JPH1134177A - クロス強化樹脂積層板とその製造法、並びにこれを用いた研磨用樹脂シート - Google Patents

クロス強化樹脂積層板とその製造法、並びにこれを用いた研磨用樹脂シート

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JPH1134177A
JPH1134177A JP19539297A JP19539297A JPH1134177A JP H1134177 A JPH1134177 A JP H1134177A JP 19539297 A JP19539297 A JP 19539297A JP 19539297 A JP19539297 A JP 19539297A JP H1134177 A JPH1134177 A JP H1134177A
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glass
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JP19539297A
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Yoshiaki Yonetani
義明 米谷
Yasuki Nakayama
泰樹 中山
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ強度や外観に優れ、ソリが小さく、しか
も加工端部から基材の欠落が著しく少ないクロス強化樹
脂積層板とその製造法、並びにLCDガラス等の研磨に
好適に利用できる研磨用樹脂シートを提供する。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂をマトリック
スとした樹脂組成物からなるシ−トを中間層に配し、結
合剤で処理したガラスクロスを両表面層に配して積層し
た後、前記熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移温度
〜溶融温度の温度範囲で熱圧延してクロス強化樹脂積層
板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロス強化樹脂積
層板とその製造法及び研磨用樹脂シートに関するもので
あり、さらに詳しくは、曲げ強度や外観に優れ、ソリが
小さく、しかも加工端部からの基材の欠落が著しく少な
いクロス強化樹脂積層板とその製造法、並びにこれを用
いた研磨用樹脂シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
に代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械的特
性、電気的特性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、多くの工
業製品に利用されている。
【0003】また、熱可塑性ポリエステル樹脂をガラス
繊維等で強化し、機械的特性や耐熱性を向上させたもの
が射出成形品として使用されているが、射出成形品の場
合には、大きさ、厚み等に制限があり、特にシート等の
大型成形品を得ることが難しいという問題があった。
【0004】一方、高弾性率のシートを製造する場合に
は、PET等の熱可塑性ポリエステル樹脂にガラス短繊
維等を充填複合化したチップを、Tダイより溶融押出し
て、シート化するという方法が一部で実施されている。
しかしこの方法によれば、表面が平滑でシートの長手方
向(以下「MD」という。)の曲げ強度や曲げ弾性率が
大きいシートを製造できるが、Tダイより溶融押出す際
にPET分子とガラス繊維とが配向するため、シートの
幅方向(以下「TD」という。)の曲げ強度や曲げ弾性
率が、MD方向のそれと比較して極端に低いシートしか
製造できないという問題があった。したがって、このよ
うな異方性を有するシートでは、設計上の制約を受ける
ため、その利用分野が大幅に狭められ、産業上好適に使
用できるものではなかった。
【0005】そこで本発明者らは、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂に対して特定量の繊維状強化材と粒状無機化合物
を配合したシートを用いた積層板(特開平6−115040号
公報)や、前記シートと結合剤で処理したクロスとを加
圧積層(熱圧延)した積層板(特開平6−218835号公
報)を提案したが、研磨用シートとして利用するには、
曲げ強度やソリ等の点で問題があり、十分といえるもの
ではなかった。
【0006】他方、熱硬化性樹脂を用いた積層板として
は、耐熱性や耐薬品性に優れたフェノール樹脂やエポキ
シ樹脂等のワニスを、紙、布もしくはガラス布等の基材
に含浸させたプリプレグを用い、これを複数枚重ねて熱
圧延したものが広く利用されている。しかしながら、基
材として紙や布を用いた場合には、水分の吸湿による寸
法変化が大きく、寸法精度が要求される積層板としては
使用できないという問題があった。
【0007】さらに、ガラス布に前記したフェノール樹
