JPH11351162A - スクロール型圧縮機 - Google Patents
スクロール型圧縮機Info
- Publication number
- JPH11351162A JPH11351162A JP16008098A JP16008098A JPH11351162A JP H11351162 A JPH11351162 A JP H11351162A JP 16008098 A JP16008098 A JP 16008098A JP 16008098 A JP16008098 A JP 16008098A JP H11351162 A JPH11351162 A JP H11351162A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scroll
- scroll member
- wrap
- movable
- fixed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Rotary Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形性の良いシール材によって、圧力の高い
スクロール中心部での冷媒漏れを減少させ、圧縮効率を
向上させる。 【解決手段】 可動スクロール部材20及び固定スクロ
ール部材30の両渦巻き状ラップ23,31の鏡板表面
と摺接する端面に、この渦巻き形状に沿ってそれぞれ溝
24,33を形成し、これらの溝24,33にそれぞれ
シール部材25,34を嵌着させる。そして、このシー
ル部材25,34を全長にわたって略同一の幅で形成す
ると共に、ラップ中心部の幅広部23L,31Lにおい
て折り返し、吐出孔36に対する方向に二重となるよう
形成にする。
スクロール中心部での冷媒漏れを減少させ、圧縮効率を
向上させる。 【解決手段】 可動スクロール部材20及び固定スクロ
ール部材30の両渦巻き状ラップ23,31の鏡板表面
と摺接する端面に、この渦巻き形状に沿ってそれぞれ溝
24,33を形成し、これらの溝24,33にそれぞれ
シール部材25,34を嵌着させる。そして、このシー
ル部材25,34を全長にわたって略同一の幅で形成す
ると共に、ラップ中心部の幅広部23L,31Lにおい
て折り返し、吐出孔36に対する方向に二重となるよう
形成にする。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、例えば車両等に
搭載される外部動力によって駆動されるスクロール型圧
縮機であって、渦巻き状の固定スクロール部材に対し
て、渦巻き状の可動スクロール部材が自転をしない旋回
運動を行って、前記固定スクロール部材のラップと前記
可動スクロール部材のラップによって画成される圧縮室
の拡大・縮小を行うスクロール型圧縮機における前記固
定及び可動スクロール部材のラップにシール部材を配し
たものに関する。
搭載される外部動力によって駆動されるスクロール型圧
縮機であって、渦巻き状の固定スクロール部材に対し
て、渦巻き状の可動スクロール部材が自転をしない旋回
運動を行って、前記固定スクロール部材のラップと前記
可動スクロール部材のラップによって画成される圧縮室
の拡大・縮小を行うスクロール型圧縮機における前記固
定及び可動スクロール部材のラップにシール部材を配し
たものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール型圧縮機は、例えば特
開平6−193572号に開示されるように、鏡板の表
面に渦巻き状ラップが設けられた固定スクロール部材、
及び同様に鏡板の表面に渦巻き状ラップが設けられた可
動スクロール部材の両渦巻き状ラップを、互いに角度が
ずれるように、且つ両渦巻き状ラップの側壁が接触する
ように配設し、この可動スクロール部材を自転が阻止さ
れた状態で旋回運動させて前記圧縮室を渦巻き状ラップ
の外側から中心部へ移動させることによって、この圧縮
室の容積を縮小変化させるものである。
開平6−193572号に開示されるように、鏡板の表
面に渦巻き状ラップが設けられた固定スクロール部材、
及び同様に鏡板の表面に渦巻き状ラップが設けられた可
動スクロール部材の両渦巻き状ラップを、互いに角度が
ずれるように、且つ両渦巻き状ラップの側壁が接触する
ように配設し、この可動スクロール部材を自転が阻止さ
れた状態で旋回運動させて前記圧縮室を渦巻き状ラップ
の外側から中心部へ移動させることによって、この圧縮
室の容積を縮小変化させるものである。
【0003】そして、固定スクロール部材の渦巻き状ラ
ップの可動スクロール部材の鏡板に対峙する摺接面、及
び可動スクロール部材の渦巻き状ラップの固定スクロー
