JPH11349339A - 合成石英ガラスの製造方法及び石英ガラス成形体の製造方法 - Google Patents
合成石英ガラスの製造方法及び石英ガラス成形体の製造方法Info
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- JPH11349339A JPH11349339A JP15580998A JP15580998A JPH11349339A JP H11349339 A JPH11349339 A JP H11349339A JP 15580998 A JP15580998 A JP 15580998A JP 15580998 A JP15580998 A JP 15580998A JP H11349339 A JPH11349339 A JP H11349339A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B19/00—Other methods of shaping glass
- C03B19/10—Forming beads
- C03B19/1005—Forming solid beads
- C03B19/106—Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction
- C03B19/1065—Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction by liquid phase reactions, e.g. by means of a gel phase
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Abstract
(57)【要約】
【課題】黒色異物の発生の抑えられた合成石英ガラス粉
末及び泡の少ない石英ガラス成形体を提供する。 【解決手段】シリカゲルを70℃以上の熱水と接触処理
し、更に焼成することを特徴とする合成石英ガラスの製
造方法。
末及び泡の少ない石英ガラス成形体を提供する。 【解決手段】シリカゲルを70℃以上の熱水と接触処理
し、更に焼成することを特徴とする合成石英ガラスの製
造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として半導体製
造分野、及び光ファイバー関連等の光学分野に於いて、
その製品中の泡の発生量の極めて少ないものを得る事が
出来る、合成石英ガラス粉末および、それを用いて得ら
れた石英ガラス成形体に関するものである。
造分野、及び光ファイバー関連等の光学分野に於いて、
その製品中の泡の発生量の極めて少ないものを得る事が
出来る、合成石英ガラス粉末および、それを用いて得ら
れた石英ガラス成形体に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、光通信分野、半導体産業等で使用さ
れるガラス製品においては、その品質に関して非常に厳
しい管理が行われている。このような、高純度のガラス
の製造方法としては、主に、(1)天然石英を精製して
用いる方法、(2)四塩化珪素等の気体珪素化合物の酸
水素炎中での加水分解、熱分解で発生したヒュームを用
い、これを溶融成形する気相法、(3)シリコンアルコ
キシド等の液相での加水分解、ゲル化等により得たシリ
カゲル粉末を焼成して得た合成石英粉を用いる方法、等
が知られている。
れるガラス製品においては、その品質に関して非常に厳
しい管理が行われている。このような、高純度のガラス
の製造方法としては、主に、(1)天然石英を精製して
用いる方法、(2)四塩化珪素等の気体珪素化合物の酸
水素炎中での加水分解、熱分解で発生したヒュームを用
い、これを溶融成形する気相法、(3)シリコンアルコ
キシド等の液相での加水分解、ゲル化等により得たシリ
カゲル粉末を焼成して得た合成石英粉を用いる方法、等
が知られている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、これら
のうち(1)の方法では微量不純物含有量の低減に限界
があり、(2)の方法では極めて製造コストが高い等の
問題がある。(3)のシリカゲルを用いる方法、特にシ
リコンアルコキシドを原料としたシリカゲル粉末を用い
る方法では、(2)の方法と比較すると安価に微量不純
物含有量が低い合成石英ガラスを得る事が出来る。
のうち(1)の方法では微量不純物含有量の低減に限界
があり、(2)の方法では極めて製造コストが高い等の
問題がある。(3)のシリカゲルを用いる方法、特にシ
リコンアルコキシドを原料としたシリカゲル粉末を用い
る方法では、(2)の方法と比較すると安価に微量不純
物含有量が低い合成石英ガラスを得る事が出来る。
【0004】ここで、石英ガラス粉に要求される品質と
して、金属不純物レベルの低いことのみでなく、石英ガ
ラス粉を溶融成形してなる石英ガラス製品において、泡
の発生が少ないことが求められている。石英ガラス製品
中に泡が発生すると、半導体製造用部材で高温で使用さ
れる際に、強度低下の要因となり、また、泡表面に不純
物が蓄積し、シリコン単結晶引き上げ用ルツボでは、歩
留まり低下の要因となる。また、光学用途においても、
光の散乱起点となり透過率の低下が生じ、光ファイバー
製造においては、引き延ばし時に断線の原因となり得
る。
して、金属不純物レベルの低いことのみでなく、石英ガ
ラス粉を溶融成形してなる石英ガラス製品において、泡
の発生が少ないことが求められている。石英ガラス製品
中に泡が発生すると、半導体製造用部材で高温で使用さ
れる際に、強度低下の要因となり、また、泡表面に不純
物が蓄積し、シリコン単結晶引き上げ用ルツボでは、歩
留まり低下の要因となる。また、光学用途においても、
光の散乱起点となり透過率の低下が生じ、光ファイバー
製造においては、引き延ばし時に断線の原因となり得
る。
