JPH11349657A - 低温用ポリウレタン材料 - Google Patents
低温用ポリウレタン材料Info
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- JPH11349657A JPH11349657A JP10160179A JP16017998A JPH11349657A JP H11349657 A JPH11349657 A JP H11349657A JP 10160179 A JP10160179 A JP 10160179A JP 16017998 A JP16017998 A JP 16017998A JP H11349657 A JPH11349657 A JP H11349657A
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Abstract
熱性を示す低温用高分子材料を提供し、低温流体輸送用
配管、低温流体貯蔵用容器及び低温流体輸送用船舶等の
ために有用な断熱材を提供する。 【解決手段】 9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル)フルオレン又は9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシプロ
ポキシ)フェニル)フルオレンとジイソシアネート化合物
とを反応させて得られるポリウレタン又は該ポリウレタ
ンを構成材料とする発泡ポリウレタンを断熱材とする。
Description
ン材料に関し、詳しくは、液化天然ガス又は0℃以下の
天然ガスに代表される低温流体の輸送用配管、貯蔵用容
器及び輸送用船舶に使用する断熱材として極低温でも使
用可能なポリウレタン材料に関する。
いても使用可能な材料への要望が高まっている。特に液
化天然ガスの保存やパイプラインによる輸送の分野で
は、このような低温で使用可能な材料に対する要望が強
い。液化天然ガスの保存及び輸送は通常−140℃以下、
特に−160℃程度という極低温で実施されるが、金属材
料を本体にその金属本体の保護として高分子材料を例え
ばシート状に成形して、タンクやパイプラインの内張り
及び外張りなどに利用し、保冷・断熱を図ってきた。
において柔軟性を有するために、極めて多種多様な用途
に使用されている。しかし、−160℃程度の低温領域に
おいては、通常の高分子材料は極めてもろいものに変化
するという問題があった。
消失する理由は、低温域では高分子材料のガラス転移温
度以下になってしまうため、高分子材料の非晶領域にお
ける分子の運動が完全に停止するためと考えられる。
題となるのは、シート状又はフィルム状に成形した場合
である。例えば、通常の高分子材料をフィルム状に成形
し、−160℃程度に冷却した場合、フィルムはガラスシ
ートのように脆くなってしまう。
張係数が小さく低温領域(例えば0℃以下、更には−50
℃以下、特には−100℃以下)において高い断熱性を示
し、低温流体輸送用配管、低温流体貯蔵用容器及び低温
流体輸送用船舶等の断熱材として有用な低温用高分子材
料及び発泡ポリウレタンを提供することにある。
な問題を鑑み、式1で表される繰り返し単位を有するポ
リウレタンが、例えば−160℃程度の低温領域において
も現状の低温断熱材、例えば発泡ポリウレタンに代表さ
れるような高分子材料より、高い断熱性を示し、かつ工
業的に容易で且つ安価な方法で製造することができるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
材料、発泡ポリウレタン、断熱材、低温流体輸送用配
管、低温流体貯蔵用容器及び低温流体輸送用船舶に係
る。
るポリウレタンからなる低温用高分子材料。式1中、X
は2価の有機基、A1及びA2は同一又は異なって水素又
はメチル基を示す。
上とジイソシアネート化合物の1種又は2種以上とを反
応させて得られるポリウレタンからなる低温用高分子材
料。式2中、A1及びA2は同一又は異なって水素又はメ
チル基を示す。
は2に記載の低温用高分子材料。
温用高分子材料を構成材料とする発泡ポリウレタン。
る前記項4に記載の発泡ポリウレタン。
温用高分子材料又は発泡ポリウレタンを構成材料とする
断熱材。
低温流体輸送用配管。
低温流体貯蔵用容器。
器を有する低温流体輸送用船舶。
単位を有するポリウレタンからなる。式1中、Xは2価
の有機基であり、例えば、脂肪族炭化水素残基(アルキ
レン基)、脂環式炭化水素残基(アルキル基を有するこ
とができるシクロアルキレン基)又は芳香族炭化水素残
基(例えば、アルキル基を有することができるフェニレ
ン基、アルキル基を有することができるキシリレン基
等)を示す。
チレン基、テトラメチレン基、2,4,4-トリメチルヘキサ
メチレン基等の直鎖又は分岐脂肪族基;4,4'-ジシクロ
ヘキシルメタン基、イソホロン基等の脂環族基;トリレ
ン基、4,4'-ジフェニルメタン基、4,4'-ビス(3-トリレ
ン)メタン基、ナフタレン基、キシリレン基等の芳香族
基がある。
素原子又はメチル基を示す。好ましい実施の形態では、
A1及びA2は同一であって水素原子又はメチル基を示
す。
ウレタンは、TMA法により測定される線膨張係数(25
℃から−150℃)が、例えば1.0×10-4℃-1以下、好まし
くは9.0×10-5℃-1以下、より好ましくは8,0×10-5℃-1
以下であり、通常は1.0×10- 5℃-1以上、更には3.0×10
-5℃-1以上、特には5.0×10-5℃-1以上である。
ウレタンは、ポリスチレンを標準物質とするGPC(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平
均分子量が、例えば5000以上、好ましくは10000以上、
より好ましくは50000以上、通常は300000以下、好まし
くは250000以下、より好ましくは200000以下の範囲にあ
り、数平均分子量が、例えば2500以上、好ましくは5000
以上、より好ましくは20000以上、通常は100000以下、
好ましくは80000以下、より好ましくは60000以下の範囲
