JPH11339306A - 光ヘッドおよび光記録装置 - Google Patents

光ヘッドおよび光記録装置

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JPH11339306A
JPH11339306A JP10149333A JP14933398A JPH11339306A JP H11339306 A JPH11339306 A JP H11339306A JP 10149333 A JP10149333 A JP 10149333A JP 14933398 A JP14933398 A JP 14933398A JP H11339306 A JPH11339306 A JP H11339306A
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JP
Japan
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recording medium
optical recording
optical
substrate thickness
objective lens
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JP10149333A
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English (en)
Inventor
Toshio Arimura
敏男 有村
Masatoshi Yonekubo
政敏 米窪
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色素系のライトワンス型の光記録媒体に対して
互換性を保ちつつ、高密度光記録媒体の再生が可能な安
価な光ヘッド及び光記録装置を提供することを目的とし
ている。 【解決手段】基板厚0.6mm、トラックピッチ0.7
4μmの光記録媒体を再生するために、波長約780n
mのレーザ光源、開口数が0.6より大きい対物レンズ
を備えた光ヘッドとPRML信号処理技術を用いた光記
録装置であって、前記光ヘッドに基板厚1.2mm、ト
ラックピッチ1.6μmの光記録媒体を再生するための
光学系を備え、光記録媒体に応じて前記光学系を切換え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に記録
された情報を再生する光学ヘッドおよび光記録装置に関
するものであり、特に、デジタルビデオディスク(DV
D)などの高密度の光記録媒体を取り扱うのに適したも
のである。またライトワンス型のコンパクトディスク
(CD−R)等の波長選択性の強い光記録媒体を取り扱
うのにも適したものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光記録装置の高密度化は、光源波
長の短波長化、対物レンズの高NA化によりなされてき
た。
【0003】例えばディジタルビデオ用ディスク(DV
D)の再生には、約650nmの短波長の光源と、開口
数約0.6の対物レンズの搭載された光ヘッドが実用化
されている。この光学ヘッドを用いて、DVDなどの高
記録密度の光ディスクのみならず従来のコンパクトディ
スク(CD)などを含めた複数の仕様の光ディスクを処
理できる光記録装置が提案されている。
【0004】しかしながら、DVD用の波長の短いレー
ザ光を用いたCDおよびDVDに対して互換性のある光
記録装置は、近年、CDと共に多く用いられているライ
トワンス型のCD(CD−R)が使用できない。なぜな
らば、CD−RはCD用のレーザ光の波長(約780n
m)付近の波長選択性の強い色素系の光記録媒体であ
り、DVD用のレーザ光の標準波長(650nm)付近
では反射率が非常に低くなってしまう。
【0005】現在製品化されている光ヘッドの部品構成
図を図13に示す。DVD用の波長約650nmのレー
ザ光源とCD、CD−R用の波長約780nmのレーザ
光源を1つの光学ヘッドに搭載し、レーザ光源を切り換
えることによってDVD、CD−Rの互換再生を実現し
ている。
【0006】基板厚1.2mmのCD、CD−R等のデ
ィスク310を再生する場合は波長約780nmのレー
ザチップと信号検出用フォトダイオードが実装されたホ
ログラムレーザユニット315を用いる。ホログラムレ
ーザユニット315から出射したレーザ光はコリメータ
レンズ314でコリメートされた後、ミラー313、ハ
ーフミラー304、ミラー305で反射された後、波長
選択性回折格子306に入射する。本回折格子306は
波長約650nmの光に対しては全て透過し、波長約7
80nmの光に対しては開口制限素子として機能する。
基板厚0.6mmで最適設計された開口数0.6の対物
レンズ307に対して開口数が約0.45になるように
開口制限され、対物レンズ307で基板厚1.2mmの
光記録媒体310上に集光される。対物レンズ307は
基板厚0.6mmで最適設計されているため、基板厚
1.2mmの光記録媒体に対しては球面収差が発生する
が、前記球面収差を補正するようにコリメータレンズ3
14の位置調整を行い、発散光を用いることで球面収差
を打ち消し、回折限界の光スポットを実現している。光
記録媒体で反射されたレーザ光は逆の光路をたどり、ホ
ログラムレーザユニット315に搭載されたホログラム
で光が分割された後、フォトダイオードで検出される。
【0007】一方、DVDディスクを再生する場合は波
長約650nmのレーザ光源301を発光させ、対物レ
ンズ307で基板厚0.6mmの光記録媒体309上に
集光される。光記録媒体で反射したレーザ光はフォトダ
イオード312で受光され、信号が検出される。
【0008】また我々は、WO97/35306におい
て別のDVD、CDおよびCD−Rも再生可能な光ヘッ
ドを提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記図
13に示した第一の実施例の方式ではレーザ光源を2種
類搭載し、さらに波長を選択するための光学素子が必要
なため、光学系が複雑になるという問題点がある。
【0010】また、DVD用の波長約650nmの半導
体レーザは現時点ではCD用の波長約780nmの半導
体レーザと比較して高価であり、信頼性面では劣る傾向
にある。さらに、ノートパソコンへ搭載されることを想
定すると動作温度の上限を70℃程度まで保証する必要
があり、半導体レーザにとってますます前記価格、信頼
性面で厳しい状況にある。
【0011】一方、我々が提案した光ヘッドは、搭載さ
れたレーザ光の波長にほぼ等しい、あるいは前記波長よ
り狭い平均トラックピッチを備えた光記録媒体に対して
情報の記録あるいは再生を行うために、光学的超解像現
象を生じさせるための特別な素子を用意する必要があっ
た。これらの素子はどれも複雑な形状をしており、製造
が困難であるという問題があった。
【0012】光学超解像現象を用いると、光記録媒体面
に集光したレーザ光の光強度分布においてサイドローブ
が増大するという傾向があり、サイドローブが増大する
と、その影響で光記録媒体に記録された情報信号再生に
おいて、再生特性が劣化するという問題があった。
【0013】また、前記サイドローブの影響を軽減する
ために、光ヘッド光路中の光検出素子近傍に遮光板を挿
入し、サイドローブ光部分を前記光検出素子に入射させ
ない構造が必要であった。そのため、前記サイドローブ
を遮光するための素子が必要であり、また、前記素子の
挿入位置も微調整が必要という問題点があった。
【0014】そこで、本発明は、既存の色素系のライト
ワンス型の光記録媒体、および再生専用媒体に対して互
換性を保ちつつ、次世代の高密度光記録媒体の再生が可
能な安価な信頼性の高い光ヘッド及び光記録装置を提供
することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光ヘッド
は、波長約780nmのレーザ光を、トラックピッチ約
0.74μm、基板厚約0.6mmの光記録媒体に照射
し情報を再生するために、開口数0.6より大きい対物
レンズを備えた光ヘッドと、前記光記録媒体から反射さ
れた反射光によって光記録媒体に記録された情報信号
を、パーシャルレスポンス方式によって処理する信号処
理手段と、最尤復号法を用いて復号化処理を行う信号処
理手段とを備えた光記録装置であって、前記光ヘッド
は、トラックピッチ約1.6μm、基板厚約1.2mm
の光記録媒体から情報を再生するための光学系を備え、
トラックピッチおよび基板厚みの違いに応じて前記光学
系を切換える構造を有することを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて隣のピットとの波形干渉に起
因する読み出しエラーを信号処理手段および復号化処理
手段によって改善でき、読み出し信号品質を向上させる
効果がある。つまりディジタルビデオディスク(DV
D)を780nm帯域波長のレーザで信頼性良く再生す
ることが可能となる。しかも同一の半導体レーザと、同
一の受光素子と、CD再生用光学系を用いることによっ
てCD、CD−R、CD−RWの再生も可能になるとい
う効果を有する。
【0017】請求項2記載の光ヘッドは請求項1に記載
の光ヘッドに、波長約780nm、基板厚約1.2mm
の光記録媒体で最適設計された開口数約0.45の対物
レンズを備え、開口数0.6以上、および開口数約0.
