JPH11343375A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH11343375A
JPH11343375A JP14939898A JP14939898A JPH11343375A JP H11343375 A JPH11343375 A JP H11343375A JP 14939898 A JP14939898 A JP 14939898A JP 14939898 A JP14939898 A JP 14939898A JP H11343375 A JPH11343375 A JP H11343375A
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copolymer
weight
acrylate
meth
mol
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JP14939898A
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Kenichi Iokura
賢一 五百蔵
Koichi Matsui
耕一 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動的熱安定性にすぐれ、成形機への樹脂の付
着が少なくて、長期間の連続成形性にすぐれ、しかも透
明性、印刷性、表面べとつき防止性にもすぐれる塩化ビ
ニル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
a)炭素数16〜22のアルキル基またはアルケニル基
を有する長鎖(メタ)アクリレ―ト5〜50モル%とグ
リシジル(メタ)アクリレ―ト40〜95モル%とこれ
らと共重合可能な他の単量体0〜25モル%とからなる
単量体混合物の重量平均分子量2,000〜500,0
00の共重合体0.5〜10重量部と、b)有機錫系安
定剤0.01〜4重量部および/またはc)カルボン酸
のカルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩および亜
鉛塩の中から選ばれる1種または2種以上のカルボン酸
金属塩0.01〜3重量部とを含むことを特徴とする塩
化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物、とくに動的熱安定性、成形加工性などにすぐれ
る押し出し成形用として適した塩化ビニル系樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、一般に、加工性、
耐候性、可塑剤の添加による可塑性の付与などの点です
ぐれており、また安価であるために、パイプ、電線、農
業用ビニルシ―ト、床材、ホ―ス、ラツプ、壁紙、その
他様々な雑貨品などに使用されている。また、塩化ビニ
ル系樹脂は、押し出し成形、カレンダ―成形、射出成
形、ペ―スト成形など種々の成形方法で成形加工するこ
とが可能である。その中でも、パイプ、電線、ホ―ス、
異型押し出し製品などは、製品の形状から、押し出し成
形で成形加工されることが多い。
【0003】しかし、塩化ビニル系樹脂は、熱や光に対
する安定性に劣り、また成形加工時の温度が熱分解温度
に近いため、成形加工時に熱分解しやすく、これにより
成形品の着色や機械的強度の低下が起こる。とくに押し
出し成形の場合、スクリユ―や押し出し成形機の金属面
と樹脂との間の摩擦による発熱で樹脂の分解が促進さ
れ、この動的熱安定性(成形加工時の熱安定性)の不足
と離型性の不足により、スクリユ―への樹脂の付着、分
解物などによる押し出し機先端の目詰まり現象、さらに
上記付着物や目詰まり物を除去するためのスクリユ―な
どの掃除というように、他の成形方法に比べ、成形加工
時の問題が多い。
【0004】この問題を改善するために、有機金属化合
物やワツクス、エステル系滑剤などを使用して、動的熱
安定性を改良しているが、鉛系およびカドミウム系の有
機金属化合物は毒性が高く使用が制限されている。ま
た、有機金属化合物の中でも、カルボン酸のカルシウム
塩、バリウム塩、マグネシウム塩および亜鉛塩は無毒で
あるか毒性が低いが、動的熱安定性が十分ではない。こ
のため、これらの金属塩による動的熱安定性をさらに改
良する方法が種々提案されている。
【0005】たとえば、「ポリ塩化ビニルの安定化の解
明と安定化助剤の配合・効果の実際」(昭和59年3月
15日、ソフト技研出版部発行)には、Ca/Zn、B
a/Zn、Ca/Ba/Zn、Ca/Mg/Znなどの
金属の組み合わせとともに、安定化助剤としてエポキシ
化合物を併用した組成物が示されている。しかるに、こ
の組成物では、動的熱安定性がなお不十分であるうえ
に、上記のエポキシ化合物が樹脂表面へ移行することに
より、印刷性が低下したり、樹脂表面のべとつきが起こ
