JPH10238489A - 小型流体ポンプ - Google Patents

小型流体ポンプ

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Publication number
JPH10238489A
JPH10238489A JP5552197A JP5552197A JPH10238489A JP H10238489 A JPH10238489 A JP H10238489A JP 5552197 A JP5552197 A JP 5552197A JP 5552197 A JP5552197 A JP 5552197A JP H10238489 A JPH10238489 A JP H10238489A
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JP
Japan
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fluid
pump
impeller
chamber
rotor
Prior art date
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Application number
JP5552197A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nishida
茂 西田
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータへ流体が漏れても感電や漏電等が発生
しない小型流体ポンプを提供する。 【解決手段】 ステータ部32に電流を供給することに
よりステータ部32に対向配置したロータ部28を回転
させるように構成したモータ部3と、流体を吸引するた
めの吸引口20と流体を吐出するための吐出口21とを
有するポンプ部2との間に、ポンプ部2内の流体のモー
タ部3への侵入を防止する第1のシール部29を設けて
いる。さらに、モータ部3内には、ステータ部32とロ
ータ部28とを分離する分離壁34が設けてあり、万が
一、流体がモータ部3内に侵入した場合に、流体が給電
部の一部となるステータ32に付かないための第2のシ
ール部となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を汲み上げる
小型流体ポンプに関し、特に、浴槽等の流体源に接続さ
れ流体を汲み上げると共に、汲み上げた流体を熱交換器
等に供給し、再度浴槽等の流体源に還流させるに好適な
小型流体ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、風呂等の流体源の流体を熱す
るための熱交換器や、流体を浄化するための浄化フィル
ター等に流体を通過させるために、流体源より水や湯等
の流体を汲み上げるとともに汲み上げた流体を流体源に
還流させる装置として、図11に示すような、自吸式ポ
ンプ61が知られている(実開平4−84795号公報
参照)。この自吸式ポンプ61は、第1のケーシング6
2で形成されたタンク室63と、第2のケーシング64
で形成されたポンプ室65と、タンク室63及びポンプ
室65内の流体を吸排出させるための駆動部が配置され
るモータ部66とから主に構成されている。なお、第1
のケーシング62と第2のケーシング64とは、分離部
材67を挟んで一体化されている。
【0003】モータ部66は、図示しないステータとス
テータに対向配置されたロータとロータを固定した回転
軸68とからなる誘導型のモータ69と、このモータ6
9をねじ止め固定した地板70と、地板70と第2のケ
ーシング64とをねじ止め固定することによって形成さ
れた空間71とから構成されている。モータ69は、ス
テータが通電されると回転磁界が発生しロータ及び回転
軸68が回転されるようになっている。この回転軸68
は、空間71及びポンプ室65内に突出されており、先
端部分には羽根車72が固定されている。すなわち羽根
車72は、ポンプ室65内に格納されている。なお、第
2のケーシング64には挿通孔73が形成されており、
回転軸68はこの挿通孔73を通ってポンプ室65内に
突出されている。
【0004】一方、ポンプ室65は、第2のケーシング
64で形成された空間となっており、羽根車72を格納
するインペラ室74と、このインペラ室74と図示しな
い挿通孔で連通するように形成されている貯水室75か
ら構成されている。なお、第2のケーシング64には、
モータ69を固定した地板70が固定されており、この
地板70と第2のケーシング64とで形成された空間7
1が上述したようにモータ部66の一部となっている。
【0005】また、インペラ室74には、モータ部66
の回転軸68を挿通するための挿通孔73が設けられて
いる。この挿通孔73には、樹脂等の弾性部材で形成さ
れたフローティングシート76、フローティングパッキ
ン77及びメカニカルシール78からなるシール部79
が設けられている。なお、フローティングシート76及
びフローティングパッキン77は、第2のケーシング6
4側に固定されており、メカニカルシール78は回転軸
68側に固定されている。そして、メカニカルシール7
8は、回転軸68と一体的に回転すると共にフローティ
ングシート76と摺動するようになっている。この摺動
部分には、摺動による摩擦熱を冷やすように流体が周囲
を囲むようになっている。この構成によって、インペラ
室74に廻った流体が挿通孔73からモータ部66に漏
れないようになっている。
【0006】また、第1のケーシング62は、分離部材
67及び分離用パッキン80を挟んで第2のケーシング
