JPH11335493A - ゴム製品の製法 - Google Patents

ゴム製品の製法

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JPH11335493A
JPH11335493A JP14481198A JP14481198A JPH11335493A JP H11335493 A JPH11335493 A JP H11335493A JP 14481198 A JP14481198 A JP 14481198A JP 14481198 A JP14481198 A JP 14481198A JP H11335493 A JPH11335493 A JP H11335493A
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rubber
inorganic filler
polycondensate
crosslinked rubber
alkoxysilane compound
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JP14481198A
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Inventor
Hideaki Tanahashi
英明 棚橋
Koyo Murakami
公洋 村上
Shinsuke Osanai
伸輔 小山内
Shinji Iio
真治 飯尾
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】補強効果が高いゴム製品を得ることができる製
法を提供する。 【解決手段】無機系充填剤が内部に分散された架橋ゴム
を準備し、この架橋ゴムをアルコキシシラン化合物を含
む補強剤液中に浸漬して膨潤させ、ついでこの膨潤架橋
ゴムを触媒水中に浸漬して膨潤架橋ゴム中でアルコキシ
シラン化合物の加水分解物の重縮合体を生成させるよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゾル−ゲル反応を
利用して補強されたゴム製品の製法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ゴム製品を補強する方法とし
て、シリカ、カーボンブラック等の充填剤をゴム中に混
入させることが行われている。この混入方法としては、
架橋前のゴムと無機系充填剤とをバンバリーミキサー、
ニーダー、ロール等を用いて混練することにより機械的
に練り込む方法(混練法)が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
充填剤はゴムに対する親和力が不充分であり、また多量
に配合することで充填剤同士が凝集するため、ゴム製品
の補強効果に限界がある。これは、充填剤としてシリカ
を用いた場合、特に顕著にみられる。この理由は、シリ
カ表面に水酸基が多数存在するため、シリカ同士の凝集
力が強く、またゴムとの親和力が低いためと考えられ
る。
【0004】そこで、分散性を高めるため、脂肪酸等の
表面処理剤や、シランカップリング剤等を用いることが
行われている。これにより、補強効果の改善がある程度
図れるものの、結局は、機械的な混練による分散のみに
依存しているため、補強効果の飛躍的な向上は期待でき
ない。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、補強効果が高いゴム製品を得ることができる製
法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のゴム製品の製法は、無機系充填剤が内部に
分散された架橋ゴムを準備し、この架橋ゴムをアルコキ
シシラン化合物を含む補強剤液中に浸漬して膨潤させ、
ついでこの膨潤架橋ゴムを触媒水中に浸漬して膨潤架橋
ゴム中でアルコキシシラン化合物の加水分解物の重縮合
体を生成させるという構成である。
【0007】すなわち、本発明のゴム製品の製法では、
無機系充填剤が内部に分散された架橋ゴムをアルコキシ
シラン化合物を含む補強剤液中に浸漬し、その後、触媒
水中に浸漬して、架橋ゴム内で、アルコキシシラン化合
物の加水分解物の重縮合体を生成させる。これにより、
無機系充填剤の表面が改質されたようになり、分散性が
高まる。その結果、得られるゴム製品は、従来にない補
強効果を備えたものとなる。特に、同量の無機系充填剤
が分散されたものに比べ、引張り強さが向上するととも
に、摩擦係数が低減したものとなり、またヒステリシス
