JPH1133932A - 油圧打撃装置の緩衝機構 - Google Patents

油圧打撃装置の緩衝機構

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JPH1133932A
JPH1133932A JP19436697A JP19436697A JPH1133932A JP H1133932 A JPH1133932 A JP H1133932A JP 19436697 A JP19436697 A JP 19436697A JP 19436697 A JP19436697 A JP 19436697A JP H1133932 A JPH1133932 A JP H1133932A
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rock drill
thrust
oil
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャンクロッドからの反射エネルギーを滑ら
かに緩衝して損傷を少なくする。 【解決手段】 打撃機構と、シャンクロッド2に推力を
伝達するチャックドライバブッシュ13とを備えたさく
岩機において、チャックドライバブッシュ13後方に、
さく岩機本体1の推力より推力が小さいフロントダンピ
ングピストン4と、推力が大きいリヤダンピングピスト
ン5とを配設し、フロントダンピングピストン油室42
とリヤダンピングピストン油室52との間に、フロント
ダンピングピストン4の後退時にフロントダンピングピ
ストン4とリヤダンピングピストン5の衝突前に遮断さ
れる油路51と、フロントダンピングピストン油室42
からリヤダンピングピストン油室52への油流を阻止
し、リヤダンピングピストン油室52からフロントダン
ピングピストン油室42への油流を許容するチェック弁
55を備えた給油路53を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロッドやチゼル
等の工具に打撃を与えて岩盤等の破砕を行う、さく岩機
やブレーカ等の油圧打撃装置の緩衝機構に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、さく岩機は、図2に示すよう
に、さく岩機本体1の前端部にシャンクロッド2が挿着
されており、このシャンクロッド2には、さく孔用のビ
ット21を取付けたロッド22がスリーブ23で連結さ
れている。さく岩機の打撃機構3の打撃ピストン31が
シャンクロッド2を打撃すると、その打撃エネルギーは
シャンクロッド2からロッド22を経てビット21に伝
達され、ビット21が破砕対象である岩盤Rを打撃して
破砕する。
【0003】このときの反射エネルギーEr は、ビット
21からロッド22、シャンクロッド2を経てさく岩機
本体1に伝達されるので、この反射エネルギーEr によ
ってさく岩機本体1は一旦後退する。それから、さく岩
機本体1が送り装置(図示略)の推力により1打撃によ
る破砕長分だけもとの位置よりさらに前進し、ビット2
1が岩盤Rに当接したところで、打撃機構3が次の打撃
を行う。この行程を繰り返すことによりさく孔作業が行
われる。
【0004】従来のさく岩機本体1には、図7に示すよ
うに、チャック11を介してシャンクロッド2に回転を
与えるチャックドライバ12を備えており、このチャッ
クドライバ12にはシャンクロッド2の大径部後端2b
に当接するチャックドライバブッシュ13が装着されて
いる。このチャックドライバブッシュ13は、さく岩機
本体1に前方への推力が与えられると、この推力をシャ
ンクロッド2に伝達するものであり、打撃時のビット2
1からの反射エネルギーEr もシャンクロッド2からこ
のチャックドライバブッシュ13を介してさく岩機本体
1へ伝達される。
【0005】この反射エネルギーEr をチャックドライ
バブッシュ13で直接さく岩機本体1に伝達するとその
衝撃でさく岩機の損傷を生ずるおそれがあるので、図8
に示すように、この反射エネルギーEr を油圧で緩衝さ
せるために、緩衝機構としてチャックドライバブッシュ
13の後側にダンピングピストン50を設けたものも用
いられている。
【0006】上記の如く、さく岩機本体1は打撃後一旦
後退し、推力により1打撃による破砕長分だけもとの位
置よりさらに前進しビット21が岩盤Rに当接したとこ