45の複数の対物レンズを光記録媒体の基板厚に応じて
切換えて用いることを特徴とする。
【0018】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて再生でき、しかも同一の半導
体レーザと、同一の受光素子を用いて対物レンズを切換
えることによってCD、CD−R、CD−RWの再生も
可能になるという効果を有する。
【0019】請求項3記載の光ヘッドは、請求項1に記
載の光ヘッドに、液晶を用いた可変開口制限手段を備
え、波長約780nm、基板厚約0.6mmの光記録媒
体で最適設計された開口数0.6以上の対物レンズに対
して、基板厚約1.2mmの光記録媒体から情報を再生
する場合、開口数約0.45となるような開口制限を行
い、基板厚約0.6mmの光記録媒体から情報を再生す
る場合、開口制限を行わず、基板厚に応じて開口径を切
換えて用いることを特徴とする。
【0020】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて再生でき、しかも同一の半導
体レーザと、同一の受光素子を用いて開口径を切換える
ことによってCD、CD−R、CD−RWの再生も可能
になるという効果を有する。
【0021】請求項4記載の光ヘッドは、請求項1に記
載の光ヘッドに、反射ミラーと反射型ホログラムを切換
え可能なアクティブホログラムを備え、波長約780n
m、基板厚約0.6mmの光記録媒体で最適設計された
開口数0.6以上の対物レンズに対して、基板厚約1.
2mmの光記録媒体から情報を再生する場合は、開口数
約0.45となるような開口制限、および基板厚差によ
って発生する球面収差を打ち消すための補正を行い、基
板厚約0.6mmの光記録媒体から情報を再生する場合
は、前記アクティブホログラムは開口制限等何も行わ
ず、基板厚に応じて開口径、および球面収差補正手段を
切換えて用いることを特徴とする。
【0022】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて再生でき、しかも同一の半導
体レーザと、同一の受光素子を用いて開口径およびホロ
グラムパターンを切換えることによってCD、CD−
R、CD−RWの再生も可能になるという効果を有す
る。
【0023】請求項5記載の光ヘッドは、請求項1に記
載の光ヘッドに、波長約780nmにおいて0次回折光
が基板厚約0.6mmの光記録媒体上に最適に集光し、
1次回折光が基板厚約1.2mmの光記録媒体上に最適
に集光するように設計された二重焦点ホログラムを備
え、前記ホログラムを対物レンズ面、または対物レンズ
近傍に配置した光学素子に形成したことを特徴とする。
【0024】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて再生でき、しかも同一の半導
体レーザと、同一の受光素子を用いて光記録媒体上の光
スポットを切換えることによってCD、CD−R、CD
−RWの再生も可能になるという効果を有する。
【0025】請求項6記載の光ヘッドは、請求項1に記
載の光ヘッドに、波長約780nmにおいて基板厚約
0.6mmの光記録媒体で最適設計された対物レンズ表
面に、光軸中心に対して同心円状の切欠を設けた光学素
子を備えたことを特徴とする。
【0026】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて再生でき、しかも同一の半導
体レーザと、同一の受光素子を用いてCD、CD−R、
CD−RWの再生も可能になるという効果を有する。
【0027】請求項7記載の光ヘッドは、請求項1に記
載の光ヘッドに、波長約780nmにおいて基板厚約
1.2mmの光記録媒体で最適設計された開口数0.6
以上の非球面対物レンズ表面の、開口数約0.45以上
の領域の高次非球面係数を変更し、対物レンズの開口径
いっぱいに入射したレーザ光が基板厚約0.6mmの光
記録媒体上に回折限界の光スポットを形成できる対物レ
ンズを備えたことを特徴とする。
【0028】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて再生でき、しかも同一の半導
体レーザと、同一の受光素子を用いてCD、CD−R、
CD−RWの再生も可能になるという効果を有する。
【0029】請求項8記載の光記録装置は、波長約78
0nmのレーザ光を、トラックピッチ約0.74μm、
基板厚約0.6mmの光記録媒体に照射し情報を再生す
るために、開口数0.6より大きい対物レンズを備えた
光ヘッドと、前記光記録媒体から反射された反射光によ
って光記録媒体に記録された情報信号を、パーシャルレ
スポンス方式によって処理する信号処理手段と、最尤復
号法を用いて復号化処理を行う信号処理手段とを備えた
光記録装置であって、前記光記録装置は、トラックピッ
チ約0.74μm、基板厚約0.6mmの光記録媒体か
ら情報を再生するためのパーシャルレスポンス等化係数
と、トラックピッチ約1.6μm、基板厚約1.2mm
の光記録媒体から情報を再生するためのパーシャルレス
ポンス等化係数とを個別に備え、トラックピッチ、基板
厚みに応じて前記等化係数を切換える、切換え手段を備
えたことを特徴とする。
【0030】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて再生でき、しかも同一の半導
体レーザと、同一の受光素子を用いてパーシャルレスポ
ンス等化係数を変更することによってCD、CD−R、
CD−RWの再生も可能になるという効果を有する。
【0031】請求項9記載の光ヘッドは、レーザ光を出
射するレーザ光源と、前記レーザ光を光記録媒体に集光
する対物レンズを有し、前記レーザ光の波長にほぼ等し
い、あるいは前記波長より狭い平均トラックピッチを備
えた光記録媒体に対し情報の再生が可能な請求項1記載
の光学ヘッドであって、前記レーザ光源は縦マルチモー
ド発振可能な波長約780nmの半導体レーザであり、
前記対物レンズの開口数は約0.64であり、前記光ヘ
ッドの光学系はコリメート機能および光学アイソレーシ
ョン機能を備えたことを特徴とする 上記構成によれば、光学アイソレーション機能を備える
ことによって光ヘッドの光利用効率を向上することが可
能となる。光ヘッドの光利用効率が向上することによっ
てレーザ光源から光記録媒体までの光学系横倍率を上げ
ることが可能となり、光強度分布がガウス分布形状に近
いレーザ光学系では、光記録媒体面上に対物レンズで集
光させたスポット径を小さくできるという効果を有す
る。スポット径を小さくすることによって隣のピットと
の波形干渉、隣のトラックとのトラック間干渉を少しで
も小さくできるという効果を有する。
【0032】さらに、上記構成によれば、基板厚0.6
mmおよび基板厚1.2mmの光記録媒体に対して同一
光学素子によって光学アイソレーションを適用可能であ
り、DVD再生光学系、CD再生光学系共に光ヘッドの
光利用効率を向上させることができる効果を有する。
【0033】また、光ヘッド構成部品の中で高額部品で
ある半導体レーザが、CD用として市場に出回っている
安価な、信頼性のある物を用いることが出来、さらに高
周波重畳モジュールが不要なことから、信頼性のある、
安価なDVD/CD互換再生光ヘッドを提供出来る効果
を有する。
【0034】請求項10記載の光記録装置は、請求項2
から7に記載の光ヘッドと、パーシャルレスポンス方
式、最尤復号法を用いて信号処理を行う回路、および余
弦形等化フィルタを用いて信号処理を行うための回路を
有し、トラックピッチ約0.74μm、基板厚約0.6
mmの光記録媒体から反射された反射光によって光記録
媒体に記録された情報信号を再生する場合は、余弦形等
