JPH06223421A - 光磁気記憶素子 - Google Patents
光磁気記憶素子Info
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- JPH06223421A JPH06223421A JP5009459A JP945993A JPH06223421A JP H06223421 A JPH06223421 A JP H06223421A JP 5009459 A JP5009459 A JP 5009459A JP 945993 A JP945993 A JP 945993A JP H06223421 A JPH06223421 A JP H06223421A
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Abstract
成された透明基板1のグルーブ側の面に、室温で面内磁
気異方性が優位な面内磁化を示す一方、温度上昇に伴い
垂直磁気異方性が優位な垂直磁化に移行する読み出し層
3と、情報を記録する記録層4とがこの順で形成されて
おり、グルーブ上の読み出し層3および記録層4と、グ
ルーブ間のランド上の読み出し層3および記録層4とが
上下にほぼ分断されるように、グルーブの深さが設定さ
れている光磁気記憶素子。 【効果】 従来より小さい記録ビットの再生を行うこと
が可能になり、記録密度が著しく向上する。しかも、記
録時に形成される記録ビットが隣接トラックに広がりに
くくなるので、再生時のクロストークが低減する。
Description
気テープ、光磁気カード等の光磁気記憶素子に関するも
のである。
ィスクとして研究開発が進められており、その一部は既
に、コンピューター用の外部メモリーとして実用化され
ている。
ディスクでは、光を利用して記録再生を行うため、面内
磁化膜を用いたフロッピーディスクあるいはハードディ
スクに比べて、大記録容量を実現できる。
するには、記録媒体上の光ビームスポット径を小さくす
ればよい。光ビームスポット径を小さくする方法として
は、光ビームの波長を短くする方法がある。
としての半導体レーザーの発振波長を短くすることは現
状では困難であるので、光磁気ディスクの記録密度をさ
らに大きくできないという問題点を有している。
磁気記憶素子は、上記の課題を解決するために、光ビー
ムを案内するグルーブが一方の面に形成された透明基体
のグルーブ側の面に、室温で面内磁気異方性が優位な面
内磁化を示す一方、温度上昇に伴い垂直磁気異方性が優
位な垂直磁化に移行する読み出し層と、情報を記録する
記録層とがこの順で形成されており、グルーブ上の読み
出し層および記録層と、グルーブ間のランド上の読み出
し層および記録層とが上下にほぼ分断されるように、グ
ルーブの深さが設定されていることを特徴としている。
上記の課題を解決するために、上記のグルーブの深さが
130〜280nmであることを特徴としている。
出し層に光ビームが照射されると、照射された部位の温
度分布は、ほぼガウス分布になるので、光ビームスポッ
トの径より小さい中心近傍領域の温度が周囲の領域の温
度より上昇する。
化は、面内磁化から垂直磁化に移行する。この時、読み
出し層及び記録層の2層間の交換結合力により、記録層
の磁化の向きに読み出し層の磁化の向きが従う。
行すると、温度上昇部位のみが極カー効果を示すように
なり、該部位からの反射光に基づいて情報が再生され
る。
トを再生するときは、先の再生部位の温度は低下し、垂
直磁化から面内磁化に移行するため、極カー効果を示さ
なくなる。このことは、記録層に記録された磁化が読み
出し層の面内磁化によりマスクされて読み出されないと
いうことを意味している。これにより、雑音の原因とな
り、再生の分解能を低下させる隣接記録ビットからの信
号混入がなくなる。
光ビームスポットの径より小さい中心近傍領域のみを再
生に関与させるので、従来より小さい記録ビットの再生
を行うことが可能になり、記録密度が著しく向上する。
録層と、グルーブ間のランド上の読み出し層および記録
層とが上下にほぼ分断されるように、グルーブの深さを
設定したので、記録時に形成される記録ビットが隣接ト
ラックに広がりにくくなる。
るので、トラックピッチをより小さくすることが可能に
なり、さらなる高密度記録を行うことができる。
の深さを130〜280nmにしたので、請求項1の作
用に加え、強いトラッキング誤差信号が得られる。これ
により、高密度記録時においても安定したトラッキング
が可能となる。
づいて説明すれば、以下の通りである。
子)は、図1に示すように、基板1(基体)、透明誘電
体層2、読み出し層3、記録層4、保護層5、オーバー
コート層6がこの順に積層された構成を有している。
金属合金は、図2の磁気状態図に示すように、垂直磁化
を示す組成範囲(図中、Aで示す)は非常に狭い。これ
は、希土類金属と遷移金属のモーメントがつりあう補償
組成(図中、Pで示す)の近辺でしか垂直磁化が現れな
いからである。
は、それぞれの温度特性が異なり、高温では遷移金属の
磁気モーメントが希土類金属に比べて大きくなる。この
ため、室温の補償組成よりも希土類金属の含有量を多く
しておき、室温では垂直磁化を示さずに面内磁化を示す
ようにしておく。この場合、光ビームが照射されること
により、照射部位の温度が上昇すると、遷移金属の磁気
モーメントが相対的に大きくなって、希土類金属の磁気
モーメントとつりあうようになり、垂直磁化を示すよう
になる。
リシス特性の一例を示しており、横軸は、読み出し層3
の膜面に垂直方向に印加される外部磁界(Hex )であ
り、縦軸は、同じく膜面に垂直な方向から光を入射させ
た場合の極カー回転角(θk )である。
の読み出し層3の、室温から温度T1 までの間のヒステ
リシス特性を示しており、図4ないし図6は、それぞ
れ、温度T1 から温度T2 までのヒステリシス特性、温
度T2 から温度T3 までのヒステリシス特性、及び温度
T3 からキュリー温度Tc までのヒステリシス特性を示
している。
部磁界に対して極カー回転角の立ち上がりが急峻なヒス
テリシス特性を示すが、それ以外の温度範囲では極カー
回転角はほとんど0である。
出し層3に使用することで、光磁気ディスクの記録密度
を高くなる。すなわち、光ビームの大きさよりも小さな
記録ビットの再生が可能になる。これについて、以下に
説明する。
光レンズ8を介して再生光ビーム7が読み出し層3に照
射される。再生光ビーム7が照射された読み出し層3の
部位は、その中心部近傍が最も温度が上昇し、周辺の部
位の温度よりも高くなる。これは、再生光ビーム7が、
集光レンズ8により回折限界まで絞り込まれているた
め、その光強度分布がガウス分布になり、光磁気ディス
ク上の再生部位の温度分布もほぼガウス分布になるから
である。
位の温度がT1 以下になるように再生光ビーム7の強度
が設定されている場合、T1 以上の温度を有する領域の
みを再生に関与させるので、再生光ビーム7の径よりも
小さな記録ビットの再生を行え、記録密度は著しく向上
することになる。
化は、面内磁化から垂直磁化に移行する(極カー回転角
のヒステリシス特性は図3から図4もしくは図5に移行
する)。この時、読み出し層3及び記録層4の2層間の
交換結合力により、記録層4の磁化の向きが読み出し層
3に転写される。一方、再生光ビーム7の中心近傍に対
応した領域以外の、周辺部位では温度がT1 以下である
ため、面内磁化の状態(図3)が保持される。この結
果、膜面に垂直方向から照射された再生光ビーム7に対
しては、極カー効果を示さない。
から垂直磁化に移行すると、再生光ビーム7の中心近傍
のみが極カー効果を示すようになり、該部位からの反射
光に基づいて、記録層4に記録された情報が再生され
る。
気ディスクが回転して)、次の記録ビットを再生する時
は、先の再生部位の温度はT1 以下に下がり、垂直磁化
から面内磁化に移行する。これに伴い、この温度が低下
した部位は極カー効果を示さなくなる。従って、該温度
の低下した部位からは情報が再生されなくなり、雑音の
原因である隣接記録ビットからの信号混入がなくなる。
を用いれば、再生光ビーム7の径よりも小さい記録ビッ
トの再生を確実に行え、隣接する記録ビットの影響を受
けないため、記録密度を著しく高めることが可能であ
る。
を示す。
1.2mmの円盤状のガラスからなっている。基板1の片
側の表面には、図示していないが、光ビーム案内用の凹
凸状のガイドトラックが、ピッチが1.6μm、グルー
ブ(凹部)の幅が0.8μm、ランド(凸部)の幅が
0.8μmで形成されている。グルーブの深さは200
nmに設定されている。
側の面に、透明誘電体層2として、A1Nが厚さ80n
mで形成されている。
て、希土類遷移金属合金薄膜であるGdFeCoが、厚
さ50nmで形成されている。GdFeCoの組成は、
Gd0. 26(Fe0.82Co0.18)0.74であり、そのキュリ
ー温度は約300℃である。
類遷移金属合金薄膜であるDyFeCoが、厚さ50n
mで形成されている。DyFeCoの組成は、Dy0.23
(Fe0.78Co0.22)0.77であり、そのキュリー温度は
約200℃である。
せにより、読み出し層3の磁化の方向は、室温ではほぼ
面内(つまり、読み出し層3の層方向)にあり、100
〜125℃程度の温度で面内方向から垂直方向に移行す
る。
が厚さ20nmで形成されている。
て、ポリウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂
が、厚さ5μmで形成されている。
造された。
は、反応性イオンエッチング法により形成された。
及び保護層5は、いずれもスパッター法により、同一ス
パッター装置内で、真空を破らずに形成された。透明誘
電体層2及び保護層5のA1Nは、A1ターゲットをN
2 ガス雰囲気中でスパッターする反応性スパッター法に
より形成された。読み出し層3及び記録層4は、FeC
o合金ターゲット上にGdあるいはDyのチップを並べ
た、いわゆる複合ターゲット、若しくはGdFeCo及
びDyFeCoの3元合金ターゲットを用いて、Arガ
スでスパッターすることにより形成された。
よりポリウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を
塗布した後、紫外線照射装置で紫外線を当て、硬化させ
ることにより形成された。
た、動作確認結果を説明する。
せにより、読み出し層3の磁化の方向は、室温ではほぼ
面内にあり、100〜125℃程度の温度で面内方向か
ら垂直方向に移行する。
ステリシス特性を、温度を変えて測定した結果を表す図
である。図7は、室温(25℃)でのヒステリシス特性
であり、外部磁界(Hex )がゼロのときの極カー回転角
は、ほとんどゼロである。これは、磁化の方向が膜面に
垂直な方向にはほとんどなく、面内方向にあることを示
している。図8は、120℃でのヒステリシス特性であ
る。外部磁化がゼロのときでも、0.5deg程度の極
カー回転角があり、垂直磁化に移行していることがわか
る。
光ピックアップを用いて動的な測定を行った結果を説明
する。尚、測定に使用した光ピックアップの半導体レー
ザーの波長は780nm、対物レンズの開口数(N.