り、また成形加工性にも劣り、押し出しスクリユ―など
の成形機に樹脂が付着して掃除に手間がかかるなどの欠
点を有している。
【0006】印刷性、べとつき性を防止する方法とし
て、エポキシ化合物として高分子量化したものを用いる
ことも知られている。具体的には、特開昭63−258
374号公報には、塩化ビニル系樹脂に可塑剤、グリシ
ジルメタクリレ―ト重合体を併用することにより、可塑
剤の移行防止を行い、樹脂表面のべとつきを防止するこ
とが報告されている。しかし、この方法では、動的熱安
定性が不十分であり、成形機への樹脂の付着が多く、長
期の成形加工が不可能である。
【0007】また、特開昭62−138546号公報に
は、塩化ビニル系樹脂にカルボン酸の亜鉛塩、βジケト
ン化合物、グリシジル(メタ)アクリレ―ト共重合体を
併用して、熱安定性の良好な食品包装用塩化ビニル系樹
脂組成物を得ることが、特開平5−239297号公報
には、硬質塩化ビニル樹脂にカルボン酸の金属塩、βジ
ケトン化合物、グリシジル(メタ)アクリレ―ト共重合
体、ポリオ―ル化合物を併用して、初期着色性を低下す
ることなく長期熱安定性を向上させることが、それぞれ
開示されている。しかし、これらの方法も、動的熱安定
性が不十分で、成形機への樹脂の付着が多く、長期の成
形加工が不可能である。
【0008】一方、塩化ビニル系樹脂に対する安定剤と
して、有機錫系安定剤は、鉛系などの有機金属化合物に
比べて毒性が低く、また透明な成形品が得られることか
ら、硬質シ―トを始め上水管などに使用されている。し
かるに、有機錫系安定剤は、それ自体の滑性が低いため
に、成形加工性、成形機への樹脂の付着性が悪いという
欠点を有している。そこで、上記滑性不良による成形加
工性、成形機への付着性を防止する方法も、いくつか提
案されている。
【0009】たとえば、重量平均分子量1,000〜1
0,000程度のエチレン−プロピレン二元共重合体、
重量平均分子量1,000〜10,000程度のエチレ
ン−プロピレン二元共重合体を酸化変性させた、いわゆ
るポリエチレンワツクス類、特開昭55−17054号
公報に開示されているようなペンタエリスリト―ルやジ
ペンタエリスリト―ルと高級脂肪酸とのエステル化合物
を添加したり、上記のエチレン−プロピレン二元共重合
体や酸化変性エチレン−プロピレン二元共重合体の中か
ら選ばれる1種または2種以上と、ステアリルステアレ
―ト、ベヘニルベヘネ―ト、グリセリントリステアレ―
ト、グリセリンモノステアレ―トなどのエステル系化合
物とを添加して、成形加工する方法が提案されている。
しかし、このような方法でも、十分に満足できる滑性と
それによる成形機への樹脂の付着防止、動的熱安定性は
得られておらず、逆に、透明性の低下、樹脂表面へのそ
れら添加剤の移行による印刷性の低下を招くのが現状で
あつた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
事情に照らし、動的熱安定性にすぐれ、成形機への樹脂
の付着が少なくて、長期間の連続成形性にすぐれ、しか
も透明性、印刷性、表面べとつき防止性にもすぐれる塩
化ビニル系樹脂組成物、とくに押し出し成形用として適
した上記組成物を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、塩化ビニル系樹
脂に対し、特定炭素数のアルキル基またはアルケニル基
を有する長鎖(メタ)アクリレ―トとグリシジル(メ
タ)アクリレ―トを特定割合で含む単量体混合物の特定
分子量の共重合体と、有機錫系安定剤および/または特
定のカルボン酸金属塩とを配合したときに、動的熱安定
性が向上し、成形機への樹脂の付着が少なくて、長期間
の連続成形が可能であり、しかも、透明性、印刷性、表
面べとつき防止性にすぐれた、押し出し成形用としてと
くに適した塩化ビニル系樹脂組成物が得られることを知
り、本発明を完成するに至つた。
【0012】すなわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対し、a)炭素数16〜22のアルキル基
またはアルケニル基を有する長鎖(メタ)アクリレ―ト
5〜50モル%とグリシジル(メタ)アクリレ―ト40
〜95モル%とこれらと共重合可能な他の単量体0〜2
5モル%とからなる単量体混合物の重量平均分子量が
2,000〜500,000である共重合体0.5〜1
0重量部と、b)有機錫系安定剤0.01〜4重量部お
よび/またはc)カルボン酸のカルシウム塩、バリウム
塩、マグネシウム塩および亜鉛塩の中から選ばれる1種
または2種以上のカルボン酸金属塩0.01〜3重量部
とを含むことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物(請
求項1)に係るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における塩化ビニル系樹脂
