JPH11347745A - 流し台シンクと天板の溶接方法及びこの溶接に用いるクランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 仮止め溶接をなくしてシンクと天板をシ
ーム溶接を行う方法、並びに、この方法の実施に使用す
るクランプ装置を提供すること。 【解決手段】 シンクＳと天板Ｔを位置決めしてセット
する下部電極2dと、セットされた前記シンクＳと天板Ｔ
に対して降下し下部電極2d側に加圧しつつ溶接ラインに
沿って相対転動する上部電極1dとを具備した流し台シー
ム溶接機による前記シンクＳと天板Ｔの溶接において、
前記下部電極2dの上に位置決めされるシンクＳと天板Ｔ
を、重複したシンクＳと天板Ｔの両側の縁辺において、
その縁辺の上方に昇降可能に配置したクランプ装置ＣＬ
により下部電極側2dに押付けて固定し、前記シンクＳと
天板Ｔのクランプしない重複した縁辺に上部電極1dを降
下加圧させて溶接を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、流し台のシンクと
天板を流し台シーム溶接機により溶接する際、前記シン
クと天板を、シーム溶接に先立って仮付け溶接する必要
のない溶接法方と、この方法の実施に使用するクランプ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、流し台の天板とシンクとをシーム
溶接により一体化する場合、シーム溶接工程に先立つ前
工程において、前記天板とシンクとの相対位置を決めて
から仮付け溶接を行っている。

【０００３】上記仮付け溶接は、シーム溶接機の設置場
所とは異なる場所でシンクと天板とを位置決めしてスポ
ット溶接機により仮止め溶接を行うか、又は、シーム溶
接機に天板とシンクとをセットして位置決めし、電極に
付属した治具により前記天板とシンクをクランプした上
で、円盤状の上部電極を降下加圧させてスポット溶接に
より仮止め溶接を行っている。

【０００４】しかし、上記のスポット溶接による仮止め
には、次のような問題がある。即ち、別のスポット溶接
機を使用する仮止めでは、仮止め溶接のためのスポット
溶接機を別途必要とするほか、スポット溶接に当り別の
場所でシンクと天板との位置決めを不可欠とするので、
そのための作業者が必要となって、作業の流れ、或は、
必要とする人的要員の面で合理性に欠ける憾がある。ま
た、シーム溶接機にシンクと天板をセットしてこの溶接
機によりスポット溶接を行う仮止め手法では、シーム溶
接機による工程に仮止め溶接の工程が前工程として入る
こととなるため、結果的に天板とシンクとのシーム溶接
工程のサイクルタイムが長くなり、生産数量が多い場合
には、そのトータル生産数量を時間をかけずに満足する
ためにシーム溶接機が更に一台必要になってしまうとい
う問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は流し台のシン
クと天板のシーム溶接における上記現状に鑑み、仮止め
溶接をなくしてシンクと天板をシーム溶接を行う方法、
並びに、この方法の実施に使用するクランプ装置を提供
することを、その課題とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明方法の構成は、シンクと天
板を位置決めしてセットする下部電極と、セットされた
前記シンクと天板に対して降下し下部電極側に加圧しつ
つ溶接ラインに沿って相対転動する上部電極とを具備し
た流し台シーム溶接機による前記シンクと天板の溶接に
おいて、前記下部電極の上に位置決めされるシンクと天
板を、重複したシンクと天板の両側の縁辺において、そ
の縁辺の上方に昇降可能に配置したクランプ装置により
下部電極側に押付けて固定し、前記シンクと天板のクラ
ンプしない重複した縁辺に上部電極を降下加圧させて溶
接を開始することを特徴とするものである。