ル部材の鏡板に対峙する摺接面には、これらの渦巻き形
状に沿って溝が形成されると共に、この溝に、圧縮動作
の際冷媒が高圧側の圧縮室から低圧側の圧縮室に漏出す
るのを防止するためのシール部材が嵌着されているもの
である。また、最も体積が縮小され高圧状態となる渦巻
き状ラップの中心に位置する圧縮室はこの圧縮室中の冷
媒ガスを吐出するための吐出孔に開口し、またこの圧縮
室を画成する二つの渦巻き状ラップの中心部分は他の部
分より幅広に形成された幅広部となっているものであ
る。
ップの可動スクロール部材の鏡板に対峙する摺接面、及
び可動スクロール部材の渦巻き状ラップの固定スクロー
ル部材の鏡板に対峙する摺接面には、これらの渦巻き形
状に沿って溝が形成されると共に、この溝に、圧縮動作
の際冷媒が高圧側の圧縮室から低圧側の圧縮室に漏出す
るのを防止するためのシール部材が嵌着されているもの
である。また、最も体積が縮小され高圧状態となる渦巻
き状ラップの中心に位置する圧縮室はこの圧縮室中の冷
媒ガスを吐出するための吐出孔に開口し、またこの圧縮
室を画成する二つの渦巻き状ラップの中心部分は他の部
分より幅広に形成された幅広部となっているものであ
る。
【0004】前記シール部材の形状・構造としては、種
々のものが開示されているが、例えば図5及び図6に示
されるものがある。図5に示されるシール部材101
は、渦巻き状のラップ100の外側部分から、吐出孔1
03と開口すると共に最も高圧となる中心部分の圧縮室
を画成する中心部分の幅広部102まで、均一の幅に形
成されるものであり、このため射出成形等の成形作業が
容易であり、且つ精度良く成形できるものであるが、吐
出孔103に開口したスクロール中心部分の圧縮室では
冷媒が最も高圧力となるため、この冷媒が高圧側から低
圧側、即ち中心部分の圧縮室から外周側の圧縮室へシー
ル部材101を横切って漏出しようとする力が最も強
く、均一の幅を有するシール部材101では、ラップ1
00中心部分における圧力耐性が不足するため、圧縮さ
れた冷媒が低圧側へ漏出しやすく、圧縮効率が低下しや
すいという不具合を有している。
々のものが開示されているが、例えば図5及び図6に示
されるものがある。図5に示されるシール部材101
は、渦巻き状のラップ100の外側部分から、吐出孔1
03と開口すると共に最も高圧となる中心部分の圧縮室
を画成する中心部分の幅広部102まで、均一の幅に形
成されるものであり、このため射出成形等の成形作業が
容易であり、且つ精度良く成形できるものであるが、吐
出孔103に開口したスクロール中心部分の圧縮室では
冷媒が最も高圧力となるため、この冷媒が高圧側から低
圧側、即ち中心部分の圧縮室から外周側の圧縮室へシー
ル部材101を横切って漏出しようとする力が最も強
く、均一の幅を有するシール部材101では、ラップ1
00中心部分における圧力耐性が不足するため、圧縮さ
れた冷媒が低圧側へ漏出しやすく、圧縮効率が低下しや
すいという不具合を有している。
【0005】また、図6に示されるシール部材111
は、ラップ110の中心部分の幅広部113に装着され
る部分に、この幅広部113の形状に合わせて他の部分
より幅広に形成された幅広シール部112が形成されて
いるものであり、この幅広シール部112によって、冷
媒が吐出孔114に開口した中心部分の圧縮室から外側
の圧縮室へ漏出するのを低減させるものである。しか
し、このシール部材111は、上記のように、一部分だ
けが他部分よりも幅広になるように成形されなければな
らないので、硬化する際に体積変化を起こすテフロン等
の合成樹脂によって主に製造され、且つ高い成形精度が
要求されるシール部材にとっては、成形作業が著しく困
難であるという不具合を有している。
は、ラップ110の中心部分の幅広部113に装着され
る部分に、この幅広部113の形状に合わせて他の部分
より幅広に形成された幅広シール部112が形成されて
いるものであり、この幅広シール部112によって、冷
媒が吐出孔114に開口した中心部分の圧縮室から外側
の圧縮室へ漏出するのを低減させるものである。しか
し、このシール部材111は、上記のように、一部分だ
けが他部分よりも幅広になるように成形されなければな
らないので、硬化する際に体積変化を起こすテフロン等
の合成樹脂によって主に製造され、且つ高い成形精度が
要求されるシール部材にとっては、成形作業が著しく困
難であるという不具合を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、シー
ル部材を均一の幅で形成すれば、スクロール中心部分で
のシール不足が生じ、一方スクロール中心部分での冷媒
の漏出を防止するためにチップシールを幅広に形成しよ