は、とくに制限はなく、塩化ビニルの単独重合体や、塩
化ビニルと他の単量体との共重合体を広く使用できる。
具体的には、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、
塩化ビニルとオレフインとの共重合体、塩化ビニルと酢
酸ビニルとの共重合体、塩化ビニルと塩化ビニリデンと
の共重合体、塩化ビニルとアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルとの共重合体などを挙げることがで
き、2種以上を併用してもよい。
【0014】本発明におけるa成分の共重合体は、炭素
数16〜22のアルキル基またはアルケニル基を有する
長鎖(メタ)アクリレ―トとグリシジル(メタ)アクリ
レ―トと、必要によりこれらと共重合可能な他の単量体
とからなる単量体混合物を、公知の方法で共重合させる
ことにより得られるものであり、その重量平均分子量が
2,000〜500,000、好ましくは5,000〜
100,000である共重合体が用いられる。重量平均
分子量が2,000未満でも、500,000を超えて
も、動的熱安定性の向上効果が不十分となり、また、成
形機への樹脂付着防止効果や、表面べとつき防止効果な
どの点でも不十分となる。
【0015】炭素数16〜22のアルキル基またはアル
ケニル基を有する長鎖(メタ)アクリレ―トとしては、
パルミチル(メタ)アクリレ―ト、ステアリル(メタ)
アクリレ―ト、ベヘニル(メタ)アクリレ―ト、オレイ
ル(メタ)アクリレ―トなどを挙げることができる。ア
ルキル基またはアルケニル基の炭素数が16未満となる
と、動的熱安定性の向上効果、成形機への樹脂付着防止
効果が不十分となり、22を超えると、透明性や印刷性
の低下を招きやすい。
【0016】共重合可能な他の単量体には、メチル(メ
タ)アクリレ―ト、エチル(メタ)アクリレ―ト、ブチ
ル(メタ)アクリレ―ト、t−ブチル(メタ)アクリレ
―ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ―ト、ラウ
リル(メタ)アクリレ―ト、ミリスチル(メタ)アクリ
レ―ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ―ト、1,2
−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ―トなどの
(メタ)アクリレ―ト類、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−クロロスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香
族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リルなどのシアノ基含有ビニル化合物、マレイン酸、酢
酸ビニル、エチレンなどがある。
【0017】単量体混合物中、炭素数16〜22のアル
キル基またはアルケニル基を有する長鎖(メタ)アクリ
レ―トは5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%
で、グリシジル(メタ)アクリレ―トは40〜95モル
%、好ましくは55〜90モル%であり、これらと共重
合可能な他の単量体は0〜25モル%である。上記の長
鎖(メタ)アクリレ―トの使用量が、5モル%未満で
は、動的熱安定性の向上効果、成形機への樹脂付着防止
効果が不十分となり、50モル%を超えると、透明性や
印刷性の低下を招きやすい。また、グリシジル(メタ)
アクリレ―トの使用量が40モル%未満では、動的熱安
定性の向上効果が不十分で、95モル%を超えると、成
形機への樹脂付着防止効果が不十分となる。
【0018】本発明におけるb成分の有機錫系安定剤と
しては、ジブチル錫メルカプタイド、ジオクチル錫メル
カプタイドなどのアルキル錫メルカプタイド、ジブチル
錫ラウレ―ト、ジオクチル錫ラウレ―トなどのアルキル
錫カルボキシレ―ト、ジブチル錫マレエ―ト、ジオクチ
ル錫マレエ―ト、ジオクチル錫マレエ―トポリマ―など
のジアルキル錫マレエ―ト化合物などが用いられる。
【0019】本発明におけるc成分のカルボン酸金属塩
は、炭素数4〜24の飽和もしくは不飽和のカルボン
酸、または炭素数7〜16の炭素環式カルボン酸のカル
シウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩または亜鉛塩で
ある。上記のカルボン酸には、ヘキサン酸、オクタン
酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、イソデカン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノ―ル
