JPH11348287A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出ヘッド

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JPH11348287A
JPH11348287A JP15471598A JP15471598A JPH11348287A JP H11348287 A JPH11348287 A JP H11348287A JP 15471598 A JP15471598 A JP 15471598A JP 15471598 A JP15471598 A JP 15471598A JP H11348287 A JPH11348287 A JP H11348287A
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discharge
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JP15471598A
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Fumi Yoshihira
文 吉平
Satoshi Shimazu
聡 島津
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Kiyomitsu Kudo
清光 工藤
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Original Assignee
Canon Inc
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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    • B41J2/135Nozzles
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    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡発生領域における発泡の圧力を吐出口方
向に導き、吐出効率を損なうことなく、高い吐出力を得
ると共に、耐久性をも向上させる。 【解決手段】 気泡発生領域7における気泡6の発生に
よって生じた圧力より、気泡発生領域7上に設けられた
可動分離膜5が膨張し、第1の液流路3側にふくらむ
際、可動分離膜5が可動部材8の曲線状の自由端で規制
されることで、可動分離膜5の下流側部分が可動分離膜
5の上流側部分よりも大きく第1の液流路3側に変位す
る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギー等に
よる気泡の発生によって、所望の液体を吐出する液体吐
出ヘッドに関し、特に、気泡の発生を利用して変位する
可動分離膜を用いる液体吐出ヘッドに関する。
【0002】なお、本発明における「記録」とは、文字
や図形等のように意味を持つ画像を被記録媒体に対して
付与することだけでなく、パターン等のように意味を持
たない画像を付与することをも意味するものである。
【0003】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来から知られている。
このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、特
公昭61−59911号公報や特公昭61−59914
号公報に開示されているように、インクを吐出するため
の吐出口と、この吐出口に連通するインク流路と、イン
ク流路内に配されたインクを吐出するためのエネルギー
発生手段としての発熱体(電気熱変換体)とが一般的に
設けられている。
【0004】上記のような記録方法によれば、品位の高
い画像を高速、低騒音で記録することができるととも
に、この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するた
めの吐出口を高密度に配置することができるため、小型
の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容
易に得ることができる等の多くの優れた点を有してい
る。このため、このバブルジェット記録方法は近年、プ
リンター、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機
器に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用シス
テムにまで利用されるようになってきている。
【0005】他方、従来のバブルジェット記録方法にお
いては、発熱体がインクに接した状態で加熱を繰り返す
ため、発熱体の表面にインクの焦げによる堆積物が発生
する場合があった。また、吐出すべき液体が熱によって
劣化しやすい液体の場合や十分に発泡が得られにくい液
体の場合においては、前述の発熱体による直接加熱気泡
形成では、良好な吐出が行われない場合もある。
【0006】これに対して、本願出願人は、特開昭55
−81172号公報に、発泡液と吐出液とを分離する可
撓性膜を介して、発泡液を熱エネルギーによって発泡さ
せて吐出液を吐出する方法を提案している。この方法に
おける可撓性膜と発泡液との構成は可撓性膜がノズルの
一部に設けられているものであるが、それに対して、ヘ
ッド全体を上下に分離する大きな膜を用いる構成が特開
昭59−26270号公報に開示されている。この大き
な膜は、液路を形成する2つの板材によって挟持される
ことによって2つの液路内の液体が互いに混合されない
ことを目的として設けられたものである。
【0007】他方、発泡液自体に特徴を持たせ、発泡特
性を考慮したものとして、吐出液よりも低沸点の液体を
用いる特開平5−229122号公報に開示されている
ものや、導電性を有する液体を発泡液として用いる特開
平4−329148号公報に開示されているものがあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の分離膜を用いた液体吐出方式は、発泡液
と吐出液とを分離するだけの構成、あるいは、発泡液自
体の改良を行うだけのものであり、実用的な水準ではな
い。
【0009】本発明者達は、分離膜を用いた液滴吐出に
ついて吐出液滴を中心に検討したところ、熱エネルギー
による気泡形成がもたらす液体吐出は、分離膜の変化を
介在しているために効率が下がってしまい、結果的に実
用化されていないという結論に至った。
【0010】そこで、本発明者達は、分離膜の分離機能
による効果を生かしながら、液体吐出をより高い水準に
でき、更に、耐久性にも優れた液体吐出ヘッドを研究す
ることに至った。
【0011】本発明は、この研究の中で生まれたもの
で、液滴吐出のために吐出効率を向上させることがで
き、更に吐出耐久性にも優れ、吐出液滴の体積、あるい
は、吐出速度を安定及び高める画期的な液体吐出ヘッド
を提供するものである。
【0012】本発明は、吐出口に連通する吐出液用の第
1液流路と、発泡液を供給あるいは移動可能に備えると
ともに気泡発生領域を含む第2の液流路と、第1及び第
2の液流路を分離する可動分離膜と、それに負担をかけ
ずに規制する可動部材とを備えた液体吐出ヘッドを用い
て第1の液流路における吐出液の流れ方向に関して吐出
口よりも上流側に可動分離膜の変位領域を有する液体吐
出ヘッドにおいて、吐出効率並びに耐久性が向上できる
ものである。