脂やエポキシ樹脂等を含浸させたプリプレグを使用した
熱硬化性樹脂積層板は、液晶ガラス、ハードディスク、
シリコンウェハー等の表面研磨時の材料保持シートとし
て使用されているが、打ち抜き加工や切削加工する際に
切削粉の発生が多く、加工時に端面から樹脂や基材が欠
落するといった加工性における問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決し、リジッドで表面が平滑であり、曲げ強度等の
機械的特性においても異方性が少なく、かつ切削加工等
の加工性に優れたクロス強化樹脂積層板とその製造法、
並びにこれを用いた研磨用樹脂シートを提供するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、そこで鋭
意研究を重ねた結果、熱可塑性ポリエステル樹脂をマト
リックスとした樹脂組成物からなるシ−トを中間層と
し、結合剤で処理したガラスクロスを両表面層とした積
層板とすることで、上記課題が解決できることを見出
し、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) 熱可塑性ポリエステル樹脂をマトリックスとした樹
脂組成物からなるシ−トを中間層とし、結合剤で処理し
たガラスクロスを両表面層としたことを特徴とするクロ
ス強化樹脂積層板。 (2) 熱可塑性ポリエステル樹脂をマトリックスとした樹
脂組成物からなるシ−トを中間層に配し、結合剤で処理
したガラスクロスを両表面層に配して積層した後、前記
熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移温度〜溶融温度
の温度範囲で熱圧延することを特徴とするクロス強化樹
脂積層板の製造法。 (3) 上記(1) に記載のクロス強化樹脂積層板を用いてな
る研磨用樹脂シート。
【0011】
【発明の実施形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。
【0012】本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂
は、結晶性のものであり、具体例としては、PET、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が
挙げられるが、中でもPETが特に好ましい。
【0013】本発明における無機化合物は、その形状や
粒径や化学組成によって効果は異なるが、通常は、クロ
ス強化樹脂積層板(以下「積層板」と略称する。)とし
たときの平面性改良材、表面平滑性改良材、強化材、機
械的特性の異方性緩和材、結晶核剤等としての機能を発
揮するものである。
【0014】上記した無機化合物の形状は、板状、粒
状、粉末状のいずれでもよいが、通常は、板状もしくは
粒状のものが用いられる。また、無機化合物の粒径は、
その平均粒径が 100μm以下のものが好ましく、さらに
好ましいのは、その平均粒径が50μm以下で、かつ粒度
分布で60μm以下のものを70重量%以上含有するもので
ある。この平均粒径が 100μmを超えるものでは、上記
した機能の向上効果が小さくなり、表面平滑性が低下し
やすい。
【0015】無機化合物としては、例えばマイカ、ガラ
スフレーク、タルク、ワラストナイト、シリカ、炭酸カ
ルシウム、合成ケイ酸又はそのケイ酸塩、亜鉛華、ハロ
サイトクレー、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、石
英粉、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ア
ルミナ等を挙げることができ、中でも、板状のマイカが
特に好ましい。
【0016】無機化合物の配合割合は、機械的特性、表
面滑性等のバランスを考慮すれば、ポリエステル樹脂 1
00重量部に対して3〜50重量部とすることが好ましい。
この配合割合が3重量部未満では、積層板のソリが大き
くなりやすく、逆に50重量部を超えると曲げ強度等が低
下しやすい。
【0017】本発明における繊維状強化材は、耐熱性を
有し、弾性率、強度、弾性回復率等の力学特性に優れた
短繊維、ウィスカー、フィブリッド等の繊維状の配合材
であり、例えばガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊
維、チタン酸カリウィスカー、石綿等の無機繊維、アラ
ミド繊維等の有機繊維を挙げることができる。これらの
中で力学特性、経済性等を総合的に考慮するとガラス繊
維が特に好ましい。
【0018】繊維状強化材の直径や長さについては、繊
維長が長すぎるとマトリックス樹脂や他の配合剤と均一
に混合・分散させることが難しく、逆に短かすぎると強
化材としての効果が不十分となるため、通常は、樹脂組
成物シート中に含有する繊維長が 0.1〜10mmで、直径が
9〜15μmの範囲にあるものが好ましい。中でも、繊維
状強化材がガラス繊維である場合には、繊維長が0.05〜
2mmのものが好ましく、0.1 〜1mmのものが特に好まし
い。この繊維長が0.05mm未満ものでは、曲げ強度等の機
