JPH1134260A - 二軸配向積層全芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents

二軸配向積層全芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体

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JPH1134260A
JPH1134260A JP12483098A JP12483098A JPH1134260A JP H1134260 A JPH1134260 A JP H1134260A JP 12483098 A JP12483098 A JP 12483098A JP 12483098 A JP12483098 A JP 12483098A JP H1134260 A JPH1134260 A JP H1134260A
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JP
Japan
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aromatic polyamide
wholly aromatic
layer
film
biaxially oriented
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JP12483098A
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Makoto Iida
真 飯田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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  • Magnetic Record Carriers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 べースフィルムの厚みが薄くても、巻取り
性、易滑性、ハンドリング性に優れ、電磁変換特性、ド
ロップアウト、磁性層の走行耐久性に優れた高密度磁気
記録媒体のベースフィルムとして有用な全芳香族ポリア
ミド積層フィルムを提供する。 【解決の手段】 全芳香族ポリアミド層Aと、全芳香族
ポリアミド層Aの片面上に積層された全芳香族ポリアミ
ド層Bからなる二軸配向積層フィルムであって、全芳香
族ポリアミド層Bと接触していない全芳香族ポリアミド
層Aの表面は、平均高さが2〜85nmおよび平均幅が
20〜500μmの突起を4〜2500個/mm2の密
度で有し、そして全芳香族ポリアミド層Bは、不活性微
粒子Bを含有し、そして全芳香族ポリアミド層Aと接触
していない全芳香族ポリアミド層Bの表面は、全芳香族
ポリアミド層Bと接触していない全芳香族ポリアミド層
Aの表面よりも粗い、ことを特徴とする二軸配向積層全
芳香族ポリアミドフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向積層全芳香
族ポリアミドフィルムおよびそれをベースフィルムとす
る磁気記録媒体に関する。さらに詳しくは、巻取り性、
易滑性およびハンドリング性に優れ、電磁変換特性、ド
ロップアウト、走行性および耐久性の優れた磁気記録媒
体用ベースフィルムとして有用な二軸配向積層全芳香族
ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体に関する。
【0002】近年、磁気記録の高密度化の進歩はめざま
しく、例えば、強磁性金属薄膜を真空蒸着やスパッタリ
ング等の物理沈着法又はメッキ法により非磁性支持体上
に形成せしめた強磁性金属薄膜磁気記録媒体、メタル粉
や酸化鉄粉等の針状磁性粉体を2μm以下に塗布した薄
層塗布型磁気記録媒体の開発実用化が進んでいる。
【0003】
【従来の技術】前者の例としては、例えば、Coの蒸着
テープ(特開昭54―147010号公報参照)、Co
―Cr合金からなる垂直磁気記録媒体(特開昭52―1
34706号公報参照)が開示され、また後者の例とし
ては、例えば、極薄層塗布型媒体による高密度磁気記録
(電子通信学会技術報告MR94―78(1995―0
2)参照)が知られている。
【0004】従来の塗布型磁気記録媒体(磁性粉末を有
機高分子バインダーに混入させて非磁性支持体上に塗布
してなる磁気記録媒体)は、記録密度が低く、記録波長
も長い為に、磁性層の厚みが2μm程度以上と厚いのに
対して、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーテ
ィング等の薄膜形成手段によって形成される金属薄膜
は、厚みが0.2μm以下と非常に簿く、また極薄層塗
布型媒体の場合も、非磁性下地屑を設けるものの0.1
3μmの厚みの塗布型磁性体層が提案されておリ、非常
に薄くなっている。
【0005】この為、上記の高密度磁気記録媒体におい
ては、非磁性支持体の表面状態が磁気記録層の表面性に
大きな影響を及ぼし、特に、金属薄膜型の磁気記録媒体
の場合には、非磁性支持体の表面状態がそのまま磁気記
録層表面の凹凸として発現し、それが記録・再生信号の
雑音の原因となる。従って、非磁性支持体の表面は出来
るだけ平滑であることが望ましい。
【0006】一方、非磁性支持体(ベースフィルム)の
製膜、製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しとい
ったハンドリングの観点からは、フィルム表面が平滑過
ぎると、フィルム―フィルム相互の滑り性が悪化し、ブ
ッキング現象が発生し、ロールに巻いたときの形状(ロ
ールフォーメーション)が悪化し、製品歩留まりの低
下、ひいては、製品の製造コストの上昇を来す。従っ
て、製造コストという観点では非磁性支持体(べースフ
ィルム)の表面は、出来るだけ粗いことが望ましい。
【0007】この様に、非磁性支持体の表面は、電磁変
換特性という観点からは平滑であることが要求され、ハ
ンドリング性、フィルムコストの観点からは、粗いこと
が要求される。
【0008】更に、蒸着金属薄膜型磁気記録媒体の場合
には、実際に使用されるときの重大な問題点として、金
属薄膜面の走行性不足がある。磁性体粉末を有機高分子
バインダー中に混入させてベースフィルムに塗布してな
る塗布型磁気記録媒体の場合には、該バインダー中に潤
滑剤を分散させて磁性面の走行性を向上させることが出
来るが、金属薄膜型磁気記録媒体の場合には、この様な
対策をとることが出来ず、走行性を安定して保つのは非
常に難しく、特に高温高湿条件下の走行性が劣るなどの
欠点を有している。
【0009】そこで、優れた品質の高密度記録媒体用ベ
ースフィルムを安価に供給する為には、上記二律背反す
る性質を同時に満足することが必要とされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この為の具体的方法と
して、フィルム表面に特定の塗剤を塗布し、不連続皮
膜を形成させる方法(特公平3―80410号公報、特
開昭60―180839号公報、特開昭60―1808
38号公報、特開昭60―180837号公報、特開昭
56―16937号公報および特開昭58―68223
号公報参照)、微細な凸凹を有する連続皮膜を形成す
る方法(特開平5―194772号公報および特開平5
―210833号公報参照)、共押し出し等の技術に
より表裏異面化する方法(特開平2―214657号公
報および特公平7―80282号公報参照)、前記の
+又は+の組み合わせによる方法(特開平3―
73409号公報参照)が提案されている。
【0011】しかしながら、不連続皮膜や微細な凸凹を
有する連続皮膜を形成する方法に於いては、フィルム―
フィルム間の滑り、ブロッキングといった課題は解決で
きているが、べ一スフィルムの製膜、製膜工程での搬
送、傷付き、巻取り、巻出しといったハンドリング点で
は不十分であり、製品歩留まり、製品コストの観点で高
