JPH11349590A - 抗菌性物質be−65932及びその製造法 - Google Patents

抗菌性物質be−65932及びその製造法

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JPH11349590A
JPH11349590A JP16921798A JP16921798A JPH11349590A JP H11349590 A JPH11349590 A JP H11349590A JP 16921798 A JP16921798 A JP 16921798A JP 16921798 A JP16921798 A JP 16921798A JP H11349590 A JPH11349590 A JP H11349590A
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streptomyces
compound
substance
microorganisms
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JP16921798A
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English (en)
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Kazuho Nakase
和穂 仲瀬
Shigeru Nakajima
中島  茂
Mioko Hirayama
美央子 平山
Kenichi Tanaka
健一 田中
Rie Nagano
理恵 長野
Katsuhisa Ojiri
勝久 小尻
Hiroyuki Suda
寛之 須田
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MSD KK
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Banyu Phamaceutical Co Ltd
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は新規な構造式[I] 【化1】 で表される化合物に関する。 【効果】本発明の化合物は、種々の微生物に対して強い
増殖抑制効果を示すことから、医薬の分野で感染症の治
療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬の分野で有用で
あり、より具体的には微生物の増殖を阻害して抗菌作用
を示す新規化合物、その製造法及びその用途並びに該化
合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感染症治療の分野においては、既に多く
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の感染症に対してその効果は必ずしも
充分ではなく、また臨床上これらの薬剤に対する病原微
生物の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応
用性は複雑化している[松本慶蔵、化学療法の領域、1
3巻増刊号、11頁〜12頁(1997年)等参照]。
このような状況下、感染症治療の分野においては常に新
規抗菌性物質の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の希求に
応えることのできる新規な抗菌性物質を提供することを
目的とするものである。即ち、既存の抗菌性物質が充分
に効果を発揮できない種々の病原微生物に対しても抗菌
効果を発揮する化合物を提供することが本発明が解決し
ようとする課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、抗菌活性を有する物質について微生物
二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、後記構造
式[I]で表される化合物が優れた抗菌作用を示すこと
を見いだして本発明を完成した。即ち、本発明は新規な
構造式[I]
【0005】
【化2】 で表される化合物、その製造法及びその用途並びに該化
合物を産生する能力を有することを特徴とするストレプ
トミセス(Streptomyces)属に属する微生
物に関するものである。
【0006】なお、抗菌作用及び生産菌株ストレプトミ
セス エスピー A 65932に因んで、構造式
[I]で表される化合物をBE−65932と称する。
【0007】以下に本発明にかかわる新規な抗菌性物質
BE−65932の物理化学的な性状を示す。下記に核
磁気共鳴スペクトルにおける略号の意味を示す。 s :シングレット d :ダブレット t :トリプレット q :カルテット m :マルチプレット br:ブロード J :カップリング定数 Hz:ヘルツ
【0008】BE−65932の物理化学的性状 性状 ;白色粉末又は固体 分子式 ;C2431115 質量分析 ;[HRFAB−MS]m/z 実測値 :566.2098(M+H)+ 計算値 :566.2106(C2432115) 比旋光度 ;[ α ]20 D +71.4°(c 1.
0,MeOH) 紫外部吸収スペクトル; λmax(MeOH)nm
(ε):210(18,984),260(9,61
6) 赤外部吸収スペクトル; νmax(KBr)cm-1:3
358,3215,2956,1726,1643,1
471,1425,1240,1142,1076,1
012,962 核磁気共鳴スペクトル; 1H−NMRスペクトル(5
00MHz,DMSO−d6):δ 8.17(1H,
s),7.78(1H,s),7.20(2H,br
s),6.90(1H,brs),6.55(1H,
t,J=7.3Hz),5.91(1H,d,J=1.
8Hz),5.67(1H,brs),4.94(1
H,d,J=3.1Hz),4.67(1H,t,J=
5.5Hz),4.45(1H,brs),4.38
(2H,m),4.32(1H,m),4.15〜4.
