JP2008115123A - 5−メチルニコチン酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 3,5−ジメチルピリジンを原料とした5−メチルニコチン酸の、より簡便な操作で、かつ安価な製造方法を提供すること
【解決手段】 3,5−ジメチルピリジンを低級脂肪族モノカルボン酸を含有する溶媒中、コバルト、マンガン及び臭素を含有する触媒の存在下、液相で分子状酸素により酸化することを特徴とする5−メチルニコチン酸の製造方法。
本発明によれば、使用する酸化剤は空気であり、また使用する触媒も少量でよく、かつリサイクル使用も可能であるため、廃棄物処理面でも負荷が低減される
【選択図】 なし
【解決手段】 3,5−ジメチルピリジンを低級脂肪族モノカルボン酸を含有する溶媒中、コバルト、マンガン及び臭素を含有する触媒の存在下、液相で分子状酸素により酸化することを特徴とする5−メチルニコチン酸の製造方法。
本発明によれば、使用する酸化剤は空気であり、また使用する触媒も少量でよく、かつリサイクル使用も可能であるため、廃棄物処理面でも負荷が低減される
【選択図】 なし
Description
本発明は、医薬、農薬、電子材料等の原料として利用できる5−メチルニコチン酸の製造方法に関するものである。
3,5−ジメチルピリジンから酸化により5−メチルニコチン酸を製造する方法としては、過マンガン酸カリウムにより酸化する方法(非特許文献1、2)、電解酸化により酸化する方法(特許文献1)等がある。
しかし、過マンガン酸カリウムにより酸化する方法では、反応が激しいため工業的規模で実施する場合反応制御が難しいばかりでなく、多量の過マンガン酸カリウムを用いるため、反応後のマンガン廃液の処理の負荷が大きいという欠点を有している。また、電解酸化では設備が特殊であるため、製造設備が限られ、かつ収率も低いという欠点がある。
しかし、過マンガン酸カリウムにより酸化する方法では、反応が激しいため工業的規模で実施する場合反応制御が難しいばかりでなく、多量の過マンガン酸カリウムを用いるため、反応後のマンガン廃液の処理の負荷が大きいという欠点を有している。また、電解酸化では設備が特殊であるため、製造設備が限られ、かつ収率も低いという欠点がある。
本発明の目的は、3,5−ジメチルピリジンを原料とした5−メチルニコチン酸の、より簡便な操作で、かつ安価な製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、3,5−ジメチルピリジンを、低級脂肪族モノカルボン酸を含有する溶媒中で、コバルト、マンガンおよび臭素を含有する触媒の存在下に、液相で分子状酸素により酸化することにより、操作性よくまた高収率で5−メチルニコチン酸が得られることを見出し、本発明に到達した。また、本発明で使用する酸化剤は空気であり、また使用する触媒も少量でよく、かつリサイクル使用も可能であるため、廃棄物処理面でも負荷が低減される。
すなわち、本発明は3,5−ジメチルピリジンを低級脂肪族モノカルボン酸を含有する溶媒中、コバルト、マンガンおよび臭素を含有する触媒の存在下、液相で分子状酸素により酸化することを特徴とする5−メチルニコチン酸の製造方法である。
本願発明により、3,5−ジメチルピリジンを原料とした5−メチルニコチン酸を、より簡便な操作で、かつ安価な方法で製造する5−メチルニコチン酸の製造方法が提供される。
以下に本発明の製造方法について詳しく説明する。
本発明で使用される原料は、一般的に入手可能な3,5−ジメチルピリジンである。
本発明の酸化反応は、低級脂肪族モノカルボン酸を含有する溶媒中、コバルト、マンガンおよび臭素を含有する触媒の存在下、液相で分子状酸素を作用させることによって行うことができる。
本発明で使用される原料は、一般的に入手可能な3,5−ジメチルピリジンである。
本発明の酸化反応は、低級脂肪族モノカルボン酸を含有する溶媒中、コバルト、マンガンおよび臭素を含有する触媒の存在下、液相で分子状酸素を作用させることによって行うことができる。
本発明で使用される酸化触媒であるコバルトおよびマンガンは、低級脂肪族カルボン酸を含有する反応溶媒に可溶或いは分散できる単体または化合物の形態のものを用い、例として金属粉末、金属酸化物、金属塩等、特に好ましくは、金属脂肪酸塩、ハロゲン化金属等を用いることができる。
臭素は、臭素の単体または化合物の何れでも良く、分子状臭素、臭化アルキル、臭化アルカリ、臭化アンモニウム、臭化水素、金属の臭化物塩等が好適であるが、特には臭化アルカリが好ましい。
