JP4447096B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結金属などから構成される多孔質体に潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて自己潤滑機能を持たせた焼結含油軸受や、軸受面に設けた動圧溝の動圧効果によって形成された潤滑油膜によって回転軸の摺動面を浮上支持する動圧型多孔質含油軸受等に使用される潤滑油組成物に関し、特にレーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータや磁気ディスクドライブ装置(HDD)用のスピンドルモータのように、高速下で高回転精度が要求される機種や、DVD−ROM、DVD−RAMなどの光ディスク装置あるいはMOなどの光磁気ディスク装置用のスピンドルモータのように、ディスクが載ることによって大きなアンバランス荷重が加わる条件下で高速で駆動する機器などに使用される軸受等に使用される潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような情報機器関連の小型スピンドルモータでは、回転性能のより一層の向上と低コスト化が求められており、そのための手段として、スピンドルの軸受部を転がり軸受から多孔質含油軸受、特に焼結含油軸受に置き換えることが検討されている。しかし、通常の焼結含油軸受は真円軸受の一種であるため、軸の偏心が小さいところでは、不安定振動が発生しやすく、回転速度の1/2の速度で振れ回る、いわゆるホワールが発生しやすい欠点がある。不安定振動が発生すると回転精度が損なわれるため、軸受面にへリングボーン型やスパイラル型などの動圧溝を設け、軸の回転に伴う動圧効果によってラジアル剛性などの軸受機能を高める一方、不安定振動を解消しようとする試みがなされている。これは、動圧型多孔質含油軸受といわれる。
【0003】
一方、焼結含油軸受の含浸油としては、使用中のスラッジの発生が少なく、使用温度範囲が広く、潤滑性が優れ、長寿命であることから、例えば、特開平7−53984号公報に開示されているようなポリ−α−オレフィン系合成潤滑油に各種添加剤を混合したものが使用されている。この潤滑油は焼結含油軸受の専用含浸油として低トルクで初期なじみがよく、耐久性も良好であるなど、優れた特性を持つものであるが、最近の含浸軸受油に要求される必要特性(潤滑性、高温安定性、酸化安定性、低トルク、耐金属性、耐樹脂性など)を満足することができなかった。
【0004】
また、最近では、焼結材料やその周辺に使用されるゴム又はプラスチック材料などに対する適合性も要求され、含浸軸受油に対する要望は益々高くなっている。特に、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータのように数万回転の高速で駆動する場合、低トルクが要求されるため、潤滑油は低粘度のものが使用されるが、従来のポリαオレフィン系合成潤滑油は蒸発量が多く、C10を含む低粘度油ではこの傾向が顕著で、高速・高温雰囲気下では長時間の耐久寿命を満足することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、工業的に使用される含浸軸受の潤滑性、熱・酸化安定性及び回転性能を高め、軸受寿命の延長を図るための潤滑油組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、C12以下を0.1重量%以上含まず、主成分がC20〜36であるポリ−α−オレフィン水素化物とエステルとを重量比で95:5から50:50の範囲で配合した混合油を基油として、これに増粘剤として40℃における動粘度が10cSt以上のポリ−α−オレフィン水素化物、エチレン−α−オレフィン共重合体水素化物及びポリメタクリレートから選ばれるポリマーを含有することを特徴とする潤滑油組成物である。ここで、エステルとしては、ジエステル又はポリオールエステルが好ましいものとして挙げられる。また、本発明は、増ちょう剤、耐摩耗剤、金属不活性剤、防錆剤、蒸発抑制剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を配合してなる前記潤滑油組成物である。更に、本発明は、スピンドルモータのすべり軸受に使用される潤滑油組成物である。
【0007】