ろで、次の打撃を行なわねばならない。従って、一旦後
退した後、次の打撃が行われるまでには、速やかに所要
距離だけ前進させる必要がある。
【0007】この前進が十分でない場合、シャンクロッ
ド2の位置が一定せず、ビット21は岩盤Rに接してい
ないので、打撃ピストン31の打撃エネルギーは岩盤R
に伝達されず、破砕作業は行われない。このときの打撃
エネルギーは、ほとんどが反射エネルギーEr となって
さく岩機本体1へ戻り、ロッド22、ビット21、スリ
ーブ23等の工具の損耗の増加をまねくばかりでなく、
強力なさく岩機本体1への後退力となり、さらに次の打
撃への前進の遅れをきたすことになる。
【0008】さく岩機本体1が受ける反射エネルギーE
r の強さは、1打撃毎に異なるものであり、これに伴う
さく岩機本体1の後退量もまちまちであって、岩盤Rの
岩質によって大きく変動する。また、打撃ピストン31
の前進加速に伴うさく岩機本体1への反力も後退力に加
わる。
【0009】この反射エネルギーEr と後退量の変動に
よる前進の遅れには、ダンピングピストン50による反
射エネルギーEr の緩衝だけでは対処できない。そこ
で、反射エネルギーEr を油圧で緩衝すると共に、さく
岩機本体1の推力が不足して、一旦後退した後次の打撃
時までにさく岩機本体1の所要位置までの前進が得られ
ない場合でも、ビット21を岩盤に接するよう前進させ
て打撃することができるようにするために、図9に示す
ように、チャックドライバブッシュ13の後方に、さく
岩機本体1の推力より推力が小さいフロントダンピング
ピストン4と、さく岩機本体1の推力より推力が大きい
リヤダンピングピストン5とを配設し、フロントダンピ
ングピストン油室42とリヤダンピングピストン油室5
2とを油路51で連通させ、アッキュムレータ6と接続
した緩衝機構が提案されている。(特開平9−1090
64号参照) この緩衝機構では、シャンクロッド2からチャックドラ
イバブッシュ13に伝達される反射エネルギーEr は、
フロントダンピングピストン4とリヤダンピングピスト
ン5の後退により緩衝される。
【0010】リヤダンピングピストン5の推力は、さく
岩機本体1の推力より大きいので、一旦後退したフロン
トダンピングピストン4とリヤダンピングピストン5
は、速やかにリヤダンピングピストン5の所定の前端位
置まで前進する。フロントダンピングピストン4の推力
はさく岩機本体1の推力より小さいが、チャックドライ
バブッシュ13とシャンクロッド2、ロッド22、ビッ
ト21は、質量がさく岩機本体1よりはるかに小さいの
で、その後、フロントダンピングピストン4によりチャ
ックドライバブッシュ13とシャンクロッド2、ロッド
22、ビット21をさらに前進させる。
【0011】これに続いて、さく岩機本体1が、その推
力により前進する。ビット21が岩盤Rに当接した後
は、さく岩機本体1の推力がフロントダンピングピスト
ン4の推力より大きいので、フロントダンピングピスト
ン4にリヤダンピングピストン5が当接するまでさく岩
機本体1は前進できる。通常は、フロントダンピングピ
ストン4にリヤダンピングピストン5が当接した状態で
打撃機構3が次の打撃を行う。この行程を繰り返すこと
によりさく孔作業が行われる。
【0012】岩盤Rの反射エネルギーEr の値が小さ
く、さく岩機本体1の推力が理想値よりも高く調整され
ているときでも、破砕対象の岩盤Rの岩質の変化などで
一時的に反射エネルギーEr が過大となり、さく岩機本
体1の推力が不足して、一旦後退した後次の打撃時まで
にさく岩機本体1が所要の位置まで前進ができない場合
がある。このような場合にも、フロントダンピングピス
トン4は、リヤダンピングピストン5の停止後、リヤダ
ンピングピストン5から離れ、チャックドライバブッシ
ュ13、シャンクロッド2を押して、さく岩機本体1が
前進するより速やかに前進しているので、ビット21が
岩盤Rに接した状態で次の打撃を行って打撃ピストン3
1の打撃エネルギーを岩盤Rに伝達することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような場
合には、フロントダンピングピストン4が前進している
ので、緩衝行程では、フロントダンピングピストン4が
まず後退してリヤダンピングピストン5に強く衝突し、
それからリヤダンピングピストン5が後退を開始するの
で、滑らかな緩衝が行なわれ難かった。
