JPH11343283A - ピリジンカルボン酸の製造法 - Google Patents

ピリジンカルボン酸の製造法

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JPH11343283A
JPH11343283A JP10149426A JP14942698A JPH11343283A JP H11343283 A JPH11343283 A JP H11343283A JP 10149426 A JP10149426 A JP 10149426A JP 14942698 A JP14942698 A JP 14942698A JP H11343283 A JPH11343283 A JP H11343283A
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ozone
acid
manganese
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cobalt
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JP10149426A
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Toshikazu Ura
利和 浦
Masanori Dojo
正則 道場
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Koei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Koei Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキルピリジンをオゾン酸化するにあたっ
て、転化率が低く、生成物の収率が低いなどの問題を有
さず、選択的に高収率でピリジンカルボン酸を製造する
方法を提供する。 【解決手段】 アルキルピリジンをオゾンと反応させる
ことによりピリジンカルボン酸を製造する方法におい
て、触媒として、マンガン化合物とコバルト化合物を、
コバルト化合物のコバルト原子の原子数1に対するマン
ガン化合物のマンガン原子の原子数が1〜10となるよ
うに併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピリジンカルボン
酸の製造法に関する。さらに詳しくは、金属化合物触媒
の存在下、アルキルピリジンをオゾンと反応させること
によりピリジンカルボン酸を高収率で選択的に製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ピリ
ジンカルボン酸は医薬・農薬中間体として有用である。
【0003】ピリジンカルボン酸の製造法としては、ア
ルキルピリジンのオゾン酸化法、すなわち、触媒として
硫酸金属塩(硫酸バナジル(VOSO4)、硫酸セリウム(C
e2(SO43)、硫酸コバルト(CoSO4)、硫酸鉄(FeS
O4)、硫酸マンガン(MnSO4))を用い、70%の硫酸
中、70℃で4−メチルピリジンを常圧でオゾン酸化し
てイソニコチン酸を高選択率で製造する方法などが知ら
れている。また、各金属塩触媒の活性は、VOSO4
らMnSO4まで前記記載順に高くなり、硫酸マンガン
のばあいに選択率89.6%(速度定数k=28.5h
×mol-1×c-1)であることが報告されている(Chem
ical Abstract 95: 24981h[Zh. Prikl. Khim.,54(2),4
50-2(1981)])。
【0004】しかし、前記硫酸金属塩を触媒として使用
し、メチルピリジンをオゾン酸化する方法には、なお、
転化率が低いためピリジンカルボン酸を高収率でうるこ
とができないという問題があり、その改善が望まれてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記硫酸金属
塩を触媒とし、アルキルピリジンをオゾン酸化する際の
問題を改善するためになされたものであり、アルキルピ
リジンをオゾンと反応させることによりピリジンカルボ
ン酸を製造する方法において、触媒として、マンガン化
合物とコバルト化合物を併用し、コバルト化合物のコバ
ルト原子の原子数1に対するマンガン化合物のマンガン
原子の原子数が1〜10であることを特徴とするピリジ
ンカルボン酸の製造法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、アルキルピリジンを
オゾンと反応させることにより、該アルキル基が酸化さ
れてカルボキシル基に変換されたピリジンカルボン酸が
製造される。前記アルキルピリジンとは、ピリジン環を
構成する炭素原子に少なくとも1個のアルキル基が結合
したピリジンのことであり、結合するアルキル基の数は
3個以下、さらには2個以下であるのが好ましい。な