うとすれば、成形が著しく困難なものとなる。
ル部材を均一の幅で形成すれば、スクロール中心部分で
のシール不足が生じ、一方スクロール中心部分での冷媒
の漏出を防止するためにチップシールを幅広に形成しよ
うとすれば、成形が著しく困難なものとなる。
【0007】そこで、この発明は、成形性の良いシール
部材によって、圧力の高いスクロール中心部分での冷媒
漏れを減少させ、圧縮効率を向上させることができるス
クロール型圧縮機を提供することを目的とするものであ
る。
部材によって、圧力の高いスクロール中心部分での冷媒
漏れを減少させ、圧縮効率を向上させることができるス
クロール型圧縮機を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、渦巻き状のラップが鏡板上に形成され
た固定スクロール部材と、該固定スクロール部材のラッ
プと噛合して圧縮室を画成する渦巻き状のラップが鏡板
上に形成され、前記固定スクロール部材に対して自転を
しない旋回運動を行って前記圧縮室の容積を変化させる
可動スクロール部材とを少なくとも有し、前記各々のラ
ップの中央側端部は、前記固定スクロール部材の略中央
に貫通して形成された吐出孔近傍において幅が拡大した
幅広部を有すると共に、前記固定スクロール部材のラッ
プの前記可動スクロール部材の鏡板に対峙する摺接面及
び前記可動スクロール部材のラップの前記固定スクロー
ル部材の鏡板に対峙する摺接面に、前記各々の渦巻き形
状に沿って装着されるシール部材を有するスクロール型
圧縮機において、前記シール部材は、略同一の幅で形成
されると共に、前記幅広部において折り返され、前記吐
出孔に対する方向において二重となるものである(請求
項1)。
に、この発明は、渦巻き状のラップが鏡板上に形成され
た固定スクロール部材と、該固定スクロール部材のラッ
プと噛合して圧縮室を画成する渦巻き状のラップが鏡板
上に形成され、前記固定スクロール部材に対して自転を
しない旋回運動を行って前記圧縮室の容積を変化させる
可動スクロール部材とを少なくとも有し、前記各々のラ
ップの中央側端部は、前記固定スクロール部材の略中央
に貫通して形成された吐出孔近傍において幅が拡大した
幅広部を有すると共に、前記固定スクロール部材のラッ
プの前記可動スクロール部材の鏡板に対峙する摺接面及
び前記可動スクロール部材のラップの前記固定スクロー
ル部材の鏡板に対峙する摺接面に、前記各々の渦巻き形
状に沿って装着されるシール部材を有するスクロール型
圧縮機において、前記シール部材は、略同一の幅で形成
されると共に、前記幅広部において折り返され、前記吐
出孔に対する方向において二重となるものである(請求
項1)。
【0009】この構成によれば、シール部材が、シール
部材から吐出孔に対する方向に二重になるように折り返
されて配置されているため、この部分における冷媒の漏
出防止効果が向上する。更に、このシール部材は、全長
にわたって略均一の幅に形成すればよいので、成形性が
良好なものである。
部材から吐出孔に対する方向に二重になるように折り返
されて配置されているため、この部分における冷媒の漏
出防止効果が向上する。更に、このシール部材は、全長
にわたって略均一の幅に形成すればよいので、成形性が
良好なものである。
【0010】また、この発明は、前記シール部材の折り
返された端部が、前記シール部材の所定の位置に接触す
るものである(請求項2 )。
返された端部が、前記シール部材の所定の位置に接触す
るものである(請求項2 )。
【0011】この構成によれば、例えば輪状に配された
シール部材によって、スクロール中心部分の高圧冷媒
が、この折り返されたシール部材によって画成される内
部空間に入り込むことが防止されるので、シール性が向
上する。また、このシール部材は、全長にわたって略均
一の幅に形成すればよいので、成形性が良好なものであ
る。
シール部材によって、スクロール中心部分の高圧冷媒
が、この折り返されたシール部材によって画成される内
部空間に入り込むことが防止されるので、シール性が向
上する。また、このシール部材は、全長にわたって略均
一の幅に形成すればよいので、成形性が良好なものであ
る。
【0012】また、この発明は、前記シール部材の折り
返された端部が、前記シール部材の所定の位置に一体に
結合されるものである(請求項3)。
返された端部が、前記シール部材の所定の位置に一体に
結合されるものである(請求項3)。
【0013】この構成によれば、スクロール中心部分の
高圧冷媒が、折り返されたシール部材によって形成され
る内部空間に入り込むことをより確実に防止できるの
で、シール性がより一層向上する。
高圧冷媒が、折り返されたシール部材によって形成され
