JPH1133649A - トランスファプレスのクロスバー干渉防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィードバーに搬送動作を与えるサーボ系に
異常が発生したときに、クロスバーを金型位置から強制
的に払い出す。 【解決手段】 スライド５のプレスラインＬと直角な上
流側外壁面に、下から上に向けて上流側に張り出す形状
とした干渉防止用板カム２７を取り付ける。フィードバ
ー１０に搬送動作を与えるフィード用ピニオン・ラック
機構２０のフィード用ラックバー１８と干渉防止用板カ
ム２７との間に、干渉防止機構２８を介在させる。フィ
ードバー１０の搬送動作に異常が発生すると、スライド
５の下降に伴う干渉防止用板カム２７の下降により、干
渉防止機構２８がフィードバー１０を上流側又は下流側
へ押し戻し、クロスバー１３を金型位置と干渉しない位
置へ払い出す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は搬送動作をサーボモ
ータとピニオン・ラック等の組み合わせにより行わせる
ようにしたトランスファプレスのクロスバー干渉防止装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】トランスファプレスでは、金型の昇降動
作とワークの搬送動作とを同期させて行うカム機構方式
が採用されていたが、近年の高速化要請により上記搬送
動作をカム機構方式に代えてサーボモータとピニオン・
ラック等の組み合わせにより行わせるようにした方式が
提案されている。

【０００３】図５はその一例の概要を示すもので、プレ
スラインＬに沿うよう敷設したベッド１上に、該プレス
ラインＬを挟んで左右方向から対向するようにコラム２
をそれぞれプレスラインＬ方向の所要間隔位置に立設す
ると共に、これら左右両側のコラム２の上端間に、ウエ
ブ構造としたクラウン３を掛け渡してプレスハウジング
４を構成し、該プレスハウジング４内のプレスラインＬ
方向に沿うコラム２間の位置に、それぞれスライド５を
上下動可能に配置し、該各スライド５の下面に上金型を
セットすると共に、上記ベッド１の上面の各コラム間位
置に設けたボルスタ６上に、上金型と対応させて下金型
をセットして、プレスラインＬ方向に沿い複数のプレス
部を形成し、上記クラウン３内に組み込んだスライド駆
動装置７により各プレス部のスライド５を上下動させ
て、上下の金型間でパネル等のワークをプレス成形でき
るようにしてある。

【０００４】又、上記のプレス成形動作とタイミングを
合わせて、ワークを次のプレス部へ順次搬送させるよう
にするために、プレスラインＬを挟んで対向する各コラ
ム２の内側面に、プレスラインＬ方向に延びる一対のガ
イドビーム８を固定し、該ガイドビーム８に、金型の配
列間隔に合わせて配置したキャリッジ９を移動自在に係
合支持させると共に、該各キャリッジ９をプレスライン
Ｌ方向に沿うフィードバー１０にて互いに連結し、且つ
上記各キャリッジ９に、昇降用ロッド１１を、図示しな
いＡＣサーボモータの如き昇降駆動装置により昇降可能
に組み付け、更に、プレスラインＬを挟んで対向する昇
降用ロッド１１の下端部間に、バキュームカップの如き
ワーク把持具１２を備えたクロスバー１３を掛け渡し、
各昇降駆動装置を同期させて駆動することにより、昇降
用ロッド１１を介してクロスバー１３が昇降させられる
ようにしてある。

