JPH11336688A - 自吸式ポンプ - Google Patents

自吸式ポンプ

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Publication number
JPH11336688A
JPH11336688A JP16132398A JP16132398A JPH11336688A JP H11336688 A JPH11336688 A JP H11336688A JP 16132398 A JP16132398 A JP 16132398A JP 16132398 A JP16132398 A JP 16132398A JP H11336688 A JPH11336688 A JP H11336688A
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JP
Japan
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impeller
priming
self
liquid
pump
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP16132398A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Hoshina
哲夫 保科
Eidai Kumagai
英大 熊谷
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Publication date
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Publication of JPH11336688A publication Critical patent/JPH11336688A/ja
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自吸効率とポンプ効率の両方を共により高性
能なものとし、特に、従来技術に比して自吸効率をアッ
プさせること。 【解決手段】 自吸式ポンプ1は、液体を吸引する吸引
口23及び液体を吐出する吐出口を有し、自吸過程にお
いて気液混合体を液体と空気とに分離するように形成さ
れたタンク室2と、タンク室2と仕切り板18によって
仕切られると共にインペラ3が回転自在に格納されたポ
ンプ室4とから構成されたポンプ部5と、ポンプ室4内
に格納されたインペラ3を回転駆動するための駆動モー
タ6から構成されている。インペラ3は、2枚の平板状
部材30,31と、これらを重ねる方向に所定間隔あけ
て連結する複数の羽根部材から主に構成されており、平
板状部材30,31の間は液体が通る複数の流体通路3
4となっている。そして、仕切り板18側の平板状部材
30には、流体通路34と通じる透孔36が形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を汲み上げる
自吸式ポンプに関し、特に、浴槽等の液体源に接続され
液体を汲み上げると共に、汲み上げた液体を熱交換器等
に供給し、再度浴槽等の液体源に還流させるに好適な自
吸式ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、風呂等の液体源の液体を熱す
るための熱交換器や、液体を浄化するための浄化フィル
ター等に液体を通過させるために、水や湯等の液体を汲
み上げる装置として、図11及び図12に示すような、
自吸式ポンプ111が提案されている(特開平3−43
695号公報参照)。この自吸式ポンプ111は、図1
1に示すように、モータケース112に格納された駆動
モータ(図示省略)と、第1ケース113で形成された
タンク室114及び第2ケース115で形成されたポン
プ室116からなるポンプ部117から主に構成されて
いる。なお、ポンプ室116には、駆動モータによって
駆動されるインペラ118が、回転自在に格納されてい
る。
【0003】なお、モータケース112と第2ケース1
15とは、地板119を挟んで固定されている。また、
第1ケース113と第2ケース115とは、仕切り板1
20を挟んで固定されており、この仕切り板120によ
ってタンク室114とポンプ室116とが分離されてい
る。
【0004】タンク室114は、隔壁121によって液
体を吸引するための吸引室122と、液体を吐出すると
共に自吸過程において気液分離する吐出室123とに分
けられている。吸引室122には、液体を液体源よりタ
ンク室114内へ吸引するための吸引口122aが設け
られている。また、吐出室123には、タンク室114
内に吸引した液体を熱交換器等へ吐出するための吐出口
(図示省略)が設けられている。なお、熱交換器等と液
体源とが連通されることにより、自吸式ポンプ111で
吸い上げられた液体が循環するようになっている。
【0005】また、ポンプ室116は、分離壁124に
よって、インペラ室125と、このインペラ室125に
連通されている貯水室126とに分けられている。イン
ペラ室125内には、仕切り板120に一端を固定され
た固定軸127が立設されている。この固定軸127に
は、インペラ118が回転自在に支承されている。
【0006】一方、仕切り板120には、導入口128
と、導出口129と、還流孔130とが形成されてお
り、各々ポンプ室116とタンク室114とを挿通させ
たものとなっている。これらの構成により、吸引室12
2内の液体は、導入口128を通ってインペラ室125
内に吸引され、インペラ室125より貯水室126を経
由して導出口129を通って吐出室123へ吐出される
ようになっている。また、吐出室123へ吐出された液
体は、還流孔130を通ってインペラ室125へ還流さ
れるようになっている。
【0007】一方、インペラ118は、内部空間内に液
体を取り込んで外周端側から排出するいわゆるクローズ
ブレード方式のものとなっている。この構成は、ポンプ
効率を上げて揚程を高くするための一般的な構成となっ
ている。このインペラ118は、図11及び図12に示
すように、円筒状の回転筒部131と、この回転筒部1
31を挿通固定した円盤形状の基板132とを有してお