【0013】本発明の第1の目的は、可動性膜により吐
出液と発泡液とを実質的に分離、より好ましくは完全に
分離し、該可動性膜に負担をかけずに規制する可動部材
を有する構成において、発泡の圧力によって生じた力で
可動性膜を変形させて吐出液に圧力を伝達する際に、圧
力が上流側に逃げるのを防止するだけでなく、可動部材
が可動性膜に負担をかけずに可動性膜をなだらかに変形
させることで圧力を吐出口方向に導き、吐出効率を損な
うことなく、高い吐出力を得られ、更に耐久性をも向上
させることができる液体吐出ヘッドを提供することにあ
る。
【0014】また、本発明の第2の目的は、上述した構
成によって、発熱体上に堆積する堆積物の量を低減する
とともに、吐出液に対して熱的影響を与えず効率良く液
体を吐出することができる液体吐出ヘッドを提供するこ
とにある。
【0015】また、本発明の第3の目的は、吐出液の粘
度や材質組成にかかわらず、選択自由度が広い液体吐出
ヘッドを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口に
連通する第1の液流路と、液体に気泡を発生させる気泡
発生領域を具備する第2の液流路と、前記第1の液流路
と前記第2の液流路とを互いに常に実質的に分離する可
動分離膜と、該可動分離膜を規制する可動部材とを少な
くとも有し、前記可動部材の自由端が曲線形状であるこ
とを特徴とする。
【0017】(作用)上述の構成によると、気泡発生領
域における気泡の発生及び成長に伴って、気泡発生領域
上に設けられた可動分離膜が可動部材による規制を受け
て第1の液流路側に変位するが、可動部材の自由端は曲
線形状であるため可動分離膜に負担を与えることなく気
泡の発生による圧力を第1の液流路の吐出口側へ導くこ
とができ、ヘッドの耐久性を向上させることができる。
【0018】また、可動部材のスリットが (可動部材の幅)≦(可動分離膜の開口縁部から可動部
材の側端までの幅)×2 を満足すれば、可動部材変位時、可動分離膜が挟み込ま
れることなく、また、可動分離膜と可動部材が密着して
いる場合においても、可動分離膜の変位面積が充分広い
ためヘッドの耐久性を向上させることができる。
【0019】また、可動部材の形状が (可動部材の自由端の幅)≦(可動部材の支点の幅) を満足すれば、可動分離膜が第1の液流路側に変位する
際、下流側が上流側よりもなだらかに大きく変位するた
め吐出効率が向上する。
【0020】また、気泡が消泡する際における可動分離
膜の第2の液流路への変位が抑制されるので、上流側へ
の液の移動が抑制され、リフィル特性の向上やクロスト
ークの低減が図られる。
【0021】
【発明の実施の形態】「本発明の吐出の基本概念」以下
に、本発明の基礎となる吐出の基本概念について1例を
挙げて説明する。
【0022】図1は、本発明の液体吐出ヘッドの基礎と
なる吐出の基本概念を説明するための流路方向の断面図
である。
【0023】図1で示す形態では、吐出口1に直接連通
した第1の液流路3内に、第1の共通液室143から供
給される第1の液体が満たされており、また、気泡発生
領域7を有する第2の液流路4に、発熱体2によって熱
エネルギーを与えられることにより発泡する発泡用の液
体が満たされている。なお、第1の液流路3と第2の液
流路4との間には、第1の液流路3と第2の液流路4と
を互いに分離する可動分離膜5が、さらにその上部に分
離膜5を規制するための可動部材8が設けられている。
また、可動分離膜5と可動部材8とオリフスプレート9
とは互いに密着固定され、ここでもそれぞれの液流路内
の液体が混ざり合うことはない。
【0024】ここで、可動分離膜5は、通常、気泡発生
領域7において発生する気泡によって変位する際、方向
性を持たないか、むしろ、変位自由度の高い共通液室側
へ変位が進行する場合がある。
【0025】以上のように吐出口は、第1の液流路の端
部域に配されており、吐出口の上流側(第1の液流路に
おける吐出液の流れ方向に関して)に、発生した気泡の
成長にしたがって変位する変位可能な可動分離膜の変位
領域が存在している。また、第2の液流路は、発泡液を
収納し、あるいは、発泡液で充填され(好ましくは、補
充可能、より好ましくは、発泡液の移動可能)ており、
気泡の発生領域を備えている。
【0026】また、気泡発生領域も、上述した吐出液の
流れ方向に関して吐出口側よりも上流域に対応して位置
する。加えて、分離膜は、気泡発生領域を形成する電気
熱変換体よりも長く、可動領域として有するが、上記流
れ方向に関して、電気熱変換体の上流側端部と第1の液
流路の共通液室との間、好ましくは、該上流側端部に不
図示の固定部を有している。したがって、分離膜の実質
的な可動範囲は、図1で理解される。
【0027】なお、可動分離膜の状態は、可動分離膜自
体の弾性、厚さ、あるいは他の付加的構造から得られる
もの全てを代表する要素である。
【0028】また図1で示す形態においては、可動分離
膜5に間接的に作用する変位の方向を規制する可動部材
8を設け、それにより、可動分離膜5の気泡によって生
じる変位(移動、膨張または伸長等)を吐出口方向に向
けるようにした。
【0029】図1(a)に示す初期状態においては、第
1の液流路3内の液体が毛細管力によって吐出口1近傍
まで引き込まれている。なお、本形態においては、吐出
口1が発熱体2の第1の液流路3への投影領域に対し、
第1の液流路3の液体流れ方向に関して下流側に位置し
ている。
【0030】この状態において、発熱体2(本形態にお
いては、40μm×105μmの形状を有する発熱抵抗
体)に熱エネルギーが与えられると、発熱体2が急速に
加熱され、気泡発生領域7の第2の液体に接触する表面
は第2の液体を加熱発泡させる(図1(b))。この加
熱発泡により生じる気泡6は、米国特許第4,723,
129号に記載されているような膜沸騰現象に基づく気
泡であり、発熱体表面全域に一斉にきわめて高い圧力を
伴って発生するものである。このときに発生する圧力
は、圧力波となって第2の液流路4内の第2の液体を伝
搬し、可動分離膜5に作用して、それにより、可動分離
膜5が可動部材8の自由端による規制を受けながら変位
して、第1の液流路3内の第2の液体の吐出が開始され
る。
【0031】発熱体2の表面全体に発生した気泡6が急
速に成長していくと、膜状となる(図1(c))。発生
初期のきわめて高い圧力による気泡6の膨張は、可動分
離膜5及び可動部材8の自由端をさらに変位せしめ、そ
れにより、吐出口1からの第1の液流路3内の第1の液
体の吐出が進む。
【0032】その後、さらに気泡6が成長すると、可動
分離膜5及び可動部材8の自由端の変位が大きくなる
(図1(d))。なお、図1(d)に示す状態までは、
可動分離膜5は、可動分離膜5の発熱体2に対向する領
域の中央部5Cに対してその上流側部5Aの変位と下流
側部5Bの変位とがほぼ等しくなるように伸長し続けて
いる。
【0033】その後、さらに気泡6が成長すると、気泡
6及び変位を続ける可動分離膜5が可動部材8の自由端
による規制を受けている為、それぞれ上流側部5Aより
も下流側部5Bが相対的に大きく吐出口方向に変位し、
それにより、第1の液流路3内の第1の液体が、吐出口
1方向に直接的に移動せしめられる(図1(e))。
【0034】このように、液体を吐出口方向へ直接移動
させるように可動分離膜5が下流側の吐出方向へ変位す
る工程を有することにより、より吐出効率が向上する。
さらに、相対的に上流側への液体の移動が少なくなり、
ノズル内、特に、可動分離膜5の変位領域への液体のリ
フィル(上流側からの補充)に有効に作用することにな
