JP4867015B2 - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ゴムに混合させる代表的な白色充てん剤としてシリカが知られている。シリカ粒子の多くはその表面にシラノール基等が多数存在するために、シリカ粒子同士の凝集力が強く、ゴムとの親和力が弱い。そのために、単なる混練による方法では、シリカ粒子をゴム中に均一に分散し難く、カーボンブラック等を充てんした場合に比べ、力学的物性を向上させる効果が小さい。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示されている方法では、シリカ粒子がゴム100重量部に対して35重量部程度までしか充てんできないため、それほど高い補強効果が得られていないのが現状である。
C6:比較例6; C7:比較例7; C8:比較例8; C9:比較例9; C10:比較例10; C11:比較例11; C12:比較例12; C13:比較例13; RE:無充てんゴム; RS:残留ひずみ;
E5:実施例5の透過型電子顕微鏡写真の像; E4:実施例4の透過型電子顕微鏡写真の像; E2:実施例2の透過型電子顕微鏡写真の像; E1:実施例1の透過型電子顕微鏡写真の像; E7:実施例7の透過型電子顕微鏡写真の像; C1:比較例1の透過型電子顕微鏡写真の像; C2:比較例2の透過型電子顕微鏡写真の像; C3:比較例3の透過型電子顕微鏡写真の像;
本発明に用いられるゴムは、ゴム弾性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、天然ゴム(NR);イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、水素化ニトリルゴム(水素化NBR)などのジエン系合成ゴム;ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)などのオレフィン系ゴム;1,2−ポリブタジエン;トランスポリイソプレン;クロルスルホン化ポリエチレンゴム;フッ素ゴム(FKM);シリコーンゴム(VMQ,FVMQ);エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO);多硫化ゴム(T);ウレタンゴム(U);アクリルゴム(ACM);エステル系ゴム、エーテル系ゴム;等が挙げられる。また、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、及びそれらの主鎖水素化物(SEBS,SEPS)などの熱可塑性エラストマーも用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。特に工業的な大量生産に適した合成ゴム、特にIRなどのジエン系合成ゴムに本発明を適用することが好ましく、それによって、耐摩耗性及び耐疲労性に優れた合成ゴム材料を大量に生産することが可能となる。
また、ゴムは、未架橋のものであってもよいし、架橋されたものであってもよい。さらにそれらの混合物であってもよい。
本発明に用いられるアルコキシシラン化合物は、加水分解反応によってシリカ等の微粒子を生成析出するものであれば、特に制限されない。アルコキシシランを構成するアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。本発明に用いられるアルコキシシラン化合物は、前記アルコキシ基がシランに1つ以上付加したものであるが、本発明においては、シランに4つのアルコキシ基が付加されたもの、すなわちテトラアルコキシシランが好ましい。モノアルコキシシラン又はジアルコキシシランを用いた場合は、3官能性以上のアルコキシシリル基を有するものとの併用が好ましい。
アルコキシシラン化合物を溶解させる有機溶媒は、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、酢酸イソブチル、メチルイソプロピルケトン、酢酸ブチル、四塩化炭素、エチルベンゼン、p−キシレン、メチルエチルケトン、トルエン、ジオキサン、アセトン、クロロフォルム、n−ヘキサン、石油エーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記アルコキシシラン化合物とともに架橋剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、加硫剤、加硫促進剤、過酸化物、充てん剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、シランカップリング剤等の配合剤をゴムに含有させることができる。これらのうちシランカップリング剤は、加水分解によって生成する微粒子の粒径や分散性やゴムとの相互作用を制御する機能を有し、また力学的物性を低ひずみ領域から高応力にすることができるので、好適に用いられる。また充てん剤は、ゴムの力学的物性を向上させるために効果を奏するので好適に用いられる。