【０００５】更に、上記プレスハウジング４のプレスラ
インＬ方向の上流側位置に、フィード用サーボモータ
（ＡＣサーボモータ）１４を設置し、該フィード用サー
ボモータ１４の出力軸１５に取り付けたフィード用ピニ
オン１６を、フィードバー１０の上流側端部に刻設した
ラック１７に噛合させ、フィード用サーボモータ１４の
駆動力を、ピニオン１６を介してラック１７に伝えるこ
とにより、フィードバー１０をプレスラインＬ方向へ移
動させて、クロスバー１３に搬送動作が与えられるよう
にしてある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記トラン
スファプレスの場合、スライド駆動装置７により各プレ
ス部のスライド５の上下動作を基準にしてクロスバー１
３が搬送されるようにフィード用サーボモータ１４の駆
動がコントロールされているが、上記スライド５の上下
動作とフィード用サーボモータ１４による搬送動作とは
独立させてあるため、フィード用サーボモータ１４に異
常が発生すると、ワーク把持具１２やクロスバー１３と
金型とが干渉してこれらを損傷させてしまう虞がある。
すなわち、上記トランスファプレスでは、ワーク把持具
１２を備えたクロスバー１３に対し、プレスラインＬ方
向への搬送動作と、昇降動作とを行わせるようにし、ク
ロスバー１３のワーク把持具１２で把持されたワーク
を、スライド駆動装置７によるプレス動作としてのスラ
イド５の上下動と連動させて各プレス部の上下金型間へ
搬送し、搬送後は上下金型間よりクロスバー１３を上下
金型と干渉しない退避位置まで移動させ、プレス後、ク
ロスバー１３を退避位置から最初の位置へ戻してワーク
を把持し、再びプレス部へ搬送させるという一連の動作
が行えるようにしてあるため、たとえば、クロスバー１
３がプレス部に位置するときにフィード用サーボモータ
１４の駆動が停止してしまうような事態が発生すると、
上下の金型間にクロスバー１３が介在している状態でプ
レス動作が行われてしまうことになり、ワーク把持具１
２、クロスバー１３、ワークは勿論のこと上下の金型を
損傷させてしまうことになる。殊に、金型は高価である
ため、上記したような損傷事故が発生した場合には多大
な損害となる。

【０００７】そこで、本発明は、フィードバーの搬送動
作に万一異常が発生するような事態が発生したとして
も、プレスによる金型とクロスバー等との干渉を避けて
金型等の損傷事故を起すことがないような、即ち、スラ
イド下降途中より金型が閉じている間はクロスバーが待
機位置（金型と金型の間のスペース）に保たれるような
トランスファプレスのクロスバー干渉防止装置を提供し
ようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、プレスライン方向に配列された金型位置
でのスライドの上下動に合わせて、フィード用ピニオン
とフィード用ラックバーとからなるフィード用ピニオン
・ラック機構を介してフィード用サーボモータによりプ
レスライン方向の搬送動作が与えられるようにしてある
フィードバーに、ワーク把持具を備えたクロスバーを金
型の配列間隔に対応させてプレスラインと直交するよう
に支持させ、且つ上記スライドのプレスラインと直角な
上流側外壁面に、下から上へ向けてプレスライン方向の
上流側へ張り出すようにした干渉防止用板カムを取り付
け、更に、該干渉防止用板カムと上記フィード用ラック
バーとの間に、干渉防止用板カムの下降変位をプレスラ
イン方向への移動変位に変換する干渉防止機構を介在さ
せた構成とする。

【０００９】スライドの下降動作に伴い干渉防止用板カ
ムが下降すると、その下降により干渉防止機構のフィー
ド用ラックバーがプレスライン方向上流側へ移動させら
れるため、フィードバーの搬送動作に異常が発生して該
フィードバーが停止しても、フィード用ラックバーによ
りフィードバーがプレスライン方向の上流側又は下流側
へ押し戻されることにより、クロスバーは金型と干渉し
ない位置へ強制的に払い出される。

【００１０】又、干渉防止機構を、押付シリンダの押付
力により先端のカムフォロワを干渉防止用板カムにプレ
スライン方向から押し付けるようにした押付用ラックバ
ーと、フィード用ラックバーの端面との間に微小クリア
ランスが形成されるように配置した干渉防止用ラックバ
ーと、該干渉防止用ラックバーと上記押付用ラックバー
との間に介在させた動力伝達用ギヤとからなる構成とす
ることにより、通常の運転時は、押付シリンダの作用で
押付用ラックバーが干渉防止用板カムに押し付けられる
ため、干渉防止用ラックバーがフィード用ラックバーと
の間に微小クリアランスを保持して追従動作させられ
る。

【００１１】一方、スライドのプレスラインと直角な下
流側外壁面に、下から上へ向けてプレスライン方向の下
流側へ張り出すようにした規制用板カムを取り付け、且
つ該規制用板カムの下降変位を垂直ラックの下降変位に
変換するストッパ機構を設け、更に、下降時の垂直ラッ
クの下端部と当接し得る係止片を、フィードバーの所要
位置に固設した構成とすることによって、フィードバー
の押し戻しの位置がストッパ機構により規制されるた
め、フィードバーの暴走が防止される。