【0005】特に、シリコンアルコキシドを原料とした
ゾルゲル法により得た石英ガラス粉を用いた場合、ゾル
ゲル反応をバッチ式で実施する際、反応バッチ数が多く
なると、その反応機の内壁部及び、撹拌翼等にスケール
が生じ、スケールの厚みがある程度成長すると剥離し
て、製品中に混入する。このスケールは、元々は加水分
解反応により生成したシリカゲルであるが、本発明者ら
の検討の結果、このスケールは正常なゲルと比較して緻
密な構造を有し、焼成して合成石英ガラス粉末とする際
にアルコキシ基又は副生アルコール由来のカーボン成分
が脱離しにくいために石英ガラス粉中の黒色異物となり
易く、これが溶融時にCO又はCO2ガスとなり、泡発
生の原因となる事が判明している(特開平6−3404
11号公報、特開平8−188411号公報)。このた
め、付着したスケールを定期的に苛性ソーダ水溶液によ
り溶解除去することにより、溶融成形時に発泡の少ない
合成石英ガラス粉末を安定的に得る方法が提案されてい
る(特開平6−340411号公報)。
ゾルゲル法により得た石英ガラス粉を用いた場合、ゾル
ゲル反応をバッチ式で実施する際、反応バッチ数が多く
なると、その反応機の内壁部及び、撹拌翼等にスケール
が生じ、スケールの厚みがある程度成長すると剥離し
て、製品中に混入する。このスケールは、元々は加水分
解反応により生成したシリカゲルであるが、本発明者ら
の検討の結果、このスケールは正常なゲルと比較して緻
密な構造を有し、焼成して合成石英ガラス粉末とする際
にアルコキシ基又は副生アルコール由来のカーボン成分
が脱離しにくいために石英ガラス粉中の黒色異物となり
易く、これが溶融時にCO又はCO2ガスとなり、泡発
生の原因となる事が判明している(特開平6−3404
11号公報、特開平8−188411号公報)。このた
め、付着したスケールを定期的に苛性ソーダ水溶液によ
り溶解除去することにより、溶融成形時に発泡の少ない
合成石英ガラス粉末を安定的に得る方法が提案されてい
る(特開平6−340411号公報)。
【0006】しかしながら、この方法では、反応機の構
造によっては、溶解除去に用いた苛性ソーダが反応機の
デッドスペース等に残留し、加水分解反応開始後、かな
りのバッチ数の製品が、Naで汚染されることがあり、
生産性が低下するという問題がある。石英ガラス粉末中
の黒色異物を発生し難くする方法として、加水分解反応
により得られたゲルを150℃以上の過熱水蒸気により
処理する方法(特公平5−4925号公報)が知られて
いるが、この方法は通常のゲル粒子については効果が期
待できるが、先述したスケールの様な著しく性状が変化
したもの(緻密化の進行したもの)については、水蒸気
処理を行っても、ほとんど効果のないことが本発明者ら
の検討により判った。
造によっては、溶解除去に用いた苛性ソーダが反応機の
デッドスペース等に残留し、加水分解反応開始後、かな
りのバッチ数の製品が、Naで汚染されることがあり、
生産性が低下するという問題がある。石英ガラス粉末中
の黒色異物を発生し難くする方法として、加水分解反応
により得られたゲルを150℃以上の過熱水蒸気により
処理する方法(特公平5−4925号公報)が知られて
いるが、この方法は通常のゲル粒子については効果が期
待できるが、先述したスケールの様な著しく性状が変化
したもの(緻密化の進行したもの)については、水蒸気
処理を行っても、ほとんど効果のないことが本発明者ら
の検討により判った。
【0007】この問題に対する解決策として、アルコキ
シシランの加水分解を行う反応容器のうち、加水分解液
が接触する部分を、定期的に70℃以上の熱水で処理す
る事により、反応機内壁に生成したスケールを、焼成時
に黒色化しない様に改質できることが本発明者らにより
見出されており(特願平9−120750)、この方法
によればアルカリで洗浄した際のような製品ロスもなく
好適である。しかしながらこの方法では、熱水と接触す
る領域においては極めて高い改質効果が得られるもの
の、通常、反応機中には、反応容器天井部、原料液導入
部、ガス排出部等、熱水と接液しない領域が存在し、こ
の熱水と接液しない部分で生成したスケールについて
は、改質効果が期待できず、万全とは言い難い。
シシランの加水分解を行う反応容器のうち、加水分解液
が接触する部分を、定期的に70℃以上の熱水で処理す
る事により、反応機内壁に生成したスケールを、焼成時
に黒色化しない様に改質できることが本発明者らにより
見出されており(特願平9−120750)、この方法
によればアルカリで洗浄した際のような製品ロスもなく
好適である。しかしながらこの方法では、熱水と接触す
る領域においては極めて高い改質効果が得られるもの
の、通常、反応機中には、反応容器天井部、原料液導入
部、ガス排出部等、熱水と接液しない領域が存在し、こ
の熱水と接液しない部分で生成したスケールについて
は、改質効果が期待できず、万全とは言い難い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題を解決するべく、鋭意検討を重ねた結果、加水分解反
応機の段階に於いて、デッドスペースを含めた、全ての
スケールについて、加熱水との接触処理で改質する事は
困難と考え、加水分解工程では、焼成時の黒色異物化に
対して悪性なスケールが製品中に混入するものとし、更
に粉砕、乾燥工程を経た後のシリカゲル粉末の段階で、
熱水と接触処理する事によって、より安定的に黒色異物
の発生しない合成石英ガラス粉末を得る事が出来ること
を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、シ
リカゲルを70℃以上の熱水と接触処理し、更に焼成す
ることを特徴とする合成石英ガラスの製造方法、シリカ
ゲル粉末を焼成して合成石英ガラス粉末を製造する際
に、焼成前のシリカゲル粉末の段階で、70℃以上の熱
水と接触処理することを特徴とする合成石英ガラス粉末
の製造方法及びこうして得られた合成石英ガラス粉末を