る内部空間に入り込むことをより確実に防止できるの
で、シール性がより一層向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1に示されるスクロール型圧縮機
1は、ケースハウジング2を構成するフロントヘッド3
及びシェル4を有する。前記フロントヘッド3は、この
フロントヘッド3を貫通して形成された貫通孔5を有
し、この貫通孔5には、外部動力によって回転される駆
動軸6がベアリング7,8を介して回転自在に装着され
る。
面により説明する。図1に示されるスクロール型圧縮機
1は、ケースハウジング2を構成するフロントヘッド3
及びシェル4を有する。前記フロントヘッド3は、この
フロントヘッド3を貫通して形成された貫通孔5を有
し、この貫通孔5には、外部動力によって回転される駆
動軸6がベアリング7,8を介して回転自在に装着され
る。
【0015】また、前記駆動軸6の端部には、軸方向に
この駆動軸6の中心軸に偏心して突出する偏心軸10が
形成され、この偏心軸10は、断面が長方形に形成され
ており、ブッシュ11に形成された略長方形の装着孔1
2に装着される。このブッシュ11には、下記する可動
スクロール部材20との間の回転バランスをとるための
バランスウェート13が嵌着され、外周面に当接する環
状の旋回ベアリング14を介して可動スクロール部材2
0の軸受部21が外嵌される。
この駆動軸6の中心軸に偏心して突出する偏心軸10が
形成され、この偏心軸10は、断面が長方形に形成され
ており、ブッシュ11に形成された略長方形の装着孔1
2に装着される。このブッシュ11には、下記する可動
スクロール部材20との間の回転バランスをとるための
バランスウェート13が嵌着され、外周面に当接する環
状の旋回ベアリング14を介して可動スクロール部材2
0の軸受部21が外嵌される。
【0016】前記可動スクロール部材20は、前記軸受
部21と、前記駆動軸6の軸方向の垂直な径方向に延出
する可動側鏡板22と、この可動側鏡板22に渦巻き状
に形成されると共に軸方向に延出する可動側ラップ23
とによって構成される。この可動側ラップ23の中心部
分には、他の部分より幅広に形成された幅広部23Lが
形成され、またこの可動側ラップ23の軸方向端部に
は、下記する固定スクロール部材30の固定側鏡板32
の内側面35と当接摺動する部分に前記渦巻き形状に沿
って溝24が形成されており、この溝24にはテフロン
等によって形成されたシール部材25が嵌着される。
部21と、前記駆動軸6の軸方向の垂直な径方向に延出
する可動側鏡板22と、この可動側鏡板22に渦巻き状
に形成されると共に軸方向に延出する可動側ラップ23
とによって構成される。この可動側ラップ23の中心部
分には、他の部分より幅広に形成された幅広部23Lが
形成され、またこの可動側ラップ23の軸方向端部に
は、下記する固定スクロール部材30の固定側鏡板32
の内側面35と当接摺動する部分に前記渦巻き形状に沿
って溝24が形成されており、この溝24にはテフロン
等によって形成されたシール部材25が嵌着される。
【0017】前記可動スクロール部材20と噛合して圧
縮室40を画成する固定スクロール部材30は、ネジ4
1等によって前記シェル4に固定されると共に、径方向
に延出する固定側鏡板32と、この固定側鏡板32に対
して渦巻き状に形成されると共に可動スクロール部材2
0側に延出する固定側ラップ31とを有する。この固定
側ラップ31の中心部分には、他の部分より幅広に形成
された幅広部31Lが形成され、またこの固定側ラップ
31の軸方向端部には、前記可動スクロール部材20の
可動鏡板22の内側面26と当接摺動する部分に渦巻き
形状に沿って溝33が形成されており、この溝33には
テフロン等によって形成されたシール部材34が固着さ
れる。
縮室40を画成する固定スクロール部材30は、ネジ4
1等によって前記シェル4に固定されると共に、径方向
に延出する固定側鏡板32と、この固定側鏡板32に対
して渦巻き状に形成されると共に可動スクロール部材2
0側に延出する固定側ラップ31とを有する。この固定
側ラップ31の中心部分には、他の部分より幅広に形成
された幅広部31Lが形成され、またこの固定側ラップ
31の軸方向端部には、前記可動スクロール部材20の
可動鏡板22の内側面26と当接摺動する部分に渦巻き
形状に沿って溝33が形成されており、この溝33には
テフロン等によって形成されたシール部材34が固着さ
れる。
【0018】また、前記固定スクロール部材30の鏡板
32の略中央には、軸方向に貫通する吐出孔36が形成
され、更に前記固定スクロール部材30の鏡板32の外
側面37には、前記吐出孔36への逆流を防止する逆止