64に固定されており、タンク室63を画成している。
このタンク室63は、流体源の流体が流入する流入路
と、流体が熱交換器等へ流出するための流出路とに分離
されている。流入路には、タンク室63内に流体源の流
体を吸引するための吸水口81が設けられている。流出
路には、タンク室63内の流体を吐出するための吐出口
(図示省略)が設けられている。そして、吸水口81
は、流体源と図示しないパイプにより連結されていると
共に、吐出口は、流体を熱するための熱交換器等(図示
省略)にパイプで連結されている。なお、この熱交換器
等は流体源に連結されており、熱交換器等で熱しられた
流体は再び流体源に還流されるようになっている。ま
た、分離部材67及び分離用パッキン80には、貯水室
75と流出路とを連通させるための連通孔82と、イン
ペラ室74と流入路とを挿通させるための通し孔83と
が設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の自吸式ポンプ61においては、インペラ室74
の挿通孔73にシール部79を設けているにも拘らず、
流体源の流体がインペラ室74に浸入したときに、流体
がシール部79からモータ部66に漏れることがある。
このように流体漏れが起こる原因としては、シール部
79のフローティングシート76もしくはフローティン
グパッキン77あるいはメカニカルシール78の経時劣
化ポンプ室65内の内部圧力の上昇によるシール部7
9の破壊等が考えられる。
【0008】このようにしてモータ部66への流体漏れ
が生じると、流体が誘導型のモータ69内に設けられた
モータ給電部に浸入することとなる。モータ給電部に流
体がついてしまうと、漏電や感電あるいは発火の原因と
なり、非常に危険となる。
【0009】このような危険を回避するため、特開平5
−187386号公報に記載された電動ポンプのよう
に、ロータ及びステータをケーシングで囲って分離する
とともに、モータ内部のロータとステータとを囲って形
成されたパイプ内に流体を取り込んで潤滑剤もしくは冷
却水として使用する電動ポンプも知られている。この構
成によれば、ケーシングが破れない限り、流体はステー
タに浸入せず、漏電や感電等の原因とはならない。
【0010】しかしながら、このタイプの電動ポンプ
は、風呂等のように流体内に異物が多量に混合されてい
るような場所に使用する場合、パイプが異物等によって
詰まってしまうという問題が生じる。
【0011】本発明の目的は、上述した問題に鑑みて、
モータ部への流体漏れを防止すると共に、モータ部への
流体漏れが発生しても流体がステータ等のモータ給電部
に付かないような安全でしかも信頼性のある小型流体ポ
ンプを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の小型流体ポンプは、流体を吸引する
ための吸引口と流体を吐出するための吐出口とを有する
ケース体で形成されると共に内部に羽根車が回転自在に
配置されたポンプ部と、電流を供給されることにより磁
界を発生するステータ部と、該ステータ部に対向配置さ
れ磁界によって駆動されるロータ部と、該ロータ部を固
定しロータ部と一体的に回転されると共に羽根車を回転
自在に支持する回転軸と、から構成された小型流体ポン
プにおいて、ポンプ部内の流体がロータ部に侵入するの
を防止する第1のシール部をポンプ部とロータ部との間
に設けると共に、ロータ部とステータ部とを分離する分
離壁を設けてこの分離壁を流体がロータ部に漏れた場合
に流体がロータ部からステータ部に侵入するのを防止す
る第2のシール部としている。
【0013】さらに、請求項2記載の小型流体ポンプ
は、請求項1記載の発明に加えて、分離壁は、非磁性材
料で形成されている。また、請求項3記載の小型流体ポ
ンプは、請求項1または2記載の発明に加えて、分離壁
は、厚さが100μm〜300μmとなっている。
【0014】請求項1記載の発明によれば、第1のシー
ル部をポンプ部とロータ部との間に設けているのでポン
プ部内の流体がモータのロータ部に浸入しないようにな
っている。またさらに、ロータ部とステータ部とを分離
する第2のシール部としての分離壁が設けられているの
で、万が一、流体がロータ部に漏れた場合でも、流体が
ロータ部からステータ部に侵入しない。
【0015】また、請求項2記載の発明によれば、分離
壁が非磁性材料で形成されているので、ステータ部に電
流を供給したときに発生する磁界が、分離壁に影響され
ることなくロータ部に働きかけることができる。さら
に、請求項3記載の発明によれば、分離壁の厚さが10
0μm〜300μmとなっているので、磁界がロータ部
に対して分離壁によって影響されずに働きかけることが
可能となっている。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の小型流体ポンプの第1の
実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
【0017】小型流体ポンプ1は、図1に示したよう
に、ポンプ部2と、モータ部3と、モータ部3の駆動力
によって回転される羽根車4とを有している。この小型
流体ポンプ1は、図2に示すように、流体源5及び熱交
換器6とそれぞれパイプ7,8で連結されている。そし
て、小型流体ポンプ1は、羽根車4の回転力によって流
体源5の流体をポンプ部2内に吸い上げ、この流体をポ
ンプ部2から熱交換器6に供給するための自吸式電動ポ
ンプとなっている。なお、熱交換器6は、流体源5とパ
イプ9で連結されており、熱交換器6で温められた流体
が流体源5に還流するようになっている。
【0018】ポンプ部2は、第1ケース体10及び第2
ケース体11の2つのケース半体同士を連結固定して形
