JP2549122B2 - 記録媒体及びこれを用いた情報の記録再生方法 - Google Patents

記録媒体及びこれを用いた情報の記録再生方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、記録媒体及びこれを用いた情報の記録再生
方法に係り、より詳しくは、1つの基板上に光磁気記録
膜と磁気記録膜とを備えた複合的な記録媒体と、各記録
膜に個別に情報を書き込むと共に各記録膜に書き込まれ
た情報を個別に読みだす方法に関する。
〔従来技術〕
近年、磁気記録媒体と同様に情報を繰り返し消去し再
書き込みが可能な記録媒体として、光磁気記録媒体が実
用化されようとしている。
第5図は、従来知られている光磁気記録媒体の一例を
示す断面図であつて、透明基板21の案内溝のパターン形
成面22に記録膜23が形成され、さらにこの記録膜23上に
保護膜24が積層された2枚の記録単板25を、前記記録膜
23を内側にして前記保護膜24同士を接着剤26にて接着
し、両面記録形の記録媒体を構成している(「わかりや
すい光デイスク」、株式会社オプトロニクス、昭和60年
12月10日発行、第52頁)。
前記した従来の光磁気記録媒体は、2枚の記録単板25
を貼り合わせて成るので、媒体の両面に情報を記録可能
で、見掛け上記録容量を2倍にすることができる。ま
た、記録膜23を2枚の透明基板21,21の間に介設したの
で、透明基板21と記録膜23との間に適当な防湿処理を施
しておけば記録膜23に外気が作用することがなく、記録
膜の保存安定性が高いという利点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
然るに、叙上の光磁気記録媒体は、2枚の記録単板2
5,25を貼り合わせて成るため、部品点数が多く、かつ製
造工程が複雑になり、製造コストが高価になるという問
題がある。
また、2枚の透明基板21,21の間に記録膜23が介設さ
れるため、記録再生装置の電磁コイルを少なくとも記録
膜23から透明基板21の厚さ以上離隔した位置に設置しな
くてはならず、電磁コイルの媒体面から光磁気記録膜ま
での距離が大きくなつて記録膜23の磁化反転に必要な電
磁コイル大型化する、あるいは磁界の高速スイツチング
が困難となつて磁界変調方式の情報の重ね書きが困難に
なるという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するために
なされたものであつて、その目的は、単板にして貼り合
せ構造のものと同等の記録容量を有し、かつ磁界変調方
式で情報の重ね書きを行うことが可能な記録媒体を提供
するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、前記の目的を達成するため、記録媒体の構
成に関しては、基板上に光磁気記録膜を形成し、この光
磁気記録膜上にキュリー温度が当該光磁気記録膜のキュ
リー温度よりも高く、かつ室温での保磁力が当該光磁気
記録膜の室温での保磁力よりも小さく、磁気ヘッドを用
いて前記光磁気記録膜とは別個に情報の記録が可能な磁
気記録膜を積層するという構成にした。
また、情報の記録再生方法に関しては、基板上に光磁
気記録膜が形成され、当該光磁気記録膜上に当該光磁気
記録膜よりもキュリー温度が高く、室温での保磁力が小
さい磁気記録膜が積層された記録媒体と、当該記録媒体
の近傍に配置された光学ヘッド及び磁気ヘッドを用い、 前記光学ヘッドより前記光磁気記録膜をそのキュリー
温度以上に加熱可能で、かつ前記磁気記録膜をそのキュ
リー温度以上に加熱しない強度のレーザビームを照射し
つつ、前記磁気ヘッドを駆動して、前記光磁気記録膜の
膜面に垂直で記録方向の磁極を有し、かつレーザビーム
照射時の温度における前記磁気記録膜の保磁力よりも小
さな信号磁界を発生して、前記光磁気記録膜に対する情
報の記録を行い、 前記光学ヘッドより前記光磁気記録膜に当該光磁気記
