JPH1129669A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成形体 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成形体Info
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- JPH1129669A JPH1129669A JP13214398A JP13214398A JPH1129669A JP H1129669 A JPH1129669 A JP H1129669A JP 13214398 A JP13214398 A JP 13214398A JP 13214398 A JP13214398 A JP 13214398A JP H1129669 A JPH1129669 A JP H1129669A
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Abstract
の良好なポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成
形体を提供すること。 【解決手段】(1)i230℃でのメルトフローレート
が25g/10min以上のプロピレン−エチレンブロ
ックコポリマーとii230℃でのメルトフローレート
が70g/10min以上であるプロピレンホモポリマ
ーとの混合物からなるポリプロピレン系樹脂を95〜5
0wt%、(2)(a)エチレン−α−オレフィン系共
重合体ゴム及び(b)アルケニル芳香族化合物単位含有
ゴムから選ばれた1種以上のゴムを5〜20wt%、並
びに(3)平均粒子径が3μm以下のタルクを0〜30
wt%含有する、樹脂組成物及びその射出成形体。
Description
樹脂組成物およびその射出成形体に関する。更に詳しく
は、特定のゴム成分と特定の組成比により流動性に優
れ、また物性の点においては剛性と耐衝撃性に優れ、成
形体として特に有用なポリプロピレン系樹脂組組成物お
よびその射出成形体に関するものである。
軽量化、低コスト化等からみてプロピレン−エチレンブ
ロックコポリマーが使用されている。しかし、従来のプ
ロピレン−エチレンブロックコポリマー材料は、衝撃強
度が低く、また剛性度および熱変形温度等の熱的性質を
持たせるために無機充填剤量が多く、そのため比重が割
合に大きかった。衝撃強度を改良するためにプロピレン
−エチレンブロックコポリマーにエチレン−プロピレン
共重合体ゴムを配合することが、例えば、特開昭53−
22552号および同53−40045号公報に提案さ
れている。しかし、エチレン−プロピレン共重合体ゴム
を配合するために剛性度および熱変形温度等の熱的性質
および流動性が劣る。熱的性質を改良するためにさらに
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、結晶性ケイ酸
カルシウムおよびタルク等の無機充填剤を加えて配合す
ることが、例えば、特開昭51−136735号、同5
3−64256号、同53−64257号、同57−5
5952号、同57−207630号、同58−171
39号、同58−111846号、同59−98157
号、特公昭55−3374号公報等において提案されて
いる。しかし、無機充填剤を添加することでさらに流動
性は悪化する傾向となった。このように、衝撃強度と剛
性のバランスを保ちつつ、流動性の良好な材料の開発が
求められ、種々提案されているが、いまだ不十分であっ
た。
本発明は、従来用いられているエチレン−プロピレン共
重合体ゴムを配合したポリプロピレン系樹脂組成物に比
べ、より流動性が良好でかつ衝撃強度と剛性のバランス
の良好なポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成
形体を提供することを目的とする。
結果、ポリプロピレン系樹脂を主体として用い、これに
特定のゴム成分を特定の組成比で添加することにより、
上記目的を満足することができることを見出し、本発明
に到達した。即ち、本発明は、次のとおりである。 [1](1)下記(i)および(ii)のポリマーの混
合物からなるポリプロピレン系樹脂(A):95〜50
wt% (i)第1セグメントにプロピレンホモポリマー部分、
第2セグメントにプロピレン−エチレンランダムコポリ
マー部分を有する、230℃でのMFR(メルトフロー
レート、JIS−K−6758により測定、以下同じ)
が25(g/10min、以下同じ)以上のプロピレン
−エチレンブロックコポリマー (ii)230℃でのMFRが70以上であるプロピレ
ンホモポリマー (2)下記(a)および(b)のゴムから選ばれた少な
