JPH11343121A - MnMgCuZnフェライト材料の製造方法 - Google Patents
MnMgCuZnフェライト材料の製造方法Info
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- JPH11343121A JPH11343121A JP10165875A JP16587598A JPH11343121A JP H11343121 A JPH11343121 A JP H11343121A JP 10165875 A JP10165875 A JP 10165875A JP 16587598 A JP16587598 A JP 16587598A JP H11343121 A JPH11343121 A JP H11343121A
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- Japan
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- oxide
- ferrite material
- mnmgcuzn
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 比較的抵抗率が高く、原料コストの安いMn
MgCuZnフェライト材料の利点を生かし、既存の同
系列の材料よりもはるかに飽和磁束密度が高く、また磁
気損失も十分に小さいという優れた特性を有するMnM
gCuZnフェライト材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 酸化鉄を47.0〜50.4モル%、酸
化マグネシウムを14.0〜23.0モル%、酸化亜鉛
を19.5〜22.5モル%(22.5モル%は含まな
い)、酸化銅を6.5〜15.5モル%、酸化マンガン
を0.1〜3.5モル%の範囲で含有する材料を119
0℃以下の温度で燒結してMnMgCuZnフェライト
材料とする。
MgCuZnフェライト材料の利点を生かし、既存の同
系列の材料よりもはるかに飽和磁束密度が高く、また磁
気損失も十分に小さいという優れた特性を有するMnM
gCuZnフェライト材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 酸化鉄を47.0〜50.4モル%、酸
化マグネシウムを14.0〜23.0モル%、酸化亜鉛
を19.5〜22.5モル%(22.5モル%は含まな
い)、酸化銅を6.5〜15.5モル%、酸化マンガン
を0.1〜3.5モル%の範囲で含有する材料を119
0℃以下の温度で燒結してMnMgCuZnフェライト
材料とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MnMgCuZn
フェライト材料の製造方法に係り、高い飽和磁束密度お
よび低い磁気損失を有し、高速走査陰極線管、特に広角
度形の高速走査陰極線管や大画面の高速走査陰極線管用
の偏向ヨークコアやトランス等に使用可能なMnMgC
uZnフェライト材料の製造方法に関する。
フェライト材料の製造方法に係り、高い飽和磁束密度お
よび低い磁気損失を有し、高速走査陰極線管、特に広角
度形の高速走査陰極線管や大画面の高速走査陰極線管用
の偏向ヨークコアやトランス等に使用可能なMnMgC
uZnフェライト材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、高速走査陰極線管(以下、CR
Tという)用の偏向ヨークコアは、従来からMnMgZ
nフェライト材料(特開昭48−65499号)が用い
られている。このMnMgZnフェライト材料は、抵抗
率が比較的高く、原料コストが安いことから、国内はも
とより、外国においても偏向ヨークコア用のフェライト
材料として広く使用されている。
Tという)用の偏向ヨークコアは、従来からMnMgZ
nフェライト材料(特開昭48−65499号)が用い
られている。このMnMgZnフェライト材料は、抵抗
率が比較的高く、原料コストが安いことから、国内はも
とより、外国においても偏向ヨークコア用のフェライト
材料として広く使用されている。
【0003】偏向ヨークコアの製造方法は、一般的なフ
ェライトコアと同様に、各原料を混合して仮焼し、粉砕
した後、適当なバインダーと共に混練して造粒し、金型
を用いて所定の形状にプレス成形したものを燒結する工
程からなる。従来のMnMgZnフェライト材料を用い
た場合、1250℃以上の温度で燒結が行われる。
ェライトコアと同様に、各原料を混合して仮焼し、粉砕
した後、適当なバインダーと共に混練して造粒し、金型
を用いて所定の形状にプレス成形したものを燒結する工