録膜をキュリー温度以上に加熱しない強度の直線偏光を
照射し、前記光磁気記録膜からの反射光強度を検光子に
て検出することによって前記光磁気記録膜からの情報の
再生を行い、 前記磁気ヘッドを駆動して室温における前記磁気記録
膜の保磁力よりも大きく、室温における前記光磁気記録
膜の保磁力よりも小さな記録方向の極性を有する磁場信
号を発生し、前記磁気記録膜に対する情報の記録を行
い、 前記磁気記録膜に記録された記録ビット磁区から発す
る磁束の変化を前記磁気ヘッドのギャップを通して電磁
変換することによって前記磁気記録膜からの情報の再生
を行うという構成にした。
〔作用〕
叙上のように、キユリー温度及び室温での保磁力に適
当なる差を有する光磁気記録膜と多結晶質の磁気記録膜
とを2層に設けると、これら光磁気記録膜及び磁気記録
膜にそれぞれ情報を書き込むことができる。従つて、1
つの基体で、貼り合せ型と同等の記録容量を得ることが
できる。
尚、前記磁気デイスク等に用いられている多結晶質ま
たは非晶質の磁気記録膜は、極めて化学的安定性に優
れ、記録膜を空気中に露出して使用するのを常態として
いる。また、この磁気記録膜は通気性がなく、かつ成分
中に酸素を含まず、さらには製造工程上腐蝕性のガスに
さらすことなく成膜することができる。従つて、この磁
気記録膜を光磁気記録膜の表面に形成すれば、光磁気記
録膜の優れた保持膜とすることができ、他の保護膜や基
板を付設することを要しない。
また、この磁気記録膜は約1000〜2000Å程度の膜厚に
形成すれば所定の記録再生特性を得ることができるの
で、2枚の透明基板の間に光磁気記録膜を介設する場合
に比べて記録再生装置の磁気ヘツドを光磁気記録膜に近
接して設定することができる。よつて、電磁コイルの小
型化を図ることができ、記録膜の磁化反転に必要な磁界
の高速スイツチングが可能となつて、磁界変調方式によ
る情報の重ね書きが可能になる。
〔実施例〕
第1図は本発明にかかる記録媒体の膜構造を模式的に
示す断面図であつて、1は基板、2は信号パターン、3
はエンハンス膜、4は光磁気記録膜、5は磁気記録膜を
示している。
基板1は、例えばガラスなどの透明セラミツクスや、
あるいはポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリ
レート(PMMA)、ポリメチルペンテン、エポキシ等の透
明な樹脂材料によつて形成される。該基板1の片面に
は、それぞれトラツキング信号に対応する案内トラツク
やアドレス信号に対応するプリピツトなどの信号パター
ン2が形成される。
信号パターン2の形成手段としては、前記基板1の材
質によつて適宜の方法が適用される。例えば、基板1が
PCやPMMA、それにポリメチルペンテンなどの熱可塑性樹
脂にて形成される場合には、射出成形用金型内に溶融し
た基板材料を射出して基板1と信号パターン2とを一体
に成形する所謂インジエクシヨン法が適する。また、こ
の基板材料に関しては、射出成形用金型内に溶融した基
板材料を射出したのちに圧力を加える、所謂コンプレツ
シヨン法あるいはインジエクシヨン−コンプレツシヨン
法といつた公知に属する形成手段を適用することもでき
る。さらに、基板1がガラスなどのセラミックスやエポ
キシなどの熱硬化性樹脂にて形成される場合には、所望
の信号パターンの反転パターンが形成されたスタンパ
(金型)と基板1との間で光硬化性樹脂を展伸し、スタ
ンパの反転パターンを基板1に転写する所謂2P法(Phot
opolymerisation;光硬化性樹脂法)が適する。また、エ
ポキシなどの熱硬化性樹脂に関しては、金型内に溶融状
態にある基板材料を静注して基板1と信号パターン2と
に一体に成形する所謂注型法を適用することもできる。
エンハンス膜3は、見掛け上のカー回転角を大きくす
るためのものであつて、例えばSi3N4などの誘電体をも
つて、前記基板1の信号パターン2形成面に、約800〜9
00Åの厚さに形成される。このエンハンス膜3の成膜手