シランカップリング剤としては、メルカプトシラン類、ビニルシラン類、メタクリロキシシラン類、アミノシラン類、グリシドキシシラン類、テトラスルフィド型シラン類等のシラン系化合物が挙げられる。
より具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドなどのスルフィド型シラン類;3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン類; 3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノシラン類; 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのグリジドキシシラン類;3−トリエトキシシリルプロピルチオアセテート、3−トリメトキシシリルプロピルチオアセテート、3−トリプロポキシシリルプロピルチオアセテート;2−アセチルチオエチルトリメトキシシラン;3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリプロポキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどのビニルシラン類が挙げられる。
これらの中から、ゴムの種類や架橋系等を考慮して、使用するシランカップリング剤が適宜選択される。たとえば過酸化物架橋系のゴムには、メルカプトシラン類、ビニルシラン類、またはメタクリロキシシラン類が好適であり、硫黄加硫系のゴムには、スルフィド型シラン類、またはメルカプトシラン類が好適である。
充てん剤としては、無機系微粒子からなる充てん剤と有機系微粒子からなる充てん剤とがあり、これらのうち無機系微粒子からなる充てん剤が好適に用いられる。
無機系微粒子としては、カーボンブラック;クレー;酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム;加水分解で得られた微粒子以外のケイ素系粒子が挙げられる。有機系微粒子としては、ポリスチレン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子などが挙げられる。これらのうち、カーボンブラック、又は加水分解で得られた微粒子以外のケイ素系粒子が好ましく用いられる。
例えば、空気タイヤ及び特に空気タイヤのスレッドストリップ用途では、HAF、ISAF及びSAFタイプのカーボンブラックが好ましく用いられる。カーボンブラックの量は、ゴム100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは1〜150重量部、特に好ましくは1〜100重量部である。
本発明に用いる触媒はアミノ化合物からなるものである。この触媒を構成するアミノ化合物は、炭素数5以上15以下、好ましくは炭素数6以上8以下の炭化水素基を備えるもの、又は25℃、常圧における水に対する溶解度が0.001〜34g/L、好ましくは0.1〜20g/L、より好ましくは0.1〜15g/Lのものである。炭素数又は水への溶解度が上記の範囲にあるアミノ化合物を用いると、インサイチュシリカをゴムに短時間に高率で充てんでき且つ均一に分散できる。炭素数5未満の炭化水素基を備えるアミノ化合物では、アルキル基の疎水性が不十分(水への溶解性が高すぎ)でゴム母材内に十分入り込みにくく、インサイチュシリカを短時間で高率で充てんすることが困難である。逆に炭素数15を超える炭化水素基を備えるアミノ化合物では、水への溶解性が低すぎて、やはりゴム母材内に入り込みにくくなり、加水分解反応の触媒効果が低くなる。
窒素に結合する炭化水素基の数は、特に限定されないが、モノアミンは、作用効果が高く、加水分解反応性、取り扱い性に優れるので好ましい。炭素数が多い炭化水素基を備えるアミノ化合物は水溶解性が低くなりやすいので、その場合は溶解性が比較的高いジアミンやアンモニウム塩型化合物を用いてもよい。