械的特性に優れた積層板が得られにくく、逆に2mmを超
えるものでは、表面平滑性やソリ等が低下しやすい。
【0019】繊維状強化剤の配合割合は、機械的特性や
表面平滑性等のバランスを考慮すれば、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂 100重量部に対して0〜25重量部とすること
が好ましい。この配合割合が25重量部を超えると、積層
板の異方性が顕著になり、ソリやネジレが大きいものと
なりやすい。
【0020】また、必要に応じて、マトリックス樹脂で
ある熱可塑性ポリエステル樹脂との界面接着力を向上さ
せ、補強効果をあげる目的で、種々の化合物で処理した
繊維状強化材を使用することが有効である。繊維状強化
材がガラス繊維の場合には、前記の化合物としては、例
えばビニルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4 −エポキシシクロヘ
キシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の
シラン系処理剤や、メタクリレートクロミッククロリド
等のクロム系処理剤が好ましい。
【0021】本発明においては、上記配合物以外に、必
要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、顔
料、可塑剤、架橋剤、耐衝撃性改良剤、難燃剤、難燃助
剤等の各種プラスチック添加剤を併用することができ
る。
【0022】特に耐熱性を要求される積層板を得るに
は、シート押出し成形時は架橋せず、熱圧延時あるいは
熱圧延後に、高温熱処理、紫外線照射もしくは電子線照
射等の高エネルギー処理により架橋させることのできる
後架橋型の架橋剤を配合させることが極めて有効であ
り、この様な架橋剤の例としては、例えばトリアリール
イソシアヌレート、トリアリールシアヌレート等が挙げ
られる。
【0023】本発明におけるガラスクロスは、ガラス長
繊維をクロス状に加工したシート状のものであり、後述
する結合剤で含浸処理することにより使用される。
【0024】ガラスクロスの厚さ、枚数、組み合わせ等
については任意であり、要求される機械的特性や変形性
等を考慮して適宜選択する。通常、ガラスクロスは、織
機で織ったもので、厚さ10〜1000μm 、繊維密度 200本
/インチ 以下で、使用繊維番手20〜1000tex のものが好ま
しく、厚さ20〜 300μm 、繊維密度 100本/インチ 以下
で、使用繊維番手20〜200texのものが特に好ましい。
【0025】上記のガラスクロスは、中間層の熱可塑性
ポリエステル樹脂をマトリックスとした樹脂組成物シー
トと接着しやすいように、結合剤で含浸処理したものを
使用する。この際、結合剤としては、例えばポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリレート、酸変性ポリエチレンや酸変性
ポリプロピレン等のオレフィンの付加重合体又はこれら
の共重合体、ポリウレタンやポリ尿素等の重付加反応
体、不飽和ポリエステルやナイロン66やエポキシ樹脂等
の縮重合体、ナイロン6やポリオキサドリンやポリビニ
ルピロリドン等の開環重合体、尿素ホルマリン樹脂やフ
ェノール樹脂等の付加縮合体等が挙げられ、中でも、樹
脂組成物シートとの接着性や経済性を考慮すると、エポ
キシ樹脂が特に好ましい。
【0026】クロス中に含有される結合剤の割合は、ク
ロス 100重量部に対して 100重量部以上になると、ガラ
スクロスと樹脂組成物シートとの密着力や積層板の機械
的特性等が低下する傾向となるため、クロス 100重量部
に対して 100重量部未満とすることが好ましく、0.5 〜
30重量部とすることが特に好ましい。
【0027】また、結合剤の硬化速度や、樹脂組成物シ
ートとガラスクロスとの密着力を上げる目的で、エポキ
シ系化合物、イソシアネート系化合物、チタネート系化
合物等の反応性化合物(反応性架橋剤)を、結合剤全体
の10重量%以下の割合で加えてもよい。
【0028】さらに、結合剤を含浸処理するに際して
は、クロスへの分散性やマトリックス樹脂との接着性を
改良する目的で、シラン系カップリング剤、チタン系カ
ップリング剤、ジルコニア系カップリング剤等のカップ
リング剤で表面処理されたクロスを用いてもよい。
【0029】次に、本発明の積層板の製造法について説
明する。本発明の方法においては、まず初めに、熱可塑
性ポリエステル樹脂に無機化合物と繊維状強化材とを上
記した配合割合で加え、二軸押出し機で溶融混錬してか
らストランド状に押出し、切断することによりペレット
とする。次いで、このペレットを、Tダイを備えたシー
ト押出し成形機にてシートとし、所定の寸法に裁断して
樹脂組成物シートとする。
【0030】次に、結合剤等を水や有機溶剤に溶かした
溶液にガラスクロスを浸漬し、ゴムローラー等で余分な
結合剤等を搾り取った後、乾燥することにより、結合剤
で処理したガラスクロスとする。この際、結合剤溶液中
の固形分濃度は、含浸処理ができる範囲で適宜選択すれ
ばよく、通常は、固形分濃度は70重量%以下とすること
