JP2001334478A - 油圧打撃装置の緩衝機構 - Google Patents

油圧打撃装置の緩衝機構

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JP2001334478A
JP2001334478A JP2000161690A JP2000161690A JP2001334478A JP 2001334478 A JP2001334478 A JP 2001334478A JP 2000161690 A JP2000161690 A JP 2000161690A JP 2000161690 A JP2000161690 A JP 2000161690A JP 2001334478 A JP2001334478 A JP 2001334478A
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rock drill
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フローティングダンパ作用を単体のダンピング
ピストンで実現することにより、装置の小型化及びコス
トの低減を図り、緩衝作用における応答性を向上させる
ことができる油圧打撃装置の緩衝機構を提供する。 【解決手段】油圧打撃装置の緩衝機構は、装置本体1内
に摺嵌された、前方に大径部11a、後方に小径部11
b、及び大径部11aと小径部11bとの間に小径部1
1bよりも径の小さな縮径部11cを有するダンピング
ピストン11と、装置本体1の内径摺動面とダンピング
ピストン11の縮径部11cとによって形成される油圧
室13と、油圧室13の前方の装置本体1の内径摺動面
にシール長S1を隔てて設けられたドレン通路15と、
油圧室13の後方の装置本体1の内径摺動面にシール長
S2を隔てて設けられた給圧通路16とを具備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロッドやチゼル等
の工具に打撃を与えて岩盤等の破砕を行う、さく岩機や
ブレーカ等の油圧打撃装置の緩衝機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のさく岩機として、例えば、図2に
示すさく岩機が知られている(特開平9- 109064
号公報参照)。このさく岩機は、さく岩機本体1の前端
部にシャンクロッド2が装着され、このシャンクロッド
2の前端には、さく孔用のビット6を前端に取り付けた
ロッド4がスリーブ5で連結されている。そして、さく
岩機の打撃機構3の打撃ピストン7がシャンクロッド2
を打撃すると、その打撃エネルギーはシャンクロッド2
からロッド4を経てビット6に伝達され、ビット6が岩
盤Rを打撃して破砕する。
【0003】このとき、岩盤Rからの反射エネルギーE
rは、ビット6からロッド4、シャンクロッド2を経て
さく岩機本体1に伝達され、この反射エネルギーErに
よってさく岩機本体1は一旦後退する。それから、さく
岩機本体1は送り機構(図示略)の推力により1打撃に
よる破砕長分だけもとの位置よりさらに前進したところ
で、打撃機構3が次の打撃を行う。この行程を繰り返す
ことにより、さく孔作業が行われる。
【0004】従来のさく岩機本体1には、図5に示すよ
うに、チャック8を介してシャンクロッド2に回転を与
えるチャックドライバ9が備えられており、このチャッ
クドライバ9にはシャンクロッド2の大径部後端2aに
当接するチャックドライバブッシュ10が装着されてい
る。このチャックドライバブッシュ10の後側には、フ
ロントダンピングピストン21とリヤダンピングピスト
ン22とが配設され緩衝機構を構成している。
【0005】このリヤダンピングピストン22は、円筒
状のピストンでその外側と内側とを連通させる油路23
を備えており、さく岩機本体1に設けられている中央段
部1cと後方段部1bとの間で摺動可能に装着されてい
る。リヤダンピングピストン22は、さく岩機本体1の
内径摺動面との間に形成されるリヤダンピングピストン
油室24の油圧で前方への推力が与えられる。また、フ
ロントダンピングピストン21は、前端部外径を大径、
その後方の外径を小径とする円筒状のピストンであり、
小径の部分がリヤダンピングピストン22の内側に前後
方向に摺動可能に装着され、大径の部分により、さく岩
機本体1に設けられている前方段部1aとリヤダンピン
グピストン22の前端面22aとの間で前後の移動範囲
を規制している。フロントダンピングピストン21の小
径部分の外周とリヤダンピングピストン22の内周との
間には、フロントダンピングピストン油室25が形成さ
れており、その油圧でフロントダンピングピストン21