アミノ化合物の具体例としては、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、などの長鎖炭化水素基を有する脂肪族アミノ化合物;シクロヘキシルアミンなどの脂環式アミノ化合物;アニリンなどの芳香環を有する芳香族アミノ化合物等が挙げられる。これらのうち一級モノアミンが好ましく、n−ヘキシルアミン(12g/L)、n−ヘプチルアミン(6.79g/L)、又はn−オクチルアミン(0.2g/L)がより好ましく、n−ヘキシルアミンが特に好ましい。括弧内の数値は25℃、常圧における水に対する溶解度である。
本発明のゴム組成物の製造方法は、ゴムにアルコキシシラン化合物を含浸あるいは混合し、ゴム中にアルコキシシラン化合物を含有させ;前記アルコキシシラン化合物を、炭素数5以上15以下の炭化水素基を備えるアミノ化合物又は25℃、常圧における、水に対する溶解度が0.001〜34g/Lのアミノ化合物からなる触媒の存在下で、ゴムの中で加水分解させることを含む方法である。
(1)ゴムを液状のアルコキシシラン化合物又はアルコキシシラン化合物溶液に所定時間浸漬して、ゴムを膨潤させ、ゴム中にアルコキシシラン化合物を含有させる。そして、膨潤したゴムを触媒溶液に浸漬し、ゴム中に触媒を含有させ、アルコキシシラン化合物を加水分解させるとともに重縮合させてゴム中でシリカ等の微粒子を生成させる。そして必要に応じて風乾、真空加熱乾燥等の処理を行い、未反応のアルコキシシラン化合物等を除去することによってインサイチュシリカが内部に分散、充てんされたゴム材料を得ることができる。さらに必要に応じて架橋させることができる。
その後、触媒水溶液から取り出した膨潤状態のゴムシートを減圧加熱乾燥などによって十分に乾燥させる。
上記のようにして得られたゴム組成物は、公知の方法でそのまま所望形状に成形してもよいし、架橋剤又は加硫剤を混合して架橋させ、ゴム架橋物を得ることができる。
加硫促進剤としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅などのジチオカルバミン酸塩類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム類;N−シクロヘキシル−2−ベンゾジチジルスルフェンアミド、N,N’−ジシクロヘキシル2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド類;ジベンゾチアジルジスルフィド、メルカプトベンゾチアゾールなどのチアゾール類;ジ−o−トリグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ジエチルチオウレアなどのチオウレア類、などを挙げることができる。
加硫促進助剤としては金属酸化物、脂肪酸、アミン類などを用いることができる。
なお、本発明のゴム組成物の架橋又は加硫は公知の方法に従って行うことができる。
未架橋NR(RSSNo.1)を2本ロールで薄通しを行って、約1mm厚の未架橋NRシートを得た。
この未架橋NRシートを40℃のTEOS(和光純薬工業社製:試薬特級)に1時間浸漬したのち、TEOSを25℃まで冷却し、25℃で16時間さらに浸漬を続け、未架橋NRシートをTEOSによって膨潤させ、該NRシート中にTEOSを含有させた。
膨潤した未架橋NRシートをTEOS中から取り出し、表面を軽くろ紙で拭き取った。膨潤した未架橋NRシートの膨潤度は345〜370%程度であった。
触媒水溶液濃度及び触媒を構成するアミノ化合物の種類を表1に示す処方に変えた他は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。その結果を表1に示した。なお、使用したアミノ化合物はいずれも純度95%以上の試薬である。
触媒水溶液濃度及び触媒を構成するアミノ化合物の種類を表1に示す処方に変え、実施例6と比較例4で、減圧乾燥を40℃さらに80℃に変えた他は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。その結果を表1に示した。なお、実施例6及び7で用いたアミノ化合物はいずれも純度95%以上の試薬である。比較例4で用いたセチルアミンは95%より高い純度のものである。
表2に示す処方で反応時間を24時間にした他は実施例6と同様にしてゴムシートを得た。その結果を表2に示した。
