JPH11345401A - 磁気記録再生方法及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生方法及び磁気記録再生装置

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JPH11345401A
JPH11345401A JP12224499A JP12224499A JPH11345401A JP H11345401 A JPH11345401 A JP H11345401A JP 12224499 A JP12224499 A JP 12224499A JP 12224499 A JP12224499 A JP 12224499A JP H11345401 A JPH11345401 A JP H11345401A
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JP
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magnetic
alloy
optical head
recording
magnet
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JP12224499A
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English (en)
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Yoshitane Tsuburaya
欣胤 円谷
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Maxell Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録再生装置と光磁気記録再生装置の長
所を併せもったまったく新しい磁気記録再生方法及び磁
気記録再生装置を提供する。 【構成】 化学的安定性に優れ、信号のオーバーライト
が可能で信号の実効転送速度が早く、安価に製造できる
磁気ディスク1を情報の記録媒体として用いる。磁気デ
ィスク1を介して対向部分に光学ヘッド2と第1及び第
2のマグネット21,22とを配置し、光学ヘッド2か
らレーザビームを照射しつつ磁性層16にマグネット2
1,22からの磁界を印加して、磁気光学的に信号の記
録と消去とを行う。また、磁気ヘッド3により、磁性層
16から磁気的に信号を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録再生方法
及び磁気記録再生装置に係り、特に、磁気光学的手段を
もって情報の記録を行い、磁気的手段をもって情報の再
生を行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、磁性層を情報の記録媒体
として用いる記録再生装置には、磁気記録再生装置と、
光磁気記録再生装置とがある。
【0003】磁気記録再生装置は、磁気記録媒体と磁気
ヘッドとを含んで構成され、磁気ヘッドに対して磁気記
録媒体を接触又は非接触の状態で走行させ、常温で磁気
ヘッドから出力された磁気信号を磁性層に記録し、また
常温で磁気記録媒体に記録された磁気信号を磁気ヘッド
でピックアップすることで信号を再生し、また常温で磁
気ヘッドから消去方向の磁界を磁性層に印加することで
信号の消去を行なうものである。これに対して、光磁気
記録再生装置は、光磁気記録媒体と光学ヘッドと磁気ヘ
ッド又はマグネットとを含んで構成され、相対向に配置
された光学ヘッドと磁気ヘッド又はマグネットとの間で
光磁気記録媒体を走行させ、光学ヘッドから光磁気記録
媒体にレーザビームを照射して磁性層をそのキュリー温
度又は補償温度近傍まで昇温しつつ、当該昇温部分に磁
気ヘッド又はマグネットから磁気信号を印加して情報の
記録を行ない、また低レベルの直線偏光を記録トラック
に沿って照射し、磁性層に形成された反転磁区の配列に
対応する反射光のカー回転角の変化を検出することで信
号の再生を行なうものである。信号の消去は、光学ヘッ
ドから光磁気記録媒体にレーザビームを照射して磁性層
をそのキュリー温度又は補償温度近傍まで昇温しつつ、
当該昇温部分に磁気ヘッド又はマグネットから消去方向
の磁界を印加することで行なわれる。
【0004】磁気記録媒体、例えばフレキシブル磁気デ
ィスク(フロッピーディスク)やハードディスクの磁性
層は、γ−Fe23粉末、Co含有Fe23粉末、Fe
34粉末、Co含有Fe34粉末、Fe粉末、Co粉
末、Fe−Ni合金粉末などの磁性粉末を結合剤及び有
機溶剤などと共に塗布、乾燥したもの、あるいはCo,
Fe,Ni,Co−Ni合金,Co−Cr合金,Co−
P合金,Co−Ni−P合金,Al−Co合金,Al−
Ni−Co合金などの強磁性材料を真空成膜したものな
どによって形成されており、化学的安定性が高く、耐食
性に優れ、しかも安価に製造できるという利点がある。
また、磁気記録媒体は、信号が記録されたエリアに新た
な信号を書き込むことによって、先に記録された信号を
新たな信号に書き替える機能、すなわちオーバーライト
機能を有し、信号の実効転送速度が早いという利点があ
る。その反面、磁気記録媒体の記録密度は、磁気ヘッド
のギャップ幅によって制約されるために、記録密度を高
くできないという欠点がある。
【0005】一方、光磁気記録媒体の長所と欠点は磁気
記録媒体と反対であって、磁性層として垂直磁化膜を用
い、微細な反転磁区を形成することで信号の記録をする
ことから高い記録密度を得ることができるが、媒体の膜
構造及びドライブ装置を特別に工夫しないと信号のオー
バーライトが不能で、磁気記録再生システムなみの信号
の実効転送速度を得られない。また、光磁気記録媒体の
磁性層としては、希土類−遷移金属系の垂直磁化膜が現