A.)は0.55である。
5mmの位置のランド部に、回転数1800rpm (線速5
m/sec )の下で、0.765μmの長さの単一周波数
記録ビットを予め記録した。記録は、まず、記録層4の
磁化の方向を一方向に揃えて(消去状態)から、記録用
外部磁界の方向を消去方向とは逆方向に固定しておい
て、0.765μmの長さに相当する記録周波数(この
場合は、約3.3MHz )でレーザーを変調することで行
った。記録レーザーパワーは、8mW程度であった。
変えて再生して、再生信号波形の振幅を調べた結果を図
9に示す。横軸が再生レーザーパワーであり、0.5m
Wから3mWの範囲で測定した。縦軸が再生信号振幅を
示しており、再生レーザーパワーが0.5mWの時の振
幅で規格化して示している。
ディスクでの結果であり、図中、Bと記した曲線は、比
較のために作製し測定を行った従来の光磁気ディスクの
結果である。
じガラスの基板1上に、A1Nを80nm、DyFeC
oを20nm、A1Nを25nm、A1Niを30nm
をこの順に積層し、A1Ni上に上記と同じオーバーコ
ート層を設けた構成になっている。
類遷移金属合金であるDyFeCo磁性層が1層だけあ
り、その両側を透明誘電体層であるA1Nでサンドイッ
チし、最後に反射膜であるA1Niを設けた構造であ
る。この構造は、反射膜構造と呼ばれ、既に市販がなさ
れている3.5インチサイズ単板仕様の光磁気ディスク
の代表的な構成である。また、周知の如く、従来の光磁
気ディスクにおけるDyFeCoからなる記録層は、室
温から高温まで垂直磁化を有している。
直線は、0点(原点)と0.5mWでの振幅規格値を結
んだ直線であり、光磁気信号の再生信号振幅と再生レー
ザーパワーとの関係を表す直線である。
カー回転角 この式で、媒体反射光量は、再生レーザーパワーに比例
して増加するものであるから、再生レーザーパワーで置
き換えることができる。
(B)が、この直線より下にあるのは次の理由による。
すなわち、再生レーザーパワーを上げると媒体反射光量
はそれにつれて増加するが、一方で記録媒体の温度が上
昇する。磁性体の磁化は、一般には温度が上がるにつれ
減少し、キュリー温度でゼロになる性質を持っている。
したがって、従来の光磁気ディスクにおいては、温度が
上昇するにつれ極カー回転角が小さくなるため、図中の
直線には乗らず、下側になる。
果曲線(A)は、再生レーザーパワーが上がるにつれ、
急激に信号振幅が上昇し、2 〜2.25mW程度で振幅が最
大になっている。また、3mWでの値以外は、全て上記
直線より上側にあり、再生レーザーパワーの増加分以上
の振幅の増加が得られていることがわかる。この結果
は、温度が低い時には極カー回転角がほとんど無く、温
度上昇に伴い急激に面内磁化から垂直磁化に移行してく
るという、読み出し層3の特性を反映しており、その動
作を裏付けるものである。
場合の再生信号品質を調べた結果について説明する。
5m/secにしておいて、記録周波数を変えて記録を行
い、そのC/Nを測定した。光ピックアップ及び記録方
法は、先の実験と同じである。なお、再生レーザーパワ
ーは 2.25 mWとした。比較のため、先の実験と同じく
従来の光磁気ディスクについてもC/Nを測定した。こ
のときの再生レーザーパワーは1mWとした。
ビットにおいては、両者のC/Nにほとんど差はない
が、0.6 μm以下になると、従来の光磁気ディスクでは
急激にC/Nが低下した。これは、記録ビット長さが小
さくなるにつれ、光ビームの照射径の中に存在する記録
ビットの数(面積)が増え、ひとつひとつの記録ビット
を識別できなくなるからである。
の指標として、カットオフ空間周波数があり、これは、
光源であるレーザーの波長と対物レンズの開口数により
定まる。本実験に用いた光ピックアップにおけるレーザ
ーの波長と対物レンズの開口数(それぞれ780nm、
0.55) を用いて、カットオフ周波数を求め、これを
記録ビット長さに換算すると、 780nm/(2*0.55)/2 = 0.355μm になる。言い換えると、本実験に用いた光ピックアップ
の光学的分解能の限界は、記録ピット長さで0.355 μm
である。上記の従来の光磁気ディスクの結果はこのこと
を反映して、0.35μm でのC/Nがほぼゼロになった。
録ビット長さが短くなるにつれてC/Nは減少するもの
の、光学的分解能である0.355 μm よりも短い記録ビッ
トにおいても30dB近いC/Nが得られた。
クを用いることで、光学的解析限界より小さな記録ビッ
トの再生が行なえることが確認された。これにより、従
来の光磁気ディスクに比べて、記録ビット密度を大きく
向上させることが可能である。
て、もうひとつの重要な効果であるクロストーク量につ
いて調べた結果について説明する。
えば、ランド仕様であれば、ランドの幅をできるだけ広
く取り、グルーブを狭くしたガイドトラックを形成し
て、ランド部のみを記録、再生に用いる。したがって、
ランド仕様の光磁気ディスクでのクロストークとは、任
意のランドを再生している場合に、両隣のランドに書か
れた記録ビットからの漏れのことである。グルーブ仕様
の光磁気ディスクでのクロストークとは、任意のグルー
ブを再生している場合に、両隣のグルーブに書かれた記
録ビットからの漏れのことである。
5.25”書き換え型光ディスクについて定めた規格)に
おいては、1.6μm ピッチのガイドトラックにおいて、
最短記録ビット(0.765μm )に対するクロストーク
量が−26dB以下であるように定められている。
に定められたクロストーク測定法に基づき、0.765μ
m の記録ビットに対するクロストーク量を測定した。た
だし、本実施例の光磁気ディスクの効果を確かめるた
め、トラックピッチ1.6 μm 、ランド幅とグルーブ幅が
同じ0.8 μm である前述のガラスの基板1において、グ
ルーブの深さを200nmにした本実施例の光磁気ディ
スクと、グルーブの深さを70nmにした光磁気ディス
クについて、ランド部を再生したときの両隣接グルーブ
からのクロストーク量を測定し、比較した。
は、従来の光磁気ディスクに比べて、クロストーク量が
3dB以上改善された。
にしたとき、クロストーク量が低減した理由について、
図10ないし図12に基づいて説明する。
ディスクでは、図10に示すように、グルーブ上の読み
出し層3および記録層4と、グルーブ間のランド上の読
み出し層3および記録層4とが上下にほぼ分断されてい
る。このため、グルーブ上の読み出し層3および記録層
4と、グルーブ間のランド上の読み出し層3および記録
層4との間で、熱が伝導しにくい。つまり、隣接トラッ
クに熱が伝導しにくい。
記録した場合、図12(a)に示すように、記録ビット
はランドに沿って広がるが、隣のグルーブには広がらな
い。
磁気ディスクでは、図11に示すように、グルーブ上の
読み出し層3および記録層4と、グルーブ間のランド上
の読み出し層3および記録層4とが上下にほぼ分断され
ない。このため、グルーブ上の読み出し層3および記録
層4と、グルーブ間のランド上の読み出し層3および記
録層4との間で、熱が伝導しやすい。つまり、隣接トラ
ックに熱が伝導しやすい。 したがって、図12(b)
に示すように、記録ビットはランドに沿って広がると共
に、隣のグルーブにも広がる。
した光磁気ディスクでは、グルーブの深さを70nmに
した光磁気ディスクと比較して、クロストーク量が小さ
くなる。
は、グルーブの深さが次式を満足するように設定されて
いるとき、最大になる。
は透明基板の屈折率であり、kは自然数(1,2,3,
・・・)である。
90nmになる。このとき、トラッキング誤差信号の強
度が最大になり、安定したトラッキングが可能になる。
4〜1.55の場合、160nm≦d≦215nmにな
る。このとき、トラッキング誤差信号の強度が最大にな
り、安定したトラッキングが可能になる。
グルーブ上の読み出し層3および記録層4と、グルーブ
間のランド上の読み出し層3および記録層4とを上下に
ほぼ分断でき、かつ、トラッキング誤差信号の強度が大
きくなるようにすればよい。これを考慮すると、グルー
ブの深さを130nm≦d≦280nmに設定すること
が好ましい。
録層4の各層の膜厚に応じて、上記分断の程度が変化す
るので、グルーブの深さを設定する場合、これについて
も考慮することが好ましい。
0.26(Fe0.82Co0.18)0.74に限定されるものではない。読
み出し層3は、室温でほぼ面内磁化を有し、室温以上の
温度で面内磁化から垂直磁化に移行すれば良い。希土類
遷移金属合金においては、希土類と遷移金属の比率を変
えれば、希土類と遷移金属の磁化が釣り合う補償温度が
変わる。GdFeCoはこの補償温度付近で垂直磁化を示す材
料系であることからGdとFeCoの比率を変えて補償温度を
