JPH11347941A - R−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜剥離方法 - Google Patents
R−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜剥離方法Info
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- JPH11347941A JPH11347941A JP17411698A JP17411698A JPH11347941A JP H11347941 A JPH11347941 A JP H11347941A JP 17411698 A JP17411698 A JP 17411698A JP 17411698 A JP17411698 A JP 17411698A JP H11347941 A JPH11347941 A JP H11347941A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 特殊な溶剤や廃液処理が不要で、製品同士が
密着した部分の完全剥離が可能であり、さらに、リサイ
クルによる製品の質を低下させることなく、短時間でか
つ安価にしてR−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜を
剥離することができる方法の提供。 【解決手段】 タンブリングブラスト機またはエプロン
ブラスト機を用いて、表面処理されたR−Fe−B系永
久磁石をブラスト機内のドラム部内に挿入し、該ドラム
部を回転させながらスチールショットを噴射することに
よって、特殊な溶剤などを使用することなく、R−Fe
−B系永久磁石の表面処理被膜を完全に剥離することが
可能である。
密着した部分の完全剥離が可能であり、さらに、リサイ
クルによる製品の質を低下させることなく、短時間でか
つ安価にしてR−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜を
剥離することができる方法の提供。 【解決手段】 タンブリングブラスト機またはエプロン
ブラスト機を用いて、表面処理されたR−Fe−B系永
久磁石をブラスト機内のドラム部内に挿入し、該ドラム
部を回転させながらスチールショットを噴射することに
よって、特殊な溶剤などを使用することなく、R−Fe
−B系永久磁石の表面処理被膜を完全に剥離することが
可能である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、R−Fe−B系
永久磁石表面に被覆された各種めっき、塗装などの表面
処理被膜を、短時間でかつ完全に剥離する方法に関す
る。
永久磁石表面に被覆された各種めっき、塗装などの表面
処理被膜を、短時間でかつ完全に剥離する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】R−Fe−B系永久磁石は、NdやPr
を中心とする資源的に豊富な軽希土類を用いてB、Fe
を主成分とし、高価なSmやCoを必須とせず、従来の
希土類コバルト磁石の磁気特性を大幅に超える新規な高
性能永久磁石として提案され、現在、家電用機器、OA
機器、電装品等に広く活用されている。
を中心とする資源的に豊富な軽希土類を用いてB、Fe
を主成分とし、高価なSmやCoを必須とせず、従来の
希土類コバルト磁石の磁気特性を大幅に超える新規な高
性能永久磁石として提案され、現在、家電用機器、OA
機器、電装品等に広く活用されている。
【0003】近年、環境問題あるいは製造のコストダウ
ン化に対応するために、R−Fe−B系永久磁石の再利
用化が強く要望されている。
ン化に対応するために、R−Fe−B系永久磁石の再利
用化が強く要望されている。
【0004】ところで、R−Fe−B系永久磁石は、大
気中で安定な酸化物を生成し易い希土類元素及び鉄を主
