JPH1135070A - 熱封緘蓋材及び容器 - Google Patents

熱封緘蓋材及び容器

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JPH1135070A
JPH1135070A JP19416897A JP19416897A JPH1135070A JP H1135070 A JPH1135070 A JP H1135070A JP 19416897 A JP19416897 A JP 19416897A JP 19416897 A JP19416897 A JP 19416897A JP H1135070 A JPH1135070 A JP H1135070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍保存した容器を開封する際に、蓋材が破
損することがないようにすることである。 【解決手段】 耐熱性外層材2と、厚み20〜100μ
mの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層3と、熱接着層4
によって、蓋材1を形成したのである。即ち、低温でも
柔軟性を失わない特定厚みの層3を設けることによっ
て、冷凍保存後に開封しても蓋材1が破損しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】この発明は、海鮮食品、冷凍食品、
氷菓、医薬品等を冷凍保存するための容器の蓋材及びそ
の蓋材を用いた容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品用の容器の蓋材には、2軸延
伸したポリエチレンテレフタレート(以下PETと言
う)フィルム、ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレン
(以下PPと言う)フィルム等に熱接着層を積層した積
層体が一般的であるが、これらの蓋材を使用した容器を
冷凍保存した後に開封する場合、上記延伸フィルムの機
械的性質が低下することにより、蓋材が破れて、容器本
体側に残存し、中身が取り出しずらい等の不都合があっ
た。また、破れた蓋材が食品中に混入することもあり、
食品衛生上も好ましいものではなかった。さらに容器本
体側に残存した破れた蓋材を取り除く作業は非常に手間
がかかり、商品価値を低下させる要因でもあった。
【0003】
【発明の課題】そこで、この発明の課題は、冷凍保存し
た容器を開封する際に、蓋材が破損することがないよう
にすることである。
【0004】
【課題の解決手段】上記の課題を解決するために、この
発明の蓋材においては、耐熱性外層材に厚み20〜10
0μmの直鎖状低密度ポリエチレン層を設け、このポリ
エチレン層の外面に熱接着層を設けた構成を採用したの
である。
【0005】上記外層材の耐熱温度が120℃以上、上
記熱接着層の軟化点が80℃以下であることが望まし
い。
【0006】上記のような蓋材を容器本体の開口部にヒ
ートシールすることによって冷凍保存用容器が形成され
る。
【0007】
【作用】熱封緘された容器を開封する際、熱接着層に隣
接する層に応力が集中しやすく、この隣接層の材料強度
が容器本体と熱接着層間の接着力を下回ると前記隣接層
で材料破断を生じるが、この隣接層に直鎖状低密度ポリ
エチレン(以下LLDPEと言う)を使用した場合、冷
凍下でも容器本体と熱接着層間の接着力を上回り、蓋材
の破断を防止することができる。LLDPEは、通常の
ヒートシール温度では軟化してしまうため、この発明で
はLLDPEを使用するにあたり、熱接着層の軟化点を
80℃以下に押えて低温ヒートシールを可能とし、ヒー
トシール時のLLDPEの軟化を防止し、かつヒートシ
ール時に熱板と接触する面(すなわち容器に熱封緘した
時に外側になる面)に比較的耐熱性のある外層材を適宜
厚さで積層することにより、LLDPEの変形やしわの
発生、破れ等を防止している。
【0008】
【実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付図面に
基づいて説明する。図1に示すように、蓋材1は、外層
材2にLLDPE樹脂層3を介して熱接着層4を設けた
ものである。
【0009】前記外層材2は、ナイロン、PP、PET
等の合成樹脂フィルム、アルミニウム箔のような金属箔
等の単体又は複合体より成るが、LLDPE層3の熱に
よる(ヒートシール時の)変形やしわの発生を防止する
ため、耐熱温度が120℃以上、好ましくは140℃以
上必要である。ここで耐熱温度とは、熱による軟化や焼
損が生じない温度を言う。合成樹脂フィルムを単体で用
いる場合には、PETフィルムが好ましく、その厚みは
5〜50μm、特に5〜20μmが好適である。5μm
未満では、補強や断熱の効果が十分でなく、LLDPE
層3に変形やしわが発生する恐れがあり、50μmを超
えると熱伝導が悪くなり、ヒートシールが困難になる。
さらに、アルミニウム箔のような金属箔を介在させれ