【0014】本発明は、油圧打撃装置の緩衝機構におけ
る上記の問題を解決するものであって、油圧打撃装置の
推力が不足して、一旦後退した後次の打撃時までに装置
本体の所要位置までの前進が得られない場合でも、工具
を岩盤に接するよう前進させることを可能とし、打撃効
率を向上させることができるよう、フロントダンピング
ピストンとリヤダンピングピストンとを設けた緩衝機構
であって、緩衝行程において工具からの反射エネルギー
を滑らかに緩衝して緩衝効果を向上させることのできる
油圧打撃装置の緩衝機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明では、工具を打
撃する打撃機構と、工具に破砕対象側への推力を伝達す
る伝達部材とを備えた油圧打撃装置において、伝達部材
の後方に、装置本体の推力より推力が小さいフロントダ
ンピングピストンと、装置本体の推力より推力が大きい
リヤダンピングピストンとを配設し、フロントダンピン
グピストン油室とリヤダンピングピストン油室との間
に、フロントダンピングピストンが後退するときフロン
トダンピングピストンがリヤダンピングピストンに衝突
する前に遮断される油路と、フロントダンピングピスト
ン油室からリヤダンピングピストン油室への油流を阻止
し、リヤダンピングピストン油室からフロントダンピン
グピストン油室への油流を許容するチェック弁を備えた
給油路とを設けて油圧打撃装置の緩衝機構を構成するこ
とにより上記課題を解決している。
【0016】油圧打撃装置では、打撃機構が工具に打撃
を与えると、その打撃エネルギーで工具が破砕対象を打
撃して破砕する。このときの反射エネルギーは、工具か
ら伝達部材を経て油圧打撃装置に伝達されるので、この
反射エネルギーによって油圧打撃装置は一旦後退し、推
力により前進した後に、打撃機構が次の打撃を行う。
【0017】ここで、工具から伝達部材に伝達される反
射エネルギーは、フロントダンピングピストンとリヤダ
ンピングピストンの後退により緩衝される。この緩衝行
程では、フロントダンピングピストンが前進していれ
ば、フロントダンピングピストンがまず後退し、フロン
トダンピングピストンとリヤダンピングピストン間の油
路が次第に絞られてゆきながら緩衝が行われる。そし
て、リヤダンピングピストンに衝突する前に、フロント
ダンピングピストン油室とリヤダンピングピストン油室
との間の油路を遮断する。給油路のフロントダンピング
ピストン油室からリヤダンピングピストン油室への油流
はチェック弁で阻止されるので、油路が遮断されるとフ
ロントダンピングピストン油室の油圧が上昇して、リヤ
ダンピングピストンはフロントダンピングピストンの衝
突前に一体となって後退を開始する。
【0018】このように滑らかな緩衝が行なわれて緩衝
効果が向上するので、油圧打撃装置の装置本体及び工具
の損傷が少なくなる。
【0019】緩衝行程が終わると前進行程に移る。前進
行程では、リヤダンピングピストンの推力が、油圧打撃
装置の装置本体の推力より大きいので、フロントダンピ
ングピストンとリヤダンピングピストンは、速やかにリ
ヤダンピングピストンの所定の前端位置まで前進する。
フロントダンピングピストンの推力は装置本体の推力よ
り小さいが、伝達部材と工具は、質量が油圧打撃装置の
装置本体よりはるかに小さいので、その後、フロントダ
ンピングピストンにより伝達部材と工具のみをさらに前
進させることができる。
【0020】フロントダンピングピストン油室とリヤダ
ンピングピストン油室との間の給油孔に設けられたチェ
ック弁はリヤダンピングピストン油室からフロントダン
ピングピストン油室への油流を許容するので、このと
き、フロントダンピングピストン油室には給油孔から大
量の油が流入可能で、フロントダンピングピストンは急
速に前進することができ、遮断されていた油路もすみや
かに開放される。
【0021】従って、油圧打撃装置の推力が不足し、一
旦後退した後次の打撃時までに装置本体が所定の位置ま
で前進ができない場合にも、工具は岩盤に接した状態と
なって次の打撃を行うことができるので、打撃効率を向
上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態を示
すさく岩機の緩衝機構の縦断面図、図2はさく岩機の基
本的構成の説明図、図3、図4、及び図5は緩衝機構の
作動の説明図、図6はピストンの打撃位置とピストン速