程からなる。従来のMnMgZnフェライト材料を用い
た場合、1250℃以上の温度で燒結が行われる。
【0004】さらに、近年、CRTディスプレイでは大
画面化が進むとともに、民生用テレビジョンでは広角度
化がますます進んでいる。このような大画面化や広角度
化に対応するために、偏向ヨークに用いられるフェライ
トコアには、高い飽和磁束密度が必要になってきてい
る。そして、高い飽和磁束密度を有するフェライト材料
を用いることにより、偏向ヨーク用のフェライトコアの
薄肉化が可能となる。さらに、高精細度化や倍速度化に
伴い水平周波数が非常に高くなり、偏向ヨークに用いら
れるフェライトコアには、磁気損失が低いことが要求さ
れている。
画面化が進むとともに、民生用テレビジョンでは広角度
化がますます進んでいる。このような大画面化や広角度
化に対応するために、偏向ヨークに用いられるフェライ
トコアには、高い飽和磁束密度が必要になってきてい
る。そして、高い飽和磁束密度を有するフェライト材料
を用いることにより、偏向ヨーク用のフェライトコアの
薄肉化が可能となる。さらに、高精細度化や倍速度化に
伴い水平周波数が非常に高くなり、偏向ヨークに用いら
れるフェライトコアには、磁気損失が低いことが要求さ
れている。
【0005】一方、偏向ヨークコアは、動作中の温度で
の熱暴走を防ぐために、100℃付近での磁気損失の温
度係数が負であることが望まれる。上記の磁気損失の温
度係数を負にする手法の一つとして、キュリー点の高い
フェライトを使用する方法があり、偏向ヨークに必要な
キュリー点は約140℃以上である。
の熱暴走を防ぐために、100℃付近での磁気損失の温
度係数が負であることが望まれる。上記の磁気損失の温
度係数を負にする手法の一つとして、キュリー点の高い
フェライトを使用する方法があり、偏向ヨークに必要な
キュリー点は約140℃以上である。
【0006】また、リンギング現象を抑制するために、
偏向ヨークコアは高い抵抗率を有することが必要であ
る。リンギング現象とは、コイルの線間、もしくは、コ
イルとコアとの間に静電容量が発生し、変調された電流
により画面上に縦縞が現れる現象である。リンギング現
象抑制に必要なフェライトコアの抵抗率は、106 Ωc
m以上とされている(特公平5−75714号)。
偏向ヨークコアは高い抵抗率を有することが必要であ
る。リンギング現象とは、コイルの線間、もしくは、コ
イルとコアとの間に静電容量が発生し、変調された電流
により画面上に縦縞が現れる現象である。リンギング現
象抑制に必要なフェライトコアの抵抗率は、106 Ωc
m以上とされている(特公平5−75714号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような事情か
ら、特公平3−66254号、特公平5−75714
号、および、日本応用磁気学会誌21,915−918
(1997)では、酸化銅(CuO換算)を5モル%以
下の範囲で加えたMnMgZnフェライト材料を125
0℃以上の温度で燒結することで、磁気損失が低くなる
ことが開示されている。しかしながら、磁気損失を低く
抑えながらMnMgZnフェライト材料の飽和磁束密度
を高めることができる製造方法は未だ報告されていな
い。
ら、特公平3−66254号、特公平5−75714
号、および、日本応用磁気学会誌21,915−918
(1997)では、酸化銅(CuO換算)を5モル%以
下の範囲で加えたMnMgZnフェライト材料を125
0℃以上の温度で燒結することで、磁気損失が低くなる
ことが開示されている。しかしながら、磁気損失を低く
抑えながらMnMgZnフェライト材料の飽和磁束密度
を高めることができる製造方法は未だ報告されていな
い。
【0008】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、比較的抵抗率が高く、原料コストの安
いMnMgCuZnフェライト材料の利点を生かし、既
存の同系列の材料よりもはるかに飽和磁束密度が高く、
また磁気損失も十分に小さいという優れた特性を有する
MnMgCuZnフェライト材料の製造方法を提供する
ことを目的とする。
れたものであり、比較的抵抗率が高く、原料コストの安
いMnMgCuZnフェライト材料の利点を生かし、既
存の同系列の材料よりもはるかに飽和磁束密度が高く、
また磁気損失も十分に小さいという優れた特性を有する
MnMgCuZnフェライト材料の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のMnMgCuZnフェライト材料の
製造方法は、酸化鉄47.0〜50.4モル%、酸化マ
グネシウム14.0〜23.0モル%、酸化亜鉛19.