弁42が設けられ、この逆止弁42の外側には、この逆
止弁42のリフト量を制限する逆止弁保持プレート43
がネジ44によって固定スクロール部材30に固定され
る。
32の略中央には、軸方向に貫通する吐出孔36が形成
され、更に前記固定スクロール部材30の鏡板32の外
側面37には、前記吐出孔36への逆流を防止する逆止
弁42が設けられ、この逆止弁42の外側には、この逆
止弁42のリフト量を制限する逆止弁保持プレート43
がネジ44によって固定スクロール部材30に固定され
る。
【0019】また、前記可動スクロール部材20と前記
フロントヘッド3との間には、転覆防止機構70及び自
転防止機構60が設けられる。前記転覆防止機構70
は、可動スクロール部材20をフロントヘッド3側に引
っ張るための引っ張りバネ72によって構成され、前記
自転防止機構60は、前記引っ張りバネ72によって増
加したスラスト損失トルクを最小限に抑える機能を有す
るボール67が可動スクロール部材20側及びフロント
ヘッド3側に形成された円形の溝円に配されることによ
って構成される。
フロントヘッド3との間には、転覆防止機構70及び自
転防止機構60が設けられる。前記転覆防止機構70
は、可動スクロール部材20をフロントヘッド3側に引
っ張るための引っ張りバネ72によって構成され、前記
自転防止機構60は、前記引っ張りバネ72によって増
加したスラスト損失トルクを最小限に抑える機能を有す
るボール67が可動スクロール部材20側及びフロント
ヘッド3側に形成された円形の溝円に配されることによ
って構成される。
【0020】上記構成のスクロール型圧縮機1は、走行
用エンジンやモータ等の外部動力とプーリやベルトを介
して連結されることによって、前記駆動軸6が回転し、
これに伴って前記可動スクロール部材20が前記自転防
止機構60によって、その自転が防止され、前記固定ス
クロール部材30に対して旋回運動を行う。これによっ
て、前記圧縮室40は径方向外方から内方にかけて漸次
その容積を縮小する運動を繰り返し、連続的な圧縮作業
を行うものである。
用エンジンやモータ等の外部動力とプーリやベルトを介
して連結されることによって、前記駆動軸6が回転し、
これに伴って前記可動スクロール部材20が前記自転防
止機構60によって、その自転が防止され、前記固定ス
クロール部材30に対して旋回運動を行う。これによっ
て、前記圧縮室40は径方向外方から内方にかけて漸次
その容積を縮小する運動を繰り返し、連続的な圧縮作業
を行うものである。
【0021】以下、図2及び図3において、前記可動側
ラップ23及び固定側ラップ31に形成された溝24,
33及びこの溝24,33に嵌着される前記シール部材
25,34の形状について説明する。前記固定スクロー
ル部材30の固定側ラップ31の前記可動側鏡板22
(図1参照)に摺接する端面に形成される前記溝33
は、前記固定側ラップ31の外端部から中心部にわたっ
て渦巻き状に形成されると共に、前記固定側ラップ31
の中心部分に形成された幅広部31Lの膨らんだ形状の
外縁に沿って略U字状に形成され、この幅広部31Lに
おいて輪形となるものである。
ラップ23及び固定側ラップ31に形成された溝24,
33及びこの溝24,33に嵌着される前記シール部材
25,34の形状について説明する。前記固定スクロー
ル部材30の固定側ラップ31の前記可動側鏡板22
(図1参照)に摺接する端面に形成される前記溝33
は、前記固定側ラップ31の外端部から中心部にわたっ
て渦巻き状に形成されると共に、前記固定側ラップ31
の中心部分に形成された幅広部31Lの膨らんだ形状の
外縁に沿って略U字状に形成され、この幅広部31Lに
おいて輪形となるものである。
【0022】そして、前記シール部材34は、前記溝3
3に嵌着し得るように渦巻き状に形成されると共に、前
記固定側ラップ31の中心部分の幅広部31Lに配置さ
れる部分においては、この幅広部31Lに形成された輪
形の溝33部に嵌着されるように輪形に形成され、且つ
シール部材34の先端部34Eがこのシール部材34の
胴部34Bに接触するように形成される。このように輪
形に形成されたシール部材34によって、閉空間Sが画
成されると共に、図3に示すように、前記幅広部31L
において、吐出孔36に対する方向にこのシール部材3
4が二重となるものである。
3に嵌着し得るように渦巻き状に形成されると共に、前
記固定側ラップ31の中心部分の幅広部31Lに配置さ
れる部分においては、この幅広部31Lに形成された輪
形の溝33部に嵌着されるように輪形に形成され、且つ
シール部材34の先端部34Eがこのシール部材34の
胴部34Bに接触するように形成される。このように輪
形に形成されたシール部材34によって、閉空間Sが画