在のところ最も好適とされているが、この種の垂直磁化
膜は化学的安定性が低く耐食性が悪いために、信号の長
期保存性が悪いという欠点がある。光磁気記録再生シス
テムをオーバーライト可能に構成すると、媒体の膜構造
及びドライブ装置が複雑化し、システムが高価になる。
また、光磁気記録媒体の耐食性を改善するためには、何
層もの保護層を積層しなくてはならず、やはりコスト高
になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】情報記録の技術分野に
おいては、記録容量が高いこと、長期保存性に優れるこ
と、信号の転送速度が早いこと、安価に実施できること
等が特に要求される。
【0007】本発明は、かかる技術的な課題を解決する
ためになされたものであって、その目的は、磁気記録再
生装置と光磁気記録再生装置の長所を併せもったまった
く新しい磁気記録再生方法及び磁気記録再生装置を提供
するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するため、磁気記録再生方法に関しては、トラッキ
ング用の案内溝及び情報記録層である磁性層を有する磁
気ディスクと、前記案内溝と対向に配置された光学ヘッ
ドと、前記磁気ディスクを介して前記光学ヘッドと対向
側に相隣接して配設された互いに極性が異なる第1及び
第2のマグネットと、これら2つのマグネットの配設位
置外に配設された磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装
置を用いて、情報の記録時には、前記光学ヘッドから前
記案内溝にレーザビームを照射し、その反射光よりトラ
ッキング誤差信号を得て該光学ヘッドのトラッキング移
動を行ないつつ、所望の情報記録エリアであってかつ前
記磁気ディスクの移動方向上流側に配置された第1のマ
グネットと対向する部分に、前記磁性層の保磁力を前記
第1のマグネットより印加される磁界強度よりも低下さ
せるに必要な大きさの一定強度のレーザビームを、前記
光学ヘッドから照射して当該部分の磁性層を初期化し、
また、前記光学ヘッドから出射されたレーザビームを初
期化されたトラック上であってかつ前記磁気ディスクの
移動方向下流側に配置された第2のマグネットと対向す
る部分に位置付け、前記磁性層の保磁力を前記第2のマ
グネットより印加される磁界強度よりも低下させるに必
要な大きさのパルス状に強度変調されたレーザビームを
前記光学ヘッドから照射し、情報の再生時には、前記の
光トラッキングの方法で前記磁気ヘッドをトラッキング
移動しつつ、所望の情報記録エリアに前記磁気ヘッドを
位置付けて、当該エリアからの信号を磁気的に読み出
し、情報の消去時には、前記の光トラッキングの方法で
前記光学ヘッドをトラッキング移動しつつ、所望の情報
記録エリアであってかつ前記磁気ディスクの移動方向上
流側に配置された第1のマグネットと対向する部分に、
前記磁性層の保磁力を前記第1のマグネットより印加さ
れる磁界強度よりも低下させるに必要な大きさの一定強
度のレーザビームを前記光学ヘッドから照射するという
構成にした。
【0009】一方、磁気記録再生装置に関しては、トラ
ッキング用の案内溝及び情報記録層である磁性層を有す
る磁気ディスクに対して情報の記録再生を行う磁気記録
再生装置において、前記案内溝と対向に配置された光学
ヘッドと、前記磁気ディスクを介して前記光学ヘッドと
対向側に相隣接して配設された互いに極性が異なる第1
及び第2のマグネットと、これら2つのマグネットの配
設位置外に配設された磁気ヘッドとを備えるという構成
にした。
【0010】前記手段によると、情報記録媒体として磁
気記録媒体を用いたので、安価にして情報の長期保存性
に優れた磁気記録再生方法及び磁気記録再生装置を実現
できる。また、磁気ディスクに案内溝を形成し、光学的
手段によってトラッキングを行なうようにしたので、よ
り微細で精密なトラッキング制御が可能となり、信号の
記録容量を高めることができる。また、磁性層をレーザ
ビームによって昇温しつつ信号の記録又は消去を行なう
ので、より小さな磁界で信号の記録又は消去を高速に行
なうことができ、その結果として、信号の実効転送速度
を高速化できる。加えて、前記第1の手段では、信号の
オーバーライトが可能であるので、従来の磁気記録再生
装置の信号転送速度よりもさらに信号転送速度を高速化
できる。
【0011】前記磁気記録再生装置に搭載されるマグネ
ットとしては、(1)Co,Fe,Ni,Co−Ni合
金,Co−Cr合金,Co−P合金,Co−Ni−P合
金,Al−Co合金,Al−Ni−Co合金などを帯状
に成形して垂直磁化したもの、(2)γ−Fe23
末、Co含有Fe23粉末、Fe34粉末、Co含有F
34粉末、Fe粉末、Co粉末、Fe−Ni合金粉末
などの磁性粉末を結合剤及び有機溶剤などと共に塗布、
乾燥して垂直磁化したもの、(3)Co,Fe,Ni,
Co−Ni合金,Co−Cr合金,Co−P合金,Co
−Ni−P合金,Al−Co合金,Al−Ni−Co合
金などの強磁性材料を真空蒸着法またはスパッタリング
法などを用いて真空成膜し、垂直磁化したもの、(4)
希土類元素及び遷移元素を主成分とするアモルファス合
金などからなる自発磁化強磁性垂直磁化膜などを用いる
ことができる。
【0012】本構成の磁気記録再生装置は、磁気ディス
クをディスクカートリッジ内に回転可能に収納し、マグ
ネットをディスクカートリッジの内面に、磁気ディスク
の半径方向に向けて帯状に設けた場合に、最も実用的な
装置となる。
【0013】また、前記磁気ディスクとしては、(1)
キュリー温度又は補償温度が50℃〜400℃の範囲内
にあり、かつ室温における保磁力が前記磁気ヘッド又は
マグネットから当該磁性層に作用する磁気信号強度より
も格段に大きい面内磁化膜又は垂直磁化膜からなる磁性
層が設けられたもの、(2)片面に案内溝が形成された