化フィルタを用いて信号処理を行うための回路およびパ
ーシャルレスポンス方式によって処理する信号処理手段
および最尤復号法を用いて復号化処理を行うための回路
を用い、トラックピッチ約1.6μm、基板厚約1.2
mmの光記録媒体から反射された反射光によって光記録
媒体に記録された情報信号を再生する場合は、余弦形等
化フィルタを用いて信号処理を行うための回路を用い、
光記録媒体の種類に応じて前記回路を切換えて用いる切
換え手段を備えたことを特徴とする上記構成によれば、
DVDを780nm帯域の半導体レーザを用いて再生で
き、しかも同一の半導体レーザと、同一の受光素子を用
いてCD、CD−R、CD−RWの再生も可能になり、
それぞれの光記録媒体を安定に信頼性よく再生出来ると
いう効果を有する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。
【0036】(実施例1)図1に、本発明による光ヘッ
ドの概略構成を示す。半導体レーザ101から出射した
レーザ光は3ビーム用回折格子102、偏光ビームスプ
リッタ103を透過しコリメートレンズ104で平行光
とされ、λ/4板105を透過しミラー106にて反射
された後、開口数0.64の対物レンズ107によりD
VD規格の基板厚0.6mmの光記録媒体109に結像
される。光記録媒体109で反射された光は対物レンズ
107、ミラー106、λ/4板105、コリメートレ
ンズ104をへて偏光ビームスプリッタ103にて反射
され凹レンズとシリンドリカルレンズが一体となった複
合レンズ111により焦点距離を伸ばし、さらに非点収
差が付加されて信号検出用フォトダイオード112に至
り信号検出される。信号検出用フォトダイオード112
は4分割されており、光記録媒体109の情報信号、フ
ォーカスエラー信号、トラックエラー信号が検出され
る。
【0037】フォーカスエラー信号は複合レンズ111
によって発生させた非点収差を用いた非点収差法、トラ
ックエラー信号は位相差法を用いている。
【0038】本例の光ヘッドにおいては、対物レンズ1
07の開口数を0.64としている。現行のDVD規格
は基板厚約0.6の光記録媒体に対して、波長650n
mあるいは635nmのレーザ光と開口数0.6の対物
レンズを用いて再生を行う。
【0039】光記録媒体から信号再生を行う場合、コマ
収差は開口数の3乗に比例して増加し、レーザ光の波長
に反比例して減少する。そのため、コマ収差を前記DV
D規格光ヘッドと同等性能にしようとすると、波長78
0nmのレーザ光源を用いる場合は開口数を0.64程
度まで大きくすることが可能となる。
【0040】一方、光記録媒体の基板厚み誤差に対して
発生する球面収差は、開口数の4乗に比例して増加し、
レーザ光の波長に反比例して減少する。そのため、前記
球面収差を前記DVD規格光ヘッドと同等性能にしよう
とすると、波長780nmのレーザ光源を用いる場合は
開口数を0.63程度まで大きくすることが可能とな
る。
【0041】従って、本例に示した部品構成の光ヘッド
では、対物レンズの開口数を0.6より大きなもの、具
体的には開口数0.62から0.65程度の物を光記録
装置の特性に応じて選択すれば良いことになる。開口数
を大きく出来れば光記録媒体面上に小さな光スポットを
得ることが可能であり、より高い密度で記録された光記
録媒体から再生を行える光ヘッドを提供することができ
る。また、開口数を低く設定すれば、基板厚み誤差に対
して発生する球面収差は規格光ヘッドと同程度で、コマ
収差の小さい、焦点深度の大きな光ヘッドを得ることが
可能であり、外部の誤差要因に対して特性が左右されに
くい安定した光ヘッドを提供することができる。
【0042】図1に示した光ヘッドの対物レンズは開口
数0.64の物を用いている。これはDVDディスクの
場合、上述の光記録媒体の基板厚誤差によって光記録媒
体面上の光スポットの波面収差が規格光ヘッドに対して
0.01λ程度悪化するが、後述の光記録装置上で特性
確認したところ問題にならないことが判明したためであ
る。
【0043】図2にCD規格の基板厚1.2mmの光記
録媒体110を再生する場合の本発明による光ヘッドの
概略構成を示す。ディスク判別信号によって光記録媒体
基板厚1.2mmが認識されると、CD用対物レンズ1
08が光ヘッド光軸上に移動し、光記録媒体の情報再生
を行う。CD用対物レンズ108の開口数は0.45で
あり、CD、CD−R、CD−RW等の光記録媒体から
の再生ができるようになっている。この場合、フォーカ
スエラー信号は上記と同様に非点収差法、トラックエラ
ー信号は3ビーム回折格子102によって発生した±1
次回折光を用いた3ビーム法または作動プッシュプル法
を用いている。
【0044】半導体レーザ101はCD用の縦マルチモ
ード発振する波長785nm仕様の物を用いており、戻
り光ノイズ対策用の高周波重畳モジュールが不要な構成
を実現している。さらに戻り光ノイズという観点におい
ては偏光ビームスプリッタ103、λ/4板105によ
ってアイソレーション光学系を形成しているため、半導
体レーザ101へは、光記録媒体109または108か
らの反射光がほとんど戻らず、前記ノイズに強い構造と
なっている。
【0045】アイソレーション光学系を用いると、偏光
ビームスプリッタ103での光量ロスがほとんどないた
め、光ヘッドの光利用効率を高くでき、その分、コリメ
ートレンズ104、対物レンズ107で構成される光学
系の横倍率を高くすることができる。具体的にはコリメ
ートレンズ104の焦点距離を長くすることができる。
今回はコリメータレンズの焦点距離を光ヘッドの対物レ
ンズ出射パワー、受光素子の入射光量から検討して約2
8mmとした。アイソレーション光学系を用いないで偏
光ビームスプリッタ103の変わりにハーフミラーを用
いた場合、光ヘッドの光量配分を同程度にしようとする
と、前記コリメータレンズの焦点距離は19mm程度と
なる。半導体レーザから出射するレーザ光は光強度分布
がガウス分布に類似の形状をしており、光記録媒体上の
集光スポット径は光学系の横倍率によって微妙に変化す
る。対物レンズが同一とすると、コリメータレンズの焦
点距離によって集光スポット径が変化することとなる。
アイソレーション光学系を用いることによって上記コリ
メータレンズ焦点距離の差から、集光スポット径を約3
%小さくすることができた。
【0046】図3に本例の光ヘッド1を用いた光記録装
置の概略構成を示す。本例の光記録装置6は、光ヘッド
1の受光素子出力信号からフォーカスエラー信号、トラ
ックエラー信号、RF信号を生成するなどの機能を備え
たRFアンプ2と、サーボ系の信号に基づき光ヘッド1
の対物レンズのフォーカシング、トラッキングの制御を
行うサーボ制御回路3と、このサーボ制御回路3によっ
て制御されるアクチュエータ7を備えている。また、R
Fアンプ2から出力されたRF信号は、PRML回路4
に入力され、パーシャルレスポンス方式(PR方式)に
よる信号処理と最尤復号法(ML法)によって復号処理
が行われる。さらに、ディジタルフィルタなどの機能を
備えた処理回路5を介して外部のコンピュータなどに光
ディスク109から読み取られたデータが出力される。
【0047】信号間の干渉量を制御して復号するパーシ
ャルレスポンス方式(PR方式)、ある有限長の受信信
号系列を対象として復号を行う最尤復号法(ML法)と
を組合せたPRML法は、ディジタル伝送を行う波形伝
送技術において公知の技術であるが、本例においてはこ
の技術を狭トラックピッチ化された光ディスクにおいて
信号を分離して復号するために使用している。
【0048】ディスク上のレーザ光の集光スポット径
は、対物レンズの開口数に比例し、レーザ光源の波長に
反比例する。本例の光ヘッドは対物レンズの開口数0.