成した1つのケース体で構成されている。すなわち、第
1ケース体10は、図3に示すように、第2ケース体1
1に対して6ヶ所の固定部12でネジ等で固定されてい
る。そして、この第1ケース体10と第2ケース体11
との間には、ポンプ部2内の空間をタンク室13とポン
プ室14とに仕切るための地板15及びゴムシール16
が挟持されている(図1参照)。すなわち、タンク室1
3は、第1ケース体10と、地板15及びゴムシール1
6とで仕切られた空間で形成されている。また、ポンプ
室14は、第2ケース体11と、地板15及びゴムシー
ル16とで仕切られた空間で形成されている。
【0019】地板15には、図4に示すように、通し孔
15aと連通孔15bと呼び水通し孔15c,15cが
形成されている。また、図5に示すように、ゴムシール
16にも、地板15の通し孔15a、連通孔15b及び
呼び水通し孔15c,15cと重なる位置にそれぞれ通
し孔16aと連通孔16bと呼び水通し孔16c,16
cとが形成されている。通し孔15a,16aは、後述
するように、ポンプ部2内に吸引した流体をタンク室1
3からポンプ室14に通すための連絡孔となっている。
また、連通孔15b,16bは、後述するように、ポン
プ室14に吸引し羽根車4によって撹拌された流体及び
空気を、ポンプ室14からタンク室13へ還流させるた
めの連絡孔となっている。また、呼び水通し孔15c,
15c,16c,16cは、後述する自吸過程におい
て、ポンプ室14からタンク室13へ還流されてきた流
体を、再度、ポンプ室14に供給するための通し孔とな
っており、羽根車4の外周部分に流体が戻るような位置
に設けられている。
【0020】また、タンク室13の内部には、図3に示
すように、第1ケース体10の内部側表面より地板15
及びゴムシール16側に向かって延出された仕切り板1
7が設けられている。この仕切り板17の端部は、ゴム
シール16に密着しており、タンク室13は仕切り板1
7によって吸入路18と吐出路19とに分離されてい
る。
【0021】タンク室13の吸入路18側には、流体源
5の流体をポンプ部2内に吸引するための吸引口20が
設けられている。この吸引口20は、ポンプ部2の吸入
路18と外部とを挿通する口部20aと、この口部20
aの内周端より第1ケース体10の外部に延出されてパ
イプ7と接続される突出部20bとからなっている。そ
して、図2に示すように、吸引口20の突出部20bに
パイプ7の一端を接続させると共に、パイプ7の他端を
流体源5に接続することによって、ポンプ部2は流体源
5と連通されている。また、吸入路18は、通し孔15
a,16aによってポンプ室14と連通されており、流
体をポンプ室14へ送出するようになっている。
【0022】また、タンク室13の吐出路19側には、
熱交換器6側へ流体を吐出するための吐出口21が設け
られている。この吐出口21は、吸引口20と同様に、
ポンプ部2の吐出路19と外部とを挿通する口部21a
と、この口部21aの内周端より第1ケース体10の外
部に延出された突出部21bとからなっている。そし
て、図2に示すように、突出部21bにパイプ8の一端
を接続させると共に、パイプ8の他端を熱交換器6に接
続することによって、ポンプ部2は熱交換器6と連通さ
れている。
【0023】さらに、吐出路19は、連通孔15b,1
6bによってポンプ室14と連通されており、流体をポ
ンプ室14からタンク室13へ還流するようになってい
る。また、吐出路19は、呼び水通し孔15c,15
c,16c,16cによってポンプ室14の後述するイ
ンペラ室23と連通されており、自吸過程において還流
されてきた流体を再びポンプ室14に設けられたインペ
ラ室23へ送出するようになっている。なお、第1ケー
ス体10には、ポンプ部2内の凍結防止等のためにポン
プ部2内の流体を抜くための排水口22が設けられてお
り、一定期間小型ポンプ装置1を使用しない場合には、
ポンプ部2内から流体を抜くことが出来るようになって
いる。
【0024】このような構成によって、流体源5の流体
及びパイプ7内に滞留している空気は、パイプ7を通っ
て吸引口20からポンプ部2の吸入路18に侵入するよ
うになっている。なお、吸入路18に侵入した流体は、
通し孔15a,16aからポンプ室14へ送られること
となる。そしてさらに、ポンプ室14へ送られた流体
は、ポンプ室14から連通孔15b,16bを経由して
タンク室13の吐出路19へ還流されることとなる。こ
のようにポンプ室14からタンク室13の吐出路19へ
還流してきた流体は、吐出口21よりパイプ8を通って
熱交換器6に送られることとなる。
【0025】また、第2ケース体11は、図1に示すよ
うに、モータ部3に嵌合固定されている。なお、嵌合方
法については、後述する。第2ケース体11は、図1及
び図6に示すように、地板15及びゴムシール16と協
同してポンプ室14を形成している。このポンプ室14
は、羽根車4が格納されるインペラ室23と、このイン
ペラ室23と連通している貯水室24とに分離されてい
る。インペラ室23は、通し孔15a,16aによって
吸入路18と連通されており、吸入路18内の流体及び
空気はインペラ室23に送られてくるようになってい
る。
【0026】一方、貯水室24は、連通孔15b,16
bによって吐出路19と連通されており、インペラ室2
3から貯水室24へ送られてきた流体及び空気は、連通
孔15b,16bより吐出路19へ還流するようになっ
ている。なお、インペラ室23は、呼び水通し孔15,
15c,16c,16cによって吐出路19とも連通さ
れており、吐出路19へ還流された流体が自吸過程にお
いてインペラ室23の羽根車4の外側に戻るようになっ