透明基板と、該透明基板の案内溝形成面上に設けられた
光熱変換層と、この光熱変換層上に積層された磁性層と
からなるもの、(3)磁性材料と光熱変換性材料との混
合材料から磁性層が形成されたもの、(4)片面に案内
溝が形成された透明基板上に、磁性層以外の反射層が担
持されたもの、(5)片面に案内溝が形成された透明基
板と該透明基板上に担持される薄膜との間に、断熱層が
設けられたもの、(6)磁性層の外面に、保護層及び潤
滑層のうちの少なくともいずれか一方が形成されたも
の、(7)セクターアドレス等のプリフォーマット信号
が、磁性層に磁気的に書き込まれたもの等を用いること
ができる。
【0014】前記方法及び装置において、磁気ディスク
の異なる半径領域に、複数組の光学ヘッド、磁気ヘッド
又はマグネットを夫々所定の配列で配置し、磁気ディス
ク上の複数の情報記録エリアで、情報の記録、再生、消
去を同時にかつ夫々独立して行なえるようにすれば、よ
り信号の実効転送速度を向上できる。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る磁気記録再生
装置に適用される磁気ディスクの構成を、図1乃至図7
に基づいて説明する。
【0016】図1の磁気ディスク1は、片面に光学ヘッ
ド2及び磁気ヘッド3をトラッキングするための案内溝
11、及び記録エリアのアドレス等を光学的に読み出す
ためのプリピット12等のプリフォーマットパターンが
微細な凹凸状に形成された透明基板13の当該パターン
形成面に、透明な透水防止膜14と、透明な断熱膜15
と、光反射性の磁性膜16とをこの順で積層してなる。
透明基板材料としては、ポリカーボネートやポリメチル
メタアクリレートなどの樹脂材料が特に好適である。透
明な透水防止膜14としては、SiO2 などの無機材料
が特に好適である。透明な断熱膜15としては、SiN
あるいはSiO2 とSiNの混合体などの無機材料が特
に好適である。磁性膜16としては、(1)γ−Fe2
3粉末、Co含有Fe23粉末、Fe34粉末、Co
含有Fe34粉末、Fe粉末、Co粉末、Fe−Ni合
金粉末などの磁性粉末を結合剤及び有機溶剤などと共に
塗布、乾燥したもの、(3)Co,Fe,Ni,Co−
Ni合金,Co−Cr合金,Co−P合金,Co−Ni
−P合金,Al−Co合金,Al−Ni−Co合金など
の強磁性材料を真空成膜したもの、(4)Tb,Dy,
Gd,Hfなどの希土類元素及びCo,Fe,Ni,C
rなどの遷移元素を主成分とするアモルファス合金など
の自発磁化強磁性垂直磁化膜などを用いることができ
る。なお、必要に応じて、磁性膜16上に、エポキシな
どの樹脂接着剤とアルミナあるいはカーボン(黒鉛粉)
などの潤滑剤との混合溶液からなる潤滑性保護膜を塗布
することもできる。
【0017】図2の磁気ディスク1は、前記と同様の透
明基板13のプリフォーマットパターン形成面に、透明
な透水防止膜14と、透明な断熱膜15と、反射膜17
と、磁性膜16とをこの順で積層してなる。反射膜材料
としては、安価であることなどから、アルマイト、表面
のみがアルマイト化されたアルミニウム、あるいはTi
−Alなどが特に好適である。その他については、図1
の実施例と同じであるので、重複を避けるために説明を
省略する。
【0018】図3の磁気ディスク1は、前記と同様の透
明基板13のプリフォーマットパターン形成面に、反射
膜17と、磁性膜16とをこの順で積層してなる。各部
に好適な材料等については、図2の実施例と同じである
ので、重複を避けるために説明を省略する。
【0019】図4の磁気ディスク1は、前記と同様の透
明基板13のプリフォーマットパターン形成面に、透明
な透水防止膜14と、反射膜17と、磁性膜16と、潤
滑性保護膜18とをこの順で積層してなる。潤滑性保護
膜材料としては、前記したように、エポキシなどの樹脂
接着剤とアルミナあるいはカーボンなどの潤滑剤との混
合溶液を用いることができる。その他については、図2
の実施例と同じであるので、重複を避けるために説明を
省略する。
【0020】図5の磁気ディスク1は、前記と同様の透
明基板13のプリフォーマットパターン形成面に、透明
な透水防止膜14と、磁性膜16と、反射膜17とをこ
の順で積層してなる。各部に好適な材料等については、
図2の実施例と同じであるので、重複を避けるために説
明を省略する。
【0021】図6の磁気ディスク1は、前記と同様の透
明基板13のプリフォーマットパターン形成面に、透明
な透水防止膜14と、光熱変換層19と、磁性膜16
と、反射膜17とをこの順で積層してなる。光熱変換層
材料としては、シアニン色素、フタロシアニン色素など
の有機色素材料やTe,Bi,Te−Se−Pb合金、
Au−Sn合金などの薄膜などを用いることができる。
その他については、図2の実施例と同じであるので、重
複を避けるために説明を省略する。
【0022】図7の磁気ディスク1は、前記と同様の透
明基板13のプリフォーマットパターン形成面に、透明
な透水防止膜14と、透明な光熱変換層19と、反射膜
17と、磁性膜16と、保護膜18とをこの順で積層し
てなる。各部に好適な材料等については、図6の実施例
と同じであるので、重複を避けるために説明を省略す
る。
【0023】これらの磁気ディスク1は、中心部にスピ
ンドル孔が開設された円板形に形成され、前記案内溝1
1は、スピンドル孔と同心の渦巻状又は同心円状に形成
される。また、プリピット12は、該案内溝11上に形
成されるか、あるいは相隣接する案内溝の間のランド部
に形成される。なお、本例においては、アドレス信号な
どのプリフォーマット信号をプリピット12の形で透明
基板13に記録したが、磁性膜16に磁気信号の形で記
録することももちろん可能である。
【0024】次に、本発明に係る磁気記録再生装置及び
これを用いた磁気記録再生方法を、図8乃至図10に基
づいて説明する。
【0025】図8に示すように、本例の磁気記録再生装
