JPH11336761A - 動圧型焼結含グリース軸受 - Google Patents
動圧型焼結含グリース軸受Info
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- JPH11336761A JPH11336761A JP10147838A JP14783898A JPH11336761A JP H11336761 A JPH11336761 A JP H11336761A JP 10147838 A JP10147838 A JP 10147838A JP 14783898 A JP14783898 A JP 14783898A JP H11336761 A JPH11336761 A JP H11336761A
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Abstract
属からなる多孔質の軸受本体2aに、潤滑剤として潤滑
グリースを含浸させて自己潤滑機能を持たせたものであ
る。軸受本体2aの内周面には、軸方向に離隔した2つ
の軸受面2bが形成され、2つの軸受面2bの双方にそ
れぞれ、軸方向に対して傾斜した複数の動圧溝2cが形
成される。
Description
多孔質の軸受本体に潤滑グリースを含浸させて自己潤滑
機能を持たせると共に、軸受面の動圧溝の動圧効果によ
り軸受隙間内に潤滑油膜を形成し、その潤滑油膜によっ
て回転軸の摺動面を非接触支持する動圧型焼結含グリー
ス軸受に関し、特にレーザビームプリンタ(LBP)の
ポリゴンミラー用や磁気ディスクドライブ(HDD等)
用のスピンドルモータなど、高速下で高回転精度が要求
される機器や、DVD−ROM、DVD−RAM等の光
ディスク装置用やMO等の光磁気ディスク装置用のスピ
ンドルモータように、ディスクが載ることによって大き
なアンバランス荷重が加わる条件下で高速で駆動する機
器などに好適である。
記憶を行う主記憶装置と、記憶のみを行う補助記憶装置
の2つに分けることができる。記憶部分にはディスクや
テープを使用するものと、全て電子部品からなる半導体
を使用するものとがあり、現在では、コストの点からデ
ィスクやテープが広く使用されている。ディスクやテー
プを使用する補助記憶装置としては、磁気ディスク装置
(HDD、FDD)、光ディスク装置(CD、DV
D)、光磁気ディスク装置(MO、ODD)、ディジタ
ルオーディオテープレコーダ(DAT)等がある。さら
に、情報機器にはレーザビームプリンタ(LBP)、デ
ィジタルFAX、ディジタルPPC等も含まれる。
ルモータでは、回転性能のより一層の向上と低コスト化
が求められており、そのための手段として、スピンドル
の軸受部を転がり軸受から焼結含油軸受に置き換えるこ
とが検討されている。しかし、通常の焼結含油軸受は真
円軸受の一種であるため、軸の偏心が小さいところで
は、不安定振動が発生しやすく、回転速度の1/2の速
度で振れ回るいわゆるホワールが発生しやすい欠点があ
る(ホワール等の不安定振動が発生すると回転精度が劣
化する。)。そこで、軸受面にヘリングボーン形やスパ
イラル形などの動圧溝を設け、軸の回転に伴う動圧溝の
動圧効果によってラジアル剛性等の軸受機能を高めて、
不安定振動による軸振れを解消しようとする試みが従来
よりなされている(動圧型焼結含油軸受)。
振れの抑制に高い効果を有する反面、軸受隙間内の油が
軸受面の表面開孔を介して軸受内部に逃げてしまうこと
による、動圧効果の低減現象(圧力降下)があり、期待
する動圧効果が得られにくいという問題がある。従来、
この圧力降下の問題を解消する手段として、軸受面にお
ける動圧溝に表面目つぶし加工を施して、動圧溝の形成
領域を封孔した構成が知られている(実開昭63−19
627号)。
孔した構成では、以下の問題点が生じる。
いるので、その領域では焼結含グリース軸受の最大の特
徴である油の循環が阻害される。従って、一旦軸受隙間
に滲み出した油は動圧溝の作用によって軸受面の軸方向
中央部に押し込まれ、軸受隙間内にとどまることにな
る。軸受隙間内では大きなせん断作用が働いているの
で、そのせん断力と摩擦熱によって軸受隙間内にとどま
った油は変性しやすく、また、温度上昇によって酸化劣
化が早まる傾向にある。従って、軸受寿命が短くなる。
てコーティング等を挙げているが、コーティング被膜の
厚さは溝深さよりも薄くする必要があり、数μmのコー
ティング被膜を動圧溝の形成領域にのみ施すのは極めて
困難である。
術(焼結含グリース軸受)が、特開昭63−19541
6号公報、特開平7−42740号公報に記載されてい
るものの、これらの技術は軸受面に動圧溝を有しない真
円軸受を対象としたものであり、偏心率が小さい領域で
のラジアル剛性が小さく、ホワール等の不安定振動を効
果的に抑制することができない。