ロスの少ないものとなる。上記無機系充填剤の表面改質
がどのようにしてなされているかは明らかではないが、
本発明者らは、上記重縮合体が無機系充填剤とマトリッ
クス成分である架橋ゴムとを繋ぐようにして表面改質が
なされていると推測している。
【0008】そして、上記無機系充填剤として、シリ
カ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウムからなる群から選ばれた少なくとも一つを用い
ることが、ゴム製品を補強するために用いる無機系充填
剤として特に好ましいことを突き止めた。
【0009】なお、本発明において、「無機系充填剤」
とは、カーボンブラック等の有機系の充填剤を除く趣旨
で用いている。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0011】本発明では、無機系充填剤が内部に分散さ
れた架橋ゴムと、補強剤液と、触媒水とを用いる。
【0012】上記架橋ゴムとしては、特に限定するもの
ではなく、従来公知の方法により得られたものを用いる
ことができる。例えば、ゴム材料を主成分とし、無機系
充填剤および架橋剤を含有するゴム組成物を、混練し、
加熱架橋することにより得られるものを用いることがで
きる。
【0013】上記ゴム材料としては、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(B
R)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ク
ロロプレンゴム(CR)、フッ素ゴム(FKM)、ブチ
ルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム
(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
ゴム(EPDM)、水素化ニトリルゴム(水素化NB
R)、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム(C
O、ECO)、多硫化ゴム(T)、ウレタンゴム(U)
等の各種のものを用いることができる。これらは単独で
用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
【0014】上記ゴム材料とともに用いられる無機系充
填剤としては、特に限定するものではなく、従来公知の
ものがあげられる。これらは単独で用いてもよいし、二
種以上併用してもよい。なかでも、シリカ、炭酸カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好適
に用いられる。最適には、シリカ、水酸化マグネシウム
である。この理由は、表面に存在すると考えられる水酸
基付近で、アルコキシシラン化合物の加水分解反応およ
び重縮合反応が優先的に行われ、充填剤表面が改質され
やすいからである。さらに、上記無機系充填剤として
は、ゴム中への練り込みやすさ、ゴム中での分散性およ
び表面処理される重縮合体との関係等を考慮して、平均
粒径0.01〜20μmの範囲のものを用いることが好
ましい。より好ましくは、0.01〜3μmの範囲であ
る。
【0015】上記無機系充填剤の配合量は、特に限定さ
れるものではないが、補強効果の高いゴム製品を得ると
いう観点から、ゴム材料100重量部に対して、20〜
60重量部の範囲に設定されていることが好ましい。
【0016】上記ゴム材料および無機系充填剤とともに
用いられる架橋剤としては、特に限定するものではなく
従来公知のものが用いられ、例えば硫黄、過酸化物があ
げられ、なかでも過酸化物が好ましい。
【0017】上記ゴム組成物には、本発明の目的を損な
わない範囲内で、その他の添加剤を配合することができ
る。その他の添加剤としては、架橋促進剤、架橋遅延
剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、老化防止剤等
があげられる。
【0018】上記架橋ゴムとともに用いられる補強剤液
としては、シリカモノマーであるアルコキシシラン化合
物を含有するものであれば、無溶媒タイプのものであっ
てもよいし、有機溶媒を含有するタイプのものであって
もよい。両者とも、架橋ゴムを膨潤させることが可能な
ため、架橋ゴム中にアルコキシシラン化合物を浸透させ
ることができる。
【0019】上記アルコキシシラン化合物は、下記の一
般式(1)で表わされるものである。
【0020】
【化1】
【0021】上記一般式(1)におけるアルコキシ基と