度との関係の説明図である。
【0023】ここで、さく岩機の基本的な構成は、従来
のさく岩機と同様であり、図2に示すように、さく岩機
本体1の前端部にシャンクロッド2が挿着されており、
その後方にシャンクロッド2に打撃を与える打撃機構3
が設けられている。シャンクロッド2には、さく孔用の
ビット21を取付けたロッド22がスリーブ23で連結
されている。
【0024】図1に示すように、さく岩機本体1には、
チャック11を介してシャンクロッド2に回転を与える
チャックドライバ12を備えており、このチャックドラ
イバ12にはシャンクロッド2の大径部後端2b に当接
するチャックドライバブッシュ13が装着されている。
このチャックドライバブッシュ13の後側には、フロン
トダンピングピストン4とリヤダンピングピストン5と
が配設され緩衝機構を構成している。
【0025】リヤダンピングピストン5は、前端部外径
を大径、その後方を小径とする円筒状のピストンでその
外側と内側とを連通させる油路51と給油路53の一部
となる油孔54とを備えており、さく岩機本体1に設け
られている中央段部14と後方段部15との間で前後に
摺動可能に装着され、さく岩機本体1との間に形成され
るりリヤダンピングピストン油室52の油圧で前方への
推力が与えられる。
【0026】フロントダンピングピストン4は、同様に
前端部外径を大径、その後方を小径とする円筒状のピス
トンであり、小径の部分がリヤダンピングピストン5の
内側に前後摺動可能に装着され、大径の部分により、さ
く岩機本体1に設けられている前方段部16とリヤダン
ピングピストン5の前端面5f との間で前後の移動範囲
を規制されている。フロントダンピングピストン4の外
周とリヤダンピングピストン5の内周との間には、フロ
ントダンピングピストン油室42が形成されており、そ
の油圧でフロントダンピングピストン4に前方への推力
が与えられる。
【0027】フロントダンピングピストン油室42とリ
ヤダンピングピストン油室52との間にはフロントダン
ピングピストン油室42からリヤダンピングピストン油
室52への油流を阻止し、リヤダンピングピストン油室
52からフロントダンピングピストン油室42への油流
を許容するチェック弁55を備えた給油路53が設けら
れている。リヤダンピングピストン油室52は緩衝用の
アッキュムレータ6に連通している。
【0028】油路51は、フロントダンピングピストン
4がリヤダンピングピストン5に対して前進した位置で
は図3に示すようにフロントダンピングピストン油室4
2とリヤダンピングピストン油室52とを連通し、フロ
ントダンピングピストン4が後退するとき、図4に示す
ようにフロントダンピングピストン4がリヤダンピング
ピストン5に衝突する前に遮断されるよう、油孔54よ
り前方に配置されている。
【0029】フロントダンピングピストン4の外径は、
図5に示すように、フロントダンピングピストン油室4
2の前方がD1 後方がD2 であり、フロントダンピング
ピストン油室42の油圧をPとすると、フロントダンピ
ングピストン油室42により与えられる推力F4 は: F4 =π(D1 2 −D2 2 )P リヤダンピングピストン5の外径は、リヤダンピングピ
ストン油室52の前方がD3 後方がD4 であり、リヤダ
ンピングピストン油室52の油圧は、通常フロントダン
ピングピストン油室42の油圧Pと等しいので、リヤダ
ンピングピストン油室52により与えられる推力F
5 は: F5 =π(D3 2 −D4 2 +D1 2 −D2 2 )P である。
【0030】そして、さく岩機本体1に与えられるを推
力をF1 とすると: F4 <F1 <F5 となるように設定されている。
【0031】通常、さく岩機本体1の推力F1 は1t程
度、高打撃力仕様の場合には1t以上であり: F4 :F1 :F5 =1:2:3 程度に設定される。
【0032】さく孔作業の際には、打撃機構3の打撃ピ
ストン31がシャンクロッド2を打撃すると、その打撃
エネルギーはシャンクロッド2からロッド22を経てビ
ット21に伝達され、ビット21が破砕対象である岩盤
Rを打撃して破砕する。
【0033】このとき、の反射エネルギーEr は、ビッ
ト21からロッド22、シャンクロッド2、チャックド
ライバブッシュ13を経てフロントダンピングピストン
4に伝達される。フロントダンピングピストン4は、リ
ヤダンピングピストン5に対して前進した位置にあれ