お、アルキルピリジンが2個以上のアルキル基を有する
ばあいには、各アルキル基は同じであってもよく異なっ
ていてもよい。
【0007】前記アルキル基を構成する炭素原子の数は
4個以下であるのがアルキルピリジンの入手が容易であ
る点から好ましく、メチル基やエチル基であるのがさら
に好ましい。
【0008】前記アルキルピリジンの好ましい具体例と
しては、たとえば2−メチルピリジン、3−メチルピリ
ジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−
エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,3−ジメチ
ルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメ
チルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3,4−ジ
メチルピリジン、3,5−ジメチルピリジン、2−メチ
ルー5−エチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリ
ジン、2,3,4−トリメチルピリジン、2,3,5−
トリメチルピリジン、2,3,6−トリメチルピリジ
ン、3,4,5−トリメチルピリジンなどがあげられ
る。
【0009】前記アルキルピリジンをオゾンと反応させ
る方法としては、たとえばアルキルピリジンを溶媒に溶
解させた液中にオゾンを吹き込んで反応させる方法、ア
ルキルピリジンを溶媒に溶解させた液の上方にオゾンを
吹き込み撹拌してオゾンを溶解させて反応させる方法な
どがあげられる。前記方法のうちではアルキルピリジン
を溶媒に溶解させた液中にオゾンを吹き込んで反応させ
る方法が、反応しやすく、操作が簡便であるなどの点か
ら好ましい。
【0010】前記溶媒の具体例としては、たとえば酢
酸、プロピオン酸、酪酸などの低級脂肪酸、硫酸および
それらの水溶液などがあげられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これ
らのうちでは硫酸(硫酸濃度:50〜80%(重量%、
以下同様))が反応しやすく、短時間で収率よくピリジ
ンカルボン酸を製造できる点から好ましい。
【0011】アルキルピリジンを溶解させた液中のアル
キルピリジンの濃度は特に限定されないが、2〜30
%、さらには3〜20%であるのが、反応操作および容
器効率の点から好ましい。
【0012】また、前記吹き込まれるオゾンは、通常オ
ゾン濃度1〜20容量%、さらには2〜10容量%のオ
ゾンを含有するガスが使用されるが、オゾン発生装置の
能力に対応するものであってこれに限定されない。吹き
込まれるガスに含まれるオゾン以外のガスとしては、酸
素、チッ素などがあげられる。
【0013】また、前記吹き込まれるオゾンの供給速度
としては、充分な量のオゾンを無駄なく溶媒中に溶け込
ませることができる速度であればよく、通常は、アルキ
ルピリジンの有するアルキル基1モルに対して5〜90
g/h、さらには10〜70g/hである。また、必要
かつ充分なオゾンの使用量(反応を終了するまでに使用
するオゾンの全供給量)は、通常は、同じくアルキル基
1モルに対して1〜10モルの範囲内である。オゾンの
使用量が多すぎると、特に反応に問題は生じないが、多
く使用した分に対応する効果が得られず、また、オゾン
の使用量が少なすぎると、高収率でピリジンカルボン酸
をうることができにくくなる傾向が生ずる。
【0014】前記吹き込まれるガスは、たとえばPSA
(Pressure SwingAdsorptio
n:圧力スイング吸着)式オゾナイザー(オゾン発生装
置)などの装置により発生させることができ、そのまま
本発明のオゾン酸化反応に使用することができる。
【0015】さらに、オゾンを吹き込む際の温度として
は、70〜150℃が好ましい。前記温度が70℃未満
のばあいには、反応が進行しにくくなり高収率でピリジ
ンカルボン酸をうるために長時間を要する傾向が生じ、
150℃をこえるばあいには、生成したピリジンカルボ
ン酸の分解がおこるなどして選択性が低下する傾向が生
じる。
【0016】なお、ルチジン類などアルキル基を複数個
有するアルキルピリジンを出発物質としてオゾン酸化反
応を行なうときは、ピコリン類などアルキル基を1個し
か有さないアルキルピリジンを出発物質とするときに比
べ、酸化反応が進行しにくいため、やや高め(プラス1
0〜20℃)に反応温度を設定するのがよい。
【0017】アルキルピリジンをオゾンで酸化すること
によってピリジンカルボン酸が製造されるが、前記アル
キルピリジンとしてアルキル基を1個有するアルキルピ
リジンを使用するばあいにはモノカルボン酸がえられ、
アルキル基を2個有するアルキルピリジンを使用するば
あいには、モノカルボン酸とジカルボン酸がえられ、ア
ルキル基を3個有するアルキルピリジンを使用するばあ