しては、炭素数1〜6のものが好ましく、具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、
sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチル
オキシ基、ヘキシルオキシ基等があげられる。
【0022】上記一価の有機基としては、アルコキシ基
以外のものであって、アルキル基、アリール基、アラル
キル基等があげられる。
【0023】そして、最適なアルコキシシラン化合物と
しては、上記R1 〜R4 のすべてがアルコキシ基であ
る、テトラアルコキシシランがあげられる。すべてがア
ルコキシ基であると、加水分解物の重縮合体の構造が緻
密となるからである。
【0024】上記テトラアルコキシシランとしては、特
に限定するものではないが、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフ
ェノキシシラン等があげられる。なかでも、製造時の取
り扱いの容易性、水との反応性等の観点から、特にR1
〜R4 がすべてエトキシ基である、下記の化学式(2)
で表わされるテトラエトキシシラン(TEOS)が好ま
しい。
【0025】
【化2】
【0026】上記アルコキシシラン化合物以外の構成材
料であって、有機溶媒を含有するタイプに使用される、
有機溶媒としては、特に限定するものではないが、テト
ラヒドロフラン、シクロヘキサン、酢酸イソブチル、メ
チルイソプロピルケトン、酢酸ブチル、四塩化炭素、エ
チルベンゼン、p−キシレン、メチルエチルケトン、ト
ルエン等があげられる。これらは単独で用いてもよい
し、二種以上併用してもよい。なお、有機溶媒を含有す
るタイプの補強剤液の場合は、アルコキシシラン化合物
(A)および有機溶媒(B)を配合して、混合すること
により調製される。この配合割合は、体積比で、A/B
=100/0〜10/90に設定されていることが好ま
しい。より好ましくは、A/B=100/0〜70/3
0である。なお、A/B=100/0とは、アルコキシ
シラン化合物のみで、有機溶媒を含まない無溶媒タイプ
であるという意味である。
【0027】上記架橋ゴムおよび補強剤液とともに用い
られる触媒水は、水と触媒とを混合することにより調製
されるものである。
【0028】上記水としては、特に限定するものではな
く、従来公知のものが用いられる。そして、水の使用量
は、アルコキシシラン化合物の加水分解反応を開始でき
るのであれば特に限定されるものではなく、少量であっ
ても差し支えない。
【0029】上記触媒としては、ゾル−ゲル反応を促進
できるのであれば特に限定するものではなく、エチレン
ジアミン、アンモニア、n−ブチルアミン、セチルアミ
ン、トリエチルアミン等の塩基性触媒や、塩酸等の酸性
触媒があげられる。なかでも、ゾル−ゲル反応がより良
好に行える点で、エチレンジアミンが好ましい。そし
て、触媒の使用量は、アルコキシシラン化合物に対し
て、モル分率で、0.01〜1倍程度が好ましい。
【0030】つぎに、本発明のゴム製品の製法は、上記
各材料を用い、例えばつぎのようにして行われる。すな
わち、先に述べたようにして、まず無機充填剤が内部に
分散された上記架橋ゴムを準備する。ついで、この架橋
ゴムをアルコキシシラン化合物を含む補強剤液中に所定
時間浸漬し〔例えば、室温(25℃)×48時間〕、ア
ルコキシシラン化合物が浸透した膨潤架橋ゴムを作製す
る。つぎに、膨潤架橋ゴムを、触媒水中に所定時間浸漬
する(例えば、60℃×72時間)。これにより、触媒
水が膨潤架橋ゴム中に浸透し、浸透とともに内部に存在
するアルコキシシラン化合物が加水分解し、この加水分
解物が重縮合して重縮合体が生成する〔インサイチュゾ
ル−ゲル反応(in situ Sol-Gel 反応)〕。この重縮合
体は、架橋ゴム中の無機系充填剤表面で優先的に生成さ
れる。そして、この重縮合体には、シリカや、下記の一
般式(3)で表わされるシリカオリゴマーが含まれる。
【0031】
【化3】
【0032】なお、上記一般式(3)において、重縮合
体反応に供しなかった残部のうち少なくとも一部が、架
橋ゴムあるいは無機系充填剤との架橋反応に供されると
推測される。
【0033】その後、必要に応じて、風乾、真空乾燥等
の処理を行ない、未反応のアルコキシシラン化合物等を
除去する。このようにして、アルコキシシラン化合物の
加水分解物の重縮合体によって表面処理された無機系充
填剤が内部に分散されたゴム製品を得ることができる。
【0034】このようにして得られたゴム製品中の重縮