る。また、可動分離膜変位規制部材(可動部材)8の開
口部においては図1に示すように、厚み方向が曲面形状
になっており、それにより、この部分での可動分離膜5
の応力集中が緩和され、強度劣化が少なく、耐久性が向
上する。
【0035】また、図1(d),図1(e)に示すよう
に、可動分離膜5自体も図1(d)から図1(e)に変
化するように吐出口方向へ変位する場合、上述した吐出
効率及びリフィル効率をさらに向上させることができる
とともに、第1の液流路3内の発熱体2の投影領域の第
1の液体を吐出口方向へ輸送移動を生じさせ、吐出量の
向上を図ることができる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。
【0037】図2は、本発明の液体吐出ヘッドの一実施
例を示す流路方向の断面図であり、(a)は非発泡時の
状態を示す図、(b)は発泡時(吐出時)の状態を示す
図、(c)は消泡時の状態を示す図である。
【0038】図2(a)に示すように本実施例において
は、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与え
る発熱体102(本実施例においては、40μm×10
5μmの形状の発熱抵抗体)が設けられた基板110上
に、発泡液用の第2の液流路104が設けられ、その上
に吐出口101に直接連通した吐出液用の第1の液流路
103が設けられている。また、第1の液流路103と
第2の液流路104との間に、弾性を有する薄膜で形成
された可動分離膜105が設けられており、可動分離膜
105によって第1の液流路103内の吐出液と第2の
液流路104内の発泡液とが区分されている。なお、可
動分離膜105においては、発熱体102に対向して配
され、発熱体102における発熱によって気泡が発生す
る気泡発生領域107の少なくとも一部に対面してい
る。さらに、可動分離膜105の第1の液流路103側
には、気泡発生領域107上に自由端131a、自由端
131aよりも上流側に支点131bをそれぞれ有し、
可動分離膜105に隣接して配された方向規制手段とし
ての可動部材131が設けられている。
【0039】なお、可動部材131の自由端131aに
おいては、気泡発生領域107に面する部分に設けられ
ていなくても、支点131bに対して下流側に設けら
れ、可動分離膜105の伸長を吐出口101方向に導く
ものであればよいが、さらに好ましくは発熱体102の
少なくとも一部に可動分離膜105を介して対面させる
ことで、可動分離膜105の変位を効率的に制御するこ
とができる。特に、発熱体102または気泡発生領域1
07の面積中心よりも下流側に可動部材131をその自
由端131aが位置するように可動分離膜105と対面
させる位置にすることで、可動部材131は発熱体10
2に対し垂直方向に膨張しようとする成分をより吐出口
101方向に集中させることが可能となるため、吐出効
率が飛躍的に向上する。また、自由端131aが気泡発
生領域107よりも下流側に設けられている場合におい
ても、自由端131aがより大きく変位して可動分離膜
105を吐出口101方向においてより大きく変位させ
ることで、吐出効率が向上する。
【0040】いま、発熱体102において熱が発せられ
ると、発熱体102上の気泡発生領域107に気泡10
6が発生し、それにより、可動分離膜105が第1の液
流路103側に変位するが、ここで、可動分離膜105
においては、可動部材131によってその変位が規制さ
れる。可動部材131においては、気泡発生領域107
上に自由端131a、その上流に支点131bがそれぞ
れ設けられているため、可動分離膜105は、上流側よ
りも下流側の方が大きく変位するようになる(図2
(b))。
【0041】つまり、可動分離膜105が変位する方向
を規制する方向規制手段によって所望の変形や変位を安
定的に得ることができる。
【0042】また図1と同様、可動分離膜変位規制部材
(可動部材)131の開口部においては図2に示すよう
に、厚み方向が曲面形状になっており、それにより、こ
の部分での可動分離膜105の応力集中が緩和され、強
度劣化が少なく、耐久性が向上する。
【0043】このように、気泡106の成長にともなっ
て、可動分離膜105の下流側の部分が大きく変位し、
それにより、気泡106の成長が主に吐出口101側に
伝達され、第1の液流路103内の吐出液が吐出口10
1から効率良く吐出される。
【0044】その後、気泡106が収縮すると可動分離
膜105が変位前の位置に戻るが、その際、消泡の圧力
によって可動分離膜105が変位前の位置よりも第2の
液流路104側に変位してしまう。しかしながら、本実
施例においては、可動分離膜105が可動部材131と
一体化されているため、可動分離膜105の第2の液流
路104側への変位が抑制される(図2(c))。
【0045】そのため、第1の液流路103側の圧力の
低下が抑えられ、それにより、メニスカスの後退が抑制
され、リフィル特性が向上する。
【0046】また、可動部材131により、上流側への
液の移動が抑制され、リフィル特性の向上やクロストー
クの低減等の効果が得られる。
【0047】以上述べたように、本実施例の構成によれ
ば、吐出液と発泡液とを別液体とし、吐出液を吐出させ
ることができる。このため、従来、熱を加えても発泡が
十分に行われにくく吐出力が不十分であったポリエチレ
ングリコール等の高粘度の液体であっても、この液体を
第1の液流路103に供給し、発泡液に発泡が良好に行
われる液体(エタノール:水=4:6の混合液1〜2c
p程度等)を第2の液流路104に供給することで良好
に吐出させることができる。
【0048】また、発泡液として、熱を受けても発熱体
の表面にコゲ等の堆積物を生じさせない液体を選択する
ことにより、発泡を安定化させ、良好な吐出を行うこと
ができる。
【0049】さらに、本発明の液体吐出ヘッドの構造に
おいては上述した実施例において説明したような効果を
も生じるため、さらに高吐出効率、高吐出力で高粘性液
体等の液体を吐出することができる。
【0050】また、加熱に弱い液体を用いた場合におい
ても、この液体を第1の液流路103に吐出液として供
給し、第2の液流路104に熱的に変質しにくく良好に
発泡を生じさせる液体を供給すれば、加熱に弱い液体に
熱的な害を与えることなく、しかも上述したように高吐
出効率、高吐出力で吐出させることができる。
【0051】図3は、本発明の液体吐出ヘッドの別の実
施例を説明するための図である。
【0052】図3で示す形態においても、上述した実施
例と同様、液体に気泡を発生させるための熱エネルギー
を与える発熱体502(本実施例においては、40μm
×105μmの形状の発熱抵抗体)が設けられた基板5
10上に、発泡液用の第2の液流路504が設けられ、
その上に吐出口501に直接連通した吐出液用の第1の
液流路503が設けられている。また、第1の液流路5
03と第2の液流路504との間に、弾性を有する薄膜
で形成された可動分離膜505が設けられており、可動
分離膜505によって第1の液流路503内の吐出液と
第2の液流路504内の発泡液とが区分されている。ま
た、可動分離膜505の第1の液流路503側に、気泡
発生領域507近傍に開口部を有し、可動分離膜505
の変位を制限する可動分離膜変位規制部材(可動部材)
531が設けられている。
【0053】以下に、図3を用いて本実施例の液体吐出
ヘッドの吐出動作について詳細に説明する。
【0054】図3(a)においては、発熱体502に電
気エネルギー等のエネルギーが印加されておらず、発熱
体502において熱は発生していない。なお、可動分離