いには、モノカルボン酸とジカルボン酸とトリカルボン
酸がえられる。なお、アルキル基を複数個有するアルキ
ルピリジンを使用するばあいには、反応は、まずアルキ
ルピリジンからモノカルボン酸が生成し、ついでモノカ
ルボン酸からジカルボン酸が生成するという逐次反応で
進行する。オゾンの供給量が少ない場合にはモノカルボ
ン酸の生成反応でオゾンが消費されてしまうため、ジカ
ルボン酸が生成しなくなり、オゾンの供給量が多くなる
にしたがってジカルボン酸、さらにはトリカルボン酸の
生成反応に使用されるオゾンの量が増加するためジカル
ボン酸さらにはトリカルボン酸の生成量が増加してい
く。
【0018】出発物質として使用するアルキルピリジン
の種類により生成するピリジンカルボン酸の収率や選択
率は変化するが、本発明では、アルキルピリジンをオゾ
ンと反応させる際に、触媒として、マンガン化合物とコ
バルト化合物を、コバルト化合物のコバルト原子の原子
数1に対するマンガン化合物のマンガン原子の原子数
(以下、単に原子比ともいう)が1〜10となるように
併用する。コバルト化合物およびマンガン化合物を前記
割合で併用してオゾン酸化反応を行なうため、高選択
率、高収率で各種ピリジンカルボン酸を製造することが
でき、従来のピリジンカルボン酸の製造法が有していた
前記問題の改善をはかることができる。
【0019】触媒として使用するマンガン化合物および
コバルト化合物は、オゾン酸化反応を行なう際に使用す
る溶媒に分散(溶解)しやすいもののほうが溶媒中に溶
け込んだオゾンやアルキルピリジンと触媒との相互作用
がおこりやすくなるため好ましい。
【0020】マンガン化合物およびコバルト化合物の溶
媒に対する溶解度が大きいばあいには、単に、これら化
合物を所定量はかりとったものを溶媒に添加し、撹拌す
るなどして溶解させ、さらにその溶液にアルキルピリジ
ンを溶解させることにより反応溶液をうることができ
る。ただし、反応を行なう際にガスを吹き込むことによ
り撹拌されるので触媒や出発物質を単に順次反応器に仕
込むだけでもよい。
【0021】前記マンガン化合物またはコバルト化合物
は、それだけを単独でアルキルピリジンのオゾン酸化反
応の触媒として使用してもある程度選択的にピリジンカ
ルボン酸を生成する。そして、マンガン化合物のほうが
コバルト化合物よりも良好な結果がえられる。マンガン
化合物とコバルト化合物とを併用するばあい、図1に示
すように、マンガン化合物の割合が増加するのに伴い、
ピリジンカルボン酸の収率は徐々に上昇する。マンガン
原子とコバルト原子の合計に対してマンガン原子の割合
が40原子%(原子比0.67)程度になると、ピリジ
ンカルボン酸の収率は、マンガン化合物を単独で使用す
るときと同程度の収率になる。さらにマンガン化合物の
割合が増加し、マンガン原子の割合が70〜80原子%
(原子比2.3〜4)程度になるあたりでピリジンカル
ボン酸の収率は最大値を示す。さらにマンガン原子の割
合が増加すると、今度はピリジンカルボン酸の収率が減
少しはじめ、しだいにマンガン化合物を単独で使用する
ときのピリジンカルボン酸の収率に近づいてゆく。
【0022】マンガン化合物およびコバルト化合物の使
用量は、溶媒に溶解させたアルキルピリジン1モルに対
し、マンガン化合物およびコバルト化合物の合計中に含
有される金属原子の含有モル数に換算して0.01モル
以上、さらには0.02〜0.1モルが好ましい。マン
ガン化合物およびコバルト化合物の前記使用量が0.0
1モル未満のばあい、触媒としての効果が充分えられに
くく、反応に長時間を要し、高収率でピリジンカルボン
酸をうることができにくくなる傾向が生じ、また、多く
使用しすぎても多く使用した分に対応する効果がえられ
にくくなる傾向が生ずる。
【0023】前記コバルト化合物およびマンガン化合物
としては、2価の金属の各種無機酸や有機酸の塩、有機
金属化合物、錯体などがあげられる。
【0024】前記マンガン化合物の具体例としては、た
とえば硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ
酸マンガンなどの塩、マンガンアセチルアセトナートな
どのキレート化合物などがあげられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうちでは前記マンガン塩が安価に入手でき経済
的であることから好ましい。
【0025】前記コバルト化合物の具体例としては、た
とえば硫酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、ギ
酸コバルトなどの塩やコバルトアセチルアセトナートな
どのキレート化合物などがあげられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうちでは前記コバルト塩が安価に入手でき経済
的であることから好ましい。
【0026】また、前記マンガン化合物およびコバルト
化合物のうち、たとえば溶媒として70%の硫酸を使用