置は、磁気ディスク1を介してその磁性層16形成面側
に、極性が互いに逆向きの第1及び第2のマグネット2
1,22を配設すると共に、磁気ディスク1を介してそ
の反対側のマグネット21,22と夫々対向する位置
に、第1および第2の光学ヘッド(対物レンズ)2a,
2bを配設し、さらには前記第1及び第2のマグネット
の配設位置外に磁気ヘッド3を配設してなる。
【0026】図8において、23はレーザ光源、24は
ビームスプリッタ、25はミラー、26は光変調器を示
しており、レーザ光源23から出射されたレーザビーム
6は、ビームスプリッタ24によって2分割される。分
割されたレーザビーム6の一方は、ミラー25によっ
て、磁気ディスク1の回転方向上流側に配置された第1
の対物レンズ光学ヘッド2aに導かれ、該第1の光学ヘ
ッド2aより一定強度の初期化用光として磁気ディスク
1に照射される。また、分割されたレーザビーム6の他
方は、ビームスプリッタ24によって光変調器26に導
かれ、所定の情報信号によってパルス状に強度変調され
る。光変調器26から出力された変調光は、磁気ディス
ク1の回転方向下流側に配置された第2の光学ヘッド2
bに導かれ、該第2の光学ヘッド2bより記録用光とし
て磁気ディスク1に照射される。
【0027】なお、前記磁気ディスク1は、前記スピン
ドル孔内に図示しない回転スピンドルの先端部を挿入す
ることによって磁気記録再生装置の媒体駆動部であるタ
ーンテーブルに搭載され、所定の回転速度で回転され
る。これら磁気ディスク1のディスク表面と光学ヘッド
2との間隔、及び磁気ディスク1のディスク表面と第1
及び第2のマグネット21,22との間隔、並びに磁気
ディスク1のディスク表面と磁気ヘッド3との接触圧
力、さらには光学ヘッド2と磁気ヘッド3との相対位置
は、磁気ディスク1がターンテーブル上に搭載された段
階で、機械的に所定の値に調整される。すなわち、ディ
スク表面と光学ヘッド2との間隔は、光学ヘッド2の焦
点距離近傍に調整され、ディスク表面と磁気ヘッド3と
の接触圧力は、磁気ヘッド3が搭載されるジンバルばね
(図示せず)によって所定の値に調整される。また、光
学ヘッド2の光軸上に第1及び第2のマグネット21,
22が配置されるように、光学ヘッド2と第1及び第2
のマグネット21,22とが位置決めされる。光学ヘッ
ド2、磁気ヘッド3、これら光学ヘッド2及び磁気ヘッ
ド3の移送手段、それに前記回転スピンドルは、図示し
ない制御装置から送信される信号によって制御される。
【0028】前記マグネット21,22としては、昇温
時に磁性膜16が有する保磁力よりも大きな磁界を磁性
膜16に印加可能な磁界強度を有するものが用いられ
る。具体的には、(1)Co,Fe,Ni,Co−Ni
合金,Co−Cr合金,Co−P合金,Co−Ni−P
合金,Al−Co合金,Al−Ni−Co合金などを帯
状に成形して垂直磁化したもの、(2)γ−Fe23
末、Co含有Fe23粉末、Fe34粉末、Co含有F
34粉末、Fe粉末、Co粉末、Fe−Ni合金粉末
などの磁性粉末を結合剤及び有機溶剤などと共に塗布、
乾燥して垂直磁化したもの、(3)Co,Fe,Ni,
Co−Ni合金,Co−Cr合金,Co−P合金,Co
−Ni−P合金,Al−Co合金,Al−Ni−Co合
金などの強磁性材料を真空蒸着法またはスパッタリング
法などを用いて真空成膜し、垂直磁化したもの、(4)
Tb−Fe−Co合金、Tb−Fe−Co−Cr合金、
Tb−Fe−Co−Nb合金、Gd−Dy−Fe−Co
合金、Tb−Gd−Fe−Co−Cr合金など、希土類
元素及び遷移元素を主成分とするアモルファス合金など
からなる自発磁化強磁性垂直磁化膜、(5)前記(4)
同様の自発磁化強磁性垂直磁化膜の外表面をNi,C
o,Crなどの耐食性材料で被覆したものなどを用いる
ことができる。これらのうちでは、薄形に形成できるこ
とからぜんき(2)、(3)、(4)、(5)のものが
特に好ましい。
【0029】マグネット21,22は、夫々磁気ディス
ク1の半径方向に沿って帯状に設定される。その幅は、
ミクロンオーダーまたはサブミクロンオーダーから50
mmのオーダーまでの任意の値に設定することができる
が、好ましくは、磁気ディスク1をドライブ装置に装着
したときの光学ヘッド2a,2bとマグネット21,2
2との位置ずれを考慮して、そのバラツキ幅に最小の磁
化ドメインの長さからレーザビーム6の振れ幅を加え合
せた値より大きい程度の幅に設定される。また、マグネ
ット21,22の長さは、少なくとも磁気ディスク1の
記録領域をカバーしうる長さに形成される。なお、マグ
ネット21,22は、必ずしも連続する形に形成する必
要はなく、微細なマグネット21,22を一直線状に並
べたものであってもよい。この場合、各微細なマグネッ
ト21,22の長さは、トラックピッチよりも大きいも
のとすることができる。
【0030】また、マグネット21,22は、ディスク
面になるべく近接して配置されることが好ましく、ディ
スク回転時にマグネット21,22の表面がディスク面
と所望の狭い間隔を隔てて対向されるようにマグネット
取付台27の高さあるいはマグネット21,22の厚さ
(膜厚)を調整して用いられる。なお、磁気ディスク1
のマグネット対向面に平滑な耐摩耗性及び耐摩耗熱性に
優れた被膜を被着すると共に、マグネット21,22の
表面にも滑性及び耐摩耗性に優れた皮膜を形成し、これ
らの皮膜を介してマグネット21,22をディスク面に
摺接させることもできる。
【0031】本例の磁気記録再生装置は、光学ヘッド2
aから磁気ディスク1の案内溝11に沿って信号再生レ
ベルのレーザビームを照射し、その反射光よりトラッキ
ング誤差信号を得て光学ヘッド2a,2bのトラッキン
グを行ないつつ、所望の情報記録エリアであってかつ磁
気ディスク1の回転方向上流側に配置された第1のマグ
ネット21と対向する部分に、磁性層16の保磁力を第
1のマグネット21より印加される磁界強度よりも低下