成分とする組織を有するため、そのまま使用すると、磁
石表面が次第に酸化して酸化物を生成し、その酸化物の
脱落によって周辺機器を汚染したり、また、磁気特性が
劣化するなどの問題を有する。そのため、通常は、R−
Fe−B系磁石表面にめっきや塗装などの表面処理を被
覆した状態で用いられている。従って、R−Fe−B系
磁石のリサイクルに際しては、それら表面処理被膜を剥
離する必要がある。
気中で安定な酸化物を生成し易い希土類元素及び鉄を主
成分とする組織を有するため、そのまま使用すると、磁
石表面が次第に酸化して酸化物を生成し、その酸化物の
脱落によって周辺機器を汚染したり、また、磁気特性が
劣化するなどの問題を有する。そのため、通常は、R−
Fe−B系磁石表面にめっきや塗装などの表面処理を被
覆した状態で用いられている。従って、R−Fe−B系
磁石のリサイクルに際しては、それら表面処理被膜を剥
離する必要がある。
【0005】従来、R−Fe−B系永久磁石からめっき
や塗装などの表面処理被膜を剥離する方法として、特殊
な剥離液に浸漬する方法や電解法などが知られている。
や塗装などの表面処理被膜を剥離する方法として、特殊
な剥離液に浸漬する方法や電解法などが知られている。
【0006】しかし、従来の方法によれば、表面処理被
膜を含んだ剥離後の廃液処理に多大なコストがかかる
上、例えば、酸処理を行なった場合は、処理後のR−F
e−B系永久磁石表面が著しく酸化するため、新たに酸
化物を除去する工程が必要となる。また、製品同士が密
着した部分を剥離することが困難であるなどの問題があ
る。
膜を含んだ剥離後の廃液処理に多大なコストがかかる
上、例えば、酸処理を行なった場合は、処理後のR−F
e−B系永久磁石表面が著しく酸化するため、新たに酸
化物を除去する工程が必要となる。また、製品同士が密
着した部分を剥離することが困難であるなどの問題があ
る。
【0007】この発明は、特殊な溶剤や廃液処理が不要
で、製品同士が密着した部分の完全剥離が可能であり、
さらに、リサイクルによる製品の質を低下させることな
く、短時間でかつ安価にしてR−Fe−B系永久磁石の
表面処理被膜を剥離することができる方法の提供を目的
とする。
で、製品同士が密着した部分の完全剥離が可能であり、
さらに、リサイクルによる製品の質を低下させることな
く、短時間でかつ安価にしてR−Fe−B系永久磁石の
表面処理被膜を剥離することができる方法の提供を目的
とする。
【0008】発明者らは、上記の問題点について種々研
究した結果、通常、スケール落としに使用されているタ
ンブリングブラスト機またはエプロンブラスト機を用い
て、表面処理されたR−Fe−B系永久磁石をブラスト
機内のドラム部内に挿入し、該ドラム部を回転させなが
らスチールショットを噴射することによって、特殊な溶
剤などを使用することなく、R−Fe−B系永久磁石の
表面処理被膜を完全に剥離することが可能であることを
知見した。
究した結果、通常、スケール落としに使用されているタ
ンブリングブラスト機またはエプロンブラスト機を用い
て、表面処理されたR−Fe−B系永久磁石をブラスト
機内のドラム部内に挿入し、該ドラム部を回転させなが
らスチールショットを噴射することによって、特殊な溶
剤などを使用することなく、R−Fe−B系永久磁石の
表面処理被膜を完全に剥離することが可能であることを
知見した。
【0009】また、さらに効率よく短時間で剥離可能な
条件について種々検討した結果、上記の方法において、
ブラスト機内のドラム部の回転数、スチールショットの
粒度、硬度、R−Fe−B系永久磁石に対するスチール
ショットの投射角度、投射速度の最適条件を知見し、こ
の発明を完成した。
条件について種々検討した結果、上記の方法において、
ブラスト機内のドラム部の回転数、スチールショットの
粒度、硬度、R−Fe−B系永久磁石に対するスチール
ショットの投射角度、投射速度の最適条件を知見し、こ
の発明を完成した。
【0010】すなわち、この発明は、磁石表面に表面処