26(3H,m),4.09(1H,d,J=1.8H
z),3.55(3H,s),3.31(3H,s),
2.51(1H,m),2.42(1H,m),2.1
0(2H,m),0.91(3H,t,J=7.3H
z)13 C−NMRスペクトル (125MHz,DMSO−
6):δ 169.4(s),164.8(s),1
55.9(s),153.0(d),149.6
(d),149.1(s),138.3(d),13
0.1(s),117.8(s),91.6(s),8
9.5(d),86.2(d),76.8(d),7
6.1(d),72.6(d),70.1(d),6
8.9(d),64.6(d),57.3(q),5
4.8(t),51.8(q),25.3(t),2
1.6(t),12.9(q) 溶解性 ;メタノール、ジメチルスルホキシド等の有機
溶媒及び水に溶け易く、クロロホルムに溶けにくい。 酸性、中性、塩基性物質の区別 ; 塩基性物質 Rf値 ;0.50[メルク社製キーゼルゲル60F
254使用、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(1
0:1)] 呈色反応; 硫酸反応 陽性 、リンモリブデン酸反応
陽性
【0009】BE−65932の生物学的活性(抗菌作
用) 抗菌性物質BE−65932の抗菌活性を各種微生物に
対して以下の手順で測定した。被検菌株としてクリプト
コッカス ネオフォルマンス ATCC 52816
(Cryptococcus neoformans
ATCC 52816)、シゾサッカロマイセス ポン
ベ IAM 4863(Schizosaccharo
myces pombe IAM 4863)、アスペ
ルギルス フミガタス TIMM 1776(Aspe
rgillus fumigatus TIMM 17
76)を用いた。クリプトコッカスとシゾサッカロマイ
セスは生理食塩水(0.85%)に懸濁した菌液をYN
BP培地(イーストニトロゲンベース3.35g、グル
コース5g、リン酸水素二カリウム1.25gをイオン
交換水500ml中に含む)で希釈して接種菌液(0.
5〜2.5×103 cfu/ml)とし、アスペルギル
スは0.1% Tween80入り生理食塩水で調整し
た胞子液をYNBPに寒天を加え半流動化した培地で希
釈して、接種菌液(2.5×103胞子/ml)とし
た。
【0010】上記の通りに調整した接種菌液とジメチル
スルホキシドで溶解後希釈したBE−65932をよく
混合し(ジメチルスルホキシドの終濃度は1%とす
る)、35℃または28℃で24〜72時間培養し、菌
の生育が認められない最少薬剤濃度を目視で判定してM
IC値とした。抗菌性物質BE−65932の最少発育
阻止濃度(MIC)を第1表に示す。クリプトコッカス
とアスペルギルスは35℃で48時間培養後、シゾサッ
カロマイセスは28℃で72時間培養後に判定した結果
である。
【0011】
【表1】第1表 BE−65932の抗菌活性 上述したようにBE−65932は微生物に対し増殖阻
害作用を示す。したがって、本発明の化合物は抗菌剤と
して有用である。 次に、BE−65932の製造法に
ついて説明する。
【0012】本発明の抗菌性物質BE−65932の製
造に使用する微生物は、抗菌性物質BE−65932を
生産するものならばいずれでも良いが、例えば以下の菌
学的性状を有する微生物、即ち、A 65932を用い
ることができる。 1.形態 A 65932株はよく伸長し分岐する基生菌糸と気菌
糸を形成し輪生岐および菌糸の分断は認められない。気
菌糸上には胞子の長い連鎖(50個以上)を作り、その
形態はらせん状である。胞子の表面は棘状で大きさが
0.8〜1.3×1.3〜1.6μm位の卵形であり、
胞子のう、鞭毛胞子および菌核等の特殊な器官は観察さ
れない。コロニーはオートミール寒天培地等で気菌糸の
成熟と共に次第に湿潤化することが観察される。 2.各種寒天平板培地における培養性状 各種寒天平板培地における培養性状(28℃、14日間
培養)は第2表の通りであった。
【0013】
【表2】 3.生育温度 生育温度(イ−スト・麦芽寒天培地、14日間培養)は
第3表の通りであった。
【0014】
【表3】 4.生理学的諸性質 生理学的諸性質は第4表の通りであった。
【0015】
【表4】 5.炭素源の利用能 炭素源の利用能は第5表の通りであった。
【0016】
【表5】 6.菌体成分 細胞壁からは、LLージアミノピメリン酸およびグリシ
ンが検出された。
【0017】以上の菌学的諸性質によりA 65932
は放線菌ストレプトミセス(Streptomyce
s)属に属すると考えられる。したがってA 6593
2をストレプトミセス エスピー A 65932(S
treptomyces sp. A 65932)と
称することとした。尚、本菌株は通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所に寄託されており、受託番号は
FERM P−16618である。
【0018】本発明のストレプトミセス エスピー A
65932(Streptomyces sp. A
65932)の変異株は、例えばX線若しくは紫外線
などの照射処理、例えばナイトロジェンマスタード、ア
ザセリン、亜硝酸、2−アミノプリンもしくは1−メチ
ル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン(MNNG)
等の変異誘起剤による処理、ファージ接触、形質転換、
形質導入又は接合などの通常用いられる菌種変換処理方
法によりストレプトミセス エスピー A 65932
を変異させた微生物である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のBE−65932を製造
するにあたり、BE−65932の生産菌株を栄養源含
有培地に接種して好気的に発育させることにより、BE
−65932を含む培養物が得られる。栄養源として
は、放線菌の栄養源として公知のものが使用できる。例
えば、炭素源としては、市販されているブドウ糖、麦芽
糖、デンプン、庶糖、糖密又はデキストリンなどが単独
又は混合物として用いられる。窒素源としては、市販さ
れている大豆粉、コーンスティープリカー、肉エキス、
酵母エキス、乾燥酵母、綿実粉、ペプトン、小麦胚芽、
魚粉、ミートミール、脱脂米ヌカ、脱脂肉骨粉、無機ア
ンモニウム塩又は硝酸ナトリウムなどが単独又は混合物
として用いられる。無機塩としては、市販されている炭
酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マ
グネシウム、臭化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、フッ
化カリウム又は各種リン酸塩などを使用することができ