にある。
ウレタンは、式2で表されるジオール化合物の1種又は
2種以上とジイソシアネート化合物の1種又は2種以上
とを反応(ウレタン重合)させることにより製造するこ
とができ、等モル程度のジオール化合物とジイソシアネ
ート化合物とを反応させることにより、効率よく製造す
ることができる。
ジオール化合物として、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエト
キシ)フェニル)フルオレン〔BPEF〕又は9,9-ビス(4
-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)フルオレン〔BP
PF〕の1種を単独で使用又は2種を併用する。
とは、溶媒の存在下又は不存在下で、必要に応じて攪拌
しながら、加熱することにより、ウレタン重合させるこ
とができる。加熱温度は、例えば60℃以上、好ましくは
70℃以上、更に好ましくは90℃以上、通常は200℃以
下、好ましくは160℃以下とすることができる。加熱時
間は、1時間以上、好ましくは2時間以上、通常は24時
間以下、好ましくは12時間以下、更に好ましくは6時間
以下とすることができる。
ル化合物(例えば、BPEF、BPPF)の水酸基(活
性水素)と反応し得るイソシアネート基を2個有する有
機化合物、例えば、式3:OCN−X−NCOで表され
る有機ジイソシアネート化合物を使用することができ
る。
族炭化水素残基(アルキレン基)、脂環式炭化水素残基
(アルキル基を有することができるシクロアルキレン
基)又は芳香族炭化水素残基(例えば、アルキル基を有
することができるフェニレン基、アルキル基を有するこ
とができるキシリレン基等)を示す。
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネート、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチ
レンジイソシアネート等の直鎖又は分岐脂肪族ジイソシ
アネート;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシ
アネート;トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、3,3'-メチレンジトリレン-
4,4'-ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネート等を使用することができる。
BPEF、BPPF)は、例えば、フルオレノンとフェ
ノキシアルコール(即ち、フェノキシエタノール又は2-
フェノキシプロパノールの1種又は2種)とを反応させ
ることにより、製造することができる。フルオレノンと
フェノキシアルコールとは、例えば、硫酸又はチオール
を触媒として使用することにより反応させることができ
る。
いが、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルスルホキシド等を使用することが
できる。
子状、塊状、シート状、フィルム状として使用すること
ができる。発泡ポリウレタン 本発明の発泡ポリウレタンは本発明の低温用高分子材料
を発泡させることにより製造することができる。好まし
い実施の形態では、本発明の発泡ポリウレタンは、断熱
性の点より、独立気泡を有する。
はポリウレタンを発泡させるための公知の方法を採用す
ることができる。例えば、発泡剤を使用する方法により
発泡させることができる。具体的には、発泡剤を低温用
高分子材料又はその原料と共存させておいて加圧下で加
熱することによって発泡ポリウレタンを製造することが
できる。
用することができる。発泡剤として使用することができ
る揮発性の液体としては、例えば、HCFC141b等の常温で
液体の含フッ素炭化水素、エチルエーテル、石油エーテ
ル、アセトン、ヘキサン、ベンゼン等がある。発泡剤と
して使用することができる気体としては、例えば、炭酸
ガス、プロパン、メチルエーテル、三塩化フッ化メタ
ン、ブタン等がある。
り測定される熱伝導率(−170℃)が、例えば0.018W/
mK以下、好ましくは0.017W/mK以下、より好まし
くは0.016W/mK以下であり、通常は0.010W/mK以
上、更には0.011W/mK以上、特には0.012W/mK以
上の範囲にある。
ート状、フィルム状、板状として使用することができ
る。断熱材 本発明の低温用高分子材料又は発泡ポリウレタンは、熱
伝導度が低くく断熱性が高いため各種の断熱材として有
用である。本発明の低温用高分子材料又は発泡ポリウレ
タンは、線膨張係数が小さく低温領域(例えば、0℃以
下、更には−50℃以下、特には−100℃以下)において
も良好な物理的特性(柔軟性)を有するので、低温用断
熱材として有用である。本発明の低温用高分子材料又は
発泡ポリウレタンは、例えば、粒子状、塊状、シート
状、フィルム状として、断熱材、特に低温用断熱材とし
て使用することができる。
特には−160℃以下の高圧ガス又は液化ガス(例えば、
液化天然ガス(LNG)等)の輸送用配管、貯蔵用容器
等の断熱材として有用である。例えば、粒子状又は塊状
の断熱材は、低温流体輸送用配管、低温流体貯蔵用容器
等の周辺の空間の充填剤として使用することにより、断
熱材として作用させることができる。例えば、シート状
又はフィルム状の断熱材は、低温流体輸送用配管、低温
流体貯蔵用容器等の外壁に巻き付けることにより、断熱
材として作用させることができる。
ウレタン)は、低温領域における熱的性質に優れたプラ
スティックとして有用であり、LNG、LPG(液化石
油ガス)等の低温流体の輸送用配管、貯蔵用容器及び輸
送用船舶等の断熱材として使用することができる。
る。
99重量%のBPEFを1314g(3モル)、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(HDI)を504g(3モル)、ク
ロロベンゼンを1800ml仕込み、窒素雰囲気下で反応温度
を130℃に保ち、4時間反応を続けて完結させた。反応
終了後、反応容器中のジクロロベンゼンを除去した後に