が好ましく、50重量%以下とすることがより好ましい。
さらに、含浸処理する際の結合剤溶液の粘度は1000ポイ
ズ以下とすることが好ましく、300 ポイズ以下とするこ
とがより好ましい。
【0031】そして上記の樹脂組成物シートを中間層に
配し、結合剤で処理したガラスクロスを両表面層に配し
て積層した後、熱圧延する。この際、中間層の厚みと両
表面層の厚みの合計に対する比(中間層の厚み/両表面
層の厚みの合計)が、0.5 〜50とすることが好ましい。
また、両表面層間の厚みの比は、適宜選択すればよい。
【0032】熱圧延は、熱プレス成形機を用いて特定の
温度と押圧力の下で行う。この際、プレス時の温度とし
ては、熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移温度〜融
点温度の温度範囲とする必要があり、通常は 100〜260
℃、好ましくは 120〜200 ℃の温度で行う。この温度が
ガラス転移温度未満の場合には、ポリエステル樹脂の結
晶化が進まず、機械的特性に優れた積層板が得られにく
い。逆にこの温度が融点温度を超える場合には、熱可塑
性ポリエステル樹脂の熱劣化が起こり、機械的特性が低
下しやすい。
【0033】また、加熱時の昇温速度は、3〜20℃/分
が好ましく、5〜10℃/分が特に好ましい。この昇温速
度が3℃/分未満であっても、20℃/分を超えても、結
合剤の硬化と熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化とのバ
ランスが悪くなり、機械的特性やソリ等に劣った積層板
となりやすい。
【0034】さらに、熱圧延時の押圧力(以下「面圧」
という。)は、10〜 100kg/cm2が好ましく、15〜80kg/c
m2が特に好ましい。この面圧が10kg/cm2未満では、樹脂
組成物シートとガラスクロスの接着性が低下しやすい。
逆にこの面圧が 100kg/cm2を超えると、積層板のソリが
大きいものとなりやすい。
【0035】また、熱圧延の保持時間は、3〜 150分が
好ましく、20〜 120分が特に好ましい。この保持時間が
3分未満であると、樹脂組成物シートとガラスクロスの
接着性が低下しやすい。逆にこの保持時間が 150分を超
えると、積層板の機械的特性が低下しやすい。
【0036】本発明の方法により得られた積層板は、曲
げ強度や外観に優れ、ソリが小さく、しかも切削加工等
を行った場合、加工端部からの基材の欠落が少ないもの
で、これらの特性を利用して、液晶ガラス、ハードディ
スク、シリコンウェハー等の表面研磨用の保持シートと
して好適に利用できる。
【0037】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例における特性値の測定法は、次
の通りである。 (a) 極限粘度 フェノールとテトラクロロエタンとの等重量混合物を溶
媒として、温度20℃で測定した。 (b) ペレット成形性 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を、二軸押出機を用い
てストランド状に押出し、ペレット化する際の状況によ
って次の3段階で評価した。 ○:ストランド切れが全く発生しない △:ストランド切れが1時間当たり1〜3回の割合で発
生するがペレット化は可能 ×:ストランド切れが1時間当たり4回以上の割合で発
生しペレット化が不能 (c) シート表面平滑性 シートの表面粗さを、表面粗さ計(ミツトヨ社製、サー
フテスト 201)で測定し、最大高さRmax の数値を指標
として次の3段階で評価した。 ○:Rmax が10μm未満 △:Rmax が10μm以上30未満 ×:Rmax が30μm以上 (d) 積層性 積層板断面部の樹脂シートとガラスクロスとの間に、N
Tカッター刃を軽く差し入れることにより、両者間の密
着力を観察し、次の3段階で評価した。 ○:剥離が全く発生していない △:剥離が積層板断面から10mmの長さにわたって発生し
ている ×:剥離が全面にわたって発生している (e) 曲げ強度 ASTM−790 に基づいて、積層板のMD及びTD方向の曲
げ強度を測定した。 (f) 切削加工性 積層板を、超硬エンドミル(神戸製鋼所社製)を備えた
縦型フライス盤(マキノ製作所社製)を用いて、回転数
1000rpm、送り速度 500mm/分にて、長さ 300mmにわた
って切削加工し、送り速度と加工端部からの基材の欠け
の程度を指標として次の3段階で評価した。 ○:送り速度 500mm/分で良好に加工でき、かつ加工端
部からの基材の欠けが全く発生していない △:送り速度 500mm/分で良好に加工できるが、加工端
部から基材の欠けが1〜4ヶ所発生している ×:送り速度 500mm/分では良好に加工できず、かつ加
工端部から基材の欠けが5ヶ所以上発生している (g) ソリ 積層板を 500mm×500mm に切断し、定盤に平置し、浮き
上がった最大ソリ寸法を測定することにより評価した。 (h) 外観 初期及び 200℃×30分処理後の積層板の外観を、目視観
察により評価した。 ○:外観良好 ×:外観不良