させるに必要な大きさの一定強度のレーザビーム(図9
に実線で示される強度)を光学ヘッド2aから照射して
当該部分の磁性層16を初期化し、また光学ヘッド2b
から出射されたレーザビームを初期化されたトラック上
であってかつ磁気ディスク1の回転方向下流側に配置さ
れた第2のマグネット22と対向する部分に位置付け、
磁性層16の保磁力を第2のマグネット22より印加さ
れる磁界強度よりも低下させるに必要な大きさのパルス
状に強度変調されたレーザビームを光学ヘッド2bから
照射することで情報を記録できる。すなわち、第2のマ
グネット22の磁化の向きは、第1のマグネット21の
磁化の向きと逆向きであり、かつ第2のマグネット22
の磁界強度は、昇温時に磁性膜16が有する保磁力より
も大きな磁界を磁性膜16に印加可能な大きさに調整さ
れているから、第2の光学ヘッド2bによる昇温部分
(図9に破線で示したレーザビームの照射パターンのう
ちの高レベルのレーザビームが照射された部分)が選択
的に第2のマグネット22の磁化の方向に反転され、磁
性膜16に信号が記録される。
【0032】また、情報の再生は、前記の方法で磁気ヘ
ッド3をトラッキングしつつ、所望の情報記録エリアに
磁気ヘッド3を位置付け、当該エリアからの信号を磁気
的に読み出すことで行なえる。
【0033】さらに、情報の消去は、前記の方法で光学
ヘッドを2aトラッキングしつつ、所望の情報記録エリ
アであってかつ磁気ディスク1の回転方向上流側に配置
された第1のマグネット21と対向する部分に、磁性層
16の保磁力を第1のマグネット21より印加される磁
界強度よりも低下させるに必要な大きさの一定強度のレ
ーザビームを光学ヘッド2aから照射することで行なえ
る。
【0034】本例の光磁気記録再生装置は、光学ヘッド
と磁気ヘッドとの精密な位置合わせが不要であるので、
前記第1例に係るシステムに比べて、組立てが容易にな
るという特徴がある。
【0035】なお、図8の例では2つの光学ヘッド2
a,2bを用いたが、図10に示すように、1つの光学
ヘッド2を2条のマグネット21,22のほぼ中間に配
置し、該光学ヘッドから第1のマグネット21と対向す
る部分及び第2のマグネット22と対向する部分に、2
条のレーザビーム6a,6bを照射するようにすること
もできる。すなわち、レーザ光源23から出射されたレ
ーザビーム6をビームスプリッタ24にて2分割し、一
方はミラー25を介して直接光学ヘッド2に入射し、他
方は光変調器26を介して光学ヘッド2に入射する。こ
のようにすれば、1つの光学ヘッド(対物レンズ)2か
ら一定強度のレーザビーム及び強度変調されたレーザビ
ームを併せて出射できる。
【0036】
【実施例】以下に、前期実施形態例に係る磁気記録再生
装置のより具体的な構成例を、図11〜図22に基づい
て説明する。
【0037】〈第1実施例〉図11及び図12は第1実
施例を示す図であって、図11は上下反転した断面図、
図12は上下反転しかつ一部破断した斜視図である。こ
れらの図において、符号31はディスクカートリッジを
示し、その他前出の各図と対応する部分にはそれと同一
の符号が表示されている。ディスクカートリッジ31
は、下ハーフ32と、上ハーフ33と、これら両ハーフ
32,33を接合することによって形成される空間内に
回転可能に収納される磁気ディスク1と、下ハーフ32
と上ハーフ33の接合体の一側辺に沿って摺動可能に取
り付けられたシャッタ34と、上ハーフ33の内面に設
けられたマグネット取付台27と、該マグネット取付台
27の表面に設けられたマグネット21,22とから主
に構成されている。
【0038】下ハーフ32及び上ハーフ33は共に、シ
ャッタ34取付側の周辺を除く3方の周辺に沿って一定
高さの接合用壁36が起立された浅皿形に形成されてお
り、シャッタ取付側の側辺部の内面には、シャッタ34
と一体に固定されたスライダ35を取り付けてこれを摺
動可能に保持するための案内用突起37が形成されてい
る。この案内用突起37の高さは、前記接合用壁36の
高さより低く構成されている。シャッタ取付側の側辺部
から見て、下ハーフ32の中央部分には、前記案内用突
起形成側の周辺近傍からこれと対向する周辺の近傍まで
延びる窓孔38が開設されており、該窓孔38から磁気
ディスク1を回転駆動する回転スピンドル4、磁気ディ
スク1にレーザビームを照射する光学ヘッド2、それに
磁気ディスク1から信号を読み出すための磁気ヘッド3
が挿入できるようになっている。一方、上ハーフ33の
内面の略中央部から案内用突起形成側の周辺近傍に至る
部分には、マグネット取付台27が一体に設けられてお
り、このマグネット取付台27の表面にマグネット2
1,22が設けられている。
【0039】前記下ハーフ32及び上ハーフ33は、例
えばABS樹脂、AS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート
樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリテトラフ
ルオロエチレン樹脂、それにこれら樹脂材料にフィラー
やカーボンを混入したものなどを用いて形成できる。な
お、前記マグネット取付台27は、上ハーフ33と別体
に形成されたものを上ハーフ33に取り付けることもで
きるが、製造を容易にするため、上ハーフ33と一体成
形することが好ましい。
【0040】シャッタ34は、窓孔38を開閉可能な平
板状に形成されており、その一端にシャッタ34を外部
から操作するためのスライダ35が取り付けられてい
る。スライダ35には、前記下ハーフ32及び上ハーフ
33に形成された案内用突起37を緩やかに挿入可能な
2条の凹溝39a,39bが相対向に形成されており、
シャッタ34をディスクカートリッジ31内に収納し、
かつ凹溝39a,39b内に案内用突起37を挿入する
ことによって、シャッタ34及びスライダ35の結合体