【０００７】そして、上記方法を実施するために用いる
本発明クランプ装置の構成は、重複させたシンクと天板
の縁辺にそれらの下面側から当てがわれるようにして前
記シンクと天板がセットされる下部電極と、セットされ
た前記シンクと天板の縁辺に対し上方から降下して前記
縁辺に当接してその辺を加圧し乍ら当該縁辺に沿って相
対転動される上部電極とを具備した流し台シーム溶接機
において、前記下部電極を搭載したテーブル上に、前記
シンクと天板に対して進退自在又は旋回自在に形成した
クランプアームを、前記シンクと天板に対して左右動位
置決め可能に設け、クランプアームの先端側に、前記シ
ンクと天板の縁辺に対して昇降するクランプ片を設けて
成り、シーム溶接すべきシンクと天板が前記下部電極の
うえに位置決めセットされたら、前記クランプアームの
クランプ片を前記シンクと天板の重複した縁辺の上に位
置決めして降下させ、そのシンクと天板とを前記下部電
極の上に固定するように形成したことを特徴とするもの
である。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態につい
て、図を参照しつつ説明する。図１は本発明方法により
シーム溶接される流し台の天板の一例の斜視図、図２は
図１の天板に溶接されるシンクの一例の斜視図、図３は
本発明クランプ装置の一例を具備した流し台シーム溶接
機の正面図、図４は図３の溶接機の側面図、図５は図３
の溶接機から抽出したクランプ装置の一例の側面図、図
６は図５のクランプ装置の正面図、図７は図５のクラン
プ装置の下半側の平面図、図８は本発明クランプ装置の
別例の正面図、図９は図８のクランプ装置の右側面図、
図10は図８のクランプ装置の左半の平面図、図11は図
３，図４の溶接機に使用されている下部電極の一例の平
面図、図12は本発明クランプ装置に付加して使用する押
え治具の一例の平面図、図13は図12の押え治具の正面
図、図14は図12の押え治具の右側面図である。

【０００９】図１，図２は本発明方法の適用対象である
流し台を構成する天板ＴとシンクＳのそれぞれ斜視図で
あり、流し台シーム溶接機によりシンクＳの開口部フラ
ンジ（又は縁）f₁に、天板Ｔに形成したシンク穴Hsの縁
f₂を重ね、この状態で両縁f₁，f₂を後述するシーム溶接
機を用いて溶接することにより、流し台のシンク付き天
板に形成されるものである。

【００１０】上記シンクＳと天板Ｔをシーム溶接する溶
接機は、一例として、図３，図４に示す形態，構造のも
のであるので、以下に図３，図４に例示した流し台シー
ム溶接機の概要に付いて説明する。

【００１１】図３，図４に例示した溶接機は、ベースフ
レームＢＦの後端部（図４の右側）に、側面逆Ｌ字状を
なす上部フレームＵＦを設け、上部フレームＵＦの前端
面（図４の左側）に、上部電極ユニット１を配備する一
方、該上部電極ユニット１の下方に、前記ユニット１に
対応した下部電極ユニット2を配備して構成されてい
る。

【００１２】ここで、上部電極ユニット１は、上部フレ
ームＵＦの前端に、上，下方向（Ｚ軸）のリニアガイド
やスライダから成るスライドガイド機構1bを介して加圧
昇降フレーム1aを配設し、このフレーム1aの前面に、モ
ータを主体とした回転姿勢制御装置1cの下端部に架装し
た円盤状の上部電極1dを設けると共に、前記フレーム1a
を、上部フレームＵＦに設けた加圧昇降シリンダ1eによ
り、下部電極ユニット2に対して昇降自在に形成されて
いる。

【００１３】一方、下部電極ユニット2は、前記の上部
電極ユニット１の下方において、ベースフレームＢＦの
上面に、リニアガイドとスライダ、並びに、送りネジ，
モータ等を主体に形成されるＸ，Ｙ軸のクロススライド
機構2a，2bを介してＹ軸テーブル2cを架装し、このＹ軸
テーブル2cの上に、図11に例示する形態の下部電極2dを
設けて形成されている。

【００１４】図11に例示した下部電極2dは、下部電極2d
を保持するための環状の穴を具備した下部電極ベース21
の中に、下部電極チップを着脱自在に嵌着固定すること
により下部電極ユニット２に形成されたもの、又は、一
体型のものである。この下部電極ユニット２は、図４に
示すようにＹ軸テーブル2cの前方側（上部電極ユニット
１の下方）に、前記ベース21を介して搭載されている。
図11において、22は、電極ベース21に下部電極2dを止着
する固定ボルト、23は下部電極ベース21に設けた位置決
めブロック、24は前記電極ベース21の左右両側（シンク
Ｓの短辺側に対応）に設けたクランプ受けである。

【００１５】以上により、本発明方法を適用できる流し
台シーム溶接機の一例を構成するが、この溶接機は、下
部電極2dの上に位置決めセットされるシンクＳと天板Ｔ
を、従来の仮止め溶接に代え、本発明クランプ装置によ
りその位置決め状態を固定するようにしたので、以下、
この点について説明する。