変えてやれば、面内磁化から垂直磁化に移行する温度も
これにつれて変わる。
おいてX、すなわちGdの組成を変えた場合の補償温度及
びキュリー温度を調べた結果である。
範囲は、同図からあきらかなようにXが0.18以上であ
る。このうち、好ましくは、0.19<X<0.29の範囲であ
る。この範囲であれば、読み出し層3上に記録層4を積
層した実使用構成において、面内から垂直方向に磁化の
向きが移動する温度が室温〜200℃程度の範囲とな
る。この温度があまり高すぎると、再生用のレーザーパ
ワーが記録用のレーザーパワーと同じくらい高くなって
しまうので、記録層4に記録が行われて記録情報が乱さ
れる恐れがある。
比率を変えた場合、すなわち、GdX(Fe1-YCoY )1-Xにお
いて、Yを変えた場合における、特性(補償温度及びキ
ュリー温度)の変化について説明する。
Fe1-X の特性を示す図である。同図において、例えば、
Gd組成がX=0.3 の場合、補償温度は約120℃で、キュ
リー温度は約200℃である。
Co1-X の特性を示す図である。同図において、例えば、
Gd組成がX=0.3 の場合、補償温度は約220℃で、キュ
リー温度は約400℃である。
も、Co量が増えると、補償温度及びキュリー温度が上昇
することがわかる。
ほうが高いC/Nを得られるので、読み出し層3のキュ
リー温度は、高い方が有利である。ただし、あまりCo量
を増やし過ぎると、面内から垂直に磁化方向が移行する
温度も高くなるので注意が必要である。
1-XにおけるYの値は、0.1 <Y<0.5 の範囲が良い。
ら垂直磁化に移行する温度等の特性は、当然のことなが
ら、記録層4の組成、膜厚等の影響を受ける。これは、
両層の間に磁気的な交換結合力が働くからである。した
がって、記録層4の材料、組成、膜厚により、読み出し
層3の最適な組成、膜厚が変わる。
スクの読み出し層3の材料としては、面内磁化から垂直
磁化への急峻であるGdFeCoが最適であるが、以下に述べ
る希土類遷移金属合金でも、同様の効果が得られる。
有しており、0.24<X<0.35の範囲で室温以上に補償温
度を有する。
有しており、0.20<X<0.35の範囲で室温以上に補償温
度を有する。
合、TbX (FeY Co1-Y )1-Xは、0.20<X<0.30(このと
き、Yは任意)の範囲で室温以上で補償温度を有する。
DyX (FeY Co1-Y )1-Xは、0.24<X<0.33(このとき、
Yは任意)の範囲で室温以上で補償温度を有する。HoX
(FeY Co1-Y )1-Xは、0.25<X<0.45(このとき、Yは
任意)の範囲で室温以上で補償温度を有する。
源である半導体レーザーの波長が、前述の780nm より短
くなった場合に、その波長での極カー回転角が大きな材
料も、本発明の読み出し層3の材料として好適である。
光ディスクにおいて、その記録密度を制限するのは光ビ
ームの大きさであり、これはレーザー波長と対物レンズ
の開口数により決まるものである。従って、今よりも波
長の短い半導体レーザーが出現すれば、それだけで光磁
気ディスクの記録密度は向上する。現在では、既に670
〜680nm の波長の半導体レーザーがほぼ実用化レベルに
あり、波長400nm 以下のSHG レーザーも精力的に研究が
進められている。
長依存性を有しており、一般には、波長が短くなると、
極カー回転角は減少してしまう。短波長で極カー回転角
の大きい膜を用いると、信号強度が大きくなり高品質の
再生信号が得られることになる。
のうち少なくとも1種類の元素を微量添加することで、
読み出し層3として要求される特性をほとんど損なわず
に、短波長での極カー回転角を増加することができ、短
波長レーザーを用いた場合でも高品質な再生信号が得ら
れる光磁気ディスクを提供できる。
のCr,V,Nb,Mn,Be,Niのうち少なくとも1種類の元素を添
加することで、読み出し層3自体の耐環境性が向上す
る。すなわち、水分、酸素侵入による読み出し層3の材
料の酸化による特性の劣化を少なくし、長期信頼性に優
れた光磁気ディスクを提供できる。
の膜厚を50nmとしたが、膜厚はこれに限定されるもので
はない。情報の記録再生は、図1の通り、読み出し層3
側からなされるが、読み出し層3の膜厚が薄すぎると、
記録層4の情報が透けてしまう。すなわち、読み出し層
3の面内磁化によるマスク効果が小さくなる。
録層4の影響を受けるため、各々の材料、組成によって
読み出し層3の膜厚は変わってくるが、読み出し層3の
厚みとしては、20nm以上が必要である。また、好適には
50nm以上であれば良く、あまり厚すぎると記録層の情報
が転写されなくなるので100nm 程度以下の膜厚が好適で
ある。
まで垂直磁化を示す材料で、そのキュリー温度が記録に
適した温度範囲、すなわち 150〜250 ℃程度であれば良
い。本実施例では、記録層4としてDyFeCoを採用した
が、DyFeCoは、その垂直磁気異方性が小さい材料であ
り、そのため、記録の際に必要な外部磁界が低くても記
録が行える。これは、特に、後述する磁界変調オーバー
ライト記録方式においては、非常に有利な点となり、記
録用外部磁界発生装置の小型化、低消費電力化が可能と
なる。
Co, GdDyFeCo, GdTbFeCoが記録層4に好適である。ま
た、上記の記録層4の材料に、Cr, V, Nb, Mn, Be, Ni
のうち少なくとも1種類の元素を添加すると、より長期
信頼性を向上させることができる。また、記録層4の膜
厚は、読み出し層3の材料、組成、膜厚との兼ね合いで
決まるものであるが、20nm程度以上で 100nm以下が好適
である。
定されるものではない。
を再生する際、読み出し層3からの極カー回転角を光の
干渉効果を利用して増大させる、いわゆるカー効果エン
ハンスメントを考慮して決定される。再生時の信号品質
(C/N)をできるだけ大きくさせるには、極カー回転
角を大きくさせることが必要であり、このため、透明誘
電体層2の膜厚は、極カー回転角が最も大きくなるよう
に設定される。
2の屈折率により変化する。本実施例の場合は、 780nm
の再生光波長に対して、屈折率 2.0のAlNを用いてい
るので、透明誘電体層2のAlNの膜厚を30〜 120nm程
度にすると、カー効果エンハンスメントの効果が大きく
なる。尚、好ましくは、透明誘電体層2のAlNの膜厚
は、70〜 100nmであり、この範囲であれば極カー回転角
がほぼ最大になる。
するものであったが、例えば波長が半分の 400nmの再生
光に対しては、透明誘電体層2の膜厚もほぼ半分にすれ
ば良い。
は製法により透明誘電体層2の屈折率が変わった場合
は、屈折率と膜厚を乗じた値(光路長)が同じになるよ
うに、透明誘電体層2の膜厚を設定すれば良い。
体層2のAlNの屈折率2と膜厚80nmを乗じた、 160nm
が透明誘電体層2の光路長となるが、このAlNの屈折
率が2から 2.5に変わった場合は、160nm/2.5=64nm程度
に膜厚を設定すれば良いことになる。
層2の屈折率は大きいほど、その膜厚は少なくて済む。
また、屈折率が大きいほど、極カー回転角のエンハンス
効果も大きくなる。
であるArとN2の比率、ガス圧力等を変えることにより、
その屈折率が変わるが、おおむね 1.8〜 2.1程度と比較
的屈折率が大きな材料であり、透明誘電体層2の材料と
して好適である。
エンハンスメントだけでなく、保護層5とともに読み出
し層3と記録層4の希土類遷移金属合金磁性層の酸化を
防止する役割がある。
酸化されやすく、特に希土類が酸化されやすい。このた
め外部からの酸素、水分侵入を極力防止しなければ、酸
化によりその特性が著しく劣化してしまう。
層3と記録層4の両側をAlNで挟み込む形の構成を取
っている。AlNは、その成分に酸素を含まない窒化膜
であり、非常に耐湿性に優れた材料である。
大きく、かつ透明であり、酸素をその成分に含まないの
で、長期安定性に優れた光磁気ディスクを提供できる。
加えて、A1ターゲットを用いて、N2ガスもしくはArと
N2の混合ガスを導入して反応性DC(直流電流)スパッ
タリングを行うことが可能であり、RF(高周波)スパ
ッターに比べて成膜速度が大きい点でも有利である。
較的屈折率が大きいSiN、AlSiN、AlTaN、
SiAlON、TiN、TiON、BN、ZnS、Ti
O2、BaTiO3 、SrTiO3 等が好適である。こ
のうち特にSiN、AlSiN、AlTaN、TiN、
BN、ZnSは、その成分に酸素を含まず、耐湿性に優
れた光磁気ディスクを提供することができる。
20nmとしたが、これに限定するものでは無い。保護層5
の膜厚の範囲としては、1 〜200nm が好適である。
層4の両磁性層あわせた膜厚は100nm であり、この膜厚
になると光ピックアップから入射された光はほとんど磁
