JPH11343170A - 圧電磁器組成物 - Google Patents

圧電磁器組成物

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JPH11343170A
JPH11343170A JP10148939A JP14893998A JPH11343170A JP H11343170 A JPH11343170 A JP H11343170A JP 10148939 A JP10148939 A JP 10148939A JP 14893998 A JP14893998 A JP 14893998A JP H11343170 A JPH11343170 A JP H11343170A
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JP
Japan
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piezoelectric
compsn
value
temperature
resonance frequency
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Application number
JP10148939A
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English (en)
Inventor
Hisafumi Yamamoto
寿文 山元
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3倍波縦振動を利用した高周波対応の圧電共
振子に対して有用な圧電磁器組成物を提供する。 【解決手段】 Pba-w-3x/2-y(La1-zNdzxy
1-w3wPb(Mn1 /3Nb2/3)O3で表され、Aは
Sr、BaまたはCaであり、上記のa、w、x、yお
よびzが、0.85<a<1.15、0.02<w<
0.20、0.05<x<0.09、0.005<y<
0.120、0.005≦z≦1.000からなる圧電
磁器組成物であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチタン酸鉛(PbT
iO3)系の圧電磁器組成物に関し、より詳細には、3
倍波縦振動を利用した高周波対応の圧電共振子等に好適
に用いられる圧電磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりチタン酸鉛系の圧電磁器材料
は、電界を加えると歪みが生じることを利用して、例え
ば、圧電振動子、圧電共振子、圧電発振子、セラミック
フィルタ、表面弾性波(SAW)フィルタ、焦電素子な
どに利用されている。
【0003】このうち、圧電共振子は、HDDやCD−
ROMなどのマイコンのクロック信号発生用として用い
られているが、近年の処理速度の高速化に伴い、発振周
波数の高周波化が要求されている。振動モードと共振周
波数の関係から10MHz帯域では厚み縦振動モードが
用いられているが、これ以上の高周波帯域になると板厚
と周波数が反比例することから、板厚が薄くなりすぎて
取り扱いが難くなる。そこで通常は3次厚み縦振動モー
ドを使用することになる。
【0004】ただし高次モードを使用する場合、他の次
数のモードの共振がスプリアスとして近接するために、
材料特性である高次の共振周波数のP/V(3次の共振
周波数の共振抵抗Zrと反共振抵抗Zaの比であり、P
/V=20LogZa/Zrとして計算される)が大き
くなければ所定の周波数で発振できなくなり、共振周波
数の温度特性の悪いスプリアスの方が発振してしまった
り、また、基本波が発振してしまうなどの問題がある。
【0005】このような高次、詳細には3次振動を利用
する圧電共振子に適用可能なP/Vを有する圧電磁器材
料としては、例えば、特開平6−191934号公報や
特開昭63−182255号公報に開示されたものがあ
る。
【0006】特開平6−191934号公報に開示され
た圧電磁器材料は、Pb(LaNd)TiO3-Pb(FeNb)O3系を主成
分として、Pb(LaNd)TiO3のPbサイトをCa、Sr、B
aのいずれかで置換すると共に、MnO2(MnCO3)を焼結助
剤として数重量%含有させることにより、Pb(LaNd)TiO3
-Pb(FeNb)O3系の熱エージング特性、耐衝撃性、及び焼
結性を改善させたものである。
【0007】一方、特開昭63−182255号公報に
開示された圧電磁器組成物は、主成分のPbLaMnTiO3系の
Laの一部をSr、Ca、Baのいずれかで置換すると
共に、Tiの一部を(Nb1/2Fe1/2)、(Nb1/2Co1/2)、(Nb
1/2Ni1/2)のいずれかで置換して、3倍波振動のP/V
のばらつきを低減し、焼成温度の許容幅を広くすること
によって歩留りを向上させたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の処理速
度の高速化は発振周波数のより一層の高周波化を要求す
ることとなり、30MHz以上の高周波対応共振子も必
要とされてきている。この場合、圧電共振子を用い安定
した発振を確保するには、使用する発振回路のICとの