り、固定軸127に回転筒部131が挿入されて回転自
在に支承されている。このインペラ118は、モータケ
ース112内に配置されたモータ回転軸133に回転体
133aを介して固定された駆動マグネット134に、
地板119を隔ててインペラ室125内で対向配置され
ている。そして、インペラ118は、内部に配置した従
動マグネット118aの磁気吸引力によって駆動マグネ
ット134の回転に、従動して回転するようになってい
る。
【0008】また、基板132の仕切り板120と対向
する側の面には、液体や空気等を撹拌する複数の羽根部
材135が立設されている。この複数の羽根部材135
の端面には、内周側に流体の取り込み口136を有する
とともに基板132と略同じ外周径を有する円盤状部材
137が固定されている。すなわち、基板132と円盤
状部材137とは、複数の羽根部材135によって連結
されており、基板132と円盤状部材137との間はイ
ンペラ118の内部空間となっている。また、インペラ
118の内部空間には、複数の羽根部材135によって
仕切られた複数の流体通路138が形成されている。こ
の複数の流体通路138は、径方向内周側が取り込み口
136と連通されていると共に、径方向外周側はインペ
ラ118の外周端側に開放されている。
【0009】なお、この各流体通路138の円盤状部材
137側の部分には、切込み139が各々形成されてい
る。この切込み139は、自吸過程において吐出室12
3からインペラ室125へ還流してきた液体を空気と良
く混合することにより自吸効率を高めるためのものとな
っている。
【0010】上述したように構成された自吸式ポンプ1
11は、ポンプ部117内に所定量の呼び水を貯めた状
態でインペラ118を回転させることによって、呼び水
と空気とを撹拌しながら呼び水をポンプ部117内の各
室に循環させると共に空気を吐出させることによって、
液体源の液体をポンプ部117へ吸い上げる自吸過程を
経て揚水動作を開始するものとなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来より自吸式ポンプ
は、ポンプ効率を高め揚程を高くとると共に、自吸効率
を高めて自吸時間を短縮化するという課題を有している
が、一般的には、自吸効率とポンプ効率とは、相反する
ものとなっている。すなわち、自吸効率を高めるために
は、呼び水と空気とを良く撹拌するための部材が必要と
なる。しかしながら揚水動作に移った際に、その撹拌用
の部材がポンプ効率の点ではマイナスの要素となる。そ
こで、上述の自吸式ポンプ111は、自吸効率とポンプ
効率の両面において、一応は妥協可能な構成を有するも
のとなっている。
【0012】すなわち、自吸式ポンプ111では、液体
をインペラ118の内部空間内の狭い空間を通過させる
「クローズブレード方式」を採用することによりポンプ
効率を高めている。また、自吸式ポンプ111は、イン
ペラ118の外周に撹拌用の切込み139を備えたこと
により自吸効率を高めたものとなっている。しかしなが
ら、自吸式ポンプ111では、自吸効率及びポンプ効率
の両面である所定レベルの効果は得られるものの、特
に、自吸効率についてはそれ程満足のいくものとはなっ
ていない。
【0013】本発明の目的は、上述した問題に鑑みて、
自吸効率とポンプ効率の両方を共により高性能なものと
し、特に、従来技術に比して自吸効率をアップさせた自
吸式ポンプを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の自吸式ポンプは、液体を吸引するた
めの吸引口及び吸引した液体を吐出するための吐出口を
有するタンク室と、仕切り板によってタンク室と仕切ら
れると共に内部に液体を送るためのインペラを回転自在
に格納したポンプ室とを備えたポンプ部と、インペラを
回転させるための駆動モータと、から構成され、ポンプ
部内に所定量の呼び水を溜めた状態でインペラを回転さ
せることにより、呼び水と空気とを撹拌しながらタンク
室とポンプ室との間で循環させると共に空気をタンク室
で呼び水と分離させて外部へ吐出させる自吸過程を経て
揚水動作を行う自吸式ポンプにおいて、インペラは、2
枚の平板状部材と、これら2枚の平板状部材を重ねる方
向に所定間隔あけて連結すると共に自吸過程において呼
び水と空気とを撹拌する複数の羽根部材と、2枚の平板
状部材のうち仕切り板側に配置される平板状部材に設け
られ吸引室内の液体をインペラ内部に取り込む取り込み
口と、2枚の平板状部材及びそれぞれ隣接する2つの羽
根部材によって囲繞されると共に一方側を取り込み口へ
開放させ他方側をインペラの外周端側へ開放させ液体を
取り込み口からインペラの外周端側へ送る複数の流体通
路と、を有し、仕切り板側に配置された平板状部材に流
体通路と通じる透孔を形成している。
【0015】請求項1記載の自吸式ポンプによれば、イ
ンペラが、液体を回転中心から取り込み外周端方向へ送
る、いわゆるクローズブレード方式のものとなっている
ためポンプ効率が高くなる。それに加え、インペラの仕
切り板側に流体通路と通じる透孔が形成されているた
め、インペラの回転によりさらに強い負圧が発生し液体
を強い力で吸い込む。しかも、この透孔は、一旦インペ
ラ内に取り込まれた液体の移動を阻害しない。さらに透
孔は、自吸過程では、還流孔からインペラ方向へ還流さ
れてきた呼び水を空気と良く撹拌する。
【0016】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の自吸式ポンプにおいて、透孔を、インペラの外周
端近傍に形成している。このため、透孔がより大きい軌
道で回転することとなり、自吸過程において、さらに効
率よく呼び水と空気とを撹拌するものとなる。
【0017】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
または2記載の自吸式ポンプにおいて、隣接する2つの
羽根部材の間に、複数の流体通路の各々をさらに複数の
流体通路に分割すると共に、自吸過程において羽根部材
と共に呼び水と空気とを撹拌する補助羽根を1つまたは
複数設け、かつ透孔を羽根部材とこの羽根部材のインペ
ラの回転方向前側に隣接する補助羽根との間に形成され
た流体通路に通じるものとしている。