【００１２】更に、ストッパ機構を、押付シリンダの押
付力により先端のカムフォロワを規制用板カムにプレス
ライン方向から押し付けるようにした押付用ラックバー
と、該ラックバーと垂直ラックとの間に介在させた動力
伝達用ギヤとからなる構成とすることにより、押付シリ
ンダの作用で押付用ラックバーが規制用板カムに押し付
けられるため、垂直ラックはスライドの上下動作に合わ
せて正確に昇降させられる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。

【００１４】図１（イ）（ロ）は本発明の実施の一形態
を示すもので、図５に示したと同様な構成としてあるサ
ーボモータ駆動方式のトランスファプレスにおいて、フ
ィードバー１０の上流側端部に設けたラック１７にフィ
ード用サーボモータ１４のフィード用ピニオン１６を噛
合させることに代えて、フィードバー１０の上流側端部
上に、フィードバー１０と平行に配したフィード用ラッ
クバー１８を、垂直ロッド１９を介して取り付け、該フ
ィード用ラックバー１８にフィード用サーボモータ１４
のフィード用ピニオン１６を噛合させてフィード用ピニ
オン・ラック機構２０を形成する。

【００１５】又、スライド５のプレスラインＬと直角な
上流側外壁面に、下から上へ向けてプレスラインＬ方向
の上流側へ張り出すような形状とした干渉防止用板カム
２７を取り付け、且つ該干渉防止用板カム２７とフィー
ド用ピニオン・ラック機構２０のフィード用ラックバー
１８との間に、スライド５の上下動に伴う干渉防止用板
カム２７の昇降変位をプレスラインＬ方向の変位に変換
する干渉防止機構２８を介在させ、フィードバー１０の
搬送動作が停止する等の異常が発生したときに、フィー
ドバー１０をプレスラインＬの上流側へ押し戻して、ス
ライド５の下面の上金型２９及びボルスタ６上の下金型
３０と干渉しない位置までクロスバー１３を強制的に払
い出せるようにする。

【００１６】一方、スライド５のプレスラインＬと直角
な下流側外壁面に、下から上へ向けてプレスラインＬ方
向の下流側へ張り出すような形状とした規制用板カム３
１を取り付け、且つ該規制用板カム３１の昇降変位をス
トッパとなる垂直ラック３２の昇降変位に変換するスト
ッパ機構３３を設けると共に、下降時の垂直ラック３２
の下端部と当接し得る係止片３４をフィードバー１０の
所要位置に設け、上記フィードバー１０の押し戻し位置
を垂直ラック３２と係止片３４で規制して、クロスバー
１３がプレスラインＬの上流側へ押し戻されるときの暴
走を規制できるようにする。

【００１７】上記干渉防止機構２８は、圧縮エアをヘッ
ド側に封じ込めてなる押付シリンダ３５の押付力により
カムフォロワ３６を干渉防止用板カム２７にプレスライ
ンＬ方向から押し付けるようにした押付用ラックバー３
７と、フィード用ピニオン・ラック機構２０のフィード
用ラックバー１８の下流側端面との間に微小クリアラン
スＣが形成されるようにした干渉防止用ラックバー３８
と、動力伝達用ギヤ３９と、同軸上の動力伝達用ギヤ４
０及び４１と、を備え、上記押付用ラックバー３７はラ
ック面を下向きとして配置すると共に、干渉防止用ラッ
クバー３８はラック面を上向きとしてプレスラインＬ方
向に配置し、且つ上記押付用ラックバー３７に噛合させ
た動力伝達用ギヤ３９に動力伝達用ギヤ４０を噛合させ
て、該動力伝達用ギヤ４０と同軸上の動力伝達用ギヤ４
１を干渉防止用ラックバー３８に噛合させた構成とし、
スライド５の上下動に伴う干渉防止用板カム２７の昇降
変位により、干渉防止用ラックバー３８がフィード用ラ
ックバー１８と微小クリアランスＣを保持してフィード
バー１０の搬送動作に追従して進退変位させられるよう
にしてある。