膜505は、基板510と略平行な第1の位置にある。
【0055】ここで、発熱体502に電気エネルギー等
が印加されると、発熱体502が発熱して発生した熱に
よって気泡発生領域507内を満たす発泡液体の一部が
加熱され、膜沸騰に伴って気泡506が発生する。可動
分離膜505の可動領域の中心が発熱体502の中心よ
りも下流側に位置しているため、可動分離膜505は気
泡506の圧力によって発熱体502よりも下流側にお
いて変位しやすくなっている(図3(b))。
【0056】さらに気泡506が成長すると、気泡発生
に伴う圧力に応じて可動分離膜505が第1の液流路5
03側にさらに変位する。この結果、発生した気泡50
6は上流より下流に大きく成長し、可動分離膜505が
第1の位置を大きく越える(図3(c))。
【0057】その後、気泡506が、前述した膜沸騰現
象に特徴的な気泡内部圧力の減少によって収縮していく
と、それに伴って、第2の位置まで変位していた可動分
離膜505は、気泡506の収縮による負圧によって図
3(a)に示した初期の位置(第1の位置)に徐々に戻
っていく(図3(d))。
【0058】そして、気泡506が消滅すると、可動分
離膜505が初期の位置(第1の位置)に戻る(図3
(e))。また、消泡時には、吐出された液体の体積分
を補うために、上流側すなわち共通液室側からVD1,V
D2に示すように、また、吐出口501側からVCに示す
ように液体が流れ込んでくる。このとき、発泡時に発熱
体502から下流側(吐出口側)への液体の流れがあっ
たため、VD1,VD2の流れが大きくなり、リフィル速度
の向上及びメニスカスの後退量の減衰に大きく役立って
いる。
【0059】ここでも図1と同様、可動分離膜変位規制
部材(可動部材)531の開口部においては図3に示す
ように、厚み方向が曲面形状になっており、それによ
り、この部分での可動分離膜505の応力集中が緩和さ
れ、強度劣化が少なく、耐久性が向上する。
【0060】さらに、可動部材を以下に説明するような
形状にすることによって、液体吐出ヘッドの耐久性を一
層向上することができる。以下に、本発明の液体吐出ヘ
ッドの可動部材の形状を図4に基づいて説明する。
【0061】図4(a)は、本発明の液体吐出ヘッドの
可動部材の形状の1例を示しており、その他の構成は、
先の図3に示すヘッドと同様である。
【0062】図4(a)で示す可動部材131は自由端
131aが曲線を描き、さらに(可動分離膜105の開
口縁部から可動部材131の側端までの幅a)=(可動
部材の幅b)の条件を満たしている。前記可動部材13
1を用い図3と同様のヘッドを作製し、以下の条件で吐
出試験を行った。
【0063】電圧:24V パルス幅:7μsec 電流:150mA 電気信号:6kHz 発泡液:エタノール 10w% ・ 水 90w% 吐出液:染料3w% ・ ジエチレングリコール20w
% ・ 水77w% その結果吐出量75ng、耐久性2×108パルス以上
であった。
【0064】図4(a)で示す可動部材131を用いる
ことで、可動分離膜105が変位した際、可動部材13
1の自由端131aが、可動分離膜105に対する負荷
を集中させることなく、発泡パワーを吐出口に向ける事
ができるため、可動分離膜の耐久性が著しく向上する。
【0065】図4(b)は、本発明の液体吐出ヘッドの
可動部材の別の形状例を示しており、その他の構成は、
先の図3に示すヘッドと同様である。
【0066】図4(b)で示す可動部材231も自由端
231aが曲線を描き、(可動分離膜105の開口縁部
から可動部材231の支点231bの部分までの幅a)
=(可動部材231の幅b)の条件を満たし、かつ、
(可動部材231の自由端231aの幅c)≦(可動部
材231の支点231bの幅b)の条件も満たしてい
る。前記可動部材231を用い図3と同様のヘッドを作
製し、上述した条件で吐出試験を行った。
【0067】その結果吐出量80ng、耐久性2×10
8パルス以上であった。
【0068】図4(b)で示す可動部材231を用いる
ことで、可動分離膜105が変位した際、可動部材23
1の自由端231aが、可動分離膜105に対する負荷
を集中させることなく、発泡パワーを吐出口に向ける事
ができるため、可動分離膜の耐久性が著しく向上する。
さらに、この形状の場合、可動分離膜に対する可動部材
の負荷が、支点から自由端にかけてなだらかに変化する
ため、可動分離膜はよりなだらかに変化し、その結果吐
出効率が向上する。
【0069】図4(c)は本発明と比較する可動部材の
形状を示しており、その他の構成は、先の図3に示すヘ
ッドと同様とした。
【0070】図4(c)で示す可動部材431は自由端
431aが直線であり、(可動分離膜105の側端部か
ら可動部材431の側端までの幅d)<(可動部材43
1の幅e)であり、さらに、(可動部材431の自由端
431aの幅e)=(可動部材431の支点431bの
幅e)である。前記可動部材を用い図3と同様のヘッド
を作製し、上述した条件で吐出試験を行った。
【0071】その結果吐出量65ng、耐久性1×10
8パルスであった。
【0072】図4(c)で示す可動部材431を用いる
と、可動分離膜105が変位した際、可動部材431の
自由端431aが、可動分離膜に応力集中する傾向があ
り、耐久性は図4の(a)や(b)で示す形状よりも劣
る結果となった。また、可動部材の可動分離膜に対する
負荷が、(支点)=(自由端)なので、可動分離膜はよ
りなだらかに変化せず、その結果吐出効率が図4の
(a)や(b)で示す形状よりも劣る結果となった。
【0073】表1は以上の図4の(a)〜(c)の形状
に基づく吐出試験の結果をまとめたものである。
【0074】
【表1】
【0075】次に、液体に熱を与えるための発熱体10
2が設けられた素子基板110の構成について説明す
る。
【0076】図5は、本発明の液体吐出ヘッドの一構成
例を示す縦断面図であり、(a)は後述する保護層があ
るヘッドを示す図、(b)は保護層がないヘッドを示す
図である。
【0077】図5に示すように、素子基板110上に、
第2の液流路104と、分離壁となる可動分離膜105
と、可動部材131と、第1の液流路103と、第1の
液流路103を構成する溝が設けられている溝付部材1
32とが設けられている。
【0078】素子基板110には、シリコン等の基体1
10f上に、絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化
膜またはチッ化シリコン膜110eが成膜されており、
その上に0.01〜0.2μm厚の発熱体を構成するハ
フニュウムボライド(HfB 2 )、チッ化タンタル
(TaN)、タンタルアルミ(TaAl)等の電気抵抗
層110dと、0.2〜1.0μm厚のアルミニウム等
の配線電極110cとがパターニングされている。この
2つの配線電極110cから電気抵抗層110dに電圧
を印加し、電気抵抗層110dに電流を流して発熱させ
る。配線電極110c間の電気抵抗層110d上には、
酸化シリコンやチッ化シリコン等の保護層110bが
0.1〜0.2μm厚で形成され、さらにその上に、
0.1〜0.6μm厚のタンタル等の耐キャビテーショ
ン層110aが成膜されており、インク等各種の液体か
ら電気抵抗層110dを保護している。
【0079】特に、気泡の発生、消泡の際に発生する圧
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層110aとして用いられる。
【0080】また、液体、液流路構成、抵抗材料の組み