酸、リノレン酸、パルミトオレイン酸、イソステアリン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノ―ル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル
安息香酸、p−t−ブチル安息香酸などがある。また、
上記の金属塩としては、これらカルボン酸のうちの1種
を原料としてその金属塩としたものを1種または2種以
上混合して用いてもよいし、これらカルボン酸のうちの
2種以上の混合物を原料としてその金属塩としたものを
用いてもよい。
【0020】本発明においては、上記の塩化ビニル系樹
脂に、上記a成分の共重合体と、上記b成分の有機錫系
安定剤および/または上記c成分のカルボン酸金属塩を
含ませることにより、動的熱安定性にすぐれ、成形機へ
の樹脂の付着が少なくて、長期間の連続成形性にすぐ
れ、しかも透明性、印刷性、表面べとつき防止性にもす
ぐれた、押し出し成形用として適した塩化ビニル系樹脂
組成物とする。その際、上記各成分の使用量は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して、a成分の共重合体が
0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部、b成分
の有機錫系安定剤が0.01〜4重量部、好ましくは
0.1〜3重量部、c成分のカルボン酸金属塩が0.0
1〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
【0021】上記a成分の共重合体が0.5重量部未満
の場合は、動的熱安定性の向上効果が十分に得られず、
10重量部を超えると、初期着色の問題が生じたり、透
明性や印刷性の低下が起こる。また、上記b成分の有機
錫系安定剤が0.01重量部未満の場合は、動的熱安定
性の向上効果が不十分となり、4重量部を超えると、透
明性や印刷性の低下が起こり、表面べとつき防止性にも
好結果が得られない。同様に、上記c成分のカルボン酸
金属塩が0.01重量部未満の場合は、動的熱安定性の
向上効果がやはり不十分となり、3重量部を超えると、
透明性や印刷性の低下が起こり、表面べとつき防止性に
も好結果が得られない。
【0022】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、上
記の各成分のほかに、必要により、ステアリン酸などの
高級脂肪酸、ステアリルアルコ―ルなどの高級アルコ―
ル類、パラフインワツクス、ポリエチレンワツクス、ポ
リプロピレンワツクス、モンタン酸ワツクスなどのワツ
クス類、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン
酸アミド類、水酸化カルシウム、タルク、ハイドロタル
サイトなどの無機充填剤、木粉、セルロ―ス系微粉など
の有機充填剤、ペンタエリスリト―ル、ジペンタエリス
リト―ルなどのポリオ―ル類を配合することができる。
その他、必要に応じて、顔料、帯電防止剤、難燃剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防曇剤、発泡剤、加工助剤な
どを適宜配合することができる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味するものとする。
【0024】実施例1〜10 塩化ビニル系樹脂として、重合度1,000のポリ塩化
ビニル〔信越化学工業(株)製の「TK−1,00
0」〕を用い、このポリ塩化ビニルに対し、表1〜表3
に示す配合成分を組み合わせ、10種の塩化ビニル系樹
脂組成物を得た。
【0025】比較例1〜17 配合成分を表4〜表8のように変更した以外は、実施例
1〜10と同様にして、17種の塩化ビニル系樹脂組成
物を得た。
【0026】なお、以下の表1〜表8において、a成分
としての「共重合体1」はステアリルメタクリレ―ト/
グリシジルメタクリレ―ト(モル比:10/90)共重
合体(重量平均分子量20,000)、同「共重合体
2」はステアリルメタクリレ―ト/グリシジルメタクリ
レ―ト/メチルメタクリレ―ト(モル比:25/60/
15)共重合体(重量平均分子量50,000)、同
「共重合体3」はパルミチルメタクリレ―ト/ベヘニル
メタクリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト(モル比:
10/10/80)共重合体(重量平均分子量6,00
0)、同「共重合体4」はベヘニルメタクリレ―ト/グ
リシジルメタクリレ―ト(モル比:7/93)共重合体
(重量平均分子量10,000)、同「共重合体5」は
ステアリルメタクリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト
/スチレン(モル比:30/60/10)共重合体(重
量平均分子量15,000)、同「共重合体6」はオレ
イルメタクリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト(モル
比:40/60)共重合体(重量平均分子量20,00
0)である。
【0027】また、他成分としての「共重合体7」は2
−エチルヘキシルメタクリレ―ト/グリシジルメタクリ
レ―ト(モル比:75/25)共重合体(重量平均分子
量10,000)、同「共重合体8」はモンタニルメタ
クリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト(モル比:60
/40)共重合体(重量平均分子量9,000)、同
「共重合体9」はステアリルメタクリレ―ト/メチルメ
タクリレ―ト(モル比:15/85)共重合体(重量平
均分子量30,000)、同「共重合体10」はステア
リルメタクリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト(モル
比:40/60)共重合体(重量平均分子量1,00
0)、同「共重合体11」はパルミチルメタクリレ―ト
/グリシジルメタクリレ―ト(モル比:20/80)共
重合体(重量平均分子量1,000,000)、同「共
重合体12」はステアリルメタクリレ―ト/グリシジル
メタクリレ―ト(モル比:90/10)共重合体(重量
平均分子量15,000)、同「共重合体13」はステ
アリルメタクリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト(モ
ル比:1/99)共重合体(重量平均分子量20,00
0)である。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】以上の実施例1〜10および比較例1〜1
7の各塩化ビニル系樹脂組成物について、下記の方法に
より、動的熱安定性試験および成形機への付着性試験を
行つた。また、上記の各塩化ビニル系樹脂組成物を、9
インチロ―ルにより、170℃で3分間混練して、厚さ
が0.5mmのシ―トとしたのち、これを5cm×5cmの大
きさに裁断して、試験片を作製し、この試験片を用い
て、下記の方法により、初期着色性試験、透明性試験、
印刷性試験および表面べとつき性試験を行つた。これら
の結果は、表9(実施例1〜10、比較例1〜8)およ
び表10(比較例9〜17)に示されるとおりであつ
た。
【0037】<動的熱安定性試験>塩化ビニル系樹脂組
成物を、プラストミルにより、200℃で60rpmの
条件で混練りし、分解するまで(ゲル化後のトルクが急
上昇するときまで)の時間(分)を測定して、動的熱安
定性の評価を行つた。
【0038】<成形機への付着性試験>動的熱安定性試
験において、樹脂が分解した直後のスクリユ―への樹脂
の付着度合を調べ、つぎの基準で評価した。 「◎」:スクリユ―への付着がほとんどなし 「○」:スクリユ―表面積の2割未満に樹脂が付着 「△」:スクリユ―表面積の2割以上5割未満に樹脂が
付着 「×」:スクリユ―表面積の5割以上に樹脂が付着
【0039】<初期着色性試験>試験片を180℃のオ
―ブンに入れ、15分後の色調を調べて、初期着色性の
評価を行つた。
【0040】<透明性試験>試験片の透過率を測定し
て、つぎの基準で、透明性の評価を行つた。 「◎」:透過率が98%以上 「○」:透過率が95%以上98%未満 「△」:透過率が80%以上95%未満 「×」:透過率が80%未満
【0041】<印刷性試験>試験片を50℃,80%R
Hの恒温槽に1週間入れたのち、インクをバ―コ―タに
より塗布、乾燥後、セロハンテ―プを貼り、勢いよく剥
がしたときのインクの剥がれ度合を、目視により観察
し、つぎの基準で、印刷性を評価した。 「◎」:インクの剥がれがほとんどなし 「○」:インクの剥がれが2割未満 「△」:インクの剥がれが2割以上5割未満 「×」:インクの剥がれが5割以上
【0042】<表面べとつき性試験>試験片を50℃,
80%RHの恒温槽に1週間入れたのち、樹脂表面を指
でこすつて、べとつき性を調べ、つぎの基準で、評価し
た。 「○」:べとつきなし 「△」:ややべとつきあり 「×」:べとつきが激しい
【0043】
【0044】
【0045】上記の結果から、実施例1〜10の各塩化
ビニル系樹脂組成物は、いずれも、動的熱安定性にすぐ
れ、成形機への樹脂の付着が少なくて、長期間の連続成
形性にすぐれており、かつ、初期着色がみられず、透明
性にもすぐれており、また、印刷性、樹脂表面のべとつ
き防止性にもすぐれていることがわかる。
【0046】これに対して、比較例1〜17の各塩化ビ
ニル系樹脂組成物は、上記特性のいずれかに劣つてい
る。すなわち、a成分の共重合体を含まない比較例1,
2は、動的熱安定性に劣り、成形機への樹脂の付着が多
くなつている。また、b成分の有機錫系安定剤およびc
成分のカルボン酸金属塩を含まない比較例3は、動的熱
安定性に劣り、初期着色も悪くなつている。さらに、c
成分のカルボン酸金属塩に代えて、ステアリン酸鉛を用