【0018】そのため、透孔を通過してインペラの内部
に浸入する液体が、インペラの内部で羽根部材に素早く
ぶつかり撹拌される。この結果、自吸過程において、液
体と空気とが、より効率よく撹拌されるものとなってい
る。しかも、自吸過程において、呼び水と空気とが、羽
根部材に加え、補助羽根及び透孔によっても撹拌される
こととなる。
【0019】さらに、請求項4記載の発明によれば、請
求項1,2または3記載の自吸式ポンプにおいて、透孔
の直径を、その透孔が通ずる流体通路の幅長の20%〜
80%としているので、自吸過程において、呼び水と空
気とが良く撹拌されると共に、その撹拌時に起きるノイ
ズの低減が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の自吸式ポンプの実施の形
態について、図1から図10を用いて説明する。自吸式
ポンプ1は、図1に示したように、タンク室2と、イン
ペラ3を回転自在に格納したポンプ室4とを備えたポン
プ部5と、インペラ3を回転させるための駆動モータ6
と、から構成されている。自吸式ポンプ1は、ポンプ部
5内に所定量の呼び水を溜めた状態でインペラ3を回転
させることにより、呼び水と空気とを撹拌しながらタン
ク室2とポンプ室3との間で循環させると共に、空気を
タンク室2で呼び水と分離させて外部へ徐々に吐出させ
る自吸過程を経た後、液体源の液体を吸い上げる揚水動
作へ移るものとなっている。
【0021】この自吸式ポンプ1は、液体の貯めてある
液体源(図示省略)と、液体を暖めるための熱交換器
(図示省略)とにそれぞれ連結されている。そして、自
吸式ポンプ1は、インペラ3の回転力によって液体源の
液体をポンプ部5内に吸い上げ、この液体をポンプ部5
から熱交換器に供給するための自吸式電動ポンプとなっ
ている。
【0022】ポンプ部5は、タンク室2を構成する第1
ケース7と、ポンプ室4を構成する第2ケース8の2つ
のケース半体同士を突き合わせて連結固定して形成され
た1つのケース体で構成されている。すなわち、第1ケ
ース7は、図2に示すように、第2ケース3に対して6
ヶ所の固定部9a〜9fでネジ等を利用して固定されて
いる。また、第2ケース8の第1ケース7と対向してい
ない側の面には、駆動モータ6を固定するためのモータ
固定部10が形成されている。さらに、第2ケース8に
は、この自吸式ポンプ1を他の装置にネジ止め固定する
ための固定部8aが設けられている。
【0023】このモータ固定部10は、図1に示すよう
に、ポンプ部5内と駆動モータ6側とを完全に隔離する
ための円形の壁11と、この壁11の外周縁部分から駆
動モータ6側へ突出するように形成された側壁12から
構成されている。なお、壁11は、側壁12のポンプ部
5側にゴムシール11aと共に挟持されており、ポンプ
部5内の液体が駆動モータ6側へ漏れるのを防止するよ
うになっている。この壁11の中央部分には、後述する
固定軸13の一端をネジ止め固定するためのネジ11b
を挿通させるためのネジ孔11cが形成されている。
【0024】一方、側壁12の端面には、駆動モータ6
を格納するモータケース14にビス14aで固定された
地板15が嵌合固定されるようになっている。この構成
により、駆動モータ6は、ポンプ部5の内部空間とは完
全に隔離された状態で第2ケース8に固定されているこ
ととなる。なお、側壁12の内側、壁11及び地板15
によって画成された空間は、駆動モータ6によって回転
駆動される駆動マグネット16を回転自在に格納するた
めのマグネット格納部17となっている。
【0025】また、この第1ケース7と第2ケース8と
の間には、ポンプ部5の内部空間をタンク室2とポンプ
室4とに仕切るための金属製の仕切り板18及び液漏れ
防止用のゴムパッド19が挟持されている(図1参
照)。すなわち、タンク室2は、第1ケース7と、ゴム
パッド19(及び仕切り板18)とで仕切られた空間と
なっている。また、ポンプ室3は、第2ケース8と、仕
切り板18(及びゴムパッド19)とで仕切られた空間
となっている。
【0026】仕切り板18には、図3に示すように、タ
ンク室2とポンプ室4とを挿通させるための導入口18
a、導出口18b及び還流孔18c,18cが形成され
ている。また、ゴムパッド19にも、仕切り板18の導
入口18a、導出口18b及び還流孔18c,18cと
重なる位置に導入口19a、導出口及び還流孔(共に図
示省略)がそれぞれ形成されている。
【0027】導入口18aは、ポンプ部5内に吸引した
液体や空気をタンク室2内の吸引室20からポンプ室4
に導入するためのものとなっている。また、導出口18
bは、ポンプ室4に導入された液体や、自吸過程におい
て形成される空気と液体との混合体、すなわち気液混合
体を、ポンプ室4からタンク室2内の吐出室21へ導出
するためのものとなっている。また、還流孔18cは、
自吸過程において、ポンプ室4からタンク室2へ気液混
合体として導出され、タンク室2で空気と分離された液
体を、再びポンプ室4に還流させるためのものとなって
おり、インペラ3の外周端近傍部分にその液体が戻るよ
うな位置に設けられている。
【0028】また、ゴムパッド19は、ポンプ部5の内
部空間内の液体が第1ケース7と第2ケース8とのつき
合わせ部分からポンプ部5の外部に漏れるのを防止する
と共に、タンク室2とポンプ室4の相互間の液体の漏れ
を防止するために設けられている。
【0029】また、タンク室4の内部には、図2に示す
ように、第1ケース7の内部側表面からゴムパッド19
側に向かって延出された分離板22が設けられている。
この分離板22の端部は、ゴムパッド19に密着してい
る。そして、タンク室2は分離板22によって、液体を
吸引するための吸引室20と、液体を吐出すると共に自
吸過程において気液混合体を液体と空気とに分離する吐
出室21とに分離されている。
【0030】タンク室2の吸引室20には、液体源の液
体をポンプ部5内に吸引するための吸引口23が設けら
れている。この吸引口23は、ポンプ部5の吸引室20
と外部とを挿通する口部23aと、この口部23aの内
周端より第1ケース7の外部に延出されてパイプ(図示
省略)と接続される突出部23bとからなっている。そ
して、この吸引口23にパイプの一端を接続させると共