ている。また、貯水室24内には、インペラ室23から
送られてきた流体を連通孔15b,16bへスムーズに
導くための案内壁25が設けられている。
【0027】また、インペラ室23のモータ部3側に
は、後述するようなモータ部3の回転軸26を挿通する
ための挿通孔27が設けてある。この挿通孔27は、ポ
ンプ部2とモータ部3内のロータ部28の境界部分に設
けられており、径の大きさの異なる3つの部分、すなわ
ちポンプ部2側から順に大孔部27a、小孔部27b、
中孔部27cを有している。なお、大孔部27aと中孔
部27cの間には、小孔部27bを囲むようにフランジ
27dが設けられている。また、小孔部27bの内径
は、回転軸26の外径より僅かに大きく形成されてい
る。
【0028】そして、ポンプ部2とロータ部28との
間、すなわち挿通孔27の大孔部27aには、第1のシ
ール部29が圧入されている。なお、第1のシール部2
9は、フランジ27dによって軸方向に突き当てられて
いる。この第1のシール部29に関しては、後で詳述す
る。また、中孔部27cには、回転軸26の一方を回転
自在に支承する軸受部30が接着もしくは圧入されてい
る。なお、軸受部30は、フランジ27dに対して突き
当てられている。
【0029】なお、インペラ室23内に設けられている
羽根車4は、モータ部3の回転軸26の一方の先端部分
に固定されている。この羽根車4は、図1及び図6に示
したように、インペラ室23の内径より僅かに小さな外
径を有する2枚の円形状の平板4a,4bと、2枚の平
板4a,4bを複数に区切られた内部空間Sを持たせて
重ねるように連結している複数の連結部4cと、から主
に構成されている。
【0030】また、第1ケース体10側の平板4aの中
央部分には、吸入孔形成部4dが形成されている。この
吸入孔形成部4dは、タンク室13の吸入路18側に突
出されていると共に、複数の内部空間Sとそれぞれ連通
されており、流体が吸入路18から複数の内部空間S内
へ吸引され易いようになっている。一方、複数の内部空
間Sは、それぞれ中心方向側で吸入孔形成部4dと連通
されていると共に外周側は開放されており、吸入孔4f
から吸引された流体が各内部空間Sを通って羽根車4の
外側へいくようになっている。
【0031】一方、複数の連結部4cは、それぞれ羽根
車4の吸入孔4fの縁部分より螺旋形状に外周方向に放
射するように形成されている。このため、各内部空間S
も、外周に行くに従い徐々に横幅が広くなる螺旋形状と
なっている。また、羽根車4の連結部4cの外周部分に
は、外周部分の一部を切り欠いて形成した撹拌部4eが
複数箇所に設けられている。このように連結部4cの外
周部分に撹拌部4eを設けることによって、タンク室1
3の吐出路19から呼び水通し孔15c,15c,16
c,16cを通ってインペラ室23に戻ってきた呼び水
等の流体を撹拌し、空気と効率よく混合するようになっ
ている。
【0032】このように構成された羽根車4がモータ部
3の駆動力によって回転軸26と一体的に回転すると、
羽根車4の回転によってインペラ室23内の内側(羽根
車4の中心部側)と外側(羽根車4の外周部側)とに圧
力差が生じ、この圧力差の影響で吸入路18内の流体及
び空気がインペラ室23内に吸込まれるようになってい
る。また、インペラ室23内に吸込まれた流体及び空気
は、上述したように外周側に撹拌部4eが形成された羽
根車4によってインペラ室23内で撹拌されるので、流
体と空気との混合を促進し、小型流体ポンプ1のポンプ
能力を向上させる効果を有している。
【0033】また、挿通孔27の大孔部27aに圧入さ
れた第1のシール部29は、インペラ室23内に吸引し
た流体が挿通孔27より後述するモータ部3のロータ部
28へ侵入するのを防止するために設けられている。こ
の第1のシール部29は、図7に示すように、円環状部
材でかつ断面形状は略U字溝状に形成されている。すな
わち、第1のシール部材29は、大孔部27aに当接す
る円筒形状の周壁面部29aと、フランジ部27dに当
接する平面形状の度当たり面部29bと、回転軸26に
摺接する円環形状の摺接面部29cとから形成されてお
り、これらの周壁面部29aと度当たり面部29bと摺
接面部29cとが連続した一体の部材となっている。
【0034】なお、このような形状で形成された第1の
シール部29は、図7に示すように、周壁面部29aの
内部から度当たり面部29bの内部にかけて板バネで形
成された弾性骨部29dを内蔵した樹脂で形成されてい
る。この弾性骨部29dは、挿通孔27の大孔部27a
の内周壁に対して付勢し押圧するようになっている。こ
のため第1のシール部29を大孔部27aに圧入する
と、その押圧力に対しての反発力によって摺接面部29
cは回転軸26側に付勢されることとなる。
【0035】またさらに、この摺接面部29cの外側、
すなわち周壁面部29a側の羽根車4に近い側には、付
勢リング29eが嵌められており、この付勢リング29
eの付勢力によっても摺接面部29cが回転軸26側に
付勢されるようになっている。そのため、摺接面部29
cは、回転軸26に強い圧力で当接することとなり、流
体をインペラ室23からモータ部3のロータ部28へ侵
入させないようになっている。なお、摺接面部29cの
回転軸26との摺接面には、空間が設けられており、こ
の空間部分に潤滑用のオイルAが充填されている。この
潤滑用オイルAは、回転軸26の回転ロスを防止した
り、その油膜によりシール性を高めるものとなってい
る。
【0036】このように第1のシール部29が構成され
ているので、インペラ室23内に吸引されてきた流体
は、周壁面部29a、度当たり面部29b及び摺接面部
29cによって形成されたU字溝内までは侵入するもの