先ず、本発明で用いる基油の成分として用いるポリ−α−オレフィン水素化物(以下、PAOと略称する)は平均分子量280〜350のものであり、デセン−1やドデセン−1等のα−オレフィンをルイス酸コンプレックスあるいは酸化アルミニウム触媒等で重合させて得られた重合物を水素化することにより得られるが、本発明で用いるPAOは1−ドデセン又はドデセン−1を原料にしているため、C12以下を殆ど含まず、蒸発性に優れた低粘度油とすることができる。好ましくはC20を主成分とする。
【0008】
また、もう一つの基油の成分であるエステルは、モノエステル(1価アルコールと1価脂肪酸のエステル)、ジエステル(1価アルコールと2価脂肪酸のエステル)、ポリオールエステル(ネオペンチル骨格を有するアルコールと1価脂肪酸のエステル)、コンプレックスエステル(ポリオールエステルを原料に多価脂肪酸を加え、ポリオールを架橋したオリゴマーエステル)などのエステル系合成潤滑油として知られているものであれば、いずれを使用しても差し支えないが、相溶性と低粘度でかつ蒸発特性に優れるポリオールエステル又はセバシン酸ジオクチルのようなジエステルが好ましい。エステルを用いることでPAOの欠点である溶解性を克服でき、更に蒸発特性・潤滑性及びホワールを改善することができる。ホワールの発生については、エステル系合成潤滑油の混合でポリ−α−オレフィンからの泡の発生が抑制されるか、あるいは泡が発生してもすぐに消滅してしまうためと考えられる。エステル系合成潤滑油の混合量は、5重量%以上が望ましい。5重量%未満ではホワールの発生を完全に防止することができないためである。なお、上限は50重量%程度である。
【0009】
本発明で使用する増粘剤としては、エチレン−α−オレフィン共重合体若しくはその水素化物又はポリメタクリレート系のポリマーが挙げられる。エチレン−α−オレフィン共重合体若しくはその水素化物は、例えばエチレンと1−デセン、イソブテン等をルイス酸等の触媒で重合させて得られた重合物を水素化することにより得られる。これらは、数平均分子量(GPC法)が560〜4,000程度のものがあり、数平均分子量1,450以上のものが好ましい。ポリメタクリレート系の平均分子量は20,000〜1,500,000程度である。せん断安定性との関係から平均分子量は20,000〜50,000が好ましい。また、ポリブテン系の平均分子量は5,000〜300,000程度がよい。本発明で使用する増粘剤は、40℃における動粘度が10cSt以上である必要があり、その配合割合は、基油に対して1〜30重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲がよい。かかる増粘剤を用いることで、軸受上部から保油部として機能する空間に溜まった潤滑油をその特異なワイゼンベルグ効果によって再度上部へ送ることが可能となる。
【0010】
本発明の潤滑油組成物は、PAOとエステルからなる基油に少なくとも上記増粘剤を配合したものであればよいが、更に各種添加剤を含むことができる。好適な添加剤としては、増ちょう剤、耐摩耗剤、金属不活性剤、防錆剤、蒸発抑制剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の添加剤が挙げられる。
【0011】
耐摩耗剤としては、公知のものを使用することができるが、耐摩耗性、熱安定性に優れるものがよく、(RO)3PO(但し、Rは、同一又は異なってもよく水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルキレン基若しくはアルコキシ置換アルキル基又は炭素数6〜12のアリール基若しくはアルキル置換アリール基を示すが、全部のRが水素原子であってはならない。)で表されるリン酸エステルを配合することが好適である。このリン酸エステルとしては、例えばリン酸トリオクチルやリン酸トリクレジル等のリン酸トリエステルやリン酸モノオクチルエステル、リン酸ジオクチルエステル等の酸性リン酸エステルやアルキルリン酸エステルアミン塩(一部アミン塩)、亜リン酸エステルなどが挙げることができるが、好ましくはリン酸トリエステルである。リン酸エステルのような耐摩耗剤を使用することで油膜形成能力を増大させることができる。耐摩耗剤として、リン酸エステルを使用する場合、その基油に対する配合割合は、0.1〜10重量%好ましくは0.5〜3重量%である。この配合割合が0.1重量%より少ないと耐摩耗性を改善することができず、10重量%を越えて添加しても大幅な耐摩耗性能力の向上は認められない。