合わせにより上述の保護層を必要としない構成でもよ
く、その例を図5(b)に示す。
【0081】このような保護層を必要としない抵抗層の
材料としては、イリジュウム=タンタル=アルミ合金等
が挙げられる。特に、本発明において、発泡のための液
体を吐出液と分離して発泡に適したものにできるため、
このように保護層がない場合に有利である。
【0082】このように、上述した実施例における発熱
体102の構成としては、配線電極110c間の電気抵
抗層110d(発熱部)だけででもよく、また電気抵抗
層110dを保護する保護層を含むものでもよい。
【0083】本実施例においては、発熱体102とし
て、電気信号に応じて発熱する抵抗層で構成された発熱
部を有するものを用いたが、本発明は、これに限られる
ことなく、吐出液を吐出させるのに十分な気泡を発泡液
に生じさせるものであればよい。例えば、発熱部として
レーザ等の光を受けることで発熱するような光熱変換体
や高周波を受けることで発熱するような発熱部を有する
発熱体でもよい。
【0084】なお、前述の素子基板110には、発熱部
を構成する電気抵抗層110dとこの電気抵抗層110
dに電気信号を供給するための配線電極110cとで構
成される電気熱変換体の他に、この電気熱変換素子を選
択的に駆動するためのトランジスタ、ダイオード、ラッ
チ、シフトレジスタ等の機能素子が一体的に半導体製造
工程によって作り込まれていてもよい。
【0085】また、上述したような素子基板110に設
けられている電気熱変換体の発熱部を駆動し、液体を吐
出するためには、電気抵抗層110dに配線電極110
cを介して矩形パルスを印加し、配線電極110c間の
電気抵抗層110dを急峻に発熱させればよい。
【0086】図6は、図5に示した電気抵抗層110d
に印加する電圧波形を示す図である。
【0087】図5で示した液体吐出ヘッドにおいては、
それぞれ電圧24V、パルス幅7μsec、電流150
mA、電気信号を6kHzで加えることで発熱体を駆動
させ、前述のような動作によって、吐出口から液体であ
るインクを吐出させた。しかしながら、本発明における
駆動信号の条件はこれに限られることなく、発泡液を適
正に発泡させることができる駆動信号であればよい。
【0088】次に、部品点数の削減を図りながらも、2
つの共通液室を有し、各共通液室に異なる液体を良好に
分離して導入することができ、コストダウンを可能とす
る液体吐出ヘッドの構造例について説明する。
【0089】図7は、本発明の液体吐出ヘッドの一構成
例を示す模式図であり、図2及び図5において示した例
と同じ構成要素については同じ符号を用いており、詳し
い説明はここでは省略する。
【0090】図7に示す液体吐出ヘッドにおける溝付部
材132は、吐出口101を有するオリフィスプレート
135と、複数の第1の液流路103を構成する複数の
溝と、複数の第1の液流路103に共通して連通し、第
1の液流路103に液体(吐出液)を供給するための第
1の共通液室143を構成する凹部とから概略構成され
ている。
【0091】この溝付部材132の下側部分に可動部材
131と少なくとも一部において接着された可動分離膜
105を接合することにより、複数の第1の液流路10
3が形成される。溝付部材132には、その上部から第
1の共通液室143内に到達する第1の液体供給路13
3が設けられており、また、その上部から可動部材13
1及び可動分離膜105を突き抜けて第2の共通液室1
44内に到達する第2の液体供給路134が設けられて
いる。
【0092】第1の液体(吐出液)は、図7中矢印Cで
示すように、第1の液体供給路133及び第1の共通液
室143を経て第1の液流路103に供給され、第2の
液体(発泡液)は、図7中矢印Dで示すように、第2の
液体供給路134及び第2の共通液室144を経て第2
の液流路104に供給されるようになっている。
【0093】なお、本実施例においては、第2の液体供
給路134が第1の液体供給路133と平行して配され
ているが、本発明は、これに限られることはなく、第1
の共通液室143の外側に設けられた可動分離膜105
を貫通して、第2の共通液室144に連通するように形
成されればどのように配されてもよい。
【0094】また、第2の液体供給路134の太さ(直
径)に関しては、第2の液体の供給量を考慮して決めら
れ、第2の液体供給路134の形状においては、丸形状
である必要はなく矩形状等でもよい。
【0095】また、第2の共通液室144においては、
溝付部材132を可動分離膜105で仕切ることによっ
て形成することができる。形成の方法としては、基板1
10上にドライフィルムで共有液室枠と第2の液路壁を
形成し、可動分離膜105を固定した溝付部材132と
可動分離膜105との結合体と基板110とを貼り合わ
せることにより第2の共通液室144や第2の液流路1
04を形成してもよい。
【0096】図8は、本発明の液体吐出ヘッドの一構成
例を示す分解斜視図である。
【0097】本実施例においては、アルミニウム等の金
属で形成された支持体136上に、前述のように、発泡
液に対して膜沸騰による気泡を発生させるための熱を発
生する発熱体102としての電気熱変換素子が複数設け
られた素子基板110が設けられている。
【0098】素子基板110上には、ドライフィルムに
より形成された第2の液流路104を構成する複数の溝
と、複数の第2の液流路104に連通し、それぞれの第
2の液流路104に発泡液を供給するための第2の共通
液室(共通発泡液室)144を構成する凹部と、前述し
た可動部材131が接着された可動分離膜105とが設
けられている。
【0099】溝付部材132においては、可動分離膜1
05と接合されることで第1の液流路(吐出液流路)1
03を構成する溝と、この吐出液流路に連通し、それぞ
れの第1の液流路103に吐出液を供給するための第1
の共通液室(共通吐出液室)143を構成するための凹
部と、第1の共通液室143に吐出液を供給するための
第1の液体供給路(吐出液供給路)133と、第2の共
通液室144に発泡液を供給するための第2の液体供給
路(発泡液供給路)134とを有している。第2の液体
供給路134は、第1の共通液室133の外側に設けら
れた可動部材131及び可動分離膜105を貫通して第
2の共通液室144に連通する連通路に繁がっており、
この連通路によって吐出液と混合することなく発泡液を
第2の共通液室144に供給することができる。
【0100】なお、素子基板110、可動部材131、
可動分離膜105及び溝付部材132の配置関係は、素
子基板110の発熱体102に対応して可動部材131
が配置されており、この可動部材131に対応して第1
の液流路103が設けられている。また、本実施例にお
いては、第2の液体供給路134を1つの溝付部材13
2に設けた例について示したが、液体の供給量に応じて
複数個設けてもよい。さらに、第1の液体供給路133
と第2の液体供給路134の流路断面積は供給量に比例
して決めればよい。このような流路断面積の最適化によ
り、溝付部材132等を構成する部品のより一層の小型
化を図ることも可能である。
【0101】以上説明したように本実施例によれば、第
2の液流路104に第2の液体を供給する第2の液体供
給路134と、第1の液流路103に第1の液体を供給
する第1の液体供給路133とが同一の溝付部材132
としての溝付天板からなることにより部品点数が削減で
き、工程の短縮化とコストダウンが可能となる。
【0102】また、第2の液流路104に連通した第2
の共通液室144への第2の液体の供給においては、第
1の液体と第2の液体とを分離する可動分離膜105を