n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンでは、24時間でほぼ反応時間72時間と同じ含量と大きさと分散性のインサイチュシリカが分散、充てんされたゴムシートが得られた。24時間までの反応を追跡した結果、nーヘキシルアミン、n−ヘプチルアミンでは、約10時間でインサイチュシリカ生成量がほぼ平衡に達することも分かった。セチルアミンでは、反応はゴム中で均一に進行しなかった。
未架橋NR(RSSNo.1)100重量部に表3に示す量のビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド[ダイソー製カブラス 4、以下「TESPT」と表記]を配合し、その配合物を2本ロールで薄通しを行って、約1mm厚のNRシートを得た。このNRシートを40℃のTEOSに1時間浸漬したのち、TEOSを25℃まで冷却し、25℃で16時間さらに浸漬を続け、NRシートをTEOSによって膨潤させ、該NRシート中にTEOSを含有させた。膨潤したNRシートをTEOS中から取り出し、表面を軽くろ紙で拭き取った。
つぎに、40℃に保持された濃度0.064mol/Lのn−ヘキシルアミンの触媒水溶液に、前記膨潤したNRシートを24時間浸漬した。触媒水溶液から、ゴムシートを取り出し、恒量になるまで40℃さらに80℃で減圧乾燥して、ゴムにインサイチュシリカが分散、充てんされたゴムシートを得た。このゴムシート中のシリカ充てん量及び粒径を求め、表3にその結果を示した。TESPT含量が増えるにつれてインサイチュシリカ含量は増える傾向にあった。
表4に示した量のTESPT又はビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン〔表中VTMESと表記〕を混合した厚さ約1mmのNRシートを40℃に保持された濃度0.064mol/Lのn−ヘキシルアミンからなる触媒水溶液に72時間浸漬した他は実施例13と同じ方法でゴムシートを得た。結果を表4に示した。TESPTを用いた系の方が、インサイチュシリカ含量も粒径も僅かに大きくなることが分かった。
表5に示す処方で行った他は実施例15と同じ方法でゴムシートを得た。結果を表5に示した。同量のTESPTを含む系でのインサイチュシリカ含量には、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンによる大きな違いは認められなかった。
実施例8、15及び16で得られたゴムシート100重量部に架橋剤としてジクミルパーオキシド1重量部を2本ロールで混練り配合し、その配合物を155℃で熱プレスし架橋させた。その架橋物を室温下、引張速度100mm/分で引張試験した。それぞれの架橋シートはE20,E21,E22である。その結果を図2に示す。図2から、架橋ゴム材料はひずみ2のあたりから高い応力を示すことがわかる。ひずみは、伸長した試料の全長の試料の伸長前の長さに対する比である。すなわち、ひずみ2は100%伸長を意味する。
未架橋ゴム100重量部に、粒径20nmのシリカ粒子80重量部及び、架橋剤としてジクミルパーオキシド1重量部を混練して配合物を得た。この配合物を155℃で熱プレスし架橋させた。このシートを室温下、引張速度100mm/分で引張試験した。その結果を図2のC6に示す。図2から、混練によって得た架橋ゴム材料は、伸長直後からひずみ約2までの応力は実施例より大きく、ひずみが大きいことがわかる。
図3〜5並びに表6より、インサイチュシリカを充てんした実施例20及び22で得られた架橋ゴムはヒステリシスロスが小さいことがわかる。これに対してシリカ粒子を混練充てんした架橋ゴム(比較例6)はヒステリシスロスが大きいことがわかる。
未架橋NR100重量部に、架橋剤としてジクミルパーオキシド1重量部を混練し、得られた配合物を155℃で熱プレスをすることによって架橋シートを得た。この架橋シートを40℃のTEOSに17時間浸漬することによって、TEOSを膨潤させ、該架橋シート中にTEOSを含有させた。膨潤した架橋シートをTEOS中から取り出し、表面を軽くろ紙で拭き取った。
つぎに、40℃に保持された濃度0.096mol/Lのn−ヘキシルアミンあるいはnーブチルアミン試薬からなる触媒水溶液に、前記膨潤した架橋シートを24時間浸漬した。触媒水溶液から、架橋シートを取り出し、恒量になるまで40℃で、さらに80℃で減圧乾燥して、ゴムにインサイチュシリカが分散、充てんされた架橋ゴムシートを得た。この架橋ゴムシート中のシリカ充てん量及び粒径を求め、表7にその結果を示した。また、図7に実施例23と比較例7で得られたシートの引張試験結果を示した。