64、レーザ波長780nmを用いているので、本光ヘ
ッドでDVDディスクを再生する場合、ディスク上のレ
ーザ光の集光スポット径はDVD規格光ヘッド(対物レ
ンズ開口数:0.6、レーザ波長:650nm)と比較
して、13%程度大きくなる。コリメータレンズの焦点
距離が19mm程度のものを用いていると仮定すると、
本光ヘッドは前述の通り光学アイソレーションを用いる
ことによって、約3%のスポット径の縮小が可能なた
め、DVD規格光ヘッドと比較して約10%大きくなっ
ていると言える。
【0049】図4に本光記録装置を用いてDVDを再生
した時の特性グラフを示す。横軸にディスク上にカッテ
ィングされたピットのピット長、縦軸にディスクから再
生したRF信号のビットエラーレートを示す。DVD規
格の光ヘッドと余弦等化イコライザを用いた場合の実験
結果を212に示す。本例の光ヘッドと余弦等化イコラ
イザを用いた場合の実験結果を210に示す。前記約1
0%のディスク上での集光スポット径の拡大によってこ
のような差が見られ、特性が悪くなっていることがわか
る。図3に示した本例の光ヘッドとPRML信号処理を
用いた場合の実験結果を211に示す。DVD規格光ヘ
ッドと同等の性能が得られていることがわかる。
【0050】本例の最尤復号法(ML法)は3値8状態
検出のPR(1,1)に適合させた方式の物を用いた。
また、パーシャルレスポンス方式(PR方式)は5タッ
プのFIRフィルタを用い、PR(1,1)にこだわら
ず前記エラーレートが最小値を取るようにタップ係数を
設定した。
【0051】また、PRMLの方式は上記に限らず、P
R(1,2,1)、PR(1,3,3,1)、PR
(1,2,2,1)等も適用でき、さらに特性が向上す
ることを実験によって確認している。
【0052】上述の光ヘッドは対物レンズ開口数0.6
4のものを用いたが、開口数0.63の対物レンズを用
いても同等の特性が得られることも確認している。
【0053】また、半導体レーザとして光出力の大きな
仕様の物を搭載することによって、CD−R、CD−R
W等のCD規格の光記録媒体に対して記録再生可能な光
ヘッドおよび光記録装置を提供することも可能である。
【0054】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて隣のピットとの波形干渉に起
因する読み出しエラーを信号処理手段および復号化処理
手段によって改善でき、読み出し信号品質を向上させる
効果がある。つまりディジタルビデオディスク(DV
D)を780nm帯域波長のレーザで信頼性良く再生す
ることが可能となり、しかも同一の半導体レーザと、同
一の受光素子を用いて対物レンズを切換えることによっ
てCD、CD−R、CDリライタブル(CD−RW)の
再生も可能になるという効果を有する。
【0055】また、光学アイソレーション機能を備える
ことによって光ヘッドの光利用効率を向上することが可
能となる。光ヘッドの光利用効率が向上することによっ
てレーザ光源から光記録媒体までの光学系横倍率を上げ
ることが可能となり、光強度分布がガウス分布形状に近
いレーザ光学系では、光記録媒体面上に対物レンズで集
光させたスポット径を小さくできるという効果を有す
る。スポット径を小さくすることによって隣のピットと
の波形干渉、隣のトラックとのトラック間干渉を少しで
も小さくできるという効果を有する。
【0056】上記構成によれば、基板厚0.6mmおよ
び基板厚1.2mmの光記録媒体に対して同一光学素子
(偏光ビームスプリッタ、λ/4板)によって光学アイ
ソレーションを適用することがきる。また、市場で安価
に大量に出回っている波長780nmの縦マルチモード
発振するレーザ光源1個でDVD、CD、CD−R、お
よびCD−RWの再生が可能なため、高周波重畳モジュ
ール等の光ヘッドの部品点数を少なくでき、さらに光ヘ
ッドコストで大きな比重をしめているレーザ光源のコス
ト削減が可能なことにより、光ヘッドの組立工数の削
減、コスト低減に対して効果を有する。
【0057】(実施例2)図5に本発明による光ヘッド
の第二の実施例の概略構成を示す。
【0058】本光ヘッドは実施例1の図1に示したもの
と同様の構成をしており、波長約780nmの縦マルチ
モード発振可能な半導体レーザ101と基板厚0.6m
mで最適設計された開口数0.64の対物レンズ107
で構成される。
【0059】半導体レーザ101から出射した光は3ビ
ーム用回折格子102、液晶シャッタ120、偏光ビー
ムスプリッタ103を透過しコリメートレンズ104で
平行光とされ、λ/4板105を透過しミラー106に
て反射された後、開口数0.64の対物レンズ107に
よりDVD規格の基板厚0.6mmの光記録媒体109
に結像される。光記録媒体109で反射された光は対物
レンズ107、ミラー106、λ/4板105、コリメ
ートレンズ104をへて偏光ビームスプリッタ103に
て反射され凹レンズとシリンドリカルレンズが一体とな
った複合レンズ111により焦点距離を伸ばし、さらに
非点収差が付加されて信号検出用フォトダイオード11
2に至り信号検出される。信号検出用フォトダイオード
112は4分割されており、光記録媒体109の情報信
号、フォーカスエラー信号、トラックエラー信号が検出
される。
【0060】フォーカスエラー信号は複合レンズ111
によって発生させた非点収差を用いた非点収差法、トラ
ックエラー信号は位相差法を用いている。
【0061】液晶シャッタ120は偏光ビームスプリッ
タと組合せることで開口制限素子として機能し、電圧の
ON/OFFによって透過光の光束径を可変することが
できる。
【0062】液晶シャッタ120は、中央に穴のある形
状した透明電極が形成されたガラス基板2枚と、前記電
極間にねじれネマティック(TN)型液晶を入れて構成
している。前記透明電極の穴内部には電極の無い構成を
取っている。
【0063】前記透明電極間に電圧を印加しない場合
は、液晶シャッタ120に入射する直線偏光光は、偏光
状態に変化なくそのままの状態で出射される。前記偏光
状態の光が偏光ビームスプリッタ103に入射すると、
入射光のほとんどが透過して出射される。
【0064】前記透明電極間に電圧を印加した場合は、
液晶シャッタ120に入射する直線偏光光は、前記透明
電極の無い穴内部については、偏光状態に変化なくその
ままの状態で出射される。前記透明電極が形成された部
分については、ねじれネマティック(TN)型液晶の効
果によって直線偏光光の偏光面が90度回転した状態で
出射される。前記偏光状態の光が偏光ビームスプリッタ
に入射すると、偏光状態に変化の無かった前記穴内部に
ついては、入射光のほとんどが透過して出射され、偏光
状態に変化のあった前記穴外部については、入射光のほ
とんどが反射して出射される。前記偏光状態に変化のあ
った前記穴外部を透過する光については、対物レンズに
入射しないため、前記透明電極に形成された穴に類似形
状で開口制限が実現できる。
【0065】CD規格の基板厚1.2mmの光記録媒体
110を再生する場合、ディスク判別信号によって光記
録媒体基板厚1.2mmが認識されると、上記液晶シャ
ッタ120の透明電極間に電圧が印加され、入射光束の
開口制限が行われる。本実施例の対物レンズは開口数
0.64、焦点距離3.13mm仕様の物を用いてい
る。そのため、上記開口制限を行わない状態での光束径
は約4mmとなる。上記CD規格の光記録媒体を再生す
る場合は、前記開口径を2.82mmとなるように設計
した。この場合、対物レンズ107の開口数は約0.4
5となるため、CD規格のディスクから信号再生が可能
となる。
【0066】CD規格の基板厚1.2mmの光記録媒体
110を再生する場合、、フォーカスエラー信号は上記
と同様に非点収差法、トラックエラー信号は3ビーム回
折格子102によって発生した±1次光を用いた3ビー
ム法または作動プッシュプル法を用いている。
【0067】上述の対物レンズ107は基板厚0.6m
mの光記録媒体用に最適設計されているため、開口制限
を上記まで行う程度では球面収差の影響が残る傾向にあ
るが、実際の実験では問題無く再生出来ることを確認し
ている。
【0068】一方、上述の開口制限だけでは補正出来な
い球面収差がどうしても問題になる場合は、仕様の異な
る別の対物レンズを用いて補正することが出来る。その
対物レンズは非球面レンズで、レンズの内周部と外周部
で非球面係数を変えてある。対物レンズの開口数が約
0.45となる開口径の内側領域は基板厚1.2mmの
光記録媒体で最適化された非球面係数を用いて作られて
いる。従ってこの領域に入射する平行レーザ光は基板厚
1.2mmのCD系光記録媒体面上に回折限界の光スポ
ットを形成する。
【0069】対物レンズの開口数が約0.45となる開
口径の外側領域は別の非球面係数が設定されており、本
領域を透過するレーザ光と前記対物レンズの開口数が約
0.45となる開口径の内側領域を透過するレーザ光が