くとも1種以上のゴム(B):5〜20wt% (a)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム (b)アルケニル芳香族化合物単位含有ゴム (3)平均粒子径が3μm以下のタルク(C):0〜3
0wt%を含有し、該ポリプロピレン系樹脂(A)
(i)のプロピレン−エチレンブロックコポリマーの第
2セグメント量を(A)’、エチレン−α−オレフィン
系共重合体ゴム含量を(a’)、アルケニル芳香族含有
ゴム含量を(b’)としたとき、次式 0.05≦{(A)’/[(A)’+(a’)+
(b’)]}≦0.20 を満足し、かつ該ポリプロピレン系樹脂組成物の230
℃でのMFRが35以上であり、23℃における曲げ弾
性率が8000kg/cm2以上であることを特徴とす
るポリプロピレン系樹脂組成物。 [2](a)成分のエチレン−α−オレフィン系共重合
体ゴムのα−オレフィン成分が1−ヘキセンまたは1−
オクテンである上記[1]記載のポリプロピレン系樹脂
組成物 [3](b)成分のアルケニル芳香族化合物単位含有ゴ
ムがスチレン−エチレン−ブテン−スチレン(SEB
S)ゴムである上記[1]記載のポリプロピレン系樹脂
組成物。 [4]上記[1]、[2]または[3]記載のポリプロ
ピレン系樹脂組成物を射出成形方法により成形してなる
ことを特徴とする射出成形体。
する。本発明において、ポリプロピレン系樹脂(A)と
は、上記(i)および(ii)のポリマーの混合物から
なるプロピレンを主体とするポリプロピレン系樹脂をい
う。(i)と(ii)の割合については通常(i)10
wt%〜40wt%に対し(ii)90wt%〜60w
t%(ただし(i)+(ii)=100wt%)のもの
が用いられる。
(A)は、そのプロピレンホモポリマー部分のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分
子量分布を表わす重量平均分子量(Mw)/数平均分子
量(Mn)比であるQ値が好ましくは3.0〜5.0、
より好ましくは3.5〜4.5である。Q値が3.0未
満の場合には流動性が悪化し、Q値が5.0をこえると
剛性と衝撃性のバランスにおいて好ましい結果が得られ
ない。ここでポリプロピレン系樹脂(A)のプロピレン
ホモポリマー部分とはプロピレン−エチレンブロックコ
ポリマー(i)の第1セグメント部分又はプロピレンホ
モポリマー(ii)をさす。
ロピレンホモポリマー(ii)の、特に好適な物性値、
組成等は次の通りである。即ち、上述のごとくQ値が
3.0〜5.0、好ましくは3.5〜4.5であり、さ
らに13C−NMRにより計算されるアイソタクチックペ
ンタッド分率は好ましくは0.97以上、さらに好まし
くは0.98以上である。アイソタクチックペンタッド
分率が0.97未満では目的の剛性、耐熱性等を満足す
ることが難しい。また230℃でのMFRは70以上、
好ましくは80以上である。 MFRが70未満では流
動性が悪化する。
1セグメントとしてプロピレンホモポリマー部分、第2
セグメントとしてプロピレン−エチレンランダムコポリ
マー部分を有するプロピレン−エチレンブロックコポリ
マー(i)の特に好適に要求される物性値、組成等は次
の通りである。プロピレン−エチレンブロックコポリマ
ー(i)の230℃でのMFRは25以上、好ましくは
30以上である。プロピレン−エチレンブロックコポリ
マー(i)において第1セグメントであるプロピレンホ
モポリマー部分の物性は、上記プロピレンホモポリマー
(ii)の場合に同じである。即ち、Q値は3.0〜
5.0、好ましくは3.5〜4.5であり、13C−NM
Rにより計算されるアイソタクチックペンタッド分率は
0.97、好ましくは0.98以上である。なお、プロ
ピレン−エチレンブロックコポリマー(i)の第1セグ
メントであるプロピレンホモポリマー部分は、その製造
時に、第一工程のプロピレンホモポリマー部分の重合後
に重合槽内より取り出すことにより得ることができる。
取り出されたプロピレンホモポリマーから[η]Pを求め
ることができる。
(i)における第2セグメントであるプロピレン−エチ
レンランダムコポリマー部分は5〜40重量%であり、
好ましくは10〜30重量%である。プロピレン−エチ
レンランダムコポリマー部分のエチレン含量(C2')EP
は、好ましくは25〜55重量%、さらに好ましくは3
0〜50重量%である。25重量%未満または55重量
%をこえると、組成物の耐衝撃性に関して好ましい結果
が得られない。またプロピレン−エチレンランダムコポ
リマー部分の固有粘度[η]EPは好ましくは3.0〜
6.0dl/g、さらに好ましくは4.0〜6.0dl
/gである。3.0dl/g未満では、剛性と衝撃性の
バランスにおいて好ましい結果が得られない。また6.