性層を透過しない。したがって、保護層5の膜厚に特に
制限はなく、磁性層の酸化を長期に渡って防止するに必
要な膜厚であれば良い。酸化防止能力が低い材料であれ
ば膜厚を厚く、高ければ薄くすれば良い。
熱伝導率が、光磁気ディスクの記録感度特性に影響を及
ぼす。記録感度特性とは、記録、あるいは消去に必要な
レーザーパワーがどの程度必要かを意味する。光磁気デ
ィスクに入射された光はそのほとんどが、透明誘導体層
2 を通過し、吸収膜である読み出し層3・記録層4に吸
収されて、熱に変わる。このとき、読み出し層3・記録
層4の熱が透明誘導体層2 、保護層5に熱伝導により移
動する。したがって、透明誘導体層2 、保護層5 の熱伝
導率および熱容量(比熱) が記録感度に影響を及ぼす。
保護層5 の膜厚である程度制御できるということを意味
し、例えば、記録感度を上げる( 低いレーザーパワーで
記録消去を行える) 目的であれば保護層5 の膜厚を薄く
すれば良い。通常は、レーザー寿命を延ばすため、記録
感度はある程度高い方が有利であり、保護層5の膜厚は
薄い方が良い。
れるので、保護層5として用いた場合、膜厚を薄くする
ことができ、記録感度の高い光磁気ディスクを提供する
ことができる。
と同じAlNとすることで、耐湿性に優れた光磁気ディ
スクを提供でき、かつ保護層5と透明誘導体層2 を同じ
材料で形成することで、生産性も向上させることができ
る。AlNは、前述の通り、非常に耐湿性に優れた材料
であるので、比較的薄い膜厚である20nmに設定すること
ができる。生産性を考慮しても薄いほうが有利である。
また、保護層5の材料としては、AlN以外に、前述
の目的、効果を考慮すれば、上述の透明誘導体層2の材
料として用いられる、SiN、AlSiN、AlTa
N、SiAlON、TiN、TiON、BN、ZnS、
TiO2 、BaTiO3 、SrTiO3 が好適である。
ば生産性の点でも有利である。
TaN、TiN、BN、ZnSは、その成分に酸素を含
まず、耐湿性に優れた光磁気ディスクを提供することが
できる。
に、化学強化されたガラス、これらのガラス基板上に紫
外線硬化型樹脂層を形成した、いわゆる2P層付きガラ
ス基板、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタク
リレート(PMMA)、アモルファスポリオレフィン
(APO)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビフェニ
ール(PVC)、エポキシ等の基板1を使用することが
可能である。
場合、機械特性(光磁気ディスクの場合、面振れ、偏
心、反り、傾き等)に優れていること、硬度が大きく、
砂や埃により傷が付きにくいこと、化学的に安定なた
め、各種溶剤に溶けないこと、プラスチックに比べ帯電
しにくいので埃や塵が付着しにくいこと、化学的に強化
されているので割れにくいこと、耐湿性、耐酸化性、耐
熱性に優れているので、光磁気記録媒体の長期信頼性が
向上すること、光学特性に優れており、高い信号品質が
得られること等が利点として挙げられる。
化ガラスを用いた場合に、光ビーム案内用のガイドトラ
ック、及びアドレス信号等の情報を得るために予め基板
に形成されるプリピットと呼ばれる凹凸信号を基板上に
形成する方法としては、これらガラス基板表面を反応性
ドライエッチングすることにより形成される。また、2
P層と呼ばれる紫外線硬化型樹脂を照射して樹脂を硬化
させた後、スタンパーをはがして樹脂層上に上記のガイ
ドトラック、プリピット等を形成する方法がある。
できるため、同一の基板1を大量に、安価に供給できる
こと、ほかのプラスチックに比べ、吸水率が低いので、
光磁気記録媒体の長期信頼性が向上すること、耐熱性、
耐衝撃性に優れていることなどが利点として挙げられ
る。なお、この材料も含め、以下に述べる射出成型が可
能な材料については、ガイドトラック、プリピット等
は、射出成型時にスタンパーを成型金型表面に取り付け
ておけば、成型と同時に基板1の表面に形成される。
型ができるため、同一の基板1を大量に、安価に供給で
きること、他のプラスチックに比べ、複屈折が小さいの
で、光学特性に優れており、高い信号品質が得られるこ
と、耐久性に優れていること等が利点として挙げられ
る。
ができるため、同一の基板1を大量に、安価に供給でき
ること、他のプラスチックに比べ、吸水率が低いので、
光磁気記録媒体の長期信頼性が向上すること、複屈折が
小さいので、光学特性に優れており、高い信号品質が得
られること、耐熱性、耐衝撃性に優れていること等が利
点として挙げられる。
できるため、同一の基板1を大量に、安価に供給できる
こと、他のプラスチックに比べ、吸水率が低いので、光
磁気記録媒体の長期信頼性が向上すること等が利点とし
て挙げられる。
ができるため、同一の基板1を大量に、安価に供給でき
ること、他のプラスチックに比べ、吸水率が低いので、
光磁気記録媒体の長期信頼性が向上すること、難燃性で
あること等が利点として挙げられる。
ラスチックに比べ、吸水率が低いので、光磁気記録媒体
の長期信頼性が向上すること、熱硬化性樹脂であるた
め、耐熱性に非常に優れていること等が利点として挙げ
られる。
用することが可能であるが、それらの材料を光磁気ディ
スクの基板1として使用する場合、以下の光学特性、機
械特性を満足していることが望ましい。
復複屈折) 透過率 :90%以上 厚さ変動 :±0.1mm チルト :10mrad以下 面振れ加速度:10m/s2 以下 径方向加速度:3m/s2 以下 記録層4にレーザー光を集光するための光ピックアップ
は、基板1の屈折率に合わせて設計されるため、基板1
の屈折率の変動が大きくなるとレーザー光を十分に集光
することができなくなる。レーザー光の集光状態が変わ
ってくると記録媒体(つまり、読み出し層3と記録層
4)の温度分布が変化することになり、記録再生に影響
を及ぼす。本発明においては、再生時の記録媒体の温度
分布が特に重要となってくるため、使用する基板1の屈
折率を1.44〜1.62の範囲内に抑えることが望ま
しい。
せるため、基板1に複屈折が存在すると、レーザー光が
基板1を通過する際、その偏光状態が変わってしまう。
本発明は読み出し層3の磁化状態の変化をカー効果を利
用して偏光状態の変化として再生するため、基板1を通
過する際に偏光状態が変わってしまうと再生することが
できなくなってしまう。そのため、平行光で測定した際
の基板1の往復複屈折は100nm 以下であることが望まし
い。
ば記録時において、光ピックアップからの光ビームが基
板1を通過する際、その光量が減少してしまう。そのた
め、記録に必要である光量を記録媒体で得ようとする
と、より高出力なレーザー光源が必要となる。特に本発
明においては、記録媒体が記録層4と読み出し層3の2
層からなっており、従来の単層の(読み出し層3のな
い)記録媒体に比べて、記録媒体を昇温するためには、
より多くの光量を必要とするため、基板1の透過率は9
0%以上であることが望ましい。
めの光ピックアップは、基板1の厚さに合わせて設計さ
れるため、基板1の厚さの変動が大きくなるとレーザー
光を十分に集光することができなくなる。レーザー光の
集光状態が変わってくると記録媒体の温度分布が変化す
ることになり、記録再生に悪影響を及ぼす。本発明にお
いては、再生時の記録媒体の温度分布が特に重要となっ
てくるため、使用する基板1の厚さ変動を±0.1mm の範
囲内に抑えることが望ましい。
クアップからのレーザー光は、傾いた記録媒体面に集光
されることになり、チルトの状態に応じて集光状態が変
化することになり、基板1の厚さが変動した場合と同様
に、記録再生に悪影響を及ぼす。そのため、本実施例に
おいては、基板1のチルトを10mrad以下、もっと好まし
くは5mrad 以下とすることが望ましい。
下に移動した場合、光ピックアップはその上下動を補償
し記録媒体面にレーザー光を集光すべく動作するが、上
下動が大きくなり過ぎると光ピックアップの補償動作が
不完全なものとなり、記録媒体面でのレーザー光の集光
状態は不完全なものとなる。レーザー光の集光状態が不
完全なものとなると記録媒体の温度分布が変化すること
になり、記録再生に悪影響を及ぼす。本発明において
は、再生時の記録媒体の温度分布が特に重要となってく
るため、使用する基板の回転時の上下動については、そ
の面振れ加速度を10m/s2 以下に抑えることが望ま
しい。
6μmピッチで光ビーム案内用のガイドトラックが設け
られているが、ガイドトラックに偏心が存在すると、回
転時にガイドトラックは光ピックアップに対して半径方
向に移動することになる。この時、光ピックアップはそ
の半径方向の移動を補償しガイドトラックと一定の関係
を保つべくレーザー光を集光させるが、ガイドトラック