に前方への推力が与えられる。
【0006】フロントダンピングピストン油室25はリ
ヤダンピングピストン油室24と油路23で連通してお
り、リヤダンピングピストン油室24は緩衝用のアキュ
ムレータ26に連通している。フロントダンピングピス
トン21には、フロントダンピングピストン油室25に
おける受圧面積と油圧の積で求められる推力F21が作
用し、同様にリヤダンピングピストン22には、リヤダ
ンピングピストン油室24における受圧面積と油圧の積
で求められる推力F22が作用する。
【0007】一方、さく岩機本体1には、常時F1の推
力が与えられており、この推力は岩盤Rからビット6、
ロッド4、シャンクロッド2、及びチャックドライバブ
ッシュ10を経てフロントダンピングピストン21、リ
ヤダンピングピストン22に反力として伝達されてい
る。ここで、フロントダンピングピストン21に作用す
る推力F21及びリダンピングピストン22に作用する
推力F22は、さく岩機本体1に作用する推力F1に対
して、F21<F1<F22の関係となるように設定さ
れている。このため、フロントダンピングピストン21
とリヤダンピングピストン22とは当接し、リヤダンピ
ングピストン22の前端面22aがさく岩機本体1の中
央段部1cと当接する打撃基準位置(図5に示す位置)
に停止する。
【0008】この打撃基準位置において打撃機構3の打
撃ピストン7がシャンクロッド2を打撃すると、その打
撃エネルギーはシャンクロッド2からロッド4を経てビ
ット6に伝達され、ビット6が破砕対象である岩盤Rを
打撃して破砕する。このときの岩盤Rからの反射エネル
ギーErは、ビット6からロッド4、シャンクロッド
2、チャックドライバブッシュ10を経てフロントダン
ピングピストン21及びリヤダンピングピストン22に
伝達され、リヤダンピングピストン22はリヤダンピン
グピストン油室24の油圧により緩衝されながらフロン
トダンピングピストン21と共に後端面が後方段部1b
に当接するまで後退し、反射エネルギーErがさく岩機
本体1に伝達される。
【0009】このように、シャンクロッド2からチャッ
クドライバブッシュ10に伝達される反射エネルギーE
rは、フロントダンピングピストン21及びリヤダンピ
ングピストン22の後退により緩衝されるので、さく岩
機本体1、ビット6、ロッド4、及びシャンクロッド2
の損傷を少なくすることができる。さく岩機本体1に伝
達された反射エネルギーErによってさく岩機本体1は
一旦後退するが、その後、リヤダンピングピストン22
は、リヤダンピングピストン油室24により与えられる
推力F22がさく岩機本体1に与えられる推力F1より
も大きいことから、フロントダンピングピストン21、
チャックドライバブッシュ10、及びシャンクロッド2
を押し戻して前端面22aがさく岩機本体1の中央段部
1cと当接する打撃基準位置まで前進して停止する。
【0010】ここで、さく岩機本体1の質量は、フロン
トダンピングピストン21、チャックドライバブッシュ
10、シャンクロッド2、スリーブ5、ロッド4、及び
ビット6の合計の質量の10倍〜30倍であるのに対
し、さく岩機本体1の推力F1はフロントダンピングピ
ストン21の推力F21の2倍程度しかないため、かか
るフロントダンピングピストン21等の部材には質量に
比して大きな推力が与えられていることになり、移動速
度という面からみるとフロントダンピングピストン21
等の部材はさく岩機本体1よりも速いことになる。
【0011】ビット6と岩盤Rとの密着が不完全な状態
では、さく岩機本体1の推力F1は岩盤Rに十分に伝達
されていないので、ビット6からロッド4、スリーブ
5、シャンクロッド2、チャックドライバブッシュ1
0、及びフロントダンピングピストン21へはF1より
もはるかに小さい反力が伝達される。従って、フロント
ダンピングピストン21はリヤダンピングピストン22
から離れ、チャックドライバブッシュ10、シャンクロ
ッド2を押してビット6が岩盤Rに接するまで、さく岩
機本体1が前進するより速やかに前進して空打ち状態を
防止する。
【0012】これに続いて、さく岩機本体1がその推力
F1により前進する。ビット6が岩盤Rに接した後は、
さく岩機本体1の推力F1がフロントダンピングピスト
ン21の推力F21よりも大きいので、フロントダンピ
ングピストン21はリヤダンピングピストン22に当接
するまで押し戻される。このように、ダンピングピスト
ンが打撃基準位置より後退して反射エネルギーを緩衝
し、さく岩機本体1よりも速やかに前進して工具を岩盤
へ常に密着させるように作用することをフローティング
ダンパ作用という。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のさく岩機の緩衝機構にあっては、さく岩機本体1内