て、軸受本体の内部と軸受隙間との間の油の適切な循環
を確保しつつ、軸受隙間内における圧力降下の問題を解
消し、動圧溝の動圧効果を高めることにより、軸受機
能、特に軸受剛性(軸受負荷容量)および軸受寿命のよ
り一層の向上を図ることを主目的とするものである。
の動圧溝2cが形成された軸受面2bを有する動圧型焼
結含グリース軸受2で回転軸4を支持する際における、
軸方向断面での油の流れを示している。回転軸4の回転
に伴い、軸受本体2aの内部の細孔内(本明細書におい
て「細孔」とは、多孔質体が組織として有する孔をい
う。)に保有された油(潤滑グリースの基油)が軸受面
2bの軸方向両側(及びチャンファー部周辺)から軸受
隙間に滲み出し、さらに動圧溝2cによって軸受隙間の
軸方向中央に向けて引き込まれる。その油の引き込み作
用(動圧作用)によって軸受隙間に介在する油の圧力が
高められ、潤滑油膜が形成される。この軸受隙間に形成
される潤滑油膜によって、回転軸4はホワール等の不安
定振動を生じることなく、軸受面2bに対して非接触支
持される。軸受隙間に滲み出した油は、回転軸4の回転
に伴う発生圧力により、軸受面2bの表面開孔(本明細
書において「表面開孔」とは、多孔質体組織の細孔が外
表面に開口した部分をいう。)から軸受本体2aの内部
に戻り、軸受本体2aの内部を循環して、再び軸受面2
b(及びチャンファー部周辺)から軸受隙間に滲み出
す。
受本体の内部の細孔内に保有した油を軸受本体と軸受隙
間との間で循環させながら、動圧溝の作用によって軸受
隙間内に潤滑油膜を形成し、その潤滑油膜によって回転
軸を継続して非接触支持する点に特徴を有するものであ
り、そのような安定した軸受機能を発揮させるために
は、油の適切な循環と、軸支持に必要な潤滑油膜の形成
を確保する必要がある。特に、油の循環は、油の劣化を
抑制して軸受寿命を高める働きをもつ他、潤滑油膜の形
成に対して相互補完的に働き、また相反的にも働くの
で、油の循環を如何に適切ならしめるかは、この種の動
圧型軸受における極めて重要な課題である。すなわち、
軸受隙間内に充分な圧力と油膜厚さをもった潤滑油膜を
常時形成するためには、新鮮な適量の油が軸受本体から
軸受隙間へ常時滲み出して潤滑油膜を形成し、さらに軸
受隙間から軸受本体へ戻るという油の循環サイクルが適
切に働くことが不可欠である。油の循環量が過小である
と、軸受隙間への油の滲み出しが不足して、潤滑油膜の
形成が不充分になると同時に、軸受隙間内に油が滞留
し、温度上昇により酸化劣化をきたす。一方、油の循環
量が過大であると、軸受隙間から軸受本体への油の戻り
が過度となり、前述したような圧力降下の問題が起こ
る。
表面開孔率(単位面積内に占める表面開孔の面積割合)
の調整、油の動粘度の調整が挙げられる。しかし、表面
開孔率の調整では、表面開孔や細孔の個々の大きさまで
は管理できないので、軸受面に大きな表面開孔があった
場合や、軸受面から所定深さの表層部分に大きな孔があ
った場合、局部的な圧力低下が生じることが避けられな
い。また、油の動粘度の調整を過度に行うと、トルク上
昇の要因となる。従って、これらの手段では限界があ
り、近時のスピンドルモータの一層の高速回転化、高性
能化の傾向を考えると、充分な軸受機能を得ることがで
きない場合が多い。
軸受面に軸方向に対して傾斜した動圧溝を設けると共
に、軸受本体に含浸する潤滑剤を、増稠剤の配合割合が
0.1〜5.0重量%である潤滑グリースとした。
とすることにより、潤滑グリース中に含まれる増稠剤が
ごく微少な細孔には入らず、比較的大きな孔に選択的に
埋設される。そのため、軸受面の表面開孔の一つ一つの
面積が平均化され、また軸受面から所定深さの表層部分
の一つ一つの細孔の断面積が平均化され、局部的な圧力
降下が発生しにくくなると共に、軸受本体から軸受隙間
への油の滲み出し、軸受隙間から軸受本体への油の戻り
が適切量に調整される。そのため、動圧溝による潤滑油
膜の形成効果が高められ、軸受剛性(軸受負荷容量)が
向上すると同時に、油の適切な循環が確保され、軸受寿
命が向上する。尚、ここでの「油」は軸受本体に含浸さ
れた潤滑グリースの基油であり、通常はごく微小な増稠
剤成分を含みながら軸受本体と軸受隙間との間を循環す
る。
ると、上記のような効果が顕著に現れず、逆に5.0重
量%を超えると、潤滑グリースの稠度が高くなりすぎ、
含浸工程での作業が複雑になる。すなわち、軸受が瞬時
にグリース中に沈まなかったり、また、含浸後、軸受表
面に付着したグリースの除去作業に手間取る。
面は、軸受面に対応した形状の成形型によって、動圧溝
の形成領域とそれ以外の領域とを同時成形することによ
って形成することができる。そのための手段として、例
えば、軸受面の形状に対応した凹凸状の成形型をコアロ
ッドの外周面に形成し、このコアロッドの成形型に多孔
質体素材を供給して圧迫力を加え、多孔質体素材の内周