密度大容量磁気記録媒体用ベースフィルムヘの適用には
問題がある。また、従来の共押し出し技術あるいは、共
押出し技術と不連続皮膜あるいは連続皮膜の組み合わせ
技術に於いても、同様の問題を抱えている。更に、金属
薄膜型磁気記録媒体の場合は高温高湿条件下の走行性の
問題を抱えたままである。
【0012】さらに、金属薄膜型磁気記録媒体の場合に
は、上記したように、金属薄面の走行性を安定して保つ
のは非常に難しく、特に高温高湿条件下の走行性が劣る
などの欠点を有している。さらに、この場合には、繰り
返し使用時の出力低下が塗布型磁気記録媒体と比べて大
きいという欠点も存在する。
【0013】さらに最近では、体積記録密度の向上を目
的として、磁気記録媒体用として用いられるベースフィ
ルムの一層の薄膜化が要求されてきている。ベース厚み
を薄くすればする程、上記の問題はよリ一層顕著にな
り、さらにベースフィルムのステイフネスが小さくなる
ために磁気へッドとの密着が悪くなり、電磁変換特性が
悪化するという新たな問題が発生する。
【0014】それ故、本発明の目的は、かかる従来技術
の欠点を解消し、製膜工程での搬送性、対傷付き性、巻
取り性に優れた二軸配向積層全芳香族ポリアミドフィル
ムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の他の目的は、上
記の如き優れた特性を示すと同時に、例えば金属薄膜型
磁気記録媒体用として用いた場合にも、高温高湿条件下
で走行性に優れた、安価な高密度磁気記録媒体を提供す
ることにある。
【0016】本発明のさらに他の目的および利点は以下
の説明から明らかになろう。本発明によれば、本発明の
上記目的および利点は、全芳香族ポリアミド層Aと、全
芳香族ポリアミド層Aの片面上に積層された全芳香族ポ
リアミド層Bからなる二軸配向積層全芳香族ポリアミド
フィルムであって、全芳香族ポリアミド層Bと接触して
いない全芳香族ポリアミド層Aの表面は、平均高さが2
〜85nmおよび平均幅が20〜500μmの突起を4
〜2500個/mm2の密度で有し、そして全芳香族ポ
リアミド層Bは不活性微粒子Bを含有しそして全芳香族
ポリアミド層Aと接触していない全芳香族ポリアミド層
Bの表面は全芳香族ポリアミド層Bと接触していない全
芳香族ポリアミド層Aの表面よりも粗いことを特徴とす
る二軸配向積層フィルムによって達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の二軸配向積層フィルム
(以下積層フィルムあるいは積層全芳香族ポリアミドフ
ィルムということがある)は、上記のとおり、全芳香族
ポリアミド層A(以下樹脂層Aということがある)と全
芳香族ポリアミド層B(以下樹脂層Bということがあ
る)からなる。樹脂層Aの片面上に樹脂層Bが積層され
ている。樹脂層Aと樹脂層Bを構成する全芳香族ポリア
ミドは同一であっても異なっていてもよい。
【0018】全芳香族ポリアミドとしては、下記式 (―HN―Ar1―NHCO―Ar2―CO―) (ここで、Ar1は芳香族ジアミンから2ケの―NH2
を除去した芳香族残基であり、そしてAr2は芳香族ジ
カルボン酸から2ケの―COOH基を除去した芳香族残
基である)で表わされる繰返し単位を少なくとも70モ
ル%含むポリマーが好ましい。
【0019】Ar1およびAr2の芳香族残基としては、
例えば
【0020】
【化1】
【0021】およびこれらのベンゼン環の環上の水素の
一部がハロゲン(特に塩素)、ニトロ基、C1〜C3のア
ルキル基(特にメチル基)、C1〜C3のアルコキシ基な
どの置換基で置換されているものを好ましいものとして
挙げることができる。
【0022】上記式中、Xは―O―、―CH2―、―S
2―、―S―、―CO―などの二価の原子または基で
ある。
【0023】全芳香族ポリアミドは、芳香族ジアミンに
由来する基Ar1を1種または2種以上で含有すること
ができ、また芳香族ジカルボン酸に由来する基Ar2
1種または2種以上で含有することができる。
【0024】上記の如き芳香族残基を持つ芳香族ジアミ
ンおよび芳香族ジカルボン酸はそれ自体よく知られてい
る。
【0025】全芳香族ポリアミドとしては、芳香族ジア
ミンに由来する芳香族残基Ar1が少なくとも2種から
なるものが好ましく、とりわけ、Ar1
【0026】
【化2】
【0027】からなり、そしてAr2
【0028】
【化3】
【0029】からなるものが特に好ましい。
【0030】本発明の積層フィルムを薄い磁気テープ用
のベースフィルムとして用いるときには、機械特性、お
よび温度や湿度の如き環境変化に対する寸法安定性を確
保するため、上記の如き例示にあるように、Ar1およ
びAr2がパラ体またはその塩素置換体であるのが好ま
しい。
【0031】本発明における全芳香族ポリアミドは、上
記式(A)で表わされる繰返し単位を、全繰返し単位に
対し、少なくとも80モル%で含有するのがより好まし
く、少なくとも90モル%で含有するのがさらに好まし
い。
【0032】全芳香族ポリアミドを製造する方法として
は、界面重合、溶液重合等を用いることができ、特に溶
液重合法が好ましい。重合溶媒としてはジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリド
ン、N―メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、テトラメチル尿
素、1,3―ジメチル―2―イミダゾリジノン等から選
ばれた少なくとも一種を主成分として用いることができ
る。このときポリマーの溶解性を改善する目的で重合の
前、途中、終了時に塩化カルシウム、塩化リチウム等の
無機塩を適当量添加してもよい。また、酸成分とアミン
成分とは実質的に等モルで反応させるが、重合度の制御
等の目的でいずれかの成分を過剰に用いることもでき
る。さらに末端封鎖剤として少量の単官能性の酸成分、
アミン成分を使用してもよい。また、反応によって生成
する塩化水素を捕捉するために重合系に脂肪族や芳香族
のアミンあるいは第4級アンモニウム塩を添加すること
もできる。反応の終了後、必要に応じて塩基性の無機化
合物、例えば水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなど
を添加し、中和反応を行う。
【0033】このような全芳香族ポリアミドの製法につ
いては、例えば、特公昭52―39719号公報、特公
昭53―32838号公報などに詳しく記載されてい
る。
【0034】本発明の全芳香族ポリアミドフィルムが優
れた機械的性質を持つためには、製膜前のポリマーの対
数粘度(重合後の芳香族ポリアミドを含むポリマー原液
をアルコール、水などの溶媒の中に投入し、再沈、分離
されたポリマーを濃硫酸中、30℃で測定した値から求
める)は1.5以上が好ましく、2以上がさらに好まし
い。
【0035】このようにして得られる全芳香族ポリアミ
ドは、アルコール、水などの溶媒の中に投入し、再沈、
分離させることにより得ることができ、これを再び溶媒
に溶解し、フィルムの成形に用いることができるが、好
ましくは重合反応によって得た溶液をそのまま、もしく
は重合後に適宜濃度を調整して用いることができる。こ
のとき濃度の調整は濃縮もしくは他の溶媒での希釈によ
り行うことができる。かかる溶媒としては、重合溶媒と
して例示したものと同様なものを使用できる。
【0036】樹脂層B中および所望により樹脂層A中に
は不活性微粒子が存在する必要があるが、全芳香族ポリ
アミドに粒子を添加する方法としては次の様なものがあ
る。
【0037】まず、上記の不活性微粒子を、前もって1
0ポイズ以下好ましくは1ポイズ以下の有機溶媒あるい
は全芳香族ポリアミドの希薄低粘度ポリマー溶液中に、
分散させておく。不活性微粒子をそのまま製膜用のポリ
マー溶液に添加すると、大きな凝集体が多数形成される
ので好ましくない。溶媒としては製膜に使用するものが
好ましいが、製膜性に特に悪影響を与えなければ他の溶
媒を使用してもかまわない。また、これら不活性微粒子