にフロントダンピングピストン21及びリヤダンピング
ピストン22の2つのダンピングピストンを配設してあ
り、さく岩機自体が大きくなって重量が増加してしま
い、また、部品点数が多いことによるコストの増加とい
う問題がある。
【0014】また、フロントダンピングピストン21が
打撃基準位置を大きく超えて前進した状態でビット6か
ら大きな反射エネルギー(F1よりも大きい反射エネル
ギー)が伝達されてくる場合には、まず、フロントダン
ピングピストン21がチャックドライバブッシュ10に
より押圧されて打撃基準位置まで後退してリヤダンピン
グピストン22と当接し、そして、フロントダンピング
ピストン21がリヤダンピングピストン22と共に後退
することにより初めて緩衝される。このため、緩衝作用
においてフロントダンピングピストン21単独の後退時
間分の応答遅れが生じてしまうという問題がある。
【0015】従って、本発明は、さく岩機等の油圧打撃
装置における上述の問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的は、フローティングダンパ作用を単
体のダンピングピストンで実現することにより、装置の
小型化及びコストの低減を図り、緩衝作用における応答
性を向上させることができる油圧打撃装置の緩衝機構を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明のうち請求項1に係る油圧打撃装置の緩衝機
構は、工具を打撃する打撃機構と、前記工具に破砕対象
側への推力を伝達する伝達部材と、該伝達部材の後方に
緩衝機構とを備えた油圧打撃装置において、前記緩衝機
構が、装置本体内に摺嵌された、前方に大径部、後方に
小径部、及び前記大径部と前記小径部との間に該小径部
よりも径の小さな縮径部を有するダンピングピストン
と、前記装置本体の内径摺動面と前記ダンピングピスト
ンの前記縮径部とによって形成される油圧室と、該油圧
室の前方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔て
て設けられたドレン通路と、前記油圧室の後方の前記装
置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設けられた給圧
通路とを具備することを特徴としている。
【0017】工具を打撃機構によって打撃する打撃基準
位置においては、ダンピングピストンに与えられる前方
への推力は、ダンピングピストンに反力として作用する
油圧打撃装置の装置本体の推力と等しく設定されてい
る。即ち、油圧室の前後のシール長を調整することによ
って油圧室への圧油の流入量及び油圧室からの圧油の流
出量を調整し、これにより、油圧室内の油圧を調整し、
油圧室内の油圧と受圧面積との積によって求められるダ
ンピングピストンに与えられる前方への推力を、破砕対
象から工具、伝達部材を介してダンピングピストンに反
力として作用する装置本体の推力と等しく設定してい
る。
【0018】この打撃基準位置において、打撃機構によ
って工具を打撃すると、その打撃エネルギーにより工具
が破砕対象を破砕する。このときの破砕対象からの瞬間
的に発生される反射エネルギーは打撃反力となり、装置
本体の推力の反力と合算されて、工具及び伝達部材を経
てダンピングピストンに伝達され、ダンピングピストン
は油圧室の油圧により緩衝されながら後退し、反射エネ
ルギーが装置本体に伝達される。ダンピングピストンが
打撃基準位置から後退すると、ドレン通路側のシール長
は増大し、逆に給圧通路側のシール長は減少し、油圧室
内では圧油の流入量が増大し流出量が減少して油圧が高
くなる。油圧室の油圧が高くなると、ダンピングピスト
ンに与えられる前方への推力が増大し、その推力が前述
した打撃反力と装置本体の推力の反力との合算値と釣り
合うと、ダンピングピストンは後退を停止する。
【0019】打撃反力がダンピングピストンの後退によ
って緩衝され、装置本体の推力のみが反力として伝達部
材に作用するようになると、ダンピングピストンに作用
する前方への推力が、反力として作用する装置本体の推
力よりも大きくなっているため、ダンピングピストン
は、伝達部材及び工具を押し戻して前進する。ダンピン
グピストンが前進すると、ドレン通路側のシール長は減
少し、逆に給圧通路側のシール長は増大する。これによ
り、油圧室内では、圧油の流入量が減少し流出量が増大
して油圧が低くなる。油圧室内の油圧が低くなると、ダ
ンピングピストンに作用する前方への推力が減少し、反
力として作用する装置本体の推力と釣り合う位置、即ち
打撃基準位置でダンピングピストンは停止する。この状
態で次の打撃を待つことになる。
