JPH05339202A - ナフトエ酸の製造方法 - Google Patents

ナフトエ酸の製造方法

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JPH05339202A
JPH05339202A JP17768492A JP17768492A JPH05339202A JP H05339202 A JPH05339202 A JP H05339202A JP 17768492 A JP17768492 A JP 17768492A JP 17768492 A JP17768492 A JP 17768492A JP H05339202 A JPH05339202 A JP H05339202A
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JP
Japan
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cobalt
mmol
reaction
cerium
naphthoic acid
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JP17768492A
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English (en)
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Yasuhito Ogawa
泰仁 小川
Teruaki Yamada
輝明 山田
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メチルナフタレンを、コバルト、セリウム及
び臭素を含み、かつマンガンを含まない触媒の存在下
に、低級脂肪族カルボン酸を含有する溶液中で、分子状
酸素により酸化することからなるナフトエ酸の製造方
法。 【効果】 ナフトエ酸を高収率、高純度、良好な色相
で、かつ効率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、メチルナフタレンから
ナフトエ酸を製造する方法に関する。ナフトエ酸は、例
えば、写真薬、感光剤或いは増感剤の原料、染料や特殊
合成樹脂の原料等として使用されている。
【0002】
【従来の技術】ナフトエ酸の製造方法として、メチルナ
フタレンを、脂肪族カルボン酸を含む溶媒中で、重金属
を含む触媒の存在下に、分子状酸素により酸化する方法
が提案されている。
【0003】例えば、メチルナフタレンを酢酸溶媒中
で、比較的多量のコバルト、マンガン及び臭素を含む触
媒の存在下に、比較的低温で酸化してナフトエ酸を製造
する方法(特公昭48-43892号公報)、低級脂肪族カルボン
酸溶媒中で重金属化合物、臭素化合物、強酸からなる触
媒を使用して酸化する方法(特開昭51-91221号公報)、低
級脂肪族カルボン酸溶媒中でコバルト化合物、臭素化合
物、クロム化合物からなる触媒を使用して酸化する方法
(特開昭51-127035号公報)、該溶媒としてベンゼンと脂
肪族モノカルボン酸との混合物を用いて酸化する方法
(特開平2-164844号公報)、コバルト及びマンガンの重金
属原子に対するメチルナフタレン濃度を一定以下になる
ように連続的に添加して酸化する方法(特開平2-240047
号公報)、水または水と水混和性有機溶媒との混合物中
で塩基性触媒の存在下に酸化する方法(特開平3-236344
号公報)等が知られている。
【0004】しかし、上記の従来の方法ではアルデヒ
ド、ケトン誘導体や酸化重合物等の不純物が多量に副生
し、製品の純度を低下させるために繁雑な精製工程が必
要である等の問題があった。
【0005】すなわち、コバルトとマンガンを併用する
触媒存在下では、その相乗効果によってコバルト及びマ
ンガンのどちらかを使用する場合よりも高い酸化反応活
性を得ることができることは知られていたが、マンガン
の存在下では側鎖酸化の進行と同時にアセトキシル化の
進行が顕著に現れ、次の化1で示すアセトキシル化物の
生成量が増加するため、純度及び色相が低下してしま
う。
【0006】
【化1】
【0007】また、混合溶媒を用いる場合は、工業的な
規模で実施する際、触媒及び溶媒等の回収、循環使用の
工程が繁雑になるなどの問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決したもので、本発明の目的は、不純物の生成を抑
え、高純度、高収率で、かつ色相が良好なナフトエ酸を
製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、メチルナフタ
レンを、コバルト、セリウム及び臭素を、特に好ましく
は、コバルトに対するセリウムの原子比が0.001〜
0.7で、かつコバルト及びセリウムの合計量に対する
臭素の原子比が0.001〜1の割合で含み、かつマン
