JPH11336127A - 空調装置を備えた建設機械用キャブ - Google Patents

空調装置を備えた建設機械用キャブ

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JPH11336127A
JPH11336127A JP16137098A JP16137098A JPH11336127A JP H11336127 A JPH11336127 A JP H11336127A JP 16137098 A JP16137098 A JP 16137098A JP 16137098 A JP16137098 A JP 16137098A JP H11336127 A JPH11336127 A JP H11336127A
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air
cab
air conditioner
ceiling
box
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Masayuki Yugami
誠之 湯上
Fumimasa Saeki
文将 佐伯
Yoshiaki Yamazaki
義昭 山崎
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吹出口からの調和空気を常に適正な温度状態
でオペレータに供給することができ、キャブボックス内
での居住性を高めるようにする。 【解決手段】 キャブボックス14の天井部15側に
は、その後部側の位置に収容カバー28を設ける。そし
て、この収容カバー28と天井部15との間には空調装
置33の空調ユニット34および風排ボックス38を収
容し、この風排ボックス38には吹出口38Aを設け
る。また、この風排ボックス38の吹出口38Aは、前
窓22に向けて30〜60度、好ましくは40〜50度
程度の傾き角α1 をもって収容カバー28の前側カバー
部28Bから斜め下向きに開口させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に設けられ、キャブボックス内を冷暖房
するための空調装置を備えた建設機械用キャブに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベルの建設機械用のキ
ャブは、実開平4−26109号公報等によって知ら
れ、天井部、前面部、後面部および左,右の側面部から
なるキャブボックスと、少なくとも蒸発器および送風フ
ァンからなり、吹出口から前記キャブボックス内に向け
て調和空気を送風する空調装置等とを備えている。
【0003】この種の従来技術によるキャブでは、キャ
ブボックス内の温度に応じてオペレータが空調装置を適
宜に作動させることにより、吹出口からキャブボックス
内に向けて冷風または温風を送風し、キャブボックス内
を常に適正な温度に維持する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による油圧ショベルのキャブでは、空調装置の吹
出口を運転席の後部側の位置で床板側から上向きに開口
させる構成としているため、吹出口からの冷風は天井部
側に向けて上方に吹出され、一旦天井部側を経由した後
にオペレータ側へと下向きに送風される。
【0005】この結果、吹出口からの冷風は天井部側を
経由してからオペレータ側に到達するまでの間に暖めら
れ易くなり、冷風を適正な温度状態でオペレータに供給
することが難しくなるという問題がある。
【0006】また、この従来技術にあっては、オペレー
タの足下、腰等と対応した位置に前記吹出口とは別個の
他の吹出口を上向きに開口させる構成としているため、
これらの吹出口からの冷風はオペレータの頭部、首等に
直接吹き付けられる虞れがあり、オペレータに不快感を
与えかねないという問題がある。
【0007】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
なされたもので、本発明は、吹出口からの調和空気を常
に適正な温度状態でオペレータに供給することができ、
キャブボックス内の居住性を向上できるようにした空調
装置を備えた建設機械用キャブを提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明による空調装置を備えた建設機械用キャ
ブは、天井部、前面部、後面部および左,右の側面部か
らなるキャブボックスと、少なくとも蒸発器および送風
ファンからなり、前記キャブボックス内に向けて調和空