に、パイプの他端を液体源に接続することによって、ポ
ンプ部5は液体源と連通される。また、吸引室20は、
導入口18a,19aによってポンプ室4と連通されて
おり、吸引室20に吸引された液体はポンプ室4へ送り
こまれるようになっている。
【0031】また、吸引室20内には、第1ケース7の
内側表面より第2ケース8側に突出するように形成され
た円柱軸24が立設されている。この円柱軸24の先端
部分は、導入口18a,19a内に進出している。この
円柱軸24の先端部分には、嵌合凹部25が設けられて
いる。なお、第2ケース8側には、液体を送るためのイ
ンペラ3を回転自在に支承する固定軸13が設けられて
おり、この固定軸13の一端に形成された段部13aが
円柱軸24の嵌合凹部25に嵌まるようになっている。
なお、固定軸13の他端は、駆動モータ6側の仕切りと
なる壁11を挿通するネジ11bによって壁11に固定
されている。
【0032】また、タンク室2の吐出室21には、熱交
換器側へ液体を吐出するための吐出口26が設けられて
いる。この吐出口26は、吸引口23と同様に、ポンプ
部5の吐出室21と外部とを挿通する口部26aと、こ
の口部26aの内周端より第1ケース7の外部に延出さ
れた突出部26bとからなっている。そして、この吐出
口26にパイプ(図示省略)の一端を接続させると共
に、パイプの他端を熱交換器に接続することによって、
ポンプ部5は熱交換器と連通される。
【0033】さらに、吐出室21は、導出口18bによ
ってポンプ室4と連通されており、液体がポンプ室4か
ら導出されるようになっている。また、吐出室21は、
還流孔18c,18cによってもポンプ室4と連通され
ており、自吸過程において空気と分離された液体を、再
びポンプ室4へ還流させるようになっている。
【0034】一方、ポンプ室4の内部は、図4に示すよ
うに、駆動モータ6の駆動マグネット16に従動するイ
ンペラ3を回転自在に格納しているインペラ室27と、
このインペラ室27に連通している貯水室28とに分離
されている。インペラ室27の中央部分には、両端をそ
れぞれ固定された固定軸13が設けられている。この固
定軸13には、インペラ3が回転自在に支承されてい
る。
【0035】また、インペラ室27は、導入口18a,
19aによって吸引室20と連通されている。そのた
め、インペラ3が回転すると、吸引室20内の液体及び
空気が、導入口18a,19aよりインペラ室27へ吸
込まれるようになっている。また、インペラ室27は、
還流孔18c,18cによって吐出室21と連通されて
いる。そのため、自吸過程において、吐出室21で空気
と分離された液体が、還流孔18c,18cよりインペ
ラ室27へ還流されるようになっている。
【0036】一方、貯水室28は、導出口18bによっ
て吐出室21と連通されており、インペラ室27から貯
水室28へ送られてきた液体は、導出口18bより吐出
室21へ導出されるようになっている。また、貯水室2
8内には、インペラ室27から送られてきた液体を導出
口18bへスムーズに導くための案内壁29が設けられ
ている。なお、自吸過程においては、インペラ室27で
液体と空気とが混合されて生じた気液混合体が、この貯
水室28を通過していくこととなる。
【0037】インペラ3は、インペラ室27内の固定軸
13に回転自在に支承されている。インペラ3は、図1
及び図4から図7に示すように、インペラ室27の内径
より僅かに小さな同じ外径を有する2枚の円形の平板状
部材30,31を重ねる方向に所定間隔を設けて連結し
た形状となっている。そして、インペラ室27内で仕切
り板18側に配置された平板状部材30の回転中心位置
には、タンク室2の吸引室20内の液体をインペラ3内
部へ取り込むための取り込み口32が設けられている。
なお、この取り込み口32の設置位置は、平板状部材3
0の回転中心に限定されるものではなく、後述する複数
の流体通路34の各々に通じるように設ければよい。し
かしながら、自吸効率及びポンプ効率の両面から見て、
平板状部材30の回転中心位置に設けるのが望ましい。
【0038】2枚の平板状部材30,31は、自吸過程
において呼び水と空気とを撹拌し気液混合体を生成する
複数の羽根部材33によって連結されている。これらの
羽根部材33は、各々インペラ3の取り込み口32より
回転中心に近い位置からインペラ3の外周方向に向かっ
て回転方向(図5において反時計回り)に合わせて螺旋
状に放射するように形成されている。なお、2枚の平板
状部材30,31及び隣接する羽根部材33,33によ
って囲繞された各空間は、液体を取り込み口32からイ
ンペラ3の外周端側へ送る流体通路34となっている。
すなわち、このように形成された複数の流体通路34の
各々は、一方側を取り込み口32へ開放させていると共
に、他方側をインペラ3の外周端側へ開放させており、
取り込み口32側が液体の入り口34a、外周端側が出
口34bとなっている。
【0039】すなわち、各流体通路34は、入り口34
aから出口34bまでの区間を、両平板状部材30,3
1と各羽根部材33によって完全に隔離されており、液
体はこの狭い各流体通路34内を強い圧力を受けながら
通過することとなる。したがって、吸引室20内の液体
は、取り込み口32からインペラ3内に取り込まれ、流
体通路34の入り口34a及び出口34bを通って、効
率よくインペラ3の外周端側に排出されるようになって
いる。
【0040】また、各流体通路34には、各流体通路3
4を、さらに3つの流体通路となる流路34c,34
d,34eに分割すると共に、自吸過程において複数の
羽根部材33と共に呼び水と空気とを撹拌し気液混合体
を生成する第1補助羽根35aと第2補助羽根35bと
が設けられている。これらの第1補助羽根35a及び第
2補助羽根35bも、羽根部材33と同様に、外周方向
に向かって回転方向(図4において反時計回り)に合わ
せて螺旋状に放射するように形成されている。なお、第
1補助羽根35aの長さは、羽根部材33の約2/3程
度の長さとなっており、流体通路34の入り口34aか
らインペラ3の外周端まで形成されている。また、第2
補助羽根35bの長さは、羽根部材33の約1/3程度
の長さとなっており、流体通路34の途中部分からイン