の分散液中に少量の分散助剤や水が入っていてもかまわ
ない。なお、分散液中に水の量が多すぎると、分散液中
の微粒子の分散が悪くなる。
【0038】分散の方法としては、上記溶媒あるいは希
薄ポリマー溶液中に不活性粒子、その他分散助剤などを
入れ、攪拌式分散器、ボールミル、サンドミル、超音波
分散器などで分散させる。特に超音波分散法が好まし
い。
【0039】このように低粘度液中で分散された不活性
微粒子は上記ポリマー溶液中へ添加混合するが、重合前
の溶媒中へ添加もしくは重合に使用する溶媒全部に分散
されていてもよく、またポリマー溶液の調製工程中で添
加してもよい。さらには製膜時のキャスト直前で添加混
合してもよい。
【0040】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルムとされる。溶液製膜法に
は乾湿式法、乾式法、湿式法などがあるが、乾湿式法、
乾式法が表面性のよいフィルムを得るには好ましい。
【0041】本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層B
の樹脂層Aと接触していない表面(以下、樹脂層Bの暴
露面という)は、樹脂層Aの樹脂層Bと接触していない
表面(以下、樹脂層Aの暴露面という)よりも粗い。
【0042】樹脂層Aの暴露面は平均高さが2〜85n
mおよび平均幅が20〜500μmの突起を4〜250
0個/mm2の密度で有する。このような突起は、全芳
香族ポリアミド基材中に含有せしめた不活性微粒子に直
接基因して生ずる突起と比較すると高さの割には幅が非
常に大きいなだらかな突起といえよう。
【0043】突起の高さが2nm未満、あるいは平均幅
が500μmを越えると、製膜工程での搬送、フィルム
の傷付き、製品ロールの巻姿、フィルム―フィルム間の
ブロッキング現象、また金属薄膜型磁気記録媒体のベー
スフィルムとして用いられた場合の高湿条件下のテープ
の走行性が不十分である。
【0044】一方、突起の高さが85nmを越えると、
電磁変換特性に支障をきたし、高密度磁気記録媒体のベ
ースフィルムとしては適さない。また突起の平均幅が2
0μm未満では突起の高さが25nm以下の領域で、製
膜工程での搬送性、テープの走行性が不十分となる。
【0045】この突起の平均高さは、好ましくは2〜5
0nm、より好ましくは2〜25nmである。また、こ
の突起の平均幅は、好ましくは20〜300μm、より
好ましくは20〜200μmである。さらに、突起密度
は好ましくは9〜1,600個/mm2、より好ましく
は16〜900個/mm2である。
【0046】樹脂層Aの暴露面に形成される突起は、そ
の形成方法によって何ら制約を受けるものではないが、
本発明においては、樹脂層Aと接触する樹脂層Bが不活
性微粒子(以下、不活性微粒子Bという)を含有するの
で、二軸配向せしめる際に、この不活性微粒子Bが発揮
する樹脂層Aの突上げ作用を利用して形成するのが有利
である。
【0047】この突上げ作用を効率よく発現させるに
は、樹脂層Aの厚みと不活性微粒子Bの平均粒径とが下
記式(1)
【0048】
【数2】4≦tA/dB≦40 ……(1) (ここで、tAは樹脂層Aの厚み(μm)であり、そして
Bは不活性微粒子Bの平均粒径(μm)である)を満
足するのが好ましい。
【0049】上記不活性微粒子Bは、標準偏差0.5以
下の粒度分布を持つ第1粒子であることができ、また平
均粒径が最も大きい粒子の第1粒子たる第1粒子と他の
粒子との組合せからなる第2粒子であることができる。
上記式(1)において、不活性微粒子Bが単一の第1粒
子のみからなるときには、dBは第1粒子の平均粒径
(μm)であり、そして不活性微粒子Bが第2粒子から
なるときは平均粒子の最も大きい第1粒子の平均粒径
(μm)である。
【0050】第2粒子における他の粒子は、それと組合
される第1粒子と異なる第1粒子以外の他の粒子である
ことができる。
【0051】tA/dBは、好ましくは4〜25の範囲に
あり、より好ましくは4〜16の範囲にあり、特に好ま
しくは4〜8の範囲にある。
【0052】第1粒子の平均粒径または第2粒子中の最
も大きい平均粒径を示す第1粒子の平均粒径は、好まし
くは、0.2〜1μm、より好ましくは0.2〜0.8
μm、特に好ましくは0.2〜0.6μmである。ま
た、第1粒子(第2粒子の一部として含有される場合も
含む)の含有量は、好ましくは0.001〜5.0重量
%、より好ましくは0.005〜1重量%、特に好まし
くは0.01〜0.5重量%の範囲にある。
【0053】前記幅の広い突起は、特に高密度磁気記録
媒体の表面上の波長(1.0μm未満)対比で非常に大
きい幅或は周期を有し、樹脂層Aが含有していてもよい
不活性微粒子に基づく突起の高さと同等かそれより低い
為に、電磁変換特性に悪影響を与えること無く、樹脂層
Aの微粒子による突起(存在する場合)と、大きい幅の
突起と、樹脂層Bの粗面の三者の相乗効果により、従来
の高密度磁気記録媒体のベースフィルムが抱えていた課
題を一挙に解決するものである。
【0054】樹脂層Aは、不活性微粒子を含有すること
ができる。含有するとき、不活性微粒子(以下、不活性
微粒子Aという)は、平均粒径5〜500nmおよび体
積形状係数0.1〜π/6を有するのが好ましい。
【0055】また、不活性微粒子Aの平均粒径が5nm
未満では、添加による効果が得難く、一方、平均粒径が
500nmより大きいと、磁気記録媒体としての電磁変
換特性に支障をきたし、好ましくない。
【0056】不活性微粒子Aの平均粒径は好ましくは1
0〜200nmであり、さらに好ましくは30〜120
nmである。
【0057】体積形状係数は下記式(2)
【0058】
【数3】f=V/R3 ……(2) (ここで、fは体積形状係数、Vは粒子の体積(μ
3)、Rは粒子の平均粒径(μm)である)で表わさ
れる。体積形状係数fは好ましくは0.3〜π/6、更
に好ましくは0.4〜π/6である。なお、体積形状係
数fがπ/6である形状は球(真球)である。それ故、
体積形状係数fが0.4〜π/6のものは実質的に球な
いし真球、ラグビーボールのような楕円球を合むもので
あり、これらが特に好ましい。体積形状係数fが0.1
未満の粒子、例えば針状粒子では、充分な走行耐久性を
得るのが困難となる。
【0059】不活性微粒子Aは、それを含有する樹脂層
Aの暴露面が突起を好ましくは0.1万〜1000万個
/mm2の密度となる量で含有される。突起のより好ま
しい密度は0.75万〜100万個/mm2であり、特
に好ましい密度は1万〜10万個/mm2である。
【0060】この暴露面の突起密度が0.1万個/mm
2未満では、走行耐久性が悪くなり、一方、この突起密
度が1000万個/mm2より大きいと、磁気記録媒体
の電磁変換特性が劣るようになり好ましくない。
【0061】また、樹脂層Aは不活性微粒子、特に平均
粒径が5nmよりも大きい外部添加不活性微粒子を実質
的に含有しないことがしばしば望ましい。樹脂層Aの暴
露面上に磁性層が設けられて、磁気記録媒体を形成する
が、樹脂層Aが不活性微粒子Aを含有するときには走行
耐久性を向上させるのに有利であり、他方樹脂層Aが不
活性微粒子を含有しない場合には、電磁変換特性を向上
させるのに有利である。
【0062】樹脂層Aのための不活性微粒子Aとして
は、例えば(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シ
リコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、
メラミン―ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリ
エステル等からなる粒子)、(2)金属酸化物(例え
ば、三二酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ
素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム
等)、(3)金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等)、(4)金属の硫酸塩(例えば
硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)、(5)炭素(例え
ば、カーボンブラック、グラファイト、ダイアモンド
等)、(6)粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベ
ントナイト等)、(7)金属の水酸化物(例えば、水酸
化カルシウム等)が好ましく挙げられる。これらのう
ち、特に、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン
粒子、メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子、ポリアミ
ドイミド樹脂粒子、三二酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウ
ム、合成炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリ
ウム、ダイアモンドおよびカオリンが好ましく、とりわ
け、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、
アルミナ、二酸化チタン、二酸化ケイ素、水酸化カルシ
ウムおよび合成炭酸カルシウムが好ましい。
【0063】また、前記樹脂層Bのための不活性微粒子
Bとしては、例えば架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチ
レン、架橋スチレン―ジビニルベンゼン共重合体、ポリ
メチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合
体、架橋メチルメタクリレート共重合体、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ボリビニリデンフルオライド、ポリア
クリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き耐熱性
有機高分子からなる微粒子、シリカ、アルミナ、二酸化
チタン、カオリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシ
ウム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫
酸バリウム等の如き無機化合物からなる微粒子のいずれ
を用いてもよい。
【0064】特に不活性微粒子Bのために、不活性微粒
子Bが第2粒子からなる場合の他の粒子として、平均粒
径が0.001〜0.2μmの上記微粒子の他に、例え
ばコロイダルシリカ、α、γ、σ、θ等の結晶形態を持
つアルミナを好ましく用いられる。
【0065】本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層A
の暴露面は好ましくは10nm以下、より好ましくは5
nm以下、さらに好ましくは2nm以下、就中1nm以
下の中心面平均粗さAWRaを有する。
【0066】また、樹脂層Bの暴露面は好ましくは2n
m以上15nm未満の中心面平均粗さBWRaを有す
る。
【0067】BWRaは3〜10nmがより好ましく、
3〜7nmが特に好ましい。
【0068】さらに、BWRaは、AWRaよりも好まし
くは1nm以上、より好ましくは1.5nm以上大きい
のが有利である。
【0069】BWRaが15nmよりも大きいときに
は、樹脂層Aの暴露面における幅の広い突起が前記高さ
と幅を持つことが困難となり、またBWRaが2nm未
満では搬送性等のハンドリング性、テープの走行性等の
点で不十分であり、好ましくない。
【0070】さらに、BWRaがAWRaよりも小さい場
合には、樹脂層Bの平坦性の故にベースフイルムの製膜
工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しといったハンド
リング性の悪化をきたし、またフィルム―フィルム相互
の滑り性の悪化によりブロッキング現象が発生し、ロー
ルに巻いたときの形状(ロールフォーメーション)が悪
化し、生産性の悪化、製品歩留りの低下、ひいては製品
の製造コストの上昇をきたすので好ましくない。
【0071】本発明において、全芳香族ポリアミドは、
上記のとおり、いわゆる溶液製膜法によりフィルムとさ
れる。以下、溶液製膜法として、乾湿式法、乾式法およ
び湿式法に分けて記述する。
【0072】湿式法で製膜する場合には、製膜用原液を
口金から直接製膜用浴中に押し出すか、または一旦ドラ
ム等の支持体上に押し出し、支持体ごと湿式浴中に導入
する方法を用いるのが好ましい。この浴は一般に水系媒
体からなるものであり、水の他に有機溶媒や無機塩等を
含有していてもよい。湿式浴を通すことでフィルム中に
含有された塩類、有機溶媒等の抽出を行うことができ
る。これら湿式浴全体を通過する時間はフィルムの厚み
にもよるが、10秒〜30分間であることが好ましい。
さらにフィルムの長手方向に延伸を行う。次いで乾燥、
横延伸、熱処理を行うが、これらの処理は一般に100
〜500℃で、合計で1秒〜30分間である。
【0073】乾湿式法で製膜する場合は製膜用原液を口
金からドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出
して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ
薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温
〜300℃、60分以内の範囲である。乾式工程を終え
たフィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入し、
上記の湿式法と同様に脱塩、脱溶媒などを行い、さらに
延伸、乾燥、熱処理を行ってフィルムとする。
【0074】乾式法のプロセスを採用した場合には、ド
ラム、あるいはエンドレスベルトなどの上で乾燥して自
己保持性をもったフィルムとし、これを支持体から剥離
し、さらに残存溶媒を除去するための乾燥や、延伸、熱
処理を行う。これらの処理は100〜500℃でl秒〜
30分間である。
【0075】以上のようにフィルムはその製膜工程中で
延伸を行うが、延伸倍率は面倍率で0.8〜10.0
(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルム
の面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意
味する)の範囲内にあることが好ましく、より好ましく
は1.1〜9.0である。
【0076】本発明の積層フィルムを形成するには、樹
脂層A側に相当する製模原液、樹脂層B側に相当する製
膜原液の2種類を、公知の方法で、例えば特開昭56―
162617号公報記載のように、合流管で積層した
り、口金内で積層して形成することができる。流延は樹
脂層Bを支持体面側になるようにした方が、樹脂層Aの
表面を平滑に維持できる点で好ましい。また、いずれか
一方の製膜原液で一旦自己保持性を有するフィルムを形
成しておき、その上にもう一方の製膜原液を流延して脱
溶媒を行い、積層フィルムとすることもできる。特に合
流管や、口金内で積層する場合は、原液の粘度が100
〜10000ポイズになるように調節することが好まし
い。100ポイズ未満では原液が口金から出る前に2液
が混合しやすくなり、薄物フィルムの場合はごくわずか
な混合でも樹脂層Aの表面が粗れてくる。逆に1000
0ポイズを超えると2液の混合は起こりにくくなるが、
メルトフラクチャーが発生しフィルム表面が粗れやすく
なり好ましくない。
【0077】また、2液の粘度は同じことが好ましい
が、多少の粘度差があってもよく、低粘度側を基準にと
ると高粘度側の粘度は200%以内なら問題ない。