【0038】実施例1〜7 極限粘度0.78のPET(日本エステル社製、NEH 2050)
に、無機化合物として平均粒径が約40μmの板状マイカ
(レプコ社製)及び繊維状強化材としてガラス繊維(日
本電気硝子社製、T-121H)を、それぞれ表1に示す配合
割合で調製し、二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM-30)を
用いて 280℃で溶融混練してからストランド状に押出
し、切断することによりペレッを得た。このペレット
を、Tダイを備えたシ−ト押出し成形機にて成形し、厚
み 300μmもしくは 100μmの樹脂シ−トを得た。ま
た、厚み 100μmのガラスクロスを、ウレタン−エポキ
シ系結合剤 AP-10(大日本インキ化学工業社製) 100重
量部、エポキシ系反応性架橋剤 CR-5L(大日本インキ化
学工業社製)3重量部及び水50重量部を入れたバット中
に浸漬し、ゴムローラにて余分な結合剤等を搾り取った
あと、60℃で5分間熱風乾燥して、結合剤含有量が10重
量%である結合剤で処理したクロスを得た。次に、実施
例1〜5においては、厚み 300μmの樹脂シート1枚を
中間層として配し、この樹脂シートの両側に、厚み 100
μmの結合剤で処理したクロスを各々1枚ずつ表面層と
して配して積層した後、これらの積層体をアルミ板に挟
んで、面圧40kg/cm2、昇温速度3℃/分で180 ℃まで昇
温し、温度 180℃・面圧40kg/cm2の下で 120分間熱圧延
することにより、厚み約 500μm (0.5 mm)の積層板を
作製し、物性試験を行った。実施例6においては、厚み
100μmの樹脂シート1枚を中間層として配し、この樹
脂シートの両側に、厚み 100μmの結合剤で処理したク
ロスを各々1枚ずつ表面層として配して積層した後、実
施1〜5と同様の条件で熱圧延することにより、厚み約
300μm (0.3 mm)の積層板を作製し、物性試験を行っ
た。実施例7においては、厚み 300μmの樹脂シート27
枚を重ねたものを中間層として配し、この27枚重ねの樹
脂シートの両側に、厚み 100μmの結合剤で処理したク
ロスを各々1枚ずつ表面層として配して積層した後、実
施1〜5と同様の条件で熱圧延することにより、厚み約
8mmの積層板を作製し、物性試験を行った。
【0039】実施例1〜7における樹脂組成物の配合割
合、ペレット成形性、シート表面平滑性及び積層板の特
性を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1〜7における積層板は、いずれも
積層性、曲げ強度、切削加工性、ソリ及び外観に優れた
ものであった。
【0042】実施例8〜12 実施例1〜5で得られた厚み0.5mm の積層板を、直径 5
38mmの円板状に切削加工し、その中央部を 300.2mm×40
0.2mm の長方形に切削加工を行って、ガラス研磨用シー
トを作製した。このガラス研磨用シート5枚をステンレ
ス製のキャリアー板状に置き、研磨用シートの長方形の
枠内に、大きさが300mm ×400mm 、厚み 0.5 mm のLC
Dガラスをはめ込み、研磨機にセットしてから、酸化セ
レン粉と水とからなる研磨材を用いて、回転数60rpm で
30分間研磨−5分間停止を、24時間運転で繰り返すこと
により、LCDガラスを研磨したところ、いずれの場合
も良好にLCDガラスを研磨することができた。
【0043】実施例13 実施例6で得られた厚み0.3mm の積層板を、直径 538mm
の円板状に切削加工し、その中央部を 200.2mm×300.2m
m の長方形に切削加工を行って、ガラス研磨用シートを
作製した。このガラス研磨用シート5枚をステンレス製
のキャリアー板状に置き、研磨用シートの長方形の枠内
に、大きさが200mm ×300mm 、厚み 0.3 mm のLCDガ
ラスをはめ込み、研磨機にセットしてから、酸化セレン
粉と水とからなる研磨材を用いて、回転数70rpm で25分
間研磨−5分間停止を、24時間運転で繰り返すことによ
り、LCDガラスを研磨したところ、良好にLCDガラ
スを研磨することができた。
【0044】比較例1〜6 実施例1〜7と同様にして、極限粘度0.78のPET(日
本エステル社製、NEH2050)に、無機化合物として平均
粒径が約40μmの板状マイカ(レプコ社製)及び繊維状
強化材としてガラス繊維(日本電気硝子社製、T-121H)
を、それぞれ表2に示す配合割合で調製し、二軸押出機
(池貝鉄工社製、PCM-30)を用いて 280℃で溶融混練し
てからストランド状に押出し、切断することによりペレ
ットを得た。このペレットを、Tダイを備えたシ−ト成
形機にて成形し、厚み 300μmもしくは 100μmの樹脂
シ−トを得た。これらの樹脂シートを用いて、実施例1
〜7と同様にして、ガラスクロス/樹脂シート/ガラス
クロスからなる積層板を作製し、物性試験を行った。な
お、比較例1〜4においては、厚み 100μmのガラスク
ロス1枚/厚み 300μmの樹脂シート1枚/厚み 100μ
mのガラスクロス1枚の構成とし、厚み約 500μm (0.