ペラ3の外周端まで形成されている。
【0041】このように形成された各羽根部材33と各
第2補助羽根35bと挟まれて形成された各流路34
e、すなわち各羽根部材33のインペラ3の回転方向前
方に配置された流路34eのインペラ3の外周端近傍の
各々には、インペラ3の仕切り板18側の外部と通じる
円形の透孔36がそれぞれ設けられている。すなわち、
各透孔36は、平板状部材30に形成され、流体通路と
なる各流路34eに通ずるものとなっている。これらの
各透孔36は、自吸式ポンプ1の自吸効率及び揚程を高
めるためのものとなっている。以下、図8及び図9を用
いて、透孔36と自吸効率及び揚程との関係を説明す
る。
【0042】図8は、(1)インペラ3の平板状部材3
0に透孔36を設けなかった場合と、透孔36をそれぞ
れ(2)第2補助羽根35bの前方、(3)第1補助羽
根35aの前方、(4)羽根部材33の前方(=羽根部
材33と第1補助羽根35aとの間)へ設けた場合との
自吸効率及びポンプ効率について、それぞれ比較したグ
ラフとなっている。この図8によると、インペラ3に透
孔36を全く設けなかった場合より、透孔36を、上述
の(2)(3)(4)のいずれかに設けた方が、自吸時
間が短縮されると共に揚程が高くなる。すなわち、自吸
効率及びポンプ効率が高くなる。なお、上述の(2)
(3)(4)を比較すると、(4)のように、透孔36
を羽根部材33の前方へ設けた場合が、最も自吸効率及
びポンプ効率ともに高いので、本実施の形態では、この
(4)の構成を採用している。
【0043】また、図9は、透孔36を羽根状部材33
の前方へ設けた場合の、その透孔36の孔径(図5に示
すL1)の流路幅(透孔36の設けられた位置における
羽根部材33と第1補助羽根35aとの距離で図5に示
すL2)に対する割合(%)と、自吸効率及びポンプ効
率並びにインペラ3に発生するノイズとの関係を、それ
ぞれ示したグラフとなっている。この図9によると、透
孔36の孔径L1の比率を流路幅L2に対して高めるに
従い、インペラ3のノイズは高くなる。また、自吸効率
は、孔径L1の比率が高くなるに従い、徐々に高くなる
(自吸時間が短縮される)。なお、流路幅L2に対する
孔径L1の比率が40%を超えると、自吸効率の高くな
る割合が徐々に低下する。さらに、ポンプ効率は、流路
幅L2に対する孔径L1の比率が高くなるに従い、徐々
に高くなる(揚程が高くなる)が、ある比率(約65
%)を超えると、逆に急激に低下する。
【0044】なお、この実施の形態では、このような結
果から、ノイズのレベル及び自吸効率並びにポンプ効率
を総合的に判断し、透孔36を各羽根部材33の回転方
向前方にそれぞれ設け、その各透孔36の孔径L1を、
透孔36が設けられた位置における流路34eの幅長L
2の40%とした。なお、この比率は、図8及び図9に
示されるように20%〜80%の範囲であれば、従来の
ものに比べかなり改善されたポンプとなる。透孔36の
直径となる孔径L1を、このような値にすると、自吸効
率及びポンプ効率の面で高い効果が得られると共に、ノ
イズに関してもかなり低いものに抑えることが可能とな
る。しかしながら、本発明では、透孔36の孔径L1
は、特に上述した値でなくてもある程度の効果を有する
こととなるので、他の値としてもよい。
【0045】また、この実施の形態では、透孔36の位
置に関しても、特に上述したものに限定するものではな
く、例えば、図10に示すように透孔36を羽根部材3
3の前方のみでなく、第1補助羽根35a及び第2補助
羽根35bの各前方にそれぞれ設けたり、あるいは第1
補助羽根35aの前方のみ、または第2補助羽根35b
の前方のみ等種々の位置に設けることができる。なお、
透孔36の数や場所によっては、インペラ3のノイズが
高くなってしまう場合もあるが、透孔36の孔径L1を
小さくすることによってノイズのレベルを低く抑えるこ
とが可能となる。
【0046】このように形成された透孔36は、自吸過
程においては、各羽根部材33、第1補助羽根35a及
び第2補助羽根35bと共に、呼び水と空気とを撹拌し
気液混合体を生成するものとなっている。また、透孔3
6は、自吸過程後の揚水動作時には、インペラ室27内
の負圧を高め、これによってインペラ室27内の液体の
吸引力を高めるためのものとなっている。
【0047】なお、平板状部材30の外周端部分で、か
つ羽根部材33の外側端となっている位置には、切欠き
形状で形成された切欠部37が形成されている。なお、
この切欠部37は、それぞれインペラ3の外周端より回
転中心方向に向かって切欠かれた形状を有している。こ
の切欠部37は、タンク室2の吐出室21で空気と分離
されて、還流孔18c,18cからインペラ室27の外
側に還流されてきた液体と、インペラ室27内の空気と
を撹拌し混合するためのものとなっている。なお、還流
孔18c,18cは、自吸過程において液体を効率よく
空気と混合するために、インペラ室27の外側に対応す
る位置、すなわち切欠部37の回転軌跡の近傍に設けら
れている。
【0048】一方、平板状部材31の回転中心には、挿
通孔38が設けられている。また、平板状部材31の駆
動マグネット16と対向する側の面には、内部スペース
に円環状の従動マグネット39を装填したマグネット装
填部40が超音波融着によって固定されている。従動マ
グネット39は、周方向にNS交互に10極着磁された
吸着力に優れたフェライトマグネットで形成されてい
る。すなわち、インペラ3内の従動マグネット39を、
モータ固定部10の壁11を隔てて駆動モータ6の駆動
マグネット16に対向配置させている。これによって、
駆動マグネット16が回転すると、従動マグネット39
が駆動マグネット16に従動し、インペラ3が駆動モー
タ6のロータ部41と一体的に回転するようになってい
る。なお、従動マグネット39の着磁の方向及び極数
は、適宜変更しても良い。
【0049】なお、マグネット装填部40の回転中心位
置には、平板状部材31の挿通孔38内に挿通固定され
ると共に、平板状部材30に形成された取り込み口32
内に先端部分が進出するように形成された筒状の軸部4
2が一体的に形成されている。この軸部42の内側に
は、図7に示すように、固定軸13にインペラ3を摺動
回転させるためのセラミック製のラジアル軸受け43が
