JPH0697516B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH0697516B2
JPH0697516B2 JP23498487A JP23498487A JPH0697516B2 JP H0697516 B2 JPH0697516 B2 JP H0697516B2 JP 23498487 A JP23498487 A JP 23498487A JP 23498487 A JP23498487 A JP 23498487A JP H0697516 B2 JPH0697516 B2 JP H0697516B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光磁気記録媒体に係り、特に、情報の重ね書き
(オーバーライト)に好適な光磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録媒体と同様に、情報の消去と再書き込み
とを繰り返し行うことが可能な記録媒体として、光磁気
記録媒体が注目されている。なお、この種の光磁気記録
媒体として関連するものには、例えば特開昭55−52535
号、特開昭56−153546号などが挙げられる。
光磁気記録媒体の記録膜(光磁気記録膜)は垂直磁化膜
から成り、情報信号の“1",“0"に対応して残留磁化の
向きが相反する向きに反転した小磁区(反転磁区)を形
成することによつて情報を記録するようになつている。
すなわち、光磁気記録膜に高集約化された記録用レーザ
ビームを照射すると、光磁気記録膜が局部的にキユリー
温度以上まで昇温され、該部の磁化が失われる。そこ
で、光磁気記録媒体に近接して配置された電磁コイルや
磁石などによつて光磁気記録膜に外部磁界を印加するこ
とによつて、当該記録用レーザビーム照射部を所望の向
きに磁化することができる。従つて、その反転磁区を情
報信号の1ビツトに対応することによつて、情報を記録
することができる。
このようにして光磁気記録膜に記録された情報は、記録
トラツクに沿って直線偏光を照射することによつて読み
出すことができる。すなわち、磁極にて直線偏光を反射
すると、直線偏光の偏光面がその磁極の磁化の向きによ
つて回転するという現象(カー効果)を生じるので、検
光子によつて反射光の偏光面の変化を光の強弱として読
み出すことによつて反転磁区の配列、すなわち情報を検
出することができる。
前記光磁気記録膜に情報を書き込む方式としては、記録
トラツクに沿つて一定パワーの記録用レーザビームを照
射しながら、情報信号によつて強度変調された外部磁界
を光磁気記録膜に印加する所謂磁界変調方式と、光磁気
記録膜に一定強さの外部磁界を印加しながら、情報信号
によつて強度変調された記録用レーザビームを照射する
所謂光変調方式とがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、かかる光磁気記録媒体においても、他のデー
タ用大容量メモリと同様に、アクセス速度の高速化が最
も重要な技術的課題の1つになつている。このため、新
たな情報を記録するに際して、先に記録された情報をい
ちいち消去することなく、先に記録された情報の上から
新たな情報を容易にオーバーライト可能な光磁気記録媒
体が嘱望されている。
情報の書き込み方式として磁界変調方式を採用した場合
には、原理的に磁気記録と同様であり、適当な外部磁界
があれば記録装置側に特別な工夫をしなくとも情報をオ
ーバーライトすることができる。しかしながら、例えば
光磁気デイスクのように、光磁気記録膜を内側にして2
枚の基板を貼り合せて成る光磁気記録媒体においては、
少なくとも光磁気記録膜から基板の厚さ(通常、1.2mm
程度)以上離隔した位置から光磁気記録膜上に、情報の
記録に必要な数百Oeの磁界を情報の記録速度に相当する
高周波で印加しなくてはならず、外部磁界である電磁コ
イルが巨大化するという問題がある。
光変調方式を採用すれば、電磁コイルの巨大化という問
題は生じないが、記録用と再生用の2条のレーザビーム
を近接して照射しなくてはならないため、磁界の切り換