面をコアロッドの成形型に加圧して塑性変形させる手段
を採用することができる。軸受面の成形後、圧迫力を解
除することによる多孔質体素材のスプリングバックを利
用して、コアロッドの成形型を多孔質体素材から離型す
ることができる。
ルミニウムの中から選択される1種以上の金属粉末を主
原料とし、必要に応じて、すず、亜鉛、鉛、黒鉛の粉末
又はこれらの合金粉末を混合し、焼結して得られた焼結
金属とすることができる。軸受本体の材質としてこのよ
うな焼結金属を用いると、上記のような圧縮成形法によ
り、高精度かつ安価に軸受本体を製造することができ
る。
数を問わないが、軸受本体の内周面に複数の軸受面を軸
方向に相互に離隔して形成すると共に、軸受面間の領域
の内径寸法を、軸受面の動圧溝以外の領域の内径寸法よ
りも大きくした構成とすることができる。1個の軸受に
複数の軸受面を形成することにより、複数個の軸受を組
み込む場合における軸受面相互間の同軸度の問題を解消
することができる。軸の回転精度を確保するため、通
常、軸受は複数個、例えば2個を組合わせて使用され
る。また、軸受はハウジングに圧入して使用される場合
が多い。そのため、従来は、2個の軸受の同軸度を確保
するために、矯正ピンをハウジングに挿入した後、2個
の軸受を同時に圧入する方法を採用していた。しかしな
がら、軸受面に傾斜状の動圧溝を設けた本発明の構成で
は、矯正ピンを用いて強制的に矯正すると、矯正ピンの
食い付きによって軸受面の動圧溝が潰れてしまい、安定
した動圧効果が得られなくなる。この場合、上記のよう
に1個の軸受に複数の軸受面を形成することで、軸受面
相互間の同軸度の問題を解消することができ、従来のよ
うに矯正ピンで同軸度を確保する必要がなくなる。従っ
て、軸受面の動圧溝が潰れてしまうという不都合も発生
しなくなる。また、複数個の軸受を配置する場合に比
べ、部品点数、組立工数の削減になる。さらに、軸受面
間の領域の内径寸法を、軸受面の動圧溝以外の領域の内
径寸法よりも大きくすることにより、トルク上昇を抑え
ることができる。
石けん系、非石けん系のいずれでも良いが、中でも、ウ
レア化合物を増稠剤として用いるのが好ましい。ウレア
化合物は分子間の相互作用力が強いため、せん断安定性
に優れ、金属表面に吸着しやすく、潤滑効果を高める効
果がある。ウレア化合物は、その化学構造式中に−NH
CONH−を有するものであり、例えばモノウレア、ジ
ウレア、トリウレア等がある。モノウレアはモノアミン
とモノイソシアネートの反応から、ジウレアはモノアミ
ンとジイソシアネートの反応から、トリウレアはモノア
ミンとトリレンジイソシアネートと水の反応によってそ
れぞれ得られる。ウレア化合物の中でも原料の入手性及
び製造性の面からジウレアが好適である。
−R2−NHCONH−R3{R2は炭素原子数6〜1
5の芳香族炭化水素基を示し、R1及びR3は炭素原子
数6〜12の芳香族炭化水素基、又は、炭素原子数8〜
20のアルキル基を示し、R1及びR3中に占める芳香
族炭化水素基の割合は0〜100モル%である。}で表
されるウレア化合物のR1及びR3中に占める芳香族炭
化水素基の割合を0〜100モル%の範囲内で調整する
ことで、ミセルの構造を自由に変化させることができ
る。尚、上記一般式(1)に包含されるウレア化合物群
のうち、1種類のジウレアのみではモル比の細かな調整
をすることはできないが、R1およびR3を与えるアミ
ンの種類を2種類以上とし、その割合を変化させること
により、調整可能となる。動圧型焼結含グリース軸受の
場合、表面開孔率等を調整することで、ある程度圧力降
下や発熱を抑制することが可能ではあるが、潤滑グリー
スのミセル構造を調整することにより、より高性能で耐
久性に優れた動圧型焼結含グリース軸受を得ることがで
きる。
一般式(1)のR1及びR3中に占める芳香族炭化水素
基の割合を多くすることで対応できる。芳香族炭化水素
基の割合が多いほど、ウレアのミセルは太くて短くな
る。そのため、同一粘性を持つ他の増稠剤と比べて、増
稠剤量が多くなり、軸振れの抑制や耐久性の向上に有効
である。一方、低電流性能を要求された場合、短繊維・
極太系のミセルは逆効果となり、発熱の原因となる場合
がある。その場合、上記R1及びR3中の芳香族炭化水
素基のモル%を低減することで増稠剤量を少なくできる
ため、低電流値化に対応可能となる。従って、ウレア化
合物を動圧型焼結含グリース軸受に含浸する潤滑グリー
スの増稠剤として用いることにより、広範囲の要求特性
を満足させることが可能となるため、スピンドルモータ
用軸受として極めて有利である。尚、上記R1及びR3
中に含まれる芳香族炭化水素基を動圧型焼結含グリース
軸受が使用される用途、使用条件に合わせて調整するこ
とができることは言うまでもない。
ミンの反応によって得られるが、使用されるイソシアネ
ートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタレ
ン−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートやトリ
レンジイソシアネート、トリアジン誘導基及びこれらの
混合物が挙げられる。また、モノアミンとしては、アニ
リン、ベンジルアミン、トルイジン、クロロアニリン等
の芳香族アミン及びオクチルアミン、ノニルアミン、デ
シルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリ
デシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミ
ン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタ
デシルアミン、ノナデシルアミン、エイコデシルアミン
等の脂肪族アミンやシクロヘキシルアミンが挙げられ
る。
に限定されるものではないが、鉱油であるパラフィン系
鉱油、水添仕上げパラフィン鉱油、水素化改質パラフィ
ン鉱油、精製ナフテン系鉱油、高粘度指数パラフィン鉱
油、及び合成潤滑油であるポリαオレフィン系、エステ
ル系、エーテル系、ポリグリコール系、芳香族系炭化水
素油、フッ素系潤滑油、及びこれらの混合油が好まし
い。
善するため種々の添加剤を配合することができるが、下
記一般式(2)で表されるリン酸エステルを配合するこ
とが好適である。このリン酸エステルとしては、例えば
リン酸トリオクチルやリン酸トリクレジル等のリン酸ト
リエステルやリン酸モノオクチルエステル、リン酸ジオ
クチルエステル等の酸性リン酸エステルやアルキルリン
酸エステルアミン塩(一部アミン基)などを挙げること
ができるが、その中でもリン酸トリエステルが好まし
い。リン酸エステルを使用することで、油膜形成力を増
大させることができる。
化水素基又はアルコキシ基を示し、少なくとも1つは炭
化水素基又はアルコキシ基である。
合は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量
%とするのが良い。リン酸エステルの配合割合が0.1
重量%未満であると耐摩耗性を改善することができず、
10重量%を超えて添加しても大幅な耐摩耗性の向上が
認められない。
安定剤として、エチレン−α−オレフィン共重合体もし
くはその水素化物、または、ポリメタクリレート系のも
のや、ポリブテン(ポリイソブチレン)系のものなどを
添加しても良い。エチレン−α−オレフィン共重合体も
しくはその水素化物は、例えばエチレンと1−デセン、
イソブテン等をルイス酸等の触媒で重合させて得られた
重合物を水素化することにより得られる。これらは、数
平均分子量が200〜4000程度のものがあり、数平
均分子量1450のものが好ましい。ポリメタクリレー
ト系の平均分子量は20000〜1500000程度で
ある。せん断安定性との関係から平均分子量は2000
0〜50000が好ましい。また、ポリブテン系の平均
分子量は5000〜300000程度が良い。粘度指数
向上剤及び構造安定剤の配合割合は、基油に対して1〜
30重量%、このましくは1〜5重量%の範囲が良い。
ことができる。酸化防止剤としては、遊離基連鎖反応停
止剤として働くフェノール系、アミン系、及び過酸化物
分解剤として働く硫黄系酸化防止剤からなる群から選択
される1種以上の酸化防止剤を単独で又は混合して用い
ることができるが、アミン系とフェノール系を混合して
用いることが好ましい。フェノール系酸化防止剤として
は、例えば2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,
4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノー
ル、2,6−ジ−t−4−n−ブチルフェノールが挙げ
られる。蒸発特性及び基油との相溶性の点からは、4,
4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)が好適である。また、アミン系酸化防止剤として
は、ジオクチルジフェニールアミンやフェニル−α−ナ
フチルアミンが挙げられる。蒸発特性及び基油との相溶
性の点からは、ジオクチルジフェニールアミンが好適で
ある。その配合量は、基油に対しての溶解性を考慮し
て、基油に対して、アミン系酸化防止剤0.1〜10重
量%、フェノール系酸化防止剤0.1〜10重量%が好
ましい。単独使用の場合は、アミン系酸化防止剤0.1
〜10重量%が好適である。フェノール系酸化防止剤は
併用の場合に効果がある。
・効果が損なわれない範囲で、必要に応じて、防錆剤、
流動点降下剤、無灰系分散在、金属不活性剤、金属系洗
浄剤、油性剤、界面活性剤、消泡剤、摩擦調整剤などを