【0078】さらに乾式法、乾湿式法を採用する場合、
乾燥工程中で2液が混合することがある。支持体上へキ
ャストされた原液は加熱されると一旦粘度が低下し、そ
の後溶媒の蒸発に伴って再び粘度が上昇するが、粘度が
10ポイズより下がると2液が混合しやすくなるので、
10ポイズより粘度か下がらないよう乾燥条件を十分調
節する必要がある。例えば乾燥温度を少なくとも2段階
に分けて上げていく方法を用いるのが好ましい。
【0079】以上のようにして本発明の積層全芳香族ポ
リアミドフィルムは製造できるが、さらに磁性層などを
付着させる前に前処理として、水分散性あるいは水溶性
ポリマーの水性塗液を塗布し、必要に応じて延伸し、乾
燥させることによって磁性層との接着性を向上させるこ
とも可能てある。また、水性塗液中には上記ポリマー以
外に帯電防止剤、界面活性剤、微細粒子等を目的に応じ
て添加してもよい。
【0080】なお、積層フィルムの製造に際し、全芳香
族ポリアミドに、所望により上述の不活性粒子以外の添
加剤例えば安定剤、着色剤等を添加含有させることがで
きる。
【0081】本発明の積層フィルムは、直交する2方
向、例えば長手方向と幅方向、のヤング率の和が200
0kg/mm2以上であることが好ましい。この値が2
000kg/mm2未満であると磁気ヘッドとの接触が
不安定となり易く、電磁変換特性が低下し易くなる。長
手方向と幅方向のヤング率の和はより好ましくは220
0kg/mm2以上、さらに好ましくは2400kg/
mm2以上、特に好ましくは2500kg/mm2以上で
ある。また上限は4500kg/mm2である。長手方
向、幅方向のそれぞれのヤング率は600kg/mm2
以上が好ましく、さらに好ましくは800kg/mm2
以上、特に好ましくは1000kg/mm2以上であ
る。また上限は3500kg/mm2である。
【0082】本発明において、積層フィルムの全厚み
は、通常1.0〜20μm、好ましくは2.0〜10μ
m、さらに好ましくは3.0〜10μmである。樹脂層Aと
樹脂層Bの層厚構造は、樹脂層Aの表面にうねり状突起
が生じるように、樹脂層Bに添加する不活性微粒子Bの
平均粒径dbと樹脂層Aの層厚tAとから好適な厚みに設
定される。樹脂層Aの厚さtAは0.3μm以上、より好
ましくは0.8μm以上であること、また、樹脂層Bの
厚さtBは不活性微粒子Bの上記平均粒径dbの1/2以
上(μm)であることが好ましい。
【0083】本発明の積層フィルムは、樹脂層Aの暴露
面上に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング等の方法により、鉄、コバルト、クロム又はこれら
を主成分とする合金もしくは酸化物より成る強磁性金属
薄膜層を形成し、またその表面に、目的、用途、必要に
応じてダイアモンドライクカーボン(DLC)等の保護
層、含フッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、場合によ
り更に樹脂層Bの暴露面に公知のバックコート層を設け
ることにより、特に短波長領域の出力、S/N,C/N
等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレー
トの少ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体とすること
が出来る。この蒸着型電磁記録媒体は、アナログ信号記
録用Hi8、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカ
セットレコーダー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV
用テープ媒体として極めて有用である。
【0084】すなわち、本発明によれば、第2に、本発
明の積層フィルムおよびその樹脂層Aの暴露面上に積層
された磁気記録層からなる磁気記録媒体が同様に提供さ
れる。
【0085】本発明の積層フィルムは、また、樹脂層A
の暴露面に、鉄又は鉄を主成分とする針状微細磁性粉を
塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等
のバインダーに均一分散して磁性層厚みが1μm以下、
好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布し、場合に
より更に樹脂層Bの暴露面に公知の方法でバックコート
層を設けることにより、特に短波長領域での出力、S/
N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、
エラーレートの少ない高密度記録用メタル塗布型磁気記
録媒体とすることが出来る。また、必要に応じて樹脂層
Aの上に、該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な
酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の
有機バインダー中に分散、塗設することもできる。
【0086】このメタル塗布型磁気記録媒体は、アナロ
グ信号記録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、W―
VHS、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセッ
トコーダー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV、ディ
ジタルβカム、D2、D3、SX等用テープ媒体として
極めて有用である。
【0087】本発明の積層フィルムは、また、樹脂層A
の暴露面に、酸化鉄又は酸化クロム等の針状微細磁性
粉、又はバリウムフェライト等の板状微細磁性粉を塩化
ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等のバ
インダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ま
しくは0.1〜1μmとなるように塗布し、必要により
更に樹脂層B側の表面に公知の方法でバックコート層を
設けることにより、特に短波長領域での出力、S/N,
C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラ
ーレートの少ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体とす
ることが出来る。また、必要に応じて樹脂層Aの上に、
該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン
粒子等を合有する非磁性層を磁性層と同様の有機バイン
ダー中に分散、塗設することも出来る。この酸化物塗布
型磁気記録媒体は、ディジタル信号記録用データストリ
ーマー用QIC等の高密度酸化物塗布型磁気記録媒体と
して有用である。
【0088】上述のW―VHSはアナログのHDTV信
号記録用VTRであり、またDVCはディジタルのHD
TV信号記録用として適用可能なものであり、本発明の
フィルムはこれらHDTV対応VTR用磁気記録媒体に
極めて有用なベースフィルムということができる。
【0089】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。尚、本発明において用いた測定法は次の通りであ
る。
【0090】(1)粒子の平均粒径I(平均粒径:0.
06μm以上) 島津製作所製CP―50型セントリフューガルパーティ
クルサイズアナライザー(Centrifugal P
artcle Size Analizer)を用いて
測定した。得られた遠心沈降曲線を基に算出した各粒径
の粒子とその存在量との積算曲線から、50重量%に相
当する粒径「等価球直径」を読み取り、この値を上記平
均粒径とした(「Book粒度測定技術」日刊工業新聞社発
行、1975年、頁242〜247参照)。
【0091】(2)粒子の平均粒径II(平均粒径:0.