えに特別な工夫を必要とし、そのための制御装置等が複
雑化、高コスト化するという問題がある。
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決するために
なされたものであつて、その目的は、外部磁界を巨大化
したり、記録再生装置を複雑化、高コスト化することな
く、容易に情報のオーバーライトを行いうる光磁気記録
媒体を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、前記の目的を達成するため、光磁気記録膜を
磁気的に結合した3つの層から構成し、これら3つの層
のレーザビーム入射側の層を記録層、残る2つの層のう
ちいずれか1つの層を第1のスイツチング用磁性層、残
る1つの層を第2のスイツチング用磁性層とし、記録用
のキユリー温度をT1、保磁力をHc1、磁化をM1、第1の
スイツチング用磁性層のキユリー温度をT2、保磁力をHc
2、磁化をM2、第2のスイツチング用磁性層のキユリー
温度をT3、保磁力をHc3、磁化をM3としたとき、前記各
層の磁気特性が、 T1<T3<T2 4πM1<Hc3 4πM3<Hc1<Hc3 4π(M3−M1)>Hc2 になるように光磁気記録膜の組成を調整したことを特徴
とするものである。
〔作用〕
記録膜には、第1のスイツチング用磁性層の磁化によつ
て発生する磁界と、第2のスイツチング用磁性層の磁化
によつて発生する磁界と、外部磁界との合成磁界が印加
される。
第1および第2のスイツチング用磁性層の磁化の向き
は、4π(M3−M1)>Hc2の関係から、室温近傍の温度
領域においては、同一の向きに保たれる。従つて、第1
および第2のスイツチング用磁性層の磁化を向きと反対
で、 4π(M2+M3)>H>Hc2 なる外部磁界Hを印加すると、記録層には、 HE1=−4π(M2+M3)+H(<0) という記録磁界HE1が印加されることになる。
ここで、記録層をそのキユリー温度T1(<T3<T2)近傍
まで昇温可能な小パワーの記録用レーザビームを照射す
ると、記録層の保磁力がほぼ零になり、Hc1<HE1となつ
て、記録層のレーザ照射部が、以前の磁化の向きに無関
係に、外部磁界H方向と反対の方向に磁化される。レー
ザパワーを切り、光磁気記録膜の温度を室温まで降温す
ると、4πM3<Hc1の関係から、記録層に書き込まれた
情報が第2のスイツチング用磁性層の磁化によつて書き
換えられることがなく、記録内容が安定に保たれる。ま
た、4πM1<Hc3の関係から、記録層に書き込まれた情
報によつて第2のスイツチング用磁性層の磁化がかつて
に反転することがなく、第2のスイツチング用磁性層の
磁化の向きが所定の初期磁化の向きに安定に保たれる。
また、第2のスイツチング用磁性層をそのキユリー温度
T3(>T1,<T2)近傍まで昇温可能な大パワーのレーザ
ビームを照射すると、記録層の磁化M1および第2のスイ
ツチング用磁性層の磁化M3がほぼ零になるので、第1の
スイツチング用磁性層には、HE2=H(>0)なる磁界
が作用する。先に説明したように、外部磁界Hと第2の
スイツチング用磁性層の保磁力との関係は、H>Hc2
なつているため、第2のスイツチング用磁性の磁化が外
部磁界Hの方向に反転される。よつて、第1層には、H
E3=H+4πM2(>0)なる記録磁界HE3が作用する。
このとき、記録層は、当然そのキユリー温度T1以上に昇
温されて保磁力Hc1がほぼ零になつているため、Hc1<H
E3となつて、記録層のレーザ照射部が、以前の磁化の向
きに無関係に、外部磁界Hの方向に磁化される。この場
合にも、レーザパワーを切り、光磁気記録膜の温度を室
温まで降温すると、4πM3<Hc1,および4πM1<Hc3
関係から、記録層に書き込まれた情報が安定に保たれ
る。
第2のスイツチング用磁性層は、 4π(M3−M1)>Hc2の関係から、そのキユリー温度T3
近傍まで昇温されて保磁力Hc3が外部磁界より小さくな
つた場合にも、磁化の向きは外部磁界と逆の向きに保た
れる。従つて、降温過程とともにこの第2のスイツチン
グ用磁性層の磁化による磁界が大きくなり、4πM3>Hc