【００１６】本発明クランプ装置は、一例として次の構
成から成る。まず、図４のＹ軸テーブル2cの上面におけ
る下部電極ユニット２の後方（図４の右方）に、側面か
ら視て略倒Ｌ字状をなすクランプフレーム３の２本を、
前記Ｙ軸テーブル2cの上にＹ軸スライドガイド2eを介し
載架したクランプ装置用スライドベース４の上に設けて
いる。このスライドベース４は、その上に、Ｘ軸リニア
ガイド機構５を介して前記クランプ３のベース3bを支持
することにより、クランプフレーム３をスライドベース
４上のＸ軸方向でスライド可能に載架している。なお、
Ｙ軸テーブル2cの上のスライドベース４は、Ｙ軸シリン
ダ4aによってＹ軸方向で進退，位置決め自在の機構を具
備している。

【００１７】上記の各クランプフレーム３における水平
アーム3aの先端側（図４の左方）には、垂直向きのシリ
ンダ６と、このシリンダ６を前後から挟む配置形態のガ
イドロッド７，７がブッシュ7aに支持されて設けられ、
前記シリンダ６のロッドとガイドロッド７の下端に、下
面にクランプパッド8aを有するクランププレート８を設
けて本発明クランプ装置ＣＬの一例に形成されている。

【００１８】スライドベース４における左，右のクラン
プ装置ＣＬは、図示した例では、そのクランプベース3b
が夫々にＸ軸リニアガイド機構５に支持されているの
で、夫々の送りネジ機構5aをハンドル5bを正，逆回転さ
せて作動させることにより、スライドベース４の上を、
図３の左右方向（Ｘ軸方向）に夫々に移動，位置決め自
在である。図示した例では、左，右のクランプ装置ＣＬ
は、夫々の送りネジ機構5aによって、別々に移動，位置
決め自在であるが、本発明では左右の送り機構5aのネジ
5cを１本のネジ杆により形成すると共に、そのネジ杆の
右側と左側でネジを逆にして設けることにより、左，右
のクランプ装置ＣＬを、１個のハンドル5bの操作によっ
て、同時に、互に接近させたり、離反させる態様で移
動，位置決めするように形成してもよい。

【００１９】上記のスライドベース４の後端面（図５，
図７の右側）には、位置決め用のスリット又は穴を長さ
方向に沿って設けた位置決めガイド4bが形成されてお
り、ハンドル5bを操作して所望のＸ軸方向での位置に移
動させ位置決めしたクランプ装置ＣＬのクランプベース
3bから前記位置決めガイド4bのスリット又は穴に、位置
決めピン3cを差込んで、その位置を固定できるように形
成されている。

【００２０】以上の構成により、シンクＳと天板Ｔと
を、シーム溶接機における下部電極2dの上に位置決めし
てセットしたら、左，右の本発明クランプ装置ＣＬを、
下部電極2dの上にセットされている前記シンクＳの左，
右の短辺の真上に、つまりそのクランプパッド8aが前記
短辺に位置付けられるように、ハンドル5bを回転操作し
て位置決め操作し、左，右のクランプ装置ＣＬのシリン
ダ６を降下側に作動させて、前記パッド8aにより下部電
極2d上のシンクＳと天板Ｔにおける重複した左右の短辺
を押圧固定する。これによって、仮止め溶接を行うこと
なく、下部電極2dの上にセットされたシンクＳと天板Ｔ
を固定して、直ちにシーム溶接に入ることが出来るので
ある。

【００２１】即ち、下部電極2dの上にシンクＳと天板Ｔ
を、クランプ装置ＣＬにより位置決め固定した状態は、
いわば従来の仮止め溶接した状態と同等の常態になるの
で、この状態において上部電極1dを前記シンクＳと天板
Ｔに降下させてこれらの対象を加圧しつつ、シーム溶接
する。シーム溶接完了後、クランプ装置ＣＬのシリンダ
ー６を上昇させ、その後Ｙ軸シリンダ4aを作動させてス
ライドベース４は後退する。

【００２２】ここで、クランプ装置ＣＬの位置の変更
が、この溶接機で溶接する機種（流し台）について予め
プログラムされている上部電極1dの相対転動軌跡を実現
するための動作と干渉すると、上部電極の損壊やクラン
プ装置の損壊等、思わぬ事故に繋がりかねない。このた
め、クランプ装置ＣＬの各位置決め点に例えばリミット
スイッチ等を設けて夫々の位置データを検出し、これが
前記溶接軌跡のプログラム（位置データ）と干渉しない
かを自動的にチェックするようにしている。