段としては、例えば真空蒸着法やスパツタ法などの真空
成膜方法を適用することができる。
光磁気記録膜4は、例えばTbFe−GdTbFe,TbDyFe,GdTb
Fe,MnCuBi(結晶性),GdTbFeGe,GdCo,GdTbCo,TbFeCO,Tb
Fe/GdFe,TbFe/GdFeCo,TbFeCo,TbDyFeCo,(貴金属)−Tb
Fe,TbNiFe,TbCoFe,TbFe/GGG,DyFeGdCoなど、主として非
晶質の公知に属する任意の光磁気記録材料をもつて形成
される。この光磁気記録膜4は、前記エンハンス膜3上
に、例えば真空蒸着法やスパツタ法などの真空成膜方法
を用いて積層される。
磁気記録膜5は、前記光磁気記録膜4に比べてキユリ
ー温度が高く、室温における保磁力が低い磁性材を用い
て形成される。磁気記録膜5のもとになる磁性材として
は、従来より例えば磁気デイスクや磁気ドラム、それに
磁気テープなどの磁気記録媒体に用いられている任意の
ものを用いることがでるが、記録条件の自由度を大きく
して使用の容易化を図るため、前記光磁気記録膜4との
キユリー温度及び室温における保磁力の差が大きいほど
好ましい。尚、これらの条件を満たすものであれば、多
結晶質のものであると非晶質のものであるとを問わな
い。
具体的にはγ−Fe2O3粉末、Fe3O4粉末、コバルト含有
γ−Fe2O3粉末、コバルト含有Fe3O4粉末、鉄粉末、コバ
ルト粉末、鉄−ニツケル合金粉末などの磁性粉末を結合
剤及び有機溶剤等とともに塗布、乾燥もの、あるいは、
コバルト、鉄、ニツケル、コバルト−ニツケル合金、コ
バルト−クロム合金、コバルト−リン合金、コバルト−
ニツケル−リン合金などの強磁性材を真空成膜したもの
等が用いられる。これらのうちでは、コバルト−クロム
合金を主体とする垂直磁化膜や、コバルト−ニツケル合
金を主体とする水平磁化膜が特に好適である。
尚、磁気記録膜5の厚さは、光磁気記録膜4の保護の
観点からは厚いほど好ましいが、あまり厚くすると熱伝
導率が大きくなつて光磁気記録膜4の記録感度が低下す
る等の不具合を生じるため、1000Å〜1μm程度とする
ことが好ましい。
以下、前記記録媒体の記録原理及び再生原理について
説明する。
本発明の記録媒体の記録再生は、第2図に示すよう
に、基板1側に光学ヘツド11を、また、磁性膜5側に磁
気ヘツド12を配置して行う。磁気ヘツド12は、光磁気記
録膜4に情報を記録するための電磁コイルと、磁気記録
膜5に情報を記録するための磁気ヘツドとを兼ており、
記録媒体の駆動に伴う空気の粘性層流によつて前記磁気
記録膜5の表面から約1μm程度浮上するように設定さ
れる。
光磁気記録膜4への情報の記録に際しては、図示外の
レーザ光源を駆動して、光学ヘツド11より光磁気記録膜
4をそのキユリー温度以上に加熱可能で、かつ磁気記録
膜5をそのキユリー温度以上に加熱することのない強度
のレーザビームを連続して照射すると共に、前記磁気ヘ
ツド12を駆動して、光磁気記録膜4の膜面に垂直で、記
録方向の極性を有し、かつレーザビーム照射時の温度に
おける磁気記録膜5の保磁力よりも小さな信号磁界を発
生する。このようにすると、光磁気記録膜4の当該レー
ザビーム照射部分がキユリー温度以上に加熱されて、該
部の保磁力が零になり、磁気ヘツド12の信号磁界に応じ
て順次情報信号に対応する反転磁区が形成され、情報の
記録が行われる。この場合、光磁気記録膜に比べて高い
キユリー温度を有する磁気記録膜5については、このレ
ーザビームを照射しても保磁力が磁気ヘツドの直流磁界
以下に低下せず、従つて情報が書き込まれることがな
い。
本発明の記録媒体は、光磁気記録膜4上に薄い磁気記
録膜5を形成して成るので、光磁気記録膜4に極く近接
して磁気ヘツド(電磁コイル)12を設定することができ
る。従つて、磁気ヘツド12を大型化する必要がなく、光
磁気記録膜4の磁化反転に必要な磁界の高速スイツチン
グが可能となることから、かかる磁界変調方式を採用す
ることができる。