干渉することによって、基板厚0.6mmのDVD系光
記録媒体上に回折限界の光スポットを形成するように構
成している。
【0070】上述の対物レンズを図5に示す光ヘッドに
組み込むことによって、よりCD関係ディスクの再生特
性に優れた光ヘッドを提供することができる。
【0071】実施例1に示したと同様に上記構成の光ヘ
ッドを図3の光ヘッド1に組込み、PRML信号処理を
行うことによって、1つのレーザ光源と1つの対物レン
ズを用いた光ヘッドによってDVD、CD、CD−R、
CD−RW等の互換再生が可能となる。
【0072】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて隣のピットとの波形干渉に起
因する読み出しエラーを信号処理手段および復号化処理
手段によって改善でき、読み出し信号品質を向上させる
効果がある。つまりディジタルビデオディスク(DV
D)を780nm帯域波長のレーザで信頼性良く再生す
ることが可能となり、しかも同一の半導体レーザと、同
一の受光素子を用いて開口径を切換えることによってC
D、CD−R、CDリライタブル(CD−RW)の再生
も可能になるという効果を有する。
【0073】さらにDVDとCD−Rの互換再生可能な
光ヘッドが、レーザ光源、対物レンズ、受光素子がそれ
ぞれ1個という非常に単純な構成で実現出来ている。さ
らに市場で安価に大量に出回っている波長780nmの
縦マルチモード発振するレーザ光源を用いており、高周
波重畳モジュール等の光ヘッドの部品点数を少なくで
き、さらに光ヘッドコストで大きな比重をしめているレ
ーザ光源のコスト削減が可能なことにより、光ヘッドの
組立工数の削減、コスト低減に対して効果を有する。
【0074】また、偏光ビームスプリッタとλ/4板に
よって構成する光学アイソレーションを光記録媒体によ
らず適用することがきるため、光利用効率の高い光ヘッ
ドを提供出来る効果がある。従ってCD−R、CD−R
W等の光記録媒体に対して記録出来る光ヘッドも、レー
ザ光源をハイパワーな物に乗せかえるだけで実現するこ
とが出来る。
【0075】(実施例3)図6に本発明による光ヘッド
の第三の実施例の概略構成を示す。
【0076】本光ヘッドは実施例2の図5に示したもの
と同様の構成をしており、長約780nmの縦マルチモ
ード発振可能な半導体レーザ101と基板厚0.6mm
で最適設計された開口数0.63の対物レンズ117で
構成される。
【0077】基本的な動作は同じであるため省略する。
異なる点はミラー106、液晶シャッタ120の代わり
にアクティブホログラム121を用いている点にある。
【0078】アクティブホログラム121は開口制限素
子、および光記録媒体厚み差によって発生する球面収差
補正素子の機能を有し、その原理を図7を用いて説明す
る。
【0079】図7(a)はアクティブホログラム121
の外形図と断面図を示す。図7(b1)、(b2)は図
7(a)断面図の凹部拡大図である。
【0080】図7(b1)に示すように、ガラス製基板
201、前記ガラス製基板の凹部に取り付けられた電極
202、前記ガラス製基板201を覆うように設けられ
たシリコンの膜203より構成される。電極202は、
シリコン膜203とガラス製基板201の間に静電力を
生じせしめるためのものであり、ITOを蒸着したもの
等で構成される。前記ガラス製基板201は、図7
(a)に示す中央の楕円部分及び、凹部を除く周辺部分
が同一の高さで凸になっており、この部分において、シ
リコン膜203と陽極接合されている。また、楕円状の
凹部はシリコン膜203とガラス製基板201に囲まれ
た中空な領域になっている。シリコン膜203は導電性
であり、静電力を働かせる際の電極を兼ねている。シリ
コン膜203の、ガラス製基板201と対向する面の反
対側(図7(b1)上面側)には、前記膜に入射する光
を十分な反射率で反射するように金あるいは金クロム等
の反射膜が積層されており、この面において光を反射す
る反射面となっている。
【0081】図7(b1)に示すように、シリコン膜2
03及び電極202が同電位であれば、両者間に引力は
働かず、シリコン膜203は、自身の張力によって平坦
な面を形成している。よって、前記反射面に入射した光
は、そのまま入射角と同じ角度で反射する。
【0082】次に、シリコン膜203及び電極202間
に、交流電圧を印加すると、両者間には、静電力によ
り、電位差に応じて吸引力が発生する。電位差を持った
瞬間においては、上記反射膜が形成された面から見て窪
む方向に弾性変形する(図7(b2)状態)。一方、同
電位になる瞬間においては、吸引力は解除され、シリコ
ン膜203は弾性により、再び平坦な状態に戻ろうとす
る。前記過程を繰り返すことにより、シリコン膜203
に振動が発生する。
【0083】ここで、前記交流電圧の周波数に対して前
記膜10の剛性が十分高ければ、駆動電圧に完全に同期
して、前記膜全体が一体で振動する。しかし、剛性が十
分高くない場合、前記交流電圧の周波数が一定値を超え
ると、シリコン膜203は一体で動くことが不可能にな
る。その結果、前記電極付近で発生した波は固定端に向
かって伝播する。前記波は固定端となる前記凹部と凸部
の境界で反射され、もとの波と干渉して、定在波を前記
膜上に形成する。
【0084】本例では、ガラス基板201の凹部と凸部
の境界は楕円になっており、この線に沿って同心楕円状
の定在波が生じる。その結果、膜面に光が入射した場
合、前記定在波の波長と入射光の波長で決まる特性を有
する反射型の回折格子として機能する。即ち、定在波の
ピッチをp、入射光の波長をλ、整数をnとすると、n
λ/p=sinθを満たすθの方向に光を回折させる働
きを有する。ここで、電極202の巾は、前記ピッチp
の1/2程度の寸法にすれば、より効率的に前記定在波
を生じうる。
【0085】すなわち、装置に応用した場合、光源の波
長に前記の式で相関づけられる値に前記ピッチpと前記
回折角を設定すべく、前記光学素子の固定端の間隔即ち
凹部の巾と前記交流電圧の周波数を決定する。
【0086】アクティブホログラム121は開口制限領
域115および収差補正領域116の2つの領域を持っ
ており、前記シリコン膜203が各領域毎に絶縁されて
いるて、それぞれの領域において個別に前記交流電圧を
印加できる構成となっている。それぞれの領域に交流電
圧を印加しない場合は表面反射ミラーとして機能し、交
流電圧を印加した領域は凹部ピッチと深さ、および形状
で決まるホログラムとして機能する。
【0087】尚、図7(a)が凹部形状を概念的に示し
たもので、数も少量しか描いていなが、実際の物は本光
学素子の実用的な大きさに対して前記ピッチpははるか
に小さいため、楕円の数も多くなることは言うまでもな
い。
【0088】DVDディスクに対して再生を行う場合
は、アクティブホログラム120はシリコン膜203お
よび電極202は同電位になるようにする。すると、前
記シリコン膜203は、自身の張力によって平坦な面と
なっているので平坦なミラーとして機能し、コリメータ
レンズ104で平行光となったレーザビームはアクティ
ブホログラム121で反射され、対物レンズ117で基
板厚0.6mmの光記録媒体109上に回折限界の光ス
ポットを形成する。
【0089】一方、基板厚1.2mmのCD関係のディ
スクに対して再生を行う場合は、前記開口制限領域11
5および収差補正領域116において個別にシリコン膜
203、電極202間へ交流電圧を印加し、同心楕円状
の凹凸を形成させる。
【0090】開口制限領域115に形成される前記凹凸
は、コリメータレンズ104から出射された平行光が入
射すると0次光が発生せず、回折光は対物レンズ117
の有口径外方向へ回折されるように設計されている。つ
まり交流電圧を付加することによって、開口制限領域1
15に入射するレーザ光は対物レンズ117の光記録媒
体110への結像に寄与せず、開口制限を実現すること
が可能となる。
【0091】収差補正領域116に形成される前記凹凸
は、コリメータレンズ104から出射された平行光が入
射すると0次光が発生せず、回折光はパワーを付加され
た状態で対物レンズ117へ入射し、その+1次回折光
が基板厚差によって発生する球面収差を補正した状態で
回折限界の光スポットが光記録媒体110面上へ形成さ
れるように設計されている。つまり、コリメータレンズ
104で平行光となったレーザ光がアクティブホログラ
ム121で反射されることによって、発散光および収束
光状態で対物レンズに入射する。本例では前記発散光の
+1次回折光を用いて基板厚1.2mmの光記録媒体1
10上に集光させることによって、基板厚差によって発
生する球面収差が補正された状態で回折限界の光スポッ
トが形成される。前記収束光の−1次回折光も光記録媒
体上近傍へ集光されるが、再生特性に影響を与えないよ
うに光記録媒体110での反射光が信号検出フォトダイ
オードへ入射しないように設計されている。
【0092】本実施例の対物レンズ107は開口数0.