【００１８】又、上記ストッパ機構３３は、圧縮エアを
ヘッド側に封じ込めてなる押付シリンダ４２の押付力に
よりカムフォロワ４３を介して規制用板カム３１にプレ
スラインＬ方向から押し付けるようにした押付用ラック
バー４４と、フィードバー１０の外側に上下方向に延び
る垂直ラック３２と、同軸上の動力伝達用ギヤ４５及び
４６と、を備え、上記押付用ラックバー４４はラック面
を下向きとして配置すると共に、垂直ラック３２はラッ
ク面を上流向きとして配置し、且つ上記押付用ラックバ
ー４４に動力伝達用ギヤ４５を噛合させて、該動力伝達
用ギヤ４５と同軸上の動力伝達用ギヤ４６を垂直ラック
３２に噛合させた構成とし、スライド５の上下動に伴う
規制用板カム３１の昇降変位に追従して、垂直ラック３
２が昇降変位させられるようにしてある。

【００１９】なお、図中Ｗはパネルの如きワークを示
し、図５と同一部分には同一符号が付してある。

【００２０】通常の運転時は、スライド５の上下動に合
わせてフィードバー１０の搬送動作が行われる。この
際、干渉防止機構２８では、押付シリンダ３５の押付力
により押付用ラックバー３７がカムフォロワ３６を介し
て干渉防止用板カム２７に押し付けられているため、ス
ライド５が上下動すると、押付用ラックバー３７はプレ
スラインＬ方向に反復移動し、この移動力が動力伝達用
ギヤ３９，４０，４１を介して干渉防止用ラックバー３
８に伝えられることにより、干渉防止用ラックバー３８
もプレスラインＬ方向に進退を繰り返して、フィードバ
ー１０に搬送動作を与えているフィード用ピニオン・ラ
ック機構２０のフィード用ラックバー１８との間に微小
クリアランスＣを保持して追従動作させられる。

【００２１】一方、ストッパ機構３３においても、押付
シリンダ４２の押付力により押付用ラックバー４４がカ
ムフォロワ４３を介して規制用板カム３１に押し付けら
れているので、スライド５が上下動すると、押付用ラッ
クバー４４はプレスラインＬ方向に反復移動し、この移
動力が動力伝達用ギヤ４５，４６を介して垂直ラック３
２に伝えられることにより、垂直ラック３２はスライド
５の上下動に伴って昇降させられる。

【００２２】上記の運転時に、万一、フィード用サーボ
モータ１４に異常が発生してフィードバー１０の搬送動
作に狂いが生じると、クロスバー１３が上、下金型２
９，３０と干渉する事態が生じてしまうことになるが、
この場合、上述した干渉防止機構２８の干渉防止用ラッ
クバー３８がスライド５の下降動作に伴ってプレスライ
ンＬ方向の上流側へ移動させられるため、この干渉防止
用ラックバー３８がフィード用ラックバー１８の端面を
押すことになってフィードバー１０をプレスラインＬの
上流側へ強制的に押し戻すことになり、したがって、ク
ロスバー１３を上、下金型２９，３０と干渉しない位置
へ強制的に払い出すことができる。又、このとき、上述
した如きストッパ機構３３の作動により垂直ラック３２
は下降させられていてその下端部がフィードバー１０の
外側に重なるように位置させられるため、上流側へ押し
戻されたフィードバー１０の係止片３４が垂直ラック３
２の下端部に当接することにより、フィードバー１０の
上流側への暴走が抑えられる。

【００２３】したがって、スライド５の上下動やクロス
バー１３の昇降が続行されたとしても、上、下金型２
９，３０とクロスバー１３との干渉を避けることがで
き、これら上、下金型２９，３０やクロスバー１３等の
損傷を未然に防ぐことができる。

【００２４】次に、図２は本発明の他の実施の形態とし
ての干渉防止機構２８の変形例を示すもので、押付用ラ
ックバー３７と干渉防止用ラックバー３８を、いずれも
ラック面を上向きとして配置し、且つ両ラックバー３
７，３８に、同軸配置した動力伝達用ギヤ４０，４１を
噛合させるようにしたものである。なお、他の部分は図
１に示したものと同様な構成である。

【００２５】図２に示すような干渉防止機構２８を採用
しても、上記の実施の形態の場合と同様な作用効果が奏
し得られる。

【００２６】次いで、図３（イ）（ロ）は図１（イ）
（ロ）に対応する本発明の更に他の実施の形態を示すも
ので、図１（イ）（ロ）に示す干渉防止機構２８と同様
な構成において、干渉防止用ラックバー３８を、フィー
ド用ラックバー１８の上流側に、該フィード用ラックバ
ー１８の上流側端面との間に微小クリアランスＣが形成
されるように配置したものである。