成されると共に、図3に示すように、前記幅広部31L
において、吐出孔36に対する方向にこのシール部材3
4が二重となるものである。
【0023】また、前記可動スクロール部材20の可動
側ラップ23に形成される溝24及びこの溝24に嵌着
されるシール部材25についても、上記した固定スクロ
ール部材30の固定側ラップ31に形成される溝33及
びこの溝33に嵌着されるシール部材34と同様に形成
される。尚、前記シール部材としては、上記のようなも
のの他に、図4に示すように、先端部分が胴部と一体的
に結合されたチップシール25aも用いることができ、
このチップシール25aを用いた場合、前記閉空間S内
への冷媒の入り込みをより確実に防止することができ
る。
側ラップ23に形成される溝24及びこの溝24に嵌着
されるシール部材25についても、上記した固定スクロ
ール部材30の固定側ラップ31に形成される溝33及
びこの溝33に嵌着されるシール部材34と同様に形成
される。尚、前記シール部材としては、上記のようなも
のの他に、図4に示すように、先端部分が胴部と一体的
に結合されたチップシール25aも用いることができ、
このチップシール25aを用いた場合、前記閉空間S内
への冷媒の入り込みをより確実に防止することができ
る。
【0024】以上の構成のスクロール型圧縮機1におい
て、前記可動スクロール部材20の自転しない旋回運動
によって、可動スクロール部材20の可動側ラップ23
及び固定スクロール部材30の固定側ラップ31によっ
て画成される複数の圧縮室40は、外側から内側へ移動
するに従って漸次縮小されていく。これに伴って、最も
外側の圧縮室40に吸入された冷媒も、順次圧縮されて
いく。
て、前記可動スクロール部材20の自転しない旋回運動
によって、可動スクロール部材20の可動側ラップ23
及び固定スクロール部材30の固定側ラップ31によっ
て画成される複数の圧縮室40は、外側から内側へ移動
するに従って漸次縮小されていく。これに伴って、最も
外側の圧縮室40に吸入された冷媒も、順次圧縮されて
いく。
【0025】これによって、前記圧縮室40は、内側へ
移動するほど高圧となり、前記吐出孔36が開口する最
も中心部分に位置する高圧圧縮室40Hにおいて、この
冷媒の圧力は最大となる。そして、この実施の形態にお
いては、この高圧圧縮室40Hを画成する可動側ラップ
23及び固定側ラップ31の前記幅広部23L,31L
に形成された前記溝24,33に、輪形に、且つ先端部
25E,34Eが胴部25B,34Bに接触するように
折り返された前記シール部材25,34が嵌着されてい
る。この構成によって、シール部材25,34の折り返
しによってそれぞれ形成される空間が閉空間Sとなり、
前記高圧圧縮室40H内の冷媒がこの閉空間S内に入り
込むことが防止されると共に、図3に示すように、吐出
孔36に対する方向にこのシール部材25,34が二重
に並ぶため、高圧圧縮室40Hに対する圧力耐性が向上
するので、シール性が著しく向上する。
移動するほど高圧となり、前記吐出孔36が開口する最
も中心部分に位置する高圧圧縮室40Hにおいて、この
冷媒の圧力は最大となる。そして、この実施の形態にお
いては、この高圧圧縮室40Hを画成する可動側ラップ
23及び固定側ラップ31の前記幅広部23L,31L
に形成された前記溝24,33に、輪形に、且つ先端部
25E,34Eが胴部25B,34Bに接触するように
折り返された前記シール部材25,34が嵌着されてい
る。この構成によって、シール部材25,34の折り返
しによってそれぞれ形成される空間が閉空間Sとなり、
前記高圧圧縮室40H内の冷媒がこの閉空間S内に入り
込むことが防止されると共に、図3に示すように、吐出
孔36に対する方向にこのシール部材25,34が二重
に並ぶため、高圧圧縮室40Hに対する圧力耐性が向上
するので、シール性が著しく向上する。
【0026】また、上記したシール部材として、前記シ
ール部材25,34における先端部分25E,34Eが
胴部25B,34Bと一体的に結合された形状の図4に
示すようなシール部材25aを用いた場合には、前記閉
空間S内に、前記高圧圧縮室40H内の冷媒が入り込む
ことを、より確実に防止できるため、より高いシール効
果を得ることができる。
ール部材25,34における先端部分25E,34Eが
胴部25B,34Bと一体的に結合された形状の図4に
示すようなシール部材25aを用いた場合には、前記閉
空間S内に、前記高圧圧縮室40H内の冷媒が入り込む
ことを、より確実に防止できるため、より高いシール効
果を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】この発明は、上述のように、シール部材