突き抜ける方向で第2の液流路104によって行われる
構造であるため、可動分離膜105と溝付部材132と
発熱体102が形成された基板110との貼り合わせ工
程が1度で済み、作りやすさが向上するとともに、貼り
合わせ精度が向上し、良好に吐出させることができる。
【0103】また、第2の液体は、可動分離膜105を
突き抜けて第2の共通液室144へ供給されるため、第
2の液流路104への第2の液体の供給が確実となり、
供給量が十分確保できるため、安定した吐出が可能とな
る。
【0104】上述したように本発明においては、可動部
材131が接着された可動分離膜105を有する構成に
よって、従来の液体吐出装置よりも高い吐出力や吐出効
率でしかも高速に液体を吐出させることができる。発泡
液として前述のような性質の液体を用いればよく、具体
的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
イソプロパノール、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−
オクタン、トルエン、キシレン、二塩化メチレン、トリ
クレン、フレオンTF、フレオンBF、エチルエーテ
ル、ジオキサン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エ
チル、アセトン、メチルエチルケトン、水等およびこれ
らの混合物が挙げられる。
【0105】吐出液としては、発泡性の有無、熱的性質
に関係なく様々な液体を用いることができる。また、従
来、吐出が困難であった発泡性が低い液体、熱によって
変質、劣化しやすい液体や高粘度液体等であっても利用
することができる。
【0106】ただし、吐出液の性質として吐出液自身、
または発泡液との反応によって、吐出や発泡また可動分
離膜や可動部材の動作等を妨げるような液体でないこと
が望まれる。
【0107】記録用の吐出液体としては、高粘度インク
等をも利用することができる。
【0108】その他の吐出液体としては、熱に弱い医薬
品や香水等の液体を利用することもできる。
【0109】発泡液と吐出液に以下で示すような組成の
液体を組み合わせて吐出させて記録を行った。その結
果、従来の液体吐出装置では吐出が困難であった十数c
p粘度の液体はもちろん150cpという非常に高い粘
度の液体で良好に吐出することができ、高画質な記録物
を得ることができた。 発泡液 1 エタノール 40 wt% 水 60 wt% 発泡液 2 水 100 wt% 発泡液 3 イソプロピルアルコール 10 wt% 水 90 wt% 吐出液 1 カーボンブラック 5 wt% (顔料インク約15cp) ステレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 分離材(酸化 140、重量平均分子量 8000 ) 1 wt% モノエタノールアミン 0.25 wt% グリセリン 6.9 wt% チオジグソコール 5 wt% エタノール 3 wt% 水 16.75 wt% 吐出液 2(55cp) ポリエチレングリコール 200 100wt% 吐出液 3(150cp) ポリエチレングリコール 600 100wt% ところで、前述したような従来吐出されにくいとされて
いた液体の場合には、吐出速度が低いために、吐出方向
性のバラツキが助長され記録紙上のドットの着弾精度が
悪く、また吐出不安定による吐出量のバラツキが生じこ
れらのことで、高品位画像が得にくかった。しかし、上
述した実施例における構成においては、気泡の発生を発
泡液を用いることで充分に、しかも安定して行うことが
できる。このことで、液滴の着弾精度向上とインク吐出
量の安定化を図ることができ、記録画像品位を著しく向
上することができた。
【0110】次に、本発明の液体吐出ヘッドの製造工程
について説明する。
【0111】大まかには、素子基板上に第2の液流路の
壁を形成し、その上に可動分離膜を取り付け、さらにそ
の上に第1の液流路を構成する溝等が設けられた溝付部
材を取り付ける。もしくは、第2の液流路の壁を形成し
た後、この壁の上に可動部材が接着された可動分離膜が
取り付けられた溝付部材を接合することで装置の製造を
行った。
【0112】さらに、第2の液流路の作製方法について
詳しく説明する。
【0113】まず、素子基板(シリコンウエハ)上に、
半導体と同様の製造装置を用いてハフニュウムボライド
やチッ化タンタル等からなる発熱体を有する電気熱変換
用素子を形成し、その後、次工程における感光性樹脂と
の密着性の向上を目的として素子基板の表面に洗浄を施
した。さらに、密着性を向上させるには、素子基板表面
に紫外線−オゾン等による表面改質を行った後、例えば
シランカップリング剤(日本ユニカ製:A189)をエ
チルアルコールで1重量%に希釈した液を上記改質表面
上にスピンコートすればよい。
【0114】次に、表面洗浄を行い、密着性を向上させ
た基板上に、紫外線感光性樹脂フィルム(東京応化製:
ドライフィルム オーディルSY−318)をラミネー
トした。
【0115】次に、ドライフィルム上にフォトマスクを
配し、このフォトマスクを介してドライフィルムのう
ち、第2の流路壁として残す部分に紫外線を照射した。
この露光工程は、キヤノン(株)製:MPA−600を
用いて行い、約600mJ/cm2 の露光量で行っ
た。
【0116】次に、ドライフィルムを、キシレンとブチ
ルセルソルビアセテートとの混合液からなる現像液(東
京応化製:BMRC−3)で現像し、未露光部分を溶解
させ、露光して硬化した部分を第2の液流路の壁部分と
して形成した。さらに、素子基板表面に残った残渣を酸
素プラズマアッシング装置(アルカンテック社製:MA
S−800)で約90秒間処理して取り除き、引き続
き、150℃で2時間、さらに紫外線照射100mJ/
cm2 を行って露光部分を完全に硬化させた。
【0117】以上の方法により、上記シリコン基板から
分割、作製される複数のヒータボード(素子基板)に対
し、一様に第2の液流路を精度よく形成することができ
る。すなわち、シリコン基板を、厚さ0.05mmのダ
イヤモンドブレードを取り付けたダイシングマシン(東
京精密製:AWD−4000)で各々のヒータボード1
に切断、分離した。分離されたヒータボードを接着剤
(東レ製:SE4400)でアルミベースプレート上に
固定した。
【0118】次いで、予めアルミベースプレート上に接
合しておいたプリント基板と、ヒータボードとを直径
0.05mmのアルミワイヤで接続した。
【0119】次に、このようにして得られたヒータボー
ドに、上述の方法で溝付部材と可動分離膜との接合体を
位置決め接合した。すなわち、可動分離膜を有する溝付
部材とヒータボードとを位置決めし、押さえバネにより
係合、固定した後、インク・発泡液用供給部材をアルミ
ベースプレート上に接合固定し、アルミワイヤ間、溝付
部材とヒータボードとインク・発泡液用供給部材との隙
間をシリコーンシーラント(東芝シリコーン製:TSE
399)で封止して完成させた。
【0120】以上の製法で、第2の液流路を形成するこ
とにより、各ヒータボードのヒータに対して位置ズレの
ない精度の良い流路を得ることができる。特に、溝付部
材と可動分離膜とをあらかじめ、先の工程で接合してお
くことで、第1の液流路と可動部材の位置精度を高める
ことができる。そして、これらの高精度・製造技術によ
って、吐出安定化が図られ印字品位が向上し、また、ウ
エハ上に一括で形成することが可能なため、多量に低コ
ストで製造することが可能である。
【0121】なお、本実施例においては、第2の液流路