いた比較例4は、透明性が低下している。
【0047】また、a成分の共重合体に代えて、アルキ
ル基の炭素数が16未満のアルキルメタクリレ―トを共
重合成分とした共重合体を用いた比較例5は、動的熱安
定性に劣り、成形機への樹脂の付着が多く、またアルキ
ル基の炭素数が22を超えるアルキルメタクリレ―トを
共重合成分とした共重合体を用いた比較例6は、透明
性、印刷性が悪く、さらにグリシジル(メタ)アクリレ
―トを共重合成分としない共重合体を用いた比較例7
は、動的熱安定性に劣つている。また、重量平均分子量
が2,000未満の共重合体を用いた比較例8、重量平
均分子量が500,000を超える共重合体を用いた比
較例9は、いずれも、動的熱安定性に劣り、成形機への
樹脂の付着も多く、しかも、表面べとつき性が悪くなつ
ており、また、印刷性または透明性が悪くなつている。
【0048】さらに、ポリ塩化ビニル100部に対し
て、b成分の有機錫系安定剤の使用量が4部を超える比
較例10は、透明性、印刷性、表面べとつき性が悪くな
つており、また、c成分のカルボン酸金属塩の使用量が
3部を超える比較例11は、成形機への樹脂の付着が多
く、しかも透明性、印刷性、表面べとつき性が悪くなつ
ており、さらに、a成分の共重合体の使用量が10部を
超える比較例12は、初期着色が悪く、また透明性、印
刷性が悪くなつている。
【0049】また、a成分の共重合体に代えて、エポキ
シ化大豆油を用いた比較例13は、動的熱安定性に劣
り、成形機への樹脂の付着が多く、印刷性や表面べとつ
き性が悪くなつている。また、ジペンタエリスリト―ル
ヘキサステアレ―トを用いた比較例14は、動的熱安定
性に劣り、成形機への樹脂の付着が多く、透明性、印刷
性、表面べとつき性が悪くなつている。さらに、グリセ
リンモノベヘネ―トを用いた比較例15は、動的熱安定
性に劣り、透明性、印刷性、表面べとつき性が悪くなつ
ている。また、長鎖(メタ)アクリレ―トの比率が50
モル%を超える共重合体を用いた比較例16は、印刷性
や透明性が悪くなつており、さらに、長鎖(メタ)アク
リレ―トの比率が5モル%未満で、グリシジルメタクリ
レ―トの比率が95モル%を超える共重合体を用いた比
較例17は、動的熱安定性に劣り、成形機への樹脂の付
着が多くなつている。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明は、塩化ビニル系
樹脂に対して、特定炭素数のアルキル基またはアルケニ
ル基を有する長鎖(メタ)アクリレ―トとグリシジル
(メタ)アクリレ―トを特定割合で含む単量体混合物の
特定分子量の共重合体と、有機錫系安定剤および/また
は特定のカルボン酸金属塩を配合したことにより、動的
熱安定性にすぐれ、成形機への樹脂の付着が少なくて、
長期間の連続成形性にすぐれ、しかも初期着色のない、
透明性、印刷性、表面べとつき防止性にすぐれた、押し
出し成形用として適した塩化ビニル系樹脂組成物を提供
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33:04)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    a)炭素数16〜22のアルキル基またはアルケニル基
    を有する長鎖(メタ)アクリレ―ト5〜50モル%とグ
    リシジル(メタ)アクリレ―ト40〜95モル%とこれ
    らと共重合可能な単量体0〜25モル%とからなる単量
    体混合物の重量平均分子量2,000〜500,000
    の共重合体0.5〜10重量部と、b)有機錫系安定剤
    0.01〜4重量部および/またはc)カルボン酸のカ
    ルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩および亜鉛塩
    の中から選ばれる1種または2種以上のカルボン酸金属
    塩0.01〜3重量部とを含むことを特徴とする塩化ビ
    ニル系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012143794A1 (en) 2011-04-18 2012-10-26 Galata Chemicals Gmbh Polymer stabilizer system for polymers containing halogen

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WO2012143794A1 (en) 2011-04-18 2012-10-26 Galata Chemicals Gmbh Polymer stabilizer system for polymers containing halogen

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