の、モータ部3のロータ部28には漏れないようになっ
ている。
【0037】一方、モータ部3は、図1に示すように、
モータケース31と、ステータ部32と、ロータ部28
と、このロータ部28を固定した回転軸26と、回転軸
26を支承する2つの軸受部30,33と、ステータ部
32とロータ部28とを分離するカップ形状の分離壁3
4とから主に構成されている。なお、このモータ部3
は、本発明の第1の実施の形態の小型流体ポンプ1にお
ける駆動源となっており、ステータ部32に電力を供給
すると回転磁界が発生し、この回転磁界にロータ部28
が誘導される誘導モータとなっている。このため、小型
流体ポンプ1は、モータ部3の駆動時に、同期モータ等
に比して騒音が少ないものとなっている。
【0038】モータケース31は、略円筒形状の外面部
35と、この外面部35の一端を閉塞する円底部36
と、ポンプ部2の一部を形成する第2ケース体11に当
接する当接面部37とから形成されている。なお、円底
部36の内側の中央部分には、モータケース31の内部
側に突出する凸部38が設けられている。この凸部38
は、中央部分がえぐれるように形成されており、このえ
ぐれた部分には、分離壁34の円形底面39に形成され
た凹部40が嵌合するようになっている。なお、この凹
部40内には、回転軸26の他方を回転自在に支承する
他方の軸受部33が配置されている。
【0039】また、当接面部37の中央部分には、第2
ケース体11を嵌合固定するための嵌合孔部41が形成
されている。なお、第2ケース体11の嵌合孔部41に
嵌合された部分には、挿通孔27の中孔部27cに接着
もしくは圧入された軸受部30が配置されるようになっ
ている。したがって、回転軸26は、この軸受部30
と、分離壁34の凹部40内に設けられた軸受部33と
の2点で回転自在に支承されることとなる。また、嵌合
孔部41は、孔の縁よりモータ部3の内部側に延出する
ように形成された円筒形状を有しており、その内周面に
分離壁34が当接している。そして、この分離壁34を
Oリング42と共に挟み込むようにして円筒形状部分に
第2ケース体11が嵌合されている。なお、Oリング4
2は、第2ケース体11のモータ部3側の端面の外周部
分に設けられた段部43に嵌め込まれている。
【0040】ステータ部32は、図1に示すように、モ
ータケース31の内側に配置されている。そして、ステ
ータ部32は、磁性材で形成されたコア部材44と巻線
45で形成されており、巻線45に電流を供給すること
によりロータ部28を回転させる回転磁界を発生させる
ようになっている。
【0041】一方、ロータ部28は、珪素合板や軟鉄等
の磁性部材を積層して構成されていると共に、周面がス
キューされた円柱部材で形成されている。このロータ部
28の中央部分には、貫通孔28aが設けられており、
この貫通孔28a内には回転軸26が固定されている。
このように構成されたロータ部28は、ステータ部32
のコア44に対して、分離壁34を挟んで対向するよう
に配置されている。したがって、ロータ部28は、ステ
ータ部32が通電され回転磁界が発生すると、この回転
磁界に誘導される誘導子となっており、回転軸26と一
体的に回転するようになっている。
【0042】また、ロータ部28を固定した回転軸26
は、第2ケース体11に設けられた挿通孔27内を挿通
されて、ポンプ部2のインペラ室23内に突出してい
る。そして、回転軸26の一端、すなわちインペラ室2
3内に突出した部位には、羽根車4が固定されている。
また、回転軸26の他端は、カップ状の分離壁34の円
形底面39に設けられた凹部40に設けられた軸受部3
3に支承されている。
【0043】また、分離壁34は、モータケース31の
当接面部37に形成された嵌合孔部41に連続された円
筒面48と、この円筒面48のポンプ部2側とは反対側
の端部に形成された円形底面39と、モータケース31
の凸部38の内周壁に嵌合する凹部40とからなるキャ
ン構造で形成されている。すなわち、分離壁34は、ス
テータ部32のコア部材44に密着され、かつロータ部
28の外周面から隙間300μm離した位置に配置され
ており、ロータ部28とステータ部32とを分離するよ
うに設けられている。
【0044】この分離壁34は、万が一、インペラ室2
3内の流体が第1のシール部29のシール機能を破って
モータ部3に漏れた場合に、流体がステータ部32へ侵
入するのを防止する第2のシール部となっている。さら
に、分離壁34は、ステータ部32とロータ部28との
エアギャップが広がらないように円筒面48が薄く形成
されている。この円筒面48の厚さは、具体的には20
0μmで形成されている。したがって、ステータ部32
のコア部材44とロータ部28の外周面との隙間は、円
筒面の厚さ200μmと円筒面48とロータ部28との
隙間300μmとを加算した500μmとなっている。
【0045】なお、ステータ部32とロータ部28との
エアギャップが、図8に示すように、500μmを超す
と、モータ部3はモータ効率が略50%以下となり、モ
ータとして実用的でなくなる。また、分離壁34の円筒
面48の内周面とロータ部28の外周面との隙間は、回
転精度の誤差を考慮して最低限200μmとる必要があ
る。したがって、分離壁34の円筒面48の厚さは、3
00μm以下とする必要がある。一方、分離壁34の強
度及び製造上の要請から、円筒面48は、100μm以
上の厚さとするのが好ましい。
【0046】また、分離壁34の円形底面39の中央部
分には、凹部40が形成されており、この凹部40に
は、軸受部33が嵌合されると共にその軸受部33に回
転軸26が挿通されるようになっている。すなわち、円
形底面39の外側の面の一部となる凹部40は、モータ