を全長にわたって略均一の幅に形成することができるの
で、成形性が良好であると共に、ラップ中央側の幅広部
では、シール部材が吐出孔に対する方向に二重となるた
め、高圧状態となるスクロール中心部分の圧縮室の冷媒
漏れを効果的に防止することができるものである。
を全長にわたって略均一の幅に形成することができるの
で、成形性が良好であると共に、ラップ中央側の幅広部
では、シール部材が吐出孔に対する方向に二重となるた
め、高圧状態となるスクロール中心部分の圧縮室の冷媒
漏れを効果的に防止することができるものである。
【図1】図1は、この発明の実施の形態に係るスクロー
ル型圧縮機の断面図である。
ル型圧縮機の断面図である。
【図2】図2は、この発明の実施の形態に係るスクロー
ル中心部分におけるチップシール構造を示す部分拡大図
である。
ル中心部分におけるチップシール構造を示す部分拡大図
である。
【図3】図3は、図2のA−A断面図である。
【図4】図4は、この発明の他の実施の形態に係るチッ
プシール構造を示す部分拡大図である。
プシール構造を示す部分拡大図である。
【図5】図5は、従来のチップシール構造を示す概略図
である。
である。
【図6】図6は、従来のチップシール構造を示す概略図
である。
である。
1 スクロール型圧縮機 2 ケースハウジング 3 フロントヘッド 4 シェル 6 駆動軸 20 可動スクロール部材 22 可動側鏡板 23 可動側ラップ 23L 幅広部 24 溝 25 シール材 25B 胴部 25E 先端部 25a シール材 30 固定スクロール部材 31 固定側ラップ 31L 幅広部 32 固定側鏡板 33 溝 34 シール材 34B 胴部 34E 先端部 36 吐出孔 40 圧縮室 40H 高圧圧縮室 60 自転防止機構 70 転覆防止機構 S 閉空間
Claims (3)
- 【請求項1】 渦巻き状のラップが鏡板上に形成された
固定スクロール部材と、該固定スクロール部材のラップ
と噛合して圧縮室を画成する渦巻き状のラップが鏡板上
に形成され、前記固定スクロール部材に対して自転をし
ない旋回運動を行って前記圧縮室の容積を変化させる可
動スクロール部材とを少なくとも有し、前記各々のラッ
プの中央側端部は、前記固定スクロール部材の略中央に
貫通して形成された吐出孔近傍において幅が拡大した幅
広部を有すると共に、前記固定スクロール部材のラップ
の前記可動スクロール部材の鏡板に対峙する摺接面及び
前記可動スクロール部材のラップの前記固定スクロール
部材の鏡板に対峙する摺接面に、前記各々の渦巻き形状
に沿って装着されるシール部材を有するスクロール型圧
縮機において、 前記シール部材は、略同一の幅で形成されると共に、前
記幅広部において折り返され、前記吐出孔に対する方向
において二重となることを特徴とするスクロール型圧縮
機。 - 【請求項2】 前記シール部材の折り返された端部は、
前記シール部材の所定の位置に接触することを特徴とす
る請求項1記載のスクロール型圧縮機。 - 【請求項3】 前記シール部材の折り返された端部は、
前記シール部材の所定の位置に一体に結合されることを
特徴とする請求項1記載のスクロール型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16008098A JPH11351162A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | スクロール型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16008098A JPH11351162A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | スクロール型圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11351162A true JPH11351162A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15707446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16008098A Pending JPH11351162A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | スクロール型圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11351162A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006125242A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-18 | Ntn Corp | スクロール型圧縮機用チップシール |
