JPH11350009A - 板状銅粉の製法 - Google Patents
板状銅粉の製法Info
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- JPH11350009A JPH11350009A JP17653998A JP17653998A JPH11350009A JP H11350009 A JPH11350009 A JP H11350009A JP 17653998 A JP17653998 A JP 17653998A JP 17653998 A JP17653998 A JP 17653998A JP H11350009 A JPH11350009 A JP H11350009A
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Abstract
微細な粒子からなる銅粉を湿式還元法によって製造す
る。 【解決手段】 銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水
酸化銅を析出させる工程,得られた水酸化銅を亜酸化銅
に水中で一次還元する工程,得られた亜酸化銅を金属銅
に水中で二次還元する工程,および得られた金属銅を液
から分離する工程からなる銅粉の製造法であって,前記
の水酸化銅を析出させる工程において,銅イオン1モル
に対して2.4モル未満の水酸イオンとなる量比で銅塩
とアルカリ剤を反応させることを特徴とする板状銅粉の
製法。
Description
銅粉を製造する方法に関する。
スクリーン印刷して厚膜回路基板を作製する場合,該導
電ペーストとしては銀系ペーストが主に使用されてきた
が,銅ペーストも使用される傾向にある。銅ペーストは
銀系ペーストに比べて次のような利点があるからであ
る。
ートし難い。 (2) 導体抵抗および高周波損失が小さいので回路の微細
化が可能である。 (3) 耐半田性に優れるので信頼性が高い。 (4) 低コスト化が可能である。
が0.5〜10μm程度の銅粉をビヒクルに分散させる
ことによって得られる。
融銅を噴霧するアトマイズ法,陰極への電解析出法,蒸
発蒸着法,湿式還元法等が知られている。これらはそれ
ぞれ得失があるが,湿式還元法はペースト用に適する粒
径の微細粉を比較的容易に得ることができるので,導電
ペースト用銅粉を製造する場合の主流となっており,例
えば特開平4−116109号公報,特開平2−197
012号公報および特開昭62−99406号公報には
湿式還元法による銅粉の製造法が記載されている。
状の銅粉が得られる。また,球状銅粉を用いた導電ペー
ストはスクリーン印刷性に優れているとされていた。こ
のようなことから,球状銅粉を製造することが一般に行
われてきた。
は不都合の場合もある。例えば,コンデンサー外部電極
に用いる導電ペーストや導電フイラーでは,球状銅粉の
場合には電極形状を良好に保つことが困難であり,むし
ろ,板状,片鱗状,最も理想的には六角板状のものの方
がよい。
ため,これを板状銅粉とするには,機械的な加工を加え
る(例えば,ボールミル等で圧下を加える)ことが必要
となる。しかし,このような機械的加工法では,粒径サ
イズが不揃いとなり,均一サイズのものを得るのは困難
であると共に歩留りの点や操作の点でもコスト高となら
ざるを得ない。
し,湿式還元法によって直接的に板状,特に六角板状の
微細な銅粉を得ることにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねたところ,従来の湿式還元
法における水酸化銅の析出過程で,銅イオンと水酸イオ
ンの割合を適正に制御して銅塩水溶液を中和すると,板
状特に六角板状の銅粉が得られることを見い出した。す
なわち,本発明によれば,銅塩水溶液とアルカリ剤を反
応させて水酸化銅を析出させる工程,得られた水酸化銅
を亜酸化銅に水中で一次還元する工程,得られた亜酸化
銅を金属銅に水中で二次還元する工程,および得られた
金属銅を液から分離する工程からなる銅粉の製造法であ
って,前記の水酸化銅を析出させる工程において,銅イ
オン1モルに対して2.4モル未満の水酸イオンとなる
量比で銅塩とアルカリ剤を反応させることを特徴とする
板状銅粉の製法を提供する。
板状(六角板状)粒子の割合が30以上である導電ペー
ストまたは導電フイラー用に適した銅粉が提供できる。
は,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析
出させる工程,得られた水酸化銅を亜酸化銅に水中で一
次還元する工程,得られた亜酸化銅を金属銅に水中で二
次還元する工程からなり,得られた金属銅は液から分離
したあと,耐酸化性付与のための表面処理を施し或いは
施すことなく,乾燥することによって微細銅粉を得るも
のである。
では,例えば特開平4−116109号公報に記載され
ているように球状の銅粉が得られる。ところが,銅塩水
溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させるさ
いに,水酸イオン/銅イオンの原子比が2.4/1未満
となるような量でアルカリ剤と銅塩を反応させると板状
の微細な水酸化銅が析出し,この形態が以後の還元でも
継続して,最終的には板状の(六角板状の)微細の銅粉
が得られることがわかった。前記の特開平4−1161
09号公報では水酸イオン/銅イオンの原子比は2.4
以上の例を教えている。
としては硫酸銅水溶液が普通に使用できるが,塩化銅,
炭酸銅,硝酸銅などの水溶液であってもよい。アルカリ
剤としてはNaOH水溶液が最も普通に使用できるが,