理被膜を有するR−Fe−B系永久磁石を、タンブリン
グブラスト機のタンブラー型ドラム部またはエプロンブ
ラスト機のエプロン型ドラム部に挿入し、該ドラム部を
回転させながらR−Fe−B系永久磁石にスチールショ
ットを噴射することによって、磁石表面の表面処理被膜
を剥離することを特徴とするR−Fe−B系永久磁石の
表面処理被膜剥離方法である。
理被膜を有するR−Fe−B系永久磁石を、タンブリン
グブラスト機のタンブラー型ドラム部またはエプロンブ
ラスト機のエプロン型ドラム部に挿入し、該ドラム部を
回転させながらR−Fe−B系永久磁石にスチールショ
ットを噴射することによって、磁石表面の表面処理被膜
を剥離することを特徴とするR−Fe−B系永久磁石の
表面処理被膜剥離方法である。
【0011】また、この発明は、上記方法において、ド
ラム部の回転数が2〜15rpmであること、スチール
ショットの平均粒度が0.18mm〜0.50mmであ
ること、スチールショットの平均硬度が40〜50HRC
であること、R−Fe−B系永久磁石に対するスチール
ショットの投射角度が40°〜90°、投射速度が50
m/sec〜80m/secであることを併せて提案す
る。
ラム部の回転数が2〜15rpmであること、スチール
ショットの平均粒度が0.18mm〜0.50mmであ
ること、スチールショットの平均硬度が40〜50HRC
であること、R−Fe−B系永久磁石に対するスチール
ショットの投射角度が40°〜90°、投射速度が50
m/sec〜80m/secであることを併せて提案す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明においては、対象とする
表面処理被膜を有するR−Fe−B系永久磁石の大き
さ、形状は問わず、あらゆるものを対象とすることがで
き、また、表面処理被膜も、電解めっき膜、無電解めっ
き膜、樹脂被膜、クロメート処理被膜などあらゆる被膜
を剥離することが可能であるが、特に、従来剥離が困難
であった、小物・薄物のめっき品が好適である。
表面処理被膜を有するR−Fe−B系永久磁石の大き
さ、形状は問わず、あらゆるものを対象とすることがで
き、また、表面処理被膜も、電解めっき膜、無電解めっ
き膜、樹脂被膜、クロメート処理被膜などあらゆる被膜
を剥離することが可能であるが、特に、従来剥離が困難
であった、小物・薄物のめっき品が好適である。
【0013】この発明において、ブラスト機には、例え
ば、図1に示す構成からなるタンブリングブラスト機
や、図2に示すエプロンブラスト機を用いることができ
る。以下、その構造と使用方法を説明する。
ば、図1に示す構成からなるタンブリングブラスト機
や、図2に示すエプロンブラスト機を用いることができ
る。以下、その構造と使用方法を説明する。
【0014】図1に示すタンブリングブラスト機1は、
その機体内部に、回転および/または振動可能なタンブ
ラー型のドラム部2が配置され、機体外部に該ドラムに
スチールショットを噴射するための噴射装置3が配置さ
れた構成からなる。機体内部のドラム部2は、開口部4
を噴射装置3に向けるように所定角度θをもってモータ
5に軸支されており、壁面には無数の小さな孔が開けら
れている。
その機体内部に、回転および/または振動可能なタンブ
ラー型のドラム部2が配置され、機体外部に該ドラムに
スチールショットを噴射するための噴射装置3が配置さ
れた構成からなる。機体内部のドラム部2は、開口部4
を噴射装置3に向けるように所定角度θをもってモータ
5に軸支されており、壁面には無数の小さな孔が開けら
れている。
【0015】また、図2に示すエプロンブラスト機11
は、その機体内部に、モータに連結された3本の駆動軸
15が配置され、該駆動軸にゴム製ベルトが所要のたわ
みをもって掛けられており、該たわみ部がエプロン状を
なして、エプロン型ドラム部を構成し、これがタンブリ
ングブラスト機のドラム部2に相当するが、以下エプロ
ン部12という。機体外部には、該エプロン部12にス