【0012】
本発明の潤滑油組成物はグリースとすることも可能であり、この場合、使用する増ちょう剤としては、石けん系、非石けん系のいずれでもよいが、中でも、ウレア化合物を増ちょう剤とするのが好ましい。ウレアは分子間の相互作用力が強いためにせん断安定性に優れ、金属表面に吸着しやすく潤滑効果を高める効果がある。ウレア化合物はその化合構造式中に−NHCONH−を有するものであり、例えばモノウレア、ジウレア、トリウレア等がある。モノウレアはモノアミンとモノイソシアネートの反応から、ジウレアはモノアミンとジイソシアネートの反応から、トリウレアはモノアミンとトリレンジイソシアネートと水の反応によってそれぞれ得られる。ウレア化合物の中でも原料の入手性及び製造性の面から次式で示されるジウレアが好適である。
1−NHCONH−R2−NHCONH−R3
(但し、R1〜R3は炭化水素基を示す。)
【0013】
上式で表されるウレア化合物のR1及びR3中に占める芳香族炭化水素基の割合を0〜100モル%の間で調整することで、ミセルの構造を自由に変化させることができる。動圧型多孔質軸受の場合、開孔率などを調整することで、圧力降下や発熱を抑制することが可能であることを先に述べたが、より高性能な動圧型多孔質含グリース軸受を得るためには、潤滑グリースのミセル構造を自由に変化させることができればより一層耐久性を向上させることができる。軸振れや油漏れを抑制する場合には、R1及びR3中に占める芳香族炭化水素基の割合を多くすることで対応できる。芳香族炭化水素基の割合が多いほど、ウレアのミセルは太くて短くなる。そのため、同一粘性を持つ他の増ちょう剤と比べて、増ちょう剤量が多くなり、軸振れや耐久性を向上させることができる。一方、低電流性能を要求された場合、短繊維・極太系のミセルは逆効果となり、発熱の原因となる場合がある。その場合、R1及びR3の芳香族炭化水素基のモル%を低減することで増ちょう剤量を少なくできるため、低電流値化に対応可能となる。よって、ウレア化合物を動圧型多孔質含グリース軸受に用いることで、広範囲の要求性能を満足することができる。また、R1及びR3中に含まれる芳香族炭化水素基を動圧型多孔質含グリース軸受が使用される用途に合わせて調整することができることはいうまでもない。
【0014】
ウレア化合物は、イソシアネートとモノアミンの反応によって得られるが、使用されるイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6―トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4‘−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートやトリレンジイソシアネート、トリアジン誘導基及びこれらの混合物が挙げられる。また、モノアミンとしては、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、クロロアニリン等の芳香族アミン及びオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコデシルアミン等の脂肪族アミンやシクロヘキシルアミンが挙げられる。
【0015】
本発明において用いる防錆剤としては、防錆剤として知られているものであればよいが、カルボン酸エステルが好ましく、カルボン酸エステルとしては、格別の制限はないが、アミノ基を有する脂肪族カルボン酸のエステルが好ましい。例えば、アミノコハク酸エステルやその誘導体などが好適である。このカルボン酸エステルは、潤滑油の耐摩耗性を阻害することなく十分な防錆性を発揮する。その他の防錆剤としては、有機スルホン酸亜鉛塩等があり、例えば、ジノニルナフタレンスルホン酸亜鉛塩が好適なものとしてある。防錆剤を使用する際、キャリアを使用することがあるが、キャリアとして鉱油を用いるとスラッジが多く発生したり、潤滑性能が低下するため、本発明においてはポリ−α−オレフィンをキャリアとして用いることがよい。具体的な、防錆剤としては、キングインダストリーズ社製NA−SUL ZS/PAOなどが挙げられる。防錆剤の基油に対する添加量は、0.01〜3.0重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%である。防錆剤の添加量が0.01重量%より少ないと防錆効果がなく、3.0重量%を越えると濁りが発生し、品質不良が発生するため好ましくない。