溶融成形することを特徴とする石英ガラス成形体の製造
方法に存する。
題を解決するべく、鋭意検討を重ねた結果、加水分解反
応機の段階に於いて、デッドスペースを含めた、全ての
スケールについて、加熱水との接触処理で改質する事は
困難と考え、加水分解工程では、焼成時の黒色異物化に
対して悪性なスケールが製品中に混入するものとし、更
に粉砕、乾燥工程を経た後のシリカゲル粉末の段階で、
熱水と接触処理する事によって、より安定的に黒色異物
の発生しない合成石英ガラス粉末を得る事が出来ること
を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、シ
リカゲルを70℃以上の熱水と接触処理し、更に焼成す
ることを特徴とする合成石英ガラスの製造方法、シリカ
ゲル粉末を焼成して合成石英ガラス粉末を製造する際
に、焼成前のシリカゲル粉末の段階で、70℃以上の熱
水と接触処理することを特徴とする合成石英ガラス粉末
の製造方法及びこうして得られた合成石英ガラス粉末を
溶融成形することを特徴とする石英ガラス成形体の製造
方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
アルコキシシランの加水分解によるシリカゲル粉末の製
造は、いわゆるゾル・ゲル法として公知の方法にしたが
って、アルコキシシランと水とを反応させることによっ
て行われる。原料として用いられるテトラアルコキシシ
ランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン等のC1〜4の低級アルコキシシラン或いはその
低縮合物であるオリゴマーが、加水分解が容易でありシ
リカゲル中への炭素の残存が少ない点から好ましい。
アルコキシシランの加水分解によるシリカゲル粉末の製
造は、いわゆるゾル・ゲル法として公知の方法にしたが
って、アルコキシシランと水とを反応させることによっ
て行われる。原料として用いられるテトラアルコキシシ
ランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン等のC1〜4の低級アルコキシシラン或いはその
低縮合物であるオリゴマーが、加水分解が容易でありシ
リカゲル中への炭素の残存が少ない点から好ましい。
【0010】水の使用量は通常、アルコキシシラン中の
アルコキシ基の1倍当量以上から10倍当量以下の範囲
から選択される。この際、必要に応じて、水と相溶性の
あるアルコール類やエーテル類等の有機溶媒を混合して
使用してもよい。使用されるアルコールの代表例として
は、メタノール・エタノール等の低級脂肪族アルコール
等が挙げられる。ここで、本発明においては、これらの
反応系に導入されるアルコキシシラン、水、及びアルコ
ール等の有機溶媒については、予め反応系に導入される
前に、フィルターを通して異物を除去する方が好まし
い。こうして、フィルターを通すことにより最終的に得
られた合成石英ガラス粉末は、溶融成型時の失透が防止
され、透明度が特に優れた成形体を得る事が出来る。こ
の理由は明らかではないが、フィルターで除去可能な粒
状異物が失透のメカニズムに何らかの役割を果たしてい
るものと考えられる。
アルコキシ基の1倍当量以上から10倍当量以下の範囲
から選択される。この際、必要に応じて、水と相溶性の
あるアルコール類やエーテル類等の有機溶媒を混合して
使用してもよい。使用されるアルコールの代表例として
は、メタノール・エタノール等の低級脂肪族アルコール
等が挙げられる。ここで、本発明においては、これらの
反応系に導入されるアルコキシシラン、水、及びアルコ
ール等の有機溶媒については、予め反応系に導入される
前に、フィルターを通して異物を除去する方が好まし
い。こうして、フィルターを通すことにより最終的に得
られた合成石英ガラス粉末は、溶融成型時の失透が防止
され、透明度が特に優れた成形体を得る事が出来る。こ
の理由は明らかではないが、フィルターで除去可能な粒
状異物が失透のメカニズムに何らかの役割を果たしてい
るものと考えられる。
【0011】この加水分解反応には、触媒として塩酸、
酢酸等の酸や、アンモニア等のアルカリの存在下として
もよい。なお、当然のことながら、ここで使用する水、
触媒等の、反応系に導入される物質は、全て高純度とす
る。加水分解生成物のゲル化は、加熱下あるいは常温で
実施される。加熱を行うと、ゲル化の速度を向上するこ
とができるので、加熱の程度を調節することにより、ゲ
ル化時間を調節することができる。シリカゲルを得るに
は、これら公知の方法をいずれも特に限定されず採用す
ることができるのであるが、一般にはシリカゲルを沈殿
物として生成させるよりも全体を一個のゲルとし、これ
を粉砕して粉砕シリカゲル粉末として以下の工程に処す
るのが、得られる石英粉の物性が特に優れ、上澄みとの
分離等余分な工程を要さずまた歩留まりもよいため、望
ましい。
酢酸等の酸や、アンモニア等のアルカリの存在下として
もよい。なお、当然のことながら、ここで使用する水、
触媒等の、反応系に導入される物質は、全て高純度とす
る。加水分解生成物のゲル化は、加熱下あるいは常温で
実施される。加熱を行うと、ゲル化の速度を向上するこ
とができるので、加熱の程度を調節することにより、ゲ
ル化時間を調節することができる。シリカゲルを得るに
は、これら公知の方法をいずれも特に限定されず採用す
ることができるのであるが、一般にはシリカゲルを沈殿
物として生成させるよりも全体を一個のゲルとし、これ
を粉砕して粉砕シリカゲル粉末として以下の工程に処す
るのが、得られる石英粉の物性が特に優れ、上澄みとの
分離等余分な工程を要さずまた歩留まりもよいため、望
ましい。
【0012】この加水分解・ゲル化反応を、特にバッチ
方式により実施した場合、反応機の内部の加水分解液と
接触する部分、及び、反応時に揮発した成分が凝縮する
部分において、スケールが発生し、バッチ数を重ねる事