5 mm)の積層板を作製した。比較例5においては、厚み
100μmのガラスクロス1枚/厚み 100μmの樹脂シー
ト1枚/厚み 100μmのガラスクロス1枚の構成とし、
厚み約 300μm (0.3 mm)の積層板を作製した。た。比
較例6においては、厚み 100μmのガラスクロス1枚/
厚み 300μmの樹脂シート40枚/厚み 100μmのガラス
クロス1枚の構成とし、厚み約12mmの積層板を作製し
た。
【0045】比較例1〜6における樹脂組成物の配合割
合、ペレット成形性、シート表面平滑性及び積層板の特
性を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】比較例1においては、マイカの配合割合を
本発明の上限より大きくしたため、ペレット成形性が低
下し、また、積層板の曲げ強度は低いものであった。比
較例2においては、マイカの配合割合を本発明の下限よ
り小さくしたため、2mmを超えるソリが発生し良好な積
層板を得ることができなかった。比較例3においては、
ガラス繊維の配合割合を本発明の上限より大きくしたた
め、得られた樹脂シートの表面平滑性が劣り、また、6
mmを超えるソリが発生して外観も劣り、良好な積層板を
得ることができなかった。比較例4においては、マイカ
が配合されていないため、5mmを超えるソリが発生して
積層性や外観にも劣り、良好な積層板を得ることができ
なかった。比較例5においては、中間層の厚みと両表面
層の厚みの合計との比を、本発明の下限より小さくした
ため、積層板の切削加工性に劣るものであった。比較例
6においては、中間層の厚みと両表面層の厚みの合計と
の比を、本発明の上限より大きくしたため、3mmを超え
るソリが発生し、積層板の曲げ強度も低いものであっ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、曲げ強度や外観に優
れ、ソリが小さく、しかも加工端部からの基材の欠落が
著しく少ない積層板を得ることができる。さらにこの積
層板を用いて、LCDガラス等の研磨に好適に利用でき
る研磨用シートを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 309:08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂をマトリック
    スとした樹脂組成物からなるシ−トを中間層とし、結合
    剤で処理したガラスクロスを両表面層としたことを特徴
    とするクロス強化樹脂積層板。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物が、熱可塑性ポリエステル樹
    脂 100重量部に対して、無機化合物3〜50重量部及び繊
    維状強化材0〜25重量部を配合したものである請求項1
    に記載のクロス強化樹脂積層板。
  3. 【請求項3】 中間層の厚みと両表面層の厚みの合計と
    の比(中間層の厚み/両表面層の厚みの合計)が、0.5
    〜50であることを特徴とする請求項1又は2に記載のク
    ロス強化樹脂積層板。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリエステル樹脂をマトリック
    スとした樹脂組成物からなるシ−トを中間層に配し、結
    合剤で処理したガラスクロスを両表面層に配して積層し
    た後、前記熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移温度
    〜溶融温度の温度範囲で熱圧延することを特徴とするク
    ロス強化樹脂積層板の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のクロス
    強化樹脂積層板を用いてなる研磨用樹脂シート。
JP19539297A 1997-07-22 1997-07-22 クロス強化樹脂積層板とその製造法、並びにこれを用いた研磨用樹脂シート Pending JPH1134177A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009267295A (ja) * 2008-04-30 2009-11-12 Toppan Printing Co Ltd シリコン基板の製造方法

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