【0016】
また、本発明の潤滑油組成物には、金属不活性剤を配合することができる。金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体が代表的なものであるが、その他にイミダゾリン、ピリジン誘導体がある。これらは、少なくともN−C−N結合を有する化合物中に効果のあるものが多く、金属表面に不活性皮膜を作る作用と酸化防止作用を有する。これ以外では、N−C−S結合を有する化合物もあるが、基油への溶解性及び揮発性などから、ベンゾトリアゾール誘導体などが有効である。金属不活性剤の配合割合は、基油に対して0.01〜5重量%の範囲がよい。
【0017】
更に、本発明の潤滑油組成物には、酸化防止剤を配合することができる。酸化防止剤としては、遊離基連鎖反応停止剤として働くフェノール系、アミン系あるいは過酸化物分解剤として働く硫黄系酸化防止剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤を単独又は混合して用いることができるが、好適な酸化防止剤としてはアミン系とフェノール系を併用することが好ましい。フェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル4−n−ブチルフェノールが挙げられる。蒸発特性及び基油との相溶性の点からは、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)が好適である。また、アミン系酸化防止剤としては、p,p'-ジオクチルジフェニルアミンやフェニル−α−ナフチルアミンが挙げられる。なお、この酸化防止剤は蒸発抑制剤的作用を有することが好ましく、この蒸発特性及び基油との相溶性の点からは、p,p'-ジオクチルジフェニルアミンが好適である。その配合量は、基油に対しての溶解性を考慮して、基油に対して、アミン系酸化防止剤0.1〜5重量%、フェノール系酸化防止剤0.1〜5重量%が好ましい。単独使用の場合は、アミン系酸化防止剤0.1〜5重量%が好適である。
【0018】
本発明の潤滑油組成物には、上記の添加剤の他に、必要に応じて、その他の各種添加剤を配合することもできる。例えば、本発明の潤滑油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、流動点降下剤、無灰系分散剤、金属系清浄剤、油性剤、界面活性剤、消泡剤、摩擦調整剤などを用途に応じて配合することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の潤滑油組成物は、焼結金属などから構成される多孔質体に潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて自己潤滑機能を持たせた焼結含油軸受や、軸受面に設けた動圧溝の動圧効果によって形成された潤滑油膜によって回転軸の摺動面を浮上支持する動圧型多孔質含油軸受等に好適に使用することができるが、特に、スピンドルモータのすべり軸受用に好適である。本発明の潤滑油組成物は、これらの軸受等に含浸させて使用することができる。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた各成分の略号は次のとおりである。また、配合割合は重量%で示されている。また、%は重量%である。C10は、炭素数が10であることを意味する。
PAO3:ポリ−α−オレフィン水素化物(オロナイト・ジャパン社製:PAO3、C20:97%、C30:3%)
PAO2:ポリ−α−オレフィン水素化物(オロナイト・ジャパン社製:PAO2、C10:0.2%、C20:96.5%、C30:3.3%)
PMMA(50℃動粘度:18930mm2/s)
RC:エチレン−α−オレフィン共重合体水素化物(40℃動粘度:1000mm2/s)
TP:リン酸トリクレジル(耐摩耗剤)
TA:亜リン酸エステル(耐摩耗剤)
L57:p,p'-ジオクチルジフェニルアミン(酸化防止剤)
DOS:ジエステル(HATCO社製:H3110)
Zn:ジノニルナフタレンスルフォン酸亜鉛塩(防錆剤)
BTA:ベンゾトリアゾール誘導体(金属不活性剤)
DU:ジウレア化合物(増ちょう剤)
【0021】
実施例1〜7、比較例1〜5