06μm未満) 小突起を形成する平均粒径0.06未満の粒子は、光散
乱法を用いて測定した。即ち、Nicomp Inst
ruments Inc.社製のNICOMPMODE
L 270 SUBMICRON PARTICLE
SIZERにより求められた全粒子の50重量%の点に
ある粒子の「等価球直径」をもって表示した。
【0092】(3)体積形状係数f 走査型電子顕微鏡により用いたサイズに応じた倍率にて
各粒子の写真を撮影し、画像解析処理装置ルーゼックス
500(日本レギュレーター製)を用い、粒子の平均粒
径及び粒子の体積を算出し、下記式(3)により算出し
た。
【0093】
【数4】f=V/R3 (3) (式中Vは粒子の体積(μm3)、Rは粒子の平均粒径
(μm)を表わす)
【0094】(4)層厚 フィルムの全厚はマイクロメーターにてランダムに10
点測定し、その平均値で示した。層厚は、薄い側の層厚
を以下に述べる方法にて測定し、また厚い側の層厚は全
厚より薄い側の層厚を引き算して求めた。即ち、二次イ
オン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ
5000nmの範囲のフィルム中の粒子の内最も高濃度
の粒子に起因する元素と全芳香族ポリアミドの炭素元素
の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ5
000nmまで厚さ方向の分析を行なった。表層では表
面という界面の為に粒子濃度は低く、表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明の場合、粒子濃度
は一旦安定値1になった後、上昇あるいは減少して安定
値2になる場合と、単調に減少する場合とがある。この
分布曲線をもとに、前者の場合は、(安定値1十安定値
2)/2の粒子濃度を与える深さをもって、また後者の
場合は粒子濃度が安定値1の1/2になる深さ(この深
さは安定値1を与える深さより深い)をもって当該層の
層厚とした。測定条件は以下の通りである。
【0095】測定装置 二次イオン質量分析装置(SIMS):Perkin
Elmer社製、6300 測定条件 一次イオン種:O2 + 一次イオン加速電圧:12KV 一次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:6.0×10-9Torr E―GUNN:0.5KV−3.0A
【0096】尚、表層から5000nmの範囲に最も多
く含有する粒子が架橋シリコーン樹脂以外の有機高分子
粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面から
エッチングしながらFT―IR(フーリエトランスフォ
ーム赤外分光法)、粒子によってはXPS(X線高電子
分光法)等で上記同様の濃度分布曲線を測定し、層厚を
求めた。
【0097】(5)フィルム表面の平均高さ2〜85n
m、平均幅20〜500μmの突起 WYKO社製非接触三次元粗さ計(TOPO―3D)を
用いて、この突起の大きさ、高さに応じ、測定倍率40
倍、測定面積234μm×240μm(0.056mm
2)、または測定倍率10倍、測定面積956μm×9
80μm(0.937mm2)にて測定し、得られた三
次元チャートより、突起の高さ、平均幅を読み取った。
尚、測定はフィルムの長手方向に対し5〜10度の方向
に切り出したサンプルにて行った。
【0098】(6)非接触3次元中心面平均粗さ(WR
a) WYKO社製非接触三次元粗さ計(TOPO一3D)を
用いて、測定倍率40倍、測定面積242μm×239
μm(0.058mm2)の条件にて測定を行い、同粗
さ計内蔵ソフトによる表面解析より、WRaは下記式
(4)により計算されアウトプットされた値を用いた。
【0099】
【数5】
【0100】また、Zjkは測定方向(242μm)、そ
れと直行する方向(239μm)をそれぞれM分割、N
分割した時の各方向のj番目、k番目の位置に於ける3
次元粗さチャート上の高さで定義される。
【0101】(7)ヤング率 東洋ボールドウィン社製の引っ張り試験機テンシロンを
用いて、温度20℃、湿度50%に調節された室内に於
いて、長さ300mm、幅12.7mmの試料フィルム
を、10%/分のひずみ速度で引っ張り、引っ張り応力
―ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて下記式(5)に
よって計算した。
【0102】
【数6】E=Δσ/Δε ……(5) ここで、Eはヤング率(kg/mm2)、Δσは直線上
の2点間の元の平均断面積による応力差、Δεは同じ2
点間のひずみ差である。
【0103】(8)巻き取り性 スリット時の巻き取り条件を最適化後、幅560mm×
長さ9000mのサイズで、10ロールのスリットを行
い、1週間放置後の、フィルムシワの発生状況より製品
化可能ロール本数より、以下の基準にて巻き取り性の評
価をおこなった。
【0104】(9)磁気テープの製造及び特性評価 二軸配向積層フィルムの最外層のA層または皮膜層Cの
表面に、真空蒸着法により、コバルト10%の強磁性薄
膜を0.2μmの厚みになる様に2層(各層厚約0.1
μm)形成し、その表面にダイアモンドライクカーボン
(DLC)膜、更に含フッ素カルボン酸系潤滑層を順次
段け、更に樹脂層B側の表面に公知方法でバックコート
層を設けた。その後、8mm幅にスリットし、市販の8
mmビデオカセットにローディングした。次いで、以下
の市販の機器を用いてテープの特性を測定した。
【0105】使用機器:8mmビデオテープレコーダ
ソニー(株)製EDV―6000 C/N測定:シバソク(株)製ノイズメーター C/N測定 記録波長0.5μm(周波数約7.4MHz)の信号を
記録し、その再生信号の6.4MHzと7.4MHzの
値の比をそのテープのC/Nとし、市販8mmビデオ用
蒸着テープのC/Nを0dBとし、相対値で表わした。
【0106】走行耐久性 上記した蒸着テープに4.2MHzの映像信号を記録
し、25℃、50%RH条件下でテープ走行速度41m
/分、巻き戻し速度41m/分の走行を1回とし、合計
200回繰り返した後の出力変動を調べる。この出力変
動から次の基準で判定する。 ◎:200回繰り返し後の出力変動が0dB〜−0.3
dB以上 ○:200回繰り返し後の出力変動が−0.3dB未満
〜−0.6dB以上 ×:200回繰り返し後の出力変動が−0.6dB未満
【0107】(10)フィルムのすり傷 スリット後の最終製品ロールよリフィルムをサンプリン
グし、平坦面側表面を光学顕微鏡100倍にて観察し、
20視野中のすり傷の個数をカウントした。判定基準は
以下の通りである。
【0108】(11)突起頻度 フィルム表面の突起頻度の測定は走査型電子顕微鏡によ
り行う。すなわち、積層フィルムの樹脂層Aの表面写真
を倍率5000倍にてランダムに25枚撮影し、表面突
起頻度をカウントし、その平均値より1mm2当たりの
突起数に換算し、この値を樹脂層A表面の突起頻度とす
る。
【0109】[実施例1]パラフェニレンジアミン25
モル%と3,4′―ジアミノジフェニルエーテル25モ
ル%をアミン成分とし、テレフタル酸クロライド50モ
ル%を酸成分としてNMP(N―メチルピロリドン)中
で重合し、水酸化カルシウムで中和してポリマー溶液を
得た(対数粘度3.5)。これを2分割し、一方(樹脂
層A用)には、前もってNMP中に分散させておいた平
均粒径50nm、体積形状係数0.5の球状シリカ粒子
を添加した。他方(樹脂層B用)には、同様にして平均
粒径0.5μmの球状シリカ粒子と平均粒径0.1μm
のθ―アルミナ粒子をそれぞれの濃度が0.05重量
%、0.2重量%となるように添加した。更に両方のポ