5〜22.5モル%(22.5モル%は含まない)、酸
化銅6.5〜15.5モル%、酸化マンガン0.1〜
3.5モル%の組成範囲にある材料を1190℃以下の
温度で燒結するような構成とした。
るために、本発明のMnMgCuZnフェライト材料の
製造方法は、酸化鉄47.0〜50.4モル%、酸化マ
グネシウム14.0〜23.0モル%、酸化亜鉛19.
5〜22.5モル%(22.5モル%は含まない)、酸
化銅6.5〜15.5モル%、酸化マンガン0.1〜
3.5モル%の組成範囲にある材料を1190℃以下の
温度で燒結するような構成とした。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0011】本発明のMnMgCuZnフェライト材料
の製造方法は、燒結後の組成において、酸化鉄をFe2
O3 換算で47.0〜50.4モル%、好ましくは4
7.5〜49.8モル%、酸化マグネシウムをMgO換
算で14.0〜23.0モル%、好ましくは17.0〜
21.5モル%、酸化亜鉛をZnO換算で19.5〜2
2.5モル%(22.5モル%は含まない)、酸化銅を
CuO換算で6.5〜15.5モル%、好ましくは7.
0〜12.5モル%、酸化マンガンをMn2 O3換算で
0.1〜3.5モル%、好ましくは0.1〜2.5モル
%の範囲で含有する材料を、1190℃以下の温度で燒
結させるものである。
の製造方法は、燒結後の組成において、酸化鉄をFe2
O3 換算で47.0〜50.4モル%、好ましくは4
7.5〜49.8モル%、酸化マグネシウムをMgO換
算で14.0〜23.0モル%、好ましくは17.0〜
21.5モル%、酸化亜鉛をZnO換算で19.5〜2
2.5モル%(22.5モル%は含まない)、酸化銅を
CuO換算で6.5〜15.5モル%、好ましくは7.
0〜12.5モル%、酸化マンガンをMn2 O3換算で
0.1〜3.5モル%、好ましくは0.1〜2.5モル
%の範囲で含有する材料を、1190℃以下の温度で燒
結させるものである。
【0012】上記の範囲を外れた組成領域の材料を使用
した場合、得られたMnMgCuZnフェライト材料
は、飽和磁束密度、抵抗率、キュリー点が低く、磁気損
失が大きくなり、例えば、広角度形CRT用や大画面形
CRT用の偏向ヨークとしての適性に欠けるものとな
る。
した場合、得られたMnMgCuZnフェライト材料
は、飽和磁束密度、抵抗率、キュリー点が低く、磁気損
失が大きくなり、例えば、広角度形CRT用や大画面形
CRT用の偏向ヨークとしての適性に欠けるものとな
る。
【0013】具体的には、例えば、酸化鉄量が47.0
モル%未満であると、飽和磁束密度の低下、キュリー点
の低下が生じ、50.4モル%を超えると、抵抗率の低
下が生じる。また、酸化亜鉛量が19.5モル%未満で
あると、磁気損失が大きくなり、22.5モル%以上に
なると、飽和磁束密度の低下、キュリー点の低下が生じ
る。酸化銅量が6.5モル%未満であると、1000〜
1190℃の比較的低い焼成温度での燒結ができなくな
り、さらに、飽和磁束密度の低下、キュリー点の低下が
生じる。酸化銅量が15.5モル%を超えると、磁気損
失の増大、抵抗率の低下が生じる。さらに、酸化マンガ
ンは磁気異方性を小さくするだけでなく、粒成長を促進
し、初透磁率を向上させヒステリシス損失を小さくする
効果があるが、3.5モル%を超えると、飽和磁束密度
の低下、キュリー点の低下、抵抗率の低下が起きる。
尚、酸化マグネシウムは、他の成分の割合を維持させる
補充的な役割を果たす。また、燒結温度が1190℃を
超えると、異常粒成長、マグネシウム酸化物や銅酸化物
の偏析、および、Fe2+の生成量の増加が生じ、飽和磁
束密度の低下、磁気損失の増大が顕著になる。
モル%未満であると、飽和磁束密度の低下、キュリー点
の低下が生じ、50.4モル%を超えると、抵抗率の低
下が生じる。また、酸化亜鉛量が19.5モル%未満で
あると、磁気損失が大きくなり、22.5モル%以上に
なると、飽和磁束密度の低下、キュリー点の低下が生じ
る。酸化銅量が6.5モル%未満であると、1000〜
1190℃の比較的低い焼成温度での燒結ができなくな
り、さらに、飽和磁束密度の低下、キュリー点の低下が
生じる。酸化銅量が15.5モル%を超えると、磁気損
失の増大、抵抗率の低下が生じる。さらに、酸化マンガ
ンは磁気異方性を小さくするだけでなく、粒成長を促進