これ以外にも,他に影響を与えないアルカリ剤であれば
使用可能である。水酸化銅の析出反応は,所定濃度の銅
塩水溶液と所定濃度のアルカリ水溶液を別途に作製し,
両液を混合したときに銅イオン1モルに対して2.4モ
ル未満の水酸イオンとなる配合量を秤量しておき,その
量を混ぜ合わせ,直ちに強攪拌するという方法,或いは
該銅塩水溶液にアルカリ水溶液を攪拌下に添加し続ける
という方法で進行させるのがよい。これにより板状の水
酸化銅が析出した懸濁液が得られるが,この反応後の液
のpHは12〜14となる。準備しておく銅塩水溶液の
Cuイオン濃度は約0.7モル/リットル以上,また準
備しておくアルカリ水溶液のOHイオン濃度は約1.0
モル/リットル以上であるのがよい。
て,還元剤を添加して水酸化銅を亜酸化銅に還元する
(一次還元工程)が,この還元剤にはグリコース(ブド
ウ糖)が使用できる。この一次還元工程は不活性ガス雰
囲気下で昇温しながら(例えば50〜90℃)で行うの
がよい。そして,この一次還元処理を終えたあと,雰囲
気ガスを酸素含有ガスに代え,この酸素含有ガスを液中
にバブリングするという酸化工程を設けるのがよい。酸
素含有ガスとしては最も普通には空気を使用することが
できる。このような酸化工程は従来の湿式還元法では用
いられた例はないと思われる。
ることにより,液のpHは5〜9となり,過剰の還元剤
(ブドウ糖)も酸化され,還元によって生成した亜酸化
銅が析出した液が得られる。次いで,この液を不活性ガ
ス雰囲気下でデカンテーションし,その上澄液を除去す
ることにより,亜酸化銅の沈殿を採取する。
次還元するが,これは従来法と同様に亜酸化銅を水中に
懸濁させ,還元剤として抱水ヒドラジンを用いて還元処
理すればよい。二次還元して得られた液中の金属銅を液
から分離し,これを耐酸化性付与のための表面処理を施
し,或いは施すことなく,乾燥することにより,板状の
(好ましくは六角板状の)微細な金属銅粉を得ることが
できる。具体的には,厚みが2.0μm以下の板状粒子
を30容積%以上含有する銅粉,さらに好ましくは,厚
みが15μm以下の六角板状粒子を50容積%以上含有
する平均粒径(粒子幅)が0.2〜10μmで且つ均一
粒径の銅粉を得ることができる。
た板状銅粉の電子顕微鏡(SEM)像を示したものであ
る。各粒子の形状と粒径はこのようなSEM像から計測
することができる。図1〜4の粒子は六角板状を有して
いるものが多く,且つその平均粒径も微細で均一であ
る。このような銅粉は球状銅粉を機械加工して製作する
ことは極めて困難である。これに対して図5は,本発明
で規定する条件を外れて製作された後記の比較例1によ
って得られた銅粉を示しており(倍率は図1と同じ),
殆んどが球状である。
ペーストまたは導電フイラー用の金属粉として使用する
と,従来の球状銅粉を使用したものに比べて,粒子同士
の接触状態が改善されるので,導電性が向上し且つ熱収
縮の少ない導電回路や電極を形成することができる。
溶液Bを準備した。 アルカリ水溶液A:〔濃度48.3%のNaOH水溶液:5
28g〕+〔純水:4174.8g〕 銅塩水溶液B:〔CuSO4・5H2O:629.5g〕
+〔純水:2202g〕
Aの全量に,温度が29℃の該銅塩水溶液Bを全量添加
し強攪拌する。発熱によりA+Bの液の温度は32.5
℃まで上昇し,液中に水酸化銅が析出した懸濁液が得ら
れる。この液のpHは12.47である。A液とB液の
混合量比は,銅イオン1モルに対して2.28モルの水
酸イオンとなる量比である。また,A液の水酸イオン濃
度は約1.36モル/リットルであり,B液のCuイオ
ン濃度は約0.96モル/リットルである。
の全量に対し,純水1410gに993.5gのブドウ
糖を溶かしたブドウ糖溶液を添加し,添加後45分間で
液の温度を70℃まで昇温したあと,15分間保持す
る。ここまでの処理操作(水酸化銅の析出および亜酸化
銅への還元操作)は全て窒素雰囲気下で行う。
0分間にわたって空気をバブリングさせる。これによ
り,液のpHは5.47となり,亜酸化銅が懸濁した液
が得られる。
ンテーションし,上澄液(pH5.76)を除去し,亜
酸化銅の沈殿をほぼ全量採取し,これに純水28gを追
加する。液のpHは約6.4である。
し,抱水ヒドラジン3026gを添加し,300分間反
応させて,微細銅粒子が懸濁した液を得る。この液を固
液分離して銅粉を採取し,これを乾燥して板状銅粉を得
る。
像を図1に示した。図1にみられるように,この銅粉は
厚みが2.0μm以下の板状粒子の割合が全粒子数の3
0%以上であり,厚みが1.5μm以下の六角板状粒子
は50容積%以上であり,平均粒径(幅方向の粒径)は
0.2〜10μmである。
ル0.105gおよびエチルセルロース0.005gと混
練し,直径2mmで高さ7.5mmの円柱状のペレット
に成形した。このペレットを0℃から900℃まで昇温
したときの高さ方向の収縮率は0.074%であった。
に各種変化させた以外は,実施例1を繰り返した。その
結果,各例において表1に示す特性の銅粉が得られた。
また,実施例1〜4で得られた各銅粉の電子顕微鏡写真
を図1〜4に示した。
さないで製造した例を比較例1として表1に示した。得
られた銅粉の電子顕微鏡写真を図5に示した。この銅粉
は平均粒径が2.5μmのほぼ球形の銅粉であり,その
特性を表1に併記した。
満たさないで製造した他の例を比較例2〜6として,そ
れらの製造条件と得られた粉末の特性を表1に併記し
た。
粉が得られ,この板状銅粉は導電ペーストや導電フイラ
ーとして使用したときに低い熱収縮率を有することがわ
かる。これに対し比較例では板状銅粉は得られず,この
ものは熱収縮率が高いことがわかる。