【0020】装置本体の前進運動の速度が不足したり、
破砕対象の状態が悪いと、破砕対象と工具との密着が不
完全になる。破砕対象と工具との密着が不完全になる
と、装置本体の推力は破砕対象に十分に伝達されていな
いので、工具及び伝達部材を経てダンピングピストンに
伝達される反力は、通常よりも小さくなる。このときに
は、ダンピングピストンは、打撃基準位置から前進す
る。ダンピングピストンが前進すると、ドレン通路側の
シール長は減少し、逆に給圧通路側のシール長は増大す
るので、油圧室内では、圧油の流入量が減少し流出量が
増大して油圧が低くなる。油圧室内の油圧が低くなる
と、ダンピングピストンの前方への推力が減少し、前述
の小さい反力と釣り合う位置でダンピングピストンは停
止する。
【0021】この状態で打撃機構が打撃を行うと、工具
が伝達部材を介してダンピングピストンによって打撃基
準位置を超えて前進しているので、打撃機構が減速域と
なっていて、打撃力の小さい軽打撃となる。ここで、ダ
ンピングピストンは打撃基準位置よりも前進している
が、油圧室がシール長を介して閉ざされた状態を維持し
ているので、破砕対象から工具及び伝達部材を介して伝
達される反射エネルギーは、即座に緩衝される。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図面を参
照して説明する。図1は本発明の一実施形態を示すさく
岩機の緩衝機構の縦断面図、図2はさく岩機の基本的構
成の説明図、図3はダンピングピストンが後死点にある
状態の緩衝機構の作動の説明図、図4はダンピングピス
トンが前死点にある状態の緩衝機構の作動の説明図であ
る。
【0023】さく岩機の基本的構成は、従来のさく岩機
と同様であり、図2に示すように、さく岩機本体1の前
端部にシャンクロッド2が装着され、その後方にシャン
クロッド2に打撃を与える打撃機構3が設けられてい
る。シャンクロッド2の前端には、さく孔用のビット6
を前端に取り付けたロッド4がスリーブ5で連結されて
いる。ビット6、ロッド4、スリーブ5、及びシャンク
ロッド2で工具を構成する。
【0024】ここで、さく岩機本体1には、図1に示す
ように、チャック8を介してシャンクロッド2に回転を
与えるチャックドライバ9が備えられており、このチャ
ックドライバ9にはシャンクロッド2の大径部後端2a
に当接する伝達部材としてのチャックドライバブッシュ
10が装着されている。このチャックドライバブッシュ
10の後方には、緩衝機構を構成するダンピングピスト
ン11が備えられている。
【0025】ダンピングピストン11は、円筒状のピス
トンで、前方に外径がφDの大径部11a、後方に外径
がφdの小径部11b、及び大径部11aと小径部11
bとの間に小径部11bよりも外径の小さな縮径部11
cを有する。そして、ダンピングピストン11は、さく
岩機本体1の内径に形成された前方段部11aと後方段
部11bとの間で前後方向に摺動可能に装着されてい
る。
【0026】さく岩機本体1の内径摺動面とダンピング
ピストン11の縮径部11cとの間には、油圧室13が
形成され、ダンピングピストン11は油圧室13の油圧
で前方への推力が与えられる。そして、さく岩機本体1
の内径摺動面には、油圧室13を挟んで前方にシール長
S1を隔ててドレン通路15が、後方にシール長S2を
隔てて油圧通路14が設けられている。油圧通路14
は、油圧源12に連通している。油圧源12からの圧油
は、給圧通路7及びシール長S2を介して油圧室13内
に流入し、シール長S1を介してドレン通路15へ排出
するようになっている。この際に、圧油の流入量と流出
量との差し引き分の圧力P1が油圧室13内で発生す
る。油圧源12からの油圧をP2とすると、P1<P2
となる。
【0027】油圧室13の受圧面積Aはダンピングピス
トン11の大径部11aの外径がφDであり、小径部1
1bの外径がφdであることから、次の(1)式で表さ
れる。
【0028】
【数1】
【0029】そして、ダンピングピストン11に与えら
れる推力F11は、油圧室13の圧力P1と受圧面積A
との積であり、上述の(1)式を考慮すると、次の
(2)式で表される。
【0030】
【数2】
【0031】そして、このダンピングピストン11に与
えられる推力F11は、さく岩機本体1に公知の送り機
構によって与えられる推力をF1とすると、ダンピング
ピストン11が打撃基準位置(図1に示す位置)に停止
した状態で、F11=F1となるように設定されてい
る。ダンピングピストン11が打撃基準位置から後退す
ると、シール長S2は減少して油圧源12から給圧通路
14を経て油圧室13内に流入する圧油の流量は増加
し、逆にシール長S1は増加して油圧室13からドレン
通路15へ流出する圧油の流量は減少する。これによ