【００２７】又、図４は図２に対応する本発明の更に別
の実施の形態を示すもので、図２に示す干渉防止機構２
８と同様な構成において、干渉防止用ラックバー３８
を、フィード用ラックバー１８の上流側に、該フィード
用ラックバー１８の上流側端面との間に微小クリアラン
スＣが形成されるように配置し、且つ押付用ラックバー
３７のラック面を下向きとし、該押付用ラックバー３７
と上記干渉防止用ラックバー３８との間に、動力伝達用
ギヤ４０，４１を噛合させるようにしたものである。

【００２８】図３（イ）（ロ）及び図４に示すようにす
ると、フィード用サーボモータ１４に異常が発生してフ
ィードバー１０の搬送動作に狂いが生じたときに、フィ
ードバー１０をプレスラインＬ方向の下流側へ押してク
ロスバー１３を払い出すことができる。すなわち、スラ
イド５の下降途中より金型２９，３０が閉じている間
は、クロスバー１３をプレスラインＬ方向で並ぶ金型間
の中間スペースとしての待機位置に確実に位置保持させ
ることができる。

【００２９】なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限
定されるものではなく、たとえば、ストッパ機構３３と
しては、押付用ラックバー４４のラック面を上向きと
し、且つ垂直ラック３２のラック面を下流向きとしても
よいこと、又、干渉防止機構２８としては、リンク機構
等を採用してもよいこと、更に、図２において二点鎖線
で示すように、干渉防止用板カム２７を、スライド５に
設置した高さ調節装置４７に支持させるようにしておく
と、金型高さが異なるワークＷのときにスライド５の高
さを調節するので、このような場合に干渉防止用板カム
２７の高さ位置調整を容易に行うことができるようにな
ること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変更を加え得ることは勿論である。

【００３０】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明のトランスファ
プレスのクロスバー干渉防止装置によれば、次の如き優
れた効果を発揮する。 (1) プレスライン方向に配列された金型位置でのスライ
ドの上下動に合わせて、フィード用ピニオンとフィード
用ラックバーとからなるフィード用ピニオン・ラック機
構を介してフィード用サーボモータによりプレスライン
方向の搬送動作が与えられるようにしてあるフィードバ
ーに、ワーク把持具を備えたクロスバーを金型の配列間
隔に対応させてプレスラインと直交するように支持さ
せ、且つ上記スライドのプレスラインと直角な上流側外
壁面に、下から上へ向けてプレスライン方向の上流側へ
張り出すようにした干渉防止用板カムを取り付け、更
に、該干渉防止用板カムと上記フィード用ラックバーと
の間に、干渉防止用板カムの下降変位をプレスライン方
向への移動変位に変換する干渉防止機構を介在させた構
成としてあるので、フィードバーの搬送動作に異常が発
生しても、干渉防止機構により、フィードバーをプレス
ライン方向上流側又は下流側へ押し戻すことができて、
クロスバーを金型と干渉しない位置へ強制的に払い出す
ことができ、これにより、クロスバーや金型等の損傷事
故を未然に防ぐことができる。 (2) 干渉防止機構を、押付シリンダの押付力により先端
のカムフォロワを干渉防止用板カムにプレスライン方向
から押し付けるようにした押付用ラックバーと、フィー
ド用ラックバーの上流側又は下流側端面との間に微小ク
リアランスが形成されるように配置した干渉防止用ラッ
クバーと、該干渉防止用ラックバーと上記押付用ラック
バーとの間に介在させた動力伝達用ギヤとからなる構成
とすることにより、通常の運転時に、干渉防止用ラック
バーをフィード用ラックバーとの間に微小クリアランス
を保持して追従動作させることができる。 (3) スライドのプレスラインと直角な下流側外壁面に、
下から上へ向けてプレスライン方向の下流側へ張り出す
ようにした規制用板カムを取り付け、且つ該規制用板カ
ムの下降変位を垂直ラックの下降変位に変換するストッ
パ機構を設け、更に、下降時の垂直ラックの下端部と当
接し得る係止片を、フィードバーの所要位置に固設した
構成とすることにより、フィードバーの押し戻し時の位
置を垂直ラックで規制できるため、フィードバーが押し
戻されるときに暴走して機外へ飛び出すことを防止する
ことができる。 (4) ストッパ機構を、押付シリンダの押付力により先端
のカムフォロワを規制用板カムにプレスライン方向から
押し付けるようにした押付用ラックバーと、該ラックバ
ーと垂直ラックとの間に介在させた動力伝達用ギヤとか
らなる構成とすることにより、通常の運転時に、スライ
ドの上下動作に合わせて垂直ラックを正確に昇降させる
ことができるので、フィードバーの搬送動作に支障を来
すことはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のトランスファプレスのクロスバー干渉
防止装置の実施の一形態を示すもので、（イ）は部分概
略側面図、（ロ）は部分概略平面図である。