し、初透磁率を向上させヒステリシス損失を小さくする
効果があるが、3.5モル%を超えると、飽和磁束密度
の低下、キュリー点の低下、抵抗率の低下が起きる。
尚、酸化マグネシウムは、他の成分の割合を維持させる
補充的な役割を果たす。また、燒結温度が1190℃を
超えると、異常粒成長、マグネシウム酸化物や銅酸化物
の偏析、および、Fe2+の生成量の増加が生じ、飽和磁
束密度の低下、磁気損失の増大が顕著になる。
【0014】本発明のMnMgCuZnフェライト材料
の製造方法では、材料として上記の成分の他にCaO、
CoO、NiO、SiO2 、TiO2 、SnO2 、Mo
O3、WO3 、Bi2 O3 、In2 O3 、Cr2 O3 、
Al2 O3 、Ta2 O5 、Nb2 O5 、V2 O5 等の1
種または2種以上を1重量%以下の割合で含有してもよ
い。
の製造方法では、材料として上記の成分の他にCaO、
CoO、NiO、SiO2 、TiO2 、SnO2 、Mo
O3、WO3 、Bi2 O3 、In2 O3 、Cr2 O3 、
Al2 O3 、Ta2 O5 、Nb2 O5 、V2 O5 等の1
種または2種以上を1重量%以下の割合で含有してもよ
い。
【0015】本発明により製造されたMnMgCuZn
フェライト材料は、従来の同系列の材料に比べて、飽和
磁束密度が高く(100℃において210mT以上)、
また、磁気損失が小さく(100℃において周波数10
0kHzの正弦波交流磁界を100mT印加した条件で
600kW/m3 以下)、キュリー点が高く(140℃
以上)、抵抗率が高く(106 Ωcm以上)、CRT
用、特に広角度形CRT用や大画面形CRT用の偏向ヨ
ークコアやトランス等に有用である。
フェライト材料は、従来の同系列の材料に比べて、飽和
磁束密度が高く(100℃において210mT以上)、
また、磁気損失が小さく(100℃において周波数10
0kHzの正弦波交流磁界を100mT印加した条件で
600kW/m3 以下)、キュリー点が高く(140℃
以上)、抵抗率が高く(106 Ωcm以上)、CRT
用、特に広角度形CRT用や大画面形CRT用の偏向ヨ
ークコアやトランス等に有用である。
【0016】
【実施例】次に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0017】燒結後の組成が下記の範囲内となるように
各成分を秤量し、鋼鉄製ボールミルで15時間湿式混合
した。
各成分を秤量し、鋼鉄製ボールミルで15時間湿式混合
した。
【0018】 ・酸化鉄(Fe2 O3 ) : 47.0〜50.4モル% ・酸化マグネシウム(MgO): 14.0〜23.0モル% ・酸化亜鉛(ZnO) : 19.5〜22.5モル% (22.5モル%は含まない) ・酸化銅(CuO) : 6.5〜15.5モル% ・酸化マンガン(Mn2 O3 ): 0.1〜3.5モル% 次に、この混合粉を大気中900℃で2時間仮焼成し、
次いで、鋼鉄製ボールミルで15時間湿式粉砕した。こ
うして得られたMnMgCuZnフェライト粉にポリビ
ニルアルコール水溶液を10重量%添加して造粒し、1
ton/cm2の圧力でトロイダル形状に成形した。こ
の成形体を大気中1000〜1200℃の温度範囲内の
所定の温度で1〜3時間燒結してMnMgCuZnフェ
ライト材料(実施例1〜15、比較例1〜2)を得た。
このMnMgCuZnフェライト材料(実施例1〜1
5、比較例1〜2)の組成、燒結温度・保持時間を下記
の表1に示した。また、各MnMgCuZnフェライト
材料(実施例1〜15、比較例1〜2)について、10
0℃における飽和磁束密度、100℃で周波数100k
Hzの正弦波交流磁界を100mT印加した条件での磁
気損失、室温での抵抗率、および、キュリー点を測定し
て、結果を下記の表1に示した。
次いで、鋼鉄製ボールミルで15時間湿式粉砕した。こ
うして得られたMnMgCuZnフェライト粉にポリビ
ニルアルコール水溶液を10重量%添加して造粒し、1
ton/cm2の圧力でトロイダル形状に成形した。こ
の成形体を大気中1000〜1200℃の温度範囲内の
所定の温度で1〜3時間燒結してMnMgCuZnフェ
ライト材料(実施例1〜15、比較例1〜2)を得た。
このMnMgCuZnフェライト材料(実施例1〜1
5、比較例1〜2)の組成、燒結温度・保持時間を下記
の表1に示した。また、各MnMgCuZnフェライト