がディスクカートリッジ31に摺動可能に取り付けら
れ、シャッタ34が下ハーフ32の内面に摺動自在に設
定される。
【0041】シャッタ34又はスライダ35と下ハーフ
32との間には、図示しない戻しばねが張設される。よ
って、スライダ35を外部から操作しないかぎり、窓孔
38はシャッタ34によって閉鎖され、塵埃などの異物
の侵入が防止される。また、シャッタ34を戻しばねの
弾性力に抗して開方向に駆動すると、窓孔38が開放さ
れ、ディスクカートリッジ31内への回転スピンドル
4、光学ヘッド2、磁気ヘッド3の挿入が可能となる。
【0042】なお、シャッタ34及びスライダ35は、
樹脂材料、セラミック材料、金属材料(特に、ステンレ
ス)等を用いて形成できる。これらシャッタ34及びス
ライダ35は、別体に形成されたものを機械的に結合す
ることもできるが、製造を容易にするため、一体成形す
ることがより好ましい。
【0043】本例の磁気記録再生装置は、磁気ディスク
1をディスクカートリッジ31内に収納し、ディスクカ
ートリッジ31の内面にマグネット21,22を設定し
たので、マグネット21,22を設定するための部材を
別途必要とせず、システムの設計が容易である。また、
スピンドル孔1aを介してその両側に光学ヘッド2と磁
気ヘッド3とを配設したので、光学ヘッド2及びマグネ
ット21,22による信号の記録又は消去と、磁気ヘッ
ド3による信号の再生とを同時に夫々独立して行なうこ
とができ、信号の実効転送速度が早いという特徴があ
る。
【0044】〈第2実施例〉図13乃至図17は、第2
実施例に係る磁気記録再生装置を示す図であって、図1
3は本例に係るシステムの分解斜視図、図14は下方よ
り見た斜視図、図15乃至図17はディスク押えの説明
図である。図13及び図14において、符号41はディ
スク押えを示し、その他前出の各図と対応する部分に
は、それと同一の符号が表示されている。
【0045】図13及び図14に示すように、本例の磁
気記録再生装置は、上ハーフ33の内面中央部にディス
ク押さえ41を設けたこと、及び光学ヘッド2と磁気ヘ
ッド3とを相隣接して設定したことを特徴とする。ディ
スク押さえ41は、少なくともディスク対向面に磁性が
付与された材料をもって、ターンテーブル5と略同径の
円盤上に形成され、上ハーフ33の内面中央部に回転自
在に取り付けられる。
【0046】ディスク押さえ41は、図15に示すよう
に、上ハーフ33のディスク対向面に凹陥部42を凹設
すると共に、その前面部分に凹陥部42の一部を覆う保
持板43を設け、これら上ハーフ33と保持板43にて
構成される空間内にディスク押さえ41の取付部44を
緩やかに内装することによって、上ハーフ33に回転自
在に取り付けることができる。また、図17に示すよう
に、上ハーフ33にディスク押さえ41の直径よりも小
径の透孔45を開設すると共に、ディスク押さえ41に
シャッタの取付溝46を形成し、該取付溝46内にシャ
ッタの透孔部分を緩やかに内装することによって、上ハ
ーフ33に回転自在に取り付けることができる。図15
及び図16において、図中の符号47は、強磁性板を示
す。さらには、図17に示すように、上ハーフ33の外
面に凹陥部42を凹設すると共に、その表面部分に凹陥
部42の一部を覆う保持板43を設け、これら上ハーフ
33と保持板43にて構成される空間内にディスク押さ
え41の取付部44を緩やかに内装することによって、
上ハーフ33に回転自在に取り付けることができる。図
17において、図中の符号48は、マグネットを示す。
【0047】本例においては、光学ヘッド2と磁気ヘッ
ド3とが相隣接して設定されている。したがって、下ハ
ーフ32には、略中央部から案内用突起形成側の周辺近
傍に至る部分にのみ窓孔38を開設すれば足りる。その
他の構成については、前出の各実施例と同じであるの
で、各実施例を表わす図と対応する部分にそれと同一の
符号を表示して、説明を省略する。
【0048】本例の磁気記録再生システムは、シャッタ
3bを開き、開放された窓孔38から回転スピンドル4
を挿入すると、磁気ディスク1の中央部に開設されたス
ピンドル孔1aに回転スピンドル4が挿入され、磁気デ
ィスク1の芯出しが行われる。また、磁気ディスク1が
ターンテーブル5上に載置され、磁気ディスク1の面方
向の位置決めが行われる。そして、この段階に至ったと
きに、回転スピンドル4の先端部に埋設されたマグネッ
ト(図示せず)がディスク押え41を吸引し、その吸引
力によって磁気ディスク1がクランプされる。よって、
本例のシステムでは、磁気ディスク1に磁性のセンター
ハブを設ける必要がないので、磁気ディスク1の構成が
簡略化されると共に、ドライブ装置側に磁気ディスク1
のクランプ部材を設定する場合に比べて、ドライブ装置
を小型化、軽量化、低コスト化できる。また、本例の磁
気記録再生システムは、光学ヘッド2と磁気ヘッド3と
を相隣接して設定したので、磁気ディスク1を介してそ
の上下両側に光学ヘッド2と磁気ヘッド3とを設定する
場合に比べて、ヘッド類の設定に要するスペースを格段
に小さくすることができ、またヘッド類を上下動するた
めの機構を格段に簡略化することができる。
【0049】〈第3実施例〉図18乃至図20は、第3
実施例に係る磁気記録再生装置を示す図であって、図1
8は本例に係るシステムの断面図、図19は分解斜視
図、図20は上ハーフの下方より見た斜視図である。こ
れらの図において、符号51はセンターハブを示し、そ
の他前出の各図と対応する部分には、それと同一の符号
が表示されている。
【0050】図18及び図19に示すように、本例の磁
気記録再生システムは、磁気ディスク1の中心部に磁性
のセンターハブ51を設定したこと、及び下ハーフ32
の略中央部から案内用突起形成側の周辺近傍に至る部分
に回転スピンドル及び光学ヘッド2を挿入するための第
1の窓孔38aを開設すると共に、上ハーフ33の中心
部を介して前記第1の窓孔38aと対称側に、磁気ヘッ