この磁界変調方式によると、従来の磁気記録媒体と同
様に、先に記録された情報の上から新たな情報を重ね書
き(オーバーライト)することができ、先に記録された
情報を消去する過程と必要としないので、アクセス速度
を格段に改善することができる。
尚、光磁気記録膜4の記録方式については、この磁界
変調方式に限定されるものではなく、従来の貼り合せ型
の光磁気記録媒体と同様に、光変調方式を取ることも勿
論可能である。
磁気記録膜5への情報の記録に際しては、前記磁気ヘ
ツド12を駆動して、室温における磁気記録膜5の保磁力
よりも大きく、室温における光磁気記録膜4の保磁力よ
りも小さい記録方向の極性を有する磁場信号を発生す
る。これによつて、磁気記録膜5に記録信号の正負に相
当する磁化方向をもつ磁区が形成され、情報が記録され
る。この場合、室温における光磁気記録膜4の保磁力よ
りも大きい磁界を作用することがないので、光磁気記録
膜4に情報が書き込まれたり、光磁気記録膜4に既に書
き込まれた情報が消去されるということがない。
記録済みの光磁気記録膜4から情報を読み出すに際し
ては、図示外のレーザ光源を駆動して、光学ヘツド11よ
り光磁気記録膜4に直線偏光を照射する。勿論、この直
線偏光は、光磁気記録膜4をそのキユリー温度以上に加
熱しない程度の強度に調整される。光磁気記録膜4から
の反射光は、反転磁区がある部分とない部分で偏光面が
回転する(カー効果)ので、この反射光の偏光面の回転
方向の差を検光子にて光の強度差として検出することに
よつて、情報を再生することができる。
また、記録済みの磁気記録膜5からの情報の読み出し
は、従来の磁気記録媒体と同様に、磁気記録膜5に記録
された記録ビツト磁区から発する磁束の変化を、磁気ヘ
ツド12のギヤツプを通して電磁変換することによつて行
う。この場合、前記磁気ヘツド12のトラツキングは、光
学ヘツド12と連動させるか、あるいは光学ヘツド12から
読み出されたトラツキング信号を利用することによつ
て、精密にサーボコントロールをすることができる。
以下、具体的な実施例を掲げ、本発明の効果に言及す
る。
第1実施例 射出成形されたポリカーボネート製基板の信号パター
ン面にSi3N4から成るエンハンス膜を約900Åの厚さに形
成し、このエンハンス膜上に以下の組成のアモルフアス
合金から成る光磁気記録膜をスパツタリングにより積層
する。
テルビウム;20〜27原子% コバルト;8〜13原子% ニオブ又はチタン又はクロム;2〜5原子% 鉄;残部 次いで、前記光磁気記録膜上に、磁気記録膜の結晶配
向性を促進するためのゲルマニウム又はチタンから成る
下地層を、約200〜300Åの厚さに積層する。
最後に、前記下地層上に、コバルト−クロム系(クロ
ム含有率:20〜25原子%)の磁気記録膜を約2000Åの厚
さに真空成膜法により積層した。この磁気記録膜は、膜
面に垂直な方向に磁化容易軸である六方晶のC軸が配向
しており、所謂垂直磁気記録膜となつている。
第2実施例 前記第1実施例と同様に、ポリカーボネート製基板、
エンハンス膜、光磁気記録膜を形成し、この光磁気記録
膜上に、耐食性を向上するための白金またはクロムが2
〜3原子%添加されたコバルト−ニツケル系(ニツケル
含有率;20〜40原子%)の磁気記録膜を約1000Åの厚さ
に真空成膜法により積層した。この磁気記録膜は、膜面
内に磁化容易軸をもつ所謂水平磁気記録膜となつてい
る。
下表に、前記第1及び第2実施例における光磁気記録
膜とその表面に積層される他の磁性膜との磁気的性質を
掲げる。
第3図に、前記各実施例で用いた光磁気記録膜と磁気
記録膜との温度特性の概略を示す。このグラフの縦軸は
記録膜の保磁力であり、横軸は温度である。このグラフ
から明らかなように、光磁気記録膜は室温から約100℃
前後までの温度では約5(KOe)程度の高い保磁力を有
するが、100(℃)以上に加熱されると急速に保磁力が
低下し、200(℃)前後で保磁力を失う。これに対し、