チールショットを噴射するための噴射装置13が、エプ
ロン部12に対して所定角度θをもって配置されてい
る。また、エプロン部に無数の小さな孔が開けられてい
る。
は、その機体内部に、モータに連結された3本の駆動軸
15が配置され、該駆動軸にゴム製ベルトが所要のたわ
みをもって掛けられており、該たわみ部がエプロン状を
なして、エプロン型ドラム部を構成し、これがタンブリ
ングブラスト機のドラム部2に相当するが、以下エプロ
ン部12という。機体外部には、該エプロン部12にス
チールショットを噴射するための噴射装置13が、エプ
ロン部12に対して所定角度θをもって配置されてい
る。また、エプロン部に無数の小さな孔が開けられてい
る。
【0016】以下に、使用方法を簡単に説明する。な
お、上記の如く、タンブリングブラスト機とエプロンブ
ラスト機とはドラム部の形状等がタンブラー型とエプロ
ン型が異なるものの、基本的にワークを回転させながら
ショットを噴射する点は共通するため、以下はタンブリ
ングブラスト機を例にとって説明する。
お、上記の如く、タンブリングブラスト機とエプロンブ
ラスト機とはドラム部の形状等がタンブラー型とエプロ
ン型が異なるものの、基本的にワークを回転させながら
ショットを噴射する点は共通するため、以下はタンブリ
ングブラスト機を例にとって説明する。
【0017】まず、ドラム部2に、磁石表面に表面処理
被膜を有するR−Fe−B系永久磁石からなるワーク6
を一定量挿入する。挿入量はドラム部2の大きさ、ワー
ク6の形状、ワーク6の大きさ等によって適宜調整す
る。そして、ワーク6の量に応じてドラム部2の角度を
調整する。
被膜を有するR−Fe−B系永久磁石からなるワーク6
を一定量挿入する。挿入量はドラム部2の大きさ、ワー
ク6の形状、ワーク6の大きさ等によって適宜調整す
る。そして、ワーク6の量に応じてドラム部2の角度を
調整する。
【0018】次に、ドラム部2をモータ5によって所定
の回転速度で回転させるとともに、噴射装置3からスチ
ールショットを所定角度で噴射し、ドラム部2内のワー
ク6に当接させる。その際、スチールショットとワーク
から剥離した表面処理被膜は、ドラム部2の壁面に設け
られた孔よりドラム部2外部へ放出され、機体内部の底
部7にたまり、最後に回収される。
の回転速度で回転させるとともに、噴射装置3からスチ
ールショットを所定角度で噴射し、ドラム部2内のワー
ク6に当接させる。その際、スチールショットとワーク
から剥離した表面処理被膜は、ドラム部2の壁面に設け
られた孔よりドラム部2外部へ放出され、機体内部の底
部7にたまり、最後に回収される。
【0019】その結果、ドラム部2内部には表面処理が
剥離されたワーク6及びドラム部壁面に設けられた孔を
通らなかった表面処理被膜が残ることとなる。
剥離されたワーク6及びドラム部壁面に設けられた孔を
通らなかった表面処理被膜が残ることとなる。
【0020】上記の方法において、表面処理被膜を有す
るR−Fe−B系永久磁石から表面処理被膜のみを効率
よく短時間で剥離するするためには、ドラム部の回転数
を2〜15rpmにすることが好ましい。2rpm未満
または15rpmを超えると表面処理被膜の剥離が完全
にできなくなるためである。さらに好ましい回転数は3
〜5rpmである。
るR−Fe−B系永久磁石から表面処理被膜のみを効率
よく短時間で剥離するするためには、ドラム部の回転数
を2〜15rpmにすることが好ましい。2rpm未満
または15rpmを超えると表面処理被膜の剥離が完全
にできなくなるためである。さらに好ましい回転数は3
〜5rpmである。
【0021】また、スチールショットの平均粒度及び平
均硬度も重要であり、平均粒度が0.18mm未満また
は0.50mmを超えると剥離能力が低下するため0.
18mm〜0.50mmが好ましい。最も好ましくは
0.3mm〜0.45mmである。
均硬度も重要であり、平均粒度が0.18mm未満また
は0.50mmを超えると剥離能力が低下するため0.