0dl/gをこえるとブツ部が発生し、面品質の点にお
いて好ましい結果が得られない。
する。アイソタクチック・ペンタッド分率とは、A.Z
ambelliらによってMacromolecule
s,6,925(1973)に発表されている方法、す
なわち13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレ
ン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連
鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続して
メソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位
の分率である。ただし、NMR吸収ピークの帰属に関し
ては、その後発刊されたMacromolecule
s,8,687(1975)に基づいて行うものであ
る。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領
域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率として
アイソタクチック・ペンタッド分率を測定する。この方
法により英国NATIONAL PHYSICAL L
ABORATORYのNPL標準物質CRM No.M
19−14 PolypropylenePP/MWD
/2のアイソタクチック・ペンタッド分率を測定したと
ころ、0.944であった。
リマー(i)において、プロピレン−エチレンランダム
コポリマー部分の全体のブロックコポリマーに対する重
量比率Xは、プロピレンホモポリマー部分と全体のブロ
ックコポリマーの各々の結晶融解熱量を測定することに
より、次式から計算で求めることができる。 X=1−(ΔHf)T /(ΔHf)P (ΔHf)T :ブロックコポリマー全体の融解熱量
(cal/g) (ΔHf)P :プロピレンホモポリマー部分の融解熱
量(cal/g) プロピレン−エチレンランダムコポリマー部分のエチレ
ン含量は、赤外線吸収スペクトル法によりブロックコポ
リマー全体のエチレン含量を重量%で測定し、次式から
計算で求めることができる。 (C2')EP=(C2')T /X (C2')T :全体のブロックコポリマーのエチレン含
量(重量%) (C2')EP:プロピレン−エチレンランダムコポリマー
部分のエチレン含量(重量%)
ポリマー(i)において、プロピレン−エチレンランダ
ムコポリマー部分の固有粘度[η]EPは、ホモポリマー
部分と全体のブロックコポリマーの各々の固有粘度を測
定することにより次式から計算で求めることができる。 [η]EP=[η]T /X−(1/X−1)[η]P [η]P :プロピレンホモポリマー部分の固有粘度
(dl/g) [η]T :ブロックコポリマー全体の固有粘度(dl
/g)
る結晶性プロピレンホモポリマー部分と第2工程で重合
される第2セグメントであるプロピレン−エチレンラン
ダムコポリマー部分からなるプロピレン−エチレンブロ
ックコポリマーは、スラリー重合法および気相重合法等
によって製造が可能である。
体ゴム(a)とは、エチレン−α−オレフィン共重合体
ゴム、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合
体ゴムから選ばれる少なくとも1つである。エチレン−
α−オレフィン系共重合体ゴム(a)におけるα−オレ
フィン成分としては、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メ
チル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1
−ウンデセン、1−ドデセン等があげられ、これらは2
種以上併用してもかまわない。これらのうち特に1−ヘ
キセン、1−オクテンが好ましい。また、第3成分の非
共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等が
あげられる。
(a)は190℃でのMFRが0.5〜10である。1
90℃でのMFRが10以上では衝撃強度に関して好ま
しい結果が得られず、190℃でのMFRが0.5未満
では、ポリプロピレン(A)との分散が悪く衝撃強度に
関して好ましい結果が得られない。
重合体ゴム(a)は特公昭43−13052号、特開平
2−77410号公報で開示されている方法、即ちバナ
ジウム化合物と有機アルミニウム化合物、ハロゲン化エ