63、焦点距離3.13mm仕様の物を用いている。そ
のため、上記開口制限を行わない状態での光束径は約4
mmとなる。上記CD規格の光記録媒体を再生する場合
は、前記開口制限によって開口径を2.82mmとなる
ように設計した。この場合、対物レンズ107の開口数
は約0.45となるため、CD規格のディスクから信号
再生が可能となる。
【0093】図8に本例の光ヘッドを用いた光記録装置
の概略構成を示す。本例の光記録装置16は、光ヘッド
11の受光素子出力信号からフォーカスエラー信号、ト
ラックエラー信号、RF信号を生成するなどの機能を備
えたRFアンプ12と、サーボ系の信号に基づき光ヘッ
ド11の対物レンズのフォーカシング、トラッキングの
制御を行うサーボ制御回路13と、このサーボ制御回路
13によって制御されるアクチュエータ17を備えてい
る。また、RFアンプ12から出力されたRF信号は、
光記録媒体の基板厚が認識されることによって前記基板
厚に応じて切換えられるスイッチ19を介してPRML
回路14または直接出力が選択される。さらに、PRM
L14で処理された信号または直接出力信号は、ディジ
タルフィルタなどの機能を備えた処理回路25を介して
外部のコンピュータなどに光記録媒体から読み取られた
データが出力される。
【0094】基板厚0.6mmの光記録媒体109から
再生を行う場合は、実施例1に記載した通り、DVD規
格光ヘッドと比較して約10%大きい光スポット径を持
った光ヘッド11とPRML回路14を用いてPRML
信号処理することによってDVDディスクの信号再生を
実現している。
【0095】RFアンプ12には余弦等化回路が組込ま
れており、RF信号をイコライジングする機能を持って
いる。基板厚1.2mmの光記録媒体110から再生を
行う場合は、従来から用いられてきた余弦等化回路を用
いて信号処理することによって、CD、CD−Rおよび
CD−RWディスクの信号再生を実現している。
【0096】CD関係の光ディスク上に規格に適合した
回折限界の光スポットを形成できる光ヘッドと、PRM
L信号処理を組み合わせて光記録装置を構成すると、P
RMLの効果が確認できず、むしろ特性が劣化する傾向
を示す場合がある。本構成の光記録装置では、前記問題
点を無くすために余弦等化回路を用いて信号処理を行う
ことによって、安定した光記録媒体の再生を実現してい
る。
【0097】DVD関係のディスク再生に対してはPR
ML信号処理を行い、CD関係のディスク再生に対して
従来から用いられてきた余弦等化回路を用いて信号処理
を行うという、それぞれの方式に適合した信号処理を行
うことによって確実な、安定したディスク再生が可能に
なるという効果を有する。
【0098】上述のPRMLの方式はPR(1,1)、
PR(1,2,1)、PR(1,3,3,1)、PR
(1,2,2,1)等が適用でき、PR等化係数を最適
化することによってさらに特性が向上することを実験に
よって確認している。
【0099】上記構成の光ヘッドを用い、PRML信号
処理または余弦等化信号処理を行うことによって、1つ
のレーザ光源と1つの対物レンズを用い、さらに前記光
学素子への交流電圧を印加という、電気信号のON/O
FFの操作を組込んだ光ヘッドによってDVD、CD、
CD−R、CD−RWの互換再生が可能となる。
【0100】本実施例では、ミラー106に置き代えて
アクティブホログラム光学素子を挿入する構成のため、
部品数は増えることはない。また、前記光学素子は、半
導体プロセスで容易に量産可能であり、素子単価も安価
である。また、レーザ光源、対物レンズ、受光素子がそ
れぞれ1個という非常に単純な構成でDVD/CD−R
等の光記録媒体の互換再生を実現している。さらに市場
で安価に大量に出回っている波長780nmの縦マルチ
モード発振するレーザ光源を用いており、高周波重畳モ
ジュール等の光ヘッドの部品点数を少なくでき、さらに
光ヘッドコストで大きな比重をしめているレーザ光源の
コスト削減が可能なことにより、光ヘッドの組立工数の
削減、コスト低減に対して効果を有する。
【0101】よって、本発明によれば、電気信号の切り
替えのみでCD/DVDの光ディスクに対応可能な光ヘ
ッド、光学式記録再生装置を提供することが可能であ
る。
【0102】(実施例4)図9に本発明による光ヘッド
の第四の実施例の概略構成を示す。
【0103】本光ヘッドは実施例3の図6に示したもの
と同様の構成をしており、長約780nmの縦マルチモ
ード発振可能な半導体レーザ101と開口数0.64の
二重焦点対物レンズ122で構成される。
【0104】基本的な動作は同じであるため省略する。
異なる点はアクティブホログラム121の代わりにミラ
ー106と二重焦点対物レンズ122を用いている点に
ある。
【0105】前記二重焦点対物レンズ122には図8に
示すミラー106側の面に同心円状の凹凸が形成されて
おり、透過光の0次回折光(非回折光)は、基板厚0.
6mmの光記録媒体109上に回折限界のスポットを形
成するように設計されている。一方、透過光の+1次回
折光は、基板厚み1.2mmの光記録媒体110上に回
折限界のスポットを形成するように設計されている。
【0106】前記二重焦点対物レンズ122は開口数が
0.45程度になる領域内に上記同心円状の凹凸が形成
されている。
【0107】基板厚0.6mmの光記録媒体109から
再生を行う場合は、二重焦点対物レンズ122を透過し
た0次光が光記録媒体上に焦点を結び、その反射光が信
号検出用フォトダイオード112に入射し、信号検出さ
れる。+1次回折光は焦点を結ばないで反射され、信号
検出フォトダイオード112へはほとんど入射しない構
成となっている。一方、基板厚1.2mmの光記録媒体
110から再生を行う場合は+1次回折光が光記録媒体
上に焦点を結び、その反射光が信号検出用フォトダイオ
ード112に入射し、信号検出される。0次回折光は焦
点を結ばないで反射され、信号検出フォトダイオード1
12へはほとんど入射しない構成となっている。
【0108】前記二重焦点対物レンズ122では、+1
次回折光と同時に−1次回折光が収束光として出射す
る。回折を発生させる凹凸パターンを鋸歯状に形成する
ことによって、−1次回折光を発生させず、+1次回折
光だけにすることも可能である。
【0109】上述の光ヘッドでは二重焦点を発生させる
回折格子は対物レンズのレーザ光源側面に形成している
が、波長780nm、光記録媒体の基板厚み0.6mm
で最適化された対物レンズとその近傍に配置された平行
平板上に形成しても、同様の効果がえられるのは言うま
でもないことである。
【0110】実施例3に示したと同様に上記構成の光ヘ
ッドを図8の光ヘッド11に組込み、信号処理を行うこ
とによって、DVD、CD、CD−R、CD−RW等の
互換再生が可能となる。
【0111】また図3に示した光記録装置の光ヘッド1
に組み込むことによっても同様の効果が得られる。
【0112】波長780nmのレーザ光源と二重焦点対
物レンズを用いた光ヘッドとPRML信号処理技術を用
いることによって、1つのレーザ光源と1つの対物レン
ズを用いた構成部品の少ない光学ヘッド、および光記録
装置でDVD、CD、CD−R、CD−RW等の互換再
生が可能となる効果を有する。
【0113】(実施例5)図10に本発明による光ヘッ
ドの第五の実施例の概略構成を示す。
【0114】本光ヘッドは実施例4の図9に示したもの
と同様の構成をしており、波長約780nmの縦マルチ
モード発振可能な半導体レーザ101と開口数0.64
の環状切欠付き対物レンズ123で構成される。
【0115】基本的な動作は同じであるため省略する。
異なる点は二重焦点対物レンズ122の代わりに基板厚
0.6mmで最適設計された環状切欠き付き対物レンズ
123を用いている点にある。
【0116】環状切り欠き付き対物レンズ123は対物
レンズの開口数が約0.45となる開口径の外側部分
に、光軸中心に対して図10のミラー106側面に同心
円状の切欠きが設けられている。
【0117】基板厚0.6mmの光記録媒体109を再
生する場合は、コリメータレンズ104で平行光となっ
たレーザ光が対物レンズに入射することによって光記録
媒体109上に回折限界の光スポットが形成される。前
記環状切り欠き部に入射するレーザ光は結像に関係ない
部分へ屈折するため、対物レンズ123を透過する光量
は低下するが、光記録媒体上へは回折限界の光スポット
を形成することが出来る。
【0118】基板厚1.2mmの光記録媒体110を再
生する場合には、基板厚差によって球面収差が発生する
が、球面収差を発生させる光線の一部を前記切り欠き部
を用いることによって結像させない構成をとっている。
また、前記切り欠き部よりさらに外側に入射するレーザ
光は光記録媒体110に入射するが、前記球面収差によ
って焦点ズレしたスポットが形成されるため、この光が
あっても再生特性として問題ないレベルに押え込んでい
る。
【0119】実施例1に示したと同様に上記構成の光ヘ
ッドを図3の光ヘッド1に組込み、信号処理を行うこと
によって、DVD、CD、CD−R、CD−RW等の互
換再生が可能となる。
【0120】また図8に示した光記録装置の光ヘッド1
1に組み込むことによっても同様の効果が得られる。
【0121】波長780nmのレーザ光源、環状切り欠
き付き対物レンズを用いた光ヘッド、およびPRML信
号処理技術を用いることによって、1つのレーザ光源と