一体的に設けられている。そして、ラジアル軸受け43
を固定軸13に挿通させることによって、インペラ3は
固定軸13に摺動自在となっている。
【0050】また、第2ケース8には、駆動モータ6が
固定されている。この駆動モータ6は、図1に示すよう
に、モータケース14と、モータケース14に固定され
た地板15と、ステータ部44と、ロータ部41と、こ
のロータ部41を回転可能に保持する回転軸45と、回
転軸45の一端に固定された皿状の回転体46と、回転
体46に固定された駆動マグネット16と、回転軸45
を支承する2つの軸受部47,48と、から主に構成さ
れている。なお、この駆動モータ6は、ステータ部44
に電力を供給すると回転磁界が発生し、この回転磁界に
ロータ部41が誘導される誘導モータとなっている。
【0051】モータケース14は、カップ状のケース体
14b,14cをネジ14dで固定して一体的に形成し
たものとなっており、略円筒形状の外面部49と、この
外面部49の両端を閉塞する円底部50,51から構成
されている。モータケース14には、内部の熱の上昇を
抑えるために複数の空気孔14eが形成されている。一
方の円底部50には、円盤状で中心部分に貫通孔52が
設けられた地板15が接着固定されている。この地板1
5のモータケース14を接着した側とは反対側の面の外
周縁部分は、第2ケース8に形成されたモータ固定部1
0の側壁12の端面に嵌合固定されている。この構成に
よって、駆動モータ6はポンプ部5に固定されると共
に、地板15は第2ケース8と協働してマグネット格納
部17を画成している。
【0052】また、一方の円底部50の中央部分には、
モータケース14の内部方向に凹んだ凹部53が形成さ
れている。この凹部53の中央部分には、モータケース
14の外側に突出する凸部54が形成されている。この
凸部54の内側には、一方の軸受部47が配置されてい
る。この軸受部47は、回転軸45の一端近傍を回転自
在に支承している。なお、回転軸45の一端近傍には、
E型リング55が嵌められており、このE型リング55
が軸受部47に当接することによって回転軸45のスラ
スト方向の抜け防止と移動防止を行っている。
【0053】なお、凸部54の中央部分には、貫通孔5
6が形成されており、回転軸45はモータケース14の
内部より貫通孔56を通ってポンプ部5側へ突出してい
る。また、回転軸45のモータケース14より突出した
側の先端には、略円板形状に形成された回転体46が固
定されている。この回転体46は、回転軸45に固定さ
れる固定部46aと、この固定部46aより地板15の
貫通孔52内を通ってマグネット格納部17内に延出さ
れた円筒部46bと、円筒部46bに一体的に連続しマ
グネット格納部17内に配置する円盤状の平面部46c
から形成されている。
【0054】さらに、この回転体46の平面部46cに
は、円盤形状に形成された駆動マグネット16が固定さ
れており、この駆動マグネット16は、マグネット格納
部17内で壁11を隔ててインペラ3に対向配置されて
いる。なお、駆動マグネット16は、周方向にNS交互
に10極着磁されたフェライトマグネットで形成されて
いるが、駆動マグネット16の着磁の方向及び極数は、
適宜変更しても良い。また、回転体46は、駆動マグネ
ット16のバックヨークとなっており、駆動マグネット
16の磁力を集磁する効果を有している。
【0055】なお、他方の円底部51の中央部分にも、
一方の円底部50同様、凹部57が形成されており、こ
の凹部57の中央部分には、凸部58が形成されてい
る。この凸部58の内側には、他方の軸受部48が配置
されている。この軸受部48は、回転軸45の他端を回
転自在に支承している。この回転軸45の他端近傍に
は、E型リング59が嵌められており、このE型リング
59が軸受部48に当接することによって回転軸45の
スラスト方向の抜け防止と移動防止を行っている。
【0056】ステータ部44は、図1に示すように、モ
ータケース14の内側に配置されている。そして、ステ
ータ部44は、磁性材で形成されたコア部材60と巻線
61で形成されており、巻線61に電流を供給すること
によりロータ部41を回転させる回転磁界を発生させる
ようになっている。
【0057】一方、ロータ部41は、珪素合板や軟鉄等
の磁性部材を積層して構成された円柱部材で形成されて
いる。このロータ部41の中央部分には、貫通孔41a
が設けられており、この貫通孔41a内には回転軸45
が固定されている。このように構成されたロータ部41
は、ステータ部44のコア部材60に対して、対向配置
されている。したがって、ロータ部41は、ステータ部
44に通電され回転磁界が発生すると、この回転磁界に
誘導される誘導子となっており、回転軸45と一体的に
回転するようになっている。
【0058】上述したように構成された本発明の実施の
形態の自吸式ポンプ1の動作について、以下に説明す
る。
【0059】この自吸式ポンプ1は、吸引口23の突出
部23bにパイプ(図示省略)を連結し、このパイプを
液体源(図示省略)と接続することによって液体源と連
結される。このとき、自吸式ポンプ1と液体源とを連結
したパイプ内には空気が滞留している。一方、ポンプ部
5内には、予め自吸過程に必要な所定量の呼び水が、イ
ンペラ室27のインペラ3全体が漬かる程度、すなわち
ポンプ部5の容積の2/3程度に供給されている。ま
た、自吸式ポンプ1は、吐出口26の突出部26bにパ
イプ(図示省略)を連結することによって、熱交換器
(図示省略)とも連結されている。
【0060】上述したように設定された自吸式ポンプ1
は、以下のような手順で自吸過程を行なう。まず、駆動
モータ6のコア部材60に挿入もしくは巻き付けられた
巻線61に電力が供給されると、ステータ部44には回
転磁界が発生する。この回転磁界は、コア部材60より
ロータ部41に伝達されることとなる。
【0061】ロータ部41は、ステータ部44で発生さ
れた回転磁界よって駆動される誘導子となっており、ス
テータ部44で発生された磁界によって回転軸45を回
転中心として回転軸45と一体的に回転する。この回転
軸45の一端には、回転体46に固定された駆動マグネ
ット16が配置されており、駆動マグネット16が回転