18mm〜0.50mmが好ましい。最も好ましくは
0.3mm〜0.45mmである。
【0022】また、平均硬度は、40HRC未満では剥離
能力が低下し、50HRCを超えるとR−Fe−B系永久
磁石そのものまで加工される恐れがあるため、40〜5
0HRCが好ましい。最も好ましくは44〜47HRCであ
る。
能力が低下し、50HRCを超えるとR−Fe−B系永久
磁石そのものまで加工される恐れがあるため、40〜5
0HRCが好ましい。最も好ましくは44〜47HRCであ
る。
【0023】上記の点を考慮すると、C、Si、Mn、
P、Sを微量に含有する焼戻マルテンサイト組織を有す
るスチールショットを粒度調整したものが好適である。
P、Sを微量に含有する焼戻マルテンサイト組織を有す
るスチールショットを粒度調整したものが好適である。
【0024】さらに、R−Fe−B系永久磁石に対する
スチールショットの噴射角度、噴射速度も重要であっ
て、噴射角度が40°未満または90°を超えると十分
な剥離ができないため、40°〜90°が好ましい。ま
た、噴射速度が50m/sec未満ないしは80m/s
ecを超えると同様に十分な剥離ができないため、50
m/sec〜80m/secが好ましい。
スチールショットの噴射角度、噴射速度も重要であっ
て、噴射角度が40°未満または90°を超えると十分
な剥離ができないため、40°〜90°が好ましい。ま
た、噴射速度が50m/sec未満ないしは80m/s
ecを超えると同様に十分な剥離ができないため、50
m/sec〜80m/secが好ましい。
【0025】また、この発明において、タンブリングブ
ラスト機またはエプロンブラスト機の機体内部の雰囲気
は、不活性ガスなどの無酸素雰囲気であることが望まし
い。これは、剥離後のR−Fe−B系永久磁石の表面は
非常に活性な状態にあり、すぐに酸素と反応して磁石表
面に酸化物を形成するので、新たに酸化物を除去する工
程が必要となるためである。なお、その他の条件につい
ては、タンブリングブラスト機またはエプロンブラスト
を用いたスケール落としなどに用いられる公知の条件を
用いることができる。
ラスト機またはエプロンブラスト機の機体内部の雰囲気
は、不活性ガスなどの無酸素雰囲気であることが望まし
い。これは、剥離後のR−Fe−B系永久磁石の表面は
非常に活性な状態にあり、すぐに酸素と反応して磁石表
面に酸化物を形成するので、新たに酸化物を除去する工
程が必要となるためである。なお、その他の条件につい
ては、タンブリングブラスト機またはエプロンブラスト
を用いたスケール落としなどに用いられる公知の条件を
用いることができる。
【0026】
【実施例】実施例1 図1に示すタンブリングブラスト機を用いて、寸法が外
径35mm、内径25mm、厚み0.8mmからなる、
表面に電解Niめっき被膜を有するリング状R−Fe−
B系永久磁石の表面処理被膜の剥離テストを行なった。
径35mm、内径25mm、厚み0.8mmからなる、
表面に電解Niめっき被膜を有するリング状R−Fe−
B系永久磁石の表面処理被膜の剥離テストを行なった。
【0027】処理条件は以下の通りである。 ドラム部回転数=3.6rpm、 スチールショットの平均粒度=0.353μm、 スチールショットの平均硬度=46.2HRC、 スチールショットの噴射角度=60°、 スチールショットの噴射速度=73m/sec、 R−Fe−B系永久磁石の処理量=5kg、 処理時間=2分。
【0028】また、スチールショットには、C 0.9
3、Si 0.79、Mn 0.84、P 0.02
1、S 0.027、残部Feからなる組成の焼戻マル
テンサイト組織を有するものを用いた。剥離後の評価方
法は、処理後のR−Fe−B系永久磁石から任意に10
個サンプリングしたものの外観検査で評価した。その結
果を表1に示す。
3、Si 0.79、Mn 0.84、P 0.02
1、S 0.027、残部Feからなる組成の焼戻マル
テンサイト組織を有するものを用いた。剥離後の評価方
法は、処理後のR−Fe−B系永久磁石から任意に10
個サンプリングしたものの外観検査で評価した。その結
果を表1に示す。
【0029】実施例2 図2に示すエプロンブラスト機を用いて、実施例1と同
じ表面に電解Niめっき被膜を有するリング状R−Fe
−B系永久磁石の表面処理被膜の剥離テストを行なっ
た。また、スチールショットの組成、剥離後の評価方法
も実施例1と同様にした。その結果を表1に示す。
じ表面に電解Niめっき被膜を有するリング状R−Fe
−B系永久磁石の表面処理被膜の剥離テストを行なっ
た。また、スチールショットの組成、剥離後の評価方法
も実施例1と同様にした。その結果を表1に示す。
【0030】処理条件は以下の通りである。 エプロン部回転数=10.4rpm、 スチールショットの平均粒度=0.353μm、 スチールショットの平均硬度=46.2HRC、 スチールショットの噴射角度=60°、 スチールショットの噴射速度=73m/sec、 R−Fe−B系永久磁石の処理量=5kg、処理時間=