り、油圧室13内の油圧は増加してP1' >P1となる
ため、ダンピングピストン11に与えられる前方への推
力F11' は次の(3)式に示すように増加する。
【0032】
【数3】
【0033】さらに、図3に示すように、ダンピングピ
ストン11が後退しダンピングピストン11の後端面1
1eが後方段部1bに当接すると、シール長S2は0以
下となり、油圧源12からの圧油の全量が油圧室13内
に流入し、逆にシール長S1はさらに増加して油圧室1
3からドレン通路15へ流出する圧油の流量はさらに減
少する。これにより、油圧室13内の油圧は増加してP
1''≒P2>P1' となるため、ダンピングピストン1
1に与えられる前方への推力F11''は次の(4)式に
示すように最大となる。
【0034】
【数4】
【0035】一方、ダンピングピストン11が打撃基準
位置から前進すると、シール長S2は増加して油圧源1
2から給圧通路14を経て油圧室13内に流入する圧油
の流量は減少し、逆にシール長S1は減少して油圧室1
3からドレン通路15へ流出する圧油の流量は増加す
る。これにより、油圧室13内の油圧は減少してP
1''' <P1となるため、ダンピングピストン11に与
えられる前方への推力F11''' は次の(5)式に示す
ように減少する。
【0036】
【数5】
【0037】さらに、図4に示すように、ダンピングピ
ストン11が前進しダンピングピストン11の前端面1
1dが前方段部1aに当接すると、シール長S1は0以
下となり、油圧室13とドレン通路15とが連通し油圧
室13内の油圧は減少してP1''''≒0となる。このた
め、ダンピングピストン11に与えられる前方への推力
F11''''はF11''''≒0になり、最小となる。
【0038】次に、さく孔作業について説明する。さく
孔作業の際に、打撃基準位置において打撃機構3の打撃
ピストン7がシャンクロッド2を打撃すると、その打撃
エネルギーはシャンクロッド2からロッド4を経てビッ
ト6に伝達され、ビット6が破砕対象である岩盤Rを打
撃して破砕する。このときの岩盤Rからの瞬間的に発生
される反射エネルギーErは打撃反力F2となり、さく
岩機本体1の推力F1の反力と合算されて、ビット6か
らロッド4、シャンクロッド2、チャックドライバブッ
シュ10を経てダンピングピストン11に伝達され、ダ
ンピングピストン11は油圧室13の油圧により緩衝さ
れながら後退し、反射エネルギーがさく岩機本体1に伝
達される。
【0039】このように、シャンクロッド2からチャッ
クドライバブッシュ10に伝達される反射エネルギーE
rは、ダンピングピストン11の後退により緩衝される
ので、さく岩機本体1及びビット6、ロッド4、シャン
クロッド2の損傷が少なくなる。さく岩機本体1に伝達
された反射エネルギーによってさく岩機本体1は、一旦
後退するが、瞬間的に発生する打撃反力F2が減少し
て、チャックドライバブッシュ10に作用する反力とし
てはさく岩機本体1に与えられる推力F1の反力のみと
なる。一方、ダンピングピストン11の後退に伴って油
圧室13内の油圧はP1からP1' (又はP1'')に増
加し、この油圧P1' (又はP1'')よるダンピングピ
ストン11に作用する前方への推力F11' (又はF1
1'')がさく岩機本体1に与えられる推力F1の反力よ
りも大きくなる。このため、ダンピングピストン11
は、チャックドライバブッシュ10、シャンクロッド2
を押し戻して打撃基準位置まで前進し、ダンピングピス
トン11に作用する前方への推力がF11となってさく
岩機本体1に与えられる推力F1の反力と等しくなり、
ダンピングピストン11は停止する。この間、さく岩機
本体1は、送り機構によって1打撃による岩盤Rの破砕
長分だけ前進し、ビット6が岩盤Rに接する。ビット6
が岩盤Rに接すると、さく岩機本体1の推力F1がビッ
ト6から反力としてダンピングピストン11に伝達さ
れ、ダンピングピストン11は、ダンピングピストン1
1に作用する前方への推力F11がさく岩機本体1の推
力F1と等しくなる位置即ち打撃基準位置に保持され、
次の打撃を待つ状態となる。その後、打撃ピストン7が
次の打撃を行う。この行程を繰り返すことにより、さく
孔作業が行われる。
【0040】次の打撃までの間に、さく岩機本体1の前
進運動の速度が不足したり、岩盤Rの状態が悪い(破砕
帯等)と、岩盤Rとビット6との密着が不完全になる。
岩盤Rとビット6との密着が不完全になると、さく岩機
本体1の推力F1は岩盤Rに十分に伝達されていないの
で、ビット6からロッド4、スリーブ5、シャンクロッ
ド2、チャックドライバブッシュ10、及びダンピング
ピストン11へはF1よりもはるかに小さい反力F1'