するときは、容易に溶解し、触媒としての効果が充分に
発揮される点から、硫酸マンガンと硫酸コバルトの組合
わせが好ましい。
【0027】アルキルピリジンのオゾン酸化反応は、た
とえば反応器中の溶媒、アルキルピリジン、マンガン化
合物およびコバルト化合物を含む反応液にオゾンを吹き
込んで酸化する方法などがあげられる。反応中の圧力に
はとくに制限はなく、通常は常圧である。
【0028】反応が終了したのち、生成物を含む反応液
を水で希釈するか、あるいは酸に対するピリジンカルボ
ン酸の溶解度が比較的大きいばあいには、アンモニア水
溶液などで中和すると、水に対する溶解度が小さいピリ
ジンカルボン酸が結晶として析出する。析出した結晶を
再結晶して精製することによりピリジンカルボン酸をう
ることができる。
【0029】この際、出発物質としてアルキルを1個有
するアルキルピリジン、たとえば4−メチルピリジンを
使用するときは、4−ピリジンカルボン酸(イソニコチ
ン酸)がえられ、アルキル基を2個有するアルキルピリ
ジン、たとえば2,6−ジメチルピリジンを使用すると
きは、6−メチルー2−ピリジンカルボン酸(モノカル
ボン酸)と2,6−ピリジンジカルボン酸(ジカルボン
酸)をうることができる。モノカルボン酸とジカルボン
酸の割合は、オゾンの供給量によって変化するため、こ
れを変化させることにより生成物の選択性を制御するこ
とができる。オゾン供給速度と反応温度を固定し、オゾ
ン供給量を変化させたばあいには、図2、3に示される
ように、供給量が少ないときは上述したようにモノカル
ボン酸の収率がジカルボン酸の収率よりも高く、多くな
るにつれてジカルボン酸の収率が上昇し、モノカルボン
酸の収率は減少していく。
【0030】
【実施例】つぎに、本発明の製造法を実施例に基づいて
さらに詳細に説明する。
【0031】実施例1 冷却器、温度計、気体導入管を備えつけた円筒型反応器
に、70%の硫酸100ml、硫酸コバルト7水和物
0.31g(1.1ミリモル)および硫酸マンガン4水
和物0.74g(3.3ミリモル)を加え、ついで4−
メチルピリジン9.30g(100ミリモル)を加え
た。えられた混合物中にガス導入管を通してチッ素ガス
を導入しながら115℃に昇温した。ガス導入により該
混合物は撹拌されて均一溶液となった。ついで同温度に
保持し、チッ素ガスにかえてPSA組み込み型オゾナイ
ザSG−01−PSA2(住友精密工業(株))を用い
て発生させたオゾンと酸素の混合ガス(オゾン含有率
2.8%)を供給速度0.5リットル/分(オゾン供給
速度に換算して1.8g/h)で導入し、酸化反応を行
なった。
【0032】混合ガス導入開始から6時間後、すなわち
オゾンの全供給量の4−メチルピリジンに対するモル比
が2.3になったときに混合ガスの導入を停止し、再び
チッ素ガスにかえて室温まで冷却した。えられた生成物
を含んだ反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析し
(内部標準法、内部標準試料:3−メチルピリジン)、
4−メチルピリジンの転化率、生成物の収率および選択
率を求めた。
【0033】なお、高速液体クロマトグラフィーの分析
条件は、次の通りである。
【0034】カラム:SHISEIDO CAPCEL
LPAC C18(内径4.6mm×長さ100mm) 溶離液:A液/メタノール=98/2(容量比)[A
液:KH2PO4(6.8g)、H3PO4(1ml)およ
びC817SO3Na(1.08g)を水で溶解して1リ
ットルとしたもの。] 溶離液流速:0.5ml/分 カラム温度:50℃ 検出:UV 254nm 転化率、生成物の収率および選択率は次式により求め
た。
【0035】
【数1】
【0036】結果を表1に示す。
【0037】実施例2 硫酸コバルト7水和物の使用量を0.62g(2.2ミ
リモル)、硫酸マンガン4水和物の使用量を0.49g
(2.2ミリモル)にかえた以外は実施例1と同様の操
作を行ない、4−メチルピリジンの転化率、生成物の収
率および選択率を求めた。結果を表1に示す。
【0038】実施例3 硫酸コバルト7水和物の使用量を0.11g(0.4ミ
リモル)、硫酸マンガン4水和物の使用量を0.89g
(4.0ミリモル)にかえた以外は実施例1と同様の操
作を行ない、4−メチルピリジンの転化率、生成物の収
率および選択率を求めた。結果を表1に示す。
【0039】なお、図1に実施例1〜3および後述する
比較例1、2のマンガン原子およびコバルト原子の合計
原子数に対するマンガン原子の割合と、4−ピリジンカ
ルボン酸の収率との関係を示す。
【0040】また、実施例1〜3と同様の条件で、70
%硫酸水溶液のかわりに酢酸を用いた系でも行なった
が、70%硫酸水溶液の方が、転化率、収率ともにすぐ
れることがわかった。
【0041】実施例4 実施例1で使用したのと同様の反応器中に、70%の硫
酸30ml、硫酸コバルト7水和物0.093g(0.