5分。
5分。
【0031】比較例1 実施例1と同じ、表面に電解Niめっき被膜を有するリ
ング状R−Fe−B系永久磁石5kgをバレル内に挿入
し、メチルアルコールと硝酸を2:1で混合した電解研
磨液に浸漬して、バレルを回転させながら20Vの直流
電流を2分間通電する電解研磨処理を施した。その結果
を実施例1と共に表1に示す。評価方法は実施例1と同
様である。
ング状R−Fe−B系永久磁石5kgをバレル内に挿入
し、メチルアルコールと硝酸を2:1で混合した電解研
磨液に浸漬して、バレルを回転させながら20Vの直流
電流を2分間通電する電解研磨処理を施した。その結果
を実施例1と共に表1に示す。評価方法は実施例1と同
様である。
【0032】
【表1】
【0033】実施例3 ドラム部回転数を表2に示すように変化させる以外は、
実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行なった。
(3.8rpmは実施例1の結果) 剥離後の評価方法としては、処理後のR−Fe−B系永
久磁石から任意に10個サンプリングし、10個全部に
ついて完全に表面処理被膜が剥離されているものは○
印、1〜5個に少しでも表面処理被膜が残っている場合
は△印、6個以上に少しでも表面処理被膜が残っている
場合は×印を付した。結果を表2に示す。
実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行なった。
(3.8rpmは実施例1の結果) 剥離後の評価方法としては、処理後のR−Fe−B系永
久磁石から任意に10個サンプリングし、10個全部に
ついて完全に表面処理被膜が剥離されているものは○
印、1〜5個に少しでも表面処理被膜が残っている場合
は△印、6個以上に少しでも表面処理被膜が残っている
場合は×印を付した。結果を表2に示す。
【0034】実施例4 スチールショットの平均粒度を表2に示すように変化さ
せる以外は、実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行
なった。(0.35μmは実施例1の結果)測定結果を
表2に示す。なお、評価方法は、実施例2と同様であ
る。
せる以外は、実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行
なった。(0.35μmは実施例1の結果)測定結果を
表2に示す。なお、評価方法は、実施例2と同様であ
る。
【0035】実施例5 スチールショットの平均硬度を表2に示すように変化さ
せる以外は、実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行
なった。(46.2HRCは実施例1の結果)測定結果を
表2に示す。なお、評価方法は、実施例2と同様であ
る。
せる以外は、実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行
なった。(46.2HRCは実施例1の結果)測定結果を
表2に示す。なお、評価方法は、実施例2と同様であ
る。
【0036】
【表2】
【0037】実施例6 スチールショットの噴射角度を表3に示すように変化さ
せる以外は、実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行
なった。(60°は実施例1の結果)測定結果を表3に
示す。評価方法は、実施例2と同様である。なお、90
°以上は装置の構造上テストを行なうことができなかっ
た。
せる以外は、実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行
なった。(60°は実施例1の結果)測定結果を表3に
示す。評価方法は、実施例2と同様である。なお、90
°以上は装置の構造上テストを行なうことができなかっ
た。
【0038】実施例7 スチールショットの噴射速度を表3に示すように変化さ
せる以外は、実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行
なった。(73m/secは実施例1の結果)測定結果
を表3に示す。なお、評価方法は、実施例2と同様であ
る。なお、90m/secでは、被膜は完全に剥離され
ていたが、磁石素材の研磨量が著しかった。
せる以外は、実施例1と全く同じ条件で剥離テストを行
なった。(73m/secは実施例1の結果)測定結果
を表3に示す。なお、評価方法は、実施例2と同様であ
る。なお、90m/secでは、被膜は完全に剥離され
ていたが、磁石素材の研磨量が著しかった。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】この発明によれば、製品同士が密着した
部分の完全剥離が可能であり、リサイクルによる製品の
質を低下させることなく、短時間でかつ安価にしてR−