ガンを含まない触媒の存在下に、低級脂肪族カルボン酸
を含有する溶液中で、分子状酸素により酸化することか
らなるナフトエ酸の製造方法である。
【0010】本発明の原料であるメチルナフタレンに
は、α-体、β-体の2種類の異性体があるが、本発明で
は、それぞれ単体、あるいは混合体のいずれでも用いる
ことができる。
【0011】また、コバルト及びセリウムは、低級脂肪
族カルボン酸を含有する反応溶媒に可溶或いは分散でき
る単体又は化合物の形態のものを用い、例として金属粉
末、金属酸化物、金属塩等、特に好ましくは、金属脂肪
酸塩、ハロゲン化金属等を用いることができる。
【0012】臭素は、臭素の単体又は化合物の何れでも
良く、分子状臭素、臭化アルキル、臭化アルカリ、臭化
アンモニウム、臭化水素、金属の臭化物塩等が好適であ
るが、特には臭化アルカリが好ましい。
【0013】上記コバルトとセリウムは、溶媒100ml
当たり、その合計原子量が0.001〜0.1モル、特に
は0.005〜0.05モルとすることが好ましい。
【0014】一方、セリウムはコバルトに比べて酸化活
性が極めて低い。セリウムがコバルトよりも多量に存在
する場合は、同濃度のコバルトを使用した場合に比べ
て、酸化反応速度が低下するが、コバルトに対するセリ
ウムの原子比が0.7以下の場合には、公知のコバルト
−マンガン系の相乗効果に匹敵する酸化反応活性を得る
ことができる。従って、コバルトに対するセリウムの原
子比は0.001〜0.7、特には0.01〜0.7、さら
には0.05〜0.5とすることが好ましい。
【0015】また臭素は前記コバルト及びセリウムの合
計量に対しその原子比で0.001〜1、特には0.01
〜1とすることが好ましい。臭素量が少ないと充分な酸
化反応活性が得られないが、原子比で1以上に臭素量を
増やしても利点は少ない。
【0016】なお、副生物の生成を抑制する面からマン
ガンは用いるべきではない。
【0017】本発明では、低級脂肪族カルボン酸を含有
する溶媒を反応溶媒として用いるが、この低級脂肪族カ
ルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸などを例
示できる。これらは、単独で或いは2種以上混合して用
いることができ、また、クロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等のベンゼン化
合物やハロゲン化アルキル、無水酢酸、水、アルコール
などの低級脂肪族モノカルボン酸と混和性を有する溶媒
との混合溶媒として用いることもできる。しかし溶媒の
回収、再利用等を考慮すると低級脂肪族モノカルボン酸
単独での方が好ましく、特に酢酸単独で用いることが好
ましい。
【0018】反応に使用する分子状酸素としては、酸素
又はそれを不活性ガスで希釈した混合ガスが好適であ
る。工業的にはコスト面から空気を用いるのが好まし
い。この場合の酸素分圧は0.2kg/cm2(絶対圧)以上あ
れば充分であるが、分圧が高い程反応は速く進行する。
【0019】この酸化反応は、60〜220℃で行うと
良い。反応温度が高くなると原料及び溶媒の分解量が増
す傾向にあるので反応温度は220℃以下が好ましい。
【0020】本発明の方法は、回分式、連続式あるいは
半連続式のいずれの場合においても実施することができ
るが、副生物の生成を抑えてかつ効率的に製造できると
いう点で連続式または半連続式で行うのがよい。
【0021】反応終了後、反応混合物を濃縮すると生成
物が析出するので、これを濾過等の公知の固液分離方法
によって分離回収できる。濃縮後に水を添加することに
より生成物の析出を促すことが出来る。得られる粗ナフ
トエ酸は、テレフタル酸等の精製に用いる従来の公知の
技術手段によって精製することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例にて本発明を更に説明する。な
お、実施例及び比較例中のナフトエ酸純度はガスクロマ
トグラフィの内部標準法によって求めたものである。ま
た、アセトキシル化合物はマススペクトロメトリで同定
し、ガスクロマトグラフィによりその生成量を求めた。
【0023】(実施例1)2-メチルナフタレン6.22
g(43.8mmol)、酢酸50ml、酢酸コバルト4水和物
1.090g(4.38mmol)、酢酸セリウム1水和物0.3
67g(1.10mmol)、臭化ナトリウム0.0563g(0.
548mmol)を反応容器に入れ、常圧条件下で90℃に
加熱した。これに純酸素ガスを300ml/minの割合で
反応液中に吹き込みながら撹拌し、5時間反応を行っ
た。
【0024】反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、水
を加えて析出した固体を濾過して回収し、乾燥し、ナフ
トエ酸を得た。この収率、純度及び色相を表1に示し
た。
【0025】(実施例2)酢酸コバルト4水和物を1.