33ミリモル)および硫酸マンガン4水和物0.22g
(0.99ミリモル)を加え、ついで2,6−ジメチル
ピリジン3.23g(30ミリモル)を加えたのち、実
施例1のときと同様にチッ素ガスを導入しながら130
℃に昇温した。ついで同温度に保持し、チッ素ガスにか
えてオゾンと酸素の混合ガス(オゾン含有率3.1%)
を0.5リットル/分(オゾン供給速度に換算して2.
0g/h)で導入し、酸化反応を行なった。混合ガス導
入開始から4時間後、すなわちオゾンの全供給量の2,
6−ジメチルピリジンに対するモル比が5.6になった
ときに混合ガスの導入を停止し、再びチッ素ガスにかえ
て室温まで冷却した。えられた生成物を含んだ溶液を高
速液体クロマトグラフィーで分析し、2,6−ジメチル
ピリジンの転化率、生成物の収率および選択率を求め
た。結果を表1に示す。
【0042】実施例5〜8 オゾン供給速度を2.8g/h(オゾン含有率4.3
%)にかえた以外は実施例4と同様の操作を行なった。
分析は混合ガス導入開始から2、4、6および8.7時
間後に行ない、オゾンの全供給量の2,6−ジメチルピ
リジンに対するモル比と2,6−ジメチルピリジンの転
化率、生成物の収率および選択率との関係を求めた。結
果を図2および表2に示す。
【0043】なお、このときのモノカルボン酸(6−メ
チルー2−ピリジンカルボン酸)の最高収率は52%、
ジカルボン酸(2,6−ピリジンジカルボン酸)の最高
収率は60%であった。また、少量のピコリン酸が生成
した。
【0044】図2より、2,6−ジメチルピリジンから
モノカルボン酸およびジカルボン酸への転化は逐次的に
反応が進行し、まず2,6−ジメチルピリジンがモノカ
ルボン酸に転化したのち、前記モノカルボン酸がジカル
ボン酸に転化するという2段階反応をしていると思われ
る。また、生成物の一部は分解していると思われる。
【0045】実施例9〜12 2,6−ジメチルピリジンを3,5−ジメチルピリジン
にかえた以外は実施例5と同様の操作を行なった。分析
は混合ガス導入開始から2、4、6および6.5時間後
に行ない、オゾンの全供給量の3,5−ジメチルピリジ
ンに対するモル比と3,5−ジメチルピリジンの転化
率、生成物の収率および選択率との関係を求めた。結果
を図3および表3に示す。
【0046】なお、このときのモノカルボン酸(5−メ
チルー3−ピリジンカルボン酸)の最高収率は38%、
ジカルボン酸(3,5−ピリジンジカルボン酸)の最高
収率は51%であった。
【0047】図3より、3,5−ジメチルピリジンから
モノカルボン酸およびジカルボン酸への転化は逐次的に
反応が進行し、まず、3,5−ジメチルピリジンがモノ
カルボン酸に転化したのち、前記モノカルボン酸がジカ
ルボン酸に転化するという2段階反応をしていると思わ
れる。また、生成物の一部は分解していると思われる。
【0048】実施例13および14 反応温度を130℃、2,6−ジメチルピリジン3.2
3g(30ミリモル)を2−メチル−5−エチルピリジ
ン3.63g(30ミリモル)にかえ、オゾンと酸素の
混合ガス(オゾン含有率3.6%)を供給速度0.5リ
ットル/分(オゾン供給速度に換算して2.3g/h)
で導入した以外は実施例4と同様の操作を行なった。分
析は混合ガス導入開始から1.1および2.2時間後に
行ない、オゾンの全供給量の2−メチル−5−エチル−
ピリジンに対するモル比と2−メチル−5−エチルピリ
ジンの転化率、生成物の収率および選択率との関係を求
めた。結果を表4に示す。
【0049】なお、アルキル基の種類や結合位置によ
り、反応性が異なる傾向が見られた。
【0050】実施例15および16 オゾンと酸素の混合ガス(オゾン含有率5.0%)を供
給速度0.5リットル/分(オゾン供給速度に換算して
3.2g/h)で導入した以外は、実施例13と同様の
操作を行なった。分析は混合ガス導入開始から3.0お
よび4.5時間後に行ない、オゾンの全供給量の2−メ