2となつた段階で、第1のスイツチング用磁性層の磁化
が第2のスイツチング用磁性層の磁化の向き(外部磁界
と反対の向き)に再度反転され、次の記録が可能にな
る。
以上のように、適当な大きさの外部磁界を印加しつつレ
ーザパワーを切り換えることによつて、情報をオーバー
ライトすることができる。
〔実施例〕
まず、本発明に係る光磁気記録媒体の膜構造の一例を第
1図に基づいて説明する。
第1図は光磁気記録媒体の膜構造を模式的に示す断面図
であつて、基板1の案内溝2の形成面にエンハンス膜3
が被着され、このエンハンス膜3上に記録層4aと第1の
スイツチング用磁性層4bと第2のスイツチング用磁性層
4cとから成る3層構造の光磁気記録膜4が積層され、さ
らに、この第3層4c上に保護膜5が被着されている。
基板1は、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタク
リレート、ポリメチルペンテン、エポキシなどの透明樹
脂や、ガラスなどの透明セラミツクス材料から成り、そ
の片面にトラツキング用の案内溝やプリピツト列などの
信号パターン2が形成されている。
エンハンス膜3は、見掛け上のカー回転角を大きくする
ものであつて、例えばSi3N4,SiN,AlN,ZnS,SiO,Al2O3
どの誘電体をもつて形成される。このエンハンス膜3
は、前記信号パターン2上に約850Åの厚さにスパツタ
リングされる。
記録膜4の記録層4aは、テルビウムを23原子%、鉄を69
原子%、コバルトを8原子%含有するテルビウム−鉄−
コバルト系の非晶質垂直磁化膜から成り、前記エンハン
ス膜3上に約500Åの厚さにスパツタリングして成る。
記録膜4の第1のスイツチング用磁性層4bは、テルビウ
ムを20原子%、鉄を60原子%、コバルトを20原子%含有
するテルビウム−鉄−コバルト系の非晶質垂直磁化膜か
ら成り、前記記録膜4の第1層4a上に約500Åの厚さに
スパツタリングして成る。
記録膜4の第2のスイツチング用磁性層4cは、テルビウ
ムを31原子%、鉄を57原子%、コバルトを12原子%含有
するテルビウム−鉄−コバルト系の非晶質垂直磁化膜か
ら成り、前記記録膜4の第2層4b上に約500Åの厚さに
スパツタリングして成る。このように、この第2のスイ
ツチング用磁性層4bは希土類元素であるテルビウムが補
償組成よりもリツチになつており、キユリー温度近傍
で、保磁力が外部磁界よりも小さくなつた場合にも、外
部磁界によつて磁化が反転することがない。
前記記録膜4を構成する記録層4a、第1のスイツチング
用磁性層4b、第2のスイツチング用磁性層4cは、テルビ
ウムと鉄とコバルトの各ターゲツトが内装されたスパツ
タ装置内にエンハンス膜3が被着された基板1を収納
し、この基板1を回転駆動しつつ前記各ターゲツトに投
入するパワーを適宜調整することによつて所定の組成お
よび厚さに成膜される。なお、本実施例においては、記
録層4a、第1のスイツチング用磁性層4b、第2のスイツ
チング用磁性層4cをそれぞれ同一元素の合金によつて構
成し、第1のスイツチング用磁性層4bおよび第2のスイ
ツチング用磁性層4cのコバルトの濃度を記録層4aのコバ
ルト濃度よりも大きくすることによつて各層のキユリー
温度の調整をしている。このように、同一元素の組合せ
で3層の膜を形成すると、成膜途中でターゲツトを交換
する必要がないので、成膜効率、ひいては光磁気記録媒
体の量産性を向上することができる。
下表に、前記記録層4a、第1のスイツチング用磁性層4
b、第2のスイツチング用磁性層4cのキユリー温度、室
温での保磁力、及び磁化を掲げる。なお、この表におい
て、第1SW層は第1のスイツチング用磁性層を、また、
第2SW層は第2のスイツチング用磁性層を示している。
上表から明らかなように、記録層のキユリー温度をT1
保磁力をHc1、磁化をM1、第1のスイツチング用磁性層
のキユリー温度をT2、保磁力をHc2、磁化をM2、第2の
スイツチング用磁性層のキユリー温度をT3、保磁力をHc