磁気記録膜は、室温における保磁力が約700(Oe)と前
記した光磁気記録膜に比べて格段に低く、高温に加熱さ
れるに従つて徐々に保磁力が低下し、500℃以上の高温
に加熱された段階で保持力を失う。
従つて、第3図に領域Aで示すように、光磁気記録膜
のキユリー温度以上で、磁気記録膜のキユリー温度以下
の温度に記録膜(光磁気記録膜及び磁性膜の積層体)を
加熱し、かつ光磁気記録膜にレーサビーム照射時の温度
における磁気記録膜の保磁力よりも小さな磁界をかける
ことによつて、光磁気記録膜のみに情報を記録すること
ができる。
また、第3図に領域Bで示すように、室温における磁
気記録膜の保磁力よりも大きく、室温における光磁気記
録膜の保磁力よりも小さな磁界をかけることによつて、
磁性膜のみに情報を記録することができる。
よつて、光磁気記録膜と磁気記録膜とにそれぞれ独立
に情報を記録することができ、貼り合せ構造の記録媒体
と同様、記録容量を見掛け上2倍にすることができる。
尚、光磁気記録膜及び磁気記録膜の記録再生特性は、こ
れらの記録膜が単独で設けられた光磁気記録媒体及び磁
気記録媒体とほぼ同等であり、これらを積層したことに
よる記録再生特性の劣化は認められない。
第4図に、前記各実施例の記録媒体と、光磁気記録膜
上に誘電体製の保護膜が積層された従来の光磁気記録膜
の加速環境試験結果を示す。このグラフの縦軸は再生信
号のC/N比であり、横軸は時間である。尚、試験条件
は、気温60℃、相対湿度95%、試験時間1000時間であ
る。このグラフから明らかなように、従来品は試験終了
後再生信号のC/N比が約30%に低下するのに対し、本発
明の記録媒体は、試験終了後もまつたくC/N比の低下が
認められなかつた。このことから、本発明の記録媒体
は、情報の保存安定性の点からも従来品に比べて有利に
なつていることが判る。
尚、上記実施例においてはデイスク状記録媒体を例に
採つて説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるも
のではなく、例えばカード状記録媒体やテープ状記録媒
体など、他の任意の光磁気記録媒体にも応用することが
できる。
また、磁気記録膜を光記録媒体の保護膜として用いる
技術は、光磁気記録媒体のみならず、例えばテルルを主
成分とするライトワンス型の光記録媒体にも応用するこ
とができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、光磁気記録膜
状にキユリー温度及び室温における保磁力がこれと異な
る磁気記録膜を積層したので、これら光磁気記録膜及び
磁気記録膜にそれぞれ情報を書き込むことができ、1つ
の基体で貼り合せ型と同等の記録容量を得ることができ
る。また、光磁気記録膜上に極めて化学的安定性に優
れ、かつ通気性にない磁気記録膜を積層したので、これ
以外の特別な保護膜や基板を要せず、情報の保存安定性
に優れる。また、薄形に形成することができることか
ら、光磁気記録膜を磁化反転する電磁コイルを光磁気記
録膜に近接して配置することができ、光磁気記録膜の磁
化反転に必要な磁界の高速スイツチングが可能となつ
て、磁界変調方式による情報の重ね書きを実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る記録媒体を模式的に示す要部断面
図、第2図は記録再生手段の概略を示す要部断面図、第
3図は基板上に積層される光磁気記録膜と多結晶質の磁
気記録膜の磁気特性の相違を示すグラフ、第4図は本発
明に係る記録媒体の耐食性を従来品と比較するグラフ、
第5図は従来知られている光情報記録デイスクと一例を
示す断面図である。 1:基板、2:信号パターン、3:エンハンス膜、4:光磁気記
録膜、5:磁性膜、

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に光磁気記録膜を形成し、この光磁
    気記録膜上にキュリー温度が当該光磁気記録膜のキュリ