気を送風するため吹出口が前記天井部側に設けられた空
調装置とを有している。
【0009】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、空調装置の吹出口は、30〜60度程度の傾き
角をもって前面部側へと斜め下向きに開口させる構成と
している。
【0010】このように構成したことにより、空調装置
の蒸発器によって冷やされた調和空気を、冷風として天
井部側の吹出口からキャブボックスの前面部に向けて約
30〜60度程度の角度をもって斜め下向きに吹出すこ
とができる。
【0011】この結果、吹出口からの冷風は前面部に当
たって反射した後に、前面部から後方に向けて斜め下向
きに流れる。これにより、冷風はキャブボックスの下部
側へと導かれ、その後はエンジンから伝わる熱等によっ
て暖められることにより、後面部の下部側から天井部側
へと上向きに対流状態で流れ、最後に空調装置に吸込ま
れる。
【0012】また、請求項2の発明では、キャブボック
スの天井部側には、該天井部との間に空調装置を収容す
るための収容カバーを設け、該収容カバーは、前記キャ
ブボックスの後面部から前後方向の途中までほぼ水平に
延び前記空調装置を下側から覆う下側カバー部と、該下
側カバー部の前端側から前記天井部に向け傾き角と対応
した角度をもって斜め上向きに延び、上端側が前記天井
部に固着された前側カバー部とから構成し、該前側カバ
ー部には吹出口を設ける構成としている。
【0013】このように構成したことにより、空調装置
を天井部の後部側に片寄せた状態で収容カバーと天井部
との間に設けることができると共に、吹出口を収容カバ
ーの前側カバー部からキャブボックス内に向けて容易に
開口させることができる。
【0014】また、請求項3の発明では、空調装置は、
キャブボックス内の空気を導入するための内気導入口を
前記下側カバー部の後部側に開口させる構成としてい
る。
【0015】このように構成したことにより、調和空気
がキャブボックスの後面部に沿って天井部側へと上向き
に流れたときに、この調和空気を下側カバー部の後部側
に開口した内気導入口へと円滑に導入することができ
る。
【0016】さらに、請求項4の発明では、キャブボッ
クス内には後面部側寄りの位置に運転席を設け、吹出口
は、該運転席の背もたれ部よりも前側となる位置に設け
る構成としている。
【0017】このように構成したことにより、吹出口か
らの調和空気を運転席に着座したオペレータの前側に供
給することができる。
【0018】さらに、請求項5の発明では、空調装置の
吹出口には、キャブボックス内に向けて送風される調和
空気の方向を可変に調整する送風方向調整手段を設けて
なる構成としている。
【0019】このように構成したことにより、オペレー
タの好みに合わせて送風方向調整手段を操作することに
より、吹出口から送風される調和空気の吹出し方向を調
整することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
空調装置を備えた建設機械用キャブを、小旋回式の油圧
ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図12
に従って詳細に説明する。
【0021】図中、1は下部走行体、2は該下部走行体
1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回
体2は、旋回フレーム3と、該旋回フレーム3の左前側
に設けられた油圧ショベル用のキャブ4と、該キャブ4
の後側に位置して旋回フレーム3上に配置されたエンジ
ン(図示せず)と、旋回フレーム3の後部に設けられた
カウンタウエイト5等によって大略構成されている。
【0022】また、旋回フレーム3には土砂等の掘削作
業を行う作業装置6が俯仰動可能に設けられ、該作業装
置6は、ロアブーム7、アッパブーム8、アーム9およ
びバケット10等から構成されている。さらに、キャブ
4は、後述のキャブボックス14および空調装置33等
を備えている。
【0023】11は上部旋回体2の旋回フレーム3に設
けられた床板で、この床板11には、図3および図4に
示すように、オペレータが着座するシート部12Aおよ
び背もたれ部12B等からなる運転席12と、作業装置
6等を作動させるための操作レバー13A等からなる操
作レバー装置13とが設けられている。
【0024】14は床板11の上側に設けられたキャブ
ボックスで、該キャブボックス14は、天井部15、前
面部16、後面部17および左,右の側面部18,19
によって箱形状に形成され、左側の側面部18にはドア