3、磁化をM3としたとき、前記各層の磁気特性は、 T1<T3<T2 4πM1<Hc3 4πM3<Hc1<Hc3 4π(M3−M1)>Hc2 なる関係を満たしている。
保護膜5は、前記エンハンス膜3と同様に、例えばSi3N
4,SiN,AlN,ZnS,SiO,Al2O3などの誘電体から成り、前記
第2のスイツチング用磁性層4c上に約1000Åの厚さにス
パツタリングされる。
以下、この実施例の光磁気記録媒体の動作を第2図乃至
第4図に基づいて説明する。
第2図は、第1のスイツチング用磁性層4bおよび第2の
スイツチング用磁性層4cの磁化によつて発生する磁界と
外部磁界との合成された磁界の強さを示すグラフであつ
て、縦軸に磁界の強さ、横軸に光磁気記録膜4に負荷さ
れる温度を目盛つてある。
このグラフにおいて、直線11は外部磁界の強さ、実線に
て表わした曲線12は第2のスイツチング用磁性層4cの磁
化により発生する磁界の強さ、1点鎖線にて表わした曲
線13はこれら外部磁界の強さと第2のスイツチング用磁
性層4cの磁化により発生する磁界の強さの合成和を示し
ている。曲線13から明らかなように、外部磁界の強さと
第2のスイツチング用磁性層4cの磁化により発生する磁
界の強さの合成された磁界の強さは、約200℃で磁界の
向きが反転する。
破線にて表わした曲線14は、これら外部磁界の強さと、
第2のスイツチング用磁性層4cの磁化により発生する磁
界の強さと、第1のスイツチング用磁性層4bの磁化によ
り発生する磁界の強さとの合成和(以下、スイツチング
磁界という。)を示している。
すなわち、曲線A−H−B−Cは、第2のスイツチング
用磁性層4cがそのキユリー温度(250℃)まで昇温され
る以前のスイツチング磁界を示す。第2のスイツチング
用磁性層4bがそのキユリー温度まで昇温されると、第2
のスイツチング用磁性層4cの磁化力がほぼ零になり、外
部磁界の強さと第2のスイツチング用磁性層4cの磁化に
より発生する磁界の強さの合成和(曲線13)が第1のス
イツチング用磁性層4bの保持力(0.5Oe)よりも大きく
なつた段階で、第1のスイツチング用磁性層4bの磁化の
向きが反転する。よつて、スイツチング磁界が曲線C−
D−Eと変化する。
叙上のように、第2のスイツチング用磁性層4cは補償組
成よりもテルビウムがリツチになつており、キユリー温
度近傍でその保磁力が外部磁界よりも小さくなつても磁
化の向きは外部磁界と逆に向いたままである。従つて、
降温過程においては、スイツチング磁界が曲線E−D−
F−Gと変化する。
そして、外部磁界の強さと第2のスイツチング用磁性層
4cの磁化により発生する磁界の強さの合成和(曲線13)
が第1のスイツチング用磁性層4bの保持力Hc2(0.5Oe)
よりも大きくなつた段階で、第1のスイツチング用磁性
層4bの磁化の向きが再度外部磁界と逆の向きに反転す
る。よつて、スイツチング磁界が曲線G−H−Aと変化
して室温に戻る。
かように、光磁気記録膜4を叙上のような3層構造にす
ると、200℃前後で磁界強さが正負の2値をもち、かつ
ヒステリシス動作をする磁界のスイツチング動作が得ら
れる。
次に、第3図を用いて、記録層4aに印加される磁界の強
さについて説明する。第3図は、記録層4aの保磁力の温
度特性と、スイツチング磁界(曲線14)の温度変化を示
すグラフで、縦軸に磁界の強さ、横軸に温度を目盛つて
ある。このグラフにおいて、曲線15は記録層4aの正側の
保磁力の温度変化を示し、また曲線15aは記録層4aの負
側の保磁力の温度変化を示している。
室温近傍では、記録層4aの正側の保磁力および負側の保
磁力とも、スイツチング磁界よりも絶対値が大きく、ス
イツチング磁界によつて記録層の磁化が反転されること
がなく、記録層4aに情報が書き込まれている場合には、
安定に保たれることが判る。
ここで、記録層4aをそのキユリー温度T1(約200℃)近
傍で、しかもキユリー温度T1を超えない温度範囲まで昇
温可能な小パワーのレーザビームを照射すると、記録層
4aの負側の保磁力は曲線15aに沿って低下し、スイツチ
ング磁界14よりも絶対値が小さくなり、記録層4aの磁化
は以前の磁化状態にかかわらず、スイツチング磁界の向