【図２】本発明の他の実施の形態を示す干渉防止機構の
概要図である。

【図３】図１（イ）（ロ）に対応する本発明の更に他の
実施の形態を示すもので、（イ）は部分概略側面図、
（ロ）は部分概略平面図である。

【図４】図２に対応する本発明の更に別の実施の形態を
示す干渉防止機構の概要図である。

【図５】サーボモータ駆動方式のトランスファプレスの
一例を示す全体の概要図である。

【符号の説明】

５ スライド １０ フィードバー １２ ワーク把持具 １３ クロスバー １４ フィード用サーボモータ １６ フィード用ピニオン １８ フィード用ラックバー ２０ フィード用ピニオン・ラック機構 ２７ 干渉防止用板カム ２８ 干渉防止機構 ２９ 上金型 ３０ 下金型 ３１ 規制用板カム ３２ 垂直ラック ３３ ストッパ機構 ３４ 係止片 ３５ 押付シリンダ ３６ カムフォロワ ３７ 押付用ラックバー ３８ 干渉防止用ラックバー ３９，４０，４１ 動力伝達用ギヤ ４２ 押付シリンダ ４３ カムフォロワ ４４ 押付用ラックバー Ｌ プレスライン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 善生 神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 大久保 尚司 神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 吉井 栄一 神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレスライン方向に配列された金型位置
   でのスライドの上下動に合わせて、フィード用ピニオン
   とフィード用ラックバーとからなるフィード用ピニオン
   ・ラック機構を介してフィード用サーボモータによりプ
   レスライン方向の搬送動作が与えられるようにしてある
   フィードバーに、ワーク把持具を備えたクロスバーを金
   型の配列間隔に対応させてプレスラインと直交するよう
   に支持させ、且つ上記スライドのプレスラインと直角な
   上流側外壁面に、下から上へ向けてプレスライン方向の
   上流側へ張り出すようにした干渉防止用板カムを取り付
   け、更に、該干渉防止用板カムと上記フィード用ラック
   バーとの間に、干渉防止用板カムの下降変位をプレスラ
   イン方向への移動変位に変換する干渉防止機構を介在さ
   せた構成を有することを特徴とするトランスファプレス
   のクロスバー干渉防止装置。
2. 【請求項２】 干渉防止機構を、押付シリンダの押付力
   により先端のカムフォロワを干渉防止用板カムにプレス
   ライン方向から押し付けるようにした押付用ラックバー
   と、フィード用ラックバーの端面との間に微小クリアラ
   ンスが形成されるように配置した干渉防止用ラックバー
   と、該干渉防止用ラックバーと上記押付用ラックバーと
   の間に介在させた動力伝達用ギヤとからなる構成とした
   請求項１記載のトランスファプレスのクロスバー干渉防
   止装置。
3. 【請求項３】 スライドのプレスラインと直角な下流側
   外壁面に、下から上へ向けてプレスライン方向の下流側
   へ張り出すようにした規制用板カムを取り付け、且つ該
   規制用板カムの下降変位を垂直ラックの下降変位に変換
   するストッパ機構を設け、更に、下降時の垂直ラックの
   下端部と当接し得る係止片を、フィードバーの所要位置
   に固設した請求項１又は２記載のトランスファプレスの
   クロスバー干渉防止装置。
4. 【請求項４】 ストッパ機構を、押付シリンダの押付力
   により先端のカムフォロワを規制用板カムにプレスライ
   ン方向から押し付けるようにした押付用ラックバーと、
   該ラックバーと垂直ラックとの間に介在させた動力伝達
   用ギヤとからなる構成とした請求項３記載のトランスフ
   ァプレスのクロスバー干渉防止装置。