の半径方向への移動が大きくなり過ぎると光ピックアッ
プの補償動作が不完全なものとなり、ガイドトラックと
一定の関係を保った状態でレーザー光を集光させること
ができなくなる。本実施例においては、再生時の記録媒
体の温度分布が特に重要となってくるため、使用する基
板の回転時の半径方向への移動については、その径方向
加速度を3m/s2 以下に抑えることが望ましい。
所定の位置に導く方法として、スパイラル状、または、
同心円状のガイドトラックを利用した連続サーボ方式
と、スパイラル状、または、同心円状のピット列を利用
したサンプルサーボ方式が考えられる。
に、1.2〜1.6μmピッチで、0.2〜0.6μm
幅のグルーブが、λ/(8n)程度の深さで形成され、
ランド部分で情報の記録再生が行われるのが一般的であ
る。これはランド仕様の光磁気ディスクと呼ばれる。こ
こで、λはレーザビームの波長であり、nは使用される
基板の屈折率である。
することは十分に可能である。本発明においては、隣接
トラックの記録ビットのよるクロストークが大幅に低減
されることにより、例えば、ランド仕様の光磁気ディス
クにおいては、0.5〜1.2μmピッチで、0.1〜
0.4μm幅のグルーブを形成した場合でも、隣接記録
ビットからのクロストークに影響されることなく、記録
再生を行うことが可能になり、記録密度は大幅に向上す
る。
6μmピッチで、同一幅のグルーブとランドを形成し、
グルーブ部分とランド部分の両方で記録再生を行った場
合においても隣接トラックの記録ビットからのクロスト
ークに影響されることなく、グルーブ部分とランド部分
の両方で記録再生を行うことが可能となり、記録密度は
大幅に向上する。
8に示すように、1.2〜1.6μmピッチでもってウ
ォブルピットが(λ/(4n))程度の深さで形成さ
れ、レーザビームが常にウォブルピットの中心を走査す
るように情報の記録再生が行われるのが一般的である。
このような一般的な方式に本発明を適用することは十分
に可能である。本発明においては、隣接する記録ビット
からのクロストークが大幅に低減されることにより、
0.5〜1.2μmピッチで、ウォブルピットを形成し
た場合でも、隣接する記録ビットからのクロストークに
影響される事なく、記録再生を行うことが可能となり、
記録密度は大幅に向上する。
1.6μmピッチで、ウォブルピットを形成し、ウォブ
ルピットが逆極性で存在する位置に情報の記録再生を行
った場合において隣接記録ビットからのクロストークに
影響される事なく記録再生を行うことが可能となり、記
録密度は大幅に向上する。
式において、グルーブをウォブリングさせることにより
光磁気ディスクの位置情報を得る場合は、ウォブリング
状態が逆位相となった部分において、隣接グルーブに存
在する記録ビットからのクロストークが大きくなるとい
う問題が存在したが、本発明を適用することによりウォ
ブリング状態が逆位相となった部分においても、隣接グ
ルーブに存在する記録ビットからのクロストークが発生
する事なく、良好な記録再生を行うことが可能となる。
に説明するような種々の記録再生用光ピックアップにも
好適である。
ビーム方式の光ピックアップを採用する場合、図21に
示すように、複数の光ビームの両端の光ビームがガイド
トラック上を走査するように位置決めし、その間に位置
する複数の光ビームで記録再生を行う方法が一般的であ
るが、本発明の光磁気ヘッドディスクを用いることによ
り、光ビームの間隔を狭くしても隣接記録ビットからの
クロストークの影響を受けることなく再生することが可
能となり、ガイドトラックのピッチを短くすることが可
能となるか、又は、一対のガイドトラックの間により多
くのレーザビームで記録再生することが可能となり、記
録密度は大幅に向上する。
の対物レンズの開口数(N.A.)が一般的な値である
0.4〜0.6を有するとし、また、レーザー光の波長
が670nm〜840nmであるとして、ガイドトラッ
クのピッチ等について議論しているが、N.A.を更に
大きく0.6〜0.95とすることで、レーザー光を更
に小さく絞り込み、本発明の光磁気ディスクを適用する
ことにより、ガイドトラックのピッチ及び幅を更に狭く
することが可能となり、更に高密度な記録再生が可能と
なる。
光やSHG素子を利用した335nm〜600nmの波
長のレーザ光を使用することにより、レーザー光を更に
小さく絞り込み、本発明を適用することにより、ガイド
トラックのピッチ及び幅を更に狭くすることが可能とな
り、更に高密度な記録再生が可能となる。
る際のディスクフォーマットについて記述する。
るメーカー間、あるいは、異なる光磁気ディスク間の互
換性を維持するために、それぞれの半径位置での記録、
消去パワーをどのような値あるいは、デューティーに設
定するかを、内外周の一部に(λ/(4n))程度の深
さのプリピット列であらかじめ記録されている。また、
読み取ったそれらの値を元に、実際に記録再生を行える
テスト領域が内外周に設けられている(例えば、ISO
10089規格を参照)。
パワーとするための情報が、内外周の一部にプリピット
列であらかじめ記録されている。
生時の記録媒体の温度分布が再生特性に大きな影響を及
ぼすため、再生パワーの設定方法が非常に重要である。
生パワーについても記録パワーと同様に、内外周に再生
パワーを設定するためのテスト領域を設け、テスト領域
において得られた再生パワーからそれぞれの半径位置で
の再生パワーを最適化するための情報を、内外周の一部
にピット列で予め記録しておく方が望ましい。
あるCAV方式を用いる光磁気ディスク・ドライブにお
いては、半径位置に応じて光磁気ディスクの線速が変わ
るため、半径位置に応じて再生レーザーパワーを変えた
ほうがより好ましい。したがって、できるだけ多くの半
径方向領域に区切った情報をプリピット列として記録し
ておいたほうが良い。
生レーザーパワーを設定する方法として、記録領域を半
径位置により複数のゾーンに分けて、ゾーンとゾーンの
境界部分にそれぞれのゾーンごとに記録パワー及び再生
パワーをテスト領域において最適化することにより、再
生時の記録媒体の温度分布をより正確に制御することが
可能となり、良好な記録再生が可能となる。
に説明する種々の記録方式に適応するものである点につ
いて説明する。
の光磁気ディスクの記録方法について説明する。
089規格(ISOの5.25”書き換え型光ディスク
について定めた規格)に準拠して、既に多く市販されて
おり、オーバーライトができないため、すでに情報が記
録されている所に、新たに情報を記録する場合には、一
旦その部分の消去を行い、次に記録を行うという動作が
必要になる。そのため、最低2回の光磁気ディスクの回
転が必要になり、データ転送速度が遅いという欠陥があ
る。
は、次に説明するオーバーライト可能な光磁気ディスク
に比べて、それほで高くないという利点はある。
めに、例えば複数個の光学ヘッドを配して、回転待ちの
ロスを無くし、データ転送速度を向上させる方法は一部
の装置で採用されている。
する光学ヘッドで既に記録されている情報を消去し、後
から追いかける光学ヘッドで新しい情報を記録する方法
である。再生の際は、どちらか一方の光学ヘッドを用い
て再生する。
場合は、先行する光学ヘッドが既に記録されている情報
を消去し、次の光学ヘッドで新しい情報を記録し、残り
の光学ヘッドでベリファイ(新しい情報が正しく記録さ
れているかを確認)する。
に、1個の光学ヘッドをビームスプリッターを用いて複
数のビームを作り出し、これを上記複数の光学ヘッドと
同じように用いても良い。
去過程を経ることなく、新たな情報の記録が行え、第1
世代の光磁気ディスクを用いての疑似オーバーライトが
実現できる。
果説明の所で示した通り、記録、再生、消去が行える事
が確認できており、本記録方式に適用できる光磁気ディ
スクとなっている。
ついて説明をする。
磁気記録媒体に一定のパワーのレーザーを照射しなが
ら、情報に応じて磁界強度を変調して記録する方法であ
り、図22に基づいて説明すれば、以下の通りである。
バーライトを行う光磁気ディスク装置の一例を示す模式
図であり、記録及び再生時にレーザー光を照射するレー
ザー光源(図示されていない)、及び記録及び再生時に
光磁気ディスクからの反射光を受光する受光素子(図示
されていない)等を内蔵した光学ヘッド11と、光学ヘ
ッド11と機械的、もしくは電気的に連結された浮上型
磁気ヘッド12を備えている。
2aとMnZnフェライト等からなるコアにコイルが巻
回された磁気ヘッド12bから構成され、浮上型磁気ヘ
ッド12はサスペンション13により光磁気ディスク1
4に押圧され、数μm〜数10μm程度の一定の間隙で
浮上している。
学ヘッド11を光磁気ディスク14の記録領域内の所望