ケース31の円底部36に設けられた凸部38の内周面
と当接するようになっている。なお、このように構成さ
れた分離壁34は、SUSやアルミ材等の非磁性部材で
形成されており、ステータ部32とロータ部28との間
の回転磁界を阻害しないようになっている。
【0047】上述したように構成された本発明の第1の
実施の形態の小型流体ポンプ1の動作について、以下に
説明する。
【0048】この小型流体ポンプ1は、吸引口20の突
出部20bにパイプ7を連結し、このパイプ7を流体源
5と接続されることによって流体源5と連結される。こ
のとき、小型流体ポンプ1と流体源5とを連結したパイ
プ7内には空気が滞留している。一方、ポンプ部2内に
は、予め自吸過程に必要な呼び水が、インペラ室23の
羽根車4全体が漬かる程度、すなわちポンプ部2の容積
の2/3程度に供給されている。また、小型流体ポンプ
1は、吐出口21の突出部21bにパイプ8を連結する
ことによって、熱交換器6とも連結されている。さら
に、この熱交換器6は、パイプ9によって流体源5と連
通されている。
【0049】上述したように設定された小型流体ポンプ
1は、以下のような手順で自吸過程を行なう。まず、コ
ア部材44に挿入もしくは巻き付けられた巻線45に電
力が供給されると、ステータ部32には回転磁界が発生
する。この回転磁界は、分離壁34に阻害されることな
くコア部材44よりロータ部28に伝達されることとな
る。
【0050】ロータ部28は、ステータ部32で発生さ
れた回転磁界よって駆動される誘導子となっており、ス
テータ部32で発生された磁界によって回転軸26を回
転中心として回転軸26と一体的に回転する。この回転
軸26は、挿通孔27よりポンプ部2のインペラ室23
内に突出されていると共に、このインペラ室23内に突
出されている部位に羽根車4が固定されている。したが
って、羽根車4は、ステータ部32で発生した回転磁界
によって、回転軸26と一体的にインペラ室23内で回
転される。なお、この回転軸26の回転は、モータケー
ス31の円底部36の凸部38に設けられた軸受部33
と、挿通孔27の中孔部27cに接着もしくは圧入され
た軸受部30の2点で支承されることとなる。
【0051】このようにステータ部32に電流を供給す
ることにより羽根車4がインペラ室23内で回転される
と、ポンプ室14のインペラ室23内では、予め供給さ
れた呼び水と空気とが羽根車4の回転によって撹拌され
る。このとき、インペラ室23内の呼び水と空気は、羽
根車4の回転により発生する遠心力でインペラ室23内
の外側へいく。そして、羽根車4の回転中心部分は、略
真空状態となって負圧となる。これによって、吸入路1
8内の空気およびパイプ7内に滞留している空気は、羽
根車4の吸入孔4よりインペラ室23の中心部分に徐々
に吸込まれる。このようにパイプ7内の空気が徐々にイ
ンペラ室23に向かって吸引されると、この空気に続い
て流体源5の流体は、空気に追従してインペラ室23に
向かって吸込まれる。
【0052】ポンプ室14のインペラ室23内で撹拌さ
れたインペラ室23の外側へ行った呼び水と空気とは、
インペラ室23から貯水室24へ送られる。そしてさら
に、貯水室24へ送られた呼び水と空気とは、連通孔1
5b,16bよりタンク室13の吐出路19へ還流され
る。この吐出路19では、呼び水と空気とが分離され
る。呼び水は、吐出路19より呼び水通し孔15c,1
6cを通ってポンプ室14のインペラ室23に戻され
る。このとき空気は、吐出路19より吐出口21を通っ
てパイプ8方向に吐出される。また、インペラ室23内
の羽根車4の外側にに戻された呼び水は、パイプ7より
インペラ室23内に侵入してきた空気と再度撹拌混合さ
れる。
【0053】なお、羽根車4の連結部4cの外側には、
撹拌部4eが形成されているので、インペラ室23の外
側部分に戻された呼び水は、撹拌部4eによって撹拌さ
れることとなる。これによって、インペラ室23内の呼
び水と空気との撹拌が促進され、呼び水と空気とが早く
混合されることとなる。
【0054】上述したように自吸過程においては、呼び
水はタンク室13とポンプ室14との間を循環する。一
方、空気は、自吸過程において、パイプ7よりタンク室
13の吸入路18に侵入し、吸入路18からポンプ室1
4のインペラ室23に吸引される。さらに、空気は、イ
ンペラ室23で呼び水と撹拌されて貯水室24に運ば
れ、貯水室24よりタンク室13の吐出路19へ吐き出
される。さらに、空気は、吐出路19から吐出口21を
通ってパイプ8方向へ吐出される。すなわち、呼び水が
タンク室13とポンプ室14との間を循環している間
に、パイプ7に滞留している空気は呼び水と撹拌されな
がらパイプ8方向へ移動されることとなる。この空気の
移動に伴い、流体源5の流体が空気の移動に追従して、
小型流体ポンプ1に吸い上げられることとなる。
【0055】なお、上述したポンプ動作、すなわちステ
ータ部29に電力を供給し続けると、流体源の流体はホ
ースを通って吸引口20より吸入路18へ侵入してく
る。さらに、このポンプ動作を維持すると、流体源の流
体は吸入路18から通し孔15a,16aを通って吸入
孔4fよりインペラ室23内に入ってくる。なお、この
インペラ室23内では、図6の矢示a1 〜a9 のよう
に、流体は吸入孔4fより羽根車4の各内部空間Sを通
ってインペラ室23の外周側へいくようになる。このよ
うにしてインペラ室23内に侵入した流体は、貯水室2
4内に移動し、さらに、貯水室24から連通孔15b,
16bを通って吐出路19へ送られる。そして、ポンプ
部2内、すなわちタンク室13とポンプ室14が流体で
満たされる(自吸過程が終了する)と、流体は吐出路1
9に設けた吐出口21よりパイプ8を通って熱交換器6