にその厚みを増していく。また、このスケールは、反応
バッチ数を繰り返すことにより、その性状も変化し、比
表面積が下がり緻密化し、焼成した際にカーボン成分が
残存しやすく、黒色異物発生の要因となる。また、この
スケールは、一部分が製品中に混入してくる事となる。
この反応機内部の付着スケールを、定期的に加熱水で接
触処理する事により、スケールの性状が、焼成時に黒点
化しない様に改質してやっても良い。この時の加熱水の
温度としては70℃以上、好ましくは90℃以上とする
のが良い。しかしながら、本発明では、後工程で製品全
量について加熱水との接触処理を施すため、必ずしも反
応機の付着スケールの改質処理を実施する必要はない。
こうして得られたシリカゲルを必要に応じて粉砕等によ
り細分化してシリカゲル粉末とする。また、一般には後
述する焼成に先がけてシリカゲルを乾燥する。この場
合、ゲルを細分化してから乾燥してもよいし、乾燥して
から細分化してもよい。いずれにしても、乾燥後の粒径
が、10〜1000μm、好ましくは100〜600μ
mとなるように細分化を行い、平均粒径を150〜30
0μmとする。
方式により実施した場合、反応機の内部の加水分解液と
接触する部分、及び、反応時に揮発した成分が凝縮する
部分において、スケールが発生し、バッチ数を重ねる事
にその厚みを増していく。また、このスケールは、反応
バッチ数を繰り返すことにより、その性状も変化し、比
表面積が下がり緻密化し、焼成した際にカーボン成分が
残存しやすく、黒色異物発生の要因となる。また、この
スケールは、一部分が製品中に混入してくる事となる。
この反応機内部の付着スケールを、定期的に加熱水で接
触処理する事により、スケールの性状が、焼成時に黒点
化しない様に改質してやっても良い。この時の加熱水の
温度としては70℃以上、好ましくは90℃以上とする
のが良い。しかしながら、本発明では、後工程で製品全
量について加熱水との接触処理を施すため、必ずしも反
応機の付着スケールの改質処理を実施する必要はない。
こうして得られたシリカゲルを必要に応じて粉砕等によ
り細分化してシリカゲル粉末とする。また、一般には後
述する焼成に先がけてシリカゲルを乾燥する。この場
合、ゲルを細分化してから乾燥してもよいし、乾燥して
から細分化してもよい。いずれにしても、乾燥後の粒径
が、10〜1000μm、好ましくは100〜600μ
mとなるように細分化を行い、平均粒径を150〜30
0μmとする。
【0013】乾燥の温度は、条件によっても異なるが、
通常、50〜200℃である。また、操作は、回分、連
続のいずれによっても行うことができる。本発明に於い
ては、次工程で再度水を投入して熱水浸漬処理を施すた
め、乾燥の程度は、含液率で50重量%以下程度まで実
施すれば十分であり、過度に乾燥を行なう事は、エネル
ギー的にも無駄であるため、必要ない。このようにして
得られたシリカゲル粉末について、熱水との接触処理を
行う。熱水の投入量としては、シリカゲル粉末のSiO
2分に対して、30重量%〜300重量%とする事が好
ましい。これよりも熱水量が少ないと、焼成時の黒色異
物発生抑制に対して、十分な効果が得られず、また、熱
水量が多すぎると、後の再乾燥工程に於いて、多大なエ
ネルギーを要する事となる。一方、熱水の温度として
は、70℃以上、好ましくは、90℃以上とするのが良
い。また、この処理を加圧系で行う事によって、100
℃を超える温度で実施すれば、更に短時間の処理で効果
を得る事ができる。これよりも温度が低いと、熱水処理
に必要な時間が非常に長くなり、工業的ではない。ま
た、熱水処理時間については、温度が高いほど、短時間
の処理で同じ効果が期待できるため、一義で規定する事
は出来ないが、通常、10分〜10時間、好ましくは1
〜5時間の範囲で選択される。この操作による、焼成時
の黒色異物抑制のメカニズムは必ずしも明らかではない
が、恐らく、シリカゲル粉末、或いは、混入したスケー
ル中の有機官能基(アルコキシ基等)及び、遊離したア
ルコールが、熱水と接触する事により、系外に抽出、除
去されるためではないかと考えられる。
通常、50〜200℃である。また、操作は、回分、連
続のいずれによっても行うことができる。本発明に於い
ては、次工程で再度水を投入して熱水浸漬処理を施すた
め、乾燥の程度は、含液率で50重量%以下程度まで実
施すれば十分であり、過度に乾燥を行なう事は、エネル
ギー的にも無駄であるため、必要ない。このようにして
得られたシリカゲル粉末について、熱水との接触処理を
行う。熱水の投入量としては、シリカゲル粉末のSiO
2分に対して、30重量%〜300重量%とする事が好
ましい。これよりも熱水量が少ないと、焼成時の黒色異
物発生抑制に対して、十分な効果が得られず、また、熱
水量が多すぎると、後の再乾燥工程に於いて、多大なエ
ネルギーを要する事となる。一方、熱水の温度として
は、70℃以上、好ましくは、90℃以上とするのが良
い。また、この処理を加圧系で行う事によって、100
℃を超える温度で実施すれば、更に短時間の処理で効果
を得る事ができる。これよりも温度が低いと、熱水処理
に必要な時間が非常に長くなり、工業的ではない。ま
た、熱水処理時間については、温度が高いほど、短時間
の処理で同じ効果が期待できるため、一義で規定する事
は出来ないが、通常、10分〜10時間、好ましくは1
〜5時間の範囲で選択される。この操作による、焼成時
の黒色異物抑制のメカニズムは必ずしも明らかではない
が、恐らく、シリカゲル粉末、或いは、混入したスケー
ル中の有機官能基(アルコキシ基等)及び、遊離したア
ルコールが、熱水と接触する事により、系外に抽出、除
去されるためではないかと考えられる。
【0014】この様に、熱水との浸漬処理を施されたシ
リカゲル粉末は、再度、乾燥処理を行う。この乾燥の温
度は通常50〜200℃で実施される。また、操作は、
回分、連続のいずれによっても行う事が出来る。乾燥の