ド3を挿入するための第2の窓孔38bを開設したこと
を特徴とする。下ハーフ32の外面及び上ハーフ33の
外面には、夫々同時に開閉動作するシャッタ34a,3
4bが被着され、上ハーフ33の内面の前記第1の窓孔
38aと対向する部分には、マグネット21,22が設
けられている。本例のシステムにおいては、透明基板1
3を光学ヘッド2側に向け、磁性層16をマグネット2
1,22及び磁気ヘッド3側に向けるようにして、ディ
スクカートリッジ31がドライブ装置内に収納される。
【0051】〈第4実施例〉図21乃至図23は、第4
実施例に係る磁気記録再生装置を示す図であって、図2
1は本例に係るシステムの開放状態の斜視図、図22は
組立時の下方から見た斜視図、図23は組立時の断面図
である。これらの図において、前出の各図と対応する部
分には、それと同一の符号が表示されている。
【0052】図21及び図22に示すように、本例の磁
気記録再生システムは、ディスクカートリッジ31を開
閉可能に構成し、ディスクカートリッジ31内に収納さ
れる磁気ディスクを適宜交換できるようにしたことを特
徴とする。下ハーフ32の内面には、ディスク収納部6
1が略円形に凹設され、磁気ディスク1は、このディス
ク収納部61の外周部分に突設されたディスク保持部6
2にて保持されている。ディスク収納部61は、左右両
端部分60a,60bが下ハーフ32の側面部分に開放
されており、そこから手指を入れることによって、容易
に磁気ディスク1をつかむことができるようになってい
る。また、下ハーフ32の一部には、磁気ディスク1の
半径方向に延びるヘッド及び回転スピンドル挿入用の窓
孔38が開設され、該下ハーフ32の外面には、該窓孔
38を開閉するシャッタ34が被着されている。なお、
図22及び図23の符号63は、シャッタ34を収納す
るための浅い凹陥部を示している。一方、上ハーフ33
の内面の中央部分には、ディスク押さえ41が設けら
れ、また前記窓孔38と対向する部分には、マグネット
21,22が設けられている。ディスク押さえ41とし
ては、図15乃至図17に示したと同様のものを用いる
ことができる。本例のシステムにおいては、1つの窓孔
38から光学ヘッドと磁気ヘッドとを挿入することによ
って、情報の記録、再生、消去を行なうことができる。
【0053】本例の磁気記録再生装置は、下ハーフ32
と上ハーフ33とを開閉可能に構成して、磁気ディスク
1を適宜交換できるようにしたので、1つのディスクカ
ートリッジ31で複数の磁気ディスクを使用することが
できる。よって、磁気ディスク1及びディスクカートリ
ッジ31の収納スペースを小さくすることができ、一定
容量の収納スペースに多数の磁気ディスク1を収納でき
る。
【0054】〈第5実施例〉図24及び図25は、第5
実施例に係る磁気記録再生装置を示す図であって、図2
4は本例に係るシステムの分解斜視図、図25は断面図
である。これらの図において、前出の各図と対応する部
分には、それと同一の符号が表示されている。本例の磁
気記録再生システムは、両面記録ができるようにしたこ
とを特徴とする。
【0055】本例システムに適用されるディスクカート
リッジ31は、図24及び図25に示すように、下ハー
フ32及び上ハーフ33の対向位置に同形同大の窓孔1
8a,18bが開設され、かつ下ハーフ32の内面及び
上ハーフ33の内面に夫々独立に開閉可能なシャッタ3
4a,34bが設けられている。そして、各シャッタ3
4a,34bの内面のディスク中心と対応する部分に
は、前出の図15乃至図17に示したと同様のディスク
押さえ41a,41bが回転可能に取り付けられ、また
少なくとも光学ヘッド(図示省略)の移動範囲と対応す
る部分には、夫々2条ずつのマグネット22a,23
a,22b,23bが取り付けられている。
【0056】本例のディスクカートリッジ31は、図2
5に示すように、下側のシャッタ34bを開き、開放さ
れた窓孔38bから回転スピンドル4を挿入すると、磁
気ディスク1の中央部に開設されたスピンドル孔1aに
回転スピンドル4が挿入され、磁気ディスク1の芯出し
が行われる。また、磁気ディスク1がターンテーブル5
上に載置され、磁気ディスク1の面方向の位置決めが行
われる。そして、この段階に至ったときに、回転スピン
ドル4の先端部に埋設されたマグネット66がディスク
押さえ41aを吸引し、その吸引力によって磁気ディス
ク1がクランプされる。したがって、下側の開放された
窓孔38bから光学ヘッド2及び磁気ヘッド3を挿入す
ることによって、両面記録形磁気ディスク1の下面に対
する情報の記録、再生、消去動作が可能になる。磁気デ
ィスクを上下反転して回転スピンドル4に装着すれば、
前記と同様にして、両面記録形磁気ディスク1の他方の
面に対する情報の記録、再生、消去動作が可能になる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
情報記録媒体として化学的安定性に優れた磁気記録媒体
を用いたので、安価にして情報の長期保存性に優れた記
録再生システムを構築できる。また、磁気ディスクに案
内溝を形成し、光学的手段によってトラッキングを行な
うようにしたので、より微細で精密なトラッキング制御
が可能となり、信号の記録容量を高めることができる。
また、磁性層をレーザビームによって昇温しつつ信号の
記録又は消去を行なうので、より小さな磁界で信号の記
録又は消去を高速に行なうことができ、その結果とし
て、装置の小型化、消費電力の低減、信号転送速度の高
速化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスクの膜構造を例示する断面図であ
る。
【図2】磁気ディスクの膜構造を例示する断面図であ
る。
【図3】磁気ディスクの膜構造を例示する断面図であ
る。
【図4】磁気ディスクの膜構造を例示する断面図であ
る。
【図5】磁気ディスクの膜構造を例示する断面図であ