軸45と一体的に回転する。このようにして駆動マグネ
ット16がマグネット格納部17内で回転すると、モー
タ固定部10の壁11を隔てて駆動マグネット16に対
向配置された従動マグネット39が、駆動マグネット1
6に従動して回転する。
【0062】このようにステータ部44に電流が供給さ
れインペラ3がインペラ室27内で回転されると、ポン
プ室4のインペラ室27内では、予め供給された呼び水
と空気とがインペラ3の回転によって撹拌され気液混合
体となる。すなわち、インペラ3の取り込み口32から
インペラ3内に取り込まれた呼び水と空気とは、インペ
ラ3の複数の羽根部材33及び第1補助羽根35a並び
に第2補助羽根35bによって撹拌される。
【0063】このとき、呼び水と空気とが撹拌されて形
成された気液混合体は、インペラ3の回転により発生す
る遠心力でインペラ室27内の外側へ移動する。そし
て、インペラ3の回転中心部分は、略真空状態となって
負圧となる。これによって、吸引室20内の空気および
液体源側のパイプ内に滞留している空気は、導入口18
a,19aよりインペラ室27の中心部分に徐々に吸込
まれる。このように液体源側のパイプ内の空気が徐々に
インペラ室27に向かって吸引されると、この空気に続
いて液体源の液体は、空気に追従してインペラ室27に
向かって吸込まれる。
【0064】インペラ室27内で撹拌されてインペラ室
27の外側へ移動した気液混合体は、インペラ3の外周
端部分に形成された切欠部37及び複数の透孔36によ
って、さらに撹拌されながら貯水室28へ送られる。そ
のため、本実施の形態は、自吸効率が高いものとなって
いる。そして、貯水室28へ送られた気液混合体は、そ
の一部が呼び水と空気とに分離されながら、タンク室2
の吐出室21へ導出される。さらに、吐出室21に導出
された気液混合体は、吐出室21で完全に呼び水と空気
とに分離される。このとき空気と分離された呼び水は、
吐出室21より還流孔18c,18cを通ってポンプ室
4のインペラ室27に還流する。一方、このとき空気は
軽いので、吐出室21内で上昇し、吐出室21より吐出
口26を通って熱交換器側に吐出される。
【0065】なお、インペラ3の外周端部分には、切欠
部37及び複数の透孔36が形成されているので、イン
ペラ室27の外側部分に還流された呼び水は、切欠部3
7及び各透孔36によって撹拌されることとなる。これ
によって、インペラ室27内の呼び水と空気との撹拌が
促進され、呼び水と空気とが効率よく混合されることと
なる。
【0066】上述したように自吸過程においては、所定
量の呼び水をポンプ部5の内部空間に溜めた状態で、イ
ンペラ3を回転させることにより呼び水を空気と撹拌し
ながらタンク室2とポンプ室4との間で循環させてい
る。一方、空気は、自吸過程において、液体源側のパイ
プよりタンク室2の吸引室20に浸入し、吸引室20か
らポンプ室4のインペラ室27に吸引される。さらに、
空気は、インペラ室27で呼び水と撹拌されて貯水室2
8を経由して吐出室21へ排出される。
【0067】さらに、空気は、吐出室21から吐出口2
6を通って熱交換器側へ吐出される。すなわち、呼び水
がタンク室2とポンプ室4との間を循環している間に、
液体源側のパイプに滞留している空気は呼び水と撹拌さ
れながら熱交換器側へ移動されることとなる。この空気
の移動に伴い、液体源の液体が空気の移動に追従して、
自吸式ポンプ1に吸い上げられることとなる。
【0068】なお、液体源側のパイプ内に滞留している
空気が完全になくなり、自吸過程が終了した後、さらに
ステータ部44に電力を供給し続けると、液体源の液体
はパイプを通って吸引口23より吸引室20へ浸入して
くる。そしてさらに、液体は、吸引室20からインペラ
室27との連絡口となっている導入口18a,19aへ
吸込まれていく。なお、このときインペラ室27内は、
透孔36の効果により液体を吸引する吸引力が高められ
ている。
【0069】このように導入口18a,19aからイン
ペラ室27内へ入ってきた液体は、インペラ3の複数の
流体通路34内で、さらに3つの流路34c,34d,
34eに分流されながら、インペラ3の回転中心に配置
された入口34aから外周端部分に設けられた出口34
bに向かって通過する。このように液体が、インペラ3
の内部空間で形成された流体通路34という狭い空間内
を通過することにより、流体通路34内を勢いよく効率
よくインペラ3の外側へ排出されるようになっている。
【0070】このようにしてインペラ8の外側に排出さ
れた液体は、貯水室28を経由して導出口18bから吐
出室21へ導出される。そして、吐出室21に導出され
た液体は、吐出室21に設けた吐出口26より熱交換器
へ送られる。また、熱交換器で熱交換された液体は、液
体源に戻される。
【0071】本発明の自吸式ポンプの各実施の形態は、
上述したように構成されているが、特にこれらに限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変更が可能である。例えば、実施の形態では、インペラ
3の流体通路34と外部とをが通じるように設けられた
透孔36を、インペラ3の外周端部分に設けたが、イン
ペラ3の内周側に設けてもよい。しかしながら、インペ
ラ3の外周端近傍に設けた方が自吸効率及びポンプ効率
を高効率にするのに有効なため、上述した実施の形態で
は外周端近傍に設けている。
【0072】また、自吸式ポンプ1のポンプ効率は、羽
根部材33及び各補助羽根35a,35bの形状、角度
及びその数等により影響を受けることとなるので、羽根
部材33及び各補助羽根35a,35bの形状、角度及
びその数等においても、所望するポンプ効率に合わせて
適宜、設定することが望ましい。なお、補助羽根35
a,35bをいずれか1枚とするか、もしくは設けなく
ても所望の自吸効率を達成できる場合は、補助羽根35
a,35bをいずれか1枚としたり、もしくは設けなく
ともよい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、いわゆる「クローズブレード方式」のイン
ペラに透孔を設けたため、この透孔が自吸過程において
羽根部材と協働して呼び水と空気とを撹拌すると共に、
その後の揚水動作時においては透孔は液体の流れを阻害