合体の平均粒径は、30nm以下であることが好まし
い。より好ましくは、1〜20nmで、最適には2〜8
nmである。通常、ゴム製品は、充填剤が多量に配合さ
れ、その粒径が小さいほど高い補強効果が得られるた
め、本発明において、重縮合体の平均粒径が上記範囲内
であれば、高強度のゴム製品となるからである。
【0035】上記製法によれば、上記重縮合体によって
無機系充填剤の表面が改質されたようになるため、無機
系充填剤が均一に分散されたゴム製品が得られる。そし
て、このゴム製品中の重縮合体は、無機系充填剤の分散
性向上だけでなく、それ自体も補強剤として作用するた
め、無機系充填剤とともにゴム製品を補強する効果を奏
する。したがって、無機系充填剤による補強効果が良好
に得られるとともに、重縮合体による補強効果が得られ
るため、従来にない補強効果を奏するゴム製品となる。
特に、引張り強さが向上するとともに、摩擦係数が低減
したものとなる。
【0036】そして、本発明の製法により得られたゴム
製品(X)は、略同量の無機系充填剤が配合された従来
のゴム製品(Y)に比べて、ヒステリシスロスの少ない
ものとなる。具体的には、図1に示すように、弾性限度
内において、まず徐々に応力を加えながら、応力−歪み
曲線を描き、ついで応力をしだいに減らしながら、応力
−歪み曲線を描くと、ゴム製品(X)は、ゴム製品
(Y)に比べ、応力−歪み曲線で囲まれる面積が小さく
なり、ヒステリシスロスの少ないものとなる。この理由
としては、本発明者らは、つぎのようであると推測して
いる。すなわち、前述したように、一般に無機系充填剤
はゴムに対する親和力が低いため、単に機械的混練によ
り得られたゴム製品には、無機系充填剤とマトリックス
成分である架橋ゴムとの間に隙間が生じる。このため、
ゴム製品に歪みを加えると、架橋ゴムと充填剤とがこす
れあって、ヒステリシスロスの大きいものとなる。とこ
ろが、本発明の製法により得られたゴム製品は、重縮合
体が無機系充填剤と架橋ゴムとを繋ぐようにして形成さ
れると推測されるため、隙間が非常に小さく、ヒステリ
シスロスの少ないものとなっている。
【0037】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0038】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
の方法により、架橋ゴム、補強剤液および触媒水を準備
した。
【0039】〔架橋ゴム〕下記の表1に示す各成分を同
表に示す割合で配合したゴム組成物を調製し、その後オ
ープンロールで混練し、150℃×20分間の条件でプ
レス架橋して、架橋ゴムを作製した。
【0040】
【表1】
【0041】〔補強剤液〕TEOS(片山化学社製)の
みを補強剤液とした。
【0042】〔触媒水〕TEOSに対して、エチレンジ
アミン(片山化学社製)が、モル分率で、0.05倍と
なる触媒水を調製した。
【0043】
【実施例1〜4、比較例1】上記各材料を用い、前述の
方法に準じて、ゴム製品を製造した。すなわち、まず上
記配合例a〜eにより得られた各架橋ゴムを補強剤液中
に浸漬し、膨潤するまで放置した(条件:25℃×48
時間)。その後、触媒水中に浸漬し、架橋ゴムの内部で
TEOSを加水分解し、重縮合して、重縮合体を生成し
(条件:60℃×72時間)、各ゴム製品を製造した。
これらゴム製品および架橋ゴム(重縮合体が生成されて
いないもの)について、下記の方法により、100%伸
長時の応力(M100 )、破断点強度(TB )、動摩擦係
数(μd)を測定し、この測定値を用い、架橋ゴムに対
する変化量を百分率で表わすこととし、その結果を後記
の表2に示した。
【0044】〔100%伸長時の応力〕JIS K 6
301に準じて測定した。
【0045】〔破断点強度〕JIS K 6301に準
じて測定した。
【0046】〔動摩擦係数〕静動摩擦係数計(協和界面
科学社製)を用いて測定した。測定条件は、移動速度
0.3cm/秒、荷重100gで行った。
【0047】
【比較例2、3】まず、NBR(日本ゼオン社製のニポ
ールDN401)100重量部と、過酸化物(日本油脂
社製のパークミルD40)3重量部と、ステアリン酸1
重量部とが配合されてなるゴム組成物を準備し、これを
用いて架橋ゴムを作製した(ブランク)。そして、前記
配合例f、gにより得られた各架橋ゴムおよびブランク
について、実施例1と同様にして、100%伸長時の応
力(M100 )、破断点強度(TB )、摩擦係数(μd)
を測定し、その測定値を用いて、ブランクに対する変化