程度は、通常、含液率で5〜30重量%まで行われる。
この様にして得られた乾燥シリカゲル粉末を焼成する。
この際、上記乾燥シリカゲル粉末を直接、1000〜1
300℃の温度領域で加熱して無孔化させて合成石英粉
とすることもできるが、いったん、300〜500℃の
温度で加熱処理を行いカーボン濃度を充分に低減させて
から、1000〜1300℃で加熱処理を行うのが望ま
しい。これは、以下の理由による。
リカゲル粉末は、再度、乾燥処理を行う。この乾燥の温
度は通常50〜200℃で実施される。また、操作は、
回分、連続のいずれによっても行う事が出来る。乾燥の
程度は、通常、含液率で5〜30重量%まで行われる。
この様にして得られた乾燥シリカゲル粉末を焼成する。
この際、上記乾燥シリカゲル粉末を直接、1000〜1
300℃の温度領域で加熱して無孔化させて合成石英粉
とすることもできるが、いったん、300〜500℃の
温度で加熱処理を行いカーボン濃度を充分に低減させて
から、1000〜1300℃で加熱処理を行うのが望ま
しい。これは、以下の理由による。
【0015】上記方法によって、熱水浸漬処理を施して
得られた乾燥シリカゲル粉末でも、通常、未反応のアル
コキシ基及び副生したアルコールが若干量残存する。実
際、シリカゲル粉末中のカーボン濃度を測定すると、乾
燥条件によっても異なるが、数百〜数千ppmである。
このシリカゲル粉末を酸素含有ガス中、1000〜13
00℃の温度領域で加熱し無孔化すると、大部分のカー
ボンは、昇温過程で燃焼除去されるが、一部が未燃カー
ボンとして合成石英粉中に閉じこめられることがあるこ
と、この未燃カーボンを含有する合成石英粉を用いる
と、溶融成形の際にCO2やCOガスとなって泡発生の
原因となることが、本発明者らの検討により明らかとな
っている(特開平9−118513号公報等)。そこ
で、シリカゲルの封孔前に、未燃カーボンを実質的に全
量除去しておくことが必要となる。
得られた乾燥シリカゲル粉末でも、通常、未反応のアル
コキシ基及び副生したアルコールが若干量残存する。実
際、シリカゲル粉末中のカーボン濃度を測定すると、乾
燥条件によっても異なるが、数百〜数千ppmである。
このシリカゲル粉末を酸素含有ガス中、1000〜13
00℃の温度領域で加熱し無孔化すると、大部分のカー
ボンは、昇温過程で燃焼除去されるが、一部が未燃カー
ボンとして合成石英粉中に閉じこめられることがあるこ
と、この未燃カーボンを含有する合成石英粉を用いる
と、溶融成形の際にCO2やCOガスとなって泡発生の
原因となることが、本発明者らの検討により明らかとな
っている(特開平9−118513号公報等)。そこ
で、シリカゲルの封孔前に、未燃カーボンを実質的に全
量除去しておくことが必要となる。
【0016】ここで、本発明者らの更なる研究により、
乾燥シリカゲル粉末中の残存カーボンは、300℃以上
の温度域で酸素含有ガスと接触すると、COやCO2を
発生しつつ減少し、処理温度を上げるに従いその減少速
度は増加すること、及び、シリカゲルの無孔化は600
℃以上の温度領域で急激に進行することが明らかとなっ
た。そこで、300〜500℃の温度での加熱処理によ
り、炭素濃度を数百ppm以下とした後、以下に説明す
るように、1000〜1300℃での加熱処理に処する
のが望ましいのである。1000〜1300℃の温度領
域での加熱操作は、一般には、回分法で行われる。用い
る容器は耐熱性であって合成石英粉への不純物のコンタ
ミを発生させない材質、例えば、石英製のルツボが挙げ
られる。
乾燥シリカゲル粉末中の残存カーボンは、300℃以上
の温度域で酸素含有ガスと接触すると、COやCO2を
発生しつつ減少し、処理温度を上げるに従いその減少速
度は増加すること、及び、シリカゲルの無孔化は600
℃以上の温度領域で急激に進行することが明らかとなっ
た。そこで、300〜500℃の温度での加熱処理によ
り、炭素濃度を数百ppm以下とした後、以下に説明す
るように、1000〜1300℃での加熱処理に処する
のが望ましいのである。1000〜1300℃の温度領
域での加熱操作は、一般には、回分法で行われる。用い
る容器は耐熱性であって合成石英粉への不純物のコンタ
ミを発生させない材質、例えば、石英製のルツボが挙げ
られる。
【0017】以上説明した焼成工程は、乾燥ガスを流通
しつつ行うのが望ましい。乾燥ガスとしては、窒素、ア
ルゴン等の不活性ガスや酸素、空気及びこれらの混合ガ
スが挙げられるが、経済性の面から空気が好ましい。ま
た、使用するガスは、吸着等の方法により含有する水分
を、十分に除去し、露点を−20℃以下、好ましくは−
40℃以下にしておく。この範囲より露点が高いと、得
られる合成石英粉の残存シラノール濃度が高くなり好ま
しくない。乾燥ガスは、容器内に充填した粉体層の表面
に流通させる、或いは粉体層中に挿入された挿入管より
供給することにより流通させるのが簡便である。これら
方法のうち、粉体層中に挿入された挿入管により供給す
る方法が、大容量の容器を用いて焼成する場合にも均一
な特性の合成石英粉を得ることができ、好都合である。
但し、粉体層中の挿入管より供給する場合には、ガスの
流量は、粉体がバブリング現象を発現しない領域より選
択することが望ましい。バブリング現象が発現すると、
理由はよく判らないが、シラノールの減少速度が低下
し、さらには、容器からの粉体のふきこぼれが発生す
る。
しつつ行うのが望ましい。乾燥ガスとしては、窒素、ア
ルゴン等の不活性ガスや酸素、空気及びこれらの混合ガ
スが挙げられるが、経済性の面から空気が好ましい。ま
た、使用するガスは、吸着等の方法により含有する水分
を、十分に除去し、露点を−20℃以下、好ましくは−
40℃以下にしておく。この範囲より露点が高いと、得
られる合成石英粉の残存シラノール濃度が高くなり好ま
しくない。乾燥ガスは、容器内に充填した粉体層の表面
に流通させる、或いは粉体層中に挿入された挿入管より
供給することにより流通させるのが簡便である。これら