しないばかりか、逆にポンプ室内の負圧を高めて吸引力
を高め、自吸効率を高くすると共に、ポンプ効率をも高
くする自吸式ポンプとすることが可能となる。
【0074】また、請求項2記載の発明によれば、透孔
がインペラの外周端近傍に形成されており、その回転速
度が早いため、自吸過程においてより効率よく呼び水と
空気とを撹拌し自吸効率が高い自吸式ポンプとすること
が可能となる。
【0075】また、請求項3記載の発明によれば、自吸
過程において、透孔からインペラ内の流体通路へ浸入し
た液体が、すぐに羽根部材にぶつかって羽根部材により
撹拌されることとなるので、より自吸効率の高い自吸式
ポンプとすることが可能となる。また、補助羽根が羽根
部材及び透孔と共に呼び水と空気とを撹拌することとな
るので、さらに自吸効率の高い自吸式ポンプとすること
が可能となる。
【0076】さらに、請求項4記載の発明によれば、透
孔の直径が流路幅の20%〜80%となっているので、
自吸効率及びポンプ効率を高いレベルとすると共に、自
吸過程及び揚水動作時に発生するインペラの騒音を低い
レベルとする自吸式ポンプとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における自吸式ポンプを示
した縦断面図である。
【図2】図1の矢示II方向から見た自吸式ポンプのタ
ンク室内を示した平面図である。
【図3】図1の矢示III方向から見た自吸式ポンプの
仕切り板の平面図である。
【図4】図1の矢示III方向から見た自吸式ポンプの
ポンプ室内を示した平面図である。
【図5】図4に示したポンプ室内のインペラの内部構造
を示した平面図である。
【図6】図5のVI−VI断面図である。
【図7】図5のインペラを裏側から見た平面図である。
【図8】自吸効率及びポンプ効率と、インペラに設ける
透孔の有無及び設置位置との関係を示した相関図であ
る。
【図9】自吸効率、ポンプ効率及びノイズと、インペラ
に設ける透孔の孔径との関係を示した相関図である。
【図10】本発明の自吸式ポンプの変形例におけるイン
ペラを示した平面図である
【図11】従来の自吸式ポンプを示した縦断面図であ
る。
【図12】図11のXII−XII断面図である。
【符号の説明】
1 自吸式ポンプ 2 タンク室 3 インペラ 4 ポンプ室 5 ポンプ部 6 駆動モータ 18 仕切り板 23 吸引口 26 吐出口 30,31 平板状部材 32 取り込み口 33 羽根部材 34 流体通路 34c,34d,34e 流路(流体通路) 35a 第1補助羽根 35b 第2補助羽根 36 透孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吸引するための吸引口及び吸引し
    た上記液体を吐出するための吐出口を有するタンク室
    と、仕切り板によって上記タンク室と仕切られると共に
    内部に上記液体を送るためのインペラを回転自在に格納
    したポンプ室とを備えたポンプ部と、上記インペラを回
    転させるための駆動モータと、から構成され、上記ポン
    プ部内に所定量の呼び水を溜めた状態で上記インペラを
    回転させることにより、上記呼び水と空気とを撹拌しな
    がら上記タンク室と上記ポンプ室との間で循環させると
    共に上記空気を上記タンク室で上記呼び水と分離させて
    外部へ吐出させる自吸過程を経て揚水動作を行う自吸式
    ポンプにおいて、上記インペラは、2枚の平板状部材
    と、これら2枚の平板状部材を重ねる方向に所定間隔あ
    けて連結すると共に上記自吸過程において上記呼び水と
    上記空気とを撹拌する複数の羽根部材と、上記2枚の平
    板状部材のうち上記仕切り板側に配置される平板状部材
    に設けられ上記タンク室内の上記液体を上記インペラ内
    部に取り込む取り込み口と、上記2枚の平板状部材及び
    それぞれ隣接する2つの羽根部材によって囲繞されると
    共に一方側を上記取り込み口へ開放させ他方側を上記イ
    ンペラの外周端側へ開放させ上記液体を上記取り込み口
    から上記インペラの外周端側へ送る複数の流体通路と、
    を有し、上記仕切り板側に配置された上記平板状部材に
    上記流体通路と通じる透孔を形成したことを特徴とする
    自吸式ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記透孔は、前記インペラの外周端近傍
    に形成されていることを特徴とする請求項1記載の自吸
    式ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記隣接する2つの羽根部材の間に、前
    記複数の流体通路の各々をさらに複数の流体通路に分割
    すると共に、前記自吸過程において前記羽根部材と共に
    前記呼び水と前記空気とを撹拌する補助羽根を1つまた
    は複数設け、かつ前記透孔を、前記羽根部材と、この羽
    根部材の前記インペラの回転方向前側に隣接する上記補
    助羽根との間に形成された流体通路に通じるものとした
    ことを特徴とする請求項1または2記載の自吸式ポン
    プ。
  4. 【請求項4】 前記透孔の直径を、その透孔が通ずる前
    記流体通路の幅長の20%〜80%としたことを特徴と
    する請求項1,2または3記載の自吸式ポンプ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003083292A (ja) * 2001-09-06 2003-03-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 高速遠心ポンプ用羽根車

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JP2003083292A (ja) * 2001-09-06 2003-03-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 高速遠心ポンプ用羽根車

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