配合することができる。
説明する。
OM/RAM装置のスピンドルモータを例示している。
このスピンドルモータは、鉛直配置された回転軸4を回
転自在に支持する軸受ユニットAと、回転軸4の上端に
装着されたDVD−ROMなどの光ディスク5を支持固
定するターンテーブル6およびクランパー7と、例えば
ラジアルギャップを介して対向させたステータ8及びロ
ータマグネット9を有するモータ部Bとを主要な構成要
素とする。ステータ8は、軸受ユニットAを構成するハ
ウジング1の外周面に固定され、ロータマグネット9
は、ターンテーブル6に装着されたロータケース10の
内周面に固定される。ステータ8に通電すると、ロータ
マグネット9と一体になったロータケース10、ターン
テーブル6、光ディスク5、クランパー7、及び回転軸
4が回転する。
と、ハウジング1の内周面に固定され、回転軸4の外周
面をラジアル方向に支持する動圧型焼結含グリース軸受
2と、ハウジング1の下端開口部に固定され、回転軸4
の下軸端面をスラスト方向に支持するスラスト軸受3と
で構成される。この実施形態において、スラスト軸受3
は、円板状の樹脂製スラストワッシャ3aとこれを支持
する裏金3bとからなり、樹脂スラストワッシャ3aの
上面で回転軸4の凸球状になった下軸端面をスラスト方
向に接触支持する構成になっている。尚、樹脂製スラス
トワッシャ3aは、回転軸4の下軸端面と接触するよう
に、裏金3bの中心部分に埋設しても良い。
軸受2は、焼結金属からなる多孔質の軸受本体2aに、
潤滑剤として潤滑グリースを含浸させて自己潤滑機能を
持たせたものである。軸受本体2aは、銅、鉄、および
アルミニウの中から選択される1種以上の金属粉末を主
原料とし、必要に応じてニッケル、すず、亜鉛、鉛、黒
鉛の粉末又はこれらの合金粉末を混合し、焼結して得ら
れた焼結金属で形成され、望ましくは銅を20〜97重
量%配合し、密度が6.4〜7.2g/cm3となるよ
うに成形される。
周面には、軸方向に離隔した2つの軸受面2bが形成さ
れ、2つの軸受面2bの双方にそれぞれ、軸方向に対し
て傾斜した複数の動圧溝2cが形成される。各軸受面2
bは、軸方向に対して一方に傾斜した複数の動圧溝2c
を円周方向に配列形成した第1領域m1と、第1領域m
1から軸方向に離隔し、軸方向に対して他方に傾斜した
複数の動圧溝2cを円周方向に配列形成した第2領域m
2と、第1領域m1と第2領域m2との間に位置する環
状の平滑領域nとを備えている。第1領域m1の動圧溝
2cと第2領域m2の動圧溝2cは、平滑領域nで区画
されて相互に非連続になっている。第1領域m1の背2
d(動圧溝2c間の領域)と第2領域m2の背2d(動
圧溝2c間の領域)は、平滑領域nと同一レベルにあ
る。軸受面2bには、動圧溝2cの形成領域を含む全領
域にわたって表面開孔がほぼ均一に分布している。
じると、第1領域m1と第2領域m2にそれぞれ逆向き
に傾斜形成された動圧溝2cによって、軸受隙間内の油
が平滑領域nに向けて引き込まれ、油が平滑領域nに集
められるため、平滑領域nにおける油膜圧力が高められ
る。そのため、高い軸受剛性が得られる。
定すれば良いが、好ましくは軸方向と直交する方向との
角度βが15〜40°、より好ましくは15〜25°に
なるように設定するのが良い。また、動圧溝2cと背2
dとの幅比は0.8〜1.5、好ましくは1.0〜1.
2の範囲内に設定するのが良い。さらに、平滑領域nの
軸方向幅の比率Rは、各軸受面2bの軸方向幅を1とし
て、R=0.1〜0.6、好ましくはR=0.2〜0.
4の範囲内に設定するのが良い。Rが0.1未満では、
平滑領域nを設けたことによる軸受剛性の増加効果が顕
著に表れず、逆にRが0.6を超えると、第1領域m1
および第2領域m2の軸方向幅が小さくなり、動圧溝2
cによる動圧効果が有効に発揮されない。
半径すきまc(軸受面2bの背2dの部分の半径と回転
軸4の外周面の半径との差)との比には最適な範囲があ
り、この範囲外では充分な動圧効果が得られない。この
最適範囲を明らかにすべく、DVD−ROM/RAM用
スピンドルモータを用いて軸振れを測定したところ、c
/hが0.5〜2.0の範囲内であれば軸振れを実用上
充分なレベルに抑制できることが確認された。例えば、
溝深さhが2〜4μmの場合は、軸受半径すきまcは2
〜4μmの範囲内に設定すると良い。
の領域の内径寸法は、軸受面2bの背2dの部分の内径
寸法よりも大きく設定される。
すものに限定されず、例えば、軸方向に対して一方に傾
斜した動圧溝と他方に傾斜した動圧溝とを対にして軸方
向にV字状に連続させたものでも良い(この場合、環状
の平滑領域nは存在しない。)。回転体に殆どアンバラ
ンスがなく、軸受剛性が重要な要素とならないような使
用条件等では、動圧溝が軸方向に連続した形状の軸受面
の方が負圧が発生しにくく、むしろ好ましい場合もあ