湿式還元法によって板状の微細な銅粉を製造することが
でき,得られる銅粉は微細で均一な粒径を有するから,
導電ペーストや導電フイラー用に適した銅粉を経済的に
得ることができる。
像であり,図1Aは倍率2000倍,図1Bは倍率50
00倍で見たものである。
像であり,図2Aは倍率2000倍,図2Bは倍率50
00倍で見たものである。
像であり,図3Aは倍率2000倍,図3Bは倍率50
00倍で見たものである。
像であり,図4Aは倍率2000倍,図4Bは倍率50
00倍で見たものである。
Aは倍率2000倍,図5Bは倍率5000倍で見たも
のである。
Claims (6)
- 【請求項1】 銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水
酸化銅を析出させる工程,得られた水酸化銅を亜酸化銅
に水中で一次還元する工程,得られた亜酸化銅を金属銅
に水中で二次還元する工程,および得られた金属銅を液
から分離する工程からなる銅粉の製造法であって,前記
の水酸化銅を析出させる工程において,銅イオン1モル
に対して2.4モル未満の水酸イオンとなる量比で銅塩
とアルカリ剤を反応させることを特徴とする板状銅粉の
製法。 - 【請求項2】 銅塩とアルカリ剤を反応して水酸化銅を
析出させた反応後の液のpHが13〜14である請求項
1に記載の板状銅粉の製法。 - 【請求項3】 一次還元工程は,pH13〜14の水酸
化銅懸濁液に対して還元剤を添加する段階と次いで液中
に酸素含有ガスをバブリングする段階とからなる請求項
1または2に記載の板状銅粉の製法。 - 【請求項4】 銅塩水溶液は硫酸銅水溶液であり,アル
カリ剤はNaOH水溶液である請求項1,2または3に
記載の板状銅粉の製法。 - 【請求項5】 液から分離された金属銅は,厚みが2.
0μm以下の板状粒子の割合が全粒子の30%以上であ
る請求項1,2,3または4に記載の板状銅粉の製法。 - 【請求項6】 厚み2.0μm以下の板状粒子の割合が
30%以上である導電ペーストまたは導電フイラー用銅
粉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17653998A JP4012961B2 (ja) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | 板状銅粉の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP17653998A JP4012961B2 (ja) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | 板状銅粉の製法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11350009A true JPH11350009A (ja) | 1999-12-21 |
JP4012961B2 JP4012961B2 (ja) | 2007-11-28 |
Family
ID=16015374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17653998A Expired - Lifetime JP4012961B2 (ja) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | 板状銅粉の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4012961B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005041213A1 (ja) * | 2003-10-27 | 2007-04-26 | 東洋紡績株式会社 | 導電性ペースト |
KR100726694B1 (ko) * | 1999-12-21 | 2007-06-13 | 도와 홀딩스 가부시키가이샤 | 도전 페이스트의 도전 충전재에 적합한 접합 구리 입자 및접합 구리 분말 |
JP2012041592A (ja) * | 2010-08-17 | 2012-03-01 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | 扁平銅粒子 |
JP2014058713A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Dowa Electronics Materials Co Ltd | 板状銅粉とその製造方法および導電性ペースト |
-
1998
- 1998-06-10 JP JP17653998A patent/JP4012961B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100726694B1 (ko) * | 1999-12-21 | 2007-06-13 | 도와 홀딩스 가부시키가이샤 | 도전 페이스트의 도전 충전재에 적합한 접합 구리 입자 및접합 구리 분말 |
JPWO2005041213A1 (ja) * | 2003-10-27 | 2007-04-26 | 東洋紡績株式会社 | 導電性ペースト |
JP2012041592A (ja) * | 2010-08-17 | 2012-03-01 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | 扁平銅粒子 |
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