る。その他必要に応じて、鉄、マンガン、亜鉛、コバル
ト、モリブデン酸などの重金属塩を微量添加することも
できる。また、発泡の激しい場合には消泡剤として、例
えば大豆油又は亜麻仁油などの植物油、オクタデカノー
ルなどの高級アルコール類、各種シリコン化合物などを
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、BE−65932の生産に役立つもの例えば
3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸又はホウ酸
ナトリウムなどであれば、いずれも使用することができ
る。
【0020】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振盪培養又は通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は17〜40℃が適当であるが、好ましくは24
〜34℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は96〜168時間、好ましくは120〜
144時間である。培養物から目的とするBE−659
32を採取するには、微生物の生産する代謝物から採取
するのに通常使用される分離手段を適宜利用することが
できる。
【0021】BE−65932は菌体中に存在するの
で、菌体より通常の分離手段、例えば溶媒抽出法、イオ
ン交換樹脂法又は吸着若しくは分配クロマトグラフィー
法及びゲル濾過法などを単独又は組み合わせて行なうこ
とにより精製できる。好ましい分離精製の例として次の
方法が挙げられる。まず培養液を濾過し、菌体を得る。
得られた菌体をメタノール又はアセトンなどの有機溶媒
を用いて抽出する。得られた粗抽出物について、水−酢
酸エチルで分配を行ない、酢酸エチル層を留去後、得ら
れる残留物について逆相カラムクロマトグラフィーを行
なう。BE−65932を含む画分を減圧下で濃縮し、
再度逆相カラムクロマトグラフィーを行なうことによ
り、BE−65932を得ることができる。
【0022】本発明化合物を抗菌剤として使用する際
に、本化合物は薬学的に許容しうる塩としても使用され
る。薬学的に許容しうる塩の典型例としては例えば塩酸
等の無機酸との塩を挙げることができる。
【0023】本発明の化合物BE−65932は病原微
生物の増殖を阻害し、抗菌効果を発揮するが、本発明化
合物を抗菌剤として使用する際の投与形態としては各種
の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆
粒剤若しくは液剤などの経口剤、又は例えば溶液若しく
は懸濁液などの殺菌した液状の非経口剤が挙げられる。
【0024】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖
などの糖類、例えばトウモロコシ、小麦若しくは米など
のデンプン類、例えばステアリン酸などの脂肪酸、例え
ばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン
酸カルシウムなどの無機塩、例えばポリビニルピロリド
ン若しくはポリアルキレングリコールなどの合成高分
子、例えばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン
酸マグネシウムなどの脂肪酸塩、例えばステアリルアル
コール若しくはベンジルアルコールなどのアルコール
類、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、エチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの合成セルロース誘導体、その他、
水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴムなど通常
用いられる添加物が挙げられる。
【0025】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末などの固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、
好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。液状製
剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、ピーナッツ
油若しくはゴマ油などの植物由来の油など液状製剤にお
いて通常用いられる適当な添加剤を使用し、懸濁液、シ
ロップ剤又は注射剤などの形態として製造される。
【0026】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又
は皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例え
ば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム
などの水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈
内注射用)など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0027】これらの注射剤はあらかじめ溶解したもの
のほか、粉末のままあるいは適当な添加剤を加えたもの
を用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は通
常、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有
効成分を含む。又、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤な
どの液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0028】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び起因菌
によって変化することに注意すべきである。例えば、1
日あたりの成人の投与量は、経口投与の場合、10〜5
00mgであり、非経口投与、好ましくは静脈注射の場
合、1日あたり、10〜100mgである。なお、投与
回数は投与方法及び症状によって異なるが、1回ないし
5回である。
【0029】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例BE−65932の製造法 斜面寒天培地に接種した放線菌A 65932をグルコ
ース 0.1%、グリセロール 2.0%、デキストリ
ン 1.0%、全脂大豆粉末(ソーヤフラワーNSA)