1つの対物レンズを用いた構成部品の少ない光学ヘッ
ド、および光記録装置でDVD、CD、CD−R、CD
−RW等の互換再生が可能となる効果を有する。
【0122】(実施例6)図11に本発明による光ヘッ
ドの第六の実施例の概略構成を示す。
【0123】本光ヘッドも実施例5の図10に示したも
のと同様の構成をしており、波長約780nmの縦マル
チモード発振可能な半導体レーザ101と基板厚0.6
mmで最適設計された開口数0.64の対物レンズ10
7で構成される。
【0124】基本的な動作は前記実施例と同じであるた
め省略する。本例の光ヘッドは光記録媒体の基板厚差に
よって発生する球面収差を補正する素子、および開口径
を制限する素子は実装されていない。そのため、基板厚
0.6mmの光記録媒体109を再生する場合は光記録
媒体状に回折限界の光スポットを形成できるが、基板厚
1.2mmの光記録媒体110を再生する場合は基板厚
差によって発生する球面収差によって回折限界の光スポ
ットを形成できず、外側において焦点ズレした光スポッ
トが形成される。
【0125】上記光ヘッドとPRML信号処理技術を組
合せることによって、CDおよびCD−Rディスクから
情報を再生できることを確認出来た。本例においても実
施例1に記述したと同様に、最尤復号法(ML法)は3
値8状態検出のPR(1,1)に適合させた方式の物を
用いた。また、パーシャルレスポンス方式(PR方式)
は5タップのFIRフィルタを用い、PR(1,1)に
こだわらず前記エラーレートが最小値を取るようにタッ
プ係数を設定した。このタップ係数はDVDディスクを
再生する場合に最適化した数値とは異なるが、図4に示
したと同様の効果が得られることを確認した。
【0126】図12に本例の光ヘッドを用いた光記録装
置の概略構成を示す。本例の光記録装置26は、光ヘッ
ド21の受光素子出力信号からフォーカスエラー信号、
トラックエラー信号、RF信号を生成するなどの機能を
備えたRFアンプ22と、サーボ系の信号に基づき光ヘ
ッド21の対物レンズのフォーカシング、トラッキング
の制御を行うサーボ制御回路23と、このサーボ制御回
路23によって制御されるアクチュエータ27を備えて
いる。また、RFアンプ22から出力されたRF信号
は、PRML回路24に入力され、パーシャルレスポン
ス方式(PR方式)による信号処理と最尤復号法(ML
法)によって復号処理が行われる。さらに、ディジタル
フィルタなどの機能を備えた処理回路25を介して外部
のコンピュータなどに光記録媒体から読み取られたデー
タが出力される。
【0127】本光記録装置26のPRML回路24はパ
ーシャルレスポンス(PR)方式の波形等化タップ係数
を切換えられる構成となっていて、光記録媒体の種類に
応じてタップ係数を可変することができる構成をとって
いる。DVDディスク用の波形等化タップ係数が設定さ
れたPR回路31とCDディスク用の波形等化タップ係
数が設定されたPR回路32とML回路33で構成さ
れ、光記録媒体の種類によってスイッチ29によって切
換えることが出来る。
【0128】基板厚0.6mmの光記録媒体109から
再生を行う場合は、実施例1に記載した通りで、DVD
規格光ヘッドと比較して約10%大きい光スポット径を
持った光ヘッド21とPRML回路24のPR回路31
とML回路33によって信号処理することによってDV
Dディスクの信号再生を実現している。
【0129】基板厚1.2mmの光記録媒体110から
再生を行う場合は、前記球面収差が増加して外形部で焦
点ズレが発生した光スポットと、PRML回路24のパ
ーシャルレスポンス(PR)方式の波形等化タップ係数
を光記録媒体110に適合した物に切換え、CD関係の
光ディスクで最適化されたタップ係数を用いたPRML
信号処理(PR回路31とML回路33)を用いること
で、CDおよびCD−Rディスクの信号再生を実現して
いる。
【0130】上記ではPR回路31とPR回路32の回
路全体を切換える構成として示したが、PR回路は1個
で構成し、タップ係数だけを選択する構成とすることも
可能である。
【0131】PRMLの方式は上述のPR(1,1)に
限らず、PR(1,2,1)、PR(1,3,3,
1)、PR(1,2,2,1)等も適用でき、PR等化
係数を最適化することによってさらに特性が向上するこ
とを実験によって確認している。
【0132】上述のPRML信号処理回路24は光記録
媒体に応じてPR等化係数を切換えるように構成した
が、基板厚0.6mmの光記録媒体から再生を行う場合
は、PR(1,2,2,1)に適合したML方式を用
い、基板厚1.2mmの光記録媒体から再生を行う場合
は、PR(1,1)に適合したML方式を用いるように
PRML信号処理回路全体を切換える構成とすることも
可能である。
【0133】光記録装置26に用いる光ヘッドは本実施
例7図11に示したヘッドに限らず、図5、図10に示
した光記録媒体の基板厚差によって発生する球面収差を
完全に補正できない方式の光ヘッドに対しても有効であ
ることを確認している。
【0134】上記構成によれば、DVDを780nm帯
域の半導体レーザを用いて隣のピットとの波形干渉に起
因する読み出しエラーを信号処理手段および復号化処理
手段によって改善でき、読み出し信号品質を向上させる
効果がある。つまりディジタルビデオディスク(DV
D)を780nm帯域波長のレーザで信頼性良く再生す
ることが可能となる。また、DVDディスクで最適設計
された対物レンズを用い、開口制限や球面収差補正等の
手段を用いることなしに、CD、CD−Rの再生も可能
になるという効果を有する。
【0135】光ヘッドの部品点数が少なく単純な構成で
あるため、部品コスト、組立工数も削減でき、現行のC
D光ヘッドに近いコストでDVD/CD−R互換再生光
ヘッドを提供することが出来る。また、余分な素子が無
く単純部品構成であるため、信頼性面でも優れた光ヘッ
ドが提供できる。
【0136】また、現状では波長650nmの半導体レ
ーザが高価であるため、本光記録装置に加わったPRM
L回路コストよりも光ヘッドのコスト低減分が数倍大き
い為、光記録装置としても安価な物を提供することが出
来る効果を有する。
【0137】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、DVDを780nm帯域の半導体レーザを用いて隣
のピットとの波形干渉に起因する読み出しエラーを、信
号処理手段および復号化処理手段によって改善でき、読
み出し信号品質を向上させる効果がある。つまりディジ
タルビデオディスク(DVD)を780nm帯域波長の
レーザで信頼性良く再生することが可能となる。しかも
同一の半導体レーザと、同一の受光素子と、波長780
nmで設計したCD互換再生光学系を用いてCD、CD
−R、CD−RWの再生も可能になるという効果を有す
る。
【0138】また、光学アイソレーション機能を備える
ことによって光ヘッドの光利用効率を向上することが可
能となる。光ヘッドの光利用効率が向上することによっ
てレーザ光源から光記録媒体までの光学系横倍率を上げ
ることが可能となり、光強度分布がガウス分布形状に近
いレーザ光学系では、光記録媒体面上に対物レンズで集
光させたスポット径を小さくできるという効果を有す
る。スポット径を小さくすることによって隣のピットと
の波形干渉、隣のトラックとのトラック間干渉を少しで
も小さくでき、PRMLおよびエラー訂正の処理能力を
軽減させることができる効果を有する。また、前記処理
能力を同じとすると、さらなる高記録密度媒体の再生が
可能になる効果を有する。
【0139】さらに、レーザ光源が1種類であるため、
基板厚0.6mmおよび基板厚1.2mmの光記録媒体
に対して同一光学素子によって光学アイソレーションを
適用可能であり、DVD再生光学系、CD再生光学系共
に光ヘッドの光利用効率を向上させることができる効果
を有する。
【0140】また、光ヘッド構成部品の中で高額部品で
ある半導体レーザが、CD用として市場に出回っている
生産しやすい安価な、信頼性のある物を用いることが出
来、さらに高周波重畳モジュールが不要なことから、信
頼性のある、安価なDVD/CD互換再生光ヘッドを提
供出来る効果を有する。
【0141】また本発明の光ヘッドと信号処理回路を搭
載することで、安価で信頼性の高いDVD/CD互換再
生光記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る第1の光ヘッドの構成を
示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る第1の光ヘッドの構成を
示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る第1の光記録装置の概略
構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る光記録装置の再生エラー
レート特性を示す図である。
【図5】本発明の実施例に係る第2の光ヘッドの構成を
示す図である。
【図6】本発明の実施例に係る第3の光ヘッドの構成を
示す図である。
【図7】本発明の実施例に係るアクティブホログラムを
示す図である。
【図8】本発明の実施例に係る第2の光記録装置の概略
構成を示す図である。
【図9】本発明の実施例に係る第4の光ヘッドの構成を
示す図である。
【図10】本発明の実施例に係る第5の光ヘッドの構成