相性もあるがP/Vは最低でも45dB以上が必要とさ
れる。
【0009】しかしながら上記の2つの圧電磁器材料で
は3次の共振周波数のP/Vが十分大きくならず、目的
周波数で安定して発振出来ないという課題があった。
【0010】又、近年の共振周波数の温度特性として、
±0.3%以内の値が要望されている。
【0011】さらに、部品を表面実装化するには、はん
だ付け条件を考慮すると、キュリー温度を最低でも30
0℃以上とする必要がある。
【0012】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、P/Vが最低でも45dB以上で、共振周波数の
温度特性T.C.の絶対値が0.3%未満でありかつ、キュ
リー温度が300℃以上の特性値を有する圧電磁器組成
物を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、 Pb(LaNd)TiO3系において、MnO2を主成
分としてでなく焼結助剤等の添加物として加える方法で
は、必要な45dBを越えるP/V値を得ることができ
ないこと、 Pb(LaNd)TiO3系においてFe23の添加
はP/Vに関してはマイナスに作用し、添加と共にP/
V値が減少する傾向にあること、 これまで、化学量論的に添加されてこなかったMnO
2をPb(Mn1/3Nb2/3)O3が形成されるように化学
量論的に添加することによりP/Vが著しく向上するこ
と、 Pb(LaNd)TiO3系を主成分とし、Pb成分
のうちPbの一部をSr、BaおよびCaの少なくとも
一種の元素により置換するとともに、Tiの一部を(M
1/3Nb2/3)によって置換したときに高次厚み縦振動
におけるP/V値が著しく改善され、共振周波数が40
MHzを越えても安定した発振を得ることができるこ
と、を見い出し、本発明を完成させた。
【0014】即ち、本発明の圧電磁器組成物は、Pb
a-w-3x/2-y(La1-zNdz)xyTi1- w3wPb(Mn
1/3Nb2/3)O3で表され、AはSr、BaまたはCaで
あり、上記のa、w、x、yおよびzが、0.85<a
<1.15(好ましくは0.95≦a≦1.05)、
0.02<w<0.20(好ましくは0.04≦w≦
0.06)、0.05<x<0.09(好ましくは0.
065≦x≦0.085)、0.005<y<0.12
0(好ましくは0.03≦y≦0.05)、0.005
≦z≦1.000(好ましくは0.03≦z≦0.10
0)からなることを特徴とする。
【0015】Pbは量的に融通性があるのでaの値を増
減させることができるが、上記においてaの範囲を0.
85<a<1.15としたのは、0.85以下ではP/
Vが低くなり、1.15以上では緻密な磁器が得られず
分極できなくなるからである。
【0016】wの範囲を0.02<w<0.20とした
のは、0.02以下ではP/Vが低くなり、0.20以
上では共振周波数の温度特性が正側に大きくシフトする
からである。
【0017】xの範囲を0.05<x<0.09とした
のは、0.05以下ではP/Vが低くなり、0.09以
上ではキュリー温度が300℃以下になるからである。
【0018】yの範囲を0.005<y<0.120と
したのは、0.005以下では温度特性が悪く、0.1
20以上では共振周波数の温度特性が再び正側に大きく
シフトし又キュリー温度も300℃以下になるからであ
る。
【0019】zの範囲を0.005≦z≦1.000と
したのは、Z=1の場合でも焼結特性は改善されるが、
0.005未満では共振周波数の温度特性が悪くなるか
らである。
【0020】
【作用】本発明の圧電磁器組成物では、Pba-w-3x/2-y
(La1-zNdzxyTi1-w3wPb(Mn1/3Nb
2/3)O3で表され、AはSr、BaまたはCaであり、
上記のa、w、x、yおよびzが、0.85<a<1.
15、0.02<w<0.20、0.05<x<0.0
9、0.005<y<0.120、0.005≦z≦
1.000からなり、P/Vに関してはマイナスに作用
するFe23を添加せず、MnO2をPb(Mn1/3Nb
2/3)O3が形成されるように化学量論的に添加している
ので、P/Vが著しく向上する。
【0021】また、PT系にPb(Mn1/3Nb2/3)O3
が適切な範囲で固溶しているため、焼結特性が良好にな
ってP/Vが向上し、それに伴う共振周波数の温度特性
も改善される。
【0022】さらに、Pbの一部がLa及びNdにより
置換されているので、結晶格子がより等方的になり、粒
子の異方的な粒成長が抑制されて焼結特性が改善される
のでこれによってもP/Vが向上する。
【0023】また、Pbの一部がSr、BaまたはCa
のうち、少なくとも1つによって適切に置換されている
ので、圧電磁器の分極が安定して共振周波数の温度特性
が改善される。
【0024】さらに、Pbの一部がNdにより置換され
ているので、温度変化による結晶の歪みの発生が緩和さ
れ、共振周波数の温度特性が改善される。
【0025】
【実施例】まず、本発明の圧電磁器組成物による圧電素
子の製造法について説明する。
【0026】原料としてPbO(あるいはPb34)、
TiO2、La23、Nd23とSrCO3、CaC
3、BaCO3のうちいずれかと、Nb25、MnCO
3(あるいはMnO2)を用い、下記の表1に示した組成