ステル化合物からなるチーグラーナッタ触媒系を用いて
炭化水素のような不活性有機溶媒中でエチレンとα−オ
レフィン、必要によりさらに第3成分として非共役ジエ
ンを共重合させることによって得ることができる。また
チタン、ジルコニウムまたはハフニウムに配位した公知
のメタロセン化合物とアルモキサンとを組み合わせた触
媒、いわゆるメタロセン触媒を使用してエチレンとα−
オレフィンを共重合させて得ることもできる。
位含有ゴム(b)はオレフィン系共重合体ゴムもしくは
共役ジエンゴムに対し、重合、反応等によりアルケニル
芳香族化合物が結合しているゴム、例えば、スチレン−
ブタジエン系ゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−
スチレン系ゴム(SBS)、スチレン−イソプレン−ス
チレン系ゴム(SIS)等のブロック、ランダム共重合
体またはこれらのゴム成分を水添したブロック、ランダ
ム共重合体、例えばスチレン−エチレン−ブテン−スチ
レン(SEBS)ゴムをあげることができる。この中で
も特にスチレン−エチレン−ブテン−スチレン(SEB
S)ゴムが好ましい。またエチレン−α−オレフィン−
非共役ジエン共重合体ゴムにスチレン等のアルケニル芳
香族化合物を反応させたゴムもまた好適に使用できる。
径は、3μm以下である。3μmより大きいものは衝撃
強度の低下が大きく、光沢等の外観も悪くなる。タルク
は無処理のまま使用しても良いがポリプロピレン系樹脂
との界面接着性を向上させ、また分散性を向上させる目
的で通常知られている各種シランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、
高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類あるいは他の界面活
性剤で表面を処理したものを使用することができる。こ
こでタルクの平均粒子径とは遠心沈降式粒度分布測定装
置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測
定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子
径D50のことを意味する。
ポリプロピレン系樹脂(A)のプロピレン−エチレンブ
ロックコポリマーの第2セグメント量を(A)’、エチ
レン−α−オレフィン系共重合体ゴム含量を(a’)、
アルケニル芳香族含有ゴム含量を(b’)としたとき、
次式 0.05≦{(A)’/[(A)’+(a’)+
(b’)]}≦0.20 を満足する必要があり、好ましくは 0.10≦{(A)’/[(A)’+(a’)+
(b’)]}≦0.20 である。これらの値未満、もしくは越えると衝撃強度に
ついて好ましい結果が得られない。
30℃のMFRは35以上である。MFRが35未満だ
と流動性が劣り、成形サイクルなどの点で好ましい結果
が得られない。
3℃における曲げ弾性率は8000Kg/cm2以上で
ある。23℃の曲げ弾性率が8000kg/cm2未満
だと剛性不足のため成形体としての好ましい形状が得ら
れない。
機、バンバリーミキサー、熱ロールなどの混練機を用い
て製造することができる。各成分の混合は同時に行なっ
てもよく、また分割して行なってもよい。分割添加の方
法として、ポリプロピレン(A)とタルク(C)を混練
した後、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(a)及び/又はアルケニル芳香族化合物含有ゴム
(b)を添加する方法や、予めポリプロピレン(A)に
タルク(C)を高濃度に混練してマスターバッチとし、
それを別途ポリプロピレン(A)やエチレン−α−オレ
フィン系共重合体ゴム(a)及び/又はアルケニル芳香
族化合物含有ゴム(b)で希釈しながら混練する方法が
ある。さらに分割添加の第2の方法として、結晶性ポリ
プロピレン(A)とエチレン−α−オレフィン系共重合
体ゴム(a)及び/又はアルケニル芳香族化合物含有ゴ
ム(b)を混練した後、タルク(C)を添加し混練する
方法や、予めポリプロピレン(A)にエチレン−α−オ
レフィン系共重合体ゴム(a)及び/又はアルケニル芳
香族化合物含有ゴム(b)を高濃度に混練してマスター
バッチとし、それにポリプロピレン(A)、タルク
(C)を添加し混練する方法も好適に採用される。分割
添加の第3の方法として、予めポリプロピレン(A)と
タルク(C)、ポリプロピレン(A)とエチレン−α−