へ送られる。また、熱交換器6で温められた流体は、パ
イプ9を通って流体源5に戻される。
【0056】なお、インペラ室23には、このインペラ
室23とモータ部3とを挿通する挿通孔27が設けられ
ている。この挿通孔27には、第1のシール部29が設
けられており、この第1のシール部29はインペラ室2
3内の流体がモータ部3へ漏れるのを防止している。す
なわち、第1のシール部29は、外側の周壁面部29a
が挿通孔27の大孔部27a内に圧入されていると共
に、内側の摺接面部29cが回転軸26に摺接してお
り、挿通孔27及び回転軸26によって形成されている
隙間を埋めている。なお、摺接面部29cの内側、すな
わち回転軸26と摺接する側には、潤滑用オイルAが充
填されているので回転軸26の軸受ロスを最小限にして
いる。
【0057】また、このように構成された第1のシール
部29のシール機能が万が一、何等かの原因によって破
壊されると、この流体は挿通孔27よりモータ部3内に
入ってしまうこととなる。しかし、第2ケース体11を
嵌合するモータケース31の嵌合孔部41には、有底の
分離壁34が連続している。したがって、第1のシール
部29のシール機能が破壊されたとき、挿通孔27から
モータ部3内に侵入してくる流体は、キャン構造を有す
る分離壁34内に閉じ込められることとなる。
【0058】すなわち、分離壁34は、万が一、流体が
モータ部3内に侵入した場合に、この流体がステータ部
32に漏れないように第2のシール部として設けられた
ものである。この分離壁34が、モータの給電部の一部
を構成するステータ部32側への流体の侵入を防止する
ことによって、小型流体ポンプ1を、漏電及び感電等の
事故がないようなポンプとすることが可能となってい
る。
【0059】次に、本発明の第2の実施の形態の小型流
体ポンプ49について、図9及び図10を用いて説明す
る。なお、この第2の実施の形態における小型流体ポン
プ49は、第1の実施の形態の小型流体ポンプ1と第1
のシール部29及びこの第1のシール部29が設けられ
た挿通孔27以外の部分について同じ構成を有してい
る。また、小型流体ポンプ49は、動作及び効果も第1
の実施の形態の小型流体ポンプ1とほぼ同様となってい
るので、この小型流体ポンプ49の第1のシール部50
の周囲についてのみ詳細に説明することとする。
【0060】小型流体ポンプ49には、ポンプ部2とモ
ータ部3とを挿通する挿通孔51が、第1の実施の形態
の小型流体ポンプ1同様設けられている。この挿通孔5
1は、3種類の内径の異なる部分を連続させた孔となっ
ており、ポンプ部2側より長孔部51a、小孔部51
b、大孔部51cの順に構成されている。そして、小孔
部51bを囲むようにフランジ51dが設けられてい
る。このように構成された挿通孔51内には、回転軸2
6が挿通される。
【0061】第1のシール部50は、図9及び図10に
示したように、挿通孔51の長孔部51a内に配置され
たメカニカルシールで構成されている。この第1のシー
ル部50は、回転軸26に固定され回転軸26と一体的
に回動するように円筒状に形成された回動部材52と、
回転軸26を挿通していると共に回転軸26とは当接さ
せないように第2ケース体11に固定された摺動部材5
3とから構成されている。なお、この摺動部材53の端
面が、回動部材52と摺接するように形成されており、
この構成によって、インペラ室23の流体が、挿通孔5
1内の小孔部51bには漏れないようになっている。
【0062】回動部材52は、回転軸26に圧入固定さ
れた固定リング54と、この固定リング54に一端を固
定されかつ回転軸26を挿通させているスプリング55
と、このスプリング55の他端が固定され回転軸26と
一体的に回転する従動リング56とから構成されてい
る。なお、この回動部材52は、スプリング55によっ
て従動リング56を図10において左方向に付勢してい
る。これによって、従動リング56は、摺動部材53の
端面に常に押し付けられていることとなる。したがっ
て、回転軸26が回転すると、従動リング56は、摺動
部材53に押し付けられながら回転軸26と一体的に回
転するので、摺動部材53に対しては摺動させられるこ
ととなる。
【0063】上述したように構成した第2の実施の形態
における小型流体ポンプ49の動作及び効果について
は、第1の実施の形態として既に述べた小型流体ポンプ
1と同様となっている。しかしながら、第2の実施の形
態における小型流体ポンプにおいては、回転軸26の回
転時の摺接部分、すなわち従動リング56と摺接部材5
3との摺接部分が摩耗しても、スプリング55の付勢力
によって常に従動リング56を図10において左方向に
付勢しているので、摺接圧力の低下が少なく、長期にわ
たってシール力を保持することが可能となっている。
【0064】本発明の小型流体ポンプの各実施の形態
は、上述したように構成されているが、特にこれに限定
されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変更が可能である。例えば、各実施の形態では、自吸
式の小型流体ポンプとなっているが、自吸式ではないポ
ンプにも本発明を適用できる。循環式のポンプではな
く、単なる吸水式ポンプにも適用できる。さらに、モー
タとしてはAC誘導型モータが好適であるが、AC同期
モータ等他のモータとしても良い。
【0065】また、各実施の形態では、インペラ室23
に挿通孔27,51を設けて、この挿通孔27,51内
に回転軸26を挿通させると共に、この回転軸26の先
端部分に羽根車4を固定した構成となっているが、羽根
車4は直接回転軸26に固定しなくとも良い。すなわ
ち、本発明の小型流体ポンプ1では、回転軸26の回転