JP2008506885A (ja) * | 2004-07-13 | 2008-03-06 | タイアックス エルエルシー | 冷凍システムおよび冷凍方法 |
CN112780549A (zh) * | 2021-01-28 | 2021-05-11 | 旭星新能源科技(苏州)有限公司 | 一种带迷宫密封结构的涡旋压缩机 |
-
1998
- 1998-06-09 JP JP16008098A patent/JPH11351162A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008506885A (ja) * | 2004-07-13 | 2008-03-06 | タイアックス エルエルシー | 冷凍システムおよび冷凍方法 |
JP2006125242A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-18 | Ntn Corp | スクロール型圧縮機用チップシール |
JP4711659B2 (ja) * | 2004-10-27 | 2011-06-29 | Ntn株式会社 | スクロール型圧縮機用チップシール |
CN112780549A (zh) * | 2021-01-28 | 2021-05-11 | 旭星新能源科技(苏州)有限公司 | 一种带迷宫密封结构的涡旋压缩机 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7802972B2 (en) | Rotary type compressor | |
US20020039540A1 (en) | Scroll type compressor and method for compressing gas | |
EP0735270B1 (en) | Scroll type fluid machine | |
EP1486677B1 (en) | Rotary compressor | |
JP2002106483A (ja) | スクロール型圧縮機及びスクロール型圧縮機のシール方法 | |
US5364247A (en) | Sealing structure for scroll type compressor | |
US5427513A (en) | Scroll type compressor having a displaced discharge port | |
KR100458799B1 (ko) | 스러스트면을가진스크롤엘레멘트 | |
JP3028755B2 (ja) | スクロール型圧縮機 | |
CN210087602U (zh) | 涡旋式压缩机 | |
JPH11351162A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JP2002221170A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JPH1144295A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JPH1054380A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JP3882343B2 (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JPH0117669Y2 (ja) | ||
JP2884883B2 (ja) | スクロール型圧縮機における冷媒ガス吐出構造 | |
JP2934556B2 (ja) | スクロール型流体機械 | |
JPH11148472A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JPH0476285A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
KR102674939B1 (ko) | 스크롤형 압축기 | |
JPH02277991A (ja) | スクロール式流体機械 | |
JPH04279784A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JP3913036B2 (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JP2001090680A (ja) | スクロール型圧縮機のシール構造 |