1.0%、L−トリプトファン 0.2%、酵母エキ
ス 0.2%、フッ化カリウム 0.02%、綿実粉
(ファルマメディア) 0.5%からなる培地(pH
7.0)110mlを含む500ml容の三角フラスコ
3本に接種し、28℃で48時間、回転振盪機(毎分1
80回転)上で培養した。この培養液を2mlずつ上記
の培地を110ml含む500ml容の三角フラスコ5
0本に接種し28℃で6日間、回転振盪機(毎分180
回転)上で培養した。上記の培養により得られた培養液
(約5L)から濾過により菌体を得た。この菌体にメタ
ノール(2.5L)を加え、攪拌後濾過した。この操作
をもう一度繰り返した。これらのメタノール抽出液をあ
わせて減圧下で濃縮後、水(1L)を加え、1Lの酢酸
エチルで3回抽出した。酢酸エチル画分を減圧下に濃縮
乾固し、メタノール(1L)に溶解した後、等量のn−
ヘキサンで2回洗浄した。このメタノール層を減圧下に
濃縮することにより、BE−65932を含む粗精製物
を2.7g得た。これをシリカゲルのカラム(メルク社
製キーゼルゲル60、φ3.3×60cm)に供し、酢
酸エチル−酢酸(100:0.5)で洗浄後、酢酸エチ
ル−酢酸−メタノール(100:0.5:4)で溶出し
た。溶出液を濃縮乾固後、メタノール(2ml)、水
(500ml)を加え水酸化ナトリウム水溶液を用いて
pH7に調整し500mlの酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチル画分を減圧下に濃縮乾固し、ODSカラム(富
士シリシア化学社製クロマトレックスODS、φ2.0
×25cm)を使用して高速液体クロマトグラフィーを
行なった。移動相に、水−アセトニトリル−ぎ酸(8
0:20:0.1)を用いて、流速10ml/minで
溶出しBE−65932を含む画分を得た。得られた画
分に水(300ml)を加えエムシーアイ ゲル CH
P−20カラム(三菱化成工業社製、φ1.0×18c
m)にかけメタノールで溶出することによりBE−65
932(82.5mg)を得た。
【0030】以下に本発明の化合物の製剤例を示すが、
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。 製剤例1 本物質(BE−65932)10部、重質酸化マグネシ
ウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、500μ
m以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。この散剤をカ
プセル容器に入れカプセル剤とした。 製剤例2 本物質(BE−65932)45部、澱粉15部、乳糖
16部、結晶性セルロース21部、ポリビニルアルコー
ル3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、破砕造粒
して乾燥し、次いで篩別して直径355〜1400μm
の大きさの顆粒剤とした。 製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例4 製剤例2と同様の方法で得られた顆粒剤90部に対して
結晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3
部を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、こ
れにシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁
液を加えて糖衣錠を作製した。 製剤例5 本物質(BE−65932)0.6部、非イオン系界面
活性剤2.4部及び生理的食塩水97部を加温混合して
からアンプルに入れ、滅菌を行って注射剤を作製した。
【0031】
【発明の効果】本発明に記載するBE−65932は、
各種の微生物に対して顕著な抗菌活性を示すことから、
医薬の分野でこれらの微生物を起因菌とする疾病に対し
て抗菌剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:465) (C12P 17/18 C12R 1:465) (72)発明者 田中 健一 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 長野 理恵 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 小尻 勝久 東京都中央区日本橋本町2丁目2番3号 萬有製薬株式会社内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造式[I] 【化1】 で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属し、請求項1記載の構造式[I]で表され
    る化合物を産生する能力を有する微生物を培養し、その
    培養物から該構造式[I]で表される化合物を採取する
    ことを特徴とする、該構造式[I]で表される化合物の
    製造法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の構造式[I]で表される化
    合物を産生する能力を有する微生物が、ストレプトミセ
    ス エスピー A 65932(Streptomyc
    es sp.A 65932)又はその変異株である請
    求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の構造式[I]で表される化
    合物を有効成分とする抗菌剤。
  5. 【請求項5】請求項1記載の構造式[I]で表される化
    合物を産生する能力を有することを特徴とするストレプ
    トミセス(Streptomyces)属に属する微生
    物。
  6. 【請求項6】ストレプトミセス(Streptomyc
    es)属に属する微生物が、ストレプトミセス エスピ
    ー A 65932(Streptomyces s
    p.A 65932)又はその変異株である請求項5記
    載の微生物。
JP16921798A 1998-06-02 1998-06-02 抗菌性物質be−65932及びその製造法 Pending JPH11349590A (ja)

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JP16921798A Pending JPH11349590A (ja) 1998-06-02 1998-06-02 抗菌性物質be−65932及びその製造法

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