を示す図である。
【図11】本発明の実施例に係る第6の光ヘッドの構成
を示す図である。
【図12】本発明の実施例に係る第3の光記録装置の概
略構成を示す図である。
【図13】従来の光ヘッドの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、11、21・・光ヘッド 2、12、22・・RFアンプ 3、13、23・・サーボ制御回路 4、14、24・・PRML回路 5、15、25・・処理回路 6、16、26・・光記録装置 7、17、27・・アクチュエータ 18・・信号処理回路 19、29・・スイッチ 31・・PR回路1 32・・PR回路2 33・・ML回路 101、301・・半導体レーザ 102・・3ビーム用回折格子 103・・偏光ビームスプリッタ 104・・コリメートレンズ 105・・λ/4板 106・・ミラー 107・・DVD用対物レンズ 108・・CD用対物レンズ 109、309・・光記録媒体(t0.6) 110、310・・光記録媒体(t1.2) 111・・復号レンズ 112・・信号検出用フォトダイオード 113・・対物レンズアクチュエータ 115・・開口制限領域 116・・収差補正領域 117・・DVD用対物レンズ 120・・液晶シャッタ 121・・アクティブホログラム 122・・二重焦点対物レンズ 123・・環状切欠付き対物レンズ 201・・ガラス基板 202・・電極 203・・シリコン膜 210・・実験結果 211・・実験結果 212・・実験結果 301・・レーザ光源 302、304・・ハーフミラー 303、314・・コリメータレンズ 305、313・・ミラー 306・・波長選択性回折格子 307・・対物レンズ 311・・復号レンズ 312・・フォトダイオード 315・・ホログラムレーザユニット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長約780nmのレーザ光を、トラック
    ピッチ約0.74μm、基板厚約0.6mmの光記録媒
    体に照射し情報を再生するために、開口数0.6より大
    きい対物レンズを備えた光ヘッドと、 前記光記録媒体から反射された反射光によって光記録媒
    体に記録された情報信号を、パーシャルレスポンス方式
    によって処理する信号処理手段と、最尤復号法を用いて
    復号化処理を行う信号処理手段とを備えた光記録装置で
    あって、 前記光ヘッドは、トラックピッチ約1.6μm、基板厚
    約1.2mmの光記録媒体から情報を再生するための光
    学系を備え、トラックピッチおよび基板厚みの違いに応
    じて前記光学系を切換える構造を有することを特徴とす
    る光ヘッド。
  2. 【請求項2】前記異なったトラックピッチ、基板厚の光
    記録媒体から情報を再生するための光学系は、波長約7
    80nm、基板厚約1.2mmの光記録媒体で最適設計
    された開口数約0.45の対物レンズであり、開口数
    0.6以上、および開口数約0.45の2種類の対物レ
    ンズを光記録媒体の基板厚に応じて切換えて用いること
    を特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
  3. 【請求項3】前記異なったトラックピッチ、基板厚の光
    記録媒体から情報を再生するための光学系は、液晶を用
    いた可変開口制限手段であり、波長約780nm、基板
    厚約0.6mmの光記録媒体で最適設計された開口数
    0.6以上の対物レンズに対して、基板厚約1.2mm
    の光記録媒体から情報を再生する場合、開口数約0.4
    5となるような開口制限を行い、基板厚約0.6mmの
    光記録媒体から情報を再生する場合、開口制限を行わ
    ず、基板厚に応じて開口径を切換えて用いることを特徴
    とする請求項1記載の光ヘッド。
  4. 【請求項4】前記光学系は、反射ミラーと反射型ホログ
    ラムを切換え可能なアクティブホログラムであり、波長
    約780nm、基板厚約0.6mmの光記録媒体で最適
    設計された開口数0.6以上の対物レンズに対して、基
    板厚約1.2mmの光記録媒体から情報を再生する場合
    は、開口数約0.45となるような開口制限、および基
    板厚差によって発生する球面収差を打ち消すための補正
    を行い、基板厚約0.6mmの光記録媒体から情報を再
    生する場合は、前記アクティブホログラムは開口制限等
    何も行わず、基板厚に応じて開口径、および球面収差補
    正手段を切換えて用いることを特徴とする請求項1記載
    の光ヘッド。
  5. 【請求項5】前記異なったトラックピッチ、基板厚の光
    記録媒体から情報を再生するための光学系は、波長約7
    80nmにおいて0次回折光が基板厚約0.6mmの光
    記録媒体上に最適に集光し、1次回折光が基板厚約1.
    2mmの光記録媒体上に最適に集光するように設計され
    た二重焦点ホログラムで、前記ホログラムを対物レンズ
    面、または対物レンズ近傍に配置した光学素子に形成し
    たことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
  6. 【請求項6】前記異なったトラックピッチ、基板厚の光
    記録媒体から情報を再生するための光学系は、波長約7
    80nmにおいて基板厚約0.6mmの光記録媒体で最
    適設計された対物レンズ表面に、光軸中心に対して同心
    円状の切欠を設けた光学素子であることを特徴とする請
    求項1記載の光ヘッド。
  7. 【請求項7】前記異なったトラックピッチ、基板厚の光
    記録媒体から情報を再生するための光学系は、波長約7
    80nmにおいて基板厚約1.2mmの光記録媒体で最
    適設計された開口数0.6以上の非球面対物レンズにお
    いて、対物レンズ表面の、開口数約0.45以上の領域
    の高次非球面係数を変更し、対物レンズの開口径に入射
    したレーザ光が基板厚約0.6mmの光記録媒体上に回
    折限界の光スポットを形成できる対物レンズであること
    を特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
  8. 【請求項8】波長約780nmのレーザ光を、トラック
    ピッチ約0.74μm、基板厚約0.6mmの光記録媒
    体に照射し情報を再生するために、開口数0.6より大
    きい対物レンズを備えた光ヘッドと、 前記光記録媒体から反射された反射光によって光記録媒
    体に記録された情報信号を、パーシャルレスポンス方式
    によって処理する信号処理手段と、最尤復号法を用いて
    復号化処理を行う信号処理手段とを備えた光記録装置で
    あって、 トラックピッチ約0.74μm、基板厚約0.6mmの
    光記録媒体から情報を再生するためのパーシャルレスポ
    ンス等化係数と、 トラックピッチ約1.6μm、基板厚約1.2mmの光
    記録媒体から情報を再生するためのパーシャルレスポン
    ス等化係数とを個別に備え、トラックピッチ、基板厚み
    に応じて前記等化係数を切換える、切換え手段を備えた
    ことを特徴とする光記録装置。
  9. 【請求項9】レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レ
    ーザ光を光記録媒体に集光する対物レンズを有し、前記
    レーザ光の波長にほぼ等しい、あるいは前記波長より狭
    い平均トラックピッチを備えた光記録媒体に対し情報の
    再生が可能な請求項1記載の光学ヘッドであって、 前記レーザ光源は縦マルチモード発振可能な波長約78
    0nmの半導体レーザであり、 前記対物レンズの開口数は約0.64であり、前記光ヘ
    ッドの光学系はコリメート機能および光学アイソレーシ
    ョン機能を備えたことを特徴とする光ヘッド。
  10. 【請求項10】請求項2から7に記載の光ヘッドと、パ
    ーシャルレスポンス方式、最尤復号法を用いて信号処理
    を行う回路、および余弦形等化フィルタを用いて信号処
    理を行うための回路を有し、トラックピッチ約0.74
    μm、基板厚約0.6mmの光記録媒体から反射された
    反射光によって光記録媒体に記録された情報信号を再生
    する場合は、余弦形等化フィルタを用いて信号処理を行
    うための回路およびパーシャルレスポンス方式によって
    処理する信号処理手段および最尤復号法を用いて復号化
    処理を行うための回路を用い、トラックピッチ約1.6
    μm、基板厚約1.2mmの光記録媒体から反射された
    反射光によって光記録媒体に記録された情報信号を再生
    する場合は、余弦形等化フィルタを用いて信号処理を行
    うための回路を用い、光記録媒体の種類に応じて前記回
    路を切換えて用いる切換え手段を備えたことを特徴とす
    る光記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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