方法のうち、粉体層中に挿入された挿入管により供給す
る方法が、大容量の容器を用いて焼成する場合にも均一
な特性の合成石英粉を得ることができ、好都合である。
但し、粉体層中の挿入管より供給する場合には、ガスの
流量は、粉体がバブリング現象を発現しない領域より選
択することが望ましい。バブリング現象が発現すると、
理由はよく判らないが、シラノールの減少速度が低下
し、さらには、容器からの粉体のふきこぼれが発生す
る。
【0018】なお、バブリング現象が開始すると、乾燥
ガス挿入口付近の粉体が粉体層表面で踊りだし、更に流
量を上げるといわゆる「血の池地獄」の泡が破裂するよ
うに、大きな泡がはじけ粉体が舞うので、バブリング現
象が生じていることは容易に確認することができる。挿
入管の材質は容器と同じく不純物のコンタミを発生させ
ない材質、例えば、石英製が好ましい。こうして合成石
英粉中のシラノール濃度が100ppm以下、好ましく
は60ppmとなるまで焼成を継続する。このようにし
て得られた合成石英粉を、公知の方法により溶融成形し
て、石英ガラス成形体とする。成形方法は、成形体の用
途に応じて適宜選択すればよく、例えば用途がルツボで
あればアークメルト法、IC用治具であれば、一旦、酸
水素炎によるベルヌーイ法でインゴットに成形する方法
や、炭素製の鋳型を用いて真空下で加熱溶融するフュー
ジョン法等が挙げられる。
ガス挿入口付近の粉体が粉体層表面で踊りだし、更に流
量を上げるといわゆる「血の池地獄」の泡が破裂するよ
うに、大きな泡がはじけ粉体が舞うので、バブリング現
象が生じていることは容易に確認することができる。挿
入管の材質は容器と同じく不純物のコンタミを発生させ
ない材質、例えば、石英製が好ましい。こうして合成石
英粉中のシラノール濃度が100ppm以下、好ましく
は60ppmとなるまで焼成を継続する。このようにし
て得られた合成石英粉を、公知の方法により溶融成形し
て、石英ガラス成形体とする。成形方法は、成形体の用
途に応じて適宜選択すればよく、例えば用途がルツボで
あればアークメルト法、IC用治具であれば、一旦、酸
水素炎によるベルヌーイ法でインゴットに成形する方法
や、炭素製の鋳型を用いて真空下で加熱溶融するフュー
ジョン法等が挙げられる。
【0019】本発明により得られた合成石英粉は、焼成
後の粉末中の黒点発生を抑制し、さらにこの合成石英粉
を用いて製造したシリコン単結晶引き上げ用ルツボ、拡
散炉のチューブや治具等の半導体製造用石英ガラス部
材、光ファイバー等の光通信、光学分野のガラス製品に
おいて、泡の少ない良質なガラス成形体を得るための原
料として好適に使用することができる。
後の粉末中の黒点発生を抑制し、さらにこの合成石英粉
を用いて製造したシリコン単結晶引き上げ用ルツボ、拡
散炉のチューブや治具等の半導体製造用石英ガラス部
材、光ファイバー等の光通信、光学分野のガラス製品に
おいて、泡の少ない良質なガラス成形体を得るための原
料として好適に使用することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。
明する。
【0021】[実施例1]リボン型撹拌翼を有するジャ
ケット付き横型円筒反応機に、超純水15kgを仕込ん
だ後、20rpmで撹拌を開始した。その後、テトラメ
トキシシラン25kgを3分間かけて仕込んだ。この反
応機は、ジャケットタイプの物を使用し、ジャケットに
通液する温水の温度は、45℃とした。その後、均一な
ゾルになったところで撹拌を停止し、内容物を30分間
静置した。内容物の変化を反応容器のガラス窓から観察
したところ、仕込み終了後の40分後にゲル化した。そ
の後、再度、撹拌翼の回転を開始して、こぶし大以下の
大きさまで、ゲルの粗粉砕を行った後、反応機底部に設
置したバルブを開放して、塊状ゲルを反応機から取り出
した。次に、底部のバルブを閉止した後、再び超純水1
5kgを仕込み、以下同様の手順で反応を繰り返した。
60バッチ終了した時点で、反応機内部を観察すると、
反応機内壁(材質:SUS304)表面に、白色のスケ
ールが付着しているのが観察された。このスケールを少
量採取して、乾燥後、粉砕し、粒径106〜500μm
に粒度調整を行ってから、そのうち1gを1000℃に
保持した大気雰囲気の電気炉中に投入し、10分間保持
した後、その変色度合いを目視にて観察したところ、大
部分が灰色〜黒色に着色した。
ケット付き横型円筒反応機に、超純水15kgを仕込ん
だ後、20rpmで撹拌を開始した。その後、テトラメ
トキシシラン25kgを3分間かけて仕込んだ。この反
応機は、ジャケットタイプの物を使用し、ジャケットに
通液する温水の温度は、45℃とした。その後、均一な
ゾルになったところで撹拌を停止し、内容物を30分間
静置した。内容物の変化を反応容器のガラス窓から観察
したところ、仕込み終了後の40分後にゲル化した。そ
の後、再度、撹拌翼の回転を開始して、こぶし大以下の
大きさまで、ゲルの粗粉砕を行った後、反応機底部に設
置したバルブを開放して、塊状ゲルを反応機から取り出
した。次に、底部のバルブを閉止した後、再び超純水1
5kgを仕込み、以下同様の手順で反応を繰り返した。
60バッチ終了した時点で、反応機内部を観察すると、
反応機内壁(材質:SUS304)表面に、白色のスケ
ールが付着しているのが観察された。このスケールを少
量採取して、乾燥後、粉砕し、粒径106〜500μm
に粒度調整を行ってから、そのうち1gを1000℃に
保持した大気雰囲気の電気炉中に投入し、10分間保持
した後、その変色度合いを目視にて観察したところ、大
部分が灰色〜黒色に着色した。
【0022】一方、反応機より抜き出された60バッチ
目のゲルについては、SUS304製コーミル型粉砕機
で粉砕し、得られた粉状ゲルを、100リットルのコニ
カルドライヤー(転動型乾燥機)に仕込み、ジャケット
部分に蒸気を流して減圧に引きながら乾燥を行い、シリ