材料(実施例1〜15、比較例1〜2)について、10
0℃における飽和磁束密度、100℃で周波数100k
Hzの正弦波交流磁界を100mT印加した条件での磁
気損失、室温での抵抗率、および、キュリー点を測定し
て、結果を下記の表1に示した。
【0019】また、比較として、燒結後の組成が上記の
範囲から外れるMnMgCuZnフェライト材料(比較
例3〜8)を上記のMnMgCuZnフェライト材料
(実施例1〜15)と同様にして作製した。尚、このM
nMgCuZnフェライト材料(比較例3〜8)の組
成、燒結温度・保持時間は下記の表2に示したように設
定した。また、各MnMgCuZnフェライト材料(比
較例3〜8)について、100℃における飽和磁束密
度、100℃で周波数100kHzの正弦波交流磁界を
100mT印加した条件での磁気損失、室温での抵抗
率、および、キュリー点を測定して、結果を下記の表2
に示した。
範囲から外れるMnMgCuZnフェライト材料(比較
例3〜8)を上記のMnMgCuZnフェライト材料
(実施例1〜15)と同様にして作製した。尚、このM
nMgCuZnフェライト材料(比較例3〜8)の組
成、燒結温度・保持時間は下記の表2に示したように設
定した。また、各MnMgCuZnフェライト材料(比
較例3〜8)について、100℃における飽和磁束密
度、100℃で周波数100kHzの正弦波交流磁界を
100mT印加した条件での磁気損失、室温での抵抗
率、および、キュリー点を測定して、結果を下記の表2
に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】 表1に示されるように、本発明の製造方法により得られ
たMnMgCuZnフェライト材料(実施例1〜15)
は、いずれも100℃において飽和磁束密度が210m
T以上、100℃において周波数100kHzの正弦波
交流磁界を100mT印加した条件で磁気損失が600
kW/m3 以下、キュリー点が140℃以上、抵抗率が
106 Ωcm以上の特性を有することが確認された。
たMnMgCuZnフェライト材料(実施例1〜15)
は、いずれも100℃において飽和磁束密度が210m
T以上、100℃において周波数100kHzの正弦波
交流磁界を100mT印加した条件で磁気損失が600
kW/m3 以下、キュリー点が140℃以上、抵抗率が
106 Ωcm以上の特性を有することが確認された。
【0022】しかし、上記の組成範囲に含まれる材料を
用いても、1200℃以上の温度で燒結して製造された
MnMgCuZnフェライト材料(比較例1〜2)は、
異常粒成長、マグネシウム酸化物や銅酸化物の偏析が生
じ、磁気損失の悪化が確認された。
用いても、1200℃以上の温度で燒結して製造された
MnMgCuZnフェライト材料(比較例1〜2)は、
異常粒成長、マグネシウム酸化物や銅酸化物の偏析が生
じ、磁気損失の悪化が確認された。
【0023】一方、表2に示されるように、上記の組成
範囲からはずれる材料を用いて製造されたMnMgCu
Znフェライト材料(比較例3〜8)は、100℃にお
いて飽和磁束密度が180mT未満である、100℃に
おいて周波数100kHzの正弦波交流磁界を100m
T印加した条件で磁気損失が600kW/m3 を超え
る、キュリー点が140℃未満である、抵抗率が106
Ωcm未満である、ことのいずれかに該当し、特に広角
度形CRT用や大画面形CRT用の偏向ヨークコア等に
用いるには問題があることが明らかとなった。
範囲からはずれる材料を用いて製造されたMnMgCu
Znフェライト材料(比較例3〜8)は、100℃にお
いて飽和磁束密度が180mT未満である、100℃に
おいて周波数100kHzの正弦波交流磁界を100m
T印加した条件で磁気損失が600kW/m3 を超え
る、キュリー点が140℃未満である、抵抗率が106
Ωcm未満である、ことのいずれかに該当し、特に広角
度形CRT用や大画面形CRT用の偏向ヨークコア等に
用いるには問題があることが明らかとなった。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば酸
化鉄を47.0〜50.4モル%、酸化マグネシウムを
14.0〜23.0モル%、酸化亜鉛を19.5〜2
2.5モル%(22.5モル%は含まない)、酸化銅を
6.5〜15.5モル%、酸化マンガンを0.1〜3.
