35 ロウ材 36 点溶接 38a,38b ロウ材貯留溝
フロントページの続き (72)発明者 堀 政義 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 識名 朝春 東京都西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷229番地 石 川島播磨重工業株式会社瑞穂工場内 (72)発明者 今井 究 東京都西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷229番地 石 川島播磨重工業株式会社瑞穂工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温流体流路と高温流体流路とが隔離板
    を挟んで交互に積層され且つその両外側に側板が備えら
    れ、更に側板の外側にヘッダ取付穴を有するステーが備
    えられた積層体を、ロウ付けにて一体に組み立てること
    により積層組立体を構成し、該積層組立体の前記ヘッダ
    取付穴にヘッダを挿入して溶接により固定するようにし
    ているプレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付構造で
    あって、前記側板とステーとの対向面に、環状のロウ材
    貯留溝を形成したことを特徴とするプレート・フィン型
    熱交換器のヘッダ取付構造。
  2. 【請求項2】 低温流体流路と高温流体流路とが隔離板
    を挟んで交互に積層され且つその両外側に側板が備えら
    れ、更に側板の外側にヘッダ取付穴を有するステーが備
    えられた積層体を、ロウ付けにて一体に組み立てること
    により積層組立体を構成し、該積層組立体の前記ヘッダ
    取付穴にヘッダを挿入して溶接により固定するようにし
    ているプレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付方法で
    あって、側板とステーの対向面に環状のロウ材貯留溝を
    形成し、上側のロウ材貯留溝にロウ材を装入して積層す
    ることにより積層体を製作すると共に、前記側板とステ
    ーとを点溶接により位置決めした後、積層体をロウ付け
    することにより積層組立体を構成し、該積層組立体にお
    けるステーのヘッダ取付穴にヘッダを挿入して溶接する
    ことを特徴とするプレート・フィン型熱交換器のヘッダ
    取付方法。
  3. 【請求項3】 ロウ付けにより構成された積層組立体の
    側板とステーとを溶接にて固定することを特徴とする請
    求項2記載のプレート・フィン型熱交換器のヘッダ取付
    方法。
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