リマー溶液を100℃で1000ポイズとなるように調
整して製膜原液とした。
【0110】これらの原液を口金内で、最終フィルムで
樹脂層Aは3.5μm、樹脂層Bは0.5μmになるよ
うに2層に積層し、さらに100℃の金属ベルト上に流
延し、100℃で2分乾燥後、120℃、150℃と段
階的に温度を上げ、合計で10分間乾燥させて自己保持
性をもつ末延伸フィルムを得た。なお、樹脂層Bをベル
ト側にして製膜した。この未延伸フィルムを連続的にベ
ルトから剥離して水槽中に導入し、脱溶媒と脱塩を行っ
た。
【0111】得られた末延伸フィルムを低速、高速のロ
ール間でフィルム温度250℃で2.7倍に延伸し、続
いてステンターに供給して、350℃で2.7倍に延伸
し、得られた二軸延伸フィルムを380℃でl分間熱処
理し、最終厚み4.0μmのポリアミド積層フィルムを
得た。
【0112】得られた積層フィルムおよびこのフィルム
を用いた強磁性薄膜蒸着磁気テープの特性を表2に示
す。
【0113】[実施例2〜4および比較例1〜2]樹脂
層Aおよび樹脂層Bに添加する粒子と厚み構成を表1に
示すように変更し、また、延伸倍率配分を変更する以外
は実施例1と同様にして積層全芳香族ポリアミドフィル
ムを得た。なお、延伸倍率は実施例2が長手方向2.1
倍、幅方向2.5倍、実施例3が長手方向3.0倍、幅
方向l.7倍、実施例4が長手方向1.8倍、幅方向
2.9倍、比較例1が両方向とも2.l倍、比較例2が
両方向とも2.5倍であった。
【0114】得られたフィルムおよびこれらのフィルム
を用いた強磁性薄膜蒸着磁気テープの特性を表2に示
す。
【0115】[実施例5]アミン成分の構成比率とB層
に添加する粒子を表lに示すように変更し、さらに延伸
倍率を長手方向2.0倍、幅方向2.7倍とする以外は
実施例lと同様にしてポリアミド積層フィルムを得た。
このフィルムおよびこのフィルムを用いた強磁性薄膜蒸
着磁気テープの特性を表2に示す。
【0116】[比較例3]2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルとエチレングリコールとを、エステル交換
触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アン
チモンを、安定剤として亜燐酸を、さらに滑剤として表
1に示す不活性粒子を添加して常法により重合し、固有
粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.60のA
層用およびB層用のポリエチレンナフタレート(PE
N)を得た(それぞれ樹脂A、樹脂B)。これらをそれ
ぞれ170℃で6時間乾燥後、2台の押出機に供給し、
溶融温度310℃にて溶融し、マルチマニホールド型共
押出しダイを用いて、樹脂層Aの片面に樹脂層Bを積層
させ、急冷して厚さ100μmの未延伸積層フィルムを
得た。
【0117】得られた未延伸積層フィルムを予熱し、さ
らに低速、高速のロール間でフィルム温度130℃にて
5.0倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給
し、140℃にて幅方向に5.0倍に延伸した。得られ
た二軸延伸積層フィルムを210℃の熱風で4秒間熱固
定し、厚み4.0μmの二軸配向積層ポリエステルフィ
ルムを得た。各層の厚みについては、2台の押出機の吐
出量により調整した。
【0118】この積層フィルムおよびこれを用いた強磁
性薄膜蒸着磁気テープの特性を表2に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】[実施例6]パラフェニレンジアミン25
モル%と3,4′―ジアミノジフェニルエーテル25モ
ル%をアミン成分とし、テレフタル酸クロライト50モ
ル%を酸成分としてNMP(N―メチルピロリドン)中
で重合し、水酸化カルシウムで中和してポリマー溶液を
得た(単数粘度3.5)。これを2分割し、一方(樹脂
層B用)には、前もってNMP中に分散させておいた平
均粒径0.4μmの球状シリカ粒子を濃度が0.05重
量%となるように添加した。さらに両方のポリマー溶液
を100℃で100ポイズとなるように調整して製膜原
液とした。
【0122】これらの原液を口金内で、最終フィルムで
樹脂層Aは3.0μm、樹脂層Bは1.0μmになるよ
うに2層に積層し、さらに100℃の金属ベルト上に流
延し、100℃で2分乾燥後、120℃、150℃と段
階的に温度を上げ、合計で10分間乾燥させて自己保持
性をもつ未延伸フィルムを得た。なお、樹脂層Bをベル
ト側にして製膜した。この末延伸フィルムを連続的にベ
ルトから剥離して水槽中に導入し、脱溶媒と脱塩を行っ
た。
【0123】得られた未延伸フィルムを低速、高速のロ
ール間でフィルム温度250℃で2.0倍に延伸し、続
いてステンターに供給して、350℃で2.7倍に延伸
し、得られた二軸延伸フィルムを380℃で1分間熱処
理し、最終厚み4.0μmのポリアミド積層フィルムを
得た。
【0124】得られた積層フィルムおよびこのフィルム
を用いた強磁性薄膜蒸着磁気テープの特性を表4に示
す。
【0125】[実施例7〜9および比較例4〜6]樹脂
層A、樹脂層Bに添加する粒子と厚み構成を表3に示す
ように変更し、また、延伸倍率配分を変更する以外は実
施例6と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た(比較
例6は単層フィルム)。なお、延伸倍率は実施例7と比
較例6が長手方向2.5倍、幅方向2.5倍、実施例8
が長手方向2.3倍、幅方向2.9倍、実施例9が長手
方向1.7倍、幅方向3.4倍、比較例4、5が長手方
向2.0倍、幅方向2.7倍であった。得られたフィル
ムおよびこれらのフィルムを用いた強磁性薄膜蒸着磁気
テープの特性を表4に示す。
【0126】[実施例10]アミン成分の構成比率と樹
脂層Bに添加する粒子を表3に示すように変更し、さら
に延伸倍率を長手方向2.9倍、幅方向1.6倍とする
以外は実施例6と同様にしてポリアミド積層フィルムを
得た。このフィルムおよびこのフィルムを用いた強磁性
薄膜蒸着磁気テープの特性を表4に示す。
【0127】[比較例7]ジメチルテレフタレートとエ
チレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マ
ンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤
として亜燐酸を、さらに滑剤として表3に示す不活性粒
子を添加して常法により重合し、固有粘度(オルソクロ
ロフェノール、35℃)0.60の樹脂層A用および樹
脂層B用のポリエチレンテレフタレート(PET、それぞ
れ樹脂A、樹脂B)を得た。選られた樹脂A、樹脂Bを
それぞれ170℃で3時間乾燥後、2台の押出機に供給
し、溶融温度300℃にて溶融し、マルチマニホールド
型共押出しダイを用いて、樹脂層Aの片面に樹脂層Bを
積層させ、急冷して厚さ56μmの未延伸積層フィルム
を得た。
【0128】得られた未延伸積層フィルムを予熱し、さ
らに低速、高速のロール間でフィルム温度85℃にて
3.5倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給
し、105℃にて幅方向に4.0倍に延伸した。得られ
た二軸延伸積層フィルムを210℃の熱風で4秒間熱固
定し、厚み4.0μmの二軸配向積層ポリエステルフィ
ルムを得た。各層の厚みについては、2台の押出機の吐
出量により調整した。
【0129】この積層フィルムおよびこれを用いた強磁
性薄膜蒸着磁気テープの特性を表4に示す。
【0130】
【表3】
【0131】
【表4】
【0132】表2および表4から明らかなように、本発