の半径位置に移動させ、光学ヘッド11から光磁気ディ
スク14の記録層に2〜10mW程度のレーザー光を集
光して照射し、記録層4をキュリー温度(又は保磁力が
ほぼ“0”になる温度)近傍まで昇温させた上で、記録
すべき情報に応じて上向きと下向きとに反転する磁界を
磁気ヘッド12bにより印加する。これにより、既に記
録されている情報の消去過程を経ることなく、オーバー
ライト記録方式で情報の記録を行うことができる。
ト時に、レーザーパワーを一定としたが、磁界の極性が
切り替わる時にレーザーパワーを記録されないパワーま
で下げて、記録がなされないようにすると、記録される
記録ビット形状がよりきれいになり、再生信号品質が向
上する。
記録を行おうとする場合には、高速で磁界を変調する必
要があるが、磁気ヘッド12bの消費電力、大きさの点
で制約があり、あまり大きな磁界を、発生させることは
困難である。従って、光磁気ディスク14には、比較的
小さな磁界で記録できることが要求される。
録層4のキュリー温度を150〜250℃と比較的低く
押さえ、記録がなされやすくするとともに、垂直磁気異
方性の小さい材料であるDyFeCoを採用することで、記録
時の磁界をより低く押さえることができ、磁界変調オー
バーライト方式に非常に適した構成となっている。
いて説明する。
変調オーバーライト記録方式とは全く逆であり、光磁気
記録媒体に一定の磁界強度を印加し、情報に応じてレー
ザーパワーを変調して記録する方法である。これについ
て、図23ないし図27に基づいて説明すれば、以下の
通りである。
ライト記録方式に適した、読み出し層3及び記録層4の
膜面に垂直方向の保磁力の温度依存性および記録磁場H
W を示している。
低、2レベルに強度変調されたレーザー光を照射するこ
とにより行う。すなわち、図25に示すように、高レベ
ルIのレーザー光が照射されると、読み出し層3及び記
録層4がともにキュリー点TC1、TC2付近またはそれ以
上となる温度TH まで昇温し、低レベルIIのレーザー光
が照射されると、記録層4のみがキュリー点TC2以上と
なる温度TL まで昇温するように設定されている。
射されると、読み出し層3の保磁力H1 は十分小さいの
で、磁化は記録磁場HW の向きに従い、さらに冷却の過
程で記録層4に転写される。すなわち、図23に示すよ
うに、磁化は上向きになる。
ると、補償温度を越えているので、読み出し層3の磁化
の向きは記録磁場HW により、低レベルIIのレーザー光
の場合とは逆向き、すなわち、下向きとなる。冷却の過
程では低レベルIIのレーザー光と同じ温度迄下がるが、
読み出し層3と記録層4の冷却過程が異なる(記録層4
の方が速く冷却される)ため、まず記録層4のみ低レベ
ルIIのレーザー光が照射された温度TL となり読み出し
層3の磁化の向きが記録層4に転写され、下向きとな
る。その後、読み出し層3が低レベルIIののレーザー光
と同じ温度迄下がり、記録磁場HW の向きに従い、上向
きとなる。この時、記録層4の磁化の向きはその保磁力
H2 が記録磁場HW より十分大きいので、記録磁場HW
の向きには従わない。
ルIII のレーザー光が照射されると、読み出し層3の温
度はTR (図24)となり、読み出し層3の磁化が面内
磁化から垂直磁化に移行し、記録層4及び読み出し層3
の両層とも垂直磁気異方性を示す。この時、記録磁場H
W は印加されないか、記録層4の保磁力H2 より十分小
さいので、再生時には読み出し層3の磁化の向きは記録
層4との界面に作用する交換力により記録層4の向きと
一致する。
去過程を経ることなく、オーバーライト記録方式で情報
の記録を行うことができる。
ら、図26または、図27に示すような変調された2タ
イプのレーザー光を照射して行ってもよい。
光が照射されると、読み出し層3及び記録層4がともに
キュリー点TC1、TC2付近またはそれ以上となる温度T
H まで昇温し、タイプIIの低レベルのレーザー光が照射
されると、記録層4のみがキュリー点TC2以上となる温
度TL まで昇温するように設定されている。このように
すると、特にタイプIの高レベルのレーザー光が照射さ
れた時の読み出し層3と記録層4の冷却過程を大きく相
違させることができる。すなわち、記録層4の方が速く
冷却される。このため、より容易に重ね書きを行うこと
ができる。
照射された後、しばらく照射されるレーザー光の強度
は、高レベル以下であればよい。
ライト時に、一般には必要となる初期化用磁界を印加す
る必要がなくなる利点がある。
片面タイプと呼ばれる。この光磁気ディスクは、透明誘
電体層2、読み出し層3、記録層4、保護層5の薄膜部
分を総じて記録媒体層と称することにすると、図28に
示すように、基板1、記録媒体層9、オーバーコート層
6の構造となる。
1の上に記録媒体層9を形成したものを2枚、記録媒体
層9・9が対向するように接着層10で接着した光磁気
ディスクは、両面タイプと呼ばれている。
リレート系接着剤が特に良い。この接着剤は紫外線、熱
及び嫌気性の3タイプの硬化機能が組み合わされたもの
であり、紫外線が透過しない記録媒体層9の影になる部
分の硬化が熱及び嫌気性硬化機能により硬化されるとい
う利点を持っており、極めて高い耐湿性を有し、長期安
定性に極めて優れた両面タイプの光磁気ディスクを提供
することができる。
ディスクの厚みが半分で済むため、例えば小型化が要求
される記録再生装置に有利である。
えば大容量を要求される記録再生装置に有利である。
るかは上記のような光磁気ディスクの厚さ、容量を考慮
する以外に、以下に説明するように、記録方式にも大き
く依存する。
のごとく、光ビームと磁界が用いられる。図22に示す
ように、光磁気ディスク装置においては、半導体レーザ
ー等の光源からの光ビームを集光レンズ8で基板1を通
して記録媒体層9上に集光させて照射し、これと対峙し
た位置に設けられた磁石、電磁石等の磁界発生装置(例
えば、浮上型磁気ヘッド12)により磁界が記録媒体層
9に印加されるようになっている。記録の際には光ビー
ム強度を再生時よりも高くすることで、集光された部分
の記録媒体層9の温度が上昇し、その部分の磁性膜の保
磁力が小さくなる。この時に外部から保磁力以上の大き
さの磁界を印加すると、印加された磁界の方向に磁性膜
の磁化がならい、記録が完了する。
る磁界変調オーバーライト方式では、磁界発生装置(多
くは電磁石)を極力記録媒体層9に近づける必要があ
る。これは、電磁石のコイルの発熱、装置消費電力、大
きさ等の制限により、記録に必要な周波数(一般には数
百kHz〜数十MHz)で変調し、記録に必要な磁界(一般
的には50Oe〜数百Oe程度)を発生させようとする
と、記録媒体に0.2mm以下程度、多くの場合は50μ
m程度まで近づける必要が生じる。このため、両面タイ
プの光磁気ディスクでは、基板1の厚さが一般に1.2
mm前後であり薄くても0.5mm程度必要なため、光ビー
ムを対峙させて電磁石を配した場合、記録磁界強度が不
足してしまい、記録が行えない、従って、記録変調オー
バーライト方式に適した記録媒体層9を採用した場合
は、片面タイプの光磁気ディスクが多く用いられる。
調する光変調オーバーライト方式では、記録用の磁界が
一方向を向いたまま、あるいは記録用磁界が不要であ
る。よって、発生磁界の強い、例えば永久磁石を用いる
ことができ、磁界変調オーバーライト方式の場合のよう
に記録媒体層9に極力近づけて配置せずとも、記録媒体
層9から数mm程度離して配置できる。従って、片面タイ
プだけでなく、両面タイプも採用できる。
として用いる場合、構造上、以下に説明するようなバリ
エーションが可能である。
層6上にハードコート層(図示されていない)を形成し
た光磁気ディスクであり、基板1/記録媒体層9/オー
バーコート層6/ハードコート層の構造を有している。
ハードコート層として、例えばアクリレート系の紫外線
硬化型ハードコート樹脂膜を、例えばポリウレタンアク
リレート系の紫外線硬化型樹脂からなり膜厚が約6μm
のオーバーコート層6の上に形成する。ハードコート層
の膜厚は、例えば3μmである。
録媒体層9の酸化による特性劣化を防ぎ、長期信頼性を
確保することができる。これに加えて、ハードコート膜
を設けることで、例えば記録用の磁石がディスクに接触
してしまっても、硬度の高い、耐摩耗性にすぐれたハー
ドコート膜の作用で、傷を付きにくくし、また傷が発生
しても、それが記録媒体層9にまで達することを防ぐこ
とができる。
層6にハードコート層の機能を付加させてオーバーコー
ト層6だけで済ませても良い。
層6上にハードコート層を形成すると共に、基板1の記
録媒体層9とは反対側の面にハードコート層(図示され
ていない)を形成した光磁気ディスクであり、ハードコ
ート層/基板1/記録媒体層9/オーバーコート層6/