228g(4.93mmol)、酢酸セリウム1水和物0.18
4g(0.548mmol)とした以外は実施例1と同様にし
て、ナフトエ酸を得た。この収率、純度及び色相を表1
に示した。
【0026】(実施例3)酢酸コバルト4水和物0.9
52g(3.84mmol)、酢酸セリウム1水和物0.551g
(1.64mmol)とし、反応時間を6時間とした以外は実
施例1と同様にして、ナフトエ酸を得た。この収率、純
度及び色相を表1に示した。
【0027】(比較例1)2-メチルナフタレン6.22
g(43.8mmol)、酢酸50ml、酢酸コバルト4水和物
1.364g(5.48mmol)及び臭化ナトリウム0.056
3g(0.548mmol)を反応容器に入れ、常圧条件下で9
0℃に加熱した。これに純酸素ガスを300ml/minの
割合で反応液中に吹き込みながら撹拌し、6時間反応を
行った。
【0028】反応終了後、実施例1と同様の処理を行
い、ナフトエ酸を得た。この収率、純度、色相及びアセ
トキシル化物の量を表1に示した。
【0029】(比較例2)比較例1において、酢酸コバ
ルト4水和物に代えて酢酸マンガン4水和物1.343g
(5.48mmol)を用いた以外は、同様の操作を行い、ナ
フトエ酸を得た。この収率、純度を表1に示した。
【表1】
【0030】(比較例3)2-メチルナフタレン6.22
g(43.8mmol)、酢酸50ml、酢酸コバルト4水和物
1.090g(4.38mmol)、酢酸マンガン1水和物0.2
68g(1.10mmol)及び臭化ナトリウム0.0563g
(0.548mmol)を反応容器に入れ、常圧条件下で90
℃に加熱した。これに純酸素ガスを300ml/minの割
合で反応液中に吹き込みながら撹拌し、5時間反応を行
った。
【0031】反応終了後、実施例1と同様の処理を行
い、ナフトエ酸を得た。この収率、純度、色相及びアセ
トキシル化物の量を表1に示した。
【0032】(比較例4)2-メチルナフタレン6.22
g(43.8mmol)、酢酸50ml、酢酸コバルト4水和物
1.090g(4.38mmol)、酢酸セリウム1水和物0.1
83g(0.548mmol)、酢酸マンガン1水和物0.13
4g(0.548mmol)及び臭化ナトリウム0.0563g
(0.548mmol)を反応容器に入れ、常圧条件下で90
℃に加熱した。これに純酸素ガスを300ml/minの割
合で反応液中に吹き込みながら撹拌し、5時間反応を行
った。
【0033】反応終了後、実施例1と同様の処理を行
い、ナフトエ酸を得た。この収率、純度、色相及びアセ
トキシル化物の量を表1に示した。
【0034】(比較例5)2-メチルナフタレン6.22
g(43.8mmol)、酢酸50ml、酢酸セリウム1水和物
1.837g(5.48mmol)及び臭化ナトリウム0.056
3g(0.548mmol)を反応容器に入れ、常圧条件下で9
0℃に加熱した。これに純酸素ガスを300ml/minの
割合で反応液中に吹き込みながら撹拌し、6時間反応を
行ったが、酸化反応は全く進行しなかった。
【0035】(比較例6)2-メチルナフタレン6.22
g(43.8mmol)、酢酸50ml、酢酸コバルト4水和物
0.682g(2.74mmol)、酢酸セリウム1水和物09
19g(2.74mmol)及び臭化ナトリウム0.0563g
(0.548mmol)を反応容器に入れ、常圧条件下で90
℃に加熱した。これに純酸素ガスを300ml/minの割
合で反応液中に吹き込みながら撹拌し、6時間反応を行
った。
【0036】反応終了後、実施例1と同様の処理を行
い、ナフトエ酸を得た。この収率及び純度を表1に示し
た。
【0037】
【発明の効果】本発明は、ナフトエ酸を高収率、高純
度、良好な色相で、かつ効率よく製造することができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルナフタレンを、コバルト、セリウ
    ム及び臭素を含み、かつマンガンを含まない触媒の存在
    下に、低級脂肪族カルボン酸を含有する溶液中で、分子
    状酸素により酸化することを特徴とするナフトエ酸の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 上記触媒のコバルト、セリウム及び臭素
    の含有比として、コバルトに対するセリウムの原子比が
    0.001〜0.7であり、かつコバルト及びセリウムの
    合計量に対する臭素の原子比が0.001〜1であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のナフトエ酸の製造方
    法。 【0001】
JP17768492A 1992-06-12 1992-06-12 ナフトエ酸の製造方法 Pending JPH05339202A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106431886A (zh) * 2016-09-28 2017-02-22 黄石市利福达医药化工有限公司 一种2‑萘甲酸的制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106431886A (zh) * 2016-09-28 2017-02-22 黄石市利福达医药化工有限公司 一种2‑萘甲酸的制备方法

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