る。さらに、軸受面の動圧溝は軸方向に対して傾斜した
形状であれば足り、この条件を満たす限り、任意の形状
とすることができる。例えば、動圧溝はスパイラル状で
あっても良い。
油としては、40°Cでの動粘度が5〜60cStに設
定されたものを使用することができる。特に、DVD−
ROM/RAMのように、ディスクが載ることによるア
ンバランス荷重に対するラジアル剛性が求められる機器
では、10〜50cStのものが好ましい。この実施形
態では、40°Cでの動粘度が40cStで、主成分を
ポリオールエステル油とし、粘度指数向上剤としてポリ
メタクリレート、酸化防止剤としてフェニル−α−ナフ
チルアミン、金属不活性剤としてベンゾトリアゾールの
誘導体、耐摩耗剤としてりん酸トリオクチルを添加した
潤滑油を基油として用いた。
ウム石けん及びウレア化合物を用いた。
とLiOH・H2 Oを反応させてグリース化する。ま
ず、反応容器に基油1/3量とステアリン酸を入れ、8
0°Cに加熱する。溶媒がクリアーになったら、水とL
iOH・H2 Oをよく混ぜて反応容器に投入する。その
後約1時間かけて脱水を行う。脱水終了後、残りの基油
を少しずつ温度が下がらないように投入し、185°C
に達した時点で反応終了とした。
オクタデシルアミンを使用し、モノイソシアネートとし
てはオクタデシルイソシアネートを使用した。ジウレア
で示されるものは、末端基が芳香族基となる原料アミン
としてp−トルイジンを使用し、脂環族基となる原料ア
ミンとしてn−オクチルアミンを使用し、脂肪族基とな
る原料アミンとしてシクロヘキシルアミンを使用した。
また、ジイソシアネートは、ジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネートを使用した。トリウレアは、原
料アミンにオクタデシルアミンを使用し、イソシアネー
トにトリレンジイソシアネートと水を使用した。ジウレ
アを例にとって具体的に説明すると、反応容器に基油半
量と表1に示されるモノアミン全量を入れ、70〜80
°Cに加熱した。別容器に基油の残りの半量とジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネートを入れ、70〜
80°Cに加熱し、これを上記反応容器に加え攪拌し
た。約30分間この状態で攪拌を続け、反応を充分に行
った後、170〜180°Cまで昇温し、この温度に3
0分間保持した。これを冷却したものを基グリースとし
た。
内周面に挿入してスピンドルモータを組立てる際、軸受
本体2aに含浸された潤滑グリースと同じ(あるいは同
種の)潤滑グリース又はその基油を、含浸グリースとは
別に、スラスト軸受3の軸受面が潤滑グリース又はその
基油で濡れ、かつ、動圧型焼結含グリース軸受2の軸受
隙間が潤滑グリース又はその基油で満たされてるように
注油すると良い。この動圧型焼結含グリース軸受2で
は、回転軸4の回転に伴う発生圧力と温度上昇による油
の熱膨張によって、軸受本体2aの内部に含浸された潤
滑グリースの基油が、ごく微小な増稠剤成分を含みなが
ら軸受本体2aの表面から滲み出し、動圧溝2cの作用
によって軸受隙間内に引き込まれる。駆動初期に動圧型
焼結含グリース軸受2の軸受隙間内が油で満たされてい
ると、空気の巻き込みがなく、良好な潤滑油膜が形成さ
れ、安定した軸受機能が得られる。また、スラスト軸受
3の軸受面が駆動初期時から油で濡れ、良好な潤滑状態
になる。
端開口部にスラスト軸受3を装着した状態で、動圧型多
孔質含グリース軸受2の内周面に挿入される。この挿入
時には、軸受2と回転軸4との間の軸受隙間から空気が
外部に逃げることになるが、軸受隙間は数μm程度しか
ないため、空気がハウジング1の下方空間に閉じ込めら
れ、回転軸4の挿入作業が難しくなる場合がある。ま
た、モータ回転時の発熱によって、ハウジング1の下方
空間に閉じ込められた空気が膨張し、回転軸4を押し上
げて軸受機能を不安定化させる可能性もある。この場
合、図1及び図2に示すように、軸受2の外周面とハウ
ジング1の内周面との間に、軸受本体2aの軸方向両端
に開口する空気通路Sを設けることにより、この空気通
路Sを介して、ハウジング1の下方空間の空気を外部に
逃がすようにすると良い。尚、この実施形態では、空気
通路Sを軸受本体2aの外周面に形成しているが、空気
通路Sはハウジング1の内周面に形成しても良い。ま
た、空気通路Sは1本でも良いし、円周方向に複数本形
成しても良い。
に正圧が発生すると、軸受面2bに表面開孔があるの
で、油は軸受面2bの表面開孔を介して軸受本体2aの
内部に還流する。その際、軸受面2bの表面開孔や、軸
受面2bから所定深さの表層部分の細孔の大きさに大小
があると、軸受隙間内の油が大きな孔を通って軸受本体
2aの内部に還流しやすくなる。そのため、軸受隙間内