チル−5−エチルピリジンに対するモル比と2−メチル
−5−エチルピリジンの転化率、生成物の収率および選
択率との関係を求めた。結果を表4に示す。
【0051】実施例17 オゾン供給時間を6.5時間(オゾンの全供給量の2,
6−ジメチルピリジンに対するモル比12.6)にかえ
た以外は実施例5と同様の操作を行なった。
【0052】分析の結果、2,6−ジメチルピリジンの
転化率は100%、2,6−ピリジンジカルボン酸の収
率は60%(選択率60%)、6−メチル−2−ピリジ
ンカルボン酸の収率は16%(選択率16%)であっ
た。
【0053】比較例1 硫酸コバルト7水和物を使用せず、硫酸マンガン4水和
物の使用量を0.98g(4.4ミリモル)にかえた以
外は実施例1と同様の操作を行ない、4−メチルピリジ
ンの転化率、生成物の収率および選択率を求めた。結果
を表5に示す。
【0054】比較例2 硫酸コバルト7水和物の使用量を1.13g(4.0ミ
リモル)、硫酸マンガン4水和物の使用量を0.09g
(0.4ミリモル)にかえた以外は実施例1と同様の操
作を行ない、4−メチルピリジンの転化率、生成物の収
率および選択率を求めた。結果を表5に示す。
【0055】なお、各表で使用している略号について以
下にまとめる。
【0056】4MPy:4−メチルピリジン 4PyCA:4−ピリジンカルボン酸 26DMPy:2,6−ジメチルピリジン 26PyDCA:2,6−ピリジンジカルボン酸 6M2PyCA:6−メチルー2−ピリジンカルボン酸 35DMPy:3,5−ジメチルピリジン 35PyDCA:3,5−ピリジンジカルボン酸 5M3PyCA:5−メチルー3−ピリジンカルボン酸 2M5EPy:2−メチルー5−エチルピリジン 2M5PyCA:2−メチルー5−ピリジンカルボン酸 5E2PyCA:5−エチルー2−ピリジンカルボン酸 25PyDCA:2,5−ピリジンジカルボン酸 2PyCA:2−ピリジンカルボン酸 3PyCA:3−ピリジンカルボン酸 Mn/(Mn+Co):触媒におけるマンガン化合物の
マンガン原子とコバルト化合物のコバルト原子の合計原
子数に対するマンガン原子の割合 Mn/Co:触媒におけるコバルト化合物のコバルト原
子の原子数1に対するマンガン化合物のマンガン原子の
原子数(原子比)。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【発明の効果】本発明では、アルキルピリジンをオゾン
で酸化してピリジンカルボン酸を製造する方法におい
て、アルキルピリジンの転化率が低く、ピリジンカルボ
ン酸の収率が低いなどの問題を有さず、選択的に高収率
でピリジンカルボン酸を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒におけるマンガン化合物のマンガン原子お
よびコバルト化合物のコバルト原子の合計原子数に対す
るマンガン原子の割合と4−ピリジルカルボン酸の収率
との関係を示すグラフである。
【図2】オゾンの全供給量の2,6−ジメチルピリジン
に対するモル比と2,6−ジメチルピリジンの転化率お
よび生成物の収率との関係を示すグラフである。
【図3】オゾンの全供給量の3,5−ジメチルピリジン
に対するモル比と3,5−ジメチルピリジンの転化率お
よび生成物の収率との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルピリジンをオゾンと反応させる
    ことによりピリジンカルボン酸を製造する方法におい
    て、触媒として、マンガン化合物とコバルト化合物を併
    用し、コバルト化合物のコバルト原子の原子数1に対す
    るマンガン化合物のマンガン原子の原子数が1〜10で
    あることを特徴とするピリジンカルボン酸の製造法。
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