ハードコート層の構造を有している。
PCをはじめとするプラスチックが多く用いられるが、
これらの材料はガラスに比べて、非常に柔らかく、爪で
こすっただけでも傷が入ってしまう。この傷は、光ビー
ムで記録再生を行う際にひどい場合には、サーボ飛びを
生じさせ、情報の記録再生が不可能になる場合もある。
ビームの中心近傍だけを利用して再生を行うので、基板
1の表面の傷等の欠陥が再生に及ぼす影響が従来の光磁
気ディスクよりも大きくなってしまう。このため、ハー
ドコート層を基板1の記録媒体層9とは反対側の面に設
けることで、傷発生が防ぐことができる本構成は非常に
有効である。
スクのそれぞれの基板1・1の表面にハードコート層を
設ければ、同様の効果があることは明らかである。
のバリエーションのオーバーコート層6上、あるいは、
ハードコート層上に更に、帯電防止コート層(図示され
ていない)、あるいは、帯電防止機能を付加させた層を
形成した光磁気ディスクである。
と同様に情報の記録再生が不可能となる場合がある。ま
た、オーバーコート膜6上にほこりが付くと、磁界変調
オーバーライト方式の場合に、磁石を浮上型磁気ヘッド
12(図22)として、オーバーコート膜6上を数μm
のギャップで配置しているような場合には、ゴミ、ほこ
りが浮上型磁気ヘッド12、記録媒体層9の損傷を生じ
させてしまう。
録媒体層9側表面に帯電防止機能を有する層が設けられ
た構成を取れば、空気中のゴミ、ほこり等が基板1の表
面あるいはオーバーコート層6上に付着するのを防止す
ることができる。
ビームの中心近傍だけを利用して再生を行うので、基板
1の表面のゴミ、ほこり等の欠陥が再生に及ぼす影響が
従来の光磁気ディスクよりも大きいので、本構成は極め
て有効である。
ラーを混入したアクリル系ハードコート樹脂を使用する
ことができ、その膜厚は約2〜3μmが適当である。
1、ガラスの基板1を問わず、表面抵抗率を下げ、ゴ
ミ、ほこり等を付きにくくする目的で設けられる。
層6またはハードコート層に帯電防止効果を付加させて
も良い。
スクのそれぞれの基板1・1の表面に対して、本構成を
適用できることは明らかである。
層6上に潤滑層(図示されていない)を形成した光磁気
ディスクであり、基板1/記録媒体層9/オーバーコー
ト層6/潤滑層の構造を有している。潤滑層としては、
例えば、フッ素系樹脂を使用することができ、その膜厚
は約2μmが適当である。
ライト方式で浮上型磁気ヘッド12を用いた場合、浮上
型磁気ヘッド12と光磁気ディスクとの間の潤滑性を向
上させることができる。
体層9上に数μmから数十μmのギャップを保ちながら
情報の記録を行うために配置されるものであり、浮上型
磁気ヘッド12を記録媒体層9に押し付けるよう働くサ
スペンション13による押圧と、光磁気ディスクの高速
回転による空気流により発生して浮上型磁気ヘッド12
を記録媒体層9から離すように働く浮上力をバランスし
て、上記ギャップが保たれる。
て、光磁気ディスクの回転開始時、所定回転数に達する
までの時間、及び、回転終了時、所定回転数より停止に
至るまでの間、浮上型磁気ヘッド12と光磁気ディスク
とが接するCSS(Contact-Start-Stop)方式を採用す
る場合には、浮上型磁気ヘッド12と光磁気ディスクと
が吸着すると、光磁気ディスクの回転開始時、浮上型磁
気ヘッド12が破損されることがある。しかしながら、
本実施例の光磁気ディスクによれば、オーバーコート層
6上に潤滑膜を設けたので、浮上型磁気ヘッド12と光
磁気ディスクとの間の潤滑性が向上し、吸着による浮上
型磁気ヘッド12の破損を防止できる。
防ぐ、耐湿保護性能も兼ね備えた材料であれば、オーバ
ーコート層6と潤滑層を別々に設ける必要はない。
体層9とは反対側の面に透湿防止層(図示されていな
い)と第2のオーバーコート層(図示されていない)と
を積層した光磁気ディスクであり、オーバコート層/透
湿防止層/基板1/記録媒体層9/オーバコート層6の
構造を有している。
N, A1TaN, SiO, ZnS, TiO2等の透明誘電体材料を使用で
き、その膜厚は5nm程度が適当である。第2のオーバコ
ート層は、特に基板1としてPC等の吸湿性の高いプラ
スチックを基板1に用いた場合に有効である。
気ディスクの反り変化を低く押さえる効果を有してい
る。これについて、以下に説明する。
場合は、例えば環境湿度が大きく変化した場合に、記録
媒体層9のない側、すなわち基板1の入射光側からのみ
プラスチックの基板1に水分が吸湿されたり放湿された
りする。この吸湿、放湿によりプラスチックの基板1に
は局部的な体積変化が生じ、プラスチックの基板1に反
りが生じてしまう。
生、記録等に用いられる光ビームの光軸に対して基板1
が傾いた状態になるため、サーボがずれて信号品質が劣
化したり、ひどい場合にはサーボ飛びが生じたりしてし
まう。
ッド11(図22)からのレーザー光は、傾いた記録媒
体層9の面に集光されることになり、チルトの状態に応
じて集光状態が変化することになり、記録再生に悪影響
を及ぼす。
下に移動した場合、光学ヘッド11はその上下動を補償
し記録媒体層9の面にレーザー光を集光すべく動作する
が、上下動が大きくなり過ぎると光学ヘッド11の補償
動作が不完全なものとなり、記録媒体層9の面でのレー
ザー光の集光状態は不完全なものとなる。レーザー光の
集光状態が不完全なものとなると記録媒体層9の温度分
布が変化することになり、記録再生に影響を及ぼす。本
実施例においては、再生時の記録媒体層9の温度分布が
特に重要となってくるため、極力基板1の反り、環境に
よる反り変化を押さえることが必要となってくる。
止層があることにより基板1の表面側における水分の吸
湿、放湿がなくなるため、環境変化時の基板1の反りを
大幅に押さえることができ、上記説明の通り、本発明の
光磁気ディスクに特に適した構成となる。
は、透湿防止層への傷発生の防止、基板1の表面の保護
等の目的で設けられており、その材料は、記録媒体層9
上のオーバコート層6と同じでも良い。
ードコート層あるいは帯電防止層を第2のオーバコート
層の代わりに、あるいはその上に設けても良い。
明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前
記の実施例の図面に示した部材と同一の機能を有する部
材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
すように、基板1、透明誘電体層2、読み出し層3、記
録層4、放熱層20、オーバコート層6がこの順に積層
された構成を有している。
き、その膜厚は、約100nmが適当である。基板1、
透明誘電体層2、読み出し層3、記録層4、オーバコー
ト層6には、前記実施例と同一の材料を使用できる。
ルーブの深さは、前記実施例と同様に設定されている。
録の際に、記録ビット形状をよりシャープにする効果が
ある。これは、次の理由による。
ほとんどが読み出し層3及び記録層4に吸収され熱に変
わる。この時、熱は読み出し層3及び記録層4の厚さ方
向に伝導するとともに、層内方向、つまり横方向にも伝
導する。この横方向への熱伝導量が多く、かつ、熱伝導
する速度が遅いと、例えば、より高速に、高い記録密度
で記録を行おうとする場合、次に記録しようとする記録
ビットに対して熱的な悪影響を及ぼす。このため、既定
の長さよりも長い記録ビットになってしまったり、ある
いはガイドトラックに対して横方向に広がった記録ビッ
トが形成されたりする。横方向に記録ビットが広がって
しまうと、クロストーク量の増加につながり、良好な記
録再生が行えなくなる。
放熱層20を記録層4上に形成しているので、横方向へ
の熱の広がりを放熱層20側、つまり厚さ方向へ逃がす
ことができ、上記のような横方向への熱の広がりを低減
させることができる。したがって、より密度の高い、よ
り高速な記録条件下で、熱干渉のない記録を行うことが
可能になる。
録層4と、ランド上の読み出し層3及び記録層4とは、
上下にほぼ分断されているので、隣接トラックに熱が伝
導しにくい。これにより、記録ビットが隣接トラックに
広がらず、クロストークが低減する。
するように、光変調オーバーライト記録の際にも、有利
となる。
で、光ビーム照射により一旦昇温した領域が冷えると
き、読み出し層3と記録層4のそれぞれの層の温度変化
に、よりはっきりとした差をもたせることができる。こ
の効果は、特に高レベルのレーザー光が照射された時の
読み出し層3と記録層4の冷却過程を大きく相違させる
ことができるため(記録層4の方が速く冷却される)、
より容易に重ね書きを行うことができる。
層3、記録層4に用いられる希土類遷移金属合金膜より
もその熱伝導率が高く、放熱層20に適した材料であ
る。加えて、透明誘電体層2にAlNを用いる場合、こ