が伝達される。このときには、ダンピングピストン11
は、打撃基準位置から前進し、反力F1' とダンピング
ピストン11に与えられる前方への推力F11''' とが
等しくなる位置で停止する。
【0041】この状態で打撃ピストン7が次の打撃を行
うと、シャンクロッド2がダンピングピストン11によ
って打撃基準位置を超えて前進しているので、打撃ピス
トン7が減速域となっていて、打撃力の小さい軽打撃と
なる。このため、シャンクロッド2、ロッド4、ビット
6から岩盤Rに伝達される打撃エネルギーが小さくな
り、その一方、岩盤Rからビット6、ロッド4、シャン
クロッド2、及びチャックドライバブッシュ10に伝達
される反射エネルギーも小さくなる。しかし、軽打撃と
はいえ空打ち状態に近いため、この反射エネルギーを速
やかに緩衝することが望ましい。ここで、ダンピングピ
ストン11は打撃基準位置よりも前進しているが、油圧
室13がシール長を介して閉ざされた状態を維持してい
るので、かかる反射エネルギーは、即座に緩衝される。
仮に、油圧室13がドレン通路15と連通していても、
ダンピングピストン11が瞬間的に後退すると油圧室1
3は閉じた状態となり、反射エネルギーは緩衝される。
【0042】以上のように、さく岩機よるさく孔作業に
おいて、フローティングダンパ作用を単体のダンピング
ピストン11で実現できるので、さく岩機自体の小型化
及び部品点数の削減によるコストの低下を図ることがで
きる。また、フローティングダンパ作用を単体のダンピ
ングピストン11で実現できることで、従来の緩衝機構
と比較して緩衝作用の応答性を向上させることができ
る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る油圧打撃装置の緩衝機構によれば、緩衝機構
が、装置本体内に摺嵌された、前方に大径部、後方に小
径部、及び前記大径部と前記小径部との間に該小径部よ
りも径の小さな縮径部を有するダンピングピストンと、
前記装置本体の内径摺動面と前記ダンピングピストンの
前記縮径部とによって形成される油圧室と、該油圧室の
前方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設
けられたドレン通路と、前記油圧室の後方の前記装置本
体の内径摺動面にシール長を隔てて設けられた給圧通路
とを具備するので、フローティングダンパ作用を単体の
ダンピングピストンで実現でき、油圧打撃装置自体の小
型化及び部品点数の削減によるコストの低下を図ること
ができる。また、フローティングダンパ作用を単体のダ
ンピングピストンで実現できることで、従来の緩衝機構
と比較して緩衝作用の応答性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すさく岩機の緩衝機構
の縦断面図である。
【図2】さく岩機の基本的構成の説明図である。
【図3】ダンピングピストンが後死点にある状態の緩衝
機構の作動の説明図である。
【図4】ダンピングピストンが前死点にある状態の緩衝
機構の作動の説明図である。
【図5】従来例のさく岩機の緩衝機構の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 さく岩機本体 2 シャンクロッド 2a 大径部後端 3 打撃機構 4 ロッド 5 スリーブ 6 ビット 7 打撃ピストン 8 チャック 9 チャックドライバ 10 チャックドライバブッシュ 11 ダンピングピストン 11a 大径部 11b 小径部 11c 縮径部 11d 前端面 11e 後端面 12 油圧源 13 油圧室 14 給圧通路 15 ドレン通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工具を打撃する打撃機構と、前記工具に破
    砕対象側への推力を伝達する伝達部材と、該伝達部材の
    後方に緩衝機構とを備えた油圧打撃装置において、 前記緩衝機構が、装置本体内に摺嵌された、前方に大径
    部、後方に小径部、及び前記大径部と前記小径部との間
    に該小径部よりも径の小さな縮径部を有するダンピング
    ピストンと、前記装置本体の内径摺動面と前記ダンピン
    グピストンの前記縮径部とによって形成される油圧室
    と、該油圧室の前方の前記装置本体の内径摺動面にシー
    ル長を隔てて設けられたドレン通路と、前記油圧室の後
    方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設け
    られた給圧通路とを具備することを特徴とする油圧打撃
    装置の緩衝機構。
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