JPH11335515A - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂組成物Info
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- JPH11335515A JPH11335515A JP10158341A JP15834198A JPH11335515A JP H11335515 A JPH11335515 A JP H11335515A JP 10158341 A JP10158341 A JP 10158341A JP 15834198 A JP15834198 A JP 15834198A JP H11335515 A JPH11335515 A JP H11335515A
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Abstract
求される剛性、耐熱剛性、引張強度、ウエルド引張強
度、高温下での耐高速回転性及び座屈強度を充分備えた
シロッコファン用途に好適なポリオレフィン系樹脂組成
物を提供するものである。 【解決手段】 高剛性プロピレン・エチレンブロック共
重合体(イ)70〜80重量%及び高結晶性ポリプロピ
レン(ロ)20〜30重量%とからなるポリオレフィン
系樹脂組成物、又は造核剤及び無機充填剤から選ばれた
1種又は2種以上を配合してなるポリオレフィン系樹脂
組成物。
Description
適なポリオレフィン系樹脂組成物に関する。さらに詳し
くは、造核剤及び/又は無機充填剤を配合しないか又は
極く少量配合した場合であっても、ポリオレフィン系樹
脂の長所の一つである低比重を保持しながら、シロッコ
ファンに要求される高温下での耐高速回転性及び座屈強
度を備えたシロッコファンが得られる、シロッコファン
用途に好適なポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
性と大風量発生能力を有するという特性から自動車や家
庭用冷暖房器具の冷熱送風用ファンとして用いられてい
るが、使用時に高温下で高速回転が与えられるため、材
料として通常のポリプロピレンを単独で用いたシロッコ
ファンは高温下、高速回転時における変形量が大きく使
用に耐えなかった。その改善法としてポリプロピレンに
タルクやマイカ等の充填剤を比較的多量に添加した組成
物をシロッコファンの材料として用いることが考えられ
るが、この場合にはシロッコファンのウエルド部分(樹
脂の射出成形時に溶融樹脂同志が合流し一体となる部分
をいう。以下同じ。)の引張強度(以下、ウエルド部分
の引張強度を単にウエルド引張強度と称する。)が極端
に低下し、高温下での高速回転時にウエルド部分からシ
ロッコファンが破壊しバラバラに四散してしまうという
欠点がある。
の合成樹脂製シロッコファンの材料には、ポリアセター
ル等のエンジニアリングプラスチックか、又はポリプロ
ピレンを用いる場合においては充填剤としてガラスファ
イバー若しくはワラストナイトを10〜20重量%添加
して、得られるシロッコファンの剛性及び耐熱剛性の向
上を計るとともにウエルド引張強度の低下を極力防止し
たポリプロピレン組成物が使用されてきた。
び耐熱剛性の面で向上が認められるが、ポリプロピレ
ンの最大の特徴である低比重を活かした製品の軽量化が
犠牲になる、ウエルド引張強度の低下防止効果が未だ
充分ではなく、シロッコファンが使用中にウエルド部分
から時折破壊する、ポリプロピレンに充填剤を複合化
する工程が増えるため材料の製造コストが必然的に増大
しシロッコファンそのものの製造コストも増大する、
ポリプロピレンに充填剤を添加することでリサイクルが
困難になる、等の欠点がある。
ファンに関する上述の欠点を解決することを目的とし
て、高結晶性ポリプロピレン、高結晶性ポリプロピレン
を主成分として含む重合体混合物またはこれに造核剤及
び/又は無機充填剤を3重量%以下添加してなる組成物
を成形してなるポリプロピレン製シロッコファンを提案
した(特開平4−307206号公報)。一方、本出願
人は特開平8−269124号公報として高剛性でかつ
高耐衝撃性を有する成形品が得られる高剛性プロピレン
・エチレンブロック共重合体組成物を提案し、該公報に
は付加的成分として無機フィラー、非晶性若しくは低結
晶性エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリエチレン
又はスチレン系エラストマー、造核剤等を配合し得るこ