【００２３】また、クランプ装置ＣＬは、不使用時は通
常、Ｙ軸シリンダ4aを作動させてスライドベース４を、
上部フレームＵＦの根元側に近い位置に後退させてお
き、下部電極2dに治具（図示せず）を装着したり、シン
クＳや天板Ｔをセットする付帯作業に支障を来すことが
ないようにしている。従って、一切の付帯作業が終り、
シーム溶接を実行できる段になると、前記Ｙ軸シリンダ
4aを作動させてスライドフレーム４を前方（下部電極2d
の側）に進出移動させ、シリンダ６を作動させて前記パ
ッド8aによるワークの固定をするのである。

【００２４】なお、上記クランプ装置ＣＬを使用した流
し台のシーム溶接において、通常の溶接速度よりも速度
を上げてシーム溶接を行い、生産性を昇げることがあ
る。このように溶接速度、つまり上部電極1dの相対転動
速度を上げてシーム溶接を行うには、溶接電流を上げる
ことが不可欠となる。溶接電流を上げた場合、シンクＳ
Ｓと天板Ｔの短辺側のクランプのみでは、天板の長辺側
に溶接歪によるウネリが生じやすくなる。

【００２５】この点を改善するため、本発明では図12〜
図14に例示する枠状態様の押え治具30を用い、この治具
30をシンクＳと天板Ｔの上に置き、左右のクランプ装置
ＣＬによりこの押え治具30の上からシンクＳと天板Ｔを
押圧するようにする。

【００２６】即ち、押え治具30は、シンクＳと天板Ｔの
溶接ラインの外側を囲む大きさの穴30bを形成した平板
状の枠本体30aの長辺側の上面に、リブ状の補強板30c，
30dを本体30aと一体化して形成されており、左右の短辺
30e，30fを、クランプ装置ＣＬのパッド8aで押えるよう
にしたのである。こうすることにより、シンクＳと天板
Ｔは、その溶接ラインの外側の全周においてクランプ装
置ＣＬの押し圧力が作用するから、溶接軌跡の全周にお
いて、上部電極，天板Ｔ，シンクＳ，下部電極の密着度
を高めることが出来ることとなる。

【００２７】上記のように、本発明クランプ装置ＣＬを
用いた流し台シーム溶接では、仮止め溶接を行わないの
で、良好な作業効率による流し台溶接作業を行うことが
できるが、このような利点は、図８〜図10に例示した本
発明の別例のクランプ装置を用いても、先の例と同様に
得られるので、以下、この点について説明する。

【００２８】先の例において説明した図５〜図７に示す
クランプ装置ＣＬは、不要時、クランプフレーム３をそ
のスライドベース４ごとＹ軸方向に後退させる構成であ
ったが、図８〜図10のクランプ装置では、Ｙ軸のスライ
ド機構を設けず、左，右のクランプフレーム３を、夫々
その位置で外側に90度回転させる構造とした。図８〜図
10において、図５〜図７と同一部材は、同一符号で示し
ている。

【００２９】図８〜図10のクランプ装置は、次のように
構成されている。即ち、クランプフレーム３の根元部分
は、クランプベース3bの上に立設したポスト3dに回転自
在に支持されており、フレーム３の基部（根元部分）に
設けた平歯車3eに、シリンダ3fによって進退させられる
ラック3gを噛合させることにより、前記フレーム３のポ
スト3dに支持された基部をこのポスト3dを軸として回転
できるように設けられている。

【００３０】図８〜図10により説明したクランプ装置Ｃ
Ｌは、使用時にはフレーム３をＸ軸に直交する向きにし
ておき、図５〜図７に例示したクランプ装置ＣＬと同じ
要領で使用するが、不使用時の待避形態が、左右のクラ
ンプフレーム３を、それぞれ外側に向け90度旋回させる
点で異なっている。

【００３１】図８〜図10のクランプ装置は、待避形態が
クランプフレーム３のその場旋回であるため、図５〜図
７のクランプ装置のように待避時にＹ軸方向へスライド
させる機構，構造が不要であり、従って、スペース効率
が良い。なお、図８〜図10に示した本発明の別例のクラ
ンプ装置ＣＬも、先に述べた押え治具30を使用できるこ
と勿論である。