き、すなわち負の向きに磁化される。降温過程では、ス
イツチング磁界は負のままであるから、記録層4aの磁化
も負に保たれ、情報を安定に保存することができる。
また、第2のスイツチング用磁性層4cをそのキユリー温
度T3(250℃)近傍まで昇温可能な大パワーのレーザビ
ームを照射すると、スイツチング磁界は負から正に転
じ、さらに記録層4aの保磁力はスイツチング磁界より小
さくなるため、記録層4aは正に磁化反転する。降温過程
において、スイツチング磁界は負に転ずるが、このとき
既に記録層4aの正側の保磁力の絶対値がスイツチング磁
界よりも大きくなるため、記録層4aの磁化がかつてに反
転することがなく、情報は安定に保たれる。
従つて、第4図に示すように、情報信号の“1"に対応し
て大パワーのレーザビームを、また情報信号の“0"に対
応して小パワーのレーザビームを照射することによつ
て、情報信号の“1",“0"に対応した反転磁区を形成す
ることができる。なお、前記記録層4aに記録された情報
を読み出す場合には、第4図に示すように、記録層4aの
磁界の低下が問題にならない程度の小パワーのレーザビ
ーム(直線偏光)を照射することによつて行うことがで
きる。
以上のように、前記実施例の光磁気記録媒体は、以前の
磁化状態にかかわらず新たな情報を書き込むことができ
るので、新たな情報の書き込みに先立つて先に書き込ま
れた情報を消去することがなく、情報のオーバーライト
を実現することができる。この場合、記録用レーザパワ
ーを適宜切り換えるだけで情報をオーバーライトするこ
とができるので、外部磁界が巨大化したり、制御装置等
が複雑化、高コスト化するといつた不都合を解消するこ
とができる。
なお、前記実施例においては、光磁気記録膜としてテル
ビウム−鉄−コバルト系の記録膜を用いた場合について
説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものでは
ない。例えば、テルビウム−鉄−コバルト系以外の任意
の希土類−遷移金属系の光磁気記録膜、あるいはマンガ
ン−ビスマス系の光磁気記録膜、もしくは、これらに磁
気特性や耐食性を調整するための元素が添加されたもの
など、公知に属する任意の光磁気記録膜を適用すること
ができる。また、前記実施例においては、記録層4a上に
積層される第1のスイツチング用磁性層4bを高キユリー
温度、低保磁力の磁性膜にて形成し、保護膜5側に積層
される第2のスイツチング用磁性層4cを高保磁力の磁性
膜にて形成した場合について説明したが、本発明の要旨
はこれに限定されるものではなく、これらの磁性層4b,4
cの磁気特性を逆にすることもできる。
また、本発明は、光磁気記録膜の構造とこれに含まれる
各層の相互の磁気特性に関するものであり、これ以外の
部分について、本発明の要旨が前記実施例のものに限定
されるものではない。
例えば、前記実施例においては、基板1の案内溝を形成
した場合について説明したが、案内溝に代えてサンプル
サーブ方式に適用するトラツキングピツトを形成するこ
ともできる。
また、前記実施例においては、保護膜5を例えばSi3N4
などのセラミツクスにて形成した場合について説明した
が、これに代えて、例えばアルミニウムやステンレス等
の金属材料を用いて保護膜を形成することもできる。こ
のようにすると、保護膜の高熱伝導性が向上し、光磁気
記録膜に負荷された熱が光磁気記録膜の積層方向に効率
よく伝播されるため、反転磁区を小径化することがで
き、また、反転磁区の形状を安定化することができる。
さらに、前記実施例においては、エンハンス膜3上に直
接記録膜4を積層した場合について説明したが、第5図
に示すように、エンハンス膜3と記録膜4との間に、保
磁力の小さなフアラデー膜21を介在させることもでき
る。このようにすると、再生用レーザビームの偏光面の
回転角を大きくすることができ、再生信号のS/Nを向上
することができる。
また、前記実施例においては、単板状の光磁気記録媒体
について説明したが、本発明の要旨はこれに限定される
ものではなく、第6図に示すように、光磁気記録膜4を
内側にして2枚の光磁気記録媒体を接着剤22を介して貼