オレフィン系共重合体ゴム(a)及び/又はアルケニル
芳香族化合物含有ゴム(b)をそれぞれ混練しておき、
最後にそれらを合わせて混練する方法である。混練に必
要な温度は170〜250℃であり、時間は1〜20分
である。さらに、これらの混練機においてこれらの基本
成分以外に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中
和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤等
の添加剤を適宜配合することができる。
般に採用されている成形方法により射出成形体にするこ
とができる。特に、自動車用や家電用成形体として好適
に使用される。
らは単なる例示であり、本発明は要旨を逸脱しない限り
これら実施例に限定されるものではない。次に実施例に
おける物性値の測定法を以下に示す。 (1)メルトフローレート JIS−K−6758に規定された方法による。特に断
りのない限り測定温度は230℃であり荷重は2.16
kgで測定した。 (2)曲げ試験 JIS−K−7203に規定された方法による。射出成
形により成形された試験片を用いる。試験片の厚みは
6.4mmであり、スパン長さ100mm、荷重速度
2.0mm/minの条件で曲げ弾性率を評価する。測
定温度は23℃で行った。 (3)アイゾット衝撃強度 (IZOD Impact) JIS−K−7110に規定された方法による。射出成
形により成形された試験片を用いる。試験片の厚みは
6.4mmであり、成形の後にノッチ加工されたノッチ
付きの衝撃強度を評価する。測定温度は23℃で行っ
た。 (4)脆化温度 JIS−K−6758に規定された方法による。射出成
形により成形された25×150×2mmの平板から所
定の6.3×38×2mmの試験片を打ち抜き、所定の
方法で評価を行った。 (5)エチレン含量、プロピレン含量 エチレン含量またはプロピレン含量については、プレス
シートを作製し測定した赤外吸収スペクトルに現れる、
メチル基(−CH3 )およびメチレン基(−CH2
−)の特性吸収の吸光度を用いて検量線法により求め
た。 (6)固有粘度 ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および
0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。固
有粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(198
2年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法
すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼ
ロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンに
ついては、溶媒としてテトラリンを溶媒として用い、温
度135℃で評価した。エチレン−α−オレフィン系共
重合体ゴム(a)については、溶媒としてキシレンを用
い、温度70℃で評価した。 (7)分子量分布(Q値) ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
より測定し、以下に示す条件で行った。 GPC:Waters社製 150C型 カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2
本 サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%) 流 量:1ml/min 温 度:135℃ 溶 媒:o−ジクロルベンゼン 東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分
子量の検量線を作成した。検量線を用いて検体のポリス
チレン換算の重量平均分子量、数平均分子量を求め分子
量分布の尺度としてQ値=重量平均分子量/数平均分子
量を求めた。
評価用試験片は、次の射出成形条件下で作製した。組成
物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥後、東芝機械製
IS150E−V型射出成形機を用い成形温度220
℃、金型冷却温度50℃、射出時間15sec、冷却時
間30secで射出成形を行った。また以下の組成物は
次のような条件で製造した。ポリプロピレン(A)及び
造核剤としてp−第三ブチル安息香酸アルミニウム0.