を形成するために紫外線硬化型のドライフィルムを用い
たが、紫外域、特に248nm付近に吸収帯域をもつ樹
脂を用い、ラミネート後、硬化させ、エキシマレーザで
第2の液流路となる部分の樹脂を直接除去することによ
っても得ることが可能である。
【0122】また、第1の液流路等は、吐出口を有する
オリフィスプレートと第1の液流路を構成する溝と、複
数の第1の液流路に共通に連通し第1の液体をそれぞれ
の液流に供給するための第1の共通液室を構成する凹部
を有する溝付天板を、上述した基板と可動分離膜の結合
体に接合することで形成した。可動分離膜は、この溝付
天板と第2の液流路壁とで挟持されることで固定され
る。なお、可動分離膜は基板側に固定されるだけでな
く、上述したように、溝付天板に固定された後、基板と
位置決め固定しても良い。
【0123】方向規制手段となる可動部材131の材料
としては、耐久性の高い、銀、ニッケル、金、鉄、チタ
ン、アルミニュウム、白金、タンタル、ステンレス、り
ん青銅等の金属、およびその合金、または、アクリロニ
トリル、ブタジエン、スチレン等のニトリル基を有する
樹脂、ポリアミド等のアミド基を有する樹脂、ポリカー
ボネイト等のカルボキシル基を有する樹脂、ポリアセタ
ール等のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリサルフォン等の
スルホン基を持つ樹脂、そのほか液晶ポリマー等の樹脂
およびその化合物、耐インク性の高い、金、タングステ
ン、タンタル、ニッケル、ステンレス、チタン等の金
属、これらの合金および耐インク性に関してはこれらを
表面にコーティングしたもの若しくは、ポリアミド等の
アミド基を有する樹脂、ポリアセタール等のアルデヒド
基を持つ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン
基を有する樹脂、ポリイミド等のイミド基を有する樹
脂、フェノール樹脂等の水酸基を有する樹脂、ポリエチ
レン等のエチル基を有する樹脂、ポリプロピレン等のア
ルキル基を持つ樹脂、エポキシ樹脂等のエポキシ基を持
つ樹脂、メラミン樹脂等のアミノ基を持つ樹脂、キシレ
ン樹脂等のメチロール基を持つ樹脂およびその化合物、
さらに二酸化珪素等のセラミックおよびその化合物が望
ましい。
【0124】また、可動分離膜105の材質としては、
前述したポリイミドの他、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン、ポリウレタ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリアリレート、シリコンゴム、ポリサルフォ
ン、フッ素樹脂などの近年のエンジニアリングプラスチ
ックに代表される耐熱性、耐溶剤性、成型性が良好で、
弾性があり薄膜化が可能な樹脂、およびその化合物が望
ましい。
【0125】また、可動分離膜105の厚さは、分離壁
としての強度を達成でき、膨張、収縮が良好に動作する
という観点からその材質と形状等を考慮して決定すれば
よいが、0.5μm〜10μm程度が望ましい。
【0126】図9は、本発明の液体吐出ヘッドのその他
の実施例を示す流路方向の断面図であり、(a)は非発
泡時の状態を示す図、(b)は発泡時(吐出時)の状態
を示す図である。
【0127】図9に示すように本実施例においては、可
動分離膜305と第1の液流路303との間に可動分離
膜305の変位を規制する変位可能な可動部材331が
設けられており、可動部材331は発泡時及び消泡時に
おいて可動分離膜305と一体となって変位する。その
他の構成については、同様である。なお、可動部材33
1においては、ニッケルの電鋳によって作製されてい
る。
【0128】上記のように構成された液体吐出ヘッドに
おいては、気泡発生時における可動分離膜305の変位
可能量も安定的に大きく確保することができる。さら
に、可動部材331により、可動分離膜305の変位を
吐出口方向へ導く作用を強化させることも可能である。
また、非発泡時に可動分離膜305が第2の液流路30
4側に突出していることにより、発泡時において突出部
分上の液体をも吐出口301に導くことができる。ま
た、可動部材331によって、可動分離膜305の凸形
状部305aが第2の液流路304側に突出する力が補
助されている。
【0129】なお、本実施例においては、可動部材33
1にニッケルを使用したが、本発明はこれに限られず、
可動部材331として良好に動作するための弾性を有し
ていればよい。
【0130】図10は、本発明の液体吐出ヘッドの第2
の液流路の構成を説明するための図であり、可動分離膜
及び可動部材が外された第2の液流路を上方から見た図
である。なお、図中下方が吐出口の配置方向である。
【0131】図10に示すように第2の液流路604に
おいては、発熱体602の前後で狭窄部609a,60
9bがそれぞれ設けられており、発泡時の圧力が第2の
液流路604を伝わって逃げることを防止するような室
(発泡室)構造となっている。ここで、第2の液流路6
04の狭窄部609a,609bにおいては、下流側
(吐出口側)の開口部が上流側(共通液室)側の開口部
よりも狭くなるように形成されている。このように、開
口部の下流側を狭く形成することにより、第2の液流路
604における流抵抗を下流側で大きく、上流側で小さ
くすることができ、気泡の発生により生じた圧力の下流
側成分を効果的に、かつ、優先的に可動分離膜605に
作用させ、第1の液流路603側に変位させることで、
第1の液流路603内の液体を、効率よく、また、高い
吐出力によって吐出することができる。ここで、第2の
液流路604の発泡室の下流側の狭窄部609aは、発
泡室に残留した泡を抜くための流路である。
【0132】なお、第2の液流路604の形状において
は、上述したものに限られるものではなく、気泡発生に
伴う圧力が、効果的に可動分離膜605に伝達できる形
状であればよい。
【0133】以上述べたように、本実施例の構成による
と、第2の液流路の発熱体の面積中心よりも下流側の流
抵抗を上流側の流抵抗よりも大きくすることにより、気
泡の発生に伴う圧力によって変位した可動分離膜が、下
流側に成長するため、加熱に弱い液体や高粘性の液体等
を効率良く高い吐出圧で吐出することができる。
【0134】上述した全ての実施例においては、第1の
液流路内の液体の流れ方向と平行な方向に液体が吐出さ
れる吐出方式を用いて本発明を説明してきたが、本発明
は、上述した吐出方式に限られず、第1の液流路内の液
体の流れ方向と垂直な方向に液体が吐出される吐出方式
を用いたものであっても、気泡が発生する領域に対して
下流側に吐出口が設けられているものであれば適用する
ことができる。
【0135】図11は、本発明を、第1の液流路内の液
体の流れ方向と垂直な方向に液体が吐出されるように気
泡発生領域よりも下流側に吐出口を配置したものに適用
した例を示す流路方向の断面図であり、(a)は非発泡
時の状態を示す図、(b)は発泡時の状態を示す図であ
る。
【0136】図11に示すように、第1の液流路903
内の液体の流れ方向と垂直な方向に吐出口901が配さ
れたものにおいても、気泡発生領域907に対して下流
側に吐出口901が配されていれば、上述した各実施例
の構成を用いることにより同様の効果を得ることができ
る。
【0137】
【発明の効果】本発明では、液体の流れ方向に関して、
可動部材によって可動分離膜の下流側部分が可動分離膜
の上流側部分よりも相対的に吐出口側へ大きく変位する
際、可動部材が、可動分離膜に負担を与えることがない