    ー温度よりも高く、室温での保磁力が当該光磁気記録膜
    の室温での保磁力よりも小さく、磁気ヘッドを用いて前
    記光磁気記録膜とは別個に情報の記録が可能な磁気記録
    膜を積層したことを特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の記録媒体にお
    いて、前記光磁気記録膜上に、強磁性材を真空成膜して
    成る磁気記録膜を積層したことを特徴とする記録媒体。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の記録媒体にお
    いて、前記強磁性材として、コバルト、鉄、ニッケル、
    コバルト−ニッケル合金、コバルト−クロム合金、コバ
    ルト−リン合金、コバルト−ニッケル−リン合金から選
    択された少なくとも1種類の強磁性材を用いたことを特
    徴とする記録媒体。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の記録媒体にお
    いて、前記光磁気記録膜上に、磁性粉を結合剤及び溶剤
    とともに塗布して成る磁気記録膜を積層したことを特徴
    とする記録媒体。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第4項記載の記録媒体にお
    いて、前記磁性粉として、γ−Fe2O3粉末、Fe3O4粉末、
    コバルト含有γ−Fe2O3粉末、コバルト含有Fe3O4粉末、
    鉄粉末、コバルト粉末、鉄−ニッケル合金粉末から選択
    された少なくとも1種類の磁性粉を用いたことを特徴と
    する記録媒体。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項記載の記録媒体にお
    いて、前記光磁気記録膜上に、多結晶質の磁気記録膜を
    積層したことを特徴とする記録媒体。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項記載の記録媒体にお
    いて、前記光磁気記録膜上に、非晶質の磁気記録膜を積
    層したことを特徴とする記録媒体。
  8. 【請求項8】基板上に光磁気記録膜が形成され、当該光
    磁気記録膜上に当該光磁気記録膜よりもキュリー温度が
    高く、室温での保磁力が小さい磁気記録膜が積層された
    記録媒体と、当該記録媒体の近傍に配置された光学ヘッ
    ド及び磁気ヘッドを用い、 前記光学ヘッドより前記光磁気記録膜をそのキュリー温
    度以上に加熱可能で、かつ前記磁気記録膜をそのキュリ
    ー温度以上に加熱しない強度のレーザビームを照射しつ
    つ、前記磁気ヘッドを駆動して、前記光磁気記録膜の膜
    面に垂直で記録方向の磁極を有し、かつレーザビーム照
    射時の温度における前記磁気記録膜の保磁力よりも小さ
    な信号磁界を発生して、前記光磁気記録膜に対する情報
    の記録を行い、 前記光学ヘッドより前記光磁気記録膜に当該光磁気記録
    膜をキュリー温度以上に加熱しない強度の直線偏光を照
    射し、前記光磁気記録膜からの反射光強度を検光子にて
    検出することによって前記光磁気記録膜からの情報の再
    生を行い、 前記磁気ヘッドを駆動して室温における前記磁気記録膜
    の保磁力よりも大きく、室温における前記光磁気記録膜
    の保磁力よりも小さな記録方向の極性を有する磁場信号
    を発生し、前記磁気記録膜に対する情報の記録を行い、 前記磁気記録膜に記録された記録ビット磁区から発する
    磁束の変化を前記磁気ヘッドのギャップを通して電磁変
    換することによって前記磁気記録膜からの情報の再生を
    行うことを特徴とする情報の記録再生方法。
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