2重量部を表3記載の組成で、ヘンシェルミキサーおよ
びタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機
(日本製鋼所社製TEX44SS 30BW−2V型)
にて押出量30kg/hr、スクリュー回転数900r
pm、ベント吸引下で行った。尚、表中における略号は
次のものを示す。 BC:プロピレン−エチレンブロックコポリマー PP:プロピレンホモポリマー SEBS:スチレン−エチレン−ブテン−スチレンゴム EOR:エチレン−オクテン共重合体ゴム P部:BCにおけるプロピレンホモポリマー部分 EP部:BCにおけるプロピレン−エチレンランダムコ
ポリマー部分
を16重量%、プロピレンホモポリマーを72重量%、
SEBSを12重量%を所定の条件で混練して試験片を
射出成形した。各種材料の物性を表1、2に、組成割合
を表3に、また物性測定結果を表4に示す。
を64重量%、プロピレンホモポリマーを32重量%、
SEBSを4重量%を所定の条件で混練して試験片を射
出成形した。各種材料の物性を表1、2に、組成割合を
表3に、また物性測定結果を表4に示す。
を22重量%、プロピレンホモポリマーを52重量%、
EORを15重量%、平均粒子径2.5μmのタルクを
11重量%所定の条件で混練して試験片を射出成形し
た。各種材料の物性を表1、2に、組成割合を表3に、
また物性測定結果を表4に示す。
を55重量%、プロピレンホモポリマーを24重量%、
EORを10重量%、平均粒子径2.5μmのタルクを
11重量%所定の条件で混練して試験片を射出成形し
た。各種材料の物性を表1、2に、組成割合を表3に、
また物性測定結果を表4に示す。本発明の実施例は比較
例に比べ、流動性が良好で、アイゾット衝撃強度、脆化
温度の物性においてもバランス良く優れている。
マー部分 含量1 :BCにおけるEP部の含量 含量2 :EP部におけるエチレン含量 mmmm:アイソタクチックペンタッド分率
(a)、アルケニル芳香族化合物単位含有ゴム(b)、
ポリプロピレン(A)のプロピレン−エチレンブロック
コポリマーの第2セグメント量を(A)’、エチレン−
α−オレフィン系共重合体ゴム含量を(a’)、アルケ
ニル芳香族化合物単位含有ゴム(b’)としたとき、式 (A)’/[(A)’+(a’)+(b’)]の値を示
す。
剛性、衝撃強度に優れ、また流れ性も優れている。本発
明により提供されるポリプロピレン樹脂組成物はかかる
物性を利用して射出成形品に好適に用いられる。
Claims (4)
- 【請求項1】(1)下記(i)および(ii)のポリマ
ーの混合物からなるポリプロピレン系樹脂(A):95
〜50wt% (i)第1セグメントにプロピレンホモポリマー部分、
第2セグメントにプロピレン−エチレンランダムコポリ
マー部分を有する、230℃でのメルトフローレート
(JIS−K−6758)が25g/10min以上の
プロピレン−エチレンブロックコポリマー (ii)230℃でのメルトフローレート(JIS−K
−6758)が70g/10min以上であるプロピレ
ンホモポリマー (2)下記(a)および(b)のゴムから選ばれた少な
くとも1種以上のゴム(B):5〜20wt% (a)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム (b)アルケニル芳香族化合物単位含有ゴム (3)平均粒子径が3μm以下のタルク(C):0〜3
0wt%を含有し、該ポリプロピレン系樹脂(A)
(i)のプロピレン−エチレンブロックコポリマーの第
2セグメント量を(A)’、エチレン−α−オレフィン
系共重合体ゴム含量を(a’)、アルケニル芳香族化合
物単位含有ゴム含量を(b’)としたとき、次式 0.05≦{(A)’/[(A)’+(a’)+
(b’)]}≦0.20 を満足し、かつ該ポリプロピレン系樹脂組成物のメルト
フローレート(JIS−K−6758、230℃)が3
5g/10min以上であり、23℃における曲げ弾性
率が8000kg/cm2以上であることを特徴とする
ポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】(a)成分のエチレン−α−オレフィン系
共重合体ゴムのα−オレフィン成分が1−ヘキセンまた
は1−オクテンである請求項1記載のポリプロピレン系
樹脂組成物 - 【請求項3】(b)成分のアルケニル芳香族化合物単位
含有ゴムがスチレン−エチレン−ブテン−スチレン(S
EBS)ゴムである請求項1記載のポリプロピレン系樹
脂組成物。 - 【請求項4】請求項1、2または3記載のポリプロピレ
ン系樹脂組成物を射出成形方法により成形してなること
を特徴とする射出成形体。
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---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-05-14 JP JP13214398A patent/JP4038874B2/ja not_active Expired - Fee Related
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