ため、耐久性が向上し、発泡パワーをより効率よく吐出
に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吐出の基本概念を説明するための液体
吐出ヘッドの流路方向の断面図である。
【図2】本発明の液体吐出ヘッドの実施例を示す流路方
向の断面図であり、(a)は非発泡時の状態を示す図、
(b)は発泡時(吐出時)の状態を示す図、(c)は消
泡時の状態を示す図である。
【図3】本発明の液体吐出ヘッドの別の実施例を説明す
るための図である。
【図4】本発明の液体吐出ヘッドの可動部材の実施例と
比較例を示す図である。
【図5】本発明の液体吐出ヘッドの一構成例を示す縦断
面図であり、(a)は後述する保護膜がある装置を示す
図、(b)は保護膜がない装置を示す図である。
【図6】図5に示した電気抵抗層に印加する電圧波形を
示す図である。
【図7】本発明の液体吐出ヘッドの一構成例を示す模式
図である。
【図8】本発明の液体吐出ヘッドの一構成例を示す分解
斜視図である。
【図9】本発明の液体吐出ヘッドのその他の実施例を示
す流路方向の断面図であり、(a)は非発泡時の状態を
示す図、(b)は発泡時(吐出時)の状態を示す図であ
る。
【図10】図2又は図3に示した液体吐出ヘッドの第2
の液流路の構成を説明するための図であり、可動分離膜
及び可動部材が外された第2の液流路を上方から見た図
である。
【図11】本発明を、第1の液流路内の液体の流れ方向
と垂直な方向に液体が吐出されるように気泡発生領域よ
りも下流側に吐出口を配置したものに適用した例を示す
流路方向の断面図であり、(a)は非発泡時の状態を示
す図、(b)は発泡時の状態を示す図である。
【符号の説明】
1,101,301,501,601,901 吐出
口 2,102,302,502,602,902 発熱
体 3,103,303,503,603,903 第1
の液流路 4,104,304,504,604,904 第2
の液流路 5,105,305,505,605,905 可動
分離膜 6,106,306,506,606,906 気泡 7,107,307,507,607,907 気泡
発生領域 110,310 基板 110a 耐キャビテーション膜 110b 保護層 110c 配線電極 110d 電気抵抗層 110e シリコン酸化膜またはチッ化シリコン膜 110f 基体 8,131,231,431 可動部材 131a,231a,431a 自由端 131b,231b,431b 支点 132 溝付部材 133 第1の液体供給路 134 第2の液体供給路 135 オリフィスプレート 136 支持体 143 第1の共通液室 144 第2の共通液室 609a,609b 狭窄部 531 変位規制部材
フロントページの続き (72)発明者 工藤 清光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する吐出口に連通する第1の
    液流路と、液体に気泡を発生させる気泡発生領域を具備
    する第2の液流路と、前記第1の液流路と前記第2の液
    流路とを互いに常に実質的に分離する可動分離膜と、該
    可動分離膜を規制する可動部材とを少なくとも有し、 前記可動部材の自由端が曲線形状であることを特徴とす
    る液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動部材の形状が (可動部材の幅)≦(可動分離膜の開口縁部から可動部
    材の側端までの幅)×2 を満足することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動部材の形状が(可動部材の自由端の幅)≦(可
    動部材の支点の幅)を満足することを特徴とする液体吐
    出ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動部材は前記気泡発生領域と面する部分の上流側
    端部よりも下流側に自由端、該自由端よりも上流側に支
    点をそれぞれ具備することを特徴とする液体吐出ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動部材は前記可動分離膜の前記第1の液流路側に
    配されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動分離膜と前記可動部材とは、前記気泡の消泡に
    伴って互いに一体となって変位することを特徴とする液
    体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記気泡発生領域の前記可動分離膜に対向する位置に、
    前記気泡を発生させるための熱を発生する発熱体を有す
    ることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記気泡発生領域で発生した気泡の下流部分は、前記発
    熱体の面積中心より下側で発生した気泡であることを特
    徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記気泡は、前記発熱体から発生する熱によって液体に
    膜沸騰現象を生じさせることにより発生する気泡である
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにお
    いて、 前記可動性分離膜は弾性を有することを特徴とする液体
    吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにお
    いて、 前記可動分離膜は前記気泡発生領域の少なくとも下流側
    にたるみ部を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにお
    いて、 前記第1の液流路に供給される液体と、前記第2の液流
    路に供給される液体とは互いに異なる液体であることを
    特徴とする液体吐出ヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の液体吐出ヘッドに
    おいて、 前記第2の液流路に供給される液体は、前記第1の液流
    路に供給される液体に比べて、低粘度性、発泡性、熱安
    定性のうち少なくとも1つの性質において優れている液
    体であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
JP15471598A 1998-06-03 1998-06-03 液体吐出ヘッド Pending JPH11348287A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021030452A (ja) * 2019-08-13 2021-03-01 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、液体吐出モジュール及び液体吐出ヘッドの製造方法

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JP2021030452A (ja) * 2019-08-13 2021-03-01 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、液体吐出モジュール及び液体吐出ヘッドの製造方法

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