ば、フロントダンピングピストン油室42の油圧により
後退する。フロントダンピングピストン4が後退する
と、油路51は、開口面積が絞られてゆきながら緩衝が
行われる。そして、図4に示すように、フロントダンピ
ングピストン4がリヤダンピングピストン5に衝突する
前に遮断される。給油路35はチェック弁55によって
フロントダンピングピストン油室42からリヤダンピン
グピストン油室52への圧油の流出が阻止されている。
【0034】よって、フロントダンピングピストン油室
42は封止され、フロントダンピングピストン油室42
の油圧がリヤダンピングピストン油室52の油圧より高
くなる。
【0035】そこで、前端面5f がさく岩機本体1の中
央段部14と当接する基準位置にあったリヤダンピング
ピストン5は、フロントダンピングピストン4がリヤダ
ンピングピストン5に衝突する前に一体となって後退を
始め、リヤダンピングピストン油室52の油圧により緩
衝されながらフロントダンピングピストン4と共にリヤ
ダンピングピストン5が後方段部15に当接するまで後
退し、反射エネルギーEr がさく岩機本体1に伝達さ
れ、緩衝行程が終わる。
【0036】このように、フロントダンピングピストン
4とリヤダンピングピストン5が衝突するすことなく滑
らかな緩衝が行なわれるので、緩衝効果が向上しさく岩
機本体1及びビット21からロッド22、シャンクロッ
ド2の損傷が少なくなる。
【0037】さく岩機本体1に伝達された反射エネルギ
ーEr によってさく岩機本体1は一旦後退する。リヤダ
ンピングピストン油室52により与えられる推力F
5 は、さく岩機本体1に与えられる推力F1 より大きい
ので、まず、リヤダンピングピストン5はフロントダン
ピングピストン4とチャックドライバブッシュ13、シ
ャンクロッド2を押し戻して、前端面5f がさく岩機本
体1の中央段部14と当接する基準位置まで前進して停
止する。
【0038】静止している質量Mの物体が、外力Fを受
け、距離Sを移動する時間Tは、加速度をaとすると、
運動の方程式より: F=aM S=aT2 /2 ∴ T=(2MS/F)1/2 である。
【0039】一般に、さく岩機本体1の質量M1 は、フ
ロントダンピングピストン4とチャックドライバブッシ
ュ13、シャンクロッド2、スリーブ23、ロッド2
2、及びビット21との合計の質量M2 の10倍〜30
倍であるのに対し、さく岩機本体1の推力F1 は、前述
の通りフロントダンピングピストン4の推力F4 の2倍
程度しかない。
【0040】さく岩機本体1が距離Sを移動するのに要
する時間T1 と、フロントダンピングピストン4がチャ
ックドライバブッシュ13、シャンクロッド2、スリー
ブ23、ロッド22、及びビット21を押しながら距離
Sを移動するのに要する時間T2 との比は: M1 =20M21 =2F4 とすれば、 T1 /T2 =(10)1/2 ≒3.16 となる。
【0041】よって、フロントダンピングピストン4
は、リヤダンピングピストン5の停止後、リヤダンピン
グピストン5から離れ、チャックドライバブッシュ1
3、シャンクロッド2を押して、ビット21が岩盤Rに
当接するまで、さく岩機本体1が前進するより速やかに
前進する。
【0042】フロントダンピングピストン油室42とリ
ヤダンピングピストン油室52とは給油孔53で常時連
通しており、チェック弁55はリヤダンピングピストン
油室52からフロントダンピングピストン油室42への
油流を許容するので、このとき、フロントダンピングピ
ストン油室42には、アッキュムレータ6からリヤダン
ピングピストン油室52、給油孔53を経て大量の油が
流入可能で、フロントダンピングピストン4は急速に前
進することができ、遮断されていた油路51もすみやか
に開放される。
【0043】これに続いて、さく岩機本体1が、その推
力F1 により、1打撃による破砕長分だけ前進する。ビ
ット21が岩盤Rに接した後は、さく岩機本体1の推力
1がフロントダンピングピストン4の推力F4 より大
きいので、フロントダンピングピストン4は、油路51
が遮断される位置まで押し戻される。
【0044】そこで、打撃機構3が次の打撃を行う。こ
の行程を繰り返すことによりさく孔作業が行われる。も
し、反射エネルギーEr が異常に大きくなり、さく岩機
本体1の前進が遅れるような場合でも、ビット21はフ
ロントダンピングピストン4の前進で既に岩盤Rに接し