上記コバルトとマンガンの使用合計量は、原料である3,5−ジメチルピリジン1モルに対して、0.001〜1.0グラム原子、好ましくは0.01〜0.5グラム原子である。このコバルトとマンガンの割合は、コバルトに対するマンガンの量が原子比で、0.1〜10とするが、特に好ましくは0.3〜3とするとよい。
また臭素は、酸化反応を効率よく進めるために必要であり、臭素がないと十分な酸化活性が得られない。この臭素量は、前記コバルトおよびマンガンの合計量に対しその原子比で0.01以上、特には0.05〜1とすることが好ましい。
本発明では、低級脂肪族カルボン酸を含有する溶媒を反応溶媒として用いるが、この低級脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸などを例示できる。これらは、単独で或いは2種以上混合して用いることができ、また、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等のベンゼン化合物やハロゲン化アルキル、無水酢酸、水、アルコールなどの低級脂肪族モノカルボン酸と混和性を有する溶媒との混合溶媒として用いることもできる。しかし溶媒の回収、再利用等を考慮すると低級脂肪族モノカルボン酸単独、もしくは、触媒および反応で生成する水分を考慮した量の無水酢酸と混合して用いることが好ましい。
溶媒量は、撹拌可能であれば特に限定はされないが、通常原料に対し重量比で0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍程度が使用される。
反応に使用する分子状酸素としては、酸素またはそれを不活性ガスで希釈した混合ガスが好適である。工業的にはコスト面から空気を用いるのが好ましい。
酸化反応における反応圧力は、一般に常圧ないし加圧であるが、圧力が高いほど一般に反応収率が向上するので、通常は加圧下に反応を行う。その時の反応圧力は、反応液を液状に保持できる圧力であればよく、反応温度にもよるが、0.5〜6MPa、好ましくは1〜5MPa程度で行われる。
酸化反応における反応温度は、100〜220℃、好ましくは120〜200℃で行うことが望ましい。
反応時間は、触媒量や反応温度等の条件によっても異なるが、一般には約0.1〜30時間、例えば約0.3〜20時間程度である。ただし、酸素吸収がなくなるまで反応すると、両方のメチル基が酸化された3,5−ピリジンジカルボン酸が増加するため好ましくない。所望の組成になるまで、例えば3,5−ジメチルピリジン転化率が50〜80%のなるように反応を止めることが重要である。
反応方式としては、原料と、酸化触媒を溶媒に溶解した触媒液を反応器に予め装入しておき、分子状酸素のみを連続的に供給して反応させる回分式、触媒液のみを反応器に予め装入しておき、原料と分子状酸素を連続的に供給して反応させる半連続式、あるいは原料と、触媒液と、分子状酸素のそれぞれを、反応器に連続的に供給して反応させ、かつ反応液を連続的に抜出す連続方式のいずれの方式でも実施することができる。
酸化反応により生成した5−メチルニコチン酸は、反応終了後反応液を冷却もしくは溶媒をある程度濃縮して水を添加することにより析出するため、濾過などの常法により粗結晶を回収する。回収された5−メチルニコチン酸粗結晶の中には、未反応の3,5−ジメチルピリジンや両方のメチル基が酸化された3,5−ピリジンジカルボン酸が含まれるため、必要であれば酸析、晶析、抽出等のこれらの化合物に特有の公知の手段によって精製することができる。
以下実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例における分析は、高速液体クロマトグラフィーにより、絶対検量線法により定量して行った。
実施例における分析は、高速液体クロマトグラフィーにより、絶対検量線法により定量して行った。
(実施例1)
500mlチタン製オートクレーブに、3,5−ジメチルピリジン40g(0.37mol)、酢酸290.8g、酢酸コバルト4水和物4.65g(0.019mol)、酢酸マンガン4水和物4.57g(0.019mol)、臭化カリウム2.22g(0.019mol)を入れ、空気により3.0MPaに昇圧した後、空気流量1.0ml/minで流通させながら、160℃に加熱し、同温度で2時間反応を行った。
反応終了後、反応液を分析して、この時の転化率、選択率および収率を表1に示した。
500mlチタン製オートクレーブに、3,5−ジメチルピリジン40g(0.37mol)、酢酸290.8g、酢酸コバルト4水和物4.65g(0.019mol)、酢酸マンガン4水和物4.57g(0.019mol)、臭化カリウム2.22g(0.019mol)を入れ、空気により3.0MPaに昇圧した後、空気流量1.0ml/minで流通させながら、160℃に加熱し、同温度で2時間反応を行った。