のAlNは、AlターゲットをArおよびN2ガスで反応性
スパッターすることにより形成されるので、同じAlタ
ーゲットをArガスでスパッターすることで放熱層20を
容易に形成できる。また、Alは非常に安価な材料でも
ある。
g,Cu,SUS,Ta,Cr等のように、読み出し層
3、記録層4より熱伝導率が大きい材料であればよい。
合、耐酸化性、耐湿性、耐孔食性に優れているので、長
期信頼性が向上する。
合、耐酸化性、耐湿性、耐孔食性に極めて優れているの
で、長期信頼性が向上する。
0nm としたが、厚くするほど放熱効果は高くなり、加え
て、長期信頼性も向上する。しかしながら、既に説明し
た通り、光磁気ディスクの記録感度にも影響を及ぼすの
で、材料の熱伝導率、比熱に応じた膜厚の設定が必要で
あり、5 〜200nm の範囲が良い。とりわけ、10〜100nm
が好適である。熱伝導率が比較的高く、耐食性に優れた
材料であれば、膜厚は10〜100nm 程度と薄くて済み、製
造時の膜形成に要する時間も短縮することができる。
層(図示されていない)を挿入してもかまわない。誘電
体層には、透明誘電体層2と同じ材料を用いれば良く、
A1N,SiN, A1SiN 等第1実施例で説明した材料を使用で
きる。特に、A1N, SiN, A1SiN 、TiN 、A1TaN, ZnS, BN
等の成分に酸素を含まない窒化膜を用いれば、長期信頼
性により優れた光磁気ディスクを提供することができ
る。誘電体層の膜厚は、10〜100nm の範囲が良い。
記録媒体として光磁気ディスクを挙げて説明したが、光
磁気カード、光磁気テープにも本発明を応用できる。な
お、光磁気テープの場合、リジッドな基板1の代わり
に、可撓性のあるテープベース(基体)、例えば、ポリ
エチレンテレフタレートからなるテープベースを用いる
とよい。
は、光ビームを案内するグルーブが一方の面に形成され
た透明基板1のグルーブ側の面に、室温で面内磁気異方
性が優位な面内磁化を示す一方、温度上昇に伴い垂直磁
気異方性が優位な垂直磁化に移行する読み出し層3と、
情報を記録する記録層4とがこの順で形成されているの
で、従来より小さい記録ビットの再生を行うことが可能
になり、記録密度が著しく向上する。しかも、グルーブ
上の読み出し層3および記録層4と、グルーブ間のラン
ド上の読み出し層3および記録層4とが上下にほぼ分断
されるように、グルーブの深さを設定したので、記録時
に形成される記録ビットが隣接トラックに広がりにくく
なる。このため、再生時のクロストークが低減する。し
たがって、トラックピッチをより小さくすることことが
可能になり、さらなる高密度記録を行うことができる。
は、以上のように、上記のグルーブの深さを130〜2
80nmにしたので、上記の作用効果に加え、強いトラ
ッキング誤差信号が得られる。これにより、高密度記録
時においても安定したトラッキングが可能となる。
は、以上のように、光ビームを案内するグルーブが一方
の面に形成された透明基体のグルーブ側の面に、室温で
面内磁気異方性が優位な面内磁化を示す一方、温度上昇
に伴い垂直磁気異方性が優位な垂直磁化に移行する読み
出し層と、情報を記録する記録層とがこの順で形成され
ているので、従来より小さい記録ビットの再生を行うこ
とが可能になり、記録密度が著しく向上する。しかも、
グルーブ上の読み出し層および記録層と、グルーブ間の
ランド上の読み出し層および記録層とが上下にほぼ分断
されるように、グルーブの深さが設定されているので、
記録時に形成される記録ビットが隣接トラックに広がり
にくくなる。このため、再生時のクロストークが低減す
る。したがって、トラックピッチをより小さくすること
ことが可能になり、さらなる高密度記録を行うことがで
きるという効果を奏する。
以上のように、上記のグルーブの深さを130〜280
nmにしたので、請求項1の効果に加え、強いトラッキ
ング誤差信号が得られる。これにより、高密度記録時に
おいても安定したトラッキングが可能となるという効果
を奏する。
ディスクの概略構成及び再生動作を示す説明図である。
を示す磁気状態の説明図である。
印加される外部印加磁界と極カー回転角との関係を示す
説明図である。
に印加される外部印加磁界と極カー回転角との関係を示
す説明図である。
に印加される外部印加磁界と極カー回転角との関係を示
す説明図である。
み出し層に印加される外部印加磁界と極カー回転角との
関係を示す説明図である。
極カー回転角の外部印加磁界依存性を実測した結果を示
すグラフである。
での極カー回転角の外部印加磁界依存性を実測した結果
を示すグラフである。
ーザパワーに対してプロットしたグラフである。
図である。
明図である。
(a)は図10の光磁気ディスクに対応するものであ
り、(b)は図11の比較例の光磁気ディスクに対応す
るものである。
と補償温度(Tcomp) の組成依存性を示したグラフであ
る。
comp) の組成依存性を示したグラフである。
comp) の組成依存性を示したグラフである。
ランド、グルーブ形状の一例を示す説明図である。
ランド、グルーブ形状の他の例を示す説明図である。
ウォブルピットの配置の一例を示す説明図である。
ウォブルピットの配置の他の例を示す説明図である。
ウォブルリンググルーブの一例を示す説明図である。
ームを用いた場合の記録再生方法を示す説明図である。
バーライト記録方法を示す説明図である。
ーライト記録方法を示すと共に、読み出し層及び記録層
の磁化方法を示す説明図である。
ーライト記録方法を示すと共に、読み出し層及び記録層
の保持力の温度依存性を示す説明図である。
バーライト時、および、再生時に照射される光ビームの
強度の一例を表す説明図である。
バーライト時、および、再生時に照射される光ビームの
強度の他の例を表す説明図である。
バーライト時、および、再生時に照射される光ビームの
強度のその他の例を表す説明図である。
明図である。
明図である。
気ディスクの概略の構成図である。
Claims (2)
- 【請求項1】光ビームを案内するグルーブが一方の面に
形成された透明基体のグルーブ側の面に、室温で面内磁
気異方性が優位な面内磁化を示す一方、温度上昇に伴い
垂直磁気異方性が優位な垂直磁化に移行する読み出し層
と、情報を記録する記録層とがこの順で形成されてお
り、グルーブ上の読み出し層および記録層と、グルーブ
間のランド上の読み出し層および記録層とが上下にほぼ
分断されるように、グルーブの深さが設定されているこ
とを特徴とする光磁気記憶素子。 - 【請求項2】グルーブの深さが130〜280nmであ
ることを特徴とする請求項1記載の光磁気記憶素子。
Priority Applications (11)
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EP99120141A EP0974961B1 (en) | 1992-11-06 | 1993-11-03 | Magneto-optical recording medium and recording and reproducing method and optical head designed for the magneto-optical recording medium |
EP93308777A EP0596716B1 (en) | 1992-11-06 | 1993-11-03 | Magneto-optical recording medium and recording and reproducing method and optical head designed for the magneto-optical recording medium |
DE69332846T DE69332846T2 (de) | 1992-11-06 | 1993-11-03 | Magnetooptischer Aufzeichnungsträger und Verfahren zur Aufzeichnung und Wiedergabe und für den magnetooptischen Aufzeichnungsträger ausgebildetes optische Kopf |
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KR1019930023379A KR100211472B1 (ko) | 1992-11-06 | 1993-11-05 | 광 자기 기록 매체 및 광 자기 기록 매체에 대한 기록 재생 방법 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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