【００３２】

【発明の効果】本発明は以上の通りであって、次の固有
の効果が得られる。従来のシーム溶接に先立って行われ
ていた仮止め溶接に代え、シンクと天板を下部電極の上
でクランプ装置により固定するから、直ちにシーム溶接
に入ることができ、生産効率が高まる。

【００３３】仮止め溶接を、別の場所でスポット溶接機
で行う必要がなくなるので、このための場所やスポット
溶接機が不用になる。

【００３４】仮止め溶接を、シーム溶接機の上で行う場
合に比べても、仮止め溶接のための時間が不用になると
共に、仮止め溶接の実行による電極も消耗もなくなるの
で、合理的に生産性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法によりシーム溶接される流し台の天
板の一例の斜視図。

【図２】図１の天板に溶接されるシンクの一例の斜視
図。

【図３】本発明クランプ装置の一例を具備した流し台シ
ーム溶接機の正面図。

【図４】図３の溶接機の側面図。

【図５】図３の溶接機から抽出したクランプ装置の一例
の側面図。

【図６】図５のクランプ装置の左側面図。

【図７】図５のクランプ装置の下半側の平面図。

【図８】本発明クランプ装置の別例の正面図。

【図９】図８のクランプ装置の右側面図。

【図10】図８のクランプ装置の左半の平面図。

【図11】図３，図４の溶接機に使用されている下部電極
の一例の平面図。

【図12】本発明クランプ装置に付加して使用する押え治
具の一例の平面図。

【図13】図12の押え治具の正面図。

【図14】図12の押え治具の右側面図。

【符号の説明】

１ 上部電極 ２ 下部電極 ３ クランプフレーム 30 押え治具

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シンクと天板を位置決めしてセットする
   下部電極と、セットされた前記シンクと天板に対して降
   下し下部電極側に加圧しつつ溶接ラインに沿って相対転
   動する上部電極とを具備した流し台シーム溶接機による
   前記シンクと天板の溶接において、前記下部電極の上に
   位置決めされるシンクと天板を、重複したシンクと天板
   の両側の縁辺において、その縁辺の上方に昇降可能に配
   置したクランプ装置により下部電極側に押付けて固定
   し、前記シンクと天板のクランプしない重複した縁辺に
   上部電極を降下加圧させて溶接を開始することを特徴と
   する流し台シンクと天板の溶接方法。
2. 【請求項２】 クランプ装置により押圧固定するのは、
   天板とシンクの短辺側の側縁である請求項１の流し台シ
   ンクと天板の溶接方法。
3. 【請求項３】 クランプ装置により天板とシンクの短辺
   側の側縁を押圧固定するとき、前記天板とシンクの溶接
   軌跡の全周を囲むことができる平面略口字状をなす開口
   部を具備した押え治具を介在させる請求項１又は２の流
   し台シンクと天板の溶接方法。
4. 【請求項４】 重複させたシンクと天板の縁辺にそれら
   の下面側から当てがわれるようにして前記シンクと天板
   がセットされる下部電極と、セットされた前記シンクと
   天板の縁辺に対し上方から降下して前記縁辺に当接して
   その辺を加圧し乍ら当該縁辺に沿って相対転動される上
   部電極とを具備した流し台シーム溶接機において、前記
   下部電極を搭載したテーブル上に、前記シンクと天板に
   対して進退自在又は旋回自在に形成したクランプアーム
   を、前記シンクと天板に対して左右動位置決め可能に設
   け、クランプアームの先端側に、前記シンクと天板の縁
   辺に対して昇降するクランプ片を設けて成り、シーム溶
   接すべきシンクと天板が前記下部電極の上に位置決めセ
   ットされたら、前記クランプアームのクランプ片を前記
   シンクと天板の重複した両側の縁辺の上に位置決めして
   降下させ、そのシンクと天板とを前記下部電極の上に固
   定するように形成したことを特徴とする流し台シンクと
   天板の溶接に用いるクランプ装置。
5. 【請求項５】 クランプアームは、下部電極にセットさ
   れたシンクと天板に対して左右位置決め可能なスライド
   機構により支持されていると共に、前記シンクと天板に
   対して進退するか又は旋回することにより接近，離反す
   ることが可能な支持機構に、前記スライド機構ごと搭載
   されている請求項４のクランプ装置。
6. 【請求項６】 クランプ装置は、溶接すべき天板とシン
   クの溶接ラインを囲むことができる平面略口字状の開口
   部を具備して形成した押え治具を備えている請求項４又
   は５のクランプ装置。