明による積層フィルムは、フィルム厚みが非常に薄くて
も、高いヤング率と、電磁変換特性に悪影響を与えない
程度の、高さが低く幅の大きいうねり状突起を併せもつ
効果によって、得られる磁気テープが優れた電磁変換特
性を示すと同時に、走行性、耐すり傷性に優れ、さら
に、極めて優れたべースフィルムとしての巻取り性とを
兼ね備えていることが分かる。一方、従来の技術は、こ
れら4つの要件を同時に満足できていない。
【0133】
【発明の効果】本発明によれば、べースフィルムの厚み
が薄くても、巻取り性、易滑性、ハンドリング性に優
れ、特に、電磁変換特性、ドロップアウト、磁性層の走
行耐久性に優れた高密度磁気記録媒体のベースフィルム
とし有用な全芳香族ポリアミド積層フィルムを提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全芳香族ポリアミド層Aと、全芳香族ポ
    リアミド層Aの片面上に積層された全芳香族ポリアミド
    層Bからなる二軸配向積層フィルムであって、全芳香族
    ポリアミド層Bと接触していない全芳香族ポリアミド層
    Aの表面は、平均高さが2〜85nmおよび平均幅が2
    0〜500μmの突起を4〜2500個/mm2の密度
    で有し、そして全芳香族ポリアミド層Bは、不活性微粒
    子Bを含有し、そして全芳香族ポリアミド層Aと接触し
    ていない全芳香族ポリアミド層Bの表面は、全芳香族ポ
    リアミド層Bと接触していない全芳香族ポリアミド層A
    の表面よりも粗い、ことを特徴とする二軸配向積層全芳
    香族ポリアミドフィルム。
  2. 【請求項2】 全芳香族ポリアミド層Aが平均粒径5〜
    500nmおよび体積形状係数0.1〜π/6の不活性
    微粒子Aを含有する請求項1の二軸配向積層全芳香族ポ
    リアミドフィルム。
  3. 【請求項3】 全芳香族ポリアミド層Aの表面が不活性
    微粒子Aに由来する突起を0.1万〜1000万個/m
    2の密度で有する請求項1又は2の二軸配向積層全芳
    香族ポリアミドフィルム。
  4. 【請求項4】 全芳香族ポリアミド層Aが平均粒径5n
    mを超える外部添加不活性微粒子を実質的に含有しない
    請求項1の二軸配向積層全芳香族ポリアミドフィルム。
  5. 【請求項5】 全芳香族ポリアミド層Bが含有する不活
    性微粒子Bが(i)相対標準差0.5以下の粒度分布を
    持つ第1粒子または(ii)平均粒径が最も大きい粒子が
    第1粒子である、第1粒子と他の粒子との組合せからな
    る第2粒子、からなり、そして全芳香族ポリアミド層A
    の厚みと該不活性微粒子Bの平均粒径とが下記式
    (1): 【数1】4≦tA/dB≦40 ……(1) (ここで、tAは全芳香族ポリアミド層Aの厚み(μm)
    であり、そしてdBは不活性微粒子Bが第1粒子のみか
    らなるときは第1粒子の平均粒径(μm)であり、また
    不活性微粒子Bが第2粒子からなるときはそれを構成す
    る第1粒子の平均粒径(μm)である)の関係を満足す
    る請求項1の二軸配向積層全芳香族ポリアミドフィル
    ム。
  6. 【請求項6】 第1粒子の平均粒径または第2粒子を構
    成する第1粒子の平均粒径が0.2〜1μmである請求
    項5の二軸配向積層全芳香族ポリアミドフィルム。
  7. 【請求項7】 第1粒子又は第2粒子の含有量が0.0
    01〜5.0重量%の範囲である請求項5または6の二
    軸配向積層全芳香族ポリアミドフィルム。
  8. 【請求項8】 全芳香族ポリアミド層Aの全芳香族ポリ
    アミド層Bと接触していない表面の中心面平均粗さA
    Raが10nm以下である請求項1の二軸配向積層全芳
    香族ポリアミドフィルム。
  9. 【請求項9】 全芳香族ポリアミド層Bの全芳香族ポリ
    アミド層Aと接触していない表面の中心面平均粗さB
    Raが2nm以上15nm未満である請求項1の二軸配
    向積層全芳香族ポリアミドフィルム。
  10. 【請求項10】 全芳香族ポリアミド層Aの厚みが少な
    くとも0.3μmであり、そして全芳香族ポリアミド層
    Bの厚みが、それに含有される不活性微粒子Bの平均粒
    径dB(dBの定義は上記に同じ)の少なくとも1/2で
    ある請求項1の二軸配向積層全芳香族ポリアミドフィル
    ム。
  11. 【請求項11】 1〜20μmの厚みを有する請求項1
    の二軸配向積層全芳香族ポリアミドフィルム。
  12. 【請求項12】 全芳香族ポリアミド層Aおよび全芳香
    族ポリアミド層Bを構成する全芳香族ポリアミドが実質
    的に同一である、請求項1の二軸配向積層全芳香族ポリ
    アミドフィルム。
  13. 【請求項13】 全芳香族ポリアミドが下記式 (―HN―Ar1―NHCO―Ar2―CO―) (ここで、Ar1は芳香族ジアミンから2ケの―NH2
    を除去した芳香族残基であり、そしてAr2は芳香族ジ
    カルボン酸から2ケの―COOH基を除去した芳香族残
    基である)で表わされる繰返し単位を少なくとも70モ
    ル%含むポリマーである、請求項1の二軸配向積層全芳
    香族ポリアミドフィルム。
  14. 【請求項14】 全芳香族ポリアミドを構成する芳香族
    ジアミンが少なくとも2種からなる請求項13の二軸配
    向積層全芳香族ポリアミドフィルム。
  15. 【請求項15】 全芳香族ポリアミドがテレフタル酸を
    芳香族ジカルボン酸成分とし、p―フェニレンジアミン
    および3,4′―ジアミノジフェニルエーテルを芳香族
    ジアミン成分とする請求項1の二軸配向積層全芳香族ポ
    リアミドフィルム。
  16. 【請求項16】 全芳香族ポリアミドが溶液重合法によ
    り得られたものである請求項1の二軸配向積層全芳香族
    ポリアミドフィルム。
  17. 【請求項17】 フィルム面に、ヤング率の和が少なく
    とも2,000kg/mm2である直交する2方向が存
    在する、請求項1の二軸配向積層全芳香族ポリアミドフ
    ィルム。
  18. 【請求項18】 請求項1の二軸配向積層全芳香族ポリ
    アミドフィルム、および全芳香族ポリアミド層Aの全芳
    香族ポリアミド層Bと接触していないその面上に積層さ
    れた磁気記録層からなる磁気記録媒体。
  19. 【請求項19】 磁気記録層が金属薄膜層である請求項
    18の磁気記録媒体。
  20. 【請求項20】 磁気記録層の厚みが高々1μmである
    塗布型磁気記録層である請求項18の磁気記録媒体。
  21. 【請求項21】 磁気記録層がデジタル信号記録型であ
    る請求項18の磁気記録媒体。
  22. 【請求項22】 磁気記録媒体用ベースフィルムとして
    使用する請求項1の二軸配向積層全芳香族ポリアミドフ
    ィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1314550A4 (en) * 2000-08-22 2004-11-03 Toyo Boseki LAMINATED BIAXIAL-ORIENTED POLYAMIDE FILM AND PRODUCTION METHOD
JP2012188649A (ja) * 2011-02-21 2012-10-04 Toray Ind Inc 含フッ素樹脂フィルム、含フッ素樹脂積層フィルムおよびその製造方法

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