ば、容器の耐湿性、遮光性が改善され、常温での長期間
の保存も可能となる。金属箔の厚さは通常6〜40μm
程度である。金属箔が6μm未満の場合はピンホールが
激増し、工業的な製造が困難となり、40μmを超える
と蓋材のコストが増加するばかりでなく柔軟性が失われ
好ましくない。金属箔に替えて金属蒸着層を介在させる
こともできるが、その場合の厚みは通常400〜800
オングストローム程度である。なお、外層材2に、印刷
層や外面コート層、或はLLDPE層3との接着性を向
上するためのアンカーコート層やプライマ層を必要に応
じて設けることができるのはいうまでもない。
【0010】LLDPE層3は未延伸のものが好まし
く、市販のインフレーションフィルムを使用することが
できる。その厚みは20〜100μm、好ましくは30
〜80μmである。20μm未満では、効果が不十分、
すなわち蓋材1の破断が起こり易く、逆に100μmを
超えると、材料費が高くなるだけでなく、蓋材1の熱伝
導率が悪くなり、ヒートシールが困難になる。このよう
な熱伝導の悪い材料を温度を上げて無理にヒートシール
しようとすると、しわの発生やシール不良の原因とな
る。また、延伸したLLDPEを使用すると伸びが減少
し、低温下でぜい弱化し、破れ易くなる恐れがある。
【0011】熱接着層4には公知のものを使用できる
が、その軟化点が80℃以下であることが必要である。
80℃を超えると、ヒートシール温度を高くする必要が
あり、LLDPE層3の変形やしわの発生が起こるので
好ましくない。熱接着層4をLLDPE層3に形成する
には、ホットメルト接着剤(例えば大日本インキ化学工
業製、ディックメルトDX−11等)を5〜30g/m
2 (ドライ)塗布すればよい。5g/m2 未満の場合
は、接着力が不足でシール不良の原因になりやすく、3
0g/m2 を超えても過剰である。また、塗布に替えて
シーラントフィルムを貼り合わせてもよい。シーラント
フィルムとしてはエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下
EVAと言う)系のプレ成形シーラントフィルムが好ま
しく、その厚みは5〜50μm、より好ましくは20〜
40μmである。シーラントフィルムを貼り合わせる場
合には、ポリエステル系接着剤を使用しドライラミネー
ションにより貼り合わせればよい。シーラントフィルム
の場合、5μm未満では接着力が不足し、50μmを超
えると過剰で、ヒートシール時間が長くなるか、もしく
はシール温度を高くする必要があり、シール不良になり
やすい。
【0012】図2に示すように、蓋材1の常温強度をさ
らに向上させる目的で、LLDPE層3と熱接着層4と
の間にEVAやポリエチレン等から成る補強層5を設け
ることができる。その厚みは20μm以下がよい。これ
を超えると蓋材1の熱伝導が悪くなったり、LLDPE
層3の機能を低下させる恐れがある。
【0013】図2中、符合21はPETのような合成樹
脂フィルム、22は印刷層、23はアルミニウム箔であ
って、これらの複合体により外層材2が形成されている
例を示している。また、この発明においては、各層の積
層、塗布、印刷には、この明細書に示した方法を含めた
公知の方法が採用できるのは言うまでもない。
【0014】上述のような蓋材1を、例えば図3に示す
ように、タブ1bを有する円形状に打ち抜いて蓋1aを
形成し、図3に示すように、容器本体10の開口部周縁
に設けられたフランジ11にヒートシールすると、冷凍
保存用容器が完成する。勿論容器本体10内には、内容
物が収納されている。
【0015】以下に実施例及び比較例を挙げる。
【0016】
【実施例】図5に示す構成となるように蓋材を作製し
た。なお、蓋材作製時は500×500mmの大きさで
作製し、図3のように直径78mmのタブ付き円形状に
打ち抜いた。各層の厚みは図5中の先頭にμm単位の数
字で示した。
【0017】実施例のうち、実施例1、4、5は、PE
Tフィルムとして東洋紡績社製、E5100を用い、L
LDPEフィルムとしてタマポリ社製、UB−1を用い
てこれらをドライラミネーションにより貼り合わせ、さ
らにLLDPEフィルムにホットメルトコート(大日本
インキ化学工業社製、ディックメルトDX−11)によ
りEVA系熱接着剤を15g/m2 (ドライ)塗布し
た。
【0018】実施例3は、蓋材の常温強度を向上させる
ため、LLDPEフィルムと熱接着層との間にポリエチ
レン層を介在させた以外は実施例1と同じ方法で蓋材を
作製した。なお、ポリエチレン層は押出し法によってL
LDPEフィルムに積層した。
【0019】実施例2、6は、ホットメルトコートをシ
ーラントフィルム(EVAベースフィルム)に代えた以
外は、実施例3と同様にして各蓋材を作製した。なお、
シーラントフィルムはポリエチレン押出しラミネーショ
ンにより貼り合わせた。
【0020】
【比較例】図5に示すような蓋材を用意し、実施例と同
形状に打ち抜いて蓋を作成した。
【0021】比較例1は、LLDPEフィルムの代わり