カゲル粉末約13kgを得た。得られたシリカゲル粉末
の一部について含液率を測定したところ、1000℃灼
熱減量ベースで35重量%であった。続いて、このシリ
カゲル粉末を分級し、106〜500μmの粒径に整え
た。このシリカゲル分級品500gを1リットルのガラ
ス製オートクレーブに仕込み、超純水400gを含浸さ
せた。そして、内温が120℃となるようコントロール
し、120℃に到達後、2Hr熱水での接触処理を行っ
た。この後、真空乾燥機を用い、200℃で含液率が1
2重量%となるまで乾燥を行った。この乾燥後のシリカ
ゲル粉末120gを石英ガラス製の容器に入れ、大気雰
囲気中で1000℃迄2時間で昇温し、1000℃で1
0分間保持した後、これを取り出して急冷し(焼成条件
A)、この焼成品100g当たりの黒色異物の数を目視
で検定した。結果を表1に示す。
目のゲルについては、SUS304製コーミル型粉砕機
で粉砕し、得られた粉状ゲルを、100リットルのコニ
カルドライヤー(転動型乾燥機)に仕込み、ジャケット
部分に蒸気を流して減圧に引きながら乾燥を行い、シリ
カゲル粉末約13kgを得た。得られたシリカゲル粉末
の一部について含液率を測定したところ、1000℃灼
熱減量ベースで35重量%であった。続いて、このシリ
カゲル粉末を分級し、106〜500μmの粒径に整え
た。このシリカゲル分級品500gを1リットルのガラ
ス製オートクレーブに仕込み、超純水400gを含浸さ
せた。そして、内温が120℃となるようコントロール
し、120℃に到達後、2Hr熱水での接触処理を行っ
た。この後、真空乾燥機を用い、200℃で含液率が1
2重量%となるまで乾燥を行った。この乾燥後のシリカ
ゲル粉末120gを石英ガラス製の容器に入れ、大気雰
囲気中で1000℃迄2時間で昇温し、1000℃で1
0分間保持した後、これを取り出して急冷し(焼成条件
A)、この焼成品100g当たりの黒色異物の数を目視
で検定した。結果を表1に示す。
【0023】一方、乾燥後のシリカゲル粉末200g
を、縦横250mm×高さ100mmの石英ガラス容器
に仕込み、露点−45℃の乾燥空気を流通させながら、
箱形電気炉を用いて、500℃まで250℃/Hrで昇
温、500℃で5Hr保持、更に500〜1200迄1
00℃/Hrで昇温、1200℃で40Hr保持する条件
(焼成条件B)で焼成を行った。焼成後に得られた石英
ガラス粉末を、ベルヌイ溶融法(酸水素炎溶融法)で、
10mmφ×50mmLのインゴットを作製して観察し
たが、泡の発生は見られなかった。
を、縦横250mm×高さ100mmの石英ガラス容器
に仕込み、露点−45℃の乾燥空気を流通させながら、
箱形電気炉を用いて、500℃まで250℃/Hrで昇
温、500℃で5Hr保持、更に500〜1200迄1
00℃/Hrで昇温、1200℃で40Hr保持する条件
(焼成条件B)で焼成を行った。焼成後に得られた石英
ガラス粉末を、ベルヌイ溶融法(酸水素炎溶融法)で、
10mmφ×50mmLのインゴットを作製して観察し
たが、泡の発生は見られなかった。
【0024】[ 実施例2]実施例1で得られたシリカ
ゲル分級品500gを1リットルのガラス製オートクレ
ーブに仕込み、超純水400gを含浸させた。そして、
内温が100℃となるようコントロールし、100℃に
到達後、2Hr熱水での接触処理を行った。この後、実
施例1と同様の操作で真空乾燥し、得られた乾燥後のシ
リカゲル粉末を実施例1の焼成条件Aで焼成を行い、焼
成品100g中の黒色異物の数を目視で検定した。結果
を表1に示す。また、焼成条件Bで得られたものを、実
施例1と同様に、ベルヌイ法により10mmφ×50m
mLのインゴットを作製して観察したが、泡の発生は見
られなかった。
ゲル分級品500gを1リットルのガラス製オートクレ
ーブに仕込み、超純水400gを含浸させた。そして、
内温が100℃となるようコントロールし、100℃に
到達後、2Hr熱水での接触処理を行った。この後、実
施例1と同様の操作で真空乾燥し、得られた乾燥後のシ
リカゲル粉末を実施例1の焼成条件Aで焼成を行い、焼
成品100g中の黒色異物の数を目視で検定した。結果
を表1に示す。また、焼成条件Bで得られたものを、実
施例1と同様に、ベルヌイ法により10mmφ×50m
mLのインゴットを作製して観察したが、泡の発生は見
られなかった。
【0025】[実施例3]実施例1で得られたシリカゲ
ル分級品500gを1リットルのガラス製ジャケット付
セパラブルフラスコに仕込み、超純水400gを含浸さ
せた。そして、内温が80℃となるようコントロール
し、80℃に到達後、2Hr熱水での接触処理を行っ
た。この後、実施例1と同様の操作で真空乾燥し、得ら
れた乾燥後のシリカゲル粉末を実施例1の焼成条件Aで
焼成を行い、焼成品100g中の黒色異物の数を目視で
検定した。結果を表1に示す。また、焼成条件Bで得ら
れたものを、実施例1と同様に、ベルヌイ法により10
mmφ×50mmLのインゴットを作製して観察したと
ころ、20μmφ以上の泡が2ケ確認出来たものの、透
明なインゴットが得られた。
ル分級品500gを1リットルのガラス製ジャケット付
セパラブルフラスコに仕込み、超純水400gを含浸さ
せた。そして、内温が80℃となるようコントロール
し、80℃に到達後、2Hr熱水での接触処理を行っ
た。この後、実施例1と同様の操作で真空乾燥し、得ら
れた乾燥後のシリカゲル粉末を実施例1の焼成条件Aで
焼成を行い、焼成品100g中の黒色異物の数を目視で
検定した。結果を表1に示す。また、焼成条件Bで得ら
れたものを、実施例1と同様に、ベルヌイ法により10
mmφ×50mmLのインゴットを作製して観察したと
ころ、20μmφ以上の泡が2ケ確認出来たものの、透
明なインゴットが得られた。
【0026】[比較例1]実施例1で得られたシリカゲ
ル分級品500gを、1リットルのガラス製ジャケット
付セパラブルフラスコに仕込み、超純水400gを含浸