ゴムをIRに変え、表8に示す処方にした他は実施例23と同じ方法でインサイチュシリカ充てんゴムシートを得た。結果を表8に示す。また、図8に実施例24〜26と比較例8〜10で得られたシートの引張試験(室温下、引張速度100mm/分)の結果を示した。
実施例2で得られたインサイチュシリカ充てんNRにステアリン酸2重量部、活性亜鉛華1重量部、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド1重量部、及び硫黄1.5重量部を二本ロールで混練して得られた配合物を140℃で熱プレスして架橋体を作製した。トルエン中膨潤圧縮法で求めた網目鎖密度は7.2×10−5mol/cm3であった。
NRゴム100重量部に市販シリカ(VN−3)を71重量部混練した他は実施例27と同じ配合組成、加工条件で比較架橋体を得た。網目鎖密度は7.6×10−5mol/cm3であった。
n−ヘキシルアミンをn−ブチルアミンに変えた他は実施例20とほぼ同様にして架橋シートを得た。インサイシュシリカ含量は43重量部である。図13に実施例20及び比較例12の応力−ひずみ曲線(室温、引張速度100mm/分)を示した。実施例20で得た架橋シートは、比較例12に比べ、低ひずみ領域から高応力を示すことがわかる。
n−ヘキシルアミンをn−ブチルアミンに変えた他は実施例21とほぼ同様にして架橋シートを得た。インサイシュシリカ含量は45重量部である。図13に実施例21及び比較例13の応力−ひずみ曲線を示した。実施例21で得た架橋シートは、比較例13に比べ、低ひずみ領域から高応力を示すことがわかる。
(1)シリカ等の微粒子をゴム中に多量に充てんさせることができる。
(2)このようなゴム組成物を短時間で製造できる。
(3)100nm以下の微粒子をゴム中に均一に分散させることができる。
(4)希釈によるマスターバッチ法で広い範囲でシリカ系微粒子の含量を変量できる。
(5)シリカ粒子を混練法で充てんしたものとは、異なった物性を示す。
(6)シランカップリング剤を併用することによって、高い応力を示す。
(7)硫黄系加硫剤、パーオキシド系架橋剤等によって架橋することができる
(8)合成ゴム及び架橋体中においても触媒が効果的に働く。
(9)シリカ微粒子が高含量でもシリカ混練品と比較してヒステリシスロス、動的弾性率、硬度、伸長直後の応力は低く、その後の低ひずみ領域(ひずみ約2)からの応力は高い
(10)非常に柔らかいゴム材料であり、かつ、tanδが大きく、エネルギー散逸性が良い。高反発弾性も期待できる。
(11)カーボンブラック系と同傾向の物性向上効果が得られ、インサイチュシリカはホワイトカーボンと呼ぶことができる。
Claims (26)
- 炭素数6以上8以下の炭化水素基を備えるアミノ化合物からなる触媒および水の存在下で、ゴム中に含有するアルコキシシラン化合物を加水分解及び重縮合させて(混練しながら加水分解及び重縮合させることを除く。)成るゴム組成物であって、
前記加水分解及び重縮合によって生成したシリカのゴム組成物中における含有量が、ゴム100重量部に対して24重量部以上であるゴム組成物。 - 25℃、常圧における、水に対する溶解度が0.001〜34g/Lのアミノ化合物からなる触媒および水の存在下で、ゴム中に含有するアルコキシシラン化合物を加水分解及び重縮合させて(混練しながら加水分解及び重縮合させることを除く。)成るゴム組成物であって、
前記加水分解及び重縮合によって生成したシリカのゴム組成物中における含有量が、ゴム100重量部に対して24重量部以上であるゴム組成物。 - アミノ化合物は、25℃、常圧における、水に対する溶解度が0.001〜34g/Lである請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記加水分解及び重縮合によって生成したシリカのゴム組成物中における含有量が、ゴム100重量部に対して53重量部以上である請求項1〜3のいずれ一に記載のゴム組成物。
- 前記アミノ化合物からなる触媒をゴムに含浸させて又は前記アミノ化合物からなる触媒をゴムの溶液若しくはエマルジョンに混合して、ゴム中に含有するアルコキシシラン化合物を加水分解及び重縮合させて成る請求項1〜4のいずれか一に記載のゴム組成物。
- ゴム中に含有するアルコキシシラン化合物を30〜50℃にて加水分解及び重縮合させて成る請求項1〜5のいずれか一に記載のゴム組成物。