20が取付けられている。
【0025】21はキャブボックス14の天井部15に
設けられた天窓で、該天窓21は、図3ないし図6に示
す如く後述する頭上空間32の上側の位置に配置され、
天井部15の一部を構成している。そして、該天窓21
はキャブボックス14内からの上方への視界を確保する
ものである。
【0026】22はキャブボックス14の前面部16上
部側に設けられた上側の前窓で、該前窓22は、図3な
いし図5に示す如く窓枠22Aと、該窓枠22Aの内側
に取付けられたガラス板22Bとによって構成され、後
述の前窓24と共に前面部16の一部をなしている。ま
た、前窓22の窓枠22Aには、その4隅に位置して4
個のローラ23が回転可能に設けられ、これらのローラ
23は後述の各ガイドレール27に回転可能に係合して
いる。
【0027】24はキャブボックス14の前面部16下
部側に設けられた下側の前窓で、該前窓24は、図3お
よび図6に示す如く前窓22の下側で前面部16に固定
されている。
【0028】25はキャブボックス14の天井部15側
に位置して側面部18との間に設けられた左側の補強枠
で、該補強枠25は、図6および図7に示す如く側面部
18から右向きに突出している。
【0029】そして、この補強枠25は、図7に示す如
く略三角形状をなして前後方向に延びた張出板部25A
と、該張出板部25Aの突出端から上向きに屈曲して延
び、上端側が天井部15に一体化された延設板部25B
とによって構成されている(なお、図6、図7中では補
強枠25は右側に示されている。)。そして、この補強
枠25は後述の補強枠26と共に天井部15側でキャブ
ボックス14の剛性を高める構成となっている。
【0030】26はキャブボックス14の天井部15側
に位置して側面部19との間に設けられた右側の補強枠
で、該補強枠26は、図6および図7に示す如く補強枠
25とは反対側に位置して側面部19から左向きに突出
している。
【0031】そして、この補強枠26は、図8に示すよ
うに前後方向へと細長く延びた張出板部26Aと、該張
出板部26Aの突出端から略L字状に折曲して斜め上向
きに延び、上端側が天井部15に一体化された延設板部
26Bとによって構成されている(なお、図6、図7中
では補強枠26は左側に示されている。)。また、補強
枠26の張出板部26Aには後述の送風ダクト40と対
応した位置に貫通孔26A1 が形成されている。
【0032】ここで、補強枠25,26は、図8に示す
ようにキャブボックス14の天井部15側に位置し、
左,右に離間して配設されている。そして、補強枠26
の延設板部26Bは、補強枠25の延設板部25Bと共
に前後方向へと互いに平行に延び、両者の間には図7に
示すように前窓22が収容される構成となっている。
【0033】27,27はキャブボックス14の補強枠
25,26等に設けられた左,右のガイドレールで、該
各ガイドレール27は、前側が左,右の側面部18,1
9の前端部に沿って上下方向に延び、上部側は補強枠2
5,26に沿って前後方向に延びている。
【0034】ここで、ガイドレール27のうち左側のガ
イドレール27は、側面部18の前端部に沿って上下方
向に伸長した前側レール部27Aと、補強枠25の延設
板部25Bに沿って前後方向に伸長した天井側レール部
27Bとによって全体が略L字状に屈曲した断面略コ字
状のレールとして構成されている。
【0035】また、右側のガイドレール27について
も、側面部19の前端部に沿って設けられた前側レール
部27Aと、補強枠26の延設板部26Bに沿って設け
られた天井側レール部27Bとによって左側のガイドレ
ール27と同様に構成されている。
【0036】そして、各ガイドレール27は図4中に一
点鎖線で示すように各ローラ23を前側レール部27A
から天井側レール部27Bに沿って案内する構成となっ
ている。これにより前窓22は、図3に示す閉窓位置か
ら上方へとスライドし、図4、図7中に実線で示す開窓
位置で天井部15側に格納される。
【0037】28は空調装置33の空調ユニット34を
キャブボックス14の天井部15側に収容するための収
容カバーで、該収容カバー28は、キャブボックス14
の後面部17から前後方向の途中位置までほぼ水平に延
び、空調ユニット34を下側から覆う下側カバー部28
Aと、該下側カバー部28Aの前端側から天井部15側
へと略く字状に屈曲して斜め上向きに延び、上端側が天
井部15に固着された前側カバー部28Bとによって構
成されている。
【0038】ここで、前記収容カバー28の前側カバー
部28Bは、図3ないし図5に示すように下側カバー部