5モル%の範囲で含有する材料を1190℃以下の温度
で燒結してMnMgCuZnフェライト材料とするの
で、得られたMnMgCuZnフェライト材料は、従来
のMnMgCuZnフェライト材料に比べて飽和磁束密
度が高く、また磁気損失が低く、しかも抵抗率およびキ
ュリー点が高く、CRT用、特に広角度形CRT用や大
画面形CRT用の偏向ヨークコアやトランス等に有用で
ある。また、燒結温度が1000〜1150℃程度の比
較的低い温度であるため、従来のMnMgCuZnフェ
ライト材料に比べて製造コストの低減が可能となる。
化鉄を47.0〜50.4モル%、酸化マグネシウムを
14.0〜23.0モル%、酸化亜鉛を19.5〜2
2.5モル%(22.5モル%は含まない)、酸化銅を
6.5〜15.5モル%、酸化マンガンを0.1〜3.
5モル%の範囲で含有する材料を1190℃以下の温度
で燒結してMnMgCuZnフェライト材料とするの
で、得られたMnMgCuZnフェライト材料は、従来
のMnMgCuZnフェライト材料に比べて飽和磁束密
度が高く、また磁気損失が低く、しかも抵抗率およびキ
ュリー点が高く、CRT用、特に広角度形CRT用や大
画面形CRT用の偏向ヨークコアやトランス等に有用で
ある。また、燒結温度が1000〜1150℃程度の比
較的低い温度であるため、従来のMnMgCuZnフェ
ライト材料に比べて製造コストの低減が可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 酸化鉄47.0〜50.4モル%、酸化
マグネシウム14.0〜23.0モル%、酸化亜鉛1
9.5〜22.5モル%(22.5モル%は含まな
い)、酸化銅6.5〜15.5モル%、酸化マンガン
0.1〜3.5モル%の組成範囲にある材料を1190
℃以下の温度で燒結することを特徴とするMnMgCu
Znフェライト材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10165875A JPH11343121A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | MnMgCuZnフェライト材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10165875A JPH11343121A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | MnMgCuZnフェライト材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11343121A true JPH11343121A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15820648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10165875A Withdrawn JPH11343121A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | MnMgCuZnフェライト材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11343121A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100576408B1 (ko) * | 1999-12-16 | 2006-05-09 | 티디케이가부시기가이샤 | 자성 페라이트용 분말, 자성 페라이트, 적층형 페라이트부품 및 이의 제법 |
CN114014643A (zh) * | 2021-10-12 | 2022-02-08 | 江西瑞吉磁电子科技有限公司 | 一种抗干扰、耐高压磁芯材料及其制备方法 |
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1998
- 1998-05-29 JP JP10165875A patent/JPH11343121A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100576408B1 (ko) * | 1999-12-16 | 2006-05-09 | 티디케이가부시기가이샤 | 자성 페라이트용 분말, 자성 페라이트, 적층형 페라이트부품 및 이의 제법 |
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