の圧力分布が不均一になり(局部的な圧力降下が生じ
る。)、回転精度に影響を及ぼす。この実施形態では、
潤滑グリースの増稠剤が軸受本体2aの大きな細孔に選
択的に埋設され、表面開孔や細孔の大きさが見かけ上平
均化されるので、軸受本体2aの内部と軸受隙間との間
の油の適切な循環が確保される。これにより、上記のよ
うな圧力分布の不均一化(局部的な圧力降下)の問題が
解消され、また、動圧溝2cの動圧作用で次々と新たな
油が軸受隙間に押し込まれつ続けるため、潤滑油膜の油
膜力およびラジアル剛性が高い状態で維持される。この
結果、回転軸4がホワール等の不安定振動を生じること
なく動圧型焼結含グリース軸受2によって継続して非接
触支持され、軸振れやNRRO、ジッタなどが低減され
る。また、回転軸4と軸受本体2aとが非接触で回転す
るため低騒音であり、しかも低コストである。
軸受面2bは、圧縮成形により形成することができる。
例えば、焼結含グリース軸受の加工に用いられるサイジ
ングピンなどのコアロッドの外周面に軸受面2bの形状
に対応した成形型を形成し、コアロッドの外周面に軸受
本体2aの素材である円筒状の焼結金属素材を供給し、
焼結金属素材に圧迫力を加えてその内周面をコアロッド
の成形型に加圧し、成形型の形状を焼結金属素材の内周
面に転写する。この時、軸受面2bにおける動圧溝2c
の形成領域と、それ以外の領域(背2dおよび平滑領域
n)とを同時成形することができる。この場合、コアロ
ッドの成形型を精度良く仕上ておけば、軸受面2bの成
形精度も良くなる。コアロッドの成形型を必要とされる
精度、例えば真円度1μm、円筒度2μm以内に仕上る
ことは比較的容易である。軸受面2bの成形後は、焼結
金属素材のスプリングバックを利用して、さらには加熱
によるコアロッドと焼結金属素材との熱膨張差をスプリ
ングバックに付加して、動圧溝2cの形状を崩すことな
く、コアロッドを焼結金属素材の内周面から離型するこ
とができる。
材の内周面に回転サイジングを施し、内周面の表面開孔
率を予め調整しておくのが好ましい。完成品としての軸
受本体2aの軸受面2bの表面開孔率は、動圧溝を有し
ない一般的な焼結含油軸受の軸受面の表面開孔率(通常
20〜30%程度)よりも小さくするのが良い。例え
ば、軸受面2bの表面開孔率を3〜15%に設定する
と、グリース含浸による効果と相俟って、充分な油膜形
成を維持しつつ、適切な油の循環を確保する上で有利で
ある。尚、表面開孔率の調整は上記のような回転サイジ
ングによる他、軸受本体2aの密度設定により、あるい
は表面処理と密度設定とを併用することにより行うこと
もできる。
ドルモータを用いて回転軸4の軸振れの比較試験を行っ
た。試験で用いた動圧型焼結含グリース/含油軸受には
表1に示される潤滑剤を含浸させた。実施例1〜実施例
7は潤滑グリースを含浸させたもの、比較例1は潤滑油
を含浸させたものである。また、軸振れの測定は、図1
に示す回転軸4を上端から突出する長いものに替え、非
接触変位計でその挙動を測定することにより行った。
m、回転体のアンバランス荷重1g・cm、常温常湿環
境下で実施した。軸受および軸受面の仕様は下記の通り
である。
に、潤滑グリースを含浸した実施例1〜7では、いずれ
も比較例1に比べて軸振れが低減することが認められ、
特に、増稠剤をウレアとした実施例4でその傾向が顕著
であった。この試験結果から、この種の動圧型軸受にお
いて、潤滑油を含浸した構成に比べ、潤滑グリースを含
浸した構成の方がより軸受剛性が向上し、軸振れの抑制
に対して効果的であることが確認された。
圧効果により軸受隙間内に潤滑油膜を形成し、その潤滑
油膜によって回転軸の摺動面を非接触支持するので、ホ
ワール等の不安定振動が発生しにくく、高い回転精度が
得られる。また、軸受本体の内部の細孔内に保有した油
を軸受本体と軸受隙間との間で循環させながら潤滑作用
を行うので、油の酸化劣化が生じにくく、高い軸受寿命
が得られる。
リースとすることにより、軸受面の表面開孔の一つ一つ
の面積が平均化され、また軸受面から所定深さの表層部
分の一つ一つの細孔の断面積が平均化されるので、局部
的な圧力降下が発生しにくくなると共に、軸受本体から
軸受隙間への油の滲み出し、軸受隙間から軸受本体への
油の戻りが適切量に調整される。そのため、動圧溝によ
る潤滑油膜の形成効果が高められ、軸受剛性(軸受負荷
容量)が向上すると同時に、油の適切な循環が確保さ
れ、軸受寿命が向上する。
が強いため、せん断安定性に優れ、金属表面に吸着しや
すいという性質を有するため、これを潤滑グリースの増
稠剤として用いることにより、潤滑効果をより一層高め
ることができる。
軸方向に離隔形成することにより、軸受面相互間の同軸
度を精度良く確保することができる。また、複数の軸受
を配置する場合に比べ、部品点数、組立工数を減少する
ことができる。