させた。そして、内温が40℃となるよう、ジャケット
に温水を通し、40℃に到達後、2Hrの間、水との接
触処理を行った。この後、実施例1と同様の操作で真空
乾燥し、得られた乾燥後のシリカゲル粉末を実施例1の
焼成条件Aで焼成を行い、焼成品100g中の黒色異物
の数を目視で検定した。結果を表1に示す。また、焼成
条件Bで得られたものを、実施例1と同様に、ベルヌイ
法により10mmφ×50mmLのインゴットを作製し
て観察したところ、20μmφ以上の泡が十数個確認さ
れた。
ル分級品500gを、1リットルのガラス製ジャケット
付セパラブルフラスコに仕込み、超純水400gを含浸
させた。そして、内温が40℃となるよう、ジャケット
に温水を通し、40℃に到達後、2Hrの間、水との接
触処理を行った。この後、実施例1と同様の操作で真空
乾燥し、得られた乾燥後のシリカゲル粉末を実施例1の
焼成条件Aで焼成を行い、焼成品100g中の黒色異物
の数を目視で検定した。結果を表1に示す。また、焼成
条件Bで得られたものを、実施例1と同様に、ベルヌイ
法により10mmφ×50mmLのインゴットを作製し
て観察したところ、20μmφ以上の泡が十数個確認さ
れた。
【0027】[比較例2]実施例1で得られたシリカゲ
ル分級品500gを、熱水での接触処理を行うことな
く、実施例1と同様に真空乾燥機で乾燥した。得られた
乾燥後のシリカゲル粉末を実施例1の焼成条件Aで焼成
を行い、焼成品100g中の黒色異物の数を目視で検定
した。結果を表1に示す。また、焼成条件Bで得られた
ものを、実施例1と同様に、ベルヌイ法により10mm
φ×50mmLのインゴットを作製して観察したとこ
ろ、20μmφ以上の泡が非常に多く確認された。
ル分級品500gを、熱水での接触処理を行うことな
く、実施例1と同様に真空乾燥機で乾燥した。得られた
乾燥後のシリカゲル粉末を実施例1の焼成条件Aで焼成
を行い、焼成品100g中の黒色異物の数を目視で検定
した。結果を表1に示す。また、焼成条件Bで得られた
ものを、実施例1と同様に、ベルヌイ法により10mm
φ×50mmLのインゴットを作製して観察したとこ
ろ、20μmφ以上の泡が非常に多く確認された。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明により、黒色異物の発生の抑えら
れた合成石英ガラス粉末を得ることができ、これを用い
ることにより泡の少ない石英ガラス成形体を得ることが
できる。
れた合成石英ガラス粉末を得ることができ、これを用い
ることにより泡の少ない石英ガラス成形体を得ることが
できる。
Claims (6)
- 【請求項1】シリカゲルを70℃以上の熱水と接触処理
し、更に焼成することを特徴とする合成石英ガラスの製
造方法。 - 【請求項2】シリカゲル粉末を焼成して合成石英ガラス
粉末を製造する際に、焼成前のシリカゲル粉末の段階
で、70℃以上の熱水と接触処理することを特徴とする
合成石英ガラス粉末の製造方法。 - 【請求項3】熱水と接触処理するシリカゲル粉末の10
00℃灼熱減量ベースにおける含液率が、50重量%以
下であることを特徴とする請求項2記載の合成石英ガラ
ス粉末の製造方法。 - 【請求項4】シリカゲル粉末に対する熱水量が、シリカ
ゲル粉末のSiO2分に対して30重量%以上であるこ
とを特徴とする請求項2又は3に記載の合成石英ガラス
粉末の製造方法。 - 【請求項5】熱水との接触を、加圧雰囲気下で100〜
170℃の範囲で実施することを特徴とする請求項2〜
4のいずれかに記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。 - 【請求項6】請求項2〜5のいずれかに記載の製造方法
により得られた合成石英ガラス粉末を溶融成形すること
を特徴とする石英ガラス成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15580998A JPH11349339A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 合成石英ガラスの製造方法及び石英ガラス成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15580998A JPH11349339A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 合成石英ガラスの製造方法及び石英ガラス成形体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11349339A true JPH11349339A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15613944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15580998A Pending JPH11349339A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 合成石英ガラスの製造方法及び石英ガラス成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11349339A (ja) |
-
1998
- 1998-06-04 JP JP15580998A patent/JPH11349339A/ja active Pending
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---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050426 |
|
A02 | Decision of refusal |
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