り合せ、両面記録可能な光磁気記録媒体とすることもで
きる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の光磁気記録媒体は、以前
の磁化状態にかかわらず新たな情報を書き込むことがで
きるので、新たな情報の書き込みに先立つて先に書き込
まれた情報を消去することがなく、情報のオーバーライ
トを実現することができる。この場合、記録用レーザパ
ワーを適宜切り換えるだけで情報をオーバーライトする
ことができるので、外部磁界が巨大化したり、制御装置
等が複雑化、高コスト化するといつた不都合を解消する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
図面は全て本発明の実施例を示すものであつて、第1図
は第1実施例に係る光磁気記録媒体を模式的に示す断面
図、第2図はスイツチング磁界の温度特性を示すグラ
フ、第3図はスイツチング磁界の温度特性と記録層の保
磁力の温度特性との関係を示すグラフ、第4図はレーザ
パワーと記録層に形成される反転磁区の関係を示すグラ
フ、第5図は第2実施例に係る光磁気記録媒体を模式的
に示す断面図、第6図は第3実施例に係る光磁気記録媒
体を模式的に示す断面図である。 1……基板、2……案内溝、3……エンハンス膜、4…
…光磁気記録膜、4a……記録層、4b……第1のスイツチ
ング用磁性層、4c……第2のスイツチング用磁性層、5
……保護層、11……外部磁界の大きさを表わす直線、12
……第1のスイツチング用磁性層の磁化によつて発生す
る磁界の大きさを表わす曲線、14……スイツチング磁界
を表わすヒステリシス、15,15a……記録層の磁化によつ
て発生する磁界の大きさを表わす曲線、21……フアラデ
ー膜、22……接着剤。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に光磁気記録膜を形成して成る光磁
    気記録媒体において、前記光磁気記録膜を磁気的に結合
    した3つの層から構成し、これら3つの層のうちレーザ
    ビーム入射側の層を記録層、残る2つの層のうちいずれ
    か1つの層を第1のスイツチング用磁性層、残る1つの
    層を第2のスイツチング用磁性層とし、記録層のキユリ
    ー温度をT1、保磁力をHc1、磁化をM1、第1のスイツチ
    ング用磁性層のキユリー温度をT2、保磁力をHc2、磁化
    をM2、第2のスイツチング用磁性層のキユリー温度を
    T3、保磁力をHc3、磁化をM3としたとき、前記各層の磁
    気特性を以下のように調整したことを特徴とする光磁気
    記録媒体。 T1<T3<T2 4πM1<Hc3 4πM3<Hc1<Hc3 4π(M3−M1)>Hc2
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の光磁気記録媒
    体において、前記光磁気記録膜を、希土類−遷移金属系
    の非晶質垂直磁化膜にて形成したことを特徴とする光磁
    気記録媒体。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の光磁気記録媒
    体において、前記第2のスイツチング用磁性層を、補償
    点組成よりも希土類リツチにしたことを特徴とする光磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第2項記載の光磁気記録媒
    体において、前記遷移金属として少なくともコバルトを
    含むことを特徴とする光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第4項記載の光磁気記録媒
    体において、前記第1のスイツチング用磁性層および第
    2のスイツチング用磁性層のコバルト濃度を、記録層の
    コバルト濃度よりも大きくしたことを特徴とする光磁気
    記録媒体。
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