軸受で回転軸を非接触支持する本発明の情報機器のスピ
ンドルモータは、軸振れ、NRRO、ジッタ等、搭載装
置の高速・高性能化に伴って厳しさが増す諸要求特性を
満足でき、情報機器の機能向上、高寿命化に寄与する。
のスピンドルモータを示す断面図である。
正面図(図b:図aにおけるb方向矢視図)である。
る際の、軸方向断面での油の流れを模式的に示す図であ
る。
圧溝の深さhと軸受隙間cとの関係を模式的に示す断面
図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 支持すべき回転軸の摺動面と軸受隙間を
介して対向する軸受面を有し、その軸受面に軸方向に対
して傾斜した動圧溝が設けられた焼結金属からなる多孔
質の軸受本体と、軸受本体の内部の細孔内に含浸された
潤滑剤とを備え、 軸受本体に含浸される潤滑剤が、増稠剤の配合割合を
0.1〜5.0重量%とした潤滑グリースであることを
特徴とする動圧型焼結含グリース軸受。 - 【請求項2】 上記潤滑グリースの基油が、軸受面を含
む表面の表面開孔を介して軸受本体の内部と軸受隙間と
の間を循環しつつ、上記動圧溝の動圧効果により軸受隙
間内に潤滑油膜を形成し、その潤滑油膜によって回転軸
の摺動面を軸受面に対して非接触支持する請求項1記載
の動圧型焼結含グリース軸受。 - 【請求項3】 上記焼結金属が、銅、鉄、及びアルミニ
ウムの中から選択される1種以上の材料を主成分とする
請求項1記載の動圧型焼結含グリース軸受。 - 【請求項4】 上記潤滑グリースの増稠剤がウレア化合
物である請求項1記載の動圧型焼結含グリース軸受。 - 【請求項5】 上記ウレア化合物が下記式(1)で表さ
れる群から選択される1種以上の化合物である請求項4
記載の動圧型焼結含グリース軸受。 R1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 (1) 上記式中、R2は炭素原子数6〜15の芳香族炭化水素
基を示し、 R1及びR3は炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素
基、又は、炭素原子数8〜20のアルキル基を示し、R
1及びR3中に占める芳香族炭化水素基の割合は0〜1
00モル%である。 - 【請求項6】 上記軸受本体の内周面に複数の軸受面を
軸方向に相互に離隔して形成すると共に、軸受面間の領
域の内径寸法を、軸受面における動圧溝以外の領域の内
径寸法よりも大きくした請求項1記載の動圧型焼結含グ
リース軸受。 - 【請求項7】 情報機器の回転要素と共に回転する回転
軸と、この回転軸を支持する軸受と、所定のギャップを
介して相対向配置されたロータ及びステータとを備えた
情報機器のスピンドルモータにおいて、 上記軸受が、回転軸の摺動面と軸受隙間を介して対向す
る軸受面を有し、その軸受面に軸方向に対して傾斜した
動圧溝が設けられた焼結金属からなる多孔質の軸受本体
と、軸受本体の内部の細孔内に含浸された潤滑剤とを備
え、該潤滑剤が、増稠剤の配合割合を0.1〜5.0重
量%とした潤滑グリースであることを特徴とする情報機
器のスピンドルモータ。 - 【請求項8】 上記潤滑グリースの基油が、軸受面を含
む表面の表面開孔を介して軸受本体の内部と軸受隙間と
の間を循環しつつ、上記動圧溝の動圧効果により軸受隙
間内に潤滑油膜を形成し、その潤滑油膜によって回転軸
の摺動面を軸受面に対して非接触支持する請求項7記載
の情報機器のスピンドルモータ。 - 【請求項9】 上記焼結金属が、銅、鉄、及びアルミニ
ウムの中から選択される1種以上の材料を主成分とする
請求項7記載の情報機器のスピンドルモータ。 - 【請求項10】 上記潤滑グリースの増稠剤がウレア化
合物である請求項7記載の情報機器のスピンドルモー
タ。 - 【請求項11】 上記ウレア化合物が下記式(1)で表
される群から選択される1種以上の化合物である請求項
10記載の情報機器のスピンドルモータ。 R1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 (1) 上記式中、R2は炭素原子数6〜15の芳香族炭化水素
基を示し、 R1及びR3は炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素
基、又は、炭素原子数8〜20のアルキル基を示し、R
1及びR3中に占める芳香族炭化水素基の割合は0〜1
00モル%である。 - 【請求項12】 上記軸受本体の内周面に複数の軸受面
を軸方向に相互に離隔して形成すると共に、軸受面間の
領域の内径寸法を、軸受面における動圧溝以外の領域の
内径寸法よりも大きくした請求項7記載の情報機器のス
ピンドルモータ。
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