に延伸PPフィルム(図中、OPPと示す。東セロ社
製、M−2)にアンカーコート剤(図中、ACと示す)
を介してポリエチレン押出し法にてポリエチレン層を設
けた以外は、実施例1と同様にして蓋材を作製した。
【0022】比較例2、3は、表層樹脂フィルムと延伸
PPフィルムをドライラミネーションにより貼り合わ
せ、さらにその積層材の延伸PPフィルム側にシーラン
トフィルムをドライラミネーションにより貼り合わせ
た。
【0023】比較例4は、延伸PPフィルムをPETフ
ィルムに代えた以外、比較例1と同様にして蓋材を作製
した。
【0024】比較例5は、延伸PPフィルムをナイロン
フィルム(図中、NYと示す)に代えた以外、比較例1
と同様にして蓋材を作製した。
【0025】比較例6は、比較例4にアルミニウム箔
(図中、Alと示す)をドライラミネーションによって
加えた以外、比較例4と同様にして蓋材を作製した。
【0026】比較例7は、比較例2の延伸PPフィルム
をPETフィルムに代えた以外、比較例2と同様にして
蓋材を作製した。
【0027】比較例8は、比較例2の延伸PPフィルム
をナイロンフィルム(ユニチカ社製、エンブレムON)
に代えた以外、比較例2と同様にして蓋材を作製した。
【0028】上記各実施例及び比較例の蓋を、ポリスチ
レン製のカップ型容器本体(内径70mm、高さ50m
m、フランジ幅約4mm)に、ヒートシール温度140
℃、圧力100kgf/cup、時間1秒で熱板シール
した。シール済み容器を冷凍庫内に−30℃で24時間
放置後、冷凍庫から取り出し、ただちに手による開封試
験を実施した。なお、開封の際は図3のタブ1bを指で
挾み持ち、蓋面に対し角度90度の方向に引っ張った。
引っ張る時間は3秒以内とした。
【0029】評価は、蓋が破れることなく一体で容器本
体から剥離できたものを合格、蓋が破れ容器本体に少な
くとも蓋の一部が残存したものを不合格とした。この試
験を各試料につき10回繰り返し、1回でも不合格とな
ったものは×、10回とも合格したものを○とし、図5
に記した。
【0030】
【効果】この発明によれば、以上のように、耐熱性外層
材を熱接着層の間に低温でも柔軟性を失わない層を設け
たので、この蓋材を使用した容器は冷凍保存後にも破断
することなく容易に開封することができる。このため、
破片が内容物(主に食品、医薬品等)に混入することな
く、また破断片が容器本体に残存することもないので、
内容物をスムーズに取り出すことができる。
【0031】また、上記柔軟性を失わない層を特定の厚
さとし、熱接着層の軟化温度を低くし、さらに外面に耐
熱材を設けたので、ヒートシールの際に柔軟性を失わな
い層を軟化させてしわを発生させるようなことがなく、
かつ低温で容易に容器本体にヒートシールすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の蓋材の一例を示す断面図
【図2】蓋材の他の例を示す断面図
【図3】蓋材を打ち抜いた蓋の一例を示す平面図
【図4】冷凍保存用容器の一例を示す縦断面図
【図5】実施例及び比較例を示す図表
【符号の説明】
1 蓋材 1a 蓋 1b タブ 2 外層材 3 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層 4 熱接着層 5 補強層 10 容器本体 11 フランジ 21 合成樹脂フィルム 22 印刷層 23 アルミニウム箔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性外層材と、厚み20〜100μm
    の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と、熱接着層を順次
    積層した蓋材。
  2. 【請求項2】 前記外層材の耐熱温度が120℃以上で
    あり、前記熱接着層の軟化点が80℃以下である請求項
    1記載の蓋材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の蓋材によって容
    器本体の開口部を熱封緘した冷凍保存用容器。
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JP2006315248A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Toyo Kohan Co Ltd 化粧フィルムおよび化粧板
JP2014151928A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Showa Denko Packaging Co Ltd 開封時に破れない摘み用タブ付き蓋熱封緘コップ状容器とその製法
CN106458417A (zh) * 2014-04-03 2017-02-22 普林特帕克伊利诺伊公司 热成型薄片和自其制备的热成型容器

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