力が確実に羽根車4に伝達されればよく、例えば、回転
軸26の先端部分にマグネットを固定すると共に羽根車
4にも回転軸26に固定されたマグネットに追従するマ
グネットを固定するマグネットカップリング方式による
結合によって、回転軸26と羽根車4とを結合しても良
い。
【0066】この方式では、インペラ室23に挿通孔2
7,51を形成せずにロータ部28の回転力が羽根車4
に伝達できるので、インペラ室23内の流体が挿通孔2
7,51からモータ部3側に漏れることがなくなる。し
かし、マグネットカップリングの結合力を高めるために
両マグネット間を薄く形成しているので、何等かの原因
によって破壊されてしまうことが生じる。このため、マ
グネットカップリング方式を採用する場合は、インペラ
室23自体を第1のシール部29とすると共に、万が
一、流体がモータ部3へ侵入したとしてもステータ部3
2へは行かないようにした分離壁34を設けて第2のシ
ール部としている。このように構成すれば、インペラ室
23の両マグネット間に位置する部分が破壊されたとし
ても、漏電や感電の原因とはならないこととなる。
【0067】また、各実施の形態における羽根車4は、
2枚の平板4a,4bを複数の連結部4cで連結し、複
数の内部空間Sを設けると共に連結部4cの外周側に撹
拌部4eが形成された形状を有したものが使用されてい
るが、とくにこの形状には限定されない。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、第1のシール部をポンプ部とロータ部との
間に設けているので、ポンプ部内の流体がモータのロー
タ部に浸入しないようになっている。またさらに、ロー
タ部とステータ部とを分離する第2のシール部としての
分離壁が設けられているので、万が一、流体がロータ部
に漏れた場合でも、流体がロータ部からモータの給電部
となっているステータ部に侵入しないので、漏電や感電
等を発生しない安全性の高い小型流体モータとなる。
【0069】また、請求項2記載の発明によれば、分離
壁が非磁性材料で形成されているので、ステータ部に電
流を供給したときに発生する磁界が分離壁に影響される
ことなくロータ部に働きかけ、モータ効率の良い小型流
体ポンプとなり、高いポンプ能力が得られる。さらに、
請求項3記載の発明によれば、分離壁の厚さが100μ
m〜300μmとなっているので、十分な強度の分離壁
となると共にステータ部とロータ部の間のエアギャップ
が広くならず、モータ効率の良い小型流体ポンプとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における小型流体ポ
ンプを示した縦断面図である。
【図2】図1に示した小型流体ポンプの使用例を示した
模式図である。
【図3】図1に示した小型流体ポンプの第1ケース体を
矢示III方向から見た図である。
【図4】図1に示した小型流体ポンプの地板を矢示II
I方向から見た図である。
【図5】図1に示した小型流体ポンプのゴムシールを矢
示V方向から見た図である。
【図6】図1に示した小型流体ポンプの第2ケース体を
矢示V方向から見た図である。
【図7】図1に示した小型流体ポンプの第1のシール部
付近の縦断面図である。
【図8】本発明の小型流体ポンプのモータ効率と、ロー
タ部とステータ部とのエアギャップとの関係を示したグ
ラフである。
【図9】本発明の第2の実施の形態における小型流体ポ
ンプを示した縦断面図である。
【図10】図9に示した小型流体ポンプの第1のシール
部付近の縦断面図である。
【図11】従来の自吸式ポンプを示した縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 小型流体ポンプ 2 ポンプ部 3 モータ部 4 羽根車 4e 撹拌部 10 第1ケース体(ケース体) 11 第2ケース体(ケース体) 13 タンク室 14 ポンプ室 20 吸引口 21 吐出口 26 回転軸 28 ロータ部 29 第1のシール部 32 ステータ部 34 分離壁(第2のシール部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を吸引するための吸引口と上記流体
    を吐出するための吐出口とを有するケース体で形成され
    ると共に内部に羽根車が回転自在に配置されたポンプ部
    と、電流を供給されることにより磁界を発生するステー
    タ部と、該ステータ部に対向配置され上記磁界によって
    駆動されるロータ部と、該ロータ部を固定し上記ロータ
    部と一体的に回転されると共に上記羽根車を回転自在に
    支持する回転軸と、から構成された小型流体ポンプにお
    いて、上記ポンプ部内の上記流体が上記ロータ部に侵入
    するのを防止する第1のシール部を上記ポンプ部と上記
    ロータ部との間に設けると共に、上記ロータ部と上記ス
    テータ部とを分離する分離壁を設けてこの分離壁を上記
    流体が上記ロータ部に漏れた場合に上記流体が上記ロー
    タ部から上記ステータ部に侵入するのを防止する第2の
    シール部としたことを特徴とする小型流体ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記分離壁は、非磁性材料で形成された
    ことを特徴とする請求項1記載の小型流体ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記分離壁は、厚さが100μm〜30
    0μmであることを特徴とする請求項1または2記載の
    小型流体ポンプ。
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