ているので、打撃エネルギーは確実に破砕に消費され、
打撃効率が向上する。
【0045】打撃エネルギーが破砕に消費されると異常
な反射エネルギーEr は発生しないので、さく岩機本体
1の後退は小さくなり、以後の正常な前進が確保でき
る。打撃装置において強力な打撃エネルギーを得るため
には、ピストンの前進加速を大きくし、衝突スピードを
速くしなければならない。このピストンの前進加速に伴
う反力は、さく岩機本体1が受けるものであり、この反
力は、打撃タイミングの前に発生するので、さく岩機本
体1に与えられる推力より小さいことが望ましい。も
し、この反力がさく岩機本体1の推力より大きい場合、
反力の発生してる間さく岩機本体1は後退側への加速力
を受けることになり、ビット21が岩盤Rに接する位置
まで既に前進していても、さく岩機本体1は打撃前にわ
ずかに後退を生ずることになる。この場合にも、フロン
トダンピングピストン4の前進で、ビット21を岩盤R
に接する位置に保持することができる。
【0046】なお、ビット21先端部が、大きい打撃力
を必要としない粘土層や空洞等に遭遇して、フロントダ
ンピングピストン4の推力F4 でもビット21、ロッド
22が前進するような場合には、フロントダンピングピ
ストン4がシャンクロッド2を図1の基準位置より前方
へ押し出した打撃位置で、打撃ピストン31がシャンク
ロッド2を打撃する。
【0047】この打撃位置では、図6に示すように、打
撃ピストン31が減速域となっていて、打撃力の小さい
軽打撃となるので、粘土層等の軟弱な個所に適当な打撃
力でさく孔することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の油圧打撃
装置の緩衝機構では、工具からの反射エネルギーを滑ら
かに緩衝して油圧打撃装置に伝達させることにより緩衝
効果を向上させ損傷を少なくすると共に、油圧打撃装置
の推力が不足して、一旦後退した後次の打撃時までに装
置本体が所定位置まで前進できない場合でも、工具を岩
盤に接するよう前進させて打撃することができ、打撃効
率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態を示すさく岩機の緩衝機構の縦
断面図である。
【図2】さく岩機の基本的構成の説明図である。
【図3】緩衝機構の作動の説明図である。
【図4】緩衝機構の作動の説明図である。
【図5】緩衝機構の作動の説明図である。
【図6】ピストンの打撃位置とピストン速度との関係の
説明図である。
【図7】従来のさく岩機の内部構造の説明図である。
【図8】従来のさく岩機の緩衝機構の説明図である。
【図9】従来のさく岩機の緩衝機構の説明図である。
【符号の説明】
1 さく岩機本体 2 シャンクロッド 3 打撃機構 4 フロントダンピングピストン 5 リヤダンピングピストン 6 アッキュムレータ 11 チャック 12 チャックドライバ 13 チャックドライバブッシュ 14 中央段部 15 後方段部 16 前方段部 21 ビット 22 ロッド 23 スリーブ 31 打撃ピストン 42 フロントダンピングピストン油室 51 油路 52 リヤダンピングピストン油室 53 給油路 54 油孔 55 チェック弁 Er 反射エネルギー R 岩盤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具を打撃する打撃機構と、工具に破砕
    対象側への推力を伝達する伝達部材とを備えた油圧打撃
    装置において、伝達部材の後方に、装置本体の推力より
    推力が小さいフロントダンピングピストンと、装置本体
    の推力より推力が大きいリヤダンピングピストンとを配
    設し、フロントダンピングピストン油室とリヤダンピン
    グピストン油室との間に、フロントダンピングピストン
    が後退するときフロントダンピングピストンがリヤダン
    ピングピストンに衝突する前に遮断される油路と、フロ
    ントダンピングピストン油室からリヤダンピングピスト
    ン油室への油流を阻止し、リヤダンピングピストン油室
    からフロントダンピングピストン油室への油流を許容す
    るチェック弁を備えた給油路とを設けたことを特徴とす
    る油圧打撃装置の緩衝機構。
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