量を百分率で表わすこととし、その結果を下記の表2に
併せて示した。
【0048】
【表2】
【0049】上記表2の結果から、実施例品はすべて、
単に無機系充填剤が配合されたものと比較して、100
%伸長時の応力および破断点伸びが向上していることが
わかった。また、動摩擦係数が低減していることもわか
った。
【0050】これに対して、比較例1品は、単にカーボ
ンブラックが配合されたものと比較して、100%伸長
時の応力および破断点伸びが僅かながら低減しているこ
とがわかった。また、動摩擦係数が大きくなっているこ
ともわかった。
【0051】また、比較例2品および3品は、ジエチレ
ングリコールまたはシランカップリング剤を含有させて
いるため、これらを含有させていないものと比較して、
100%伸長時の応力に関しては向上するものの、破断
点伸びおよび動摩擦係数が殆ど変化していないことがわ
かった。
【0052】
【実施例5】つぎに、上記実施例1を用いたゴム製品お
よび架橋ゴム(重縮合体が生成されたもの)を用いて、
ヒステリシスロスを評価することとした。その結果、前
記図1に示すように、内部に重縮合体が生成されている
ゴム製品は、架橋ゴムに比べ、ヒステリシスロスの少な
いものとなっていることが確認できた。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明は、無機系充填剤
が内部に分散された架橋ゴムを準備し、この架橋ゴムを
アルコキシシラン化合物を含む補強剤液中に浸漬して膨
潤させ、ついでこの膨潤架橋ゴムを触媒水中に浸漬して
膨潤架橋ゴム中でアルコキシシラン化合物の加水分解物
の重縮合体を生成させるゴム製品の製法である。このた
め、無機系充填剤と架橋ゴムとの親和性が高まり、従来
にない補強効果を備えたゴム製品を得ることができる。
具体的には、引張り強さが向上するとともに、摩擦係数
が低減し、ヒステリシスロスが少ないものとなってい
た。
【0054】特に、上記無機系充填剤として、シリカ、
炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウムからなる群から選ばれた少なくとも一つを用いた場
合には、非常に良好な補強効果を備えたゴム製品を得る
ことができる。
【0055】したがって、本発明により得られたゴム製
品は、防振ゴム、ゴムまり、コンベアベルト、オイルフ
ェンス、OA機器ベルト(ADFベルト)等の、いわゆ
る明色ゴム用途一般に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】応力−歪みの関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 9/04 C08K 9/04 C08L 15/00 C08L 15/00 83/04 83/04 (72)発明者 棚橋 英明 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 村上 公洋 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 小山内 伸輔 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 飯尾 真治 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系充填剤が内部に分散された架橋ゴ
    ムを準備し、この架橋ゴムをアルコキシシラン化合物を
    含む補強剤液中に浸漬して膨潤させ、ついでこの膨潤架
    橋ゴムを触媒水中に浸漬して膨潤架橋ゴム中でアルコキ
    シシラン化合物の加水分解物の重縮合体を生成させるこ
    とを特徴とするゴム製品の製法。
  2. 【請求項2】 上記無機系充填剤が、シリカ、炭酸カル
    シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムから
    なる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載
    のゴム製品の製法。
  3. 【請求項3】 上記重縮合体を生成させることにより、
    架橋ゴム中の無機系充填剤が表面処理されている請求項
    1または2記載のゴム製品の製法。
JP14481198A 1998-05-26 1998-05-26 ゴム製品の製法 Pending JPH11335493A (ja)

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