反応終了後、反応液を分析して、この時の転化率、選択率および収率を表1に示した。
(実施例2〜4)
原料3,5−ジメチルピリジンの仕込量および反応時間を表1のように変えた以外は実施例1と同様にして、その他の薬品の仕込み比は同じにして、酸化反応液を得た。この時の転化率、選択率および収率を表1に示した。
原料3,5−ジメチルピリジンの仕込量および反応時間を表1のように変えた以外は実施例1と同様にして、その他の薬品の仕込み比は同じにして、酸化反応液を得た。この時の転化率、選択率および収率を表1に示した。
(実施例5)
酸化反応温度および反応時間を表1のように変えたほかは実施例4と同様にして、酸化反応液を得た。この時の転化率、選択率および収率を表1に示した。
酸化反応温度および反応時間を表1のように変えたほかは実施例4と同様にして、酸化反応液を得た。この時の転化率、選択率および収率を表1に示した。
(実施例6)
500mlチタン製オートクレーブに、3,5−ジメチルピリジン25g(0.23mol)、酢酸181.8g、無水酢酸9.52g、酢酸コバルト4水和物2.91g(0.012mol)、酢酸マンガン4水和物2.86g(0.012mol)、臭化カリウム1.39g(0.012mol)を入れ、空気により3.0MPaに昇圧した後、空気流量1.0ml/minで流通させながら、160℃に加熱し、同温度で2時間反応を行った。反応終了後、反応液を分析して、この時の転化率、選択率および収率を表1に示した。
500mlチタン製オートクレーブに、3,5−ジメチルピリジン25g(0.23mol)、酢酸181.8g、無水酢酸9.52g、酢酸コバルト4水和物2.91g(0.012mol)、酢酸マンガン4水和物2.86g(0.012mol)、臭化カリウム1.39g(0.012mol)を入れ、空気により3.0MPaに昇圧した後、空気流量1.0ml/minで流通させながら、160℃に加熱し、同温度で2時間反応を行った。反応終了後、反応液を分析して、この時の転化率、選択率および収率を表1に示した。
本願発明により提供される5−メチルニコチン酸の製造方法は、従来公知の製造方法より格段に優れた方法で、3,5−ジメチルピリジンを原料として、より簡便な操作で、かつ安価に5−メチルニコチン酸を製造することができる方法である。
本願発明の5−メチルニコチン酸の製造方法によれば、使用する酸化剤は空気であり、また使用する触媒も少量でよく、かつリサイクル使用も可能であるため、廃棄物処理面でも負荷が低減される。
本願発明の5−メチルニコチン酸の製造方法によれば、使用する酸化剤は空気であり、また使用する触媒も少量でよく、かつリサイクル使用も可能であるため、廃棄物処理面でも負荷が低減される。
Claims (1)
- 3,5−ジメチルピリジンを、低級脂肪族モノカルボン酸を含有する溶媒中、コバルト、マンガンおよび臭素を含有する触媒の存在下、液相で分子状酸素により酸化することを特徴とする5−メチルニコチン酸の製造方法。
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JP2006300964A JP2008115123A (ja) | 2006-11-06 | 2006-11-06 | 5−メチルニコチン酸の製造方法 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1993005022A1 (en) * | 1991-09-02 | 1993-03-18 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Process for producing pyridinecarboxylic acid |
JPH08311031A (ja) * | 1995-05-19 | 1996-11-26 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | ピリジンカルボン酸類の製造方法 |
JPH11343283A (ja) * | 1998-05-29 | 1999-12-14 | Koei Chem Co Ltd | ピリジンカルボン酸の製造法 |
-
2006
- 2006-11-06 JP JP2006300964A patent/JP2008115123A/ja active Pending
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