- 前記加水分解及び重縮合によって生成したシリカの粒径が100nm以下である請求項1〜6のいずれか一に記載のゴム組成物。
- アミノ化合物が一級のモノアミンである請求項1〜7のいずれか一に記載のゴム組成物。
- アミノ化合物が、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン及びn−オクチルアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1〜7のいずれか一に記載のゴム組成物。
- アルコキシシラン化合物がテトラアルコキシシランである請求項1〜9のいずれか一に記載のゴム組成物。
- ゴムが、未架橋ゴム、架橋ゴム、又はこれらの混合物である請求項1〜10のいずれか一に記載のゴム組成物。
- ゴムが合成ゴムである請求項1〜10のいずれか一に記載のゴム組成物。
- さらにシランカップリング剤を含有する請求項1〜12のいずれか一に記載のゴム組成物。
- さらに無機系微粒子又は有機系微粒子を含有する請求項1〜13のいずれか一に記載のゴム組成物。
- 無機系微粒子又は有機系微粒子が、カーボンブラック、又は前記加水分解で得られた微粒子以外のケイ素系微粒子である請求項14に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜15のいずれか一に記載のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
- ゴムにアルコキシシラン化合物を含浸あるいは混合し、ゴム中にアルコキシシラン化合物を含有させ;
炭素数6以上8以下の炭化水素基を備えるアミノ化合物からなる触媒および水を含む溶液をゴムに含浸させて又は該触媒をゴムの溶液若しくはエマルジョンに混合して、該ゴムの中で前記アルコキシシラン化合物を加水分解及び重縮合させる(混練しながら加水分解及び重縮合させることを除く。)工程を含む、ゴム組成物の製造方法。 - ゴムにアルコキシシラン化合物を含浸あるいは混合し、ゴム中にアルコキシシラン化合物を含有させ;
25℃、常圧における、水に対する溶解度が0.001〜34g/Lのアミノ化合物からなる触媒および水を含む溶液をゴムに含浸させて又は該触媒をゴムの溶液若しくはエマルジョンに混合して、該ゴムの中で前記アルコキシシラン化合物を加水分解及び重縮合させる(混練しながら加水分解及び重縮合させることを除く。)工程を含む、ゴム組成物の製造方法。 - ゴムにアルコキシシラン化合物を含浸あるいは混合し、ゴム中にアルコキシシラン化合物を含有させ;
炭素数6以上8以下の炭化水素基を備えるアミノ化合物からなる触媒および水の存在下で、該ゴムの中で前記アルコキシシラン化合物を30〜50℃にて加水分解及び重縮合させる(混練しながら加水分解及び重縮合させることを除く。)工程を含む、ゴム組成物の製造方法。 - ゴムにアルコキシシラン化合物を含浸あるいは混合し、ゴム中にアルコキシシラン化合物を含有させ;
25℃、常圧における、水に対する溶解度が0.001〜34g/Lのアミノ化合物からなる触媒および水の存在下で、該ゴムの中で前記アルコキシシラン化合物を30〜50℃にて加水分解及び重縮合させる(混練しながら加水分解及び重縮合させることを除く。)工程を含む、ゴム組成物の製造方法。 - ゴムがシランカップリング剤を含有するものである請求項17〜20のいずれか一に記載のゴム組成物の製造方法。
- ゴムが、無機系微粒子若しくは有機系微粒子、及びシランカップリング剤を含有するものである請求項17〜21のいずれか一に記載のゴム組成物の製造方法。
- アルコキシシラン化合物がテトラアルコキシシランである請求項17〜22のいずれか一に記載のゴム組成物の製造方法。
- ゴムが、未架橋ゴム、架橋ゴム、又はこれらの混合物である請求項17〜23のいずれか一に記載のゴム組成物の製造方法。
- アミノ化合物が一級のモノアミンである請求項17〜24のいずれか一に記載のゴム組成物の製造方法。
- アミノ化合物が、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン及びn−オクチルアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項17〜25のいずれか一に記載のゴム組成物の製造方法。
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