Fe−B系永久磁石の表面処理被膜を剥離することがで
きる。また、特殊な溶剤や廃液処理が不要なため、安全
であると共に産業廃棄物を出すことが無くなり、さら
に、Niなどの資源の再利用にも貢献できる。
部分の完全剥離が可能であり、リサイクルによる製品の
質を低下させることなく、短時間でかつ安価にしてR−
Fe−B系永久磁石の表面処理被膜を剥離することがで
きる。また、特殊な溶剤や廃液処理が不要なため、安全
であると共に産業廃棄物を出すことが無くなり、さら
に、Niなどの資源の再利用にも貢献できる。
【図1】タンブリングブラスト機の一例を示す断面説明
図である。
図である。
【図2】エプロンブラスト機の一例を示す断面説明図で
ある。
ある。
1 タンブリングブラスト機 2 ドラム部 3,13 噴射装置 4 開口部 5 モータ 6 ワーク 7 底部 11 エプロンブラスト機 12 エプロン部 15 駆動軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松島 俊藏 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 株 式会社エス・ジー・エス内 (72)発明者 上田 覚 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 株 式会社エス・ジー・エス内 (72)発明者 田嶋 淳 大阪府大阪市平野区西脇1丁目2番20号 株式会社アサコ内
Claims (6)
- 【請求項1】 磁石表面に表面処理被膜を有するR−F
e−B系永久磁石を、タンブリングブラスト機またはエ
プロンブラスト機のドラム部に挿入し、該ドラム部を回
転させながらR−Fe−B系永久磁石にスチールショッ
トを噴射することによって、磁石表面の表面処理被膜を
剥離することを特徴とするR−Fe−B系永久磁石の表
面処理被膜剥離方法。 - 【請求項2】 請求項1において、ドラム部の回転数
が2〜15rpmであるR−Fe−B系永久磁石の表面
処理被膜剥離方法。 - 【請求項3】 請求項1において、スチールショット
の平均粒度が0.18mm〜0.50mmであるR−F
e−B系永久磁石の表面処理被膜剥離方法。 - 【請求項4】 請求項1において、スチールショット
の平均硬度が40〜50HRCであるR−Fe−B系永久
磁石の表面処理被膜剥離方法。 - 【請求項5】 請求項1において、R−Fe−B系永
久磁石に対するスチールショットの噴射角度が40°〜
90°であるR−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜剥
離方法。 - 【請求項6】 請求項1において、スチールショット
の噴射速度が50m/sec〜80m/secであるR
−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜剥離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17411698A JPH11347941A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | R−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜剥離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17411698A JPH11347941A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | R−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜剥離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11347941A true JPH11347941A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15972928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17411698A Pending JPH11347941A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | R−Fe−B系永久磁石の表面処理被膜剥離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11347941A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-06-05 JP JP17411698A patent/JPH11347941A/ja active Pending
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