28Aに対して、後述する吹出口38A(風排ボックス
38)の傾き角α1 と対応した角度をもって斜めに傾斜
している。
【0039】また、収容カバー28の前側カバー部28
Bには、左,右に離間して略長方形状の開口部28C
(一方のみ図示)が設けられ、この開口部28Cは、後
述する風排ボックス38の吹出口38Aをキャブボック
ス14内に開口させるものである。
【0040】そして、この収容カバー28は、その左,
右の両端側が図7に示すように補強枠25,26の延設
板部25B,26Bに固着され、空調ユニット34のハ
ウジングを構成している。そして、収容カバー28は延
設板部25B,26Bおよび天井部15との間に空調ユ
ニット34を収容するためのユニット収容室29を画成
するものである。
【0041】30,30,…は収容カバー28の下側カ
バー部28Aに設けられた内気導入口で、該各内気導入
口30は、キャブボックス14内の空気を空調ユニット
34側に導入させるものである。
【0042】ここで、内気導入口30は図8に示すよう
に収容カバー28の下側カバー部28Aに対しその後部
寄りの位置に配置されている。また、この各内気導入口
30にはそれぞれ防塵用のフィルタ31が取付けられて
いる。
【0043】32は空調装置33の前側に位置してキャ
ブボックス14の天井部15側に設けられた頭上空間
で、該頭上空間32は、図3ないし図6に示す如く天井
部15(天窓21)、前面部16、補強枠25,26の
延設板部25B,26Bおよび収容カバー28の前側カ
バー部28Bとによって取囲まれた空間部として形成さ
れている。
【0044】そして、頭上空間32は、運転席12より
も前側の位置に設けられ、オペレータが運転席12の前
側で立ち上がったときにオペレータの頭部が空調装置3
3側と衝突するのを防止する構成となっている。
【0045】33はキャブボックス14内に向けて調和
空気としての冷風または温風を送風するための空調装置
で、該空調装置33は、空調ユニット34、風排ボック
ス38および左,右の送風ダクト40,44等によって
大略構成されている。
【0046】34はキャブボックス14の天井部15側
に設けられた空調ユニットで、該空調ユニット34は、
蒸発器35、ヒータコア36および送風ファン37によ
って構成されている。
【0047】ここで、空調ユニット34は、天井部15
の後部側の位置でユニット収容室29内に収容されてい
る。また、空調ユニット34の蒸発器35は、後述の膨
張弁53を通じて供給された冷媒を気化させて、蒸発器
35の周囲の空気を冷却するものである。さらに、ヒー
タコア36は、後述のラジエータ55からの温水の一部
を温水弁(図示せず)等を介して流通させることによ
り、ヒータコア36の周囲の空気を暖めるものである。
【0048】そして、空調ユニット34は、前記温水弁
とコンプレッサ49とのいずれか一方を選択的に作動さ
せることにより、温風または冷風または送風ファン37
により風排ボックス38に向けて送風するものである。
【0049】38は空調ユニット34の前側に位置して
ユニット収容室29内に設けられた風排ボックスで、該
風排ボックス38は、図7および図9に示すように左,
右方向に延びた横長の箱状体として形成されている。ま
た、風排ボックス38の前面側には、左,右に離間して
吹出口38A,38Aが設けられ、該各吹出口38Aは
収容カバー28の開口部28Cを通じて前側カバー部2
8Bからキャブボックス14の前面部16に向けて開口
している。
【0050】ここで、風排ボックス38の吹出口38A
は、図3に示すように運転席12の背もたれ部12Bよ
りも前側寄りの位置に配置され、図5に示すように30
〜60度、好ましくは40〜50度程度の傾き角α1 を
もって斜め下向きに開口している。そして、この傾き角
α1 は、吹出口38Aから図3中の矢示A方向に送風さ
れる冷風等が前窓22に対して、例えば30〜60度、
好ましくは45度程度の角度α2 をもって斜めに当たる
ように設定されるものである。
【0051】また、風排ボックス38の後面側にはユニ
ット接続口38Bが設けられ、該ユニット接続口38B
は空調ユニット34内に接続されている。さらに、風排
ボックス38の左,右両側には後述する送風ダクト4
0,44用のダクト接続口38C,38Dが突設されて
いる。そして、風排ボックス38は、空調ユニット34
からの冷風(温風)を各吹出口38Aからキャブボック
ス14内に向けて送風させると共に、この冷風(温風)
の一部を送風ダクト40,44に向けて送風させるもの
である。
【0052】39,39は風排ボックス38の各吹出口
38Aに設けられた送風方向調整手段としての左,右の
ルーバで、該ルーバ39は、収容カバー28の開口部2
8C内に位置して風排ボックス38の吹出口38Aに取
付けられた略長方形状の固定枠39Aと、該固定枠39
A内に上下方向(垂直方向)に対して回動可能に設けら
れた略長方形状の回動枠39Bと、該回動枠39Bに
左,右方向(水平方向)に対して回動可能に設けられた
複数枚のフィン39C,39C,…等とによって構成さ
れている。
【0053】そして、このルーバ39は、回動枠39B
を固定枠39Aに対して回動させたり、各フィン39C
を回動枠39Bに対して回動させたりすることによっ
て、風排ボックス38の吹出口38Aから吹出される冷
風(温風)の吹出し量および吹出し方向を調整する構成
となっている。
【0054】40はキャブボックス14の天井部15側
に位置して補強枠25に開口した左側の送風ダクトで、
該送風ダクト40は、基端側が風排ボックス38のダク
ト接続口38Cに接続され、先端側が補強枠25の延設
板部25Bを貫通して下向きに屈曲して延びた第1のダ
クト41と、基端側が該ダクト41の先端側に接続さ
れ、先端側が吹出口42Aとなって張出板部25Aから
下向きに開口した第2のダクト42とによって構成され
ている。
【0055】ここで、送風ダクト40の吹出口42A
は、図7に示すように前窓22が開窓位置におかれたと
きでも、前窓22によって遮蔽されることのない位置、
即ち前窓22よりも下側の位置でキャブボックス14内
に開口している。そして、該送風ダクト42の吹出口4
2Aには、風排ボックス38側のルーバ39とほぼ同様
に構成されたルーバ43が設けられ、このルーバ43
は、前記吹出口42Aから吹出される冷風(温風)の吹
出し量および吹出し方向を調整する構成となっている。
【0056】44はキャブボックス14の天井部15側
に位置して補強枠26に開口した右側の送風ダクトで、
該送風ダクト44は、基端側が風排ボックス38のダク
ト接続口38Dに接続され、先端側が補強枠26の延設
板部26Bを貫通して延びた第1のダクト45と、該ダ
クト45の先端側に接続され、基端側が補強枠26の貫
通孔26A1 と対応した位置で張出板部26Aに取付け
られた第2のダクト46と、基端側が補強枠26の貫通
孔26A1 を通じて該ダクト46と連通するように張出
板部26Aに取付けられ、先端側が吹出口47Aとなっ
て横方向(左,右の幅方向左向き)に開口した第3のダ
クト47とによって構成されている。
【0057】ここで、送風ダクト44の吹出口47A
は、図4、図7に示すように前窓22が開窓位置におか
れたときでも、前窓22によって遮蔽されることのない
位置、即ち前窓22よりも下側の位置で送風ダクト45
の吹出口47Aと共にキャブボックス14内に開口して
いる。
【0058】そして、この送風ダクト46の吹出口47
Aにはルーバ48が設けられ、このルーバ48は、吹出
口47Aから吹出される冷風(温風)の吹出し量および
吹出し方向を調整する構成となっている。
【0059】49は図12に示すように空調ユニット3
4の蒸発器35下流側に位置して上部旋回体2のエンジ
ン側に設けられたコンプレッサで、該コンプレッサ49
は、冷媒配管50によって蒸発器35と後述の凝縮器5
1との間に接続され、蒸発器35を通過して気化状態と
なった冷媒を圧縮するものである。
【0060】51はコンプレッサ49の下流側に設けら
れ、該コンプレッサ49で圧縮された冷媒の熱を放熱し
て冷媒を液化させる凝縮器、52は該凝縮器51の下流
側に設けられ、該凝縮器51によって液化された冷媒を
一時的に貯えつつ気液分離する冷媒タンクである。ま
た、53は該冷媒タンク52の下流側に設けられ、冷媒
配管54によって蒸発器35に接続された膨張弁で、該
膨張弁53は、冷媒タンク52からの液化した冷媒を膨
張させ、冷媒を気化し易い状態で蒸発器35側に供給す
るものである。
【0061】そして、これらの凝縮器51、冷媒タンク
52および膨張弁53はコンプレッサ49と共に上部旋
回体2のエンジン側に配置され、空調ユニット34と共
に空調装置33の一部を構成している。
【0062】55は上部旋回体2のエンジン用のラジエ
ータで、該ラジエータ55は、温水配管56,57によ
ってヒータコア36に接続され、エンジン用の冷却水の
一部を温水としてヒータコア36側に給排するものであ
る。
【0063】本実施の形態による小旋回式の油圧ショベ
ルは、上述の如き構成を有するもので、キャブボックス
14内の運転席12に着座したオペレータが操作レバー
13Aを操作することによって、下部走行体1を走行さ
せたり、作業装置6を作動させて掘削作業を行う。
【0064】また、夏季の作業時等にはキャブボックス
14内の温度が上昇した場合に、ラジエータ55側の温
水弁を閉弁し、コンプレッサ49を作動させた状態で空
調装置33を始動する。これによりキャブボックス14
内の空気は、各内気導入口30から送風ファン37によ
って空調ユニット34に取込まれ、蒸発器35を通過す
る間に冷却される。そして、この冷却された空気は風排
ボックス38の各吹出口38A、および左,右の送風ダ
クト40,44の吹出口42A,47Aから冷風となっ
てキャブボックス14内に向けて送風され、該キャブボ
ックス14内を快適な温度に維持することができる。
【0065】一方、冬期の作業時等にはキャブボックス
14内の温度が低下した場合に、ラジエータ55側の温
水弁を開弁し、コンプレッサ49を停止させた状態で空
調装置33を始動する。これにより、キャブボックス1
4内の空気は内気導入口30から空調ユニット34に取
込まれた後にヒータコア36を通過し、この間に暖めら
れる。そして、この暖められた空気は風排ボックス38
の各吹出口38A、および左,右の送風ダクト40,4
4の吹出口42A,47Aから温風となってキャブボッ
クス14内に向けて送風され、該キャブボックス14内
を快適な温度に維持することができる。
【0066】次に、風排ボックス38の各吹出口38A
からキャブボックス14内に送風される冷風の流れにつ
いて説明する。
【0067】ここで、本実施の形態では、風排ボックス
38の吹出口38Aを、30〜60度、好ましくは40
〜50度程度の傾き角α1 をもって斜め下向きに開口さ
せる構成としたから、空調ユニット34によって冷やさ
れた冷風は、まず吹出口38Aから矢示A方向へと斜め
下向きに吹出される。
【0068】そして、吹出口38Aからの冷風は、図3
に示すように45度程度の角度α2をもって前窓22に
斜めに当たって反射した後、矢示B方向へと後方に向け
て斜め下向きに流れ、運転席12の下部側へと導かれ
る。
【0069】次に、運転席12側に導かれた冷風は床板
11に沿って矢示C方向へと後方に流れ、この間に床板
11側でエンジンから伝わる熱等によって暖められるこ
とにより、後面部17に沿って矢示D方向へと上向きに
対流状態で流れ、最後に各内気導入口30を通じて空調
ユニット34側に吸込まれる。
【0070】また、吹出口38Aから温風を送風すると
きについても、この温風は吹出口38Aからキャブボッ
クス14内を上述した冷風と同様の経路に沿って流れ、
最後に各内気導入口30を通じて空調ユニット34側に
吸込まれる。
【0071】かくして、本実施例では、キャブボックス
14内には風排ボックス38の各吹出口38Aからの冷
風を、常に一定の方向(図3では反時計廻り)に向けて
円滑に循環させることができ、例えば天井部15側に比
較的暖かい空気が滞留して床板11側には比較的冷たい
空気が滞留するような不具合を解消できる。これにより
キャブボックス14内全体を常に適正な温度状態に保持
し続けることができ、キャブボックス14内の居住性等
を高めることができる。
【0072】また、内気導入口30を天井部15の後部
側の位置で収容カバー28の下側カバー部28Aに開口
させる構成としたから、後面部17側に沿って矢示D方
向へと上向きに流れる空気流を内気導入口30内に効率
よく取込むことができ、この取込んだ内気を蒸発器35
によって再度冷却することにより、キャブボックス14
内の空気の冷却効率を高めることができる。
【0073】また、風排ボックス38の吹出口38A
は、運転席12の背もたれ部12Bよりも前側となる位
置で天井部15側に設ける構成としたから、蒸発器35
によって冷やされた直後の冷風を、矢示A,Bの如く吹
出口38Aからオペレータの前側に直接供給することが
できると共に、この冷風がオペレータの肩、頭等に直接
吹き付けられる虞れをなくすことができ、これによって
も快適に作業を行うことができる。
【0074】さらに、天井部15側には収容カバー28
によってユニット収容室29を形成し、収容カバー28
の前側カバー部28Bを下側カバー部28Aに対し、吹
出口38Aの傾き角α1 と対応した角度をもって斜めに
傾斜させる構成としたから、空調ユニット34および風
排ボックス38をユニット収容室内29に収容した状態
で、吹出口38Aを前側カバー部28Bからキャブボッ
クス14内に向けて容易に開口させることができ、これ
らの空調ユニット34および風排ボックス38の取付
け、レイアウト等を簡単に行うことができる。
【0075】一方、風排ボックス38の吹出口38Aお
よび送風ダクト40,44の吹出口42A,47Aに
は、それぞれ冷風(温風)の吹出し量および吹出し方向
を調整するためのルーバ39,43,48を設ける構成
としたから、これらのルーバ39,43,48をオペレ
ータの好みに合わせて適宜に操作することにより、一層
快適に作業を行うことができる。
【0076】また、空調ユニット34の前側には前側カ
バー部28Bと前面部16との間の位置に頭上空間32
を設ける構成としたから、例えばオペレータがキャブボ
ックス14内に乗降する際に、運転席12の前側で起立
姿勢をとったときでも、オペレータの頭部が空調ユニッ
ト34側(収容カバー28側)に当たるのを防止するこ
とができ、キャブボックス14内での居住性等をより高
めることができる。
【0077】さらに、左,右の送風ダクト40,44
は、前窓22を開窓位置に格納したときでも、送風可能
な位置に開口させる構成としたから、前窓22を開窓し
た状態でレバー操作等を行うときでも、空調装置33を
作動させることにより、送風ダクト40,44の吹出口
42A,47Aから調和空気をオペレータに向けて供給
することができ、快適に作業を行うことができる。
【0078】また、空調装置33の内気導入口30を天
井部15側に開口させる構成としたから、例えば内気導
入口を床板11側(オペレータの足下)に開口させて設
けた場合に比較して、内気導入口30側に吸込まれる塵
埃の量を減らすことができ、フィルタ31が早期に目づ
まりするのを抑えて、その交換周期を延ばすことができ
る。また、エンジン側の熱によって暖められた空気が内
気導入口30側に直接吸込まれる虞れがなくなり、これ
によっても空調装置33による冷却効率を高めることが
できる。
【0079】なお、実施の形態では、風排ボックス38
の吹出口38Aに設けたルーバ39は、回動枠39Bを
固定枠39Aに対して回動可能に設けるものとして述べ
たが、これに替えて、回動枠39Bを、吹出口38Aと
同様に傾き角α1 をもって斜め下向きに傾けた状態で固
定枠39Aに固定する構成としてもよい。
【0080】また、実施の形態では、空調ユニット34
にヒータコア36を設けることにより、空調装置33を
冷房装置の他に暖房装置としても用いられるものとして
述べたが、本発明はこれに限らず、例えばヒータコア3
6を廃止することにより、空調ユニットを冷房装置とし
てのみ用いてもよい。
【0081】さらに、実施の形態では、油圧ショベルを
例に挙げて説明したが、油圧クレーン、ブルドーザ等の
他の建設機械にも広く用いることができる。
【0082】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、空調装置の吹出口を、キャブボックスの前
面部に向け30〜60度程度の傾き角をもって斜め下向
きに開口させる構成としたから、吹出口からの調和空気
は前面部に当たって反射し、前面部から後方に向けて斜
め下向きに流れた後に、後面部の下部側から再度天井部
側へと導かれる。
【0083】これによりキャブボックス内には吹出口か
らの冷風を常に一定の方向に向けて円滑に循環させるこ
とができ、例えば天井部側に比較的暖かい空気が滞留す
るよな不具合を解消でき、キャブボックス内全体を常に
適正な温度状態に保持し続けることができ、キャブボッ
クス内での居住性等を高めることができる。
【0084】また、請求項2の発明では、空調装置を収
容カバーによってキャブボックスの天井部側に設け、こ
の収容カバーの前側カバー部を下側カバー部の前端側か
ら天井部に向けて吹出口の傾き角と対応した角度をもっ
て斜め上向きに延ばすと共に、吹出口を前側カバー部に
開口させる構成としたから、空調装置を天井部の後部側
に片寄せた状態で収容カバーと天井部との間に設けるこ
とができると共に、吹出口を収容カバーの前側カバー部
からキャブボックス内に向けて容易に開口させることが
でき、空調装置の取付け、レイアウト等を簡単に行うこ
とができる。
【0085】また、請求項3の発明では、キャブボック
ス内の空気を導入するための内気導入口を下側カバー部
の後部側に開口する構成としたから、キャブボックスの
後面部に沿って天井部側へと上向きに流れる調和空気を
内気導入口に効率よく取込むことができ、この取込んだ
内気を蒸発器によって冷却することにより、キャブボッ
クス内の冷却効率等を高めることができる。
【0086】さらに、請求項4の発明では、吹出口を運
転席の背もたれ部よりも前側となる位置に設ける構成と
したから、蒸発器によって冷やされた直後の冷風を吹出
口から運転席に着座したオペレータの前側に導くことが
できると共に、この冷風がオペレータの肩、頭等に直接
吹き付けられる虞れをなくすことができ、これによって
もキャブボックス内での居住性等を一層高めることがで
きる。
【0087】さらに、請求項5の発明では、空調装置の
吹出口には送風方向調整手段を設ける構成としたから、
オペレータの好みに合わせて送風方向調整手段を適宜に
操作することにより、吹出口から送風される調和空気の
吹出し方向を容易に調整することができ、キャブボック
ス内での居住性等をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す
正面図である。
【図2】図1中の油圧ショベルを拡大して示す平面図で
ある。
【図3】図1中のキャブを拡大して示す縦断面図であ
る。
【図4】前窓を開窓位置に格納した状態で示す図3と同
様位置からみた縦断面図である。
【図5】図3中の空調装置および頭上空間等を示す要部
拡大断面図である。
【図6】図1中のキャブボックスを拡大して示す左側面
図である。
【図7】図4中の矢示VII −VII 方向からみた拡大断面
図である。
【図8】図3中の矢示VIII−VIIIからみた拡大断面図で
ある。
【図9】図2中の空調ユニットを単体で示す拡大平面図
である。
【図10】図6中の風排ボックス側のルーバを単体で示
す拡大正面図である。
【図11】図10中の矢示XI−XI方向からみた拡大断面
図である。
【図12】本実施の形態に用いる空調装置の回路図であ
る。
【符号の説明】 4 キャブ 12 運転席 12B 背もたれ部 14 キャブボックス 15 天井部 16 前面部 17 後面部 18,19 側面部 28 収容カバー 28A 下側カバー部 28B 前側カバー部 30 内気導入口 33 空調装置 35 蒸発器 37 送風ファン 38 風排ボックス 38A,42A,47A 吹出口 39,43,48 ルーバ(送風方向調整手段) α1 傾き角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井部、前面部、後面部および左,右の
    側面部からなるキャブボックスと、少なくとも蒸発器お
    よび送風ファンからなり、前記キャブボックス内に向け
    て調和空気を送風するため吹出口が前記天井部側に設け
    られた空調装置とを有してなる空調装置を備えた建設機
    械用キャブにおいて、 前記空調装置の吹出口は、30〜60度程度の傾き角を
    もって前記前面部側へと斜め下向きに開口させる構成と
    したことを特徴とする空調装置を備えた建設機械用キャ
    ブ。
  2. 【請求項2】 前記キャブボックスの天井部側には、該
    天井部との間に前記空調装置を収容するための収容カバ
    ーを設け、該収容カバーは、前記キャブボックスの後面
    部から前後方向の途中までほぼ水平に延び前記空調装置
    を下側から覆う下側カバー部と、該下側カバー部の前端
    側から前記天井部に向け前記傾き角と対応した角度をも
    って斜め上向きに延び、上端側が前記天井部に固着され
    た前側カバー部とから構成し、該前側カバー部には前記
    吹出口を設ける構成としてなる請求項1に記載の空調装
    置を備えた建設機械用キャブ。
  3. 【請求項3】 前記空調装置は、キャブボックス内の空
    気を導入するための内気導入口を前記下側カバー部の後
    部側に開口させる構成としてなる請求項2に記載の空調
    装置を備えた建設機械用キャブ。
  4. 【請求項4】 前記キャブボックス内には後面部側寄り
    に位置して運転席を設け、前記吹出口は該運転席の背も
    たれ部よりも前側となる位置に設ける構成としてなる請
    求項1,2または3に記載の空調装置を備えた建設機械
    用キャブ。
  5. 【請求項5】 前記空調装置の吹出口には、前記キャブ
    ボックス内に向けて送風される調和空気の方向を可変に
    調整する送風方向調整手段を設けてなる請求項1,2,
    3または4に記載の空調装置を備えた建設機械用キャ
    ブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006132134A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Sumitomo (Shi) Construction Machinery Manufacturing Co Ltd 空調装置付建設機械

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