表1に示す各成分を配合して実施例1〜5及び比較例1〜6の潤滑油組成物(以下、潤滑油という)を調整した。なお、実施例5及び比較例5は、潤滑油添加剤が実施例1及び比較例1と同じ配合組成であるが、増ちょう剤の添加効果を確認するために実施した。また、表1中の「Bal」は、全体を100として、数値表示したもの以外の残りがそのものであることを表している。
【0022】
【表1】
Figure 0004447096
【0023】
これら潤滑油について、ASTM D2783−88に記載されている試験機を用いて評価を行った。試験条件は、回転数9,000rpm、負荷荷重10kg(平均圧力;14,650kg/cm2、すべり速度;3.46m/sec)で、測定項目として、摩耗痕径(mm)の測定を実施した。試験球の材質は上部球にSUJ2を使用し、下部球の3つは黄銅のものを使用した(評価時間は30分)。蒸発性は100℃×24時間の環境下に供試油を置き、蒸発量を測定した。防錆試験は、JIS K2246湿潤試験方法に準拠して実施し、焼結含油軸受に試料を含油させて300時間後の錆の発生有無を確認した。
試験結果を表2に示す。表2中の発生状況とは、湿潤試験における軸受外観の状態であり、少しでも発錆が認められた場合は「有り」とした。また、摩耗痕径の結果を表す数値は、摩耗痕径が0.5mm以下であれば合格と判定した。蒸発量については、10%以下を合格と判定した。なお、上記判定基準は、規格化されたものではないが、長年の蓄積データから得たものであり、この判定基準を合格しないものは実際には使用できないとの知見を得ている。
【0024】
【表2】
Figure 0004447096
【0025】
実施例及び比較例に示すように、耐摩耗剤を添加することで摩耗特性を改善することができる。一方、比較例1から5の潤滑油は、添加剤組成が実施例と同等であるが、基油に用いるPAOの性能の影響で、蒸発量が規格外となっている。C20主体のPAOを用いることで、最大の問題である蒸発量を1/4に抑制でき、スピンドルモーターの寿命延長に寄与することが可能となる。また、増ちょう剤を添加しても、諸性能に悪影響を与えないことが確認された。
なお、添加剤を含まない比較例6は全ての性能を満足することはできなかった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の潤滑油組成物は、蒸発量を抑制し、耐摩耗性及び防錆性能等の諸特性を向上させることができる。従って、スピンドルモーターに用いる焼結含油軸受等の非常に簡易な構造であっても良好な特性を得ることができ、焼結含油軸受及びその装着装置の設計の容易性及び信頼性を向上させることができる。更に、本発明の潤滑油組成物に、粘度指数向上剤、金属不活性剤、酸化防止剤等を配合することによって、特に蒸発量などを一層向上させることができる。

Claims (5)

  1. C12以下を0.1重量%以上含まず、主成分がデセン−1又はドデセン−1を重合させて得られた重合物を水素化することにより得られる平均分子量280〜350であるポリ−α−オレフィン水素化物とエステルとを重量比で95:5から50:50の範囲で配合した混合油を基油として、これに増粘剤として40℃における動粘度が10cSt以上のポリ−α−オレフィン水素化物、エチレン−α−オレフィン共重合体水素化物及びポリメタクリレートから選ばれるポリマーを含有することを特徴とする潤滑油組成物。
  2. C12以下を0.1重量%以上含まず、主成分がC20であるポリ−α−オレフィン水素化物とエステルとを重量比で95:5から50:50の範囲で配合した混合油を基油として、これに増粘剤として40℃における動粘度が10cSt以上のポリ−α−オレフィン水素化物、エチレン−α−オレフィン共重合体水素化物及びポリメタクリレートから選ばれるポリマーを含有することを特徴とする潤滑油組成物。
  3. エステルが、ジエステル又はポリオールエステルである請求項1又は2記載の潤滑油組成物。
  4. 増ちょう剤、耐摩耗剤、金属不活性剤、防錆剤、蒸発抑制剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  5. スピンドルモータのすべり軸受用である請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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