反応物を取り出し、裁断しペレット状にした。
99重量%のBPEFを438g(1モル)、トルエンジイ
ソシアネート(TDI)を174g(1モル)、クロロベ
ンゼンを1500ml仕込み、窒素雰囲気下で反応温度を130
℃に保ち、3時間反応を続けて完結させた。反応終了
後、反応容器中のジクロロベンゼンを除去した後に反応
物を取り出し、裁断しペレット状にした。
99重量%のBPEFを438g(1モル)、キシリレンジ
イソシアネート(XDI)を188g(1モル)、N,N-ジ
メチルホルムアミドを1500ml仕込み、窒素雰囲気下で反
応温度を110℃に保ち、5時間反応を続けて完結させ
た。反応終了後、反応容器中のN,N-ジメチルホルムアミ
ドを除去した後に反応物を取り出し、裁断しペレット状
にした。
99重量%のBPEFを438g(1モル)、ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)を250g(1モル)仕
込み、窒素雰囲気下で反応温度を150℃に保ち、2時間
反応を続けて完結させた。反応終了後、反応容器から反
応物を取り出し、裁断しペレット状にした。
リウレタンの線膨張係数をTMA法(25℃から−150
℃)により測定した。結果を表1に示す。比較例1とし
てポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の測定結果
を示す。
れたポリウレタン(300g)を発泡剤〔HCFC141
b〕(600g)とともにオートクレーブに仕込んで密閉
し、圧力10kgf/cm2に加圧し、温度160℃に6時間加熱し
た後、常圧に戻して冷却することにより、発泡ポリウレ
タンを得た。
度を熱線法(−170℃)により測定した。熱伝導率を表
2に示す。比較例2として同様の発泡剤を使用した発泡
させた硬質ウレタンフォームの熱伝導率を示す。なお、
熱伝導度の測定は、発泡ポリウレタンの製造後3週間後
に実施した。
Claims (9)
- 【請求項1】 式1で表される繰り返し単位を有するポ
リウレタンからなる低温用高分子材料〔式1中、Xは2
価の有機基、A1及びA2は同一又は異なって水素又はメ
チル基を示す〕。 【化1】 - 【請求項2】 式2で表されるジオール化合物の1種又
は2種以上とジイソシアネート化合物の1種又は2種以
上とを反応させて得られるポリウレタンからなる低温用
高分子材料〔式2中、A1及びA2は同一又は異なって水
素又はメチル基を示す〕。 【化2】 - 【請求項3】 線膨張係数が1×10-4℃-1以下である請
求項1又は2に記載の低温用高分子材料。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の低温用
高分子材料を構成材料とする発泡ポリウレタン。 - 【請求項5】 熱伝導率が0.018W/mK以下である請
求項4に記載の発泡ポリウレタン。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の低温用
高分子材料又は発泡ポリウレタンを構成材料とする断熱
材。 - 【請求項7】 請求項6に記載の断熱材を使用した低温
流体輸送用配管。 - 【請求項8】 請求項6に記載の断熱材を使用した低温
流体貯蔵用容器。 - 【請求項9】 請求項8に記載の低温流体貯蔵用容器を
有する低温流体輸送用船舶。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16017998A JP3814709B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 低温用ポリウレタン材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16017998A JP3814709B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 低温用ポリウレタン材料 |
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JP16017998A Expired - Lifetime JP3814709B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 低温用ポリウレタン材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3814709B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000044645A (ja) * | 1998-07-28 | 2000-02-15 | Osaka Gas Co Ltd | フルオレン骨格を有するポリウレタン及びその製造方法 |
JP2000044644A (ja) * | 1998-07-28 | 2000-02-15 | Osaka Gas Co Ltd | ポリウレタンの製造方法 |
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JPH11279251A (ja) * | 1998-03-30 | 1999-10-12 | Osaka Gas Co Ltd | フルオレン骨格を有するポリウレタン |
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-
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- 1998-06-09 JP JP16017998A patent/JP3814709B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2000044644A (ja) * | 1998-07-28 | 2000-02-15 | Osaka Gas Co Ltd | ポリウレタンの製造方法 |
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