る。
【図6】磁気ディスクの膜構造を例示する断面図であ
る。
【図7】磁気ディスクの膜構造を例示する断面図であ
る。
【図8】実施形態例に係る磁気記録再生装置の構成説明
図である。
【図9】レーザビームの照射パターンを示すグラフ図で
ある。
【図10】実施例に係る磁気記録再生装置の変形例を示
す構成説明図である。
【図11】ディスクカートリッジの第1例を示す上下反
転した断面図である。
【図12】図11のディスクカートリッジの一部破断し
た斜視図である。
【図13】ディスクカートリッジの第2例を示す分解斜
視図である。
【図14】図13のディスクカートリッジの下方より見
た斜視図である。
【図15】ディスク押さえの第1例を示す断面図であ
る。
【図16】ディスク押さえの第2例を示す断面図であ
る。
【図17】ディスク押さえの第3例を示す断面図であ
る。
【図18】ディスクカートリッジの第3例を示す断面図
である。
【図19】図18のディスクカートリッジの分解斜視図
である。
【図20】上ハーフの下方より見た斜視図である。
【図21】ディスクカートリッジの第4例を示す展開時
の斜視図である。
【図22】図21のディスクカートリッジの下方より見
た斜視図である。
【図23】図22のディスクカートリッジの断面図であ
る。
【図24】ディスクカートリッジの第5例を示す分解斜
視図である。
【図25】図24のディスクカートリッジの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気ディスク 2 光学ヘッド 3 磁気ヘッド 6 レーザビーム 11 案内溝 12 プリピット 13 透明基板 14 透水防止膜 15 断熱膜 16 磁性膜 17 反射膜 18 保護膜 19 光熱変換膜 21,22 マグネット 27 マグネット取付台 31 ディスクカートリッジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラッキング用の案内溝及び情報記録層
    である磁性層を有する磁気ディスクと、前記案内溝と対
    向に配置された光学ヘッドと、前記磁気ディスクを介し
    て前記光学ヘッドと対向側に相隣接して配設された互い
    に極性が異なる第1及び第2のマグネットと、これら2
    つのマグネットの配設位置外に配設された磁気ヘッドと
    を備えた磁気記録再生装置を用い、 情報の記録時には、前記光学ヘッドから前記案内溝にレ
    ーザビームを照射し、その反射光よりトラッキング誤差
    信号を得て該光学ヘッドのトラッキングを行ないつつ、
    所望の情報記録エリアであってかつ前記磁気ディスクの
    移動方向上流側に配置された第1のマグネットと対向す
    る部分に、前記磁性層の保磁力を前記第1のマグネット
    より印加される磁界強度よりも低下させるに必要な大き
    さの一定強度のレーザビームを、前記光学ヘッドから照
    射して当該部分の磁性層を初期化し、また、前記光学ヘ
    ッドから出射されたレーザビームを初期化されたトラッ
    ク上であってかつ前記磁気ディスクの移動方向下流側に
    配置された第2のマグネットと対向する部分に位置付
    け、前記磁性層の保磁力を前記第2のマグネットより印
    加される磁界強度よりも低下させるに必要な大きさのパ
    ルス状に強度変調されたレーザビームを前記光学ヘッド
    から照射し、 情報の再生時には、前記の方法で前記磁気ヘッドをトラ
    ッキングしつつ、所望の情報記録エリアに前記磁気ヘッ
    ドを位置付けて、当該エリアからの信号を磁気的に読み
    出し、 情報の消去時には、前記の方法で前記光学ヘッドをトラ
    ッキングしつつ、所望の情報記録エリアであってかつ前
    記磁気ディスクの移動方向上流側に配置された第1のマ
    グネットと対向する部分に、前記磁性層の保磁力を前記
    第1のマグネットより印加される磁界強度よりも低下さ
    せるに必要な大きさの一定強度のレーザビームを前記光
    学ヘッドから照射することを特徴とする磁気記録再生方
    法。
  2. 【請求項2】 トラッキング用の案内溝及び情報記録層
    である磁性層を有する磁気ディスクに対して情報の記録
    及び再生を行う磁気記録再生装置において、前記案内溝
    と対向に配置された光学ヘッドと、前記磁気ディスクを
    介して前記光学ヘッドと対向側に相隣接して配設された
    互いに極性が異なる第1及び第2のマグネットと、これ
    ら2つのマグネットの配設位置外に配設された磁気ヘッ
    ドとを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気記録再生装置にお
    いて、前記マグネットとして、Co,Fe,Ni,Co
    −Ni合金,Co−Cr合金,Co−P合金,Co−N
    i−P合金,Al−Co合金,Al−Ni−Co合金な
    どを帯状に成形して垂直磁化したもの、又はγ−Fe2
    3粉末、Co含有Fe23粉末、Fe34粉末、Co
    含有Fe34粉末、Fe粉末、Co粉末、Fe−Ni合
    金粉末などの磁性粉末を結合剤及び有機溶剤などと共に
    塗布、乾燥して垂直磁化したもの、又はCo,Fe,N
    i,Co−Ni合金,Co−Cr合金,Co−P合金,
    Co−Ni−P合金,Al−Co合金,Al−Ni−C
    o合金などの強磁性材料を真空蒸着法またはスパッタリ
    ング法などを用いて真空成膜し、垂直磁化したもの、又
    は希土類元素及び遷移元素を主成分とするアモルファス
    合金などからなる自発磁化強磁性垂直磁化膜を用いたこ
    とを特徴とする磁気記録再生装置。
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