で秤量し、ポットミルにて湿式混合した。前記湿式混合
の後、脱水乾燥させ、800〜1000℃で2時間仮焼
した。
【0027】次いで上記仮焼粉末をさらにポットミルな
どを用いて粉砕した後、PVA(ポリビニルアルコー
ル)などの有機バインターを加えて0.5〜2.0t/
cm2程度の圧力で20×30mm厚み1.5mm程度
の直方体状に加圧成形した。この後1100〜1300
℃程度の温度で4時間焼成した。
【0028】こうして得られた圧電磁器を厚み0.2m
mに研磨した後、その両面に銀蒸着により電極を形成
し、120℃、3〜6KV/mmの条件下で約10分間
分極処理を施した。前記処理を施した試料を3×2.3
mmの大きさに切り出し、図1に示すように3次高調波
を励振させるための閉じこめ用電極2を引き出し電極3
と共にエッチングにより圧電素子1上に形成した。な
お、比較例として、組成が本発明で規定する範囲外のも
のについても同様にして製造した。
【0029】次に、上記工程により得られた圧電素子に
ついての圧電特性の測定方法について説明する。
【0030】P/V値については、インピーダンスアナ
ライザーを用いて厚み縦3次高調波の共振周波数40M
Hzでの共振抵抗Zrおよび反共振抵抗Zaを測定し、
式P/V=20LogZa/Zrにより60個平均のP
/V値を算出した。
【0031】また式1により、共振周波数の温度特性を
算出した。測定温度範囲は−20℃〜80℃である。
【0032】さらにキュリー温度を、温度に対する容量
変化から測定した。
【0033】
【式1】 ただし、fr(max):−25℃〜80℃の間で最大
になる共振周波数 fr(min):−25℃〜80℃の間で最小になる共
振周波数 fr(25°):25℃における共振周波数を示す。
【0034】得られた結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1において、No.5(比較例)が示す
ようにwの値が0.02以下ではP/Vが低くなり、N
o.7(比較例)が示すようにwの値が0.20以上で
は共振周波数の温度特性が正側に大きくシフトしてい
る。
【0037】No.10(比較例)が示すようにxの値
が0.05以下ではP/V値が低くなり、No.8(比
較例)が示すようにxの値が0.09以上ではキュリー
温度が300℃以下になる。
【0038】No.11(比較例)が示すようにyの値
が0.005以下では温度特性が悪く、No.13(比
較例)が示すようにyの値が0.120以上では共振周
波数の温度特性が再び正側に大きくシフトすると共に、
キュリー温度も300℃以下になる。
【0039】No.15(比較例)が示すようにzの値
が0.005未満では温度特性が悪くなる。
【0040】No.23(比較例)が示すようにaの値
が0.85以下ではP/Vが低くなり、 No.22
(比較例)が示すようにaの値が1.15以上では緻密
な磁器が得られず分極出来なくなる。
【0041】一方、これらの比較例に対して、本発明の
範囲内にあるものは、表1から明らかなように、いずれ
も、P/V値が45dBを越えており、共振周波数の温
度特性も0.3%未満であり、キュリー温度が300℃
以上と、良好な値を示している。
【0042】
【発明の効果】本発明の圧電磁器組成物は、Pb
a-w-3x/2-y(La1-zNdzxyTi1-w3wPb
(Mn1/3Nb2/3)O3で表され、AはSr、Baまた
はCaであり、上記のa、w、x、yおよびzが、0.
85<a<1.15、0.02<w<0.20、0.0
5<x<0.09、0.005<y<0.120、0.
005≦z≦1.000からなるので、P/Vが最低で
も45dB以上で、共振周波数の温度特性T.C.の絶対値
が0.3%未満、キュリー温度が300℃以上の特性値
を有する圧電素子を提供することが可能となる。
【0043】従って、本発明の圧電磁器組成物は、特に
3次厚み縦振動モードを利用した30MHz以上の高周
波対応圧電共振子に利用したときに優れた効果を発揮す
る。
【0044】即ち、本発明の圧電磁器組成物を用いた圧
電素子は、3次の共振周波数のP/V値が大きいために
目的周波数で安定して発振を起こすことができ、かつ共
振周波数の温度に対する信頼性も高く、さらに、キュリ
ー温度も高いことから表面実装化にも対応できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において、圧電特性を測定するために圧
電素子上に形成された電極の形状を示す平面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pba-w-3x/2-y(La1-zNdzxy
    1-w3wPb(Mn1/3Nb2/3)O3で表され、Aは
    Sr、BaまたはCaであり、上記のa、w、x、yお
    よびzが 0.85<a<1.15 0.02<w<0.20 0.05<x<0.09 0.005<y<0.120 0.005≦z≦1.000 からなることを特徴とする圧電磁器組成物。
JP10148939A 1998-05-29 1998-05-29 圧電磁器組成物 Pending JPH11343170A (ja)

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