とが記載されている。
開平8−269124号公報には造核剤及び/又は無機
充填剤を配合した組成物をシロッコファンに成形し得る
こと、又は高剛性プロピレン・エチレンブロック共重合
体組成物に高結晶性ポリプロピレンを配合した組成物若
しくはさらに造核剤及び/又は無機充填剤を併用した組
成物はなんら記載も示唆もない。本発明者らは、前記特
開平4−307206号公報に提案したポリプロピレン
製シロッコファンに満足することなくさらに鋭意研究し
た。その結果、本発明者らは特定の高剛性プロピレン・
エチレンブロック共重合体に造核剤及び/又は無機充填
剤を配合したシロッコファン用組成物、又は特定の高剛
性プロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分とし
て高結晶性ポリプロピレンを配合した組成物又はさらに
造核剤及び/又は無機充填剤を併用した組成物が、シロ
ッコファンに要求される高温下での耐高速回転性及び座
屈強度を備えたシロッコファンが得られる組成物である
ことを見い出し、この知見に基づき本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は従来の
ポリプロピレン組成物から得られるシロッコファンの前
記欠点を解消し、剛性、耐熱剛性、ウエルド引張強度、
高温下での耐高速回転性及び座屈強度を充分に備え、か
つ低比重でコスト面で優位性を有するシロッコファンが
得られるポリオレフィン系樹脂組成物を提供することで
ある。
する。 (1)チタン、マグネシウム、ハロゲン及び多価カルボ
ン酸エステルを必須成分として含有する固体触媒成分
(A)と有機アルミニウム化合物(B)と一般式R4x
R5ySi(OR6)z(式中R4、R6は炭化水素
基、R5は炭化水素基又はヘテロ原子を含む炭化水素基
を示し、x+y+z=4,0≦x≦2,1≦y≦3,1
≦z≦3である。)で表される有機ケイ素化合物(C)
を組み合わせた触媒系を用い、第1段階として2槽以上
の重合器を直列に用いた重合工程(I)でプロピレンの
単独重合を実施して全重量の60〜95重量%を製造
し、第2段階として1槽以上の重合器を用いた重合工程
(II)でプロピレンとエチレンの共重合を実施してエチ
レンの含有量が30〜80重量%のプロピレン・エチレ
ン共重合部を全重量の5〜40重量%製造してなるプロ
ピレン・エチレンブロック共重合体において、重合工程
(I)の各槽で得られる重合体のメルトフローレート
(単位:g/10min;以下、同じ。)の最高値(以
下MFR(h)と言う)と最小値(MFR(l)と言
う)とが 0.1≦log(MFR(h)/MFR(l))≦1 なる関係を有し、重合工程(I)で得られたプロピレン
重合体のアイソタクチックペンタッド分率(P)が0.
96以上、Mw/Mn(Q値)が6以下であり、かつ、
重合工程(I)で得られる重合体のメルトフローレート
(以下MFR(i)と言う)と重合工程(II)で得られ
る重合体のメルトフローレート(以下MFR(ii)とい
う)とが 3≦log(MFR(i)/MFR(ii))≦7 なる関係を有する高剛性プロピレン・エチレンブロック
共重合体(イ)70〜80重量%及び高結晶性ポリプロ
ピレン(ロ)20〜30重量%とからなるポリオレフィ
ン系樹脂組成物。 (2)高結晶性ポリプロピレン(ロ)が、アイソタクチ
ックペンタッド分率(P)とメルトフローレート(MF
R)に関し、1.00≧P≧0.015×logMFR
+0.955の関係を満足し、かつ沸騰n−ヘキサン及
び沸騰n−ヘプタンで逐次抽出した抽出物のアイソタク
チックペンタッド分率(P)についてそれぞれ0.45
0〜0.700及び0.750〜0.930を有するも
のである前記第1項記載のポリオレフィン系樹脂組成物 (3)前記第1項〜第2項のいずれか1項記載のポリオ
レフィン系樹脂組成物97.0〜99.99重量%に対
して、造核剤及び無機充填剤から選ばれた1種又は2種
以上を0.01〜3.0重量%の割合で配合してなるポ
リオレフィン系樹脂組成物。 (4)前記第1項記載の高剛性プロピレン・エチレンブ
ロック共重合体(イ)97.0〜99.99重量%に対
して、造核剤及び無機充填剤から選ばれた1種又は2種
以上を0.01〜3.0重量%の割合で配合してなるシ
ロッコファン用ポリオレフィン系樹脂組成物。 (5)前記第1項〜第4項のいずれか1項記載のポリオ
レフィン系樹脂組成物又はシロッコファン用ポリオレフ
ィン系樹脂組成物から得られる成形品の比重が0.90
〜0.93、ウエルド部分の引張強度が30MPa以
上、曲げ弾性率が1600MPa以上、引張強度が35
MPa以上、0.45MPa荷重における熱変形温度が
135℃ 以上の特性を有するシロッコファン用ポリオ
レフィン系樹脂組成物。 (6)前記第1項〜第4項のいずれか1項記載のポリオ
レフィン系樹脂組成物又はシロッコファン用ポリオレフ
ィン系樹脂組成物のメルトフローレートが15〜30g
/10minであるシロッコファン用ポリオレフィン系
樹脂組成物。
・エチレンブロック共重合体(イ)は、重合触媒として
少なくともマグネシウム原子、チタン原子、ハロゲン原
子、及び多価カルボン酸エステルを含む固体触媒成分
(A)と、有機アルミニウム化合物(B)と前記一般式
で表される有機ケイ素化合物からなる電子供与性化合物
(C)を用いて得られる高立体規則性触媒系を用いるも
のであり、これらに包含されるものであれば特に制限は
なく使用することが可能である。このような固体触媒成
分(A)は、例えば特開昭50−108385号、同5
0−126590号、同51−20297号、同51−
28189号、同51−64586号、同51−928
85号、同51−136625号、同52−87489
号、同52−100596号、同52−147688
号、同52−104593号、同53−2580号、同
53−40093号、同53−40094号、同55−
135102号、同55−135103号、同55−1
52710号、同56−811号、同56−11908
号、同56−18606号、同58−83006号、同
58−138705号、同58−138706号、同5
8−138707号、同58−138708号、同58
−138709号、同58−138710号、同58−
138715号、同60−23404号、同61−21
109号、同61−37802号、同61−37803
号、同62−104810号、同62−104811
号、同62−104812号、同62−104813
号、同63−54405号等の各公報に開示された方法
に準じて製造することができる。本発明で用いる高剛性
プロピレン・エチレンブロック共重合体(イ)は、前記
第(1)項記載の性質を有するものであり、この高剛性
プロピレン・エチレンブロック共重合体(イ)は、本願
と同一の出願人に係わる前記特開平8−269124号
公報に記載の製造法により容易に得ることができる。
(ロ)は、通常のポリプロピレンより結晶性が高いとい
う意味で知られるポリプロピレンを広く含むが、特に前
記第(2)項記載の性質を有するものが好ましい。この
第(2)項記載の高結晶性ポリプロピレン(ロ)は、本
願と同一の出願人に係わる特開昭58−104907号
公報に記載の製造法により容易に得ることができる。
t−ブチル安息香酸アルミニウム、1・3,2・4−ジ
ベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(4
−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4
−ビス(4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・
3−(4−クロルベンジリデン)−2・4−(4−メチ
ルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス
(2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・
3,2・4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソ
ルビトール、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニ
ル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン
−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェ
ート等の有機系造核剤や微粒子状タルク等の無機系造核
剤を示すことができ、また無機充填剤としては例えばタ
ルク、珪酸カルシウム、ガラスファイバー等を示すこと
ができる。造核剤及び無機充填剤のそれぞれ単独使用は
もちろんのこと、2種以上を併用することもできる。そ
れらの配合割合は前記第(3)項若しくは第(4)項記
載の組成物において低比重、剛性、耐熱剛性、ウエルド
引張強度、高温下での耐高速回転性及び座屈強度の面か
ら0.01〜3.0重量%であり、特に、造核剤の好ま
しい配合割合は0.01〜1.0重量%、さらに好まし
くは0.02〜0.5重量%、また無機充填剤の好まし
い配合割合は0.1〜3.0重量%、さらに好ましくは
0.5〜3.0重量%である。
加される各種の添加剤、例えば本願発明で用いる高剛性
プロピレン・エチレンブロック共重合体(イ)及び高結
晶性ポリプロピレン(ロ)以外の他のα−オレフィン系
重合体やフェノール系、チオエーテル系、リン系等の酸
化防止剤を始め光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防
止剤、防雲剤、アンチブロッキング剤、顔料、重金属不
活性化剤(銅害防止剤)、過酸化物の如きラジカル発生
剤、金属石鹸類等の分散剤若しくは中和剤等も本発明の
目的を損なわない範囲で必要に応じて任意に添加するこ
とができる。
成物若しくはシロッコファン用ポリオレフィン系樹脂組
成物から得られる成形品は、シロッコファンに要求され
る特性値すなわち前記第(5)項記載の性質を有するも
のが特に好ましい。また、本発明で得られるポリオレフ
ィン系樹脂組成物若しくはシロッコファン用ポリオレフ
ィン系樹脂組成物は、前記第(6)項記載のメルトフロ
ーレート値を有するものが高流動性を有し、成形性に優
れるためシロッコファンの成形には特に好ましい。
エチレンブロック共重合体(イ)及び高結晶性ポリプロ
ピレン(ロ)、高剛性プロピレン・エチレンブロック
共重合体(イ)、高結晶性ポリプロピレン(ロ)及び造
核剤又は無機充填剤、又は高剛性プロピレン・エチレ
ンブロック共重合体(イ)及び造核剤又は無機充填剤、
並びに通常ポリプロピレン系重合体に添加される前述の
各種の添加剤のそれぞれ所定量を、通常の混合装置例え
ばヘンシェルミキサー(商品名)、タンブラーミキサー
(商品名)、リボンブレンダー等を用いて混合した後、
通常の単軸押出機、2軸押出機又はロール等に導いて、
溶融混練温度170〜300℃ 、好ましくは200〜
270℃ で溶融混練し、次いでペレタイズ化すること
により得ることができる。上記により得られた組成物ペ
レットは射出成形法、押出成形法、ブロー成形法等の各
種成形法により目的とする成形品の製造に供されるが、
特にシロッコファンへの成形に好適に用いられる。
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例で用いた評価方法
は次の方法によった。
と略記することがある。);ASTMD−1238(単
位;g/10min)に準拠。230℃ 、21.18
N荷重。
(P);macromolecules8687(19
75)に基づいて測定される。13C−NMRを使用
し、ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイ
ソタクチック分率である。
135℃ のオルトジクロルベンゼンに溶解させ、ウォ
ータズ社製150C型のGPC(Gel Permea
tion Chromatograph)で測定した。
使用カラム TSK GELGMH6−HT
トル法による。(単位:重量%)
重合量比(W1、W2);エチレン/プロピレンの反応
量比を変化させた共重合体を予め作り、これを標準サン
プルとし、赤外線吸収スペクトルで検量線を作り、重合
工程(II)のエチレン・プロピレン反応量比を求め、更
に全ポリマー中のエチレン含有率から計算した。(重量
/重量)
さ63.5mm、幅125.7mm、厚み3.2mmの
試験片を射出成形法により作成し、この試験片を用いJ
ISK7207に準拠して比重を測定した。
て長さ175mm、平行部分の幅10mm、厚さ3.5
mmの試験片を射出成形法により作成し、この試験片を
用いて引張強度を測定(JIS K7113に準拠)し
た。
トを用い、両端部から樹脂を流入させることにより中央
部分にウエルドを有するようにした長さ175mm、平
行部分の幅10mm、厚さ3.5mmの試験片を射出成
形法により作成し、この試験片を用いて引張強度を測定
(JIS K7113に準拠)した。
さ100mm、幅10mm、厚み4mmの試験片を射出
成形法により作成し、この試験片を用いて曲げ弾性率を
測定(JIS K7203に準拠)することにより剛性
を評価した。曲げ弾性率が大きくなる程剛性が高くなる
ことを意味する。
いて長さ130mm、幅13mm、厚み6.5mmの試
験片を射出成形法により作成し、この試験片を用いてそ
の熱変形温度を測定(JIS K7207に準拠:0.
451MPa荷重)することにより耐熱剛性を評価し
た。熱変形温度が高くなるほど耐熱剛性が高いことを意
味する。
いて外径150mm、羽根の長さ70mm、羽根数40
枚のシロッコファンを射出成形法にて成形し、80℃
雰囲気下、4500rpmの回転速度で30秒間回転さ
せた後、スイッチをOFFの状態で15秒間、これを1
サイクルとし1000サイクル実施した。
を用いて外径150mm、羽根の長さ70mm、羽根数
40枚のシロッコファンを射出成形法にて成形し、外周
リングのウエルド部分に荷重をかけてロードセルにて荷
重を読みとった。試験機:オートグラフAG−10TC
((株)島津製作所製;Max1000kgロードセル
使用)。圧縮速度:50mm/min。
た試験片は、得られたペレットを樹脂温度250℃ 、
金型温度50℃ で射出成形したものである。また、前
記(11)〜(12)の各試験に用いたシロッコファン
は、得られたペレットを樹脂温度220℃ 、金型温度
30℃ で射出成形したものである。
用いられる各成分は次に示すように略記する。 PP−1:特開平8−269124号公報に記載の製造
方法により得られ、MFRが62g/10min、アイ
ソタクチックペンタッド分率Pが0.973、Q値が
5.0であるプロピレン単独重合部とプロピレン・エチ
レン共重合部からなるプロピレン・エチレンブロック共
重合体でその他の特性は、表1に記載する。 PP−2:特開昭58−104907号公報に記載の製
造方法により得られ、MFRが5.0g/10min、
アイソタクチックペンタッド分率Pが0.967、沸騰
n−ヘキサン及び沸騰n−ヘプタンで逐次抽出した抽出
物のアイソタクチックペンタッド分率がそれぞれ0.5
32及び0.789である高結晶性ポリプロピレン。 PP−3:MFRが48g/10min、アイソタクチ
ックペンタッド分率Pが0.965、Q値が5.4であ
るプロピレン単独重合部とプロピレン・エチレン共重合
部からなるプロピレン・エチレンブロック共重合体でそ
の他の特性は、表1に記載する。 造核剤:ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート(旭電化
工業株式会社製、商品名[アデカスタブ NA−11U
F] 無機充填剤 タルク:平均粒径が1.3μmのタルク ワラストナイト:林化成株式会社製、商品名[ケイ灰石
VM−8N] リン系酸化防止剤:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト フェノール系酸化防止剤:テトラキス[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン チオエーテル系酸化防止剤:ジミリスチルチオジプロピ
オネート 中和剤:ステアリン酸カルシウム
1、PP−2、PP−3、造核剤及び無機充填剤のそれ
ぞれ所定量を後述の表2及び表3に示す配合割合で、ま
た共通の添加剤としてリン系酸化防止剤を0.05重量
%、フェノール系酸化防止剤を0.1重量%、チオエー
テル系酸化防止剤を0.1重量%及び中和剤を0.05
重量%の配合割合で、高速撹拌式混合機(註.ヘンシェ
ルミキサー、商品名)に入れて室温下に2分間混合した
後、該混合物をスクリュー径50mmの単軸押出造粒機
を用い、シリンダー温度200℃ にて溶融混練処理し
て造粒し、ペレット状の組成物を得た。該組成物を射出
成形機でシリンダー設定温度250℃ 、金型温度50
℃ でJIS型のテストピースを作成し、相対湿度50
%、室温23℃ の雰囲気下で72時間放置後、物性値
を測定し、その結果を後述の表2及び表3に示した。ま
た、該組成物を射出成形機で樹脂温度220℃ 、金型
温度30℃ でシロッコファンを成形した。得られたシ
ロッコファンの評価結果を後述の表2及び表3に示し
た。
〜7はシロッコファンの機能に最も大きく関わりのある
ウエルド引張特性、曲げ特性、引張特性及び熱変形温度
がいずれも比較例1〜4及び6よりはるかに優れ、かつ
ポリプロピレンの特徴の1つである低比重が保持されて
いることが理解され、またシロッコファンそのものの回
転試験及び座屈強度試験において変形や破壊を生ずるこ
とがなく、充分実用に耐えることが確認できた。比較例
5は曲げ特性及び熱変形温度が優れるものの、ポリプロ
ピレンの特徴の1つである低比重化が達成されないとい
う欠点があり、また座屈強度試験においてウエルド部分
に割れが発生し本発明の目的を達成できないことが理解
される。さらに、比較例7は本出願人が特開平4−30
7206号公報として提案した組成物に関するものであ
り、ウエルド引張特性、曲げ特性、引張特性、熱変形温
度や低比重及び回転試験は実施例1〜7と同様に優れる
ものの、座屈強度試験においてウエルド部分に割れが発
生し本発明の目的を達成できないことが理解される。
ィン系樹脂組成物は、得られる成形品の剛性、耐熱剛
性、引張強度及びウエルド引張強度を充分備えながら、
低比重でかつ経済的なシロッコファンを提供することが
可能となった。
Claims (6)
- 【請求項1】 チタン、マグネシウム、ハロゲン及び多
価カルボン酸エステルを必須成分として含有する固体触
媒成分(A)と有機アルミニウム化合物(B)と一般式
R4xR5ySi(OR6)z(式中R4、R6は炭化
水素基、R5は炭化水素基又はヘテロ原子を含む炭化水
素基を示し、x+y+z=4,0≦x≦2,1≦y≦
3,1≦z≦3である。)で表される有機ケイ素化合物
(C)を組み合わせた触媒系を用い、第1段階として2
槽以上の重合器を直列に用いた重合工程(I)でプロピ
レンの単独重合を実施して全重量の60〜95重量%を
製造し、第2段階として1槽以上の重合器を用いた重合
工程(II)でプロピレンとエチレンの共重合を実施して
エチレンの含有量が30〜80重量%のプロピレン・エ
チレン共重合部を全重量の5〜40重量%製造してなる
プロピレン・エチレンブロック共重合体において、重合
工程(I)の各槽で得られる重合体のメルトフローレー
ト(単位:g/10min;以下、同じ。)の最高値
(以下MFR(h)と言う)と最小値(MFR(l)と
言う)とが 0.1≦log(MFR(h)/MFR(l))≦1 なる関係を有し、重合工程(I)で得られたプロピレン
重合体のアイソタクチックペンタッド分率(P)が0.
96以上、Mw/Mn(Q値)が6以下であり、かつ、
重合工程(I)で得られる重合体のメルトフローレート
(以下MFR(i)と言う)と重合工程(II)で得られ
る重合体のメルトフローレート(以下MFR(ii)とい
う)とが 3≦log(MFR(i)/MFR(ii))≦7 なる関係を有する高剛性プロピレン・エチレンブロック
共重合体(イ)70〜80重量%及び高結晶性ポリプロ
ピレン(ロ)20〜30重量%とからなるポリオレフィ
ン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 高結晶性ポリプロピレン(ロ)が、アイ
ソタクチックペンタッド分率(P)とメルトフローレー
ト(MFR)に関し、1.00≧P≧0.015×lo
gMFR+0.955の関係を満足し、かつ沸騰n−ヘ
キサン及び沸騰n−ヘプタンで逐次抽出した抽出物のア
イソタクチックペンタッド分率(P)についてそれぞれ
0.450〜0.700及び0.750〜0.930を
有するものである請求項1記載のポリオレフィン系樹脂
組成物 - 【請求項3】 請求項1〜2のいずれか1項記載のポリ
オレフィン系樹脂組成物97.0〜99.99重量%に
対して、造核剤及び無機充填剤から選ばれた1種又は2
種以上を0.01〜3.0重量%の割合で配合してなる
ポリオレフィン系樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1記載の高剛性プロピレン・エチ
レンブロック共重合体(イ)97.0〜99.99重量
%に対して、造核剤及び無機充填剤から選ばれた1種又
は2種以上を0.01〜3.0重量%の割合で配合して
なるシロッコファン用ポリオレフィン系樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のポリ
オレフィン系樹脂組成物又はシロッコファン用ポリオレ
フィン系樹脂組成物から得られる成形品の比重が0.9
0〜0.93、ウエルド部分の引張強度が30MPa以
上、曲げ弾性率が1600MPa以上、引張強度が35
MPa以上、0.45MPa荷重における熱変形温度が
135℃ 以上の特性を有するシロッコファン用ポリオ
レフィン系樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項記載のポリ
オレフィン系樹脂組成物又はシロッコファン用ポリオレ
フィン系樹脂組成物のメルトフローレートが15〜30
g/10minであるシロッコファン用ポリオレフィン
系樹脂組成物。
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JP2002241557A (ja) * | 2001-02-16 | 2002-08-28 | Mazda Motor Corp | 長繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物 |
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1998
- 1998-05-22 JP